JP2014070476A - コンクリートひび割れ誘発構造及びコンクリートひび割れ誘発構造の施工方法 - Google Patents

コンクリートひび割れ誘発構造及びコンクリートひび割れ誘発構造の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コンクリートひび割れ誘発構造における止水構造の改善を図る。
【解決手段】本発明に係るコンクリートひび割れ誘発構造は、断面欠損部材が埋設されたコンクリート構造において、コンクリート打設時にセメント系材料に繊維を混合して形成されたクラックシールド板を、前記断面欠損部材により誘発されるひび割れが予期される位置に、クラックシールド板の表面を露出して埋設させたことを特徴とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、コンクリート構造において、予め予期した位置にひび割れを誘発させるコンクリートひび割れ誘発構造、そして、その施工方法に関する。特に、誘発させたひび割れ箇所において止水対策を図ることを目的とするものである。
建築物に用いられるコンクリート構造は、コンクリートを打設することで製造される。図1には、コンクリート構造として知られるボックスカルバート1の使用例が示されている。ここに示されるボックスカルバート1は、人や自動車が、線路下を横切って通行するため、線路3下の盛り土の間に埋設された例である。図2(a)には、このボックスカルバート1の側面図が、また、図2(b)には正面図が示されている。
このボックスカルバート1のようなコンクリート構造では、製造時、コンクリート硬化時の発熱によるひび割れ、そして、底面、壁面など、各構成毎にコンクリートを打設することによる外部拘束ひび割れが発生することが知られている。
このようなコンクリート構造で発生したひび割れは、雨水や地下水などによる漏水の原因になるとともに、コンクリート内部に侵入した水により、コンクリート構造体内部の鉄筋を腐食させてしまう。そのため、コンクリート構造では、意図する位置にひび割れを誘発させ、当該位置にひび割れが発生しても漏水を防ぐ止水対策が施されている。
図2には、ボックスカルバート1の外壁面、内壁面のそれぞれに誘発目地部11a、11b(以下、誘発目地部11と記載する。)が設けられている。この誘発目地部11は、意図的にひび割れを誘発させる構造であって、図3には、誘発目地部11近傍での内部構造が示されている。図3に示される内部構造は、図2に示されるA−A’、B−B’間近傍のものとなっている。
一般に知られたコンクリート構造と同様、この壁面においてもコンクリート構造の内部には、縦横に張架された鉄筋12を有して構成されている。また、ひび割れを誘発するため、断面欠損部材14a、14bと第2断面欠損部材15a、15bが設けられている。断面欠損部材14a、14bは、板状の部材であって、図中、紙面を貫くようにコンクリート中に埋設されている。また、第2断面欠損部材15a、15bは、断面が凸形状を有する部材であって、コンクリート面13a、13bにその頂部を向けて埋設されている。この第2断面欠損部材15a、15bは、金属とゴム(ブチルゴム)を組み合わせて構成されたものである。
第2断面欠損部材15a、15bの頂部と対向するコンクリート面13a、13bに設けられた凹部が誘発目地部11a、11bに相当し、その内部には、シリコーンなどのコーキング材料にてコーキング処理が施されている。
このような断面欠損部材14a、14b、第2断面欠損部材15a、15bによりB−B’間近傍に意図的にひび割れを誘発させ、ひび割れが生じた場合においても、断面中央付近に埋設された止水板16により、コンクリート面13a、13bからの漏水を防ぐことが可能となっている。
このようなひび割れ誘発構造は、組まれた鉄筋12に、断面欠損部材14a、14b、
第2断面欠損部材15a、15bを固定しておき、コンクリートを打設することで形成される。コンクリート枠には、誘発目地部11a、11bを形成するための凸部が予め形成されており、コンクリート硬化後、コンクリート枠を取り外すことで、誘発目地部11a、11bの凹部が形成される。この誘発目地部11a、11bにコーキング処理を施すことで、止水効果を有するひび割れ誘発構造が形成される。
特許文献1には、このようなひび割れ誘発構造において、不溶性物質生成材を含有する止水体を埋設することが開示されている。止水体に含有された不溶性物資生成材は、漏水が生じた場合、侵入した水と反応して不溶性物質を生成し、誘発されたひび割れを防いで止水効果を発揮する。
特許文献2には、同様のひび割れ誘発構造において、型枠接触面を有する本体部と、本体部からひび割れ誘発部材に向かって「ハ」の字状に伸びる2つの脚部を有する化粧目地部材を使用することが開示されている。誘発されたひび割れは、この「ハ」の字状に伸びる脚部にて遮断され、コンクリート表面に向かって伸びることを抑制する。したがって、外部からコンクリート内部に水が浸入することがない。
特開2011−236639号公報 特開2006−52549号公報
以上、ボックスカルバートを用いて説明した従来のひび割れ誘発構造、並びに、特許文献1、特許文献2に開示されるひび割れ誘発構造は、複数の部材を使用する必要があり、材料費が嵩むこととなる。また、複数の部材を取り付ける手間もかかるため工期に影響を及ぼす場合がある。また、部材がコンクリート内部に埋設されているため、コンクリート構造の完成後、的確な位置、状態で埋設されたかを確かめる術もない。各部材が的確に埋設されていない場合には、誘発されたひび割れから漏水が発生し、コンクリート構造を腐食させることが予想される。
本実施形態は、このような課題の解決を試みるものであり、そのため、以下の構成を採用することを特徴としている。
本発明に係るコンクリートひび割れ誘発構造は、
断面欠損部材が埋設されたコンクリート構造において、
コンクリート打設時にセメント系材料に繊維を混合して形成されたクラックシールド板を、前記断面欠損部材により誘発されるひび割れが予期される位置に、前記クラックシールド板の表面を露出して埋設させたことを特徴とする
コンクリートひび割れ誘発構造。
さらに本発明に係るコンクリートひび割れ誘発構造において、
前記クラックシールド板において、誘発されるひび割れと直交する方向の幅Wは、下記条件式(1)で示される下限値Wmin以上であることを特徴とする。
Wmin=D/θ ・・・(1)
だだし、
Dは、ひび割れの予想幅
θは、クラックシールド板の幅W方向における引張ひずみ率
さらに本発明に係るコンクリートひび割れ誘発構造において、
前記クラックシールド板の裏面には、係止部が一体形成されていることを特徴とする。
さらに本発明に係るコンクリートひび割れ誘発構造において、
前記係止部は、前記クラックシールド板の裏面両端に形成されていることを特徴とする。
さらに本発明に係るコンクリートひび割れ誘発構造において、
前記クラックシールド板は、伸縮可能な構造体を内部に有して形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係るコンクリートひび割れ誘発構造の施工方法は、
断面欠損部材が埋設されたコンクリート構造において、
コンクリート打設時に、セメント系材料に繊維を混合して形成されたクラックシールド板を、前記断面欠損部材により誘発されるひび割れが予期される位置に、前記クラックシールド板の表面を露出して埋設させたことを特徴とする。
本発明のコンクリートひび割れ誘発構造、並びに、その施工方法によれば、伸び機能、及び、止水機能を有するクラックシールド板によって止水効果が確保されるため、従来、必要とされた止水板などの材料を設ける必要が無く、材料費を抑えることが可能となる。また、埋設する材料の点数を少なく抑えるとともに、コーキング処理を施す必要もないため、製造工程の簡略化が図られ、工期の短縮を図ることも可能となっている。さらに、クラックシールド板はその表面を表面に露出して埋設されているため、コンクリート構造が完成した後、その埋設状態を目視して確認することも可能である。
さらに本発明によれば、クラックシールド板の幅Wが、下限値Wmin以上に設定される
ことにより、クラックシールド板の伸びが、誘発されたひび割れによる伸びを許容し、クラックシールド板自体に漏水の原因となる重大なひび割れが発生することを抑制することを可能としている。
さらに本発明によれば、クラックシールド板の裏面に係止部を形成したことで、コンクリート側の伸びに、クラックシールド板の伸びを追従させ、止水効果の確実性の向上を図ることが可能となる。さらに係止部をクラックシールド板の裏面両端に形成することで、クラックシールド板の伸びを分散させ、止水効果の向上を図ることが可能となる。
さらに本発明によれば、クラックシールド板の内部に、エキスパンドメタルなど伸縮可能な構造体を設けることで、クラックシールド板の伸び特性を一様に分散させ、止水効果の向上を図ることが可能となる。
線路下におけるボックスカルバート埋設の様子を示す図 従来のボックスカルバートの構造を示す側面図、正面図 従来のボックスカルバート壁面におけるひび割れ誘発構造を示す断面図 本発明の実施形態に係るボックスカルバートの構造を示す側面図、正面図 本発明の実施形態に係るボックスカルバートの壁面におけるひび割れ誘発構造を示す断面図 本発明の実施形態に係るボックスカルバートの壁面での断面斜視図 本発明の実施形態に係るクラックシールド板の構成を示す図 本発明の実施形態に係るクラックシールド板の引張試験を説明する図 本発明の実施形態に係る高架橋の構造を示す正面図、側面図 本発明の実施形態に係る高架橋の中間スラブにおけるひび割れ誘発構造を示す断面図
図4は、本発明の実施形態に係るボックスカルバートの構造を示す側面図、正面図である。前述したボックスカルバートの従来例において、ひび割れを誘発させる誘発目地部11a、11bに対応する位置には、クラックシールド板17a、17b(以下、クラックシールド板17と記載する。)がその一面を表面に露出して埋設されている。なお、本実施形態では、ボックスカルバート1の側面、1箇所にひび割れを誘発させる形態となっているが、このボックスカルバート1の全長Lが長い場合には、複数箇所でひび割れを誘発させることが好ましい。具体的には、5m間隔でひび割れを誘発させる箇所を設け、当該箇所にクラックシールド板17が埋設される。
本実施形態のクラックシールド板17は、伸び機能に優れた繊維と、止水機能を有するセメント系材料で構成された複合材の板で構成された部材である。本実施形態では、使用する繊維に、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ビニロン繊維などの有機系短繊維を採用している。これは、密度が小さく軽量であるため、セメント系材料に混入した際、流動性への影響が少なく、施工性が良好であることを理由としている。
適宜選定された1もしくは複数の繊維と、セメント系材料、水、細骨材、減水剤、気泡剤、増粘剤を混ぜ合わせて型枠に流し込み硬化させることで、クラックシールド板17が形成される。材料中、増粘剤は、セメント系材料と繊維を馴染ませ、繊維を材料中に一様に分散させるために使用される。
このように形成されたクラックシールド板17は、コンクリート構造の表面に埋設されたとき、その伸び機能により、ボックスカルバート1の製造時などに生じるコンクリート引っ張り歪みを吸収し、誘発されたひび割れがコンクリート表面に露出することを抑制している。また、クラックシールド板17の材料に含まれるセメント系材料が止水機能を有しているため、このクラックシールド板17にて外部からの水の浸入を抑制することが可能となっている。このようなクラックシールド板17の機能により、コンクリート構造内部には、止水のための構成(材料)を設ける必要が無く、簡易な構成を実現可能としている。
図5には、クラックシールド板17a、17b近傍での内部構造が示されている。図5に示される内部構造は、図4に示されるA−A’、B−B’間近傍のものとなっている。図3で説明した内部構造と同様、内部には鉄筋12が縦横に張架され、鉄筋12にひび割れを誘発するための断面欠損部材14a、14bが固定されている。
図6には、ボックスカルバート1の壁面での断面斜視図が示されている。この図では、構造を分かりやすくするため、図5で示した壁面内部の鉄筋12を省略して示している。
クラックシールド板17aは、この断面欠損部材14a、14bによって誘発されるひび割れが予期される位置、すなわち、断面欠損部材14a、14bの延長面がコンクリート面13a、13bと直交する位置を含む領域をカバーするよう、その表面を露出させて埋設されている。断面欠損部材14a、14bで誘発されたひび割れは、クラックシールド板17a、17bの裏面位置に達し、クラックシールド板17a、17bに応力を作用させる。この応力は、クラックシールド板17a、17bの伸び能力にて吸収され、コンクリート構造の表面にひび割れが達することを抑制する。なお、応力はクラックシールド板17に複数のひび割れを生じさせる場合もあるが、このようなひび割れは、複数に分散して発生するため、外部からの水を浸入させる程、大きなものとはならない。
このように本実施形態では、クラックシールド板17によって止水効果を確保しているため、従来、必要とされた止水板16などを設ける必要が無く、材料費を抑えることが可能となる。また、埋設する材料の点数を少なくするとともに、誘発目地部11a、11bに対するコーキング処理を施す必要もないため、製造工程の簡略化が図られ、工期の短縮を図ることも可能となっている。さらに、クラックシールド板17は、その表面を表面に露出して埋設されているため、ボックスカルバート1が完成した後、その埋設状態を目視して確認することも可能である。そして、ボックスカルバート1のメンテナンスを行う際にも、このクラックシールド板17の状態を目視して止水状態を確認することも可能となる。
クラックシールド板17の幅、すなわち、断面欠損部材14a、14bにより誘発が予想されるひび割れと直交する方向の長さWは、予想されるコンクリート構造のひび割れ幅によって設定された値となっている。ひび割れの予想幅D、クラックシールド板17のW方向における引張ひずみ率をθとした場合、幅Wの下限値Wminは、下記条件式(1)に
て算出可能である。
Wmin=D/θ ・・・(1)
クラックシールド板17を下限値Wmin以上とすることで、誘発されたひび割れによる
応力をクラックシールド板17の伸びで吸収し、外部に大きなひび割れが生じることを抑制可能としている。
本実施形態では、D=0.5[mm]、θ=2000μとする値を使用しており、Wminを約240[mm]に設定している。この幅Wminに対してある程度(1〜100%)の余裕を持たせることで幅Wが決定される。本実施形態では、幅Wを300[mm]としている。幅Wは大きいほど、ひび割れ幅Dを許容することとなるが、クラックシールド板17が大きくなるほど、その取り扱いが困難になるとともに、材料費も高くなることを理由として上述した範囲内に収められている。
また、本実施形態のクラックシールド板17には、ひび割れで生じたコンクリートの伸びに、クラックシールド板17の伸びを追従させるため、裏面の両端に係止部171が設けられている。図6に示されているように、この係止部171は、クラックシールド板17の裏面であって、幅Wと直交する方向における両端に設けられている。なお、この係止部171は、クラックシールド板17と一体で成形されている。
図7(a)には、図4〜図6に示されるクラックシールド板17の構成(下面図と断面図)が示されている。本実施形態の係止部171は、図7(a)の断面図に示されているように裏面側に矩形状に張り出した張出部171aと、張出部171aの側面に刻まれた溝171bを有して構成されている。クラックシールド板17が、誘発されたひび割れにより幅Wの方向に引っ張られた場合、この係止部171にて、クラックシールド板17の両端が係止され、ひび割れで発生する応力をクラックシールド板17全体に分散させることが可能となる。したがって、クラックシールド板17にて期待される伸び機能を十分に果たすことが可能となる。
本実施形態では、張出部171a、溝171bからなる係止部171を使用しているが、係止部171には、このような形態に限られるものではなく、クラックシールド板17をコンクリートの伸びに追従させる形態であれば、各種形態を採用することが可能である。図7(b)は、クラックシールド板17の端部に係止部171を設けた構成においては、図7(a)と同様であるが、その係止構造において異なっている。図7(b)の形態では、係止部に複数の係止突起171cを突出させて係止部171を構成している。図では
この係止突起171cの形状は六角形となっているが、その形状は適宜形状とすることが可能である。係止突起171cを自然石の表面のように不規則な形状とすることで、コンクリート側との密着力を大きくすることも可能である。図7(c)の形態は、図7(b)の係止突起171cを裏面全面に設けた構成となっている。このような形態では、クラックシールド板17の裏面全面をコンクリート側の伸びに追従させることが可能となる。
図8は、本発明の実施形態に係るクラックシールド板の引張試験を説明する図である。図8(a)は、クラックシールド板17について矢印の方向に負荷を掛けたときの様子が示されている。また、図8(a)には、クラックシールド板17が、繊維172を含んで構成される様子が模式的に示されている。このようにクラックシールド板17は、応力が働いた場合にも、繊維172にてセメント系材料などの材料をつなぎ止めることで、伸び能力に優れた材料となっている。
図8(b)は、試験後のクラックシールド板17の表面の様子が示されている。本試験では、クラックシールド板17の両端に、複数のひび17が発生していることがみてとれる。本実施形態のクラックシールド板17は、それが含有する繊維172にて、ひび17が発生する場合においても、ひび17を分散して発生させ、漏水に影響を及ぼす程の重大なひびの発生が抑制されている。図8(b)の引張試験終了後のクラックシールド板17に対して行った止水試験では、生じたひび17Hによる漏水が無いことが確認されている。
ここでは、クラックシールド板17について説明したが、クラックシールド板17には、その内部にエキスパンドメタルのような伸縮可能な構造体を埋設して構成することとしてもよい。エキスパンドメタルは、網目構造を有する金属であり、クラックシールド板17の伸び特性の向上を図ると共に、クラックシールド板17自体の伸び特性を一様に分散させ、クラックシールド板17自体に生じる重大なひび割れ、すなわち、漏水させる程大きなひび割れの発生を抑制可能としている。伸縮可能な構造体の材料には、エキスパンドメタルのような金属以外に、樹脂系材料を使用することも可能である。
以上、ボックスカルバート1に対するひび割れ誘発構造について説明したが、このひび割れ誘発構造は、他の施工形態にも適用することが可能である。図9は、本発明の実施形態に係る高架橋の構造を示す正面図、側面図であり、図10は、本発明の実施形態に係る高架橋の中間スラブにおけるひび割れ誘発構造を示す断面図である。
図9に示される高架橋2は、新幹線などの高架線に採用されるコンクリート構造であり、複数の支持柱21で支持されたスラブ上に線路3設置されている。この支持柱21の間の中間スラブ22に対して、本発明の実施形態に係るひび割れ誘発構造を採用することが可能である。
図10には、図9(b)側から見たときの中間スラブ22について、ひび割れ誘発構造が適用された部分Aの断面の様子が示されている。本実施形態では、先に説明したボックスカルバート1のひび割れ誘発構造が、両壁面に対してクラックシールド板17a、17bが設けられていたのに対し、本実施形態では、中間スラブ22の上面のみにクラックシールド板17が設けられている点で異なっている。
前述の実施形態と同様に、コンクリート内部に埋設された断面欠損部材14と、表面を露出して埋設されたクラックシールド板17を有して構成されている。クラックシールド板17は、断面欠損部材14にてひび割れの誘発が予期される位置に埋設され、誘発されたひび割れから雨水などが浸透することを防いでいる。
一方、中間スラブ22の下面からは、水が浸透することはないため、クラックシールド板17は設けられていない。このように、ひび割れ誘発構造に対するクラックシールド板17は、水の侵入が予想される面のみに設ける形態としてもよい。
なお、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
1…ボックスカルバート
11a、11b…誘発目地部
12…鉄筋
13a、13b…コンクリート面
14a、14b…断面欠損部材
15a、15b…第2断面欠損部材
16…止水板
17a、17b…クラックシールド板
171…係止部
2…高架橋
21…支持柱
22…中間スラブ

Claims (6)

  1. 断面欠損部材が埋設されたコンクリート構造において、
    コンクリート打設時にセメント系材料に繊維を混合して形成されたクラックシールド板を、前記断面欠損部材により誘発されるひび割れが予期される位置に、前記クラックシールド板の表面を露出して埋設させたことを特徴とする
    コンクリートひび割れ誘発構造。
  2. 前記クラックシールド板において、誘発されるひび割れと直交する方向の幅Wは、下記条件式(1)で示される下限値Wmin以上であることを特徴とする
    請求項1に記載のコンクリートひび割れ誘発構造。
    Wmin=D/θ ・・・(1)
    だだし、
    Dは、ひび割れの予想幅
    θは、クラックシールド板の幅W方向における引張ひずみ率
  3. 前記クラックシールド板の裏面には、係止部が一体形成されていることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載のコンクリートひび割れ誘発構造。
  4. 前記係止部は、前記クラックシールド板の裏面両端に形成されていることを特徴とする
    請求項3に記載のコンクリートひび割れ誘発構造。
  5. 前記クラックシールド板は、伸縮可能な構造体を内部に有して形成されていることを特徴とする
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載のコンクリートひび割れ誘発構造。
  6. 断面欠損部材が埋設されたコンクリート構造において、
    コンクリート打設時に、セメント系材料に繊維を混合して形成されたクラックシールド板を、前記断面欠損部材により誘発されるひび割れが予期される位置に、前記クラックシールド板の表面を露出して埋設させたことを特徴とする
    コンクリートひび割れ誘発構造の施工方法。
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