JP2002285073A - 熱硬化性クリヤー塗料組成物、複層塗膜形成方法および塗装物 - Google Patents

熱硬化性クリヤー塗料組成物、複層塗膜形成方法および塗装物

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JP2002285073A
JP2002285073A JP2001088704A JP2001088704A JP2002285073A JP 2002285073 A JP2002285073 A JP 2002285073A JP 2001088704 A JP2001088704 A JP 2001088704A JP 2001088704 A JP2001088704 A JP 2001088704A JP 2002285073 A JP2002285073 A JP 2002285073A
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mass
copolymer
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JP2001088704A
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Atsushi Takao
淳 高尾
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸性雨に対する耐性に優れ、かつ汚染防止の
持続性が良好な塗膜を提供し得る熱硬化性クリヤー塗料
組成物、これを用いる複層塗膜形成方法および塗装物を
提供する。 【解決手段】 ビヒクルとして(A)カルボシキル基含
有ポリマーと(B)エポキシ基含有ポリマーとを含有す
る熱硬化性クリヤー塗料に、1次粒子径が10〜50n
mであるシリカ微粒子を含有する熱硬化性クリヤー塗料
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、耐酸性および耐汚染性
が良好な熱硬化性クリヤー塗料組成物、複層塗膜形成方
法および塗装物に関する。
【0003】
【従来の技術】自動車車体等の上塗り塗料に用いるビヒ
クルには、水酸基含有ポリマーとメラミン樹脂硬化剤と
を組み合わせて用いることが一般的である。しかしなが
ら、上記メラミン樹脂硬化剤により得られる硬化塗膜は
一般に耐酸性が十分に得られず、近年問題となっている
酸性雨により特に劣化され易く、外観上の不具合を生じ
ることがある。
【0004】上記メラミン樹脂を硬化剤として用いるこ
とにより得られる塗膜が、耐酸性に劣るのはメラミン樹
脂中のトリアジン核に起因すると考えられている。この
ような欠点を解決するために、特開平2−45577号
公報および特開平3−287650号公報には、メラミ
ン樹脂を使用しない塗料組成物が記載されている。しか
しながら、上記塗料組成物は、酸基とエポキシ基とを反
応させることにより生じるエステル結合を架橋点とする
ので酸性雨に対しての耐性を有する耐酸性が良好であ
り、自動車用上塗り塗膜として十分な耐候性を有する
が、自動車を駐車させているとき、塗膜上に鳥の糞が付
着したり、雨天走行後の泥はねで汚れたりしたときの汚
染防止の持続性が低下し、実用上の点で不十分であっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、酸性
雨に対する耐性に優れ、かつ汚染防止の持続性が良好な
塗膜を提供し得る熱硬化性クリヤー塗料組成物、これを
用いる複層塗膜形成方法および塗装物を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上述の課題
に鑑み鋭意研究した結果、本発明に至った。 1.ビヒクルとして(A)カルボキシル基含有ポリマー
と(B)エポキシ基含有ポリマーとを含有する熱硬化性
クリヤー塗料に、1次粒子径が10〜50nmであるシ
リカ微粒子を含有する熱硬化性クリヤー塗料組成物。 2.上記(A)カルボキシル基含有ポリマーと(B)エ
ポキシ基含有ポリマーが、(A)酸無水物基を有するラ
ジカル重合性モノマーと他の共重合性モノマーとの共重
合体中の酸無水物基がハーフエステル化された酸無水物
基を有さない共重合体、並びに(B)(b1)エポキシ
基を有するラジカル重合性モノマー30〜70質量%、
(b2)水酸基を有するラジカル重合性モノマー10〜
50質量%、及び(b3)その他のラジカル重合性モノ
マーを残量含むモノマー組成物を共重合して得られるエ
ポキシ当量100〜800、ヒドロキシ当量200〜1
200、分子量1000〜8000の共重合体である上
記の熱硬化性クリヤー塗料組成物。 3.上記シリカ微粒子をビヒクル100固形分質量部に
対して0.1〜10質量部含有する上記の熱硬化性クリ
ヤー塗料組成物。 4.被塗基材に、ベースコート塗膜を形成後ウェットオ
ンウェットで、上記の熱硬化性クリヤー塗料組成物によ
りクリヤートップコート塗膜を形成し、次いで上記ベー
スコート塗膜と上記クリヤートップコート塗膜とを同時
に焼き付け硬化させる複層塗膜形成方法。 5.上記の複層塗膜形成方法により塗装された塗装物。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述
する。熱硬化性クリヤー塗料組成物 本発明の熱硬化性クリヤー塗料組成物は、ビヒクルとし
て(A)カルボキシル基含有ポリマーと(B)エポキシ
基含有ポリマーとを含有する熱硬化性クリヤー塗料に、
1次粒子径が10〜50nmであるシリカ微粒子を含有
する。
【0008】上記シリカ微粒子は、1次粒子径が10〜
50nmである。1次粒子径が10nm未満では、汚染
防止効果が不十分となる恐れがあり、50nmを超える
と塗膜外観が低下する恐れがある。好ましい1次粒子径
は、10〜25nmである。本発明における1次粒子径
の測定は、シリカ微粒子の濃度を10質量%にしたとき
のBET法により行う。
【0009】上記熱硬化性クリヤー塗料組成物の上記シ
リカ微粒子の含有量は、ビヒクル100固形分質量部に
対して0.1〜10質量部が好ましい。0.1質量部未
満では、汚染防止の持続性を得られない恐れがあり、1
0質量部を超えると塗膜外観の低下や塗膜の光沢低下の
恐れがある。より好ましくは、0.3〜3質量部であ
る。
【0010】上記シリカ微粒子を加えると、クリヤート
ップコート塗膜表層に存在する上記シリカ微粒子が、加
水分解される。加水分解を受けると上記シリカ微粒子
は、シラノール基に変化して化学吸着水が生じクリヤー
トップコート塗膜が親水化される。ここでクリヤートッ
プコート塗膜表層に付着した汚染源が、吸着した水とと
もに浮き上がり、流下し、クリヤートップコート塗膜表
層の汚染防止効果を発揮し、汚染防止の持続性が良好な
塗膜を形成することが可能となる。上記シリカ微粒子に
は、「ナノテック」シリーズ(商品名)としてシーアイ
化成社から販売されているものを使用することができ
る。
【0011】上記ビヒクルとして(A)カルボキシル基
含有ポリマー(以下、「共重合体(A)」ともいう)と
(B)エポキシ基含有ポリマー(以下、「化合物
(B)」ともいう)を用いるが、好ましくは、上記カル
ボキシル基含有ポリマーとして、(A)酸無水物基を有
するラジカル重合性モノマーと他の共重合性モノマーと
の共重合体中の酸無水物基がハーフエステル化された、
酸無水物基を有さない共重合体、並びに上記エポキシ基
含有ポリマーとして、(B)(b1)エポキシ基を有す
るラジカル重合性モノマー(以下、「モノマー(b
1)」という)30〜70質量%、(b2)水酸基を有
するラジカル重合性モノマー(以下、「モノマー(b
2)」という)10〜50質量%、および(b3)その
他のラジカル重合性モノマー(以下、「モノマー(b
3)」という)を残量含む(但し、%は成分(B)の全
モノマー量に基づく)モノマー組成物を、共重合して得
られるエポキシ当量100〜800、ヒドロキシ当量2
00〜1200、分子量1000〜8000の共重合体
を用いる。上記共重合体(A)および化合物(B)は、
それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0012】上記共重合体(A)を形成するための酸無
水物基を有するラジカル重合可能なモノマーとしては無
水イタコン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸等が
挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。
【0013】また、他の共重合可能なモノマーとしては
スチレン、α−メチルスチレン、アクリル酸エステル類
(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸プロピル、アクリル酸−n、i、およびt−ブチ
ル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル
等)、メタクリル酸エステル類(例えば、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、
メタクリル酸−n、i、およびt−ブチル、メタクリル
酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等)、ア
クリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
共重合反応における反応物組成では、上記酸無水物基を
有するラジカル重合性モノマーは、全モノマーに対し1
0〜40質量%が好ましく、15〜30質量%がより好
ましい。
【0014】上記共重合は公知の方法、例えばラジカル
重合等の溶液重合により行われる。共重合体の数平均分
子量は500〜40000、特に1000〜20000
が好ましい。40000より大きいと共重合体の粘度が
高くなり、高固形分熱硬化性組成物になりにくい欠点を
有する。500より小さいと硬化性が十分でない。な
お、分子量はGPC法により求められる。酸無水物基は
1分子中に少なくとも2個、好ましくは2〜15個であ
る。2個より少ないと硬化性が十分でない欠点を有す
る。酸無水物基のハーフエステル化はポリマー化ののち
行う。上記ハーフエステル化するために用いるハーフエ
ステル化剤は、低分子量のアルコール類、具体的にはメ
タノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパ
ノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノ
ール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチル
アミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、アセト
ール、アリルアルコール、プロパルギルアルコール等が
ある。特に好ましい化合物としてはアセトール、アリル
アルコール、プロパギルアルコール、メタノールであ
る。
【0015】上記ハーフエステル化の反応は通常の方法
に従い、室温から120℃の温度で、触媒の存在下行わ
れる。上記触媒としては、第3級アミン類(例えば、ト
リエチルアミン、トリブチルアミン等)、第4級アンモ
ニウム塩(例えばベンジルトリメチルアンモニウムクロ
リド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベン
ジルトリブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブ
チルアンモニウムブロミド等)が挙げられる。
【0016】上記ビヒクルに配合する化合物(B)は、
分子中にエポキシ基を2〜10個、好ましくは3〜8
個、および水酸基を2〜12個、好ましくは4〜10個
有する。また、エポキシ当量は100〜800、好まし
くは200〜600、ヒドロキシ当量は200〜120
0、好ましくは400〜1000である。エポキシ当量
が上記下限より小さいと硬化性が十分でなく、また上限
より大きいと硬くなりすぎ、耐候性が悪くなり好ましく
ない。また、ヒドロキシ当量が200未満だと硬化塗膜
の耐水性が十分でなく、逆に1200を超えると高固形
分となりにくいので好ましくない。
【0017】上記化合物(B)としては、(b1)エポ
キシ基を有するラジカル重合性モノマー30〜70質量
%、(b2)水酸基を有するラジカル重合性モノマー1
0〜50質量%、および(b3)その他のラジカル重合
性モノマーを残量含むモノマー組成物を、共重合して得
られるエポキシ当量100〜800、ヒドロキシ当量2
00〜1200、分子量500〜40000の共重合体
(以下、この共重合体を「共重合体(B′)」という)
が挙げられる。
【0018】上記モノマー(b1)としては、例えば
(メタ)アクリル酸グリシジル、3,4エポキシシクロ
ヘキサニルメチルメタクリレート等が挙げられる。上記
モノマー(b2)としては、例えば(メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシエチル等、アクリル酸4ヒドロキシブチ
ル、プラクセルFM−1(ダイセル社製)等が挙げられ
る。上記モノマー(b3)としては、上記共重合体
(A)において「他の共重合可能なモノマー」として例
示したもの等が挙げられる。上記モノマー(b1)、
(b2)及び(b3)は、それぞれ単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0019】共重合体(B′)は、上記各モノマー(b
1)〜(b3)および例えばt−ブチルパーオキシ2エ
チルヘキサノエイト、ジメチル2,2′−アゾビスイソ
ブチレート等のラジカル重合開始剤を含むモノマー組成
物をラジカル重合して得られる。モノマー組成物の組成
において、モノマー(b1)〜(b3)は全モノマーに
対しそれぞれ30〜70質量%、10〜50質量%、お
よび残量である。また、ラジカル重合開始剤は、全モノ
マーに対し3〜15質量%が好ましい。上記モノマー組
成物には、その他添加剤として連鎖移動剤等を加えても
よい。共重合体(B′)を生成する共重合反応は通常の
ラジカル重合法でよく、重合温度100〜140℃、重
合時間3〜8時間で行うことができる。
【0020】上記のようにして得られる共重合体
(B′)はエポキシ当量100〜800、好ましくは2
00〜600、ヒドロキシ当量200〜1200、好ま
しくは400〜1000、および分子量500〜400
00、好ましくは1000〜20000を有する。
【0021】上記熱硬化性クリヤー塗料組成物には通常
硬化触媒が含まれる。硬化触媒はエステル化反応(酸・
エポキシの反応)に通常用いられるものでよいが、例え
ば第4級アンモニウム塩が好ましい。具体的には、上記
共重合体(A)で例示した第4級アンモニウム塩の他
に、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドもしくは
ブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリドもしくは
ブロミド等が挙げられる。
【0022】上記熱硬化性クリヤー塗料組成物には、架
橋密度を上げ、耐水性の向上をはかるためにメラミン・
ホルムアルデヒド樹脂を加えてもよい。また、ポットラ
イフを延長する手段としてオルソギ酸エチルもしくは、
メチル、オルソ酢酸エチルもしくはメチル等のオルソエ
ステルを加えてもよい。また、塗装膜の耐候性向上のた
めに、チヌビン−900(商品名、チバ・スペシャリテ
ィ・ケミカルズ社製)、サノールLS−292(商品
名、三共社製)等を加えてもよい。さらにレオロジーコ
ントロール剤として架橋性樹脂粒子や表面調整剤を添加
してもよい。さらにまた、粘度調整等のために希釈剤と
してメタノール、エタノール、プロパノール、およびブ
タノール等のアルコール系、炭化水素系、およびエステ
ル系等の溶剤を使用してもよい。また、上記ビヒクルは
酸基を官能基として有するため、アミンで中和すること
により、水を媒体として水性樹脂組成物とすることも可
能である。
【0023】上記ビヒクルにおいては、化合物(B)の
エポキシ基総数/共重合体(A)のハーフエステル化さ
れた酸無水物基総数=0.5〜1.5、特に0.6〜
1.2となるのが好ましく、また化合物(B)の水酸基
総数/共重合体(A)のハーフエステル化された酸無水
物基総数=0.1〜1.5、特に0.3〜1.2となる
のが好ましい。具体的にはそのような比を与える化合物
(B)の配合量としては、例えば共重合体(A)100
質量部に対し50〜250質量部、特に80〜150質
量部が好ましい。化合物(B)の使用量が50質量部未
満だと十分な硬化が行われず硬化塗膜の耐水性・耐候性
等が低下し、好ましくない。また、250質量部を超過
すると、硬化塗膜中に未反応のカルボキシル基が残存し
耐薬品性が低下し好ましくない。
【0024】硬化触媒の配合量は、樹脂固形分に対し
0.01〜1質量%が好ましい。また、メラミン・ホル
ムアルデヒド樹脂の添加量は樹脂固形分に対し2〜30
質量%、特に5〜15質量%が好ましい。さらにまた希
釈剤は、希釈剤を加えた熱硬化性クリアー塗料組成物の
総質量に対し最高60質量%、特に20〜55質量%が
好ましい。
【0025】本明細書における配合量、配合比率および
添加量は、特に断らない限り固形分換算の量を示す。ま
た上記熱硬化性クリヤー塗料組成物には、透明性を損な
わない量の範囲内で、着色顔料、体質顔料を用いること
ができる。上記着色顔料として、有機系としてはアゾレ
ーキ系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタ
ロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリノン系顔料、
ペリレン系顔料、フタロン系顔料、ジオキサジン系顔
料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金
属錯体顔料等が挙げられ、また無機系としては黄色酸化
鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタン等が挙
げられる。また上記体質顔料としてタルク、炭酸カルシ
ウム、沈降性硫酸バリウム、シリカ等が挙げられる。
【0026】複層塗膜形成方法および塗装物 本発明の複層塗膜形成方法は、被塗基材に直接または下
地塗膜を介して、ベースコート塗膜として光輝性ベース
塗膜またはソリッドベース塗膜を形成し、次いで上記ベ
ースコート塗膜を硬化させずに、その上に、上記の熱硬
化性クリヤー塗料組成物によりクリヤートップコート塗
膜を形成し、上記光輝性ベース塗膜またはソリッドベー
ス塗膜とクリヤートップコート塗膜とを同時に焼付乾燥
する方法である。
【0027】被塗基材が、自動車車体および部品の場合
は、被塗基材にあらかじめ化成処理後、電着塗装等によ
る下塗り塗装、中塗り塗装等により形成される下地塗膜
を形成しておくのが好ましい。上記中塗り塗装は、下地
の隠蔽、耐チッピング性の付与および上塗りとの密着性
確保のために行われるものである。上記中塗り塗装は、
常用の中塗り塗料により形成するが、有機溶剤型、水性
または粉体塗料として用いることができる。
【0028】本発明の複層塗膜形成方法は、種々の被塗
基材に複層塗膜を形成できるが、具体的な被塗基材とし
て例えば、鉄、アルミニウム、銅またはこれらの合金等
の金属類、ガラス、セメント、コンクリート等の無機材
料、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン
−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル
樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類や各種のFR
P等のプラスチック材料類、その他木材、繊維材料
(紙、布等)等の天然または合成材料等が挙げられる。
なお、本明細書中では、上記被塗基材に化成処理や下塗
り、中塗り塗装等により形成された下地塗膜を形成され
たものを、被塗基材と表現する場合がある。
【0029】上記被塗基材に、ベース塗料を塗装してベ
ースコート塗膜を形成する。このベースコート塗膜の形
成にはベース塗装用として一般に使用されている光輝性
顔料、必要によりさらに着色顔料を含有する光輝性ベー
ス塗料、または着色顔料を含有するソリッドベース塗料
を使用することができる。上記ベース塗料は、ビヒクル
として架橋性塗膜形成性樹脂、必要に応じて使用できる
架橋剤を用いる。上記ビヒクルを構成する架橋性塗膜形
成用樹脂としては、例えば、(a)アクリル樹脂、
(b)ポリエステル樹脂、(c)アルキド樹脂、(d)
フッ素樹脂、(e)エポキシ樹脂、(f)ポリウレタン
樹脂、(g)ポリエーテル樹脂等が挙げられ、これら
は、単独または2種以上を組み合わせて使用することが
できる。特に、アクリル樹脂およびポリエステル樹脂が
好ましく用いられる。
【0030】また架橋剤として、アミノ樹脂、(ブロッ
ク)ポリイソシアネート化合物、アミン系、ポリアミド
系、多価カルボン酸等を用いることができる。上記ベー
ス塗料は、常用の上塗りベース塗料により形成するが、
有機溶剤型、水性または粉体塗料として用いることがで
きる。
【0031】また、光輝性ベース塗料中には、各種光輝
性顔料を含有する。上記光輝性顔料の例としては、アル
ミニウムフレーク顔料、着色アルミニウムフレーク顔
料、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、干渉マイカ
顔料、着色マイカ顔料、金属酸化物被覆ガラスフレー
ク、金属めっきガラスフレーク、金属酸化物被覆ガラス
フレーク、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属チ
タンフレーク、グラファイト、ステンレスフレーク、板
状酸化鉄、フタロシアニンフレーク、ホログラム顔料ま
たはコレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔
料等が挙げられる。
【0032】また、光輝性ベース塗料であっても、必要
に応じて上記熱硬化性クリヤー塗料組成物で説明した着
色顔料を、光輝性顔料と併用することができる。上記光
輝性顔料および着色顔料の添加量は、所望の色相を発現
するのに合わせて任意に設定できる。また各種体質顔料
等を併用することができる。なお、上記光輝性顔料およ
び/または着色顔料を併用する場合、顔料全体としての
総含有量(PWC)は、50%未満が好ましく、30%
未満がより好ましい。50%を超えると塗膜外観が低下
する。
【0033】上記ベース塗料には、上記成分の他に、上
記熱硬化性クリヤー塗料組成物に用いる各種添加剤を配
合することが可能である。上記ベース塗料は、上記被塗
基材が下塗り、中塗り塗料等により下地塗装をした物で
ある場合には、下地塗膜の上にウェットオンウェット
(W/W)法、またはウェットオンドライ(W/D)法
により塗装することができる。W/W法とは下地塗装を
した後、風乾等により乾燥し、未硬化状態または半硬化
状態の下地塗膜に塗装する方法であり、これに対して、
W/D法とは焼き付けて硬化後の下地塗膜に塗装する方
法である。
【0034】上記ベースコート塗膜を被塗基材上に形成
する方法は特に限定されないが、スプレー法、ロールコ
ーター法等が好ましく、また、複数回塗装することも可
能である。上記ベースコート塗膜の乾燥膜厚は、1コー
トにつき5〜50μmが好ましく、10〜30μmがよ
り好ましい。このようにして形成されたベースコート塗
膜上に、本発明の熱硬化性クリヤー塗料組成物を使用し
てクリヤートップコート塗膜を少なくとも1層形成す
る。上記クリヤートップコート塗膜の形成方法は特に限
定されないが、スプレー法、ロールコーター法等が好ま
しい。また、上記クリヤートップコート塗膜の乾燥膜厚
は1コートにつき20〜50μmが好ましく、25〜4
0μmがより好ましい。
【0035】上記クリヤートップコート塗膜の形成は、
上記ベースコート塗膜を硬化させた後でも、硬化させる
前でもよい。硬化させる前の場合には、W/W法により
上記ベースコート塗膜とクリヤートップコート塗膜を同
時に硬化させることとなる。また、上記クリヤートップ
コート塗膜を複数回塗装する場合には、最終のクリヤー
トップコート塗膜を塗装した後で同時に焼き付けてもよ
く、また各層毎に焼き付けてもよい。焼き付け温度は、
120〜160℃が好ましい。以上のような形成方法に
よって、本発明の塗装物を得ることができる。
【0036】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例を挙げて
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
のみ限定されるものではない。なお、配合量は特に断り
のないかぎり質量部を表す。また原材料、塗料の名称
は、特に断りのない限り商品名を表す。実施例1〜6、比較例1〜2 基材の調製 ダル鋼板(長さ300mm、幅100mmおよび厚さ
0.8mm)を脱脂後、燐酸亜鉛処理剤(「サーフダイ
ンSD2000」、日本ペイント社製)を使用して化成
処理した後、カチオン電着塗料(「パワートップU−5
0」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚が25μmとなる
ように電着塗装した。次いで、160℃で30分間焼き
付けた後、ポリエステル樹脂/メラミン樹脂系中塗り塗
料を乾燥膜厚が40μmとなるようにエアースプレー塗
装し、140℃で30分間焼き付けて中塗り塗膜を形成
し被塗基材とした。
【0037】上塗り塗膜 上記基材に対して、水酸基を含むアクリル樹脂とメラミ
ン樹脂系メタリックベース塗料(「スーパーラックM−
180」、日本ペイント社製)により、乾燥膜厚が15
μmになるようにスプレー塗装し上塗りベース塗膜(ベ
ースコート塗膜)を形成後ウェットオンウェットで、下
記のシリカ微粒子を表1に示した配合量で加えた、カル
ボキシル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーとを
含有する熱硬化性クリヤー塗料(「マックフローO−5
90クリヤー」、日本ペイント社製)を、乾燥膜厚が3
5μmになるように塗装しクリヤートップコート塗膜を
形成し、室温で10分間セッティングし、上塗りベース
塗膜とクリヤートップコート塗膜の塗膜を同時に140
℃の温度で30分間、焼き付けた。得られた複層塗膜の
耐汚染性および塗膜外観を評価し、結果を表1に示し
た。 S1…1次粒子径15nmのシリカ微粒子 S2…1次粒子径25nmのシリカ微粒子 S3…1次粒子径40nmのシリカ微粒子 S4…1次粒子径100nmのシリカ微粒子(比較例
用)
【0038】評価方法 耐汚染性:沖縄での1年間の暴露後における目視での塗
膜上の汚れの程度を評価した。 5…付着した汚れが、殆どない 4…付着した汚れが、わずかにが認められる 3…付着した汚れが、散見される 2…付着した汚れが、目立つ 1…付着した汚れが、きわめて多い 塗膜外観:形成された塗膜の平滑程度を目視で評価し
た。 3…平滑性良好 2…平滑性ほぼ良好 1…所々に平滑性が不十分の箇所あり
【0039】
【表1】
【0040】表1の結果から明らかのように、本実施例
は、本発明の熱硬化性クリヤー塗料組成物を用いて複層
塗膜形成方法で得た塗装物であり、汚染防止の持続性お
よび酸性雨に対する耐性が良好であった。一方、比較例
では、汚染防止の持続性または塗膜外観が十分ではなか
った。
【0041】
【発明の効果】本発明においては、最表層塗膜に、1次
粒子径が10〜50nmであるシリカ微粒子を含有する
ため上記汚染防止の持続性が良好で、さらに(A)カル
ボキシル基含有ポリマーと(B)エポキシ基含有ポリマ
ーとを含有するため酸性雨に対する耐性に優れる。な
お、本発明により得られる塗膜は上記良好な汚染防止の
持続性および高塗膜外観を呈するため、自動車、二輪車
等の乗物外板、部品、容器外面、コイルコーティング、
家電業界等の汚染防止の持続性および高塗膜外観が要求
される分野において好ましく使用される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/08 C09D 201/08 Fターム(参考) 4D075 AE12 CA32 CA33 CA34 CA37 CA44 CB06 DA06 DB02 DB06 DB07 DB12 DB13 DB18 DB20 DB21 DB36 DB38 DB40 DB43 DB47 DB48 DB50 DB53 DB61 DC10 DC12 DC13 DC18 DC41 EA43 EB14 EB16 EB20 EB22 EB32 EB33 EB35 EB36 EB37 EB38 EB39 EB45 EB52 EB55 EB56 EC03 EC53 EC54 4J036 AK08 AK10 AK11 FB01 FB04 JA01 4J038 CC021 CC022 CG141 CG142 CG171 CG172 CH031 CH032 CH041 CH042 CH171 CH172 CJ131 CJ132 DB231 DB232 GA02 GA03 GA06 GA07 HA446 KA20 MA14 NA04 NA05 PA07 PA19 PB07 PC02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビヒクルとして(A)カルボキシル基含
    有ポリマーと(B)エポキシ基含有ポリマーとを含有す
    る熱硬化性クリヤー塗料に、1次粒子径が10〜50n
    mであるシリカ微粒子を含有する熱硬化性クリヤー塗料
    組成物。
  2. 【請求項2】 前記(A)カルボキシル基含有ポリマー
    と(B)エポキシ基含有ポリマーが、(A)酸無水物基
    を有するラジカル重合性モノマーと他の共重合性モノマ
    ーとの共重合体中の酸無水物基がハーフエステル化され
    た酸無水物基を有さない共重合体、並びに(B)(b
    1)エポキシ基を有するラジカル重合性モノマー30〜
    70質量%、(b2)水酸基を有するラジカル重合性モ
    ノマー10〜50質量%、及び(b3)その他のラジカ
    ル重合性モノマーを残量含む(但し、%は成分(B)の
    全モノマー量に基づく)モノマー組成物を共重合して得
    られるエポキシ当量100〜800、ヒドロキシ当量2
    00〜1200、分子量1000〜8000の共重合体
    である請求項1記載の熱硬化性クリヤー塗料組成物。
  3. 【請求項3】 前記シリカ微粒子をビヒクル100固形
    分質量部に対して0.1〜10質量部含有する請求項1
    または2記載の熱硬化性クリヤー塗料組成物。
  4. 【請求項4】 被塗基材に、ベースコート塗膜を形成後
    ウェットオンウェットで、請求項1から3いずれか1項
    記載の熱硬化性クリヤー塗料組成物によりクリヤートッ
    プコート塗膜を形成し、次いで前記ベースコート塗膜と
    前記クリヤートップコート塗膜とを同時に焼き付け硬化
    させる複層塗膜形成方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の複層塗膜形成方法により塗
    装された塗装物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010209315A (ja) * 2009-02-16 2010-09-24 Nissan Motor Co Ltd 微粒子−ポリロタキサン含有塗料、微粒子−ポリロタキサン含有塗膜及び塗装物品

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