JP2007321398A - コンクリート打継部分の止水構造及び止水部材 - Google Patents

コンクリート打継部分の止水構造及び止水部材 Download PDF

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Abstract


【課題】 本発明は、垂れ下がったり、巻き癖がついたりすることがなく、未硬化の状態のコンクリートに配置しても倒れたりすることがない止水部材を提供し、該止水部材を用いた施工性に優れ、且つ優れた止水機能を有するコンクリート打継部分の止水構造を提供することを目的とする。更に、本発明は、該止水構造を形成するための止水部材を提供することも目的とする。
【解決手段】 本発明のコンクリート打継部分の止水構造は、止水部材1を介在させて前打コンクリートと後打コンクリートとが打継がれてなるコンクリート打継部分の止水構造であって、止水部材1が長尺で剛性を有すると共に長手方向に対する垂直断面形状においてL型部を有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コンクリート打継部分の止水構造及び該構造に用いる止水部材に関する。
従来から、前打コンクリートを打設し、次に、その上面の打継部に止水部材を配置した後に、後打コンクリートを打設してコンクリート打継部の止水構造を形成することにより、該打継部から雨水等の水が建物内へ浸入することを防止する止水処理が行われている。
前記止水構造の一例として、特許文献1に開示された構造がある。該止水構造は、前打コンクリートの乾燥後あるいは生乾きの状態で、その上端面に砥石車などにより、所定深さ、所定幅の溝を形成し、該溝に、止水部材を配置固定することにより形成される構造である。ここで用いられる止水部材は、外面が非加硫ブチルゴム製の長尺状をなす本体と、この本体外面を被覆する、水溶性のポリビニルアルコール製の外皮とからなるものである。
しかしながら、特許文献1に開示された止水構造は、止水部材の腰が弱くて不安定であり、施工性が悪いという問題を有している。この問題を解決するために、長尺の亜鉛鋼板等からなる板状部42であって、その表面に、非加硫ブチルゴムからなる防水材43が、板状部42の長手方向に連続するように設けられている止水部材41(図16)を用いることが試みられた。
この止水部材の施工は、前打コンクリート44を打設し、コンクリートが多少硬化したところで、図17に示すように、板状部42を防水材が被覆されていない側から前打コンクリート44に上から刺し込むと共に、防水材43の一部を前打コンクリートの内部に埋め込むことにより行われる。
尚、図16(a)は該止水部材の一例を示す斜視図であり、図16(b)は図16(a)のA−A線に沿う断面図であり、図17は該止水部材を用いた施工例の一例を示す斜視図である。図中、41は止水部材を、42は板状部を、43は防水材を、44は前打コンクリートを、46は鉄筋をそれぞれ示す。
しかしながら、図16に示す止水部材は、厚さ0.4mm程度の亜鉛鋼板からなるので施工時に手を切ったり、2m程度の長さの短冊状で保管した場合には、手で持ち上げると垂れ下がったり、ロール状で保管した場合には、巻き癖により真っ直ぐに施工することが困難になったりするので、取扱いが難しいものであった。更に、未硬化の状態のコンクリートに止水部材31を刺し込むと、止水部材31が倒れてしまうという不都合もあった。
特開平11−293921号公報
本発明は、前記従来技術の問題点に鑑み、垂れ下がったり、巻き癖がついたりすることがなく、未硬化の状態のコンクリートに配置しても倒れたりすることがない止水部材を提供し、該止水部材を用いた施工性に優れ、且つ優れた止水機能を有するコンクリート打継部分の止水構造を提供することを目的とする。更に、本発明は、該止水構造を形成するための止水部材を提供することも目的とする。
本発明によれば、以下に示すコンクリート打継部分の止水構造及び止水部材が提供される。
〔1〕止水部材を介在させて前打コンクリートと後打コンクリートとが打継がれてなるコンクリート打継部分の止水構造において、
該止水部材が長尺で剛性を有すると共に長手方向に対する垂直断面形状においてL型部を有することを特徴とするコンクリート打継部分の止水構造。
〔2〕耐震スリット材が前打コンクリートと後打コンクリートとの間に介在していることを特徴とする前記〔1〕に記載のコンクリート打継部分の止水構造。
〔3〕防水性を有すると共にコンクリートに密着可能な弾性を有する材料からなる防水材が、該板状部の表面に、その長手方向に連続するように設けられていることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載のコンクリート打継部分の止水構造。
〔4〕該防水材が非加硫ブチルゴムからなることを特徴とする前記〔3〕に記載のコンクリート打継部分の止水構造。
〔5〕長尺で剛性を有すると共に長手方向に対する垂直断面形状においてL型部を有する板状部からなることを特徴とする止水部材。
〔6〕非加硫ブチルゴムが、該板状部の表面に、その長手方向に連続するように設けられており、該非加硫ブチルゴムの表面が剥離シートで覆われてなることを特徴とする前記〔5〕に記載の止水部材。
本発明のコンクリート打継部分の止水構造は、特定の止水部材が打継部分に介在されていることにより、施工が容易で、止水性に優れるものである。
また、本発明の止水部材は、長手方向に対する垂直断面形状においてL型部を有する板状部からなることにより、垂れ下がったり、巻き癖がついたりすることがなく、未硬化の状態のコンクリートに配置しても倒れたりすることがないものである。
以下、本発明の止水構造、止水部材について図面を用いつつ詳細に説明する。
本発明の止水部材は、長尺で剛性を有すると共に長手方向に対する垂直断面形状においてL型部を有する板状部からなる。該板状部は、L型部を有しさえすれば、その形状に制限はないが、その一例を図1に示す。
尚、図1(a)は、該垂直断面形状がT型(2箇所のL型を有する。)の板状部の斜視図であり、図1(b)は同(a)のI−I線に沿う断面図(止水部材の長手方向に対する垂直断面)であり、図中、1は止水部材を、2は板状部を、8は固定用孔を、10は切欠きをそれぞれ示す。
止水部材1を構成する板状部2は長尺である。板状部2が長尺であることにより、その一部を前打コンクリートに埋設する際の手間がかからないものとなる。しかし、あまり長くても作業性が低下するし、短かすぎる場合には、施工が繁雑になるので、作業性が低下せず取り扱いが容易であり、施工が繁雑にならない程度の長さに形成するのが好ましい。止水部材の図1に示す長手方向の長さは、通常は20〜500cm、好ましくは50〜300cmである。但し、本発明の止水部材は、この長さに限定されることはなく、例えば、コンクリート構造物の端部を形成する際には、短く切断して使用することもできる。
本発明の止水部材は、その長手方向に対する垂直断面形状において、L型部を有するものである。ここで、L型部を有するとは、垂直断面形状のいずれかの部分がL型になっていることをいう。即ち、止水部材を構成する板状部が少なくとも2以上あり、該板状部同士が直交してL型を構成する部分を含むことをいう。具体的には、図2(a)に示すように該垂直断面形状そのものがL型であることや、図2(b)に示すようにT型(2箇所のL型を有する。)であることや、図2(c)に示すように十型(4箇所のL型を有する。)であることが例として挙げられる。その中でも、板状部の一部を前打コンクリートに刺し込んで埋設させやすいと共に前打コンクリートに刺し込む板状部に直交する板状部を、止水部材を配置する際の位置決めの目印にすることができることから、T型が好ましく、二つのT型部を有する十型も同様の理由により好ましい。
尚、図2はL型部を有する垂直断面形状の例を示す図面であり、図2(a)は垂直断面形状がL型の例を、図2(b)は垂直断面形状がT型の例を、図2(c)は垂直断面形状が十型の例を示す説明図である。
尚、図2において、2aは垂直断面形状がL型の板状部を構成する板状部の交点からL型の上方に伸びる板状部を、2bは該交点から水平方向に延びる板状部を、2c(1)と2c(2)は垂直断面形状がT型の板状部を構成する板状部の交点からT型の水平方向に伸びる板状部の各々を(これらを総称する場合には、2cという)、2dは該交点からT型の下方に伸びる板状部を、2e(1)は垂直断面形状が十型の板状部を構成する板状部の交点から上方に伸びる板状部を、2e(2)は該交点から十型の下方に伸びる板状部を(これらを総称する場合には、2eという)、2f(1)、2f(2)は該交点から水平方向に伸びる二つの板状部を(これらを総称する場合には、2fという)、それぞれ示す。
板状部2は、剛性を有する板状体である。ここでいう剛性とは、200cm長さの板状部の一方の端部を片持ちしても、他方の端部が大きく垂れ下がらない程度の剛性を有すれば足りる意味である。このような剛性を有する板状部は、金属又は合成樹脂からなることが好ましく、コストを考慮すると、金属としては亜鉛鋼板が好ましく選択され、合成樹脂としては塩化ビニル樹脂が好ましく選択される。但し、本発明はこれらの材料に限定されるものではなく、前記剛性を有し、透水性のない材料から適宜選定することができる。
板状部2の厚さは、好ましくは0.1mm〜10mmであり、更に好ましくは0.3〜3mmであり、より好ましくは0.4〜2mm、更に好ましくは0.5〜1.5mmである。厚さが上記範囲内であれば、取り付け時やコンクリート打設時の圧力により曲がったり、破壊したりすることがない剛性を有し、所望する設置位置に刺し込むことができ、十分な止水効果を発揮することができると共に、軽量性に優れ、コンクリート構造物の強度への悪影響もなく、施工コスト、材料コストの点においても優れたものとなる。
止水部材1の長手方向に対する垂直断面形状がL型の場合、該垂直断面における板状部2aの長さ及び板状部2bの長さは、10〜150mmが好ましく、20〜100mmがより好ましく、25〜70mmが更に好ましい。尚、板状部2aの前記長さと板状部2bの前記長さは、同一でも異なっていてもよい。
該垂直断面形状がT型の場合、該垂直断面における板状部2c(1)、2c(2)、2dの長さは、10〜150mmが好ましく、20〜100mmがより好ましく、25〜70mmが更に好ましい。尚、板状部2c(1)、2c(2)、2dの前記長さは、同一でも異なっていても良い。更に、板状部2c(1)と板状部2c(2)の前記長さは通常同じであるが、これらを異なる長さとし、板状部2cを非対称に仕切る位置に板状部2dを取付けてもよい。
該垂直断面形状が十型の場合、該垂直断面における板状部2e(1)、2e(2)、2f(1)、2f(2)の長さは、10〜150mmが好ましく、20〜100mmがより好ましく、25〜70mmが更に好ましい。尚、前記板状部2e(1)と板状部2e(2)の前記長さは等しくすることが通常であるが、異なる長さにしてもよい。また、二つの板状部2f(1)、2f(2)は等しくすることが通常であるが、異なる長さにしてもよい。
板状部2には、コンクリート打込み空間に止水部材を設置する際に、針金などを使用して止水部材を鉄筋等に容易に固定できるように、針金などを通すことができる固定用孔8を、例えば、止水機能が低下することのない鉄筋と固定が容易な上方の位置に、形成することが好ましい。尚、針金などを用いる止水部材の固定については、後述する。
また、板状部2の長手方向端部には、切欠き10を設けて、施工の際に板状部の長手方向端部同士を重ねて繋いでいくことができるようにすることが好ましい。このことについては、後に詳述する。
板状部のみからなる止水部材を用いて、コンクリート構造物の打継部分を施工する場合、建造物の壁などの打継ぎを行なう際の、後打コンクリートと接合する前打コンクリートの接合面(以下、打継部分表面という。)において、建造物の内側と外側とを遮断するように止水部材を配置する。例えば、建造物の壁においては、打継部分表面の壁の厚み方向を分断して仕切るように止水部材を配置する。このようにすると、建造物の強度にとっては問題とならない該打継部分に発生する微小な隙間に沿って、屋外側から水が浸入することを止水部材によりせき止めることができる。これにつき、図3(a)(b)(c)を用いて説明する。
図3(a)は、L型を構成する板状部の交点から伸びる一方の板状部を前打コンクリートに埋設させ、他方の板状部を打継部分表面に対して垂直になるように、止水部材1が配置された状態の止水部材長手方向に対する垂直断面図であり、図3(b)は、T型を構成する板状部の交点から水平方向に伸びる二つの板状部の一方を前打コンクリートに刺し込み、これに直交する(下方に伸びる)板状部を、位置決めのために打継部分表面に接触するように、止水部材1が配置された状態の止水部材長手方向に対する垂直断面図であり、図3(c)は、十型の板状部を構成する板状部の交点から一の方向に伸びる板状部を前打コンクリートに刺し込み、該板状部に直交する板状部を位置決めのために打継部分表面12に接触するように、止水部材が配置された状態の止水部材長手方向に対する垂直断面図である。尚、図中、11は前打コンクリートを、12は打継部分表面をそれぞれ示し、その他の符号は前図と同様である。
L型の板状部2のみからなる止水部材1は、図3(a)に示すように、板状部2の一方(この場合、板状部2a)を打継部分表面12に対して垂直に、且つ他方の板状部2(この場合、板状部2b)を前打コンクリート11中に埋設させて、止水部材1を配置することが好ましい。このように、打継部分表面12を前記の通り遮断するように止水部材1を配置すれば、水の浸入を防止することができる。この場合、埋設された板状部2bは、屋外を向いていても、屋内を向いていても構わない。
T型の板状部2のみからなる止水部材1は、図3(b)に示すように、板状部2cの一方(この場合、板状部2c(2))を打継部分表面12に対して垂直に刺し込み、且つ板状部2dを位置決めのために打継部分表面12に接触するように、止水部材1を配置することが好ましい。このように、板状部cで打継部分表面12を前記の通り遮断するように止水部材1を配置すれば、水の浸入を防止することができる。この場合、打継部分表面12に接触する板状部2dは、屋外を向いていても、屋内を向いていても構わない。
十型の板状部2のみからなる止水部材1は、図3(c)に示すように、一の板状部(この場合、板状部2e(2))を打継部分表面12に対して垂直に刺し込み、且つ一の板状部に直交する一の板状部(この場合、板状部2f)を位置決めのために打継部分表面12に接触するように、止水部材1を配置することが好ましい。このように、板状部で打継部分表面12を前記の通り遮断するように止水部材1を配置すれば、水の浸入を防止することができる。
本発明において、特に、止水部材を構成する板状部がコンクリートと密着することにより、優れた防水機能が得られる。従って、本発明の止水部材1を構成する板状部2の表面には、防水性を有すると共にコンクリートに密着可能な弾性を有する材料からなる防水材3が、板状部2の長手方向に連続するように設けられていることが好ましい。防水材は、コンクリートに密着して水の通過をより一層確実に防止する機能を有するので、かかる防水材が設けられた止水部材は特に優れた防水機能を発揮する。但し、常に水の浸入が問題となりそうな打継部分でなければ、本発明の止水部材は防水材が設けられていなくても、水の浸入を防止することができる。
前記防水材としては、ゴム弾性を有する材料が挙げられ、該材料には、必要に応じて、充填剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤などを練り込むこともできる。
該ゴム弾性を有する材料としては、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、エチレン・プロピレン共重合体(EPM)、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)、アクリルニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、多硫化ゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム等の合成ゴム、天然ゴム、多硫化ゴム系液状ゴム、シリコーン系液状ゴム、ウレタン系液状ゴム、ジエン系液状ゴム等の液状ゴム、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
これらの材料の中では、コンクリートとの接着性が良く、防水性能にも優れることから、加硫ブチルゴム、非加硫ブチルゴム、水膨張性のシーラント剤等が好ましい。特にブチルゴムは、耐候性、耐老化性、耐オゾン性、耐スチーム性・耐ガス透過性、耐水性に優れていることから好ましい。ブチルゴムには、非加硫ブチルゴム、加硫ブチルゴムがあるが、非加硫ブチルゴムが粘着性の点から特に好ましい。
前記充填剤としては、炭酸カルシウム、クレー、タルク、カーボンブラック、酸化亜鉛等が挙げられ、これらの中では炭酸カルシウムが好ましい。また、前記可塑剤としては、フタル酸エステル、プロセスオイル等が挙げられる。また、前記加硫剤としては硫黄、酸化マグネシウム、有機過酸化物等が挙げられる。また、前記加硫促進剤としてはチアゾール類、グアニジン類、チウラム類等が挙げられるが、ブチルゴムを用いる場合には、非加硫ブチルゴムが好ましい。
本発明の止水部材において、好ましい態様として、板状部の表面に、止水部材長手方向に連続するように設けられる防水材3は、止水部材を前打コンクリートに配置する前に、板状部2の表面に予め所定の厚さのシート状に形成しておけばよいが、止水部材を前打コンクリートに配置した後に、板状部2の表面に積層して形成することもできる。なお、防水材3の厚さは、0.5mm〜10mm、更に1mm〜3mmであることが好ましい。また、防水材3の幅は、5mm〜100mm、更に10mm〜70mm、特に15mm〜50mmであることが好ましい。
防水材3の厚さ、幅が上記範囲であることにより、コンクリートの乾燥収縮等による寸法変化に追従することができる等、優れた止水性能を十分に発現させることができる。
防水材が設けられた板状部全体の厚さは特に限定されないが、あまり厚くなりすぎるとコンクリートの断面欠損となる虞が出てくるため、通常は15mm以下、好ましくは10mm以下、更に好ましくは1〜5mmの範囲に形成するのが望ましい。
止水部材の長手方向に対する垂直断面形状における、防水材3が設けられる位置は、止水部材(即ち、板状部)がコンクリート構造物の打継部分表面に対してどのように配置されるかによって定まる。即ち、屋外側からコンクリート構造物の打継部分に発生する微小な隙間に沿って、浸入してくる水を防ぐためには、止水部材の長手方向に垂直な断面視で、打継部分表面を屋外側と屋内側とに遮断するように防水材を設けるか、打継部分表面に接触させて防水材を設けるようにする。これらについて、板状部がL型の場合を図4を用いて、T型の場合は図5を用いて、十型の場合は図6を用いて説明する。
垂直断面形状がL型の止水部材の場合には、止水部材を構成する2つの板状部の内、どちらか一方の板状部の少なくとも一方の表面に防水材を設けることが好ましい。このような止水部材は、防水材が打継部分表面を屋外側と屋内側とに遮断するように配置される。具体例を図4(a)、(b)、(c)に示す。
図4(a)は、L型の板状部を構成する板状部の交点から一方に伸びる板状部を前打コンクリートに埋設させ、他方の板状部を打継部分表面に対して垂直になるように、且つ該他方の板状部の内面に設けられた防水材が前打コンクリートに埋設され、打継部分表面を屋外側と屋内側とに遮断するように、止水部材1が配置された状態の止水部材長手方向に対する垂直断面図であり、図4(b)は、L型の交点から一方に伸びる板状部を前打コンクリートに刺し込み、その外面に設けられた防水材が前打コンクリートに埋設され打継部分表面を屋外側と屋内側とに遮断し、他方に伸びる板状部を屋内側に向けて、その内面が打継部分表面に接触するように、止水部材が配置された状態の垂直断面図であり、図4(c)は、L型の交点から伸びる一方の板状部を前打コンクリートに刺し込み、他方の板状部を屋外側に向けて、その内面に設けられた防水材を打継部分表面に接触させて、打継部分表面を屋外側と屋内側とに遮断するように、止水部材が配置された状態の垂直断面図である。
図4において、5aはL型の止水部材を構成する一方の板状部2aの外面を、5bは他方の板状部2bの外面を、5cは板状部2aの内面を、5dは板状部2bの内面をそれぞれ示し、その他の符号は前図と同様である。
板状部2aの内面5cに防水材3が設けられたL型の止水部材1は、図4(a)に示すように、内面5cの防水材3で打継部分表面12を遮断するために、板状部2aを打継部分表面12に対して垂直に、且つ板状部2bが屋外を向くように前打コンクリート11に埋設させて、止水部材1を配置することが好ましい。
また、板状部2aの外面5aに防水材3が設けられたL型の止水部材1は、図4(b)に示すように、外面5aの防水材3で打継部分表面12を遮断させるために、板状部2aを前打コンクリート11に刺し込み、且つ板状部2bを屋内側に向けて、その内面5dを打継部分表面12に接触させて、止水部材1を配置することが好ましい。この場合、板状部2bの外面5bにも防水材3を設けることが更に好ましい。
更に、板状部2aの内面5cに防水材3が設けられたL型の止水部材1は、図4(c)に示すように、板状部2bを打継部分表面12に対して垂直に刺し込み、且つ板状部2aを屋外に向けて、その内面5cの防水材3が打継部分表面12に接触するように、止水部材1を配置した例である。この場合、板状部2aの外面5aにも防水材3を設けることが好ましく、板状部2aの内外面に設けられた防水材は折り返して連続させて設けてもよい。
垂直断面形状がT型の止水部材の場合には、止水部材を構成する3つの板状部の内、いずれか1つの板状部の少なくとも一方の表面に防水材を設けることが好ましい。このような止水部材は、防水材が打継部分表面を屋外側と屋内側とに遮断するように配置する。特に好ましい具体例を図5(a)に、その他の具体例を図5(b)、(c)に示す。
図5(a)は、T型を構成する板状部の交点からT型の水平方向に伸びる板状部の一方を前打コンクリートに刺し込むと共に、該板状部の表面に設けられた防水材が前打コンクリートに埋設されて打継部分表面を屋外側と屋内側とに遮断するように、且つ該交点からT型の下方に伸びる板状部が屋内を向くと共に打継部分表面に接触するように、止水部材が配置された止水部材の長手方向に対する垂直断面図であり、図5(b)は、T型を構成する板状部の交点からT型の水平方向に伸びる板状部の一方を前打コンクリートに刺し込み、且つ該交点からT型の下方に伸びる板状部を屋外を向けると共に、その下面に設けた防水材を打継部分表面に接触させて、打継部分表面を屋外側と屋内側とに遮断するように、止水部材が配置された止水部材の垂直断面図であり、図5(c)は、T型を構成する板状部の交点からT型の水平方向に伸びる双方の板状部を、そのT型の上側表面に設けられた防水材を打継部分表面に接触させて、打継部分表面を屋外側と屋内側とに遮断するように、且つ該交点からT型の下方に伸びる板状部が上を向くように、止水部材を打継部分表面に載置させることにより、止水部材が配置された止水部材の垂直断面図である。
図5において、6aはT型を構成する板状部の交点からT型の水平方向に伸びる板状部2cの上側表面を、6bは板状部2cの下側表面(裏面ともいう)を、6cは該交点からT型の下方に伸びる板状部2dの表面をそれぞれ示し、その他の符号は前図と同様である。また、図5において板材部2dに形成されている50は空気抜き孔である。止水部材を前打コンクリート11に配置する際に、前打コンクリート表面に対して水平に配置される止水部材の板材部に空気抜き孔50を設けることにより、該板上部の下方に空気溜りが形成されることを防ぐことができ、空気溜りによる構造欠損発生を防止することができる。
尚、水平に伸びる板状部2cの表面6aに防水材3が設けられた止水部材1は、図5(c)に示すように、表面6aの防水材3を打継部分表面12に接触させて漏水を防ぐために、T型の下方に伸びる板状部2dを上に向け、板状部2cの表面6aを下に向けて打継部分表面12に載置させることにより、止水部材1を配置しているが、この場合、板状部2cの屋外側の裏面6bにも防水材3を設けて、止水することが好ましい。
垂直断面形状が十型の止水部材の場合には、止水部材を構成する4つの板状部の内、いずれか1つの板状部の少なくとも一方の表面に防水材を設けることが好ましい。このような止水部材は、防水材が打継部分表面を屋内側と屋外側とを遮断するように配置される。具体例を図6(a)、(b)に示す。
図6(a)は、十型を構成する板状部の交点から下方に伸びる板状部を前打コンクリートに刺し込み、且つ該交点から水平に伸びる板状部の一方を屋外方向に向けると共に、その下側表面に設けられた防水材を打継部分表面に接触するように、止水部材1が配置された状態の長手方向に対する垂直断面図であり、図6(b)は、十型を構成する板状部の交点から下方に伸びる板状部を前打コンクリートに刺し込み、且つ該交点からT型の下方に伸びる板状部の表面に設けられた防水材を屋外側に向けると共に、該防水材を打継部分表面を遮断するように、止水部材1が配置された状態の垂直断面図である。
図6において、7は十型の板状部を構成する板状部の表面を示し、その他の符号は前図と同様である。
板状部2を構成する一の板状部2f(1)の表面7に防水材3が設けられた十型の止水部材1は、図6(a)に示すように、板状部2e(2)を前打コンクリート11に刺し込み、防水材3がその下側の表面7設けられ且つ板状部2e(1)と直角方向に伸びる板状部2f(1)を、打継部分表面12の漏水を防ぐために、防水材3が打継部分表面12に接触させて、止水部材1を配置することが好ましい。この場合、防水材3が設けられた板状部2f(1)の上側の表面7にも防水材3を設けて止水することが更に好ましい。
前記板状部に防水材が設けられた止水部材においては、その全体の厚さは特に限定されないが、あまり厚くなりすぎるとコンクリートの断面欠損と見なされ構造物の強度面で不具合が出てくる虞があるため、通常は15mm以下、好ましくは10mm以下、更に好ましくは1〜5mmの範囲に形成するのが望ましい。
また、前打コンクリートに止水部材の板状部を刺し込んで配置する場合など、該板状部の先端は、櫛状に形成することが好ましい。先端が櫛状に形成されている止水部材は、前打コンクリートへの刺し込みが更に容易になるし、コンクリートの接合性も向上し、軽量化することもできる。
また、止水部材1には、防水材3を設け、該防水材3の表面に剥離シートを積層することが好ましい。さらに剥離シートには、剥離開始用の切り込みを設けることが好ましい。
更にまた、止水部材1に設けられた防水材3の表面には、ポリビニルアルコールなどの水溶性樹脂層を設けても良い。水溶性樹脂は、防水材が粘着性を有する場合に、養生中に該防水材にゴミ等の付着を防止することができ、コンクリートを打込むとコンクリート中の水分で溶解して防水材が剥き出しとなり、最終的にはコンクリート硬化体と直接接するようにできるので、剥離シートを剥がす手間が省ける。
次に、コンクリート打継部分の止水構造を施工する際に、防水材3を隙間無く繋ぐことにより、優れた止水性を発揮させるための、本発明の止水部材の繋げ方について説明する。
優れた止水性を発揮させるために、前記板状部の長手方向端部には、切欠きを設けて、板状部の長手方向端部同士を重ねて繋いでいくことが好ましい。この場合、T型の止水部材の場合には、図7(a)に示すように、T型の交点からT型の水平方向に伸びている2つの板状部2c(1)、2c(2)の内の一方の長手方向に切欠き10を形成して(この場合は、板状部2c(1)に切欠き10を形成)、板状部2c(2)と板状部2dとからなるL状部分10bを突き出させ、図7(b)に示すように、L状部分10bを他のT型の板状部2の切欠きが設けられていない長手方向端部9の板状部2c(2)側のL型部に重ね、互いの板状部2c(1)同士を突き当てるようにして(但し、板状部2c(2)の厚みの寸法分、両者はずれるので厳密には突き当てることはできない。)、止水部材1同士を繋げていくことができる。
L型の板状部における長手方向端部の場合には、T型の交点からT型の水平方向に伸びている2つの板状部のどちらかに切欠きを設けて(但し、図示はしない)、L型の板状部から一の平板を突き出させ、この平板を他のL型板状部の切欠きが設けられていない長手方向端部の板状部に重ね、切欠きが設けられている板状部と切欠きが設けられていない板状部を突き当てるようにして(但し、重なり合う板状部の厚みの寸法分、両者はずれるので厳密には突き当てることはできない。)、止水部材1同士を繋げていくことができる。
十型の板状部における長手方向端部の場合には、図8(a)に示すように、十型の交点から垂直方向に伸びる2つの板状部2e(1)、2e(2)、及び水平方向に伸びる2つの板状部2f(1)、2f(2)の内の一の板状部を残して、他の3つの板状部に切欠き10を形成して(この場合は、板状部2e(1)を残して、他の部分に切欠き10を形成)、一の平板を突き出させ、図8(b)に示すように、この平板を他の十型の長手方向端部の切欠きが形成されていない部分に重ね、互いの板状部を突き当てるようにして但し、重なり合う板状部の厚みの寸法分、両者はずれるので厳密には突き当てることはできない。)、止水部材1同士を繋げていくことができる。
次に、本発明の止水部材を用いて、一般的なコンクリート建造物における止水構造を形成する例を、図9〜11を用いて説明する。
但し、本発明の止水部材は、L型部を有する板状部からなるものであり、L型部を有しさえすれば其の形状に制限はないが、好ましい態様である防水材が設けられたT型の止水部材を例にとって説明する。
尚、図9は、コンクリート建造物におけるコンクリート打継部分の止水構造を形成する工程の例を示す斜視図であり、図10は止水部材の配置の他の例を示す断面図であり、図中、21は鉄筋を、22は針金をそれぞれ示す。
本発明の止水部材1を用いて、コンクリート打継部分の止水構造を形成するには、まず、前打コンクリートとなる梁やスラブ等を形成するために鉄筋等を配し、型枠を組み、コンクリートを打設する。
止水部材は、予め固定部材を使用して鉄筋等に固定してから、前打コンクリートを打設してもよいが、通常は、前打コンクリート11を打設し、コンクリートが硬化する前に、図9に一例を示すように、止水部材1を、平面視で、コンクリート構造物の打継部分表面12の厚み方向を分断して仕切るように打継部分表面12に配置する。
尚、打継部分表面の厚み方向とは、建造物の壁の厚み方向をいい、止水部材1はその長手方向が該壁の壁面と略平行になるように配置される。
更にまた、止水部材の長手方向に垂直な断面視で、図9に示すように、止水部材1を板状部材2の先端から前打コンクリート11に刺し込むと共に、防水材3が打継部分の表面12に接触するように、止水部材1を配置することが好ましい。その後、後打コンクリートの打設が可能となるまで前打コンクリート11を養生させてから又はその養生の途中で型枠を解体する。
但し、打継部分表面及び建造物の壁面に直交する方向の断面視(止水部材の長手方向に垂直な断面視)における配置は、これに制限するものではなく、防水材が設けられていないL型、T型、十型の止水部材の場合には、図3を用いて説明したように配置することができ、防水材が設けられているL型の場合には、図4を用いて説明したように配置することができ、防水材が設けられているT型の場合には、図5を用いて説明したように配置することができ、防水材が設けられている十型の場合には、図6を用いて説明したように配置することができる。
尚、図4(a)や図5(a)に示すように、板状部2を防水材3と共に前打コンクリート11に刺し込む場合、防水材3の前打コンクリート11への埋設深さは、前打コンクリート上部が平滑でないことが多く一律には言えないが、少なくとも3mmであることが好ましく、5mm〜50mmであることがより好ましく、10mm〜40mmであることが更に好ましい。埋設深さが3mm以上あれば防水材による止水効果を発揮することができ、埋設深さがこの範囲内であれば経済性を損ねることがない。
また、図5(c)に示すように、防水材3を下に向けて止水部材1を載置、固定し、その後に後打コンクリート11を打設することもできる。
また、止水部材は、前打コンクリート11に刺し込む代わりに、図10に示すように、、前打コンクリートの打設前に、板状部2に設けられた固定用孔8に針金22を通した針金8を上方の鉄筋21に結びつけることにより、止水部材を固定し、その後に前打コンクリート11を打設することもできる。
次に、本発明の止水部材を用いて、耐震スリット工法によるコンクリート建造物における止水構造を形成する例を、図11〜16を用いて説明する。
尚、図11は、コンクリート打継部分の止水構造を形成する工程の例を示す斜視図であり、図12は、耐震スリット工法によりコンクリート打継部分の止水構造を形成する工程の例を示す斜視図であり、図13、14は、その例を示す縦断面図である。
図中、26は振れ止め筋を、27は目地棒を、28は水平スリット材を、28aは水平スリット材を構成する発泡体を、28bは不燃材を、29は後打コンクリートを、30,31は型枠を、32はシーリング材をそれぞれ示す。
本発明の止水部材1を用いて、耐震スリット工法によりコンクリート打継部分の止水構造を形成するには、まず、前打コンクリートとなる梁やスラブ等を形成するために鉄筋、振れ止め筋26、目地棒27等を配し、型枠を組み、コンクリートを打設する。通常、振れ止め筋26は梁やスラブに配筋される鉄筋等に固定されることで、或いは前打コンクリート打設後に前打コンクリートに刺し込むことで所定の位置に保持されている。
止水部材は、前記一般的なコンクリート建造物における止水構造の場合と同様に、配置される(図11)。即ち、平面視では、コンクリート構造物の打継部分表面を、その厚み方向を分断して仕切るように、止水部材は打継部分表面に配置される。更に、止水部材の長手方向に垂直な断面視では、図3、図4、図5、図9を用いて説明したように、止水部材は配置される。
耐震スリット工法においては、次に、図12に示すように、前打コンクリート11の表面に水平スリット材28を取り付ける。水平スリット材28は、止水部材1の屋内側とスリット材28の発泡体28aが接するように配置されている。図12において水平スリット材28は中央の不燃材28bを発泡体28aで両側から挟むように形成されている。水平スリット材は、不燃材28bの部分に切り込みが入れられて振れ止め筋26が貫通している状態で配置することもできるが、図12に示すとおり、振れ止め筋26の屋内側に設けられた止水部材1に上記のとおり接するように配置することが好ましい。不燃材28bが無機繊維素材で形成されている場合は、コンクリートの侵入を防止するために、通常は、不燃材28bの全体を防水性シートで被覆する。
次いで、図13に示すように、壁を構成する後打コンクリート29(図14参照)を打設するために型枠30、31を建込む。次に、水平スリット材28の上からコンクリートを流し込んで、コンクリートを硬化させる。コンクリートが硬化して所定期間コンクリートを養生した後、型枠30、31を解体し、目地棒27を取り外すことで、後打コンクリート29が壁材として形成される。次に、図14に示すように、目地棒27の部分にシーリング材32を充填して、目地をシールする。
耐震スリット工法によるコンクリート打継部分の止水構造は、図14に示すように、前打コンクリート11を打設した後に、該前打コンクリート11上の水平方向に耐震スリット材28を配置し、更に前記止水部材1が、コンクリート構造物の打継部分表面12を、平面視で、その厚み方向を分断して仕切るように、打継部分表面12に配置された状態で後打コンクリート29が打設してなるものである。
本発明の耐震スリット工法における止水構造では、止水部材がコンクリート躯体の構造欠損とならないため、止水部材を設ける止水位置に制約がなく、コンクリート躯体全体を貫通する完全スリット材、及びコンクリート躯体面を一部貫通する部分スリット材のどちらにも使用可能である。
図12〜14においては水平スリット材28全体を不燃材で構成することもできる。
スリット材28に用いられる不燃材としては、セラミックスファイバー、ロックウール、グラスウール、ポリ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂に炭酸カルシウムを主成分とする無機粉体を(不燃性発泡体中で75〜90重量%)混合した組成物からなる不燃性発泡体、コンクリート、れんが、瓦、陶磁器質タイル、石綿スレート、繊維強化セメント板、厚さ3mm以上のガラス繊維混入セメント板、厚さ5mm以上の繊維混入ケイ酸カルシウム板、鉄鋼、アルミニウム、金属板、ガラス、モルタル、しっくい、石、石膏ボード(厚さ12mm以上、ボード用原紙の厚さ0.6mm以上)等が挙げられる。上記不燃材の中で特に、ポリ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂に炭酸カルシウムを主成分とする無機粉体を(不燃性発泡体中で75〜90重量%)混合した組成物からなる不燃性発泡体が好ましい。
スリット材28の発泡体としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂等からなるプラスチックの発泡体、或いは炭酸カルシウムを主成分とする無機系の不燃性発泡体等が用いられる。
シーリング材32としては、湿気硬化型のシリコーン系、変成シリコーン系、ポリサルファイド系、ポリウレタン系、酸素硬化型の変成ポリサルファイド系、乾燥硬化型のエマルションタイプアクリル系、溶剤タイプブチルゴム系の1成分形シーリング材、反応硬化型のシリコーン系、ポリイソブチレン系、変成シリコーン系、ポリサルファイド系、アクリルウレタン系、ポリウレタン系の2成分型のものが使用できる。
本発明の止水部材、更に該止水部材を用いたコンクリート打継部分の止水構造は、コンクリート建造物だけではなく、木造家屋の基礎構造、特に犬走りが設けられた基礎構造に好ましく適用される。その一例を図15に示す。
尚、図15は、犬走りが設けられた基礎構造の縦断面図であり、図中、35は基礎構造を、35aはべた基礎を、35bは布基礎を、36は家屋の土台を、37は犬走りを、38は地面を、39は雨水を、40aは犬走り38と布基礎36bのコンクリート打継部分を、40bは布基礎36bとべた基礎aのコンクリート打継部分をそれぞれ示す。
図15に示すように、雨が降って犬走り37の上に雨水39が溜まると、犬走り37と布基礎35bのコンクリート打継部分40a、布基礎35bとべた基礎35aのコンクリート打継部分40bを通って雨水39が浸入し易くなる。ところが、コンクリート打継部分40bに止水部材1が設けられていると、雨水39の侵入を防ぐことができる。
図1(a)は止水部材の斜視図であり、図1(b)は同(a)のI−I線に沿う断面図である。 図2(a)は長手方向に対する垂直断面形状がL型の止水部材の例を示す説明図であり、図2(b)は長手方向に対する垂直断面形状がT型の止水部材の例を示す説明図であり、図2(c)は長手方向に対する垂直断面形状が十型の止水部材の例を示す説明図である。 図3(a)、(b)、(c)は、L型の止水部材が配置された状態を示す止水部材の長手方向に対する垂直断面図であり、図3(b)は、T型の止水部材が配置された状態を示す止水部材の長手方向に対する垂直断面図であり、図3(c)は、十型の止水部材が配置された状態を示す止水部材の長手方向に対する垂直断面図である。 図4(a)(b)(c)は、板状部に防水材が設けられたL型の止水部材が配置された状態の例を示す止水部材の長手方向に対する垂直断面図である。 図5(a)(b)(c)は、板状部に防水材が設けられたT型の止水部材が配置された状態の例を示す止水部材の長手方向に対する垂直断面図である。 図6(a)(b)(c)は、板状部に防水材が設けられた十型の止水部材が配置された状態の例を示す止水部材の長手方向に対する垂直断面図である。 切欠きが設けられたT型止水部材の繋げ方の説明図である。 切欠きが設けられた十型止水部材の繋げ方の説明図である。 図9は、コンクリート建造物におけるコンクリート打継部分の止水構造を形成する工程の例を示す斜視図である。 図10は、止水部材の配置の例を示す縦断面図である。 コンクリート打継部分の止水構造を形成する工程の例を示す斜視図である。 耐震スリット工法によりコンクリート打継部分の止水構造を形成する工程の例を示す斜視図である。 耐震スリット工法によりコンクリート打継部分の止水構造を形成する工程の例を示す縦断面図である。 耐震スリット工法によりコンクリート打継部分の止水構造を形成する工程の例を示す縦断面図である。 犬走りが設けられた木造家屋の基礎構造の例を示す縦断面図である。 図16(a)は、従来の止水部材の一例を示す斜視図であり、図16(b)は図16(a)のA−A線に沿う断面図である。 図17は、従来の止水部材を用いた施工例の一例を示す斜視図である。
符号の説明
1 止水部材
2 板状部
2a L型の交点から上方に伸びる板状部
2b L型の交点から水平方向に伸びる板状部
2c(1)、2c(2) T型の交点からT型の水平方向に伸びる板状部
2d T型の交点からT型の下方に伸びる板状部
2e(1) 十型の交点から上方に伸びる板状部
2e(2) 十型の交点から下方に伸びる板状部
2e 2e(1)、2e(2)の総称
2f(1)、2f(2) 十型の交点から水平方向に伸びる板状部
2f 2f(1)、2f(2)の総称
3 防水材
5a 板状部2aの外面
5b 板状部2bの外面
5c 板状部2aの内面
5d 板状部2bの内面
6a 板状部2cの上側表面
6b 板状部2cの下側表面
6c 板状部2dの表面
7 板状部2e、2fの表面
8 固定用孔
9 板状部材の長手方向端部
10 切欠き
10b L状部分
11 前打コンクリート
12 打継部分表面
21 鉄筋
22 針金
26 振れ止め筋
27 目地棒
28 水平スリット材
28a 水平スリット材を構成する発泡体
28b 水平スリット材を構成する不燃材
29 後打コンクリート
30,31 型枠
32 シーリング材
35 基礎構造
35a べた基礎
35b 布基礎
36 家屋の土台
37 犬走り
38 地面
39 雨水
40a 、40b コンクリート打継部分

Claims (6)

  1. 止水部材を介在させて前打コンクリートと後打コンクリートとが打継がれてなるコンクリート打継部分の止水構造において、
    該止水部材が長尺で剛性を有すると共に長手方向に対する垂直断面形状においてL型部を有することを特徴とするコンクリート打継部分の止水構造。
  2. 耐震スリット材が前打コンクリートと後打コンクリートとの間に介在していることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート打継部分の止水構造。
  3. 防水性を有すると共にコンクリートに密着可能な弾性を有する材料からなる防水材が、該板状部の表面に、その長手方向に連続するように設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート打継部分の止水構造。
  4. 該防水材が非加硫ブチルゴムからなることを特徴とする請求項3に記載のコンクリート打継部分の止水構造。
  5. 長尺で剛性を有すると共に長手方向に対する垂直断面形状においてL型部を有する板状部からなることを特徴とする止水部材。
  6. 非加硫ブチルゴムが、該板状部の表面に、その長手方向に連続するように設けられており、該非加硫ブチルゴムの表面が剥離シートで覆われてなることを特徴とする請求項5に記載の止水部材。
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