JPH0873714A - 食品包装フィルム用ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

食品包装フィルム用ポリエステル樹脂組成物

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JPH0873714A
JPH0873714A JP7160281A JP16028195A JPH0873714A JP H0873714 A JPH0873714 A JP H0873714A JP 7160281 A JP7160281 A JP 7160281A JP 16028195 A JP16028195 A JP 16028195A JP H0873714 A JPH0873714 A JP H0873714A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温から高温までの広い温度範囲での自己粘
着性に優れ、且つ耐熱性、カッティング性、透明性に優
れ、焼却処理時に有毒なガスを発生しない等の性質を備
えた食品包装フィルム用ポリエステル樹脂組成物を提供
する。 【構成】 (A) ポリエステル樹脂に対し、(B) 可塑剤
0.1〜15重量%及び(C) タッキファイヤー 0.1〜50重量
%を併用配合してなる食品包装フィルム用ポリエステル
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品包装フィルムに必
要とされる低温から高温までの広い温度範囲での自己粘
着性に優れ、且つ耐熱性、カッティング性、透明性に優
れ、焼却処理時に有毒なガスを発生しない等の性質を備
えた食品包装フィルム用ポリエステル樹脂組成物および
それを成形してなる食品包装フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、食品を容器に入れて冷蔵庫などに保存する場合に、
食品包装フィルムとして、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポ
リ塩化ビニル等を主体とするフィルムあるいは低密度ポ
リエチレンフィルムが広く使用されている。これらは、
フィルムの持つ自己粘着性、透明性、柔軟性等を利用し
て容器を密封するものであり、保存中の食品の主として
乾燥を防止することができるからである。食品包装用フ
ィルムに要求される性質としては、上述した自己粘着性
の他に、食品等の包装のために所要寸法にカットする際
のノコ刃によるカッティング性、包装状態での強度、透
明性が基本的なものであり、最近では、電子レンジの普
及により、電子レンジに適応する耐熱性に優れた食品包
装フィルムの要望が強くなってきている。しかしなが
ら、現在実用されているポリ塩化ビニリデンフィルム、
ポリ塩化ビニル等のフィルムは、その化学構造からも容
易にわかる通り、塩素原子をポリマー骨格中に有してい
ることから、使用後の廃棄物を焼却処理する際に発生す
る塩化水素ガスの有毒性について指摘されており、環境
保護の面からも上記フィルムを使用サイクルの短い食品
包装フィルムとして使用するのは好ましくない。
【0003】一方、低密度ポリエチレンフィルムは、包
装する際に強度があまりにも弱いために破れ易いこと、
電子レンジに使用した場合には熱によってフィルムが破
れるという欠点がある。また一般的にポリオレフィンフ
ィルムといわれるエチレンとα−オレフィンとの共重合
体あるいは該共重合体にポリプロピレンを配合したフィ
ルムでは、電子レンジでの耐熱性が不十分であること、
内容物の臭いのバリアー性に劣るという欠点があり好ま
しくない。また、近年、同様の食品包装フィルムとし
て、ポリエステルフィルムの開発が行われており、一般
にポリエステル樹脂を代表するポリエチレンテレフタレ
ート樹脂(以下、PET樹脂と略記する)、ポリブチレ
ンテレフタレート樹脂(以下、PBT樹脂と略記する)
は、PET樹脂フィルムの場合は延伸を施すことによ
り、またPBT樹脂フィルムの場合は延伸の有無にかか
わらず、耐熱性、耐油性、耐薬品性、内容物の臭いのバ
リアー性に優れたものとなる。しかしながら、該ポリエ
ステル樹脂をそのままフィルムにした場合、食品包装フ
ィルムとしての最も重要な特性である自己粘着性が劣っ
ているという欠点があり、結局実用には到っていないの
が現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたもので、その目的は、焼却廃棄時
に毒性のあるガスを発生することのない、すなわち環境
適性に優れ、且つ食品包装フィルムに必要とされる自己
粘着性を有し、更に電子レンジ加熱に対して十分な耐熱
性を有し、カッティング性、臭いのバリアー性にも優れ
た食品包装フィルムを提供することである。本発明者等
は、以上の課題を解決し、理想的な食品包装フィルムを
提供するべく鋭意検討を重ねた結果、ポリエステル樹脂
に対して特定の可塑剤及びタッキファイヤーを特定範囲
量で配合した組成物からなるフィルムが、上記要求性質
を全て満足し、食品包装フィルムとして極めて優れてい
ることを見出し、本発明を完成するに到った。即ち本発
明は、 (A) ポリエステル樹脂に対し (B) 可塑剤 0.1〜15重量%及び (C) タッキファイヤー 0.1〜50重量% を配合してなる食品包装フィルム用ポリエステル樹脂組
成物、及び該組成物を成形してなる食品包装フィルムで
ある。
【0005】本発明に使用する(A) ポリエステル樹脂と
して好ましいのは、融点ピーク値が170 ℃以上であるポ
リエステルである。融点ピーク値が 170℃未満であるポ
リエステル樹脂を用いたフィルムでは、該食品包装フィ
ルムで包装された食品を電子レンジで加熱した場合、耐
熱性が不十分になる場合があり、特に融点ピーク値が18
0 ℃以上のポリエステル樹脂を用いることが耐熱性の点
から好ましい。かかる観点から、本発明に使用するポリ
エステル樹脂として好ましいものは、ポリエステルを構
成する酸成分が主としてテレフタル酸残基であり、ジオ
ール成分が主として1,4 −ブタンジオール残基及び/又
はエチレングリコール残基であるポリエステル樹脂であ
る。又、融点ピーク値が前記範囲を満足するならば、共
重合ポリエステルを用いることができる。共重合成分の
うち酸成分としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピペリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカン2酸、ダイマー酸などに代表される脂肪族
ジカルボン酸、あるいはイソフタル酸、フタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸等に代表される芳香族ジカル
ボン酸、又、分岐成分としてはトリメシン酸、トリメリ
ット酸等を用いることができる。またこれらの共重合成
分は1種以上何種類用いてもよい。又、共重合成分のう
ちジオール成分としては、エチレングリコール、1,3 −
プロパンジオール、1,4 −ブタンジオール、1,3 −ブタ
ンジオール、1,5 −ペンタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、1,6 −ヘキサンジオール、1,7 −ヘプタンジ
オール、1,10−デカンジオール、シクロヘキサンジオー
ル等で例示される脂肪族/脂環式ジオール又はジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール等のポリグリコ
ールまたはビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノー
ルS等で例示される芳香族ジオール、分岐成分としてペ
ンタエリスリトール等を用いてもよい。又、ポリエステ
ル樹脂の性能を大きく変えない範囲であれば、4−ヒド
ロキシ安息香酸に代表される、1つの分子内に水酸基と
カルボン酸基を有する成分を共重合成分として用いても
よい。又、本発明で用いるポリエステル樹脂は、その製
造方法により限定を受けるものではなく、酸成分とジオ
ール成分を脱水反応によりエステル化し、次いで縮合す
る、いわゆる直接重縮合法によるものでも、酸成分モノ
マーのジカルボン酸部分がメチルエステル、エチルエス
テル、ブチルエステルとジオール成分を出発原料とする
エステル交換法により得られたものでもよい。一方、本
発明に用いられるポリエステル樹脂の固有粘度は、後に
フィルム成形するため、成形性の点から 0.4〜1.5 の範
囲内が好ましく、 0.6〜1.4 の範囲内が特に好ましい。
【0006】次に、本発明に用いられる(B) 可塑剤の詳
細について説明する。可塑剤は通常物質に可塑性を与え
るものと定義され、一般によく知られているものとして
はフタル酸系、アジピン酸系、トリメリット酸系、グリ
セリン系、クエン酸系などが挙げられる。このうちポリ
エステル樹脂と相溶性が良く、本発明において好ましい
可塑剤は、ポリエステル系可塑剤、クエン酸エステル系
可塑剤、グリセリン系可塑剤、フタル酸エステル系可塑
剤、リン酸エステル系可塑剤、テトラヒドロフタル酸系
可塑剤、グリコール系可塑剤、トリメリット酸系可塑
剤、アジピン酸系可塑剤、エポキシ系可塑剤等である。
本発明に用いられるポリエステル系可塑剤は、酸成分が
アジピン酸、セバチン酸等の脂肪族二塩基酸及び/又は
テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、ジフェニルジカルボン酸等の芳香族二塩基酸残基で
あり、ジオール成分がプロピレングリコール、1,3 −ブ
タンジオール、1,4 −ブタンジオール、1,6 −ヘキサン
ジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール
等の残基からなるものである。特に、酸成分がアジピン
酸及びテレフタル酸残基であるものが好ましい。可塑化
効果、コスト面を考慮するとアジピン酸残基が好まし
く、ポリエステル樹脂との相溶性を考慮するとポリエス
テル樹脂の成分であるテレフタル酸を含む可塑剤が好ま
しく、アジピン酸及びテレフタル酸残基であるものが好
ましい。ポリエステル樹脂との相溶性が悪いと、フィル
ムにした場合、透明性が悪くなる。また、液状であるこ
とが好ましく、分子量が高く固体になると可塑化効果が
下がり、逆に分子量が低い場合は耐熱性が悪いため、い
ずれも好ましくない。本発明に用いられるクエン酸エス
テル系可塑剤は、クエン酸の水酸基がアセチル化され、
且つ少なくとも1個以上のカルボン酸基が脂肪族エステ
ルを形成しているものである。クエン酸の水酸基がフリ
ー状態であると、ポリエステル樹脂に対しての親和性が
著しく悪くなり、フィルム成形前の予備乾燥において、
該組成物ペレットからおびただしい添加物のブリードア
ウトを生じる。またクエン酸のカルボン酸基のうちの1
個は必ず、炭素数1〜30の脂肪族アルコールによってエ
ステル化されたものである。このようなクエン酸誘導体
としては、アセチルトリブチルシトレート、アセチルト
リエチルシトレート、アセチルトリ(2−エチルヘキシ
ル)シトレート、アセチルトリデシルシトレート、アセ
チルプロピオニールジブチルエチルシトレート等を列挙
することができる。本発明に用いられるグリセリン系可
塑剤は、グリセリンの3個の水酸基のうち1個の水酸基
が炭素数4〜30の脂肪族モノカルボン酸によりエステル
化され、少なくとも1個の水酸基がアセチル化されたも
のである。グリセリンの水酸基が2個以上フリー状態で
あると、ポリエステル樹脂に対しての親和性が著しく悪
くなり、フィルム成形前の予備乾燥において、該組成物
ペレットからおびただしい添加物のブリードアウトを生
じる。またグリセリンの水酸基のうちの1個の水酸基は
必ず、炭素数4〜30の脂肪族モノカルボン酸によってエ
ステル化されたものである。又、該エステルを形成する
部分は、炭素数10〜30の脂肪族モノカルボン酸、例えば
ラウリン酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン
酸エステル、モンタン酸エステル等が特に好ましい。本
発明に使用することができるグリセリンエステル化合物
を具体的に例示すると、グリセリンモノアセトモノラウ
レート、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリ
ンモノアセトモノステアレート、グリセリンジアセトモ
ノオレート、グリセリンモノアセトモノモンタネート等
が挙げられる。本発明に用いられるフタル酸エステル系
可塑剤としては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチ
ル、フタル酸ジヘプチル等のフタル酸ジアルキル類やフ
タル酸ジベンジル等が挙げられる。本発明に用いられる
リン酸エステル系可塑剤としては、リン酸トリオクチ
ル、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニル−2−エチ
ルヘキシル等が挙げられる。本発明に用いられるテトラ
ヒドロフタル酸系可塑剤としては、テトラヒドロフタル
酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジイソデシル等が
挙げられる。本発明に用いられるグリコール系可塑剤と
しては、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ールベンゾエート等が挙げられる。本発明に用いられる
トリメリット酸系可塑剤としては、トリメリット酸トリ
ブチル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸
トリヘキシル等が挙げられる。本発明に用いられるアジ
ピン酸系可塑剤としては、ジオクチルアジペート、ジイ
ソオクチルアジペート、ジデシルアジペート、ジイソデ
シルアジペート等が挙げられる。又、本発明に用いられ
るエポキシ系可塑剤は、一般にはエポキシステアリン酸
アルキルと、大豆油からのエポキシトリグリセリド等を
指すが、その他にも、主にビスフェノールAとエピクロ
ロヒドリンを原料とするような、いわゆるエポキシ樹脂
によっても非常に良い柔軟性が得られる。但し、エポキ
シ樹脂は室温で液状のものである事が必要である。固体
の場合は、逆に柔軟性が低下するので好ましくない。本
発明で使用する可塑剤において好ましいものは上記の通
りであるが、フィルム成膜時のガス発生の点で更に好ま
しいのは、耐熱性に優れたポリエステル系可塑剤、エポ
キシ系可塑剤である。本発明に使用する可塑剤は、1種
のみでもよくまた2種以上の併用を行っても良い。特に
ポリエステル系可塑剤とエポキシ系可塑剤の併用は、フ
ィルムに柔軟性を付与する効果が大きく、少ない配合量
で目的とする効果を満足させることができるので好まし
い。また、(B) 可塑剤を(A) ポリエステル樹脂に配合す
る際の配合量は、(A) ポリエステル樹脂に対し 0.1〜15
重量%であり、好ましくは2〜12重量%である。可塑剤
の配合量が 0.1重量%未満であると該組成物からなるフ
ィルムの柔軟性が充分に得られないために好ましくな
く、15重量%を越えると該組成物フィルムからおびただ
しい添加物のブリードを生じ、フィルムのブロキングが
激しくなりフィルム成形時の巻取りが困難になるばかり
でなくフィルム自体も著しくべとつき好ましくない。
【0007】次に、本発明に用いられる(C) タッキファ
イヤーの詳細について説明する。タッキファイヤー(粘
着性付与剤)は、ゴムの素練りや混和の時に、ゴム皮膜
の相互間の密着性を良くするために加える物質で、その
主なものとしてはロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪
族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、
フェノール系樹脂、クロマン・インデン樹脂、スチレン
系樹脂、キシレン系樹脂等が挙げられる。本発明に使用
されるタッキファイヤーは、一般に市販されているもの
でよいが、ポリエステル樹脂との相溶性が悪いと、フィ
ルムにした場合に透明性が悪くなるので、ポリエステル
樹脂との相溶性を考える必要があり、この点から、ロジ
ン系樹脂、フェノール系樹脂、クロマン・インデン樹脂
が好ましい。その中でも更に相溶性が良く好ましいの
は、ロジン系樹脂である。本発明に用いられるタッキフ
ァイヤーは、1種のみでもよくまた2種以上の併用を行
ってもよい。また、(C) タッキファイヤーを(A) ポリエ
ステル樹脂に配合する際の配合量は、(A) ポリエステル
樹脂に対し 0.1〜50重量%であり、好ましくは1〜30重
量%である。タッキファイヤーの配合量が 0.1重量%未
満であると該組成物からなるフィルムのタック性が充分
に得られないため好ましくなく、50重量%を越えると逆
に該組成物フィルムのタック性が大きすぎ、扱いにくい
ため好ましくない。
【0008】本発明においては、上記の通り、(B) 可塑
剤と(C) タッキファイヤーの夫々特定量を併用すること
に特徴がある。食品包装フィルムとして使用する場合、
自己粘着性、柔軟性の2つは特に重要な特性であるが、
この2つの特性を兼ね備えるためには、(B) 可塑剤と
(C) タッキファイヤーの併用が必須である。どちらか一
方でも配合されないと、自己粘着性と柔軟性を兼ね備え
たフィルムを得ることはできない。
【0009】尚、本発明の組成物には、前記可塑剤及び
タッキファイヤーの他に必要に応じて従来公知の物質、
即ち、滑剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、安定
剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料等も目的とするフィルム
の性能を阻害しない範囲で適宜配合しても良い。又、本
発明の効果を損なわない範囲で目的に応じ少量の他の熱
可塑性樹脂を補助的に添加することもできる。
【0010】本発明の組成物の調製方法は、特に限定す
るものでなく周知の方法により作ることができる。本発
明で示す組成割合とは、押出機に供給される直前の樹脂
原料の状態、またはフィルムになった状態での成分組成
をいうのであって、可塑剤、タッキファイヤーの配合時
期、順序ついては工程に適した条件として選択されれば
良く、特に制限されるものではなく、重縮合終了後の溶
融状態、ペレット状態、またはフィルム成形前の段階に
おいて配合しても良い。また、フィルム成形前に押出機
により本発明組成物を溶融混練し、ペレット状に加工し
てからフィルム成形機に供給しても良い。本発明からな
るフィルムは、通常のTダイ法、空冷または水冷インフ
レーション法によって前記成分を溶融混練して成形され
る。
【0011】
【発明の効果】本発明は、食品包装用フィルムとして要
求されていた、自己粘着性、透明性、電子レンジ耐熱性
等の全ての特性を満たした食品包装フィルムをポリエス
テル樹脂材料で提供するものである。ポリ塩化ビニリデ
ンフィルム等は焼却廃棄時に塩化水素ガス発生が問題と
なっているが、本発明のポリエステル樹脂組成物は焼却
時に有毒ガスを発生することなく、環境適性からも、新
しい食品包装フィルムとして実用上極めて有効なもので
ある。
【0012】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 〔(A) 成分のポリエステル樹脂の調製例〕テレフタル酸
ジメチル1938.1g、1,4 −ブタンジオール1348.8gをエ
ステル交換触媒であるテトラブチルチタネート1.7 gと
ともに攪拌機及び留出管を備えた反応器に仕込み、充分
に窒素置換した後、常圧下で 140℃まで温度を上げ、攪
拌を開始した。更に徐々に温度を上昇させ副生するメタ
ノールを留出した。温度が210 ℃に達したところで徐々
に反応器中を減圧し、温度は250 ℃で一定に保ちつつ0.
1torr の圧力で2.5 時間攪拌を続け、固有粘度1.03、融
点223 ℃のポリエステル樹脂(A1)を調製した。尚、
以下の実施例及び比較例で用いたポリエステル樹脂A1
〜A6は、酸成分及びジオール成分として表1に示すも
のを用い、表1に示す配合比で、同様にして調製したも
のである。尚、ポリエステル樹脂の融点は、パーキンエ
ルマー社製DSCにて、昇温速度10℃/min て測定し
た。 〔原料の配合例〕上記ポリエステル樹脂に対し、(B) 成
分の可塑剤としてポリエステル系可塑剤(B1)10重量
%、(C) 成分のタッキファイヤーとしてロジン系樹脂
(C1)10重量%を配合し、その配合物をヘンシェルミ
キサーに投入してプリブレンドした。次に、このブレン
ド物を40mmφ2軸押出機に供給してストランド状に押出
し、ストランドカッターによりペレット化した。尚、以
下の実施例及び比較例で用いた可塑剤(B2〜B7)及
びタッキファイヤー(C2〜C4)は、表2及び表3に
示すものである。このペレットについて、下記の如く、
予備乾燥後、フィルム化し、各種物性を評価した。結果
を表4に示す。 〔フィルム成形〕予備乾燥を行ったペレットをフィルム
成形機(Tダイ、20mmφ単軸押出機)のホッパーに供給
し、ダイスより膜状に押出し、冷却ロールにより冷却し
てフィルム化した。このフィルムについて以下の評価を
行った。尚、以下の実施例及び比較例では、場合により
フィルムを縦×横=2×2倍延伸することにより、延伸
フィルムとした。 1.引張弾性率 標線間距離40mmのダンベル型試験片(厚さ50μm 、巾10
mm)を引張試験機(オリエンテックRTM-100 )にセット
し、引張スピード 100mm/分で引張試験を行ない、初期
弾性率を測定した。 2.フィルムの外観 製膜時にブリードの有無を確認した。評価基準は下記の
通りである。 ○ 良好 ブリードがほぼ見受けられないもの △ やや不良 外観では明確でないが、触るとべとつ
くもの × 不良 外観のみでブリードが確認できるもの 3.フィルムの自己粘着性 幅が10cm×10cmの試験フィルムをガラス板に圧着させた
後、剥離するのに要する力を引張試験により測定し、以
下の評価基準で評価した。 ◎ 30g以上 ○ 20g以上30g未満 △ 10g以上20g未満 × 10g未満 4.フィルムの透明性 ASTM D 1003 に従い、HAZE測定を行ない評価した。 実施例2〜25、比較例1〜7 実施例1と同様にして、各種ポリエステル樹脂、可塑剤
及びタッキファイヤーを表4〜6に示す比率で配合し、
フィルム化し、物性を測定した。結果を表4〜6に示
す。
【0013】
【表1】
【0014】注1:成分はmol %で表示 注2:TPA テレフタル酸 IPA イソフタル酸 DDA ドデカンジカルボン酸 BD 1,4 −ブタンジオール EG エチレングリコール CHDM シクロヘキサンジメタノール
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】
【表5】
【0019】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/10 KJV 5/15 KJW 5/521 KKD //(C08L 67/02 93:00 57:02 61:06 45:02 25:00)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) ポリエステル樹脂に対し (B) 可塑剤 0.1〜15重量%及び (C) タッキファイヤー 0.1〜50重量%を配合してなる食
    品包装フィルム用ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(B) 可塑剤が、ポリエステル系可塑剤、ク
    エン酸エステル系可塑剤、グリセリン系可塑剤、フタル
    酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、テトラ
    ヒドロフタル酸系可塑剤、グリコール系可塑剤、トリメ
    リット酸系可塑剤、アジピン酸系可塑剤又はエポキシ系
    可塑剤である請求項1記載の食品包装フィルム用ポリエ
    ステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(B) 可塑剤が、ポリエステル系可塑剤及び
    /又はエポキシ系可塑剤である請求項1又は2記載の食
    品包装フィルム用ポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(C) タッキファイヤーが、ロジン系樹脂、
    テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹
    脂、脂環族系石油樹脂、フェノール系樹脂、クロマン・
    インデン樹脂、スチレン系樹脂又はキシレン系樹脂であ
    る請求項1〜3の何れか1項記載の食品包装フィルム用
    ポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(B) 可塑剤がポリエステル系可塑剤及び/
    又はエポキシ系可塑剤であり、(C)タッキファイヤーが
    ロジン系樹脂である請求項1記載の食品包装フィルム用
    ポリエステル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】(B) 可塑剤の配合量が2〜12重量%、(C)
    タッキファイヤーの配合量が1〜30重量%である請求項
    1〜5の何れか1項記載の食品包装フィルム用ポリエス
    テル樹脂組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6の何れか1項記載のポリエス
    テル樹脂組成物を成形してなる食品包装フィルム。
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