JP2002285494A - 製紙用嵩高サイズ剤及びそれを含有する紙 - Google Patents

製紙用嵩高サイズ剤及びそれを含有する紙

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玲二 大橋
Yukiko Ryu
由紀子 龍
Mitsutoshi Nakamura
充利 中村
Masashi Ishida
昌史 石田
Yasutoku Nanri
泰徳 南里
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い嵩高性と高いサイズ性を両立させる製紙
用嵩高サイズ剤及び該嵩高サイズ剤を用いた紙を提供す
る。 【解決手段】 多価アルコールと脂肪酸のエステル化合
物であって、該エステル化合物のモノエステル体含有率
が20重量%以下であるエステル化合物を製紙用嵩高サイ
ズ剤として使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高い嵩高性と高いサ
イズ性を両立させる製紙用嵩高サイズ剤および該嵩高サ
イズ剤を用いた紙に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の活字離れを反映して、急激にコミ
ック本やペーパーバックが普及してきた。これに伴い、
紙にも軽量化が求められている。ここで、紙の軽量化と
は、紙の厚さは維持した上での軽量化、すなわち嵩高化
(低密度化)のことを指す。環境問題が叫ばれている現
在、森林資源から製造される製紙用パルプを有効に活用
する上でも、紙の軽量化は避けて通れない問題である。
【0003】紙を嵩高にする方法としては架橋パルプを
用いる方法(特開平4-185792号公報等)や合成繊維との
混抄による方法(特開平3-269199号公報等)、パルプ間
に無機物等の充填物を満たす方法(特開平3-269199号公
報等)、発泡性粒子を用いる方法(特開平5-230798号公
報、特開平11-200282号公報等)などがある。しかしな
がら、架橋パルプや合成繊維等の使用は紙のリサイクル
を不可能にしてしまう。また、パルプ間に充填物を満た
す方法や発泡性粒子を用いる方法では紙力が著しく低下
する。また、界面活性剤を用いる方法(WO098/03730
号公報、特開平11-200283号公報、特開平11-200284号公
報、特開平11-200285号公報、特開平11-269799号公報、
特開平11-350380号公報等)も報告されている。
【0004】また、最近では環境問題の高まりと古紙の
リサイクル率の向上に伴って、上質紙等に古紙パルプを
積極的に配合する傾向が進んでおり、機械パルプと同
様、古紙パルプの配合量が増加しつつある。しかしなが
ら、配合量が多すぎると白色度や不透明度が低下するな
どの諸問題が発生してしまい、これらを解決する必要に
迫られている。古紙を含む紙を嵩高にする、あるいは白
色度や不透明度を向上させる方法としては、界面活性剤
を用いる方法(特開2000-282398号公報等)が報告され
ている。
【0005】界面活性剤を用いて紙を嵩高にする方法
は、特別な方法や装置を用いないため比較的容易に嵩高
紙を得ることができる。しかしながら、親水性が高い界
面活性剤にはサイズ性を阻害する働きがある。一方、疎
水性が高い界面活性剤を使用することにより、サイズ性
が向上することが期待されるが、いまだその様な性能を
持つ界面活性剤や紙用嵩高剤は存在していない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高い
嵩高性と高いサイズ性とを両立させる製紙用薬品(以
下、嵩高サイズ剤と呼ぶ)、及び該嵩高サイズ剤を用い
た紙を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、多価アルコールの
脂肪酸エステル化合物が高い嵩高性を示し、その中でも
多価アルコールの脂肪酸モノエステル化合物の含有率が
20重量%以下であれば、高い嵩高性を維持したままサイ
ズ性が高くなる、すなわち嵩高サイズ剤として機能する
ことを見出した。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明を具体的に説明す
る。
【0009】嵩高剤の発現機構は明らかになっていない
が、嵩高剤は抄紙時にパルプ繊維に定着し、極めて親水
性が高いパルプ繊維表面を疎水化して、乾燥後には単繊
維同士を反発させて繊維間結合距離を増加させることで
嵩高性を発現させていると考えられる。嵩高剤が効率的
にパルプ繊維表面に定着するためには、極めて親水性が
高いパルプ繊維と親和性が高い親水基が必要である。ま
た、極めて親水性が高いパルプ繊維表面を疎水化させる
ためには、嵩高剤はかなり疎水性が高い構造を有するこ
とが必要不可欠である。以上のことから、嵩高剤は分子
内に親水性基と疎水性基を併せ持つ化合物、すなわち界
面活性剤がその候補化合物の一つに挙げられる。
【0010】しかしながら、一般に用いられている界面
活性剤をパルプに混合して抄造すると、ある程度の嵩高
化の効果はあるものの、サイズ性は低下してしまう。こ
れは、界面活性剤の親水性に原因があると思われるが正
確な原因は定かでない。サイズ性を低下させない方法と
しては、用いる界面活性剤の疎水性をさらに高めること
によりサイズ性を向上させることが考えられる。例え
ば、ノニオン性界面活性剤の場合は、サイズ性を低下さ
せるアルキレンオキサイドを含まない界面活性剤が好ま
しい。
【0011】一方、多価アルコールの脂肪酸エステル化
合物は高い疎水性を有しているが、この化合物は多価ア
ルコールを原料に用いているため、脂肪酸とのエステル
化合物はエステル置換された数の異なる混合物となって
しまう。それらの中で、多価アルコールの1つのOH基
に脂肪酸が置換したモノエステル化合物は疎水性と親水
性のバランスが良いためにその界面活性効果は極めて高
いものであるが、やや親水性が高いためかサイズ性を低
下させる効果を有している。
【0012】以上のことから、本発明者らは、脂肪酸と
多価アルコールのエステル化合物において、サイズ性を
低下させるモノエステル体の含有率を低下させることに
より、嵩高性を維持したままサイズ性を向上させる嵩高
サイズ剤を得ることを検討したところ、嵩高性とサイズ
性を両立させるためには、モノエステル体の含有量が20
重量%以下であることが必須で、特に5重量%以下であ
ればサイズ性が極めて高くなることを見出した。
【0013】多価アルコールの脂肪酸エステル化合物は
一般に、多価アルコールと脂肪酸を原料に用い、それら
に対してエステル化触媒を添加して反応させることによ
り製造される。その生成物は3価のアルコールの場合、
未反応の原料の他に3価アルコールの脂肪酸モノエステ
ル体、ジエステル体、トリエステル体のうちのいずれ
か、若しくは2種以上を含有している。4価アルコールの
場合、未反応の原料の他に4価アルコールの脂肪酸モノ
エステル体、ジエステル体、トリエステル体、テトラエ
ステル体のうちのいずれか、若しくは2種以上を含有し
ている。本発明の嵩高サイズ剤はこのうち、多価アルコ
ールの脂肪酸モノエステル体の含有量が20重量%以下で
あることを特徴とする。
【0014】本発明の嵩高サイズ剤を構成している脂肪
酸は炭素数8〜40の飽和脂肪酸であり、例えば、カプリ
ル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、
アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン
酸、モンタン酸、メリシン酸、ラセリン酸、セロプラス
チン酸が好ましく、これらの中で炭素数12〜22のものが
特に好ましい。また、2種類以上の飽和脂肪酸を混合し
て使用しても良い。
【0015】また、本発明の嵩高サイズ剤を構成してい
る多価アルコールは3価または4価のものが好ましく、例
えば、グリセリン、ブタントリオール、ペンタントリオ
ール、ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、ト
リメチロールプロパン、エリトリット、ペンタエリスリ
トール、ソルビタンが特に好ましい。
【0016】本発明の嵩高サイズ剤は、一般に多価アル
コールと脂肪酸を原料に用い、それらに対してエステル
化触媒を添加して反応させることにより製造される。そ
の際、エステル化触媒としては、塩酸、硫酸、ベンゼン
スルホン酸、パラトルエンスルホン酸、無水塩化アルミ
ニウム、酸性イオン交換樹脂、ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド(DCC)などが用いられる。
【0017】また、エステル化反応を促進するために、
水に不溶な有機溶媒と共沸させて副生する水を取り除い
たり、150℃以上に加温して水を系外に除去したり、反
応系を減圧下に置いて効率的に水を除去することで、短
時間で不純物の少ないエステル化合物を得ることができ
る。
【0018】本発明の嵩高サイズ剤は一般に用いられる
界面活性剤より疎水性が高いため、シャープな粒度分布
を持つ乳化液を製造することが比較的難しくなる傾向が
ある。乳化液の安定性が低下すると、嵩高サイズ剤がパ
ルプ繊維に均一に吸着し難くなり、結果的には十分な嵩
高サイズ性が得られなくなる。そこで、疎水性が高い嵩
高サイズ剤を使用する際には、乳化能力に優れた界面活
性剤を併用して均一な乳化液を作ることが重要である。
乳化剤の添加量については、嵩高サイズ剤に対して0.1
重量%以上30重量%以下の範囲であることが好ましく、
紙質をあまり変化させずに嵩高性及びサイズ性を向上さ
せるには0.5重量%以上10重量%以下の範囲がより好ま
しい。
【0019】乳化剤としてはアニオン性、カチオン性、
ノニオン性、両性などの様々な界面活性剤が用いられる
が、特にカチオン化澱粉や4級アンモニウム塩の様なカ
チオン性乳化剤は、乳化時の泡の発生が少なく作業性に
優れている。特に、4級アンモニウム塩の中でも、長鎖
アルキル基を少なくとも1個有する4級アンモニウム塩
を用いると、嵩高効果が特に促進される。
【0020】本発明の嵩高サイズ剤を乳化するために用
いられる界面活性剤の具体例としては以下の化合物が挙
げられる。すなわち、ぺレックスOT−P(花王(株)
製)、デモールEP(花王(株)製)、ディスパーTL
(明成化学(株)製)、ゴーセランL−3266(日本
合成化学(株)製)、アロンT−40(東亜合成化学
(株)製)などのアニオン性界面活性剤、エマルゲン
(花王(株)製)、エマルミン(三洋化成製)、Span#2
0,40,60,80,83,85並びにTween20,40,60,80,85などのノ
ニオン性界面活性剤、カチオンDS(三洋化成(株)
製)、コータミン86W(花王(株)製)、コータミン
D86P(花王(株)製)などのカチオン性界面活性剤
などを挙げることができるがこれらに限定されるもので
はない。
【0021】嵩高サイズ剤はパルプ繊維間の結合の阻害
要因となるため、一般に紙の強度が低下する傾向が見ら
れる。また、ある一定以上に添加量を増やしてもその効
果が頭打ちになることも散見される。そのため、原料パ
ルプに対して嵩高サイズ剤を0.1重量%以上20重量%以
下の範囲で添加することが好ましい。また、添加量が多
すぎると紙の摩擦係数が極端に変化してしまうなど一般
紙質への影響が出る場合があり、添加量が少なすぎると
嵩高サイズ剤の種類によっては効果が十分に発現しない
場合があるので、0.2重量%以上5重量%以下の範囲で添
加することがより好ましい。
【0022】本発明の嵩高紙は、各種パルプから通常の
製紙工程によって製造される。原料パルプには、化学パ
ルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の
晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グラン
ドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニ
カルパルプ等)、古紙パルプなどを単独または任意の割
合で混合して使用することができる。なお、紙の原料に
用いるパルプに機械パルプ及び/または古紙が含まれた
場合でも、本発明の嵩高サイズ剤は良好な嵩高サイズ性
を示す。抄紙時のpHは、酸性、中性、アルカリ性のい
ずれでも良い。
【0023】本発明の嵩高紙は填料を含有してもよい。
填料としては一般に使用されているものが使用でき、特
に限定されるものではないが、例えば、クレー、焼成ク
レー、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、
デラミカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、非晶質シリカ、水酸化アル
ミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水
酸化亜鉛などの無機填料、尿素−ホルマリン樹脂、ポリ
スチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子などの有
機填料が、単独でまたは適宜2種類以上を組み合わせて
使用される。
【0024】本発明の嵩高サイズ剤を含有する紙を得る
には、通常の抄紙工程に嵩高サイズ剤をそのまま若しく
は嵩高サイズ剤の乳化液を添加(いわゆる内添)すれば
よい。添加する場所は、パルプスラリーと均一に混合で
きるところであれば特に限定されるものではない。
【0025】本発明の嵩高サイズ剤を添加することによ
り、一般に用いられている既存のサイズ剤の使用量を減
らすだけではなく、サイズ剤自体を使用せずとも目的と
するサイズ性を得ることができる。しかし、紙の銘柄に
よっては高いサイズ性が必要なものもあるので、その時
は本発明の嵩高サイズ剤と一般に用いられている既存の
サイズ剤を併用してもよい。
【0026】併用するサイズ剤としては、アルキルケテ
ンダイマー系化合物、アルケニル無水コハク酸系化合
物、スチレン−アクリル系化合物、スチレン−マレイン
系化合物、高級脂肪酸系化合物、石油樹脂系サイズ剤や
ロジン系サイズ剤が挙げられる。
【0027】本発明の嵩高紙を製造する際において、従
来から使用されている各種のノニオン性、カチオン性の
歩留まり剤、濾水度向上剤、紙力向上剤等の製紙用内添
助剤が必要に応じて適宜選択して使用される。
【0028】製紙用内添助剤としては、例えば、硫酸バ
ンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダや、塩基性
塩化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等の
塩基性アルミニウム化合物や、水に易分解性のアルミナ
ゾル等の水溶性アルミニウム化合物、硫酸第一鉄、硫酸
第二鉄等の多価金属化合物、シリカゾル等が挙げられ
る。
【0029】その他製紙用助剤として各種澱粉類、ポリ
アクリルアミド、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド、ポリアミン樹脂、ポ
リアミン、ポリエチレンイミン、植物ガム、ポリビニル
アルコール、ラテックス、ポリエチレンオキサイド、親
水性架橋ポリマー粒子分散物及びこれらの誘導体あるい
は変成物等の各種化合物が例示できる。
【0030】更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消
泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤
等の抄紙用内添剤を用途に応じて適宜添加することもで
きる。なお、本発明の紙の製造方法は、その抄紙方法が
例えば抄紙pHが4.5付近である酸性抄紙によるもの
か、あるいは炭酸カルシウム等のアルカリ性填料を主成
分として含み、抄紙pHが約6の弱酸性〜約9の弱アルカ
リ性で行う、いわゆる中性抄紙によるものか等について
は特に限定されず、全ての抄紙方法によって得られる紙
を対象とする。また、抄紙機も長網抄紙機、ツインワイ
ヤー機、ヤンキー抄紙機等を適宜使用できる。
【0031】本発明の嵩高紙は、例えば、オフセット印
刷用紙として好適である。その他にも凸版印刷用紙、電
子写真用紙、あるいはインクジェット記録用紙、感熱記
録紙、感圧記録紙、PPC用紙、フォーム用紙などの情
報記録用紙の原紙にも使用することができる。また、塗
工紙用原紙としての使用も好ましい態様である。最近で
は、環境問題の高まりに伴い、古紙パルプを高配合する
傾向が随所に見られてきている。本発明の嵩高サイズ剤
は古紙パルプの量にかかわらず、著しい嵩高サイズ性を
示す。そのため、新聞紙はもちろんのこと、板紙・白板
紙でも効果を発揮する。
【0032】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例
及び比較例にて製造した手抄き紙について下記の項目を
測定して評価した。結果は表1に示した。 ・密度:JIS P 8118に準拠 ・サイズ度:JIS P 8122に準拠
【0033】[実施例1]嵩高サイズ剤としてペンタエ
リスリトールのパルミチン酸エステル(モノエステル体
の含有率15%)10.0gと、乳化剤としてエマルゲン90
5(花王(株)製)0.5gとを良く混合し、それを100gの
水に添加して、乳化機を用いて回転数10,000rpmにて
攪拌し、嵩高サイズ剤の乳化液を調製した。
【0034】パルプ分としてLBKP(ろ水度 CSF
350ml)を使用した。これに前述の嵩高サイズ剤の乳
化液を対パルプ当たり1.0重量%と硫酸バンドを対パル
プ当たり2.0重量%となるように添加して紙料を調製し
た。そして丸型手すき機を用いて坪量60g/m2となる
ように抄紙し、4.18kg/cm2の有効プレス圧にてプ
レスし、環境試験機(紙面温度70℃、加熱温度105℃)
を用い、1時間乾燥して手抄き紙を得た。
【0035】[実施例2]嵩高サイズ剤として、グリセ
リンのステアリン酸エステル(モノエステル体の含有率
5%)を用いた以外は実施例1と同様にして手抄き紙を
得た。
【0036】[実施例3]嵩高サイズ剤として、トリメ
チロールプロパンのベヘン酸エステル(モノエステル体
の含有率10%)を用いた以外は実施例1と同様にして手
抄き紙を得た。
【0037】[実施例4]嵩高サイズ剤として、ペンタ
エリスリトールのステアリン酸エステル(モノエステル
体を含まない)を用いた以外は実施例1と同様にして手
抄き紙を得た。
【0038】[実施例5]嵩高サイズ剤として、ソルビ
タンのミリスチン酸エステル(モノエステル体の含有率
10%)を用いた以外は実施例1と同様にして手抄き紙を
得た。
【0039】[実施例6]嵩高サイズ剤として、グリセ
リンのミリスチン酸エステルとパルミチン酸エステルと
の混合物(モノエステル体の含有率10%)を用いた以外
は実施例1と同様にして手抄き紙を得た。
【0040】[実施例7]嵩高サイズ剤として、ソルビ
タンのミリスチン酸エステルとペンタエリスリトールの
ステアリン酸エステルとの重量比1:1の混合物(モノ
エステル体を含まない)を用いた以外は実施例1と同様
にして手抄き紙を得た。
【0041】[実施例8]嵩高サイズ剤として、ペンタ
エリスリトールのパルミチン酸エステル(モノエステル
体の含有率10%)を対パルプ当たり0.5重量%添加し、
さらにAKD系サイズ剤を対パルプ当たり0.05重量%添
加した以外は実施例1と同様にして手抄き紙を得た。
【0042】[実施例9]パルプ分としてLBKP(ろ
水度 CSF350ml)と古紙パルプ(ろ水度CSF200
ml)の比率が9:1の混合パルプを使用した以外は実施
例1と同様にして手抄き紙を得た。
【0043】[比較例1]嵩高サイズ剤を添加しない以
外は実施例1と同様にして手抄き紙を得た。
【0044】[比較例2]AKD系サイズ剤を対パルプ
当たり0.1重量%添加した以外は比較例1と同様にして
手抄き紙を得た。
【0045】[比較例3]嵩高サイズ剤として、ペンタ
エリスリトールのステアリン酸エステル(モノエステル
体の含有率35%)を用いた以外は実施例1と同様にして
手抄き紙を得た。
【0046】[比較例4]嵩高サイズ剤の乳化液を対パ
ルプ当たり0.05重量%添加した以外は実施例1と同様に
して手抄き紙を得た。
【0047】
【表1】 表1に示す様に、実施例1〜9と比較例1とを比べる
と、本発明の化合物を用いることにより、嵩高性とサイ
ズ性を両立できることがわかった。比較例2と比べる
と、本発明の化合物は一般のサイズ剤にはない嵩高性を
有していることがわかった。また、比較例3と比べる
と、多価アルコールの脂肪酸モノエステルの含有率が低
くなると、サイズ性が高くなることがわかった。その
際、嵩高性には全く影響がなかった。比較例4に示すよ
うに本発明の化合物の添加量が対パルプ当たり0.1重量
%未満であると、十分な嵩高性及びサイズ性が得られな
かった。
フロントページの続き (72)発明者 中村 充利 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社技術研究所内 (72)発明者 石田 昌史 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社技術研究所内 (72)発明者 南里 泰徳 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4L055 AA03 AC01 AC06 AC09 AG34 AH11 AH50 EA30 EA32 FA16 GA50

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多価アルコールと炭素数8〜40の飽和脂
    肪酸とのエステル化合物であって、該エステル化合物の
    モノエステル体含有率が20重量%以下であることを特徴
    とする製紙用嵩高サイズ剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製紙用嵩高サイズ剤を製
    紙用サイズ剤と併用することを特徴とする紙。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の製紙用嵩高サイズ剤をパ
    ルプ絶乾重量当たり0.1重量%以上20重量%以下添加す
    ることを特徴とする紙。
  4. 【請求項4】 パルプ分として機械パルプ及び/または
    古紙パルプを含有することを特徴とする請求項3記載の
    紙。
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