JP2002282703A - 成形体およびそれを使用した繊維構造物 - Google Patents

成形体およびそれを使用した繊維構造物

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JP2002282703A
JP2002282703A JP2001092046A JP2001092046A JP2002282703A JP 2002282703 A JP2002282703 A JP 2002282703A JP 2001092046 A JP2001092046 A JP 2001092046A JP 2001092046 A JP2001092046 A JP 2001092046A JP 2002282703 A JP2002282703 A JP 2002282703A
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titanium oxide
semiconductor particles
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JP2001092046A
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Yoshinori Kasabo
美紀 笠坊
Masanobu Takeda
昌信 武田
Masao Seki
昌夫 関
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、取り扱い性にすぐれ、かつ防汚性に
優れた成形体およびそれを使用した繊維構造物を提供せ
んとするものである。 【解決手段】本発明の成形体は、触媒半導体粒子とこれ
を含有する担持層とから構成されてなる成形体におい
て、該光触媒半導体粒子の少なくとも一部が、該成形体
表面に露出しており、かつ、本文に定義される該成形体
表面の有機物分解能力が、サラダ油を0.1mg/cm
2で塗布した時、10mw/cm2の紫外線照射下での重
量減少が1μg/cm2/時間以上であることを特徴と
するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防汚、抗菌、脱臭
等、特に屋外使用時の防汚性に優れた成形体およびそれ
を使用した繊維構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光触媒体を紫外線で光励起するこ
とにより起こる強力な酸化分解反応を防汚、抗菌、脱臭
等に利用する目的で、光触媒体を含むコーティング剤、
それを塗布した製品およびその関連技術が様々な用途で
検討されている。主に屋外で使用されるテント倉庫の屋
根、店舗用装飾シート、軒だしテント等においても、従
来より大気中の汚染物質による汚れが経時的に付着し、
外観低下を引き起こす問題があり、光分解によって付着
した有機物の汚れ成分を分解し、降雨によって洗い流す
という光触媒の自己浄化作用を有効に活用して防汚性を
高めようとする試みが検討されている。しかし、汚染物
質が付着して経時的に汚れていくという汚染のメカニズ
ムは、様々な環境要因が絡み合っていることもあり、明
確な触媒活性と防汚性の関係は明らかとはいえない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、取り扱い性にすぐれ、かつ防汚性に
優れた成形体およびそれを使用した繊維構造物を提供せ
んとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用する。すなわ
ち、本発明の成形体は、触媒半導体粒子とこれを含有す
る担持層とから構成されてなる成形体において、該光触
媒半導体粒子の少なくとも一部が、該成形体表面に露出
しており、かつ、本文に定義される該成形体表面の有機
物分解能力が、サラダ油を0.1mg/cm2で塗布し
た時、10mw/cm2の紫外線照射下での重量減少が
1μg/cm2/時間以上であることを特徴とするもの
である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、つまり取り
扱い性にすぐれ、かつ防汚性に優れた光成形体につい
て、鋭意検討し、成形体に含まれた光触媒半導体粒子の
少なくとも一部が、該成形体表面に露出させる手段を採
用してみたところ、かかる課題を一挙に解決することを
究明したものである。
【0006】本発明の光触媒半導体粒子を含有する成形
体の製造方法には特に制約はないが、例えば、光触媒粒
子やその分散液をアクリル樹脂、アクリル−シリコン樹
脂、エポキシ−シリコン樹脂、シリコン変性樹脂、ウレ
タン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド
樹脂等の有機系担時体やシリカや金属アルコキシド等の
無機系担時体あるいはその混合物に分散させ、その分散
液を基材に塗布、乾燥して成形体を得ても良い。基材と
成形体の間には、密着性向上等の目的で中間層を設けて
も良い。
【0007】また光触媒粒子を含むポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエス
テル樹脂等の熱可塑性樹脂を、ブロー成形、射出成形し
て任意の形状に成形してもよい。これには樹脂に光触媒
を練り込んで紡糸する方法も含まれる。しかし、特に屋
外使用時において、自己浄化による防汚効果を高めるた
めには光触媒粒子が該成形体表面に露出しているのが重
要であることを本発明は見出した。
【0008】露出していることにより、該成形体表面の
光励起による有機物分解能力が、次の条件すなわち、サ
ラダ油が表面に0.1mg/cm2で塗布された時、1
0mw/cm2の紫外線照射下での重量減少が1μg/
cm2/時間 以上であることがよく、さらに望ましく
は10μg/cm2/時間以上、さらに望ましくは40
μg/cm2/時間以上であるの望ましい。重量減少が
1μg/cm2/時間以上であると、屋外曝露試験にお
ける汚れによる明度低下(ΔL)が、光触媒を含有しな
いものに対し小さく汚れにくいためである。有機物分解
能力とは例えば次のような方法で定義されるものであ
る。すなわち、 <有機物分解能力>光触媒半導体粒子含有層を2.5c
m×5cmにカットし、スライドガラス2.6cm×7
cm上に光触媒含有層が表面にでるように両面テープで
接着した。光触媒含有層の表面にサラダ油(日清製油株
式会社製)を、0.1mg/cm2になるよう塗布し
た。それを紫外線照射強度が10mw/cm2になるよ
う調整した紫外線照射装置(大日本プラスチック社製)
の中に入れ、1時間毎の重量の微小減少を5時間測定
し、1cm2、1時間当たりの減少重量を測定し、初期
勾配として原点を通り、2時間までの一次近似式の勾配
を有機物分解能力とし、μg/cm2/時で表記した。初
期勾配の絶対値が大きいほど有機物分解能力が高いこと
を示す。
【0009】サラダ油は有機物の一例であり、特に制約
はなく、一般の食用植物油でよく菜種油と大豆油の混合
物であって、含油成分15〜50%、ヨウ素価130〜
150、融点・凝固点−8〜0℃、ケン化価114〜1
80が代表的である。
【0010】しかし、有機物分解能力が強すぎると、バ
インダーの劣化を招くおそれがあるので、さらに、望ま
しくは表面に何も塗布されていない状態で、10mw/
cm 2の紫外線を照射したときの成形体自体の重量減少
が10μg/cm2/時間 以下、さらに望ましくは1
μg/cm2/時間以下であるのが望ましい。
【0011】光触媒半導体粒子の含有量は成形体全重量
の5〜70%であるのが望ましい。少なすぎると光触媒
性が得られにくく、多すぎると皮膜形成が難しくなるた
めである。
【0012】本発明の光触媒半導体粒子とはそのバンド
ギャップ以上のエネルギーをもつ波長の光を照射すると
光触媒機能を発現する粒子のことであり、TiO2、Z
nO、SrTiO3、CdS、GaP、InP、GaA
s、BaTiO3、K2、NbO3、Fe2O3、Ta
25、WO3、SnO2、Bi23、NiO、Cu2O、
SiC、SiO2、MoS2、InPb、RuO2、Ce
2 Pt、Rh、RuO2、Nb、Cu、Sn、N
i、Feなどの金属および金属酸化物を単一、または2
種以上を組み合わせて用いることができる。また、抗菌
性や防かび性をさらに向上させるため、AgやCu、Z
nの無機系金属抗菌剤や、ジンクピリチオンやベンゾイ
ミダゾールどの有機系抗菌剤を添加することも好ましく
使用できる。
【0013】光触媒粒子として特に酸化チタンは高い光
触媒能を有し、化学的に安定であり、かつ無害であるの
で好ましい。酸化チタンの結晶系はアナターゼ型、ルチ
ル型、ブルカイト型のいずれでもよくまたこれらの混合
体でもよい。また、表面修飾した酸化チタンも好ましく
使用できる。表面修飾した酸化チタンとはシリカ、アル
ミナ、シリカ−アルミナ、酸化亜鉛、アパタイト、PT
FE樹脂などで表面を少なくとも一部覆ったものを含
む。例えば、シリカ等の多孔質無機物で光触媒を被覆し
たものも好ましく使用できる。多孔質無機物からなる被
覆層の孔経は5〜1000オングストローム程度が好ま
しく、さらに好ましくは100〜300オングストロー
ムが良い。孔径が大きいと直接酸化チタンが基材に接触
してしまいせっかくのバインダー保護性が失われ、小さ
いと汚染物質が光触媒に到達しないためである。表面修
飾した酸化チタンはこのように担時層の分解を抑えるこ
とができ、幅広い担時層を使用できるという優れた点が
あるが、従来においては、光触媒による自己浄化作用な
どの触媒活性はある程度減少せざるを得なかった。本発
明のように光触媒半導体粒子の表面を露出させると、表
面修飾した酸化チタンでも十分な触媒活性が得られるこ
とから、特に好ましく使用できる。さらに、酸化チタン
は紫外線吸収能を有するため、同じ酸化チタン添加量で
表面を露出させたものとさせないものでは、担時層その
もののの太陽光による劣化にも違いを生じ、露出させた
ものの方が黄変しにくいという特質もある。
【0014】このように酸化チタンが成形体表面に露出
したものを得るためには、担持層が、物理的手段および
化学的手段から選ばれた少なくとも1種の手段によっ
て、表層から減量される性質を有するものであるのが特
に望ましい。これは、成形体を形成した後、物理的手段
および化学的手段から選ばれた少なくとも1種の手段に
よって、表層から減量することによって、光触媒半導体
粒子の表面を、減少させる前よりも成形体表面に露出さ
せることができるためである。この方法により光触媒添
加量を低減できるため、柔軟性が向上し、取り扱いに優
れた成形体を得ることができる。
【0015】表面を減量できる化学的手段としては、脆
化、分解、溶解等の方法が望ましい。例えば、ポリエス
テル、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、溶解性水ガラ
ス、金属含有加水分解性アクリル樹脂等の減量されやす
い担時層と、光触媒半導体粒子を混合し、基材に塗布、
乾燥した後、水(温水含む)、アルカリ、酸等を浸漬や
スプレー等の方法により接触させ、表面層を減量し、光
触媒半導体粒子を露出させてもよい。
【0016】また、表面層の減量を制御する目的で、減
量されやすい担時層との溶解(分解)速度差が大きく、
減量されにくい担時層を併用しても差し支えない。この
ような露出方法は光触媒半導体粒子を練りこんで紡糸し
た原糸、芯鞘糸に対して特に好ましく使用できる。この
ような糸の紡糸方法としては、熱可塑性ポリマーに光触
媒半導体粒子を練り込み、溶融・紡糸したり、また、減
量されにくいポリマーを芯成分として、鞘成分に光触媒
粒子と減量されやすいポリマーを混合物として芯鞘糸を
製造してもよい。このようにして得られた光触媒含有糸
は、屋外テント地やシート地などの産業資材はもちろ
ん、例えば、抗菌・消臭性が求められる一般衣料用途に
まで含め広く使用することができる。とくに微アルカリ
環境下で微溶解するバインダーを使用した繊維を使用し
た衣服は、家庭洗濯においても光触媒半導体粒子表面の
露出が行え、非常に簡便に効果を発現することができ
る。また、何回も洗濯を繰り返すことによって表面を更
新させ長期にわたって光触媒の効果を持続させることも
できる。
【0017】一方、物理的手段としては、表面を機械研
磨してもよく、例えば、サンドペーパーなどの研磨紙で
表面を研磨する研磨紙加工、綿布やサイザル麻、皮革、
フェルトなどの柔軟性材料によって回転体として構成さ
れたバフを用い、その外周面に研磨剤が油脂などの媒体
によって一時的に保持されるようにして、高速度で回転
するバフと加工物の間に作用する圧力によって加工物の
表面を微小研削するバフ加工、バレル層中に媒体、水、
加工物を入れ、回転、振動により研磨するバレル加工、
また、ガラスビーズやスチールショットなどの投射材を
遠心投射式、エアー加速式、などのブラスト加工機によ
って投射し表面処理を行うブラスと加工が含まれる。機
械研磨を糸に対しておこなうことももちろん有効であ
る。
【0018】また、成形体表層部の平均凹凸差が0.5
μm以上30μm以下であるのがさらに望ましい。凸凹
差が小さすぎると、表面への光触媒の露出面積が小さい
ため光触媒活性を活用しづらく、凸凹差が大きすぎると
汚染成分を溝に蓄積しやすくなるためである。
【0019】光触媒半導体粒子を含有している層は合成
樹脂であるのが望ましく、ポリエステル樹脂、ウレタン
樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹
脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂およびこれらの変性樹脂
から選ばれた1種であるのが可とう性に優れており、好
ましい。
【0020】変性樹脂としては共重合体であるのが望ま
しく、例えばアクリルシリコン共重合体が基材との密着
性と光触媒による基材劣化を防ぐために特に有効であ
る。このような担時層の光触媒作用による劣化を抑える
目的で光安定化剤及び/または紫外線吸収剤等を混合す
ることにより耐久性を向上させることができる。光安定
剤としてはコハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエ
チル)−4−ヒドロキシ−2、2’、6、6’−テトラ
メチルピペリジン重縮合物などラジカルを捕捉して樹脂
の劣化を防止するヒンダートアミン系、紫外線吸収剤と
しては2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベ
ンゾトリアゾールなどのトリアゾール系などが使用でき
る。
【0021】本発明による成形体はシート状の繊維構造
物、例えばポリエステル、ナイロン等の繊維からなる織
布やこれらの織布に樹脂をコーティングした樹脂シート
に少なくとも片面にコーティング等で配置することによ
って、また成形体をフィルム状に成形し、織布の少なく
とも片面に張り合わせることによって、特に一般建築用
材料として、例えばテント倉庫の屋根、トラックシート
など輸送体機器の幌、野積みシート、店舗用装飾シー
ト、軒だしテント、各種アーケードの屋根、展示会のパ
ビリオン等の側面の覆い、防水保護シート、防雪シー
ト、エアードーム、プールカバー等広く使用でき、長期
に渡り表面の美麗な状態を保持するため好ましく使用で
きる。
【0022】これらの用途に使用される繊維構造物は、
高周波ウェルダーやライスター等の装置を使用し、熱融
着により縫製されることが多いため、光触媒を含む担持
層が熱可塑性合成樹脂であるのが望ましい。
【0023】本発明を図面を用いて説明する。図1は1
の光触媒半導体粒子が2の担持層に含有されている成形
体において、化学的、物理的方法によって光触媒半導体
粒子がさらに露出する様子を示す模式断面図である。
【0024】図2は本発明に実施例の上にサラダ油が表
面に0.1mg/cm2で塗布された時、10mw/c
2の紫外線照射下での重量減少を示すもので、図中の
符号のA、B、C、D、E、Fはそれぞれ実施例1、
2、3、4、5、6の重量減少を示すものである。
【0025】図3は比較例の上にサラダ油が表面に0.
1mg/cm2で塗布された時、10mw/cm2の紫外
線照射下での重量減少を示すもので、図中の符号のG、
H、I、Jはそれぞれ比較例1、2、3、4の重量減少
を示すものである。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0027】尚、実施例および比較例に示す性能値は次
の方法で測定した。 <有機物分解能力>光触媒半導体粒子含有層を2.5c
m×5cmにカットし、スライドガラス2.6cm×7
cm上に光触媒含有層が表面にでるように両面テープで
接着した。光触媒含有層の表面にサラダ油(日清製油株
式会社製)を、0.1mg/cm2になるよう塗布し
た。それを紫外線照射強度が10mw/cm2になるよ
う調整した紫外線照射装置(大日本プラスチック社製)
の中に入れ、1時間毎の重量の微小減少を5時間測定
し、1cm2、1時間当たりの減少重量を測定し、初期
勾配として原点を通り、2時間までの一次近似式の勾配
を有機物分解能力とし、μg/cm2/時で表記した。初
期勾配の絶対値が大きいほど有機物分解能力が高いこと
を示す。 <防汚性>屋外曝露汚染試験をJIS A 1410に
規定される方法で30日間実施し、汚染前のシート、曝
露後のシートの表面をデジタル測色色差計算機(スガ試
験機株式会社製)により明度(L値)を測定し、次の計
算式により汚染の程度を求めた。ΔLの値が小さいほど
明度の低下は小さく防汚性に優れているといえる。
【0028】防汚性:ΔL=A−B ここで、A:汚染試験前のL値 B:屋外曝露後のL値実施例1 固形分20%シリコーンコーティング剤(東レ・ダウコ
ーニング・シリコーン株式会社製 SR2410)5重
量部とTiO2分15%の溶剤分散型酸化チタン溶液
(住友大阪セメント社製 PCT−15T )6.7重
量部を混合し、厚さ50ミクロンのポリエステルフィル
ムの片面にバーコーターで塗布、130℃×5分で乾燥
し実施例1を得た。バインダー樹脂固形分1に対する酸
化チタンの固形分は1であった。有機物分解能力は20
μg/cm2/時間であった。
【0029】実施例2 実施例1の表面を研磨紙(日本研紙社製 CC2000
−Cw)で10ミクロン程度研磨し、実施例2を得た。
有機物分解能力は21μg/cm2/時間であった。実施例3 固形分30%ポリエステル樹脂コーティング剤(東洋紡
株式会社製 バイロン20SS)10重量部と酸化チタ
ン微粒子(石原産業株式会社製 ST−01)3gを混
合し、実施例1と同様にポリエステルフィルムに塗布、
乾燥し、実施例3を得た。バインダー樹脂固形分1に対
する酸化チタンの固形分は1であった。有機物分解能力
は20μg/cm2/時間であった。実施例4 実施例3で得たフィルムを3%水酸化ナトリウム水溶液
に24時間浸漬し、ポリエステル樹脂表面を加水分解し
た。フィルムを引き上げ、水洗、乾燥し、実施例4を得
た。有機物分解能力は22.5μg/cm2/時間であ
った。実施例5 実施例3のポリエステル樹脂コーティング剤10重量部
と表面シリカ修飾酸化チタン微粒子(平均粒径4ミクロ
ン 比表面積540ミクロン)3gを混合し実施例1と
同様にポリエステルフィルムに塗布、乾燥した。バイン
ダー樹脂固形分1に対する酸化チタンの固形分は1であ
った。そのフィルムを実施例4と同様に3%水酸化ナト
リウム水溶液に24時間浸漬し、ポリエステル樹脂を加
水分解した。フィルムを引き上げ、水洗、乾燥し、実施
例5を得た。有機物分解能力は9μg/cm2/時間で
あった。実施例6 固形分25%ウレタン樹脂コーティング剤(大日本イン
キ株式会社製 クリスボンNY331)10重量部に実
施例5の表面シリカ修飾酸化チタン2.5重量部をを混
合し実施例1と同様にポリエステルフィルムに塗布、乾
燥した。バインダー樹脂固形分1に対する酸化チタンの
固形分は1であった。そのフィルムを実施例2と同様に
10ミクロン程度研磨し、実施例6を得た。有機物分解
能力は11μg/cm2/時間であった。比較例1 実施例1のシリコーンコーティング剤10重量部と実施
例3の酸化チタン微粒子2重量部を混合し、実施例1と
同様にポリエステルフィルムに塗布、乾燥し、比較例1
を得た。バインダー樹脂固形分1に対する酸化チタンの
固形分は1であった。有機物分解能力は0.5μg/c
2/時間であった。比較例2 実施例5の加水分解する前の酸化チタンコーティングフ
ィルムを比較例2とした。有機物分解能力は0.9μg
/cm2/時間であった。比較例3 実施例6の研磨する前の酸化チタンコーティングフィル
ムを比較例3とした。有機物分解能力は0.5μg/c
2/時間であった。比較例4 実施例で使用した50ミクロンポリエステルフィルムを
比較例4とした。有機物分解能力は0.005μg/c
2/時間であった。実施例1〜6、比較例1〜4の有
機物分解能力および防汚性を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】実施例1〜6のものはいずれも比較例1〜
4のものに比べ明度の低下ΔLが小さく優れた防汚性が
あるといえる。
【0032】
【発明の効果】本発明の成形体およびそれを使用した繊
維構造物は、光触媒による防汚、消臭、抗菌効果が期待
されるすべての生活資材および産業資材に好ましく使用
される。中でも、特に屋外使用時の防汚性に優れたテン
ト倉庫の屋根、トラックシートなど輸送体機器の幌、野
積みシート、店舗用装飾シート、軒だしテント、各種ア
ーケードの屋根、展示会のパビリオン等の側面の覆い、
防水保護シート、防雪シート、エアードーム、プールカ
バー等広く使用でき、長期に渡り表面の美麗な状態を保
持するため好ましく使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、成形体の模式断面図である。
【図2】この図は、実施例の有機物分解性を示すもので
ある。
【図3】この図は、比較例の有機物分解性を示すもので
ある。
【符号の説明】
1:光触媒半導体粒子 2:担持層 A:実施例1 B:実施例2 C:実施例3 D:実施例4 E:実施例5 F:実施例6 G:比較例1 H:比較例2 I:比較例3 J:比較例4
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/18 B32B 27/18 F 27/20 27/20 Z D06M 11/46 D06M 11/12 Fターム(参考) 4D075 BB03Z BB63Z BB76Z BB77Z BB79Z CA34 CA45 CB33 DA04 DB20 DB48 DB53 DC01 DC05 DC13 DC38 EB02 EB13 EB15 EB16 EB19 EB22 EB33 EB35 EB36 EB38 EB42 EC02 EC51 EC54 4F100 AA21 AA21C AK01B AK01C AK03B AK03C AK03J AK15B AK15C AK15J AK17B AK17C AK17J AK25B AK25C AK25J AK41B AK41C AK41J AK51B AK51C AK51J AK52B AK52C AK52J AK53B AK53C AK53J AL01B AL01C AL06B AL06C BA02 BA03 BA06 BA07 BA10A BA10B BA10C CC00B CC00C DE01B DE01C DG12A GB31 GB71 GB87 GB90 JA20B JA20C JB16B JB16C JC00 JL06 JL08B JL08C YY00B YY00C 4G069 AA03 AA08 BA01A BA02A BA02B BA03A BA04A BA04B BA22A BA22B BA48A BB02A BB04A BB06A BB09A BB13A BB14A BB15A BC03A BC09A BC12A BC13A BC18A BC21A BC22A BC25A BC27A BC31A BC35A BC36A BC43A BC50A BC55A BC56A BC59A BC60A BC66A BC68A BC70A BC71A BC75A BD05A BE09A BE09B CA01 CA11 EA09 EB03 EC27 FA01 FB48 FB73 FB74 FC08 4L031 AA18 AB01 BA09 DA00 DA12 DA13 DA19

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光触媒半導体粒子とこれを含有する担持層
    とから構成されてなる成形体において、該光触媒半導体
    粒子の少なくとも一部が、該成形体表面に露出してお
    り、かつ、本文に定義される該成形体表面の有機物分解
    能力が、サラダ油を0.1mg/cm2で塗布した時、
    10mw/cm2の紫外線照射下での重量減少が1μg
    /cm2/時間以上であることを特徴とする成形体。
  2. 【請求項2】該光触媒半導体粒子の含有量が、該成形体
    重量の5〜70重量%である請求項1記載の成形体。
  3. 【請求項3】該光触媒半導体粒子が、酸化チタンである
    請求項1〜2のいずれかに記載の成型体。
  4. 【請求項4】該酸化チタンが、表面修飾した酸化チタン
    である請求項3記載の成型体。
  5. 【請求項5】該成形体が、物理的手段および化学的手段
    から選ばれた少なくとも1種の手段によって、表層から
    減量される性質を有するものである請求項1記載の成形
    体。
  6. 【請求項6】該化学的手段が、脆化、分解および溶解か
    ら選ばれた少なくとも1種である請求項5記載の成形
    体。
  7. 【請求項7】該分解が、アルカリによる加水分解である
    請求項6記載の成形体。
  8. 【請求項8】該物理的手段が、機械研磨によるものであ
    る請求項7記載の成形体。
  9. 【請求項9】該成形体表層部の平均凹凸差が0.5μm
    以上30μm以下であることを特徴とする請求項5〜8
    のいずれかに記載の成形体。
  10. 【請求項10】該担持層が、合成樹脂製である請求項1
    記載の成形体。
  11. 【請求項11】該合成樹脂が、ポリエステル樹脂、ウレ
    タン樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、塩化ビニル
    樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂および
    これらの変性樹脂から選ばれた少なくとも1種である請
    求項10記載の成形体。
  12. 【請求項12】該変性樹脂が、共重合体である請求項1
    1記載の成形体。
  13. 【請求項13】該合成樹脂が熱可塑性である請求項12
    記載の成形体。
  14. 【請求項14】請求項1〜13のいずれかに記載の成形
    体を、少なくとも片面に配置してなることを特徴する繊
    維構造物。
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