JP2002284247A - ポリエステル容器 - Google Patents

ポリエステル容器

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JP2002284247A JP2001088027A JP2001088027A JP2002284247A JP 2002284247 A JP2002284247 A JP 2002284247A JP 2001088027 A JP2001088027 A JP 2001088027A JP 2001088027 A JP2001088027 A JP 2001088027A JP 2002284247 A JP2002284247 A JP 2002284247A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、耐熱性に優れたポリエステル容器を
提供する。 【解決手段】 環状エーテル骨格を有するグリコールを
10〜80モル%含むジオールとジカルボン酸とを重縮
合して得られる、フェノールと1,1,2,2−テトラ
クロロエタンとの質量比が6:4の混合溶媒を用いて2
5℃で測定した極限粘度が0.3〜1.5(dl/g)
の範囲であり、示差走査型熱量計で測定されるガラス転
移温度が90℃以上であり、降温時結晶化発熱ピークの
熱量が4J/g以下であるポリエステル樹脂を成形して
得られるポリエステル容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、透明性に
優れたポリエステル樹脂からなる耐熱透明容器に関する
ものである。
【0002】従来、食品・飲料等の容器として、プラス
チック包装容器が多用されているが、この容器では、内
部に食品を充填した後、一般に85〜90℃の熱水によ
る熱殺菌処理が行われる。このため、この種の包装容器
では、前記熱殺菌処理に十分耐えうる耐熱性が必要であ
ると共に、販売する際に内部の充填物が見やすいように
透明性があることが望ましい。
【0003】現在市販されている包装容器の容器本体と
して、ポリエチレン層/エチレンビニルアルコール共重
合体層/ポリプロピレン層からなる積層材を用いたも
の、ポリプロピレン層/鉄層/ポリプロピレン層からな
る積層材を用いたものが知られている。
【0004】一方、上記従来の容器本体では、透明性に
おいて十分なものではないことから、特開平6−345
131号公報において、ポリアリレート樹脂と熱可塑性
ポリエステル樹脂とのブレンド層と、熱可塑性ポリエス
テル樹脂層との積層材を用いた透明性に優れた耐熱容器
が提案されている。
【0005】しかしながら、耐熱層に用いられているポ
リアリレート樹脂は、主にビスフェノールAとテレフタ
ル酸塩化物及びイソフタル酸塩化物から製造されてい
る。また、熱可塑性ポリエステル樹脂とのブレンド工程
が必要なため、生産コストがかかり、必ずしも安価な材
料とはいえない。
【0006】そこで、食品包装材料例えば、ボトル、フ
ィルム等に広く使用されているポリエチレンテレフタレ
ート(以下、PETという)は透明性、食品衛生性、機
械的性能等に優れるため、その代替が期待される。
【0007】しかしながら、PETは透明性を付与させ
るためにはアモルファスの状態で容器を作製する必要が
あるが、アモルファスでの使用は、熱水に耐えうる耐熱
性に乏しいため、耐熱性が要求される透明容器への利用
は難しい。
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】本発明者らは上述の
目的を達成するために鋭意検討の結果、環状エーテル骨
格を有するポリエステル樹脂からなる容器が、飲食品の
高温充填、飲食品充填後の電子レンジによる加熱、又は
熱殺菌の際に変形あるいは白化したり、容器表面の光沢
が損なわれることが無く、しかも透明性、環境適性に優
れた包装容器を提供できることを見いだすに至った。
【0009】すなわち、本発明は、環状エーテル骨格を
有するグリコールを10〜80モル%含むジオールと、
ジカルボン酸とを重縮合して得られる下記の(1)ない
し(3)の物性を有するポリエステル樹脂を成形して得
られるポリエステル容器に関する発明である。 (1)ポリエステル樹脂の極限粘度が、フェノールと
1,1,2,2−テトラクロロエタンとの質量比6:4
の混合溶媒を用いた25℃での測定値が0.3〜1.5
(dl/g)である。 (2)示差走査型熱量計で測定されるポリエステル樹脂
のガラス転移温度が90℃以上である。 (3)ポリエステル樹脂の降温時結晶化発熱ピークの熱
量が4J/g以下である。
【0010】本発明で使用可能な環状エーテル骨格を有
するグリコールとして、下記の式(1)で示される、
3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチ
ル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕
ウンデカン、及び下記の式(2)で示される5−メチロ
ール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒド
ロキシエチル)−1,3−ジオキサンが例示できるが、
これらに限定されるものではない。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】本発明において使用できる他のジオール成
分として、特に制限はされないが、エチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール類、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブ
チレングリコール等のポリエーテル化合物類、1,3−
シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、1,2−デカヒドロナフタレンジメタノ
ール、1,3−デカヒドロナフタレンジメタノール、
1,4−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,5−
デカヒドロナフタレンジメタノール、1,6−デカヒド
ロナフタレンジメタノール、2,7−デカヒドロナフタ
レンジメタノール、テトラリンジメタノール、ノルボル
ナンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、
3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチ
ル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕
ウンデカン、ペンタシクロドデカンジメタノール等の脂
環族ジオール類、4,4'−(1−メチルエチリデン)
ビスフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノ
ールF)、4,4' −シクロヘキシリデンビスフェノー
ル(ビスフェノールZ)、4,4' −スルホニルビスフ
ェノール(ビスフェノールS)等のビスフェノール類の
アルキレンオキシド付加物、ヒドロキノン、レゾルシ
ン、4,4'-ジヒドロキシビフェニル、4,4' ―ジヒ
ドロキシジフェニルエーテル、4,4'-ジヒドロキシジ
フェニルベンゾフェノン等の芳香族ジヒドロキシ化合物
のアルキレンオキシド付加物等が例示できる。
【0014】本発明において使用できるジカルボン酸成
分として、特に制限はされないが、テレフタル酸、イソ
フタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラリ
ンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、
デカリンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、ト
リシクロデカンジカルボン酸、ペンタシクロドデカンジ
カルボン酸、イソホロンジカルボン酸、3,9−ビス
(2−カルボキシエチル)2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ〔5.5〕ウンデカン等が挙げられる。又、
上記例示したジカルボン酸のジメチルエステル類も本発
明のジカルボン酸として使用することが可能である。
【0015】本発明のシート用ポリエステル樹脂に使用
する原料モノマーは以下に記載の通りである。 (1)本発明のポリエステル樹脂は、グリコールが環状
エーテル骨格を有するジオールを10〜80モル%、好
ましくは20〜60モル%含むジオールとジカルボン
酸、又はそのエステル化物から得られるポリエステル樹
脂である。ジオールが環状エーテル骨格を有するグリコ
ールを上記10〜80モル%とすることにより、本発明
のポリエステル樹脂は、優れた押出及び真空圧空成形
性、機械的性質、耐熱性を兼ね備えるという特徴が得ら
れる。
【0016】(2)更に、本発明のポリエステル樹脂
は、ジオールが環状エーテル骨格を有するグリコールを
10〜80モル%含むグリコールと、ジカルボン酸が芳
香族ジカルボン酸を90〜100モル%含むジカルボン
酸を重縮合して得られるポリエステル樹脂である。グリ
コールとジカルボン酸をそれぞれ上記配合割合とするこ
とにより、本発明のポリエステル樹脂は、更に高い機械
的性質、耐熱性を有するという特徴が得られる。
【0017】本発明の請求項3に記載の芳香族ジカルボ
ン酸として、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
2−メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビ
フェニルジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸等が例
示できるがこれらに限定されるものではない。
【0018】環状骨格を有するジオールを含有するポリ
エステル成分として、耐熱性を考慮すると3,9−ビス
(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)2,4,
8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンを
ジオール成分として使用することが好ましい。更に経済
性、耐熱性、機械的性能のバランスを考慮すると、環状
骨格を有するジオール又はジカルボン酸を含有するポリ
エステル成分の組み合わせとして、ジオール成分に3,
9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)
2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウン
デカンとエチレングリコール、またジカルボン酸成分と
してテレフタル酸の組み合わせが好ましい。ただし、よ
り高度な耐熱性、機械的性能が要求される用途では、ジ
カルボン酸成分としてナフタレンジカルボン酸、テトラ
リンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸をそのほか
の成分として組み合わせても良い。また、柔軟性、衝撃
強度が要求される用途では、ジオール成分としてトリエ
チレングリコール、ブタンジオール、シクロヘキサンジ
メタノール、ポリエーテルまたジカルボン酸成分として
アジピン酸、セバシン酸等をそのほかの成分として組み
合わせても良い。
【0019】本発明において、ポリエステル樹脂の極限
粘度(IV)は、質量比がフェノール/1,1,2,2
−テトラクロロエタン=6/4である混合溶媒を用いて
25℃恒温下で粘度計を用いて測定する。また、本発明
において、ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)
は、示差走査型熱量計により測定し、降温時結晶化発熱
ピーク(以下「ΔHc」という)は、上記Tgを測定後
280℃で1分間保持して、10℃/分の降温速度で降
温した際に現れる発熱ピークの面積から測定する。
【0020】本発明のポリエステル樹脂の極限粘度は、
0.3〜1.5、好ましくは0.5〜1.0、更に好ま
しくは0.6〜0.8(dl/g)の範囲である。極限
粘度が上記0.3以上で成形品の強度特性に優れ、上記
1.5以下の場合に成形性に優れる。本発明のポリエス
テル樹脂の示差走査型熱量計で測定されるガラス転移温
度が90℃以上であると、実用上有効な耐熱性を有し、
降温時結晶化発熱ピークの熱量が4J/g以下であると
透明性、成形性に優れる。
【0021】本発明のポリエステル樹脂を製造する方法
に特に制限はなく、従来公知の方法を適用することが出
来る。例えばエステル交換法、直接エステル化法等の溶
融重合法または溶液重合法を挙げることが出来る。エス
テル交換触媒、エステル化触媒、エーテル化防止剤、ま
た重合に用いる重合触媒、熱安定剤、光安定剤等の各種
安定剤、重合調整剤等も従来既知のものを用いることが
出来る。エステル交換触媒として、マンガン、コバル
ト、亜鉛、チタン、カルシウム等の化合物、またエステ
ル化触媒として、マンガン、コバルト、亜鉛、チタン、
カルシウム等の化合物、またエーテル化防止剤としてア
ミン化合物等が例示される。
【0022】重縮合触媒としてはゲルマニウム、アンチ
モン、スズ、チタン等の化合物が例示される。また熱安
定剤としてリン酸、亜リン酸、フェニルホスホン酸等の
各種リン化合物を加えることも有効である。その他光安
定剤、耐電防止剤、滑剤、酸化防止剤、離型剤等を加え
ても良い。また、直接エステル化法において、スラリー
性改善のために水を加えても良い。
【0023】各種樹脂を乾燥後、Tダイ巾500mmの
押出機を用い、所定の温度条件により約0.8mmを作
製した。得られたシートを真空圧空成形機により容器を
作製した。本容器の成形法は射出成形及びプレス成形等
これらに限定されるものではない。又、本発明の容器の
厚みは、機械的性能、耐熱性、経済性を考慮すると、好
ましくは0.2〜1.5mm、更に好ましくは0.4〜
1.0mmであるが、これに限定されるものではない。
【0024】本発明で得られる耐熱透明容器は、食品用
途では、殺菌、滅菌が必要とされる透明容器、耐熱透明
飲料用カップ、惣菜トレー、再加熱を要する弁当蓋材等
が挙げられる。その他の分野では、クリアケース / ク
リアボックス、赤道直下を越えるような輸出用梱包容器
などが挙げられる。また、本発明で得られる耐熱透明容
器は、高温の使用条件でも白化せず、通常の殺菌条件
(85℃、30分間の加熱処理)でも変形することなく
使用出来、更に85〜100℃の温度範囲でも変形する
ことなく使用出来る可能性があり、船舶輸送の際に赤道
直下を通過する際の条件(60℃で長時間)のおいても
容器は変形することがない。
【0025】
【実施例】以下実施例により本発明を更に具体的に説明
する。但し本発明はこれらの実施例により限定するもの
ではない。尚、本実施例等において、ポリエステル樹脂
及び容器の評価は、下記の方法によった。
【0026】1.樹脂の評価 (1)ガラス転移温度、降温時結晶化発熱ピーク ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、示差走査型熱量
計((株)島津製作所製、型式:DSC/TA−50W
S)を使用し、試料約10mgをアルミニウム製非密封
容器に入れ、窒素ガス(30ml/min)気流中昇温
速度20℃/分で測定した。その際、ベースラインに不
連続的部分が現れる領域の中点(比熱が半分に変化した
ところ)の温度をTgとした。また降温時結晶化発熱ピ
ーク(以下「ΔHc」という)は、上記Tgを測定後2
80℃で1分間保持した後、10℃/分間の降温速度で
降温した際に現れる発熱ピークの面積から測定した。 (2)極限粘度(IV) 混合溶媒(質量比:フェノール/1,1,2,2−テト
ラクロロエタン=6/4)を用いて25℃恒温下ウベロ
ーデ粘度計を用いて測定した。
【0027】2.透明容器の評価 (1)成形性 成形性は、透明性及び金型の形状通りに成形されている
かについて、外観により判断した。評価基準は、下記の
通りとした。 良好:○、金型形状通りに成形されているが白化が生じ
た:△、不良:× (2)耐熱性 成形した容器中に熱水(80,90℃)を充填し、容器
のフランジ部に蓋材をヒートシールし、充填時の熱水温
度で20分保持後、容器の容量を測定し、容量保持率を
計算した。計算式を以下に示す。 容量保持率(%)=[(熱水充填後の容器容量)/(熱
水充填前の容器容量)]×100 耐熱性の評価基準は、下記の容量保持率により判断し
た。 95%以上:○、80〜95%:△、80%以下:×
【0028】実施例1 ジメチルテレフタレート(以下、「DMT」という)1
1986g(62モル)、エチレングリコール(以下、
「EG」という)7624g(123モル)、3,9−
ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)2,
4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカ
ン(以下、「SPG」という)3943g(13モ
ル)、DMT100モルに対し酢酸マンガン四水和物
0.03モル、窒素雰囲気下で200℃迄昇温して4時
間エステル交換反応を行った。所定量のメタノールを留
去した後、DMT100モルに対し、酸化ゲルマニウム
0.05モルとトリフェニルホスフェート(以下、「T
PP」という)0.05モルを加え、昇温と減圧を徐々
に行い、最終的に280℃、0.1kPa以下で重合を
行った。適度な溶融粘度になった時点で反応を終了し、
SPG残基を20モル%含有するポリエステルを得た
(以下「SPG20」という)。なお、ポリマー中のS
PG含量は 1H−NMR(400MHz)により求め
た。次いで、該樹脂を原料樹脂として、押し出し成形に
より、所定のシート作製条件で、厚さ約0.8mmのシー
トを作製した。得られたシートを所定の条件で圧縮成形
(熱成形)し、フランジ部を有する容器を作製した。試
験結果を表1に示す。
【0029】実施例2 DMT10706g(55モル)、EG6399g(1
03モル)、SPG5534g(18モル)、DMT1
00モルに対し、酢酸マンガン四水和物0.03モルを
加え、実施例1と同様な操作を経て、SPG残基を30
モル%含有するポリエステルを得た(以下、「SPG3
0」という)。なお、ポリマー中のSPG含量は 1H−
NMR(400MHz)により求めた。次いで、該樹脂
を原料樹脂として、押し出し成形により、所定のシート
作製条件で、厚さ約0.8mmのシートを作製した。各
種評価は以下に示す方法により行った。得られたシート
を所定の条件で圧縮成形(熱成形)し、フランジ部を有
する容器を作製した。試験結果を表1に示す。
【0030】実施例3 DMT9446g(49モル)、EG5193g(10
3モル)、SPG7101g(23モル)、DMT10
0モルに対し、酢酸マンガン四水和物0.03モルを加
え、実施例1と同様な操作を経て、SPG残基を45モ
ル%含有するポリエステルを得た(以下、「SPG4
5」という)。なお、ポリマー中のSPG含量は 1H−
NMR(400MHz)により求めた。次いで、該樹脂
を原料樹脂として、押し出し成形により、所定のシート
作製条件で、厚さ約0.8mmのシートを作製した。得
られたシートを所定の条件で圧縮成形(熱成形)し、フ
ランジ部を有する容器を作製した。試験結果を表1に示
す。
【0031】実施例4 DMT11300g(58モル)、EG6429g(1
04モル)、5−メチロール−5−エチル−2−(1,
1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオ
キサン(以下、「DOG」という)5334g(24モ
ル)、DMT100モルに対し、酢酸マンガン四水和物
0.03モルを加え、実施例1と同様な操作を経て、D
OG残基を40モル%含有するポリエステルを得た(以
下、「DOG40」という)。なお、ポリマー中のDO
G含量は 1H−NMR(400MHz)により求めた。
次いで、該樹脂を原料樹脂として、押し出し成形によ
り、所定のシート作製条件で、厚さ約0.8mmのシー
トを作製した。得られたシートを所定の条件で圧縮成形
(熱成形)し、フランジ部を有する容器を作製した。試
験結果を表1に示す。
【0032】実施例5 DMT10759g(55モル)、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸(以下、「NDCM」という)3385g
(14モル)、EG9036g(146モル)、SPG
2109g(6.9モル)、DMT100モルに対し、
酢酸マンガン四水和物0.03モルを加え、実施例1と
同様な操作を経て、SPG残基を10モル%含有するポ
リエステルを得た(以下、「SPG10N20」とい
う)。なお、ポリマー中のSPG含量は 1H−NMR
(400MHz)により求めた。次いで、該樹脂を原料
樹脂として、押し出し成形により、所定のシート作製条
件で、厚さ約0.8mmのシートを作製した。各種評価
は以下に示す方法により行った。得られたシートを所定
の条件で圧縮成形(熱成形)し、フランジ部を有する容
器を作製した。試験結果を表1に示す。
【0033】比較例1〜2 該樹脂を原料樹脂として、押し出し成形により、所定の
シート作製条件で、厚さ約0.8mmのシートを作製し
た。各種評価は以下に示す方法により行った。PET
は、日本ユニペット製RT553Cを使用し、PETG
(シクロヘキサンジメタノール33モル%変性PET)
はイーストマン社製、商品名:EASTARPETG
6763を使用した。得られたシートを所定の条件で圧
縮成形(熱成形)し、フランジ部を有する容器を作製し
た。試験結果を表2に示す。
【0034】比較例3 DMT14259g(73モル)、EG9799g(1
58モル)、SPG1117g(4モル)、DMT10
0モルに対し、酢酸マンガン四水和物0.03モルを加
え、実施例1と同様な操作を経て、SPG残基を5モル
%含有するポリエステルを得た(以下、「SPG5」と
いう)。なお、ポリマー中のSPG含量は 1H−NMR
(400MHz)により求めた。次いで、該樹脂を原料
樹脂として、押し出し成形により、所定のシート作製条
件で、厚さ約0.8mmのシートを作製した。得られた
シートを所定の条件で圧縮成形(熱成形)し、フランジ
部を有する容器を作製した。試験結果を表2に示す
【0035】比較例4 DMT7103g(37モル)、EG3633g(15
8モル)、SPG10013g(33モル)、DMT1
00モルに対し、酢酸マンガン四水和物0.03モルを
加え、実施例1と同様な操作を経て、SPG残基を85
モル%含有するポリエステルを得た(以下、「SPG8
5」という)。なお、ポリマー中のSPG含量は 1H−
NMR(400MHz)により求めた。次いで、該樹脂
を原料樹脂として、押し出し成形により、所定のシート
作製条件で、厚さ約0.8mmのシートを作製した。得
られたシートを所定の条件で圧縮成形(熱成形)し、フ
ランジ部を有する容器を作製した。試験結果を表2に示
【0036】 表1 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 ポリエステル樹脂 SPG20 SPG30 SPG45 DOG40 SPG10N20 ガラス転移温度 95 100 110 98 96 ( ℃ ) 降温時結晶化発熱ピーク の熱量(J/g) 0 0 0 0 0 極限粘度(dl/g) 0.75 0.70 0.70 0.70 0.70 容器の評価 成形性 ○ ○ ○ ○ ○ 耐熱性 容量保持率(%) 80℃ ○ ○ ○ ○ ○ 90℃ ○ ○ ○ ○ ○総合評価 ○ ○ ○ ○ ○
【0037】 表2 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 ポリエステル樹脂 PET PETG SPG5 SPG85 ガラス転移温度( ℃ ) 78 80 83 140 降温時結晶化発熱ピ−ク の熱量(J/g) 38 0 0 0 極限粘度(dl/g) 0.85 0.75 0.75 0.65 容器の評価 成形性 △ ○ ○ × 耐熱性 容量保持率(%) 80℃ × × ○ ○ 90℃ × × × ○ 総合評価 × × △ △
【0038】
【発明の効果】本発明のポリエステル容器は、透明性、
耐熱性に優れ、食品容器包装材、赤道直下を越えるよう
な輸出製品など有用な素材として用いることができ、本
発明の工業的意義は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 67:00 B65D 1/00 A (72)発明者 小川 俊 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社平塚研究所内 Fターム(参考) 3E033 BA17 BB01 CA07 CA18 FA01 FA04 GA03 3E067 BB14A CA11 CA17 3E086 AA21 AD04 AD05 AD06 BA02 BA15 BB41 BB90 CA01 CA11 4F071 AA44 AA83 AA88 AH05 BB06 BC01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状エーテル骨格を有するグリコールを
    10〜80モル%含むジオールと、ジカルボン酸とを重
    縮合して得られる下記の(1)ないし(3)の物性を有
    するポリエステル樹脂を成形して得られるポリエステル
    容器。 (1)ポリエステル樹脂の極限粘度が、フェノールと
    1,1,2,2−テトラクロロエタンとの質量比6:4
    の混合溶媒を用いた25℃での測定値が0.3〜1.5
    (dl/g)である。 (2)示差走査型熱量計で測定されるポリエステル樹脂
    のガラス転移温度が90℃以上である。 (3)示差走査型熱量計で測定されるポリエステル樹脂
    の降温時結晶化発熱ピークの熱量が4J/g以下であ
    る。
  2. 【請求項2】 ポリエステル樹脂が環状エーテル骨格を
    有するグリコールを20〜60モル%含むジオールと、
    ジカルボン酸とを重縮合して得られるポリエステル樹脂
    を成形して得られる請求項1記載のポリエステル容器。
  3. 【請求項3】 環状エーテル骨格を有するグリコールを
    10〜80モル%含むジオールと、芳香族ジカルボン酸
    を90〜100モル%含むジカルボン酸、又はそのエス
    テル化物とを重縮合して得られるポリエステル樹脂を成
    形して得られる請求項1に記載のポリエステル容器。
  4. 【請求項4】 環状エーテル骨格を有するグリコール
    が、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシ
    エチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.
    5〕ウンデカン、又は5−メチロール−5−エチル−2
    −(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,
    3−ジオキサンを少なくとも一種以上含むグリコール成
    分である請求項1ないし3のいずれかに記載のポリエス
    テル容器。
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