JP6539031B2 - コンクリート部材およびコンクリート部材の施工方法 - Google Patents
コンクリート部材およびコンクリート部材の施工方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6539031B2 JP6539031B2 JP2014202789A JP2014202789A JP6539031B2 JP 6539031 B2 JP6539031 B2 JP 6539031B2 JP 2014202789 A JP2014202789 A JP 2014202789A JP 2014202789 A JP2014202789 A JP 2014202789A JP 6539031 B2 JP6539031 B2 JP 6539031B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- concrete
- fresh
- fiber reinforced
- ordinary
- concrete member
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Description
コンクリート部材の表層部の剥落防止方法としては、コンクリート部材の表面を、樹脂材の塗布(吹き付け)、繊維シートの貼着、アラミド繊維を埋め込む方法等により補強する場合がある。
また、繊維シートを貼着する方法も、施工に手間がかかり工期が長くなるとともに、コストが高かった。
アラミド繊維を埋め込む方法は、コストは上記の二方法より低くなるが、アラミド繊維の下部にセメントペーストを回り込ませるためには時間をかけて慎重に施工を行う必要がある。また、アラミド繊維を埋め込む方法は、型枠への設置、打設前の掃除にも手間がかかる上に、高圧洗浄機またはハイウォッシャーによる掃除によりアラミド繊維につけられた珪砂の剥落や、鉄筋溶接時にアラミド繊維が溶けられるなどの問題が発生する恐れがある。
そのため、コンクリート部材の表層部のみに繊維補強コンクリートを採用することでコストの低減化を図る場合がある。
また、本体部と表層部において同一配合のフレッシュコンクリートを使用しているため、材料の管理が容易である。
なお、繊維とともに増粘剤および高性能AE減水剤を混入しているため、コンクリートの混練性を確保するとともに、所要のスランプも確保することができる。また、増粘剤成分は、高性能AE減水剤および繊維の添加により発生したコンクリートの粘性の低下を補う働きをする。
また、同一配合のコンクリートを使用することで、本体部と表層部との間での一体化を図ることができる。そのため、後施工による補強を省略あるいは小規模にすることができる。
上床版11は、側壁12,12の上端に横架されている。
また、コンクリート構造物10は、ボックスカルバートに限定されるものではない。
本体部2を構成するコンクリートの配合は、適宜設定すればよいが、コンクリート部材1として必要な強度を確保する必要がある。
本実施形態の表層部3は、繊維補強コンクリートを、コンクリート部材1の鉄筋4を巻き込んだ状態で打設することにより形成されている。すなわち、表層部3は、コンクリート部材1の表面から、鉄筋よりも内側(表面の反対側)までの範囲を形成している。なお、表層部3の厚さは、所定の被り厚さを確保していれば限定されない。
本実施形態で使用する増粘剤は、予め高性能AE減水剤と混合された、液状(液体)のものを使用する。なお、増粘剤は、必ずしも予め高性能AE減水剤と混合されている必要はない。また、増粘剤は、必ずしも液状である必要はなく、粉体であってもよい。また、増粘剤および高性能AE減水剤の成分は上記のものに限定されない。
また、フレッシュコンクリートに混合される増粘剤と高性能AE減水剤の量は、普通コンクリートと同等のスランプとフレッシュ性状(ワーカビリティ、単位水量等)を保持することが可能となるように調整する。
型枠組立工程は、図2の(a)に示すように、コンクリート部材1の型枠5を組み立てる工程である。
また、型枠5の組み立てに伴って、鉄筋4の配筋も行う。
プラントにおいてフレッシュコンクリートを生成したら、当該フレッシュコンクリートを場内に搬入する。
なお、フレッシュコンクリートは、施工現場内に設けられたプラントから搬入してもよいし、施工現場外のプラントからコンクリートミキサー車等の輸送手段により搬入してもよい。
本実施形態では、コンクリート部材1の下側の鉄筋4を巻き込むように(鉄筋4が埋まるように)、繊維補強コンクリートを打設する。
本実施形態では、表層部3の上面に普通コンクリートを打設することにより行う。
コンクリートに所定の強度が発現したら、型枠を撤去する。
また、表層部3と本体部2とをフレッシュコンクリートが硬化する前に積層するため、より確実に一体性を確保することができる。
また、同一のフレッシュ性能を有しているため、本体部2と表層部3との境界部において単位水量の違いに起因する長期的な影響が生じるおそれがない。
また、表層部3(被り部分)のみに繊維補強コンクリートを使用しているため、コンクリート部材1の全体を繊維補強コンクリートにより形成する場合に比べて経済的である。
例えば、前記実施形態では、コンクリート部材が鉄筋コンクリート部材の場合について説明したが、コンクリート部材は、無筋コンクリート部材であってもよいし、鉄骨鉄筋コンクリート部材であってもよい。
例えば、前記実施形態では、シングル配筋の場合について説明したが、ダブル配筋であってもよい。
まず、繊維とともに増粘剤とAE減水剤を混合することによる繊維補強コンクリートのフレッシュ性能の確保について確認した。
次に繊維を添加することによるスランプの低下量を確認した。このとき繊維混入率は、NEXCOの施工指針に従い、0.3vol%とした。
表1に、普通コンクリートと繊維補強コンクリートの配合とスランプ値を示す。
なお、試験体は、600×700×200mmの平板状を呈しており、本体部と表層部の厚さをそれぞれ100mmと100mmとした。
試験結果を表2に示す。
また、本実施形態のコンクリート部材(実施例1〜3)は、変位10mmの荷重の平均値が3.31kNとなり、同じく全ての試験体の変位10mmの荷重が基準値(1.5kN)を超えている比較例A(A−1〜A−3)の平均値(2.01kN)よりも大きく、信頼性が高い。
また、比較例C(C−1〜C−3)は、変位10mmの荷重の平均値(2.06kN)は基準値(1.5kN)を超えているものの、最小値が0.54kNしかなく、コンクリートの剥落の抑制効果が得られないおそれがある。
2 本体部
3 表層部
4 鉄筋
5 型枠
Claims (3)
- 普通コンクリートにより形成された本体部と、
繊維補強コンクリートにより形成された表層部と、を備える現場打ちコンクリートにより形成されたコンクリート部材であって、
前記繊維補強コンクリートは、前記普通コンクリートと同等のスランプおよびフレッシュ性状を保持できるように、当該普通コンクリートと同一配合のフレッシュコンクリートと、繊維と、増粘剤と、高性能AE減水剤とを撹拌混合したものであることを特徴とする、コンクリート部材。 - 前記増粘剤が、液体であることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート部材。
- 普通コンクリートにより本体部を形成するとともに、繊維補強コンクリートにより表層部を形成するコンクリート部材の施工方法であって、
プラントにおいて普通コンクリートを生成して当該普通コンクリートを前記プラントから場内に搬入する工程と、
前記普通コンクリートを打設する工程と、
前記プラントにおいて前記普通コンクリートと同一の配合からなるフレッシュコンクリートを生成して当該フレッシュコンクリートを前記プラントから前記場内に搬入する工程と、
前記場内において前記フレッシュコンクリート、繊維、増粘剤および高性能AE減水剤を撹拌混合して、前記普通コンクリートと同等のスランプとフレッシュ性状を有した繊維補強コンクリートを生成する工程と、
前記繊維補強コンクリートを打設する工程と、を備えることを特徴とする、コンクリート部材の施工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014202789A JP6539031B2 (ja) | 2014-10-01 | 2014-10-01 | コンクリート部材およびコンクリート部材の施工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014202789A JP6539031B2 (ja) | 2014-10-01 | 2014-10-01 | コンクリート部材およびコンクリート部材の施工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016070012A JP2016070012A (ja) | 2016-05-09 |
JP6539031B2 true JP6539031B2 (ja) | 2019-07-03 |
Family
ID=55864205
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014202789A Active JP6539031B2 (ja) | 2014-10-01 | 2014-10-01 | コンクリート部材およびコンクリート部材の施工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6539031B2 (ja) |
Family Cites Families (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
BE791262A (fr) * | 1971-11-11 | 1973-03-01 | Battelle Development Corp | Perfectionnements aux elements de construction en beton |
JPS61257571A (ja) * | 1985-05-08 | 1986-11-15 | 大成建設株式会社 | コンクリ−ト壁体の施工方法 |
JPH05310460A (ja) * | 1992-05-13 | 1993-11-22 | Nippon Cement Co Ltd | 繊維補強セメント製品 |
US5296187A (en) * | 1993-03-23 | 1994-03-22 | Ribbon Technology, Corp. | Methods for manufacturing columnar structures |
JP3608128B2 (ja) * | 1996-02-19 | 2005-01-05 | 清水建設株式会社 | 鋼繊維補強高流動高強度コンクリートの製造方法 |
JP2002029816A (ja) * | 2000-07-21 | 2002-01-29 | Kajima Corp | 橋梁上部工コンクリートおよびコンクリート構造物 |
JP2003320510A (ja) * | 2002-05-07 | 2003-11-11 | Showa Concrete Ind Co Ltd | コンクリート製品 |
JP2004011312A (ja) * | 2002-06-07 | 2004-01-15 | Toshinori Toyoda | 繊維混合コンクリートセグメントおよびその製作方法 |
JP4486400B2 (ja) * | 2004-04-19 | 2010-06-23 | 独立行政法人北海道開発土木研究所 | 高靭性frc材料の製造法 |
JP2006272924A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 繊維補強層を有するコンクリートの製造方法 |
JP2013086986A (ja) * | 2011-10-14 | 2013-05-13 | Kajima Corp | 中流動コンクリート |
JP6035784B2 (ja) * | 2012-03-07 | 2016-11-30 | 株式会社大林組 | 増粘剤及び収縮低減剤を混入した中流動コンクリート |
JP6089653B2 (ja) * | 2012-12-06 | 2017-03-08 | 株式会社大林組 | コンクリート部材、及び、コンクリート部材の製造方法 |
JP6144500B2 (ja) * | 2013-01-31 | 2017-06-07 | 東邦化学工業株式会社 | 水硬性組成物用増粘剤 |
-
2014
- 2014-10-01 JP JP2014202789A patent/JP6539031B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016070012A (ja) | 2016-05-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101341554B1 (ko) | 경관 조성용 자연형상 인조암의 시공구조 및 그 시공방법 | |
CN105064555A (zh) | 叠合装饰层和保温层的结构墙板及施工方法 | |
Gupta | Characterizing material properties of cement-stabilized rammed earth to construct sustainable insulated walls | |
JP2016040115A (ja) | 非主用構造部材用プレストレストコンクリート | |
CN104294920B (zh) | 一种u形钢混凝土组合梁与异形钢管混凝土柱的节点组件及制备方法 | |
US20190161964A1 (en) | Covertec Wall Module Building System and Method | |
JP4541915B2 (ja) | 合成床版 | |
JP2019126991A (ja) | 超高強度繊維補強コンクリート複合プレキャストpc床版 | |
JP6539031B2 (ja) | コンクリート部材およびコンクリート部材の施工方法 | |
Ahmad et al. | To study the behavior of interlocking of masonry units/blocks | |
JP2006219838A (ja) | 補強鉄筋支持具、及び補強鉄筋支持具を用いたコンクリート躯体の補強方法、コンクリート躯体の補強構造 | |
JP6249267B2 (ja) | 既設コンクリート構造物の補修方法 | |
JP2015081438A (ja) | コンクリート充填不良防止方法 | |
JP5234609B2 (ja) | コンクリートの温度応力ひび割れ分散打設工法 | |
JP2008231676A (ja) | 鋼・コンクリート床版接合構造物の製造方法及び埋込み型枠 | |
JP6757947B2 (ja) | 耐震補強工法 | |
WO2013064849A4 (en) | Glass fiber reinforced thermoset plastic waste doped concrete composition and process for preparation the same | |
JP7103755B2 (ja) | 補強用吹付けモルタル | |
JP2015006977A (ja) | 繊維補強流動性高強度コンクリート | |
DE102007059560A1 (de) | Verfahren zur Herstellung von Behältern aus Stahlfaserbeton | |
JP5543723B2 (ja) | コンクリート複合構造体及びその施工方法 | |
JP6925188B2 (ja) | プレキャストコンクリート基礎の構築方法、およびプレキャストコンクリート造の基礎構造 | |
JP2006316527A (ja) | 水硬性無機質成形体基礎の製造方法 | |
Muhammed | Experimental study of self compacting RC slabs with opening strengthening with carbon fiber laminated and steel fiber | |
JP2006037611A (ja) | ポリマーセメントモルタル製マンホール |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170719 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180424 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180522 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20181127 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190121 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190528 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190607 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6539031 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |