JP4217860B2 - ポリエステル容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性、透明性に優れたポリエステル樹脂からなる耐熱透明容器に関するものである。
【0002】
従来、食品・飲料等の容器として、プラスチック包装容器が多用されているが、この容器では、内部に食品を充填した後、一般に85〜90℃の熱水による熱殺菌処理が行われる。このため、この種の包装容器では、前記熱殺菌処理に十分耐えうる耐熱性が必要であると共に、販売する際に内部の充填物が見やすいように透明性があることが望ましい。
【0003】
現在市販されている包装容器の容器本体として、ポリエチレン層/エチレンビニルアルコール共重合体層/ポリプロピレン層からなる積層材を用いたもの、ポリプロピレン層/鉄層/ポリプロピレン層からなる積層材を用いたものが知られている。
【0004】
一方、上記従来の容器本体では、透明性において十分なものではないことから、特開平6−345131号公報において、ポリアリレート樹脂と熱可塑性ポリエステル樹脂とのブレンド層と、熱可塑性ポリエステル樹脂層との積層材を用いた透明性に優れた耐熱容器が提案されている。
【0005】
しかしながら、耐熱層に用いられているポリアリレート樹脂は、主にビスフェノールAとテレフタル酸塩化物及びイソフタル酸塩化物から製造されている。また、熱可塑性ポリエステル樹脂とのブレンド工程が必要なため、生産コストがかかり、必ずしも安価な材料とはいえない。
【0006】
そこで、食品包装材料例えば、ボトル、フィルム等に広く使用されているポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)は透明性、食品衛生性、機械的性能等に優れるため、その代替が期待される。
【0007】
しかしながら、PETは透明性を付与させるためにはアモルファスの状態で容器を作製する必要があるが、アモルファスでの使用は、熱水に耐えうる耐熱性に乏しいため、耐熱性が要求される透明容器への利用は難しい。
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上述の目的を達成するために鋭意検討の結果、環状エーテル骨格を有するポリエステル樹脂からなる容器が、飲食品の高温充填、飲食品充填後の電子レンジによる加熱、又は熱殺菌の際に変形あるいは白化したり、容器表面の光沢が損なわれることが無く、しかも透明性、環境適性に優れた包装容器を提供できることを見いだすに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、環状エーテル骨格を有するグリコールを10〜80モル%含むジオールと、ジカルボン酸とを重縮合して得られる下記の(1)ないし(3)の物性を有するポリエステル樹脂を成形して得られるポリエステル容器に関する発明である。
(1)ポリエステル樹脂の極限粘度が、フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンとの質量比6:4の混合溶媒を用いた25℃での測定値が0.3〜1.5(dl/g)である。
(2)示差走査型熱量計で測定されるポリエステル樹脂のガラス転移温度が90℃以上である。
(3)ポリエステル樹脂の降温時結晶化発熱ピークの熱量が4J/g以下である。
【0010】
本発明で使用可能な環状エーテル骨格を有するグリコールとして、下記の式(1)で示される、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、及び下記の式(2)で示される5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサンが例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】
本発明において使用できる他のジオール成分として、特に制限はされないが、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテル化合物類、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,3−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,4−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,5−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,6−デカヒドロナフタレンジメタノール、2,7−デカヒドロナフタレンジメタノール、テトラリンジメタノール、ノルボルナンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、ペンタシクロドデカンジメタノール等の脂環族ジオール類、4,4'−(1−メチルエチリデン)ビスフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、4,4' −シクロヘキシリデンビスフェノール(ビスフェノールZ)、4,4' −スルホニルビスフェノール(ビスフェノールS)等のビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物、ヒドロキノン、レゾルシン、4,4'-ジヒドロキシビフェニル、4,4' ―ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'-ジヒドロキシジフェニルベンゾフェノン等の芳香族ジヒドロキシ化合物のアルキレンオキシド付加物等が例示できる。
【0014】
本発明において使用できるジカルボン酸成分として、特に制限はされないが、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、ペンタシクロドデカンジカルボン酸、イソホロンジカルボン酸、3,9−ビス(2−カルボキシエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン等が挙げられる。又、上記例示したジカルボン酸のジメチルエステル類も本発明のジカルボン酸として使用することが可能である。
【0015】
本発明のシート用ポリエステル樹脂に使用する原料モノマーは以下に記載の通りである。
(1)本発明のポリエステル樹脂は、グリコールが環状エーテル骨格を有するジオールを10〜80モル%、好ましくは20〜60モル%含むジオールとジカルボン酸、又はそのエステル化物から得られるポリエステル樹脂である。
ジオールが環状エーテル骨格を有するグリコールを上記10〜80モル%とすることにより、本発明のポリエステル樹脂は、優れた押出及び真空圧空成形性、機械的性質、耐熱性を兼ね備えるという特徴が得られる。
【0016】
(2)更に、本発明のポリエステル樹脂は、ジオールが環状エーテル骨格を有するグリコールを10〜80モル%含むグリコールと、ジカルボン酸が芳香族ジカルボン酸を90〜100モル%含むジカルボン酸を重縮合して得られるポリエステル樹脂である。グリコールとジカルボン酸をそれぞれ上記配合割合とすることにより、本発明のポリエステル樹脂は、更に高い機械的性質、耐熱性を有するという特徴が得られる。
【0017】
本発明の請求項3に記載の芳香族ジカルボン酸として、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸等が例示できるがこれらに限定されるものではない。
【0018】
環状骨格を有するジオールを含有するポリエステル成分として、耐熱性を考慮すると3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンをジオール成分として使用することが好ましい。更に経済性、耐熱性、機械的性能のバランスを考慮すると、環状骨格を有するジオール又はジカルボン酸を含有するポリエステル成分の組み合わせとして、ジオール成分に3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンとエチレングリコール、またジカルボン酸成分としてテレフタル酸の組み合わせが好ましい。ただし、より高度な耐熱性、機械的性能が要求される用途では、ジカルボン酸成分としてナフタレンジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸をそのほかの成分として組み合わせても良い。
また、柔軟性、衝撃強度が要求される用途では、ジオール成分としてトリエチレングリコール、ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエーテルまたジカルボン酸成分としてアジピン酸、セバシン酸等をそのほかの成分として組み合わせても良い。
【0019】
本発明において、ポリエステル樹脂の極限粘度(IV)は、質量比がフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=6/4である混合溶媒を用いて25℃恒温下で粘度計を用いて測定する。
また、本発明において、ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差走査型熱量計により測定し、降温時結晶化発熱ピーク(以下「ΔHc」という)は、上記Tgを測定後280℃で1分間保持して、10℃/分の降温速度で降温した際に現れる発熱ピークの面積から測定する。
【0020】
本発明のポリエステル樹脂の極限粘度は、0.3〜1.5、好ましくは0.5〜1.0、更に好ましくは0.6〜0.8(dl/g)の範囲である。極限粘度が上記0.3以上で成形品の強度特性に優れ、上記1.5以下の場合に成形性に優れる。本発明のポリエステル樹脂の示差走査型熱量計で測定されるガラス転移温度が90℃以上であると、実用上有効な耐熱性を有し、降温時結晶化発熱ピークの熱量が4J/g以下であると透明性、成形性に優れる。
【0021】
本発明のポリエステル樹脂を製造する方法に特に制限はなく、従来公知の方法を適用することが出来る。例えばエステル交換法、直接エステル化法等の溶融重合法または溶液重合法を挙げることが出来る。エステル交換触媒、エステル化触媒、エーテル化防止剤、また重合に用いる重合触媒、熱安定剤、光安定剤等の各種安定剤、重合調整剤等も従来既知のものを用いることが出来る。エステル交換触媒として、マンガン、コバルト、亜鉛、チタン、カルシウム等の化合物、またエステル化触媒として、マンガン、コバルト、亜鉛、チタン、カルシウム等の化合物、またエーテル化防止剤としてアミン化合物等が例示される。
【0022】
重縮合触媒としてはゲルマニウム、アンチモン、スズ、チタン等の化合物が例示される。また熱安定剤としてリン酸、亜リン酸、フェニルホスホン酸等の各種リン化合物を加えることも有効である。その他光安定剤、耐電防止剤、滑剤、酸化防止剤、離型剤等を加えても良い。また、直接エステル化法において、スラリー性改善のために水を加えても良い。
【0023】
各種樹脂を乾燥後、Tダイ巾500mmの押出機を用い、所定の温度条件により約0.8mmを作製した。得られたシートを真空圧空成形機により容器を作製した。本容器の成形法は射出成形及びプレス成形等これらに限定されるものではない。又、本発明の容器の厚みは、機械的性能、耐熱性、経済性を考慮すると、好ましくは0.2〜1.5mm、更に好ましくは0.4〜1.0mmであるが、これに限定されるものではない。
【0024】
本発明で得られる耐熱透明容器は、食品用途では、殺菌、滅菌が必要とされる透明容器、耐熱透明飲料用カップ、惣菜トレー、再加熱を要する弁当蓋材等が挙げられる。その他の分野では、クリアケース / クリアボックス、赤道直下を越えるような輸出用梱包容器などが挙げられる。
また、本発明で得られる耐熱透明容器は、高温の使用条件でも白化せず、通常の殺菌条件(85℃、30分間の加熱処理)でも変形することなく使用出来、更に85〜100℃の温度範囲でも変形することなく使用出来る可能性があり、船舶輸送の際に赤道直下を通過する際の条件(60℃で長時間)のおいても容器は変形することがない。
【0025】
【実施例】
以下実施例により本発明を更に具体的に説明する。但し本発明はこれらの実施例により限定するものではない。尚、本実施例等において、ポリエステル樹脂及び容器の評価は、下記の方法によった。
【0026】
1.樹脂の評価
(1)ガラス転移温度、降温時結晶化発熱ピーク
ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、示差走査型熱量計((株)島津製作所製、型式:DSC/TA−50WS)を使用し、試料約10mgをアルミニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス(30ml/min)気流中昇温速度20℃/分で測定した。その際、ベースラインに不連続的部分が現れる領域の中点(比熱が半分に変化したところ)の温度をTgとした。また降温時結晶化発熱ピーク(以下「ΔHc」という)は、上記Tgを測定後280℃で1分間保持した後、10℃/分間の降温速度で降温した際に現れる発熱ピークの面積から測定した。
(2)極限粘度(IV)
混合溶媒(質量比:フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=6/4)を用いて25℃恒温下ウベローデ粘度計を用いて測定した。
【0027】
2.透明容器の評価
(1)成形性
成形性は、透明性及び金型の形状通りに成形されているかについて、外観により判断した。
評価基準は、下記の通りとした。
良好:○、金型形状通りに成形されているが白化が生じた:△、不良:×
(2)耐熱性
成形した容器中に熱水(80,90℃)を充填し、容器のフランジ部に蓋材をヒートシールし、充填時の熱水温度で20分保持後、容器の容量を測定し、容量保持率を計算した。計算式を以下に示す。
容量保持率(%)=[(熱水充填後の容器容量)/(熱水充填前の容器容量)]×100
耐熱性の評価基準は、下記の容量保持率により判断した。
95%以上:○、80〜95%:△、80%以下:×
【0028】
実施例1
ジメチルテレフタレート(以下、「DMT」という)11986g(62モル)、エチレングリコール(以下、「EG」という)7624g(123モル)、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン(以下、「SPG」という)3943g(13モル)、DMT100モルに対し酢酸マンガン四水和物0.03モル、窒素雰囲気下で200℃迄昇温して4時間エステル交換反応を行った。
所定量のメタノールを留去した後、DMT100モルに対し、酸化ゲルマニウム0.05モルとトリフェニルホスフェート(以下、「TPP」という)0.05モルを加え、昇温と減圧を徐々に行い、最終的に280℃、0.1kPa以下で重合を行った。適度な溶融粘度になった時点で反応を終了し、SPG残基を20モル%含有するポリエステルを得た(以下「SPG20」という)。なお、ポリマー中のSPG含量は 1H−NMR(400MHz)により求めた。
次いで、該樹脂を原料樹脂として、押し出し成形により、所定のシート作製条件で、厚さ約0.8mmのシートを作製した。得られたシートを所定の条件で圧縮成形(熱成形)し、フランジ部を有する容器を作製した。試験結果を表1に示す。
【0029】
実施例2
DMT10706g(55モル)、EG6399g(103モル)、SPG5534g(18モル)、DMT100モルに対し、酢酸マンガン四水和物0.03モルを加え、実施例1と同様な操作を経て、SPG残基を30モル%含有するポリエステルを得た(以下、「SPG30」という)。なお、ポリマー中のSPG含量は 1H−NMR(400MHz)により求めた。
次いで、該樹脂を原料樹脂として、押し出し成形により、所定のシート作製条件で、厚さ約0.8mmのシートを作製した。各種評価は以下に示す方法により行った。得られたシートを所定の条件で圧縮成形(熱成形)し、フランジ部を有する容器を作製した。試験結果を表1に示す。
【0030】
実施例3
DMT9446g(49モル)、EG5193g(103モル)、SPG7101g(23モル)、DMT100モルに対し、酢酸マンガン四水和物0.03モルを加え、実施例1と同様な操作を経て、SPG残基を45モル%含有するポリエステルを得た(以下、「SPG45」という)。なお、ポリマー中のSPG含量は 1H−NMR(400MHz)により求めた。
次いで、該樹脂を原料樹脂として、押し出し成形により、所定のシート作製条件で、厚さ約0.8mmのシートを作製した。得られたシートを所定の条件で圧縮成形(熱成形)し、フランジ部を有する容器を作製した。試験結果を表1に示す。
【0031】
実施例4
DMT11300g(58モル)、EG6429g(104モル)、5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサン(以下、「DOG」という)5334g(24モル)、DMT100モルに対し、酢酸マンガン四水和物0.03モルを加え、実施例1と同様な操作を経て、DOG残基を40モル%含有するポリエステルを得た(以下、「DOG40」という)。なお、ポリマー中のDOG含量は 1H−NMR(400MHz)により求めた。次いで、該樹脂を原料樹脂として、押し出し成形により、所定のシート作製条件で、厚さ約0.8mmのシートを作製した。得られたシートを所定の条件で圧縮成形(熱成形)し、フランジ部を有する容器を作製した。試験結果を表1に示す。
【0032】
実施例5
DMT10759g(55モル)、2,6−ナフタレンジカルボン酸(以下、「NDCM」という)3385g(14モル)、EG9036g(146モル)、SPG2109g(6.9モル)、DMT100モルに対し、酢酸マンガン四水和物0.03モルを加え、実施例1と同様な操作を経て、SPG残基を10モル%含有するポリエステルを得た(以下、「SPG10N20」という)。なお、ポリマー中のSPG含量は 1H−NMR(400MHz)により求めた。
次いで、該樹脂を原料樹脂として、押し出し成形により、所定のシート作製条件で、厚さ約0.8mmのシートを作製した。各種評価は以下に示す方法により行った。得られたシートを所定の条件で圧縮成形(熱成形)し、フランジ部を有する容器を作製した。試験結果を表1に示す。
【0033】
比較例1〜2
該樹脂を原料樹脂として、押し出し成形により、所定のシート作製条件で、厚さ約0.8mmのシートを作製した。各種評価は以下に示す方法により行った。PETは、日本ユニペット製RT553Cを使用し、PETG(シクロヘキサンジメタノール33モル%変性PET)はイーストマン社製、商品名:EASTARPETG 6763を使用した。得られたシートを所定の条件で圧縮成形(熱成形)し、フランジ部を有する容器を作製した。試験結果を表2に示す。
【0034】
比較例3
DMT14259g(73モル)、EG9799g(158モル)、SPG1117g(4モル)、DMT100モルに対し、酢酸マンガン四水和物0.03モルを加え、実施例1と同様な操作を経て、SPG残基を5モル%含有するポリエステルを得た(以下、「SPG5」という)。なお、ポリマー中のSPG含量は 1H−NMR(400MHz)により求めた。
次いで、該樹脂を原料樹脂として、押し出し成形により、所定のシート作製条件で、厚さ約0.8mmのシートを作製した。得られたシートを所定の条件で圧縮成形(熱成形)し、フランジ部を有する容器を作製した。試験結果を表2に示す
【0035】
比較例4
DMT7103g(37モル)、EG3633g(158モル)、SPG10013g(33モル)、DMT100モルに対し、酢酸マンガン四水和物0.03モルを加え、実施例1と同様な操作を経て、SPG残基を85モル%含有するポリエステルを得た(以下、「SPG85」という)。なお、ポリマー中のSPG含量は 1H−NMR(400MHz)により求めた。
次いで、該樹脂を原料樹脂として、押し出し成形により、所定のシート作製条件で、厚さ約0.8mmのシートを作製した。得られたシートを所定の条件で圧縮成形(熱成形)し、フランジ部を有する容器を作製した。試験結果を表2に示す
【0036】
【0037】
【0038】
【発明の効果】
本発明のポリエステル容器は、透明性、耐熱性に優れ、食品容器包装材、赤道直下を越えるような輸出製品など有用な素材として用いることができ、本発明の工業的意義は大きい。
Claims (4)
- 環状エーテル骨格を有するグリコールを10〜80モル%含むジオールと、ジカルボン酸とを重縮合して得られる下記の(1)ないし(3)の物性を有するポリエステル樹脂を成形して得られるポリエステル容器。
(1)ポリエステル樹脂の極限粘度が、フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンとの質量比6:4の混合溶媒を用いた25℃での測定値が0.3〜1.5(dl/g)である。
(2)示差走査型熱量計で測定されるポリエステル樹脂のガラス転移温度が90℃以上である。
(3)示差走査型熱量計で測定されるポリエステル樹脂の降温時結晶化発熱ピークの熱量が4J/g以下である。 - ポリエステル樹脂が環状エーテル骨格を有するグリコールを20〜60モル%含むジオールと、ジカルボン酸とを重縮合して得られるポリエステル樹脂を成形して得られる請求項1記載のポリエステル容器。
- 環状エーテル骨格を有するグリコールを10〜80モル%含むジオールと、芳香族ジカルボン酸を90〜100モル%含むジカルボン酸、又はそのエステル化物とを重縮合して得られるポリエステル樹脂を成形して得られる請求項1に記載のポリエステル容器。
- 環状エーテル骨格を有するグリコールが、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、又は5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサンを少なくとも一種以上含むグリコール成分である請求項1ないし3のいずれかに記載のポリエステル容器。
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