JP2002282832A - 粘着部品の剥離工具、剥離工法および剥離装置 - Google Patents

粘着部品の剥離工具、剥離工法および剥離装置

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JP2002282832A
JP2002282832A JP2001094863A JP2001094863A JP2002282832A JP 2002282832 A JP2002282832 A JP 2002282832A JP 2001094863 A JP2001094863 A JP 2001094863A JP 2001094863 A JP2001094863 A JP 2001094863A JP 2002282832 A JP2002282832 A JP 2002282832A
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adherend
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peeling
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JP2001094863A
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Yoichi Okamoto
洋一 岡本
Toshiyuki Muto
敏之 武藤
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境への負荷が小さく、特殊粘着剤が不要
で、被着体から粘着部品を剥離する際に粘着部品がちぎ
れることがなく、剥がした後に粘着剤が残らないように
した粘着部品の剥離工具等を提供する。 【解決手段】 剥離対象の粘着部品60が貼付された被
着体50から、粘着部品を剥離する剥離工具であって、
粘着部品に接触する表面を平坦に形成した回転体10b
および該回転体を回転させる回転体駆動部10aを有し
てなる回転ツール10を設けた。このようにすれば、粘
着剤と被着体の剥離界面へ応力が集中し、力の方向がピ
ール剥離力最小の方向に近くなるため界面剥離しやす
く、粘着剤が被着体に残りにくくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着部品の剥離技
術に関し、特に、環境に与える負荷が少なく、特殊な粘
着剤を用いずに、被着体から粘着部品を剥離する際に途
中で粘着部品がちぎれることなく、また、剥がした後に
糊(粘着剤)が残らないようにした、粘着部品の剥離工
具、剥離工法および剥離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真技術を用いた画像形成装置にお
いては、画像を形成させる現像部周辺の部品に、トナー
の漏れ防止用としてウレタン発泡体、モルトプレーン、
フェルトなどが数多く使用されている。これらの部品は
粘着剤で固定されていることが多く、再使用するために
は、粘着部品の分解・分別が必要不可欠となる。
【0003】現在、複写機等の分解・リサイクル工程に
おいて、粘着剤により部材に固定した部品を剥がす作業
は、作業者がヘラやペンチを用いて行なっている。経年
変化した粘着部品の場合、粘着力の増大や部品の劣化に
より、粘着部品をつまんで引っ張った際に途中で切れた
り、剥がした後に粘着剤が被着体に残ったり(糊残り)
しやすい。そのため、部品のリサイクル工程では、作業
能率の低下や残留した粘着剤の除去が問題になってい
る。これらの剥がし作業は、いわゆる3Kに属する作業
であり、作業者による作業品質のばらつきもあるため、
機械化・自動化することが望まれている。
【0004】粘着テープ、ラベルを剥がす従来工法とし
て、次のものが提案されている。 スクレーパ状ツールを用いる工法(特開平6−925
44号公報,特開平7−24780号公報)。 ブラシ状ツールを用いる工法(特開平10−2442
35号公報、特開2000−167504号公報)。 高速の水流を用いる工法(特開平7−31940号公
報,特開平11−197620号公報)。 別のアプローチとして、特開平6−108021号公
報、特開平11−258998号公報では、加熱により
粘着力が低下する粘着剤層を備えた両面粘着テープを剥
離する方法が提案されている。 特開平11−102956号公報では、UVを照射す
ることで粘着力が低下する保護フィルムが示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来工法〜には、それぞれ以下の問題点がある。 スクレーパ状ツールを用いた場合は、図16に示すよ
うに、スクレーパ70が粘着剤層51aの上に乗り上げ
て粘着剤が被着体50に残留しやすい(接着剤残り5
1)。 ブラシ状ツールを用いた場合は、ブラシにより粘着部
品60が破断されてばらばらになりやすく、剥がした部
品の後処理が問題になる上、粘着剤の残留も多くなりや
すい。 水流を用いる場合は、大量の水を使用し、また排水を
発生するため、省資源・環境負荷の点で問題が大きい。 ,の場合は、特殊な粘着剤を使用するのでコストが
高くなる上、温度条件上すべての部品に使用できないと
いった問題点がある。
【0006】そこで本発明の課題は、環境へ与える負荷
が少なく、特殊な粘着剤を用いずに、被着体から粘着部
品を剥離する際、途中で部品がちぎれることなく、ま
た、剥がした後に糊(粘着剤)が残らないようにした、
粘着部品の剥離工具およびその工法およびその装置を提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に請求項1の発明は、被着体に貼付された粘着部品を被
着体から剥離する剥離工具において、粘着部品に接触さ
せる表面を平坦に形成した回転体と、該回転体を回転さ
せる回転駆動手段とを有する回転ツールを備えているこ
とを特徴とする。
【0008】このようにすれば、例えば図5〜図7に示
すように、回転体10bの回転により、粘着部品60に
は、被着体50に対し斜め上方向に引っ張り剥離力が加
わり、回転体10b(の表面)が、粘着剤(図5〜7で
は両面粘着テープ)の剥離界面付近に接触するため、粘
着部品60や粘着剤内部で応力が分散せず、剥離界面に
集中する。また、回転体10bの表面が平坦(突起物が
なく、表面粗さが小さいという意味)であることによ
り、粘着剤や粘着部品60を破壊する作用が小さい。従
って、粘着剤と被着体50の剥離界面へ応力が集中し、
力の方向がピール剥離力最小の方向120〜150°
(図15)に近いため界面剥離しやすく、粘着剤が被着
体50に残りにくい。
【0009】また、粘着剤と被着体50の剥離界面へ直
接力を加えるため、剥離界面から離れた位置を保持して
引っ張る場合に比べて、粘着部品60が途中で切れにく
く、作業が効率的である。さらに、従来工法のブラシや
スクレーパなどで剥がす場合に比べて、粘着部品60を
破壊する応力が小さいため、粘着剤が切断されて被着体
50に残留したり、粘着部品60が粉々になって散乱し
たりすることがなく、剥がした後の処理が容易である。
【0010】請求項2の発明は、請求項1に記載の剥離
工具を用いる剥離工法であって、回転ツールの回転体表
面を粘着部品の端部に押し付け、粘着部品を被着体から
剥離する向きに回転体を回転させつつ、剥離工具と被着
体を相対移動させることにより、粘着部品を連続的に丸
めながら被着体から剥離することを特徴とする。
【0011】このようにすれば、請求項1による糊残り
の減少効果に加え、以下の効果が得られる。一般に粘着
剤は粘弾性をもち、力が加わり続けると変形が進行して
いく。しかし、粘着部品60に対する回転体10bの力
の作用点が、粘着部品60の粘着面上を移動していくた
め、粘着部品60や粘着剤の1箇所に力が加わり続ける
ことがない。剥離の進行とともに、粘着部品60は粘着
面を外側にして丸まり、雪だるま式に大きくなってい
く。
【0012】また、請求項3の発明は、粘着部品に接触
させる表面を平坦に形成した回転体および、該回転体を
回転させる回転駆動手段を有する回転ツールと、回転体
表面を粘着部品の端部に押し付ける回転ツール押付手段
と、回転ツールと被着体とを相対的に移動させる移動手
段と、回転体表面を粘着部品の端部に押し付けつつ、回
転ツールと被着体を相対移動させることにより、粘着部
品を連続的に丸めながら被着体から剥離するように制御
を行う制御手段とを備えたことを特徴とする粘着部品の
剥離装置である。
【0013】請求項3の発明では、例えば図12、図1
3に示すように、回転ツール10Aに、ツール押付手段
20Aと、回転ツール10Aと被着体50を相対移動さ
せる手段(図示省略)と、所定の制御手段(図示省略)
を備えたことにより、剥がし作業の装置化・自動化が可
能になる。
【0014】また、請求項4の発明は、請求項2におい
て、回転ツールと被着体との相対移動速度を低速から高
速に変化させることを特徴とする粘着部品の剥離工法で
あり、請求項5の発明は、請求項3において、制御手段
が回転ツールと被着体との相対移動速度を低速から高速
に変化させることを特徴とする粘着部品の剥離装置であ
る。
【0015】請求項4,5の発明によれば以下の効果が
得られる。一般に粘着剤は粘弾性を有しているが、粘性
は時間依存性である。そのため、剥離に要する力も速度
依存性があり、一般に速度が小さいほど小さい力で変形
して剥がれやすい(図16)。すなわち、初期のツール
移動速度を低くすると、粘着部品60端部に剥がし力が
作用する時間が長くなり、粘着力が強固な場合でも確実
に端部を剥がすことができる。
【0016】また,粘着部品60の端部が剥がれた後は
高速に移動することにより、粘性の効果が小さくなる結
果、粘着剤が凝集破壊を起こしにくくなり、界面剥離と
なる。高速で剥がした場合、一般に剥がし力が大きくな
るため、部品のちぎれが問題となるが、回転体10bが
粘着部品60に作用する力の作用点が、粘着部品60の
粘着面上を移動していくため、粘着部品60や粘着剤の
1箇所に力が加わりつづけることがない。
【0017】請求項6の発明は、請求項2において、回
転体の回転周速度が回転ツールと被着体との相対移動速
度よりも大きくなるように、回転体の回転速度または、
回転体と被着体との相対移動速度を制御することを特徴
とする粘着部品の剥離工法である。また、請求項7の発
明は、請求項3において制御手段が、回転体の回転周速
度が回転ツールと被着体との相対移動速度よりも大きく
なるように、回転体の回転速度または、回転体と被着体
との相対移動速度を制御することを特徴とする粘着部品
の剥離装置である。
【0018】回転体10bの回転周速度が、回転ツール
10bと被着体50の相対移動速度より小さいか、また
はこれと等しい場合、回転体10bは剥離界面を乗り越
えて通過してしまう。これに対し、回転体10bの回転
周速度が、ツールと被着体50の相対移動速度より大き
い場合、回転体10bは常に粘着部品60の剥離界面に
接触して剥がしが進行する。
【0019】請求項8の発明は、請求項3において回転
ツール押付手段が、粘着部品に対する押付力を所定範囲
に保つ押付力安定化手段を備えていることを特徴とする
粘着部品の剥離装置である。このようにすれば、回転ツ
ール10と被着体50が相対移動する際に、回転ツール
10を保持する部分と被着体50間の距離変動を吸収し
て回転ツール10を被着体50に押しつける力をほぼ一
定に保つことができる。
【0020】請求項9の発明は、請求項3において回転
ツール押付手段が、粘着部品に対する押付力を変更また
は、制御する手段を備えていることを特徴とする粘着部
品の剥離装置である。本発明では、ツールを被着体50
に押しつける力の設定値を変更または制御することによ
り、対象物に合わせて最適な押付力に設定することがで
きる。すなわち、粘着部品60の剥がれにくさや、被着
体50の強度に応じて必要十分な押付力とすることがで
きる。
【0021】請求項10の発明は、請求項3において回
転ツール押付手段がエアシリンダであることを特徴とす
る粘着部品の剥離装置であり、請求項11の発明は、請
求項3において回転体の表面材質の硬度が、被着体の表
面材質の硬度よりも低いことを特徴とする粘着部品の剥
離装置であり、請求項12の発明は、請求項3において
回転体が、表面に付着した粘着剤を除去する手段を備え
ていることを特徴とする粘着部品の剥離装置である。ま
た、請求項13の発明は、請求項3において、回転体の
表面に付着した付着物を除去する手段を備えていること
を特徴とする粘着部品の剥離装置であり、請求項14の
発明は、請求項3において回転体の表面材質が、非粘着
特性を有することを特徴とする粘着部品の剥離装置であ
る。
【0022】請求項10の発明では、例えば図13に示
すように、ツール押付手段がエアシリンダ21であるこ
とにより、エアシリンダ21のストロークの範囲内で、
請求項8の押圧力安定化効果が得られる。また、エアシ
リンダ21に供給する圧力を調節または制御すること
で、請求項9の押圧力可変効果が得られる。
【0023】請求項11の発明では、回転体10bと被
着体50の接触の際、回転体の表面材質が被着体50よ
り硬度が低いことにより、被着体50を傷つけることが
ない。また、請求項12の発明では、回転体10bの表
面に付着した粘着剤または粘着部品60を除去すること
により、粘着剤が被着体50に再付着することを防止で
きる。
【0024】回転体10bの表面にトナーや異物等の付
着物が付着していると、粘着部品60との接触の際に作
用する剥がし力が低下する。また、粘着剤クリーニング
手段に粘着剤を使用している場合、クリーニング力も低
下する。そこで、請求項13の発明では、これらの原因
となる回転体表面のトナーや異物を、付着物除去手段
(例えば図12のクリーニングブラシ15)によって除
去する。また、請求項14の発明では、回転体10bの
表面材質が非粘着特性を有することにより、粘着剤また
は粘着部品が回転体10bに付着しにくくなり、付着し
ても容易に除去することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて説明する。なお,以下の説明は本発明の代表
的な場合について示したに過ぎず、本発明は、これら実
施の形態に限定されるものではない。なお、以下の説明
では、「回転ツール」を「ツール」と略記することがあ
る。
【0026】先ず、本発明の対象となる粘着部品は、例
えば図16に示した構成であり、両面粘着テープ(粘着
剤層+基材層+粘着剤層)+発泡ウレタン層からなる。
【0027】第1の実施の形態図1は、本実施の形態の
全体構成を示す斜視図である。図1に示すように、本実
施の形態の主要構成は、次の部材からなる。 (a)回転ツール10(回転体10b+回転体駆動部1
0a) (b)ツール押付手段20(ツールベース20a+押圧
力安定用バネ20b) (c)ツール移動手段(図略)および被着体移動手段4
0 (d)ツールの動作制御手段30
【0028】しかし、ツール押付手段20、ツール移動
手段または被着体移動手段40、ツールの動作制御手段
30を持たない動力付手工具として、回転ツール10に
柄をつけた構成や、人の作業補助治具として回転ツール
10とツール押付手段20のみの構成で使用することも
可能である(請求項1)。
【0029】次に、上記構成部材の詳細を説明する。 (a)回転ツール10 図2、図3に回転ツール10の詳細を示す。これらの図
に示すように、モータ11からの回転トルクは、モータ
出力ギヤ12cを介して中間伝達ギヤ12a,12bで
減速された後、回転体駆動ギヤ12dを介して回転体1
0bに伝わり、これを駆動する。回転体10bとして
は、例えば金属製円筒の表面にウレタン樹脂を焼付塗装
したものや、軸にゴム円板をはめこんだものなどが使用
できる。回転体10bの表面材質は、被着体50(図1
参照)を傷つけないよう、被着体50より硬度の低い材
質であることが望ましい(請求項11)。また、回転体
10bの表面に粘着剤が付着しにくいよう、シリコーン
ゴムをコーティングしてもよい(請求項14)。
【0030】(b)ツール押付手段20 回転ツール10を被着体50に押しつける際に、押付力
を一定の範囲に保つ手段として図1、図4のように押圧
コイルバネ(押圧力安定用バネ)20bの弾性力を利用
している。押付力の変動をバネ20bが吸収し、安定し
た押付力が得られる(請求項8)。なお、符号20cは
回転ツール10が図面上下方向に移動する際のガイド軸
である。
【0031】(c)ツール移動手段および被着体移動手
段40 図1に示すように、回転ツールは押付方向(図面上下方
向)に移動し、移動テーブル(図略)に固定された被着
体50が移動(図面右方向)する。なお、被着体50の
位置が固定され、ツールのみが移動する構成も可能であ
る。ツール移動手段(図略)では、粘着部品60の長手
方向のみの1自由度または、これに押付方向を加えた2
自由度があればよい。
【0032】(d)ツールの動作制御手段30 ツールの回転・押付・移動の一連の動作を制御する手段
であり、あらかじめ動作をプログラミングしておくこと
で、作業を自動化できる。
【0033】次に、本実施の形態の動作を説明する。 (1)図5に示すように、回転体10bを時計方向に回
転させながら、被着体50と粘着部品60の境界部に接
触させる。粘着部品60は、回転体10bから剥がし力
を受け、端部から剥がれ始める。
【0034】(2)次いで、図6に示すように回転体1
0bを回転させ、被着体50に押し付けながら移動させ
ていくと、さらに粘着部品60は剥がれ、粘着部品60
は粘着面を外側にしてカールする。剥がれの進行に伴
い、被着体50と粘着部品60の境界部が移動し、回転
体10bと粘着部品60の接触部も移動していく。粘着
部品60には、角度120〜150°程度のピール剥離
(図7、図16)に近い方向の力が加わるため、剥離し
やすい。また、図16に示したスクレーパ70とは違っ
て、粘着剤層を破壊しにくいので、糊残りが生じること
なく剥がれる。また、回転体10bからの力の作用する
接触部が徐々に移動していくため、1箇所を保持してピ
ール剥離する場合に比べて、粘着部品60のちぎれが発
生しにくい。 (3)更に、図8(A)〜(D)に示すように、剥離の
進行とともに、粘着部品60は丸まり、雪だるま式に大
きくなっていく。
【0035】ここで、本実施の形態におけるツールの移
動速度と回転速度について説明する。 <移動速度>ツールの移動速度は、粘着部材60の端部
の剥がれが開始するまでは(図8(A),(B)参照)
静止または低速で、端部が剥がれた後は(図8(C),
(D)参照)、高速で移動するのが望ましい(請求項
4)。最適な速度は、粘着剤・被着体50間の粘着力、
粘着部品60の引っ張り強度などによって決められる
が、例として図9に、初期2mm/sでその後30mm
/sに加速する速度パターンを示す。
【0036】<回転速度>回転体がまったく回転しない
場合、または回転速度が不足する場合、図12に示すよ
うにツールが粘着部品に乗り上げてしまう。ツールが粘
着部品に乗り上げず、剥がし界面に接触を保つために
は、図10に示すように、剥がし量がLのとき、ツール
が距離Lだけ移動し、ツール面(回転体10bの外周
面)が距離Lに相当する分だけ回転すればよい(ツール
と被着体の相対移動速度=ツールの回転周速度)。実際
には、粘着部品60・ツール間のすべり、粘着部品と被
着体の粘着力の強さに応じて、回転体10bの回転速度
は、ツールと被着体の相対移動速度<ツールの回転周速
度の範囲で適切に制御するのが望ましい(請求項5)。
図9にツール回転周速度の例として初期5mm/sで、
その後40mm/sに加速する速度パターンを示す。
【0037】(4)最後まで剥がされた粘着部品60
は、回収手段で回収される(図略)。回収手段として
は、(a)エアブローにより被着体50から分離する、
(b)ブロア吸引により回収する、(c)把持手段で掴
む、などが可能である。粘着部品60は粘着面を外側に
しているものの小さく丸まっているため、くっついて絡
まったりすることがないので、回収が容易である。
【0038】第2の実施の形態 本実施の形態は、回転体のトナークリーニング手段を設
けたものである。構成および動作については、前記第1
の実施の形態と共通する部分は省略し、第1の実施の形
態との相違点のみを記す。
【0039】(a)回転ツール10A 図12(A),(B)に示すように、回転体10bに付
着した粘着剤が被着体50に再付着するのを防止するた
めに、粘着性の高いクリーニングローラ14を設ける。
回転体10bに接して連れ回りする、回転体10bに付
着した粘着剤はクリーニングローラ14に吸着される
(請求項13)。回転体10bに粘着剤が再付着するの
を防止するため、回転体表面は粘着剤がつきにくい材質
でコーティングされている(請求項14)。
【0040】被着体50や粘着部品60にトナーなどの
異物が付着している場合、クリーニングローラ14の性
能がすぐに劣化してしまう。そこで、トナー等の異物を
除去するために、クリーニングローラ14の前段に、下
記構成のクリーニング手段を設ける(請求項13)。す
なわち、前段に設置するクリーニング手段として、図1
2ではブラシを使用した例を示したが、発泡体ローラ,
スクレーパ、粘着ローラ等であってもよい。図12にお
いて、中間ギヤ16の回転がクリーニングブラシ駆動ギ
ヤ17を回転させ、クリーニングブラシ15を回転させ
る。クリーニングブラシ15に付着したトナー等の異物
は、吸引ダクト18によって除去される。
【0041】(b)ツール押付手段20A ツールを被着体50に押しつける押付力を一定に保つ手
段として、図13のようにガイド(内蔵リニアガイド)
付きのエアシリンダ21と空気圧レギュレータ22を用
いている(請求項8)。供給する空気の圧力を空気圧レ
ギュレータ22によって変更または制御すれば、押付力
の変更や制御も容易となる(請求項9,10)。最適な
押付力は、被着体50・粘着部品60間の粘着力、ツー
ルの種類などによるが、1〜5kgfの範囲で調節可能
とするのがよい。 (c)ツール移動手段30A 図14に示すように、被着体50の複数の面に貼られた
粘着部品60を剥がすために、ツール移動手段30Aと
して、例えば6軸の多関節ロボット31を設ける。
【0042】なお、前記各実施の形態では複写機の場合
を説明したが、例えば電化製品、輸送機械、食品包装ラ
ベルなどの分解リサイクル技術として、本発明を適用で
きることは勿論である。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、以
下の効果を発揮することができる。請求項1によれば、
粘着剤と被着体の剥離界面へ応力が集中し、力の方向が
ピール剥離力最小の方向に近いため剥離しやすく、粘着
剤が被着体に残りにくい。粘着剤と被着体の剥離界面へ
直接力を加えるため、剥離界面から離れた位置を保持し
て引っ張る場合に比べて、粘着部品が途中で切れにく
く、作業が効率的である。ブラシやスクレーパなどで剥
がす場合に比べて、粘着部品を破壊する応力が小さいた
め、粘着剤が切断されて被着体に残留したり、粘着部品
が粉々になって散乱したりすることがなく、剥がした後
の処理が容易である。
【0044】請求項2によれば、粘着部品の1箇所を保
持して剥がす場合に比べ、粘着部品や粘着剤が受けるダ
メージが小さく、途中で部品が切れにくい。また、剥が
した部品が小さな塊になるため、部品を剥がした後の処
理が容易になる。請求項3によれば、剥がし作業におけ
る作業員の負担を減らすことができ、作業品質が安定す
る。また、高速に大量の部品の剥がし処理ができる。請
求項4および請求項5によれば、経時変化により粘着力
が増加している粘着部品であっても、確実に端部を剥が
すことができる。また、端部が剥がれた後は、被着体へ
の粘着剤が残りにくく、高速で剥がしても部品ちぎれの
問題が発生しにくい。
【0045】請求項6および請求項7では、回転周速度
>移動速度とすることで、ツールが粘着部品に乗り上げ
ることなく連続的に剥離界面に剥がし力が作用し、長い
粘着部品であっても剥がし残しなく最後まで剥がすこと
ができる。請求項8によれば、押付力が過小になること
を防止し、確実に剥がせる。また、押付力が過大になっ
て回転ツールや被着体が破損するのを防止できる。
【0046】請求項9によれば、ツールを被着体に押し
付ける力を、対象物に合わせて最適値に設定することが
できる。すなわち、粘着部品の剥がれにくさや、被着体
の強度に応じて必要十分な押付力とすることができる。
請求項10によれば、押圧力を可変に調整可能で、かつ
最適な押圧力に保つことができるため、装置の自動化に
適する。
【0047】請求項11によれば、被着体が傷ついて被
着体の再利用価値が低下するのを防止できる。請求項1
2によれば、回転体に付着した粘着剤が被着体に再付着
して被着体が汚染することを防止できる。請求項13に
よれば、粘着部品との接触の際に作用する剥がし力の低
下を防止できる。また、付着物除去手段として粘着剤を
使用している場合、クリーニング力低下を防止できる。
請求項14によれば、回転体に付着した粘着剤が被着体
に再付着して被着体が汚染するのを防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の全体斜視図であ
る。
【図2】同第1の実施の形態における回転ツールの斜視
図である。
【図3】同第1の実施の形態における回転ツールの正面
図である。
【図4】同第1の実施の形態における回転ツールの側面
図である。
【図5】同第1の実施の形態における剥離初期の作用力
を説明する図である。
【図6】同第1の実施の形態における剥離進行期の作用
力を説明する図である。
【図7】同第1の実施の形態におけるピール剥離の作用
力を説明する図である。
【図8】同第1の実施の形態における剥がし動作全体の
過程を示す図である。
【図9】同第1の実施の形態における速度制御パターン
の例を示す特性図である。
【図10】同第1の実施の形態における、ツール面移動
量と剥がし量の関係を説明する図である。
【図11】同第1の実施の形態における、ツールの回転
が遅すぎる場合を説明する図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態の要部を示す図で
あって、(A)は側面図、(B)は正面図である。
【図13】同第2の実施の形態における押圧力安定化/
制御手段の側面図である。
【図14】同第2の実施の形態におけるツールの移動・
押付手段の斜視図である。
【図15】剥離角度(ピール角度)と粘着力(ピール
力)との関係を、剥離速度をパラメータとして示したグ
ラフである。
【図16】従来の粘着部材の代表構成と糊残りを説明す
る図である。
【符号の説明】 10,10A…回転ツール 10a…回転体駆動部 10b…回転体 11…モータ 12a,12b…中間伝達ギヤ 14…クリーニングローラ 15…クリーニングブラシ 16…中間ギヤ 17…クリーニングブラシ駆動ギヤ 18…吸引ダクト 20,20A…ツール押付手段 20b…押圧コイルバネ 21…エアシリンダ 22…空気圧レギュレータ 30…ツールの動作制御手段 30A…ツール移動手段 31…多関節ロボット 40…被着体移動手段 50…被着体 60…粘着部品

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被着体に貼付された粘着部品を被着体か
    ら剥離する剥離工具において、粘着部品に接触させる表
    面を平坦に形成した回転体と、該回転体を回転させる回
    転駆動手段とを有する回転ツールを備えていることを特
    徴とする粘着部品の剥離工具。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の剥離工具を用いる剥離
    工法であって、前記回転ツールの回転体表面を粘着部品
    の端部に押し付け、粘着部品を被着体から剥離する向き
    に回転体を回転させつつ、剥離工具と被着体を相対移動
    させることにより、粘着部品を連続的に丸めながら被着
    体から剥離することを特徴とする粘着部品の剥離工法。
  3. 【請求項3】 粘着部品に接触させる表面を平坦に形成
    した回転体および、該回転体を回転させる回転駆動手段
    を有する回転ツールと、 回転体表面を粘着部品の端部に押し付ける回転ツール押
    付手段と、 回転ツールと被着体とを相対的に移動させる移動手段
    と、 回転体表面を粘着部品の端部に押し付けつつ、回転ツー
    ルと被着体を相対移動させることにより、粘着部品を連
    続的に丸めながら被着体から剥離するように制御を行う
    制御手段とを備えたことを特徴とする粘着部品の剥離装
    置。
  4. 【請求項4】 回転ツールと被着体との相対移動速度を
    低速から高速に変化させることを特徴とする請求項2に
    記載の粘着部品の剥離工法。
  5. 【請求項5】 制御手段は、回転ツールと被着体との相
    対移動速度を低速から高速に変化させることを特徴とす
    る請求項3に記載の粘着部品の剥離装置。
  6. 【請求項6】 回転体の回転周速度が回転ツールと被着
    体との相対移動速度よりも大きくなるように、回転体の
    回転速度または、回転体と被着体との相対移動速度を制
    御することを特徴とする請求項2に記載の粘着部品の剥
    離工法。
  7. 【請求項7】 制御手段は、回転体の回転周速度が回転
    ツールと被着体との相対移動速度よりも大きくなるよう
    に、回転体の回転速度または、回転体と被着体との相対
    移動速度を制御することを特徴とする請求項3に記載の
    粘着部品の剥離装置。
  8. 【請求項8】 回転ツール押付手段は、粘着部品に対す
    る押付力を所定範囲に保つ押付力安定化手段を備えてい
    ることを特徴とする請求項3に記載の粘着部品の剥離装
    置。
  9. 【請求項9】 回転ツール押付手段は、粘着部品に対す
    る押付力を変更または、制御する手段を備えていること
    を特徴とする請求項3に記載の粘着部品の剥離装置。
  10. 【請求項10】 回転ツール押付手段は、エアシリンダ
    であることを特徴とする請求項3に記載の粘着部品の剥
    離装置。
  11. 【請求項11】 回転体の表面材質の硬度が、被着体の
    表面材質の硬度よりも低いことを特徴とする請求項3に
    記載の粘着部品の剥離装置。
  12. 【請求項12】 回転体は、表面に付着した粘着剤を除
    去する手段を備えていることを特徴とする請求項3に記
    載の粘着部品の剥離装置。
  13. 【請求項13】 回転体の表面に付着した付着物を除去
    する手段を備えていることを特徴とする請求項3に記載
    の粘着部品の剥離装置。
  14. 【請求項14】 回転体の表面材質が、非粘着特性を有
    することを特徴とする請求項3に記載の粘着部品の剥離
    装置。
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