JP2002282367A - 生体内留置用ステント - Google Patents
生体内留置用ステントInfo
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Abstract
より復元時に拡径することができ、スパイラル状である
ことにより、湾曲した狭窄部でもそれに沿って湾曲でき
る生体内留置用ステントを提供する。 【解決手段】 本発明の生体内留置用ステント1は、線
状体2により略円筒形状に形成され、生体内挿入時には
圧縮されて縮径し、生体内留置時には収縮前の形状に復
元する生体内留置用ステントであって、生体内留置用ス
テントは、ジグザグ構造の線状体2によりスパイラル状
に成形されており、かつ、生体内留置用ステントは、超
弾性金属パイプを加工することにより一体的に形成され
ている。
Description
道、尿道、その他の臓器などの生体内に生じた狭窄部の
改善に使用される生体内留置用ステントに関する。
道、その他の臓器などの生体管腔または体腔の狭窄部に
挿入し、管腔または体腔空間を確保するために、種々の
ステントが提案されている。
て、セルフエキスパンダブルステントとバルーンエキス
パンダブルステントに区別される。バルーンエキスパン
ダブルステントは、ステント自体に拡張機能はなく、ス
テントを目的部位に留置するには、ステントを目的部位
に挿入した後、ステント内にバルーンを位置させてバル
ーンを拡張させ、バルーンの拡張力によりステントを拡
大(塑性変形)させ目的部位の内面に密着させて固定す
る。よって、このタイプのステントでは、上記のような
ステントの拡大作業が必要となる。
は、ステント自体が収縮および拡張機能を持っている。
ステントを目的部位に留置するためには、ステントを収
縮させた状態にて目的部位に挿入した後、収縮状態の維
持のために負荷した応力を除去する。例えば、目的部位
の内径より小さい外径のチューブ内にステントを収縮さ
せて収納し、このチューブの先端を目的部位に到達させ
た後、ステントをチューブより押し出すことにより行わ
れる。押し出されたステントは、チューブより解放され
ることにより応力負荷が解除され、収縮前の形状に復元
し拡張する。これにより、目的部位の生体器官(例え
ば、血管)の内面に密着し固定される。このタイプのス
テントでは、バルーンエキスパンダブルステントのよう
な拡大作業は必要なく、手技が容易である。
ザグ構造であることにより復元時に拡径することがで
き、スパイラル状であることにより、湾曲した狭窄部で
もそれに沿って湾曲できる生体内留置用ステントを提供
することにある。
は、線状体により略円筒形状に形成され、生体内挿入時
には圧縮されて縮径し、生体内留置時には収縮前の形状
に復元する生体内留置用ステントであって、前記生体内
留置用ステントは、ジグザグ構造の前記線状体によりス
パイラル状に成形されており、かつ、前記生体内留置用
ステントは、超弾性金属パイプを加工することにより一
体的に形成されている生体内留置用ステントである。
置された2本の前記線状体により形成されていることが
好ましい。前記2本の線状体は、少なくとも2箇所で連
結した状態となっていることが好ましい。前記2本の線
状体は、中央部付近で連結した状態となっていることが
好ましい。前記2本の線状体は、末端でそれぞれ連結し
た状態となっていることが好ましい。前記2本の線状体
は、それぞれの末端でのみ連結した状態となっていても
よい。前記線状体の表面には、生体適合性金属または生
体適合性樹脂が被覆されていることが好ましい。前記生
体適合性金属は、例えば、金、銀、白金、チタンのいず
れかであることが好ましい。
用いて説明する。図1は、本発明の生体内留置用ステン
トの一実施例の斜視図であり、図2は、図1に示したス
テントの展開図である。
うに、ジグザグ構造の線状体2によりスパイラル状に成
形されている。このように、ジグザグ構造であることに
より復元時に拡径することができ、スパイラル状である
ことにより、図4に示すように湾曲した狭窄部でもそれ
に沿って湾曲できる。
を加工することにより一体的に形成されていることが好
ましい。具体的には、この実施例のステント1は超弾性
金属パイプから、線状体となる部分以外を除去(例え
ば、切削、溶解)することにより作成することができ
る。これにより、ステント全体として、急激な物性の変
更点が形成されない一体形成物となる。物性の急激な変
更点があると、その部分が他の部分と異なった変形動態
を示す。そして、物性の異なった部分に金属ストレスが
かかりその部分より破損する危険性がある。また、物性
の変更点が存在するとステントとして変形が不自然とな
り、内部を流れる血液流に不自然な流れを形成し、再狭
窄の原因となる。
図1に示すように、線状体2により略円筒形状に形成さ
れ、生体内挿入時には前記線状体が圧縮されて縮径し、
生体内留置時には応力負荷が解除されて収縮前の形状に
復元する生体内留置用ステントであって、線状体2は中
央部3付近が太く、両端部4付近が細く形成されてい
る。
の径により種々考えられるが、主として復元時の外径が
2.0〜30mm、好ましくは、2.5〜20mm、内
径が1.4〜29mm、好ましくは2.3〜29.4m
m、長さが、10〜150mm、より好ましくは15〜
100mmの略円筒形状に形成されている。そして、生
体内挿入時には圧縮されて縮径し、生体内留置時には応
力負荷が解除されて収縮前の形状に復元する。図1は復
元した状態を示している。
り、線状体2は中央部3付近が太く、両端部4付近が細
く形成されている。つまり、線状体2の断面積は、中央
部3付近が大きく、両端部4付近では、中央部3より小
さくなっている。このように、本発明のステントは中央
部3が剛性が高く、両端部4が柔軟に形成されているの
で、中央部3は狭窄部を拡張保持するために十分な剛性
を有し、両端部4は体腔の湾曲に沿って湾曲できるよう
に柔軟で、内皮細胞を刺激して細胞が過形成し再狭窄が
生ずる可能性が少なく、ステント1が狭窄部から逸脱し
てしまうこともなく安定した留置状態が確保でき、かつ
留置作業が容易である。
0.10〜1.0mmが好適であり、両端部付近での線
状体の線径としては、0.05〜0.8mmが好適であ
る。さらに、中央部付近での線状体の線径と両端部付近
での線状体の線径との比は、3〜1が好適であり、特
に、2〜1が好適である。また、中央部付近での線状体
の断面積としては、0.01〜1mm2が好適であり、
両端部付近での線状体の断面積としては、0.0025
〜0.64mm2が好適である。さらに、中央部付近で
の線状体の断面積径と両端部付近での線状体の断面積と
の比は、9〜1が好適であり、特に、4〜1が好適であ
る。
の線径に形成されていてもよいが、両端部4に向かうに
つれて細く、言い換えれば、線径もしくは線の断面積が
小さく形成されていることが好ましい。これにより図3
に示すような一般的な狭窄部において上記効果をより奏
することができる。
のステントを展開した図2に示すように、連続的な
「く」の字形状とすることでジグザグ構造となってい
る。さらに、前記くの字形状を長さの異なる短線部12
a(約5mm)と長線部12b(約8mm)により形成
することによって、線状体2が全体としてスパイラル形
状となるように形成されている。
ラル形状は、図2に示すように、並列的に配置された2
本の線状体により形成されている。このように、スパイ
ラル形状を2本の線状体で形成することにより、図5
(a)および(b)に示すように、ステントの軸方向と
線状体の螺旋方向とがなす角度αが、スパイラル形状を
1本の線状体で形成した場合の角度βより小さく(α<
β)することができ、ステントをより柔軟なものとする
ことができる。並列的に配置する線状体は2本に限定さ
れるものではなく、3〜4本程度であってもよい。この
実施例のステント1を形成する2本の線状体2a,2b
は、15aと15b,16aと16b,17aと17
b,18aと18b,19aと19bでそれぞれ連結し
た状態となっている。
とも2箇所で連結していればよい。例えば、線状体2
a、2bの末端がそれぞれ一体的に連結していることが
好ましい。これにより、自由端が形成されることがない
ので、末端が体腔(血管)の内壁に損傷を与えることを
防止できる。この実施例では、図2に示すように、末端
が連結部13に一体的に連結している。
部3付近で連結した状態となっていることが好ましい。
具体的には、図2に示すように、線状体2a,2bは中
央部付近に交叉部11を有している。このような交叉部
11を有することにより拡張保持力をより高めることが
できる。ただし、交叉部11を設けず、両端でのみ連結
していてもよい。
ステンレスのワイヤーであってもよいが、好ましくは超
弾性金属である。超弾性金属としては、超弾性合金が好
適に使用される。ここでいう超弾性合金とは一般に形状
記憶合金といわれ、少なくとも生体温度(37℃付近)
で超弾性を示すものである。特に好ましくは、49〜5
3原子%NiのTiNi合金、38.5〜41.5重量
%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量%XのCu−Z
n−X合金(X=Be,Si,Sn,Al,Ga)、3
6〜38原子%AlのNi−Al合金等の超弾性金属体
が好適に使用される。
る。また、Ti−Ni合金の一部を0.01〜10.0
%Xで置換したTi−Ni−X合金(X=Co,Fe,
Mn,Cr,V,Al,Nb,W,Bなど)とするこ
と、またはTi−Ni合金の一部を0.01〜30.0
%原子で置換したTi−Ni−X合金(X=Cu,P
b,Zr)とすること、また、冷間加工率または/およ
び最終熱処理の条件を選択することにより、機械的特性
を適宜変えることができる。また、上記のTi−Ni−
X合金を用いて冷間加工率および/または最終熱処理の
条件を選択することにより、機械的特性を適宜変えるこ
とができる。
(負荷時の降伏応力)は、5〜20kg/mm2(22
℃)、より好ましくは、8〜150kg/mm2、復元
応力(除荷時の降伏応力)は、3〜180kg/mm2
(22℃)、より好ましくは、5〜130kg/mm2
である。ここでいう超弾性とは、使用温度において通常
の金属が塑性変形する領域まで変形(曲げ、引張り、圧
縮)させても、変形の解放後、加熱を必要とせずにほぼ
元の形状に回復することを意味する。
を加工することにより一体的に形成されていることが好
ましい。具体的には、この実施例のステント1は超弾性
金属パイプから、線状体となる部分以外を除去(例え
ば、切削、溶解)することにより作成することができ
る。これにより、ステント全体として、急激な物性の変
更点が形成されない一体形成物となる。物性の急激な変
更点があると、その部分が他の部分と異なった変形動態
を示す。そして、物性の異なった部分に金属ストレスが
かかりその部分より破損する危険性がある。また、物性
の変更点が存在するとステントとして変形が不自然とな
り、内部を流れる血液流に不自然な流れを形成し、再狭
窄の原因となる。
性金属パイプは、不活性ガスまたは真空雰囲気にて溶解
しTi−Ni合金などの超弾性合金のインゴットを形成
し、このインゴットを機械的に研磨し、続いて、熱間プ
レスおよび押し出しにより、太径パイプを形成し、その
後順次ダイス引き抜き工程および熱処理工程を繰り返す
ことにより、所定の肉厚、外径のパイプに細径化し、最
終的に表面を化学的または物理的研磨することにより製
造することができる。
(例えば、YAGレーザー)、放電加工、化学エッチン
グ、切削加工などにより行うことができ、さらにそれら
の併用により行ってもよい。このように、超弾性金属パ
イプを加工することにより作製したステントは、ステン
トの拡張時(言い換えれば、留置時、応力除荷時)とス
テントの非留置時(縮径された状態)とを比較した場
合、ステントの非留置時にステントの軸方向に若干延び
る程度であり、両者間の形状の相違および寸法の相違が
少ない。このため、生体内での形状復元時における変形
量が少なく、つまり、形状復元時における生体内でのス
テントの端部の動きがほとんどなく、このため、形状復
元時に生体内壁に損傷を与えることが少ない。さらに、
ステントの外面は、全体においてエッジがなく面取りさ
れた状態とすることが好ましい。これにより、ステント
が生体内壁に損傷を与えることをより防止できる。
金属または生体適合性樹脂が被覆されていることが好ま
しい。生体適合性材料としては、生体適合性材料を有す
る合成樹脂または金属が考えられる。
系の樹脂から選択できるが、例えば、ポリオレフィン
(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンー
プロピレン共重合体など)、ポリ塩化ビニル、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、ポリアミドエラストマー、ポリ
ウレタン、ポリエステル、フッ素樹脂、シリコーンゴム
等が使用でき、好ましくは、ポリオレフィン、ポリアミ
ドエラストマー、ポリエステルあるいはポリウレタン、
また、生体内分解性樹脂(例えば、ポリ乳酸、ポリグリ
コール酸、両者のコポリマー)である。合成樹脂被膜
は、ステントを構成する線状体の湾曲の妨げにならない
程度に柔軟であることが好ましい。合成樹脂被膜5の肉
厚は、5〜300μm、好ましくは、10〜200μm
である。
方法としては、例えば、溶融状態または溶液状態の合成
樹脂の中に、ステント本体を挿入して被覆する方法、モ
ノマーをステント本体の表面で重合させながら被覆する
化学蒸着などがある。極薄な樹脂被覆が要求される場合
は、希薄溶液を用いた被覆、または化学蒸着が好適であ
る。
ために、上記樹脂皮膜に抗血栓性材料を被覆または固定
してもよい。抗血栓性材料として、公知の各種の樹脂を
単独または混合して使用することができるが、例えば、
ポリヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシエ
チルメタアクリレートとスチレンの共重合体(例えば、
HEMA−St−HEMAブロック共重合体)などが好
適に使用できる。
銀、白金、チタンが挙げられる。線状体2の表面を金属
で被覆する方法としては、電気メッキ法を用いた金メッ
キ、蒸着法を用いたステンレスメッキ、スパッタ法を用
いたシリコンカーバイド、窒化チタンメッキ、金メッキ
などが考えられる。
方法について説明する。本発明のステントの製造方法
は、留置される生体内部位に適合した外径を有する超弾
性金属パイプを準備する工程と、準備された超弾性金属
パイプの側面を線状体を形成する部位以外を除去する工
程とが少なくとも行われる。
空雰囲気にて溶解しTi−Ni合金などの超弾性合金の
インゴットを形成し、このインゴットを機械的に研磨
し、続いて、熱間プレスおよび押し出しにより、太径パ
イプを形成し、その後順次ダイス引き抜き工程および熱
処理工程を繰り返すことにより、所定の肉厚、外径のパ
イプに細径化し、最終的に表面を化学的または物理的研
磨することにより製造することができる。
に除去する工程は、例えば、レーザー加工(例えば、Y
AGレーザー)、放電加工、機械研磨などによる切削加
工、または化学エッチングなどにより行うことができ
る。さらにそれらの併用により行ってもよい。このよう
に、金属パイプの加工によりステントを形成しているの
で、パイプの外径がそのままステントの外径となり、作
成後の寸法精度が高く、生体内に留置したときに作製形
状への復帰が確実であり、狭窄部の改善を確実に行うこ
とができる。また、物性の変更点がほとんど形成されな
い一体物であるため、物性の急激な変更点に蓄積される
金属ストレスによる破損、不自然な血液流形成といった
ことがない。さらに、つなぎ目がないので、溶接やロウ
付けといった煩雑な作業が不要である。
的に削除する工程では、まず、超弾性金属パイプを放電
加工により、加熱熔融させて部分的に除去し、ほぼ目的
形状に初期加工する放電加工(一次加工)工程を行い、
ステント形成体を作成する。この一次加工時に、ステン
ト形成体の線状体が上述したように中央部では太く、両
端部では細くなるように形成する。続いて、放電加工処
理したステント形成体のエッジを削りとる面取り工程
(二次加工)を行う。面取り工程は、例えば、硬質微粒
子を用いたブラスト処理により行われる。そして、放電
加工時にステント形成体の周縁に形成された熱変性部分
を除去するために、熱変性部分処理工程(三次加工、化
学エッチング)を行う。この熱変性部分処理工程は、例
えば、フッ酸と硝酸の混合液に少量の過酸化水素液を混
合した変性部処理液にブラスト処理したステント形成体
を浸漬することにより行われる。なお、化学エッチング
(熱変性部分処理工程)によって、バリ取りおよび面取
りを同時に行ってもよく、この場合には、ブラスト処理
工程は行わなくてもよい。
明のステントを形成する場合には、上述した一次加工時
には、線状体は全体にほぼ同じ太さに形成した後、処理
液(例えば、所定の濃度に調整したフッ酸と硝酸の混合
液)に両端部を浸漬し、部分的に溶解することにより、
両端部付近の線状体を補足する両端部処理工程を行うも
のとしてもよい。なお、この工程では、それぞれの端部
を個々に処理することになる。さらに、上述の処理液に
両端部付近を浸漬し、かつ徐々に引き上げることによっ
て端部に向かって徐々に線状体が細くなるように形成し
てもよい。なお、この両端部処理は、前述したブレード
状、メリヤス織り状、多角形の切欠部を有するすべての
ステントに応用することができ、また加工も簡単であ
る。
の一次加工は、準備された所定の外径の超弾性金属パイ
プをレーザー装置(例えば、YAGレーザー装置)によ
りレーザー加工することにより行うこともできる。この
レーザー加工においても、上述の放電加工と同様に、レ
ーザー照射により部分的に加熱熔融させ、ほぼ目的の形
状に超弾性金属パイプに加工する。
以下のようにフォトファブリケーション技術を用いて行
ってもよい。この方法では、まず最初に超弾性金属パイ
プの内面、外面の脱脂、洗浄を行う。脱脂および洗浄
は、例えば、界面活性剤水溶液中への浸漬、RO水中へ
の浸漬、ヘキサンなどの洗浄用有機溶媒中への浸漬によ
り行われる。そして、乾燥させた後、超弾性金属パイプ
の外面および内面にフォトレジストを塗布する。フォト
レジストとしては、ポジ型、ネガ型のいずれでもよく、
さらに、UVレジスト、電子線レジスト、X線レジスト
でもよい。フォトレジストの膜厚としては、0.5〜4
μm程度が好適である。そして、フォトレジスト膜のパ
イプへの密着性を高めるために、80〜90℃程度で加
熱処理(プリベーキング)を行う。
状に対応した模様を有するマスキングフィルム(フォト
レジストがポジ型、ネガ型により相違する)を超弾性金
属パイプの外面に巻き付け真空密着させた後、露光作業
を行う。露光作業は、例えば、超高圧水銀灯を用いて行
うことができる。また、この際に全体に確実に照射され
るように超弾性金属パイプを回転させながら行うことが
好ましい。そして、現像処理を行う。現像処理は、超弾
性金属パイプをフォトレジスト現像液に浸漬することに
より行われる。続いて、120〜145℃に加熱しポス
トベーキング処理する。これにより、マスキング工程が
終了する。
部分には、フォトレジストが存在せず、線状体を形成す
る部分には、硬化したフォトレジストが存在する超弾性
金属パイプが作成される。エッジング液にこのステント
形成体を浸漬し、削除部分を溶解し除去する。超弾性金
属パイプの削除部分はエッジング液に接触するため溶解
し、線状体を形成する部分は硬化したフォトレジストに
よりエッジング液に接触しないため溶解されない。この
エッジング液処理により、ステントのほぼ外形をしたス
テント形成体が作成される。そして、ステント形成体の
表面に付着している硬化フォトレジストを除去する。こ
の処理は、硬化フォトレジストを溶解する溶液にステン
トを浸漬することにより行われる。さらに、ステントの
周縁に形成されたバリの除去および面取りのために、上
述のようにブラスト処理する。さらに、エッジング液に
浸漬し、表面処理を行う。これにより、本発明のステン
トが作成される。さらに、必要により、ステントに金属
メッキまたは樹脂皮膜の形成工程が行われる。
ついて述べる。 (実施例1)TiNi合金(51原子%Ni)の合金パ
イプを冷間加工して、外径7.5mm、内径7.0m
m、肉厚0.25mm、長さ約50mmの超弾性金属パ
イプを作成した。つぎに、NEC(株)製YAGレーザ
ーSL116E(XYテーブル付き)を用いて、パイプ
を回転させてレーザー加工を行った。加工条件は電流2
9A、加工スピード10mm/min、Qスイッチ周波
数1KHzにて加工した。そして、ステントの線状体の
エッジを面取りするために、粒径15〜30μmのガラ
スビーズを用いて、圧力2〜3kg/cm2にてブラス
ト処理した。このブラスト処理によりバリ取りおよび面
取りを行なった。さらに、放電加工時に線状体の周縁に
形成された熱変性部分の除去を行った。この作業は、フ
ッ酸と硝酸の混合液に少量の過酸化水素液を混合した変
性部処理液を準備し、この処理液(約40℃)に上記の
ようにブラスト処理したステントを約2分間浸漬して、
ステントの外面を化学エッチングし、線状体はほぼ断面
形状が角のとれた長方形となり、中央部の線状体の線径
は0.4mm、断面積は0.092mm2[0.4(線
径:長方形の横の長さ)×0.23(肉厚:長方形の縦
の長さ)]、両端部の線状体の線径が0.3mm、断面
積は0.039mm2[0.3(線径:長方形の横の長
さ)×0.13(肉厚:長方形の縦の長さ)]、線径比
(中央部:両端部)=1.3:1、断面積比(中央部:
両端部)=2.4:1である本発明の生体内留置用ステ
ントを作製した。この実施例のステントの中央部と左右
両端部をプッシュプルゲージにて2mm押し込んだ時の
反発力を測定したところ、中央部は370g、左右両端
部は150gであっり、応力付加をやめると作成形状に
復元した。このステントは、心臓冠動脈の狭窄改善に使
用される。
て、その生体適合性を高めるために表面全体を金メッキ
した。金メッキは、スルファミン酸系メッキ浴(徳力本
店株式会社製、商品名オーロフレックスTI)を約40
℃に加温し、シアン金カリウムを溶解し、このメッキ浴
中に、実施例2のステントを浸漬した。これにより、ス
テントの表面には、1.8μmの非光沢の金メッキ層が
形成された。このステントも、実施例1と同様に冠動脈
の狭窄改善に使用される。
状体によりスパイラル状に成形されている。このよう
に、ジグザグ構造であることにより復元時に拡径するこ
とができ、スパイラル状であることにより、図4に示す
ように湾曲した狭窄部でもそれに沿って湾曲できる。さ
らに、ステントは、超弾性金属パイプを加工することに
より一体的に形成されている。具体的には、この実施例
のステントは超弾性金属パイプから、線状体となる部分
以外を除去(例えば、切削、溶解)することにより作成
することができる。これにより、ステント全体として、
急激な物性の変更点が形成されない一体形成物となる。
物性の急激な変更点があると、その部分が他の部分と異
なった変形動態を示す。そして、物性の異なった部分に
金属ストレスがかかりその部分より破損する危険性があ
る。また、物性の変更点が存在するとステントとして変
形が不自然となり、内部を流れる血液流に不自然な流れ
を形成し、再狭窄の原因となる。
施例の斜視図である。
展開図である。
面概略図である。
施例の効果を説明するための説明図である。
施例の効果を説明するための説明図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 線状体により略円筒形状に形成され、生
体内挿入時には圧縮されて縮径し、生体内留置時には収
縮前の形状に復元する生体内留置用ステントであって、
前記生体内留置用ステントは、ジグザグ構造の前記線状
体によりスパイラル状に成形されており、かつ、前記生
体内留置用ステントは、超弾性金属パイプを加工するこ
とにより一体的に形成されていることを特徴とする生体
内留置用ステント。 - 【請求項2】 前記ステントは、前記超弾性金属パイプ
から、前記線状体となる部分以外を除去することにより
作成されたものである請求項1に記載の生体内留置用ス
テント。 - 【請求項3】 前記生体内留置用ステントは、並列的に
配置された2本の前記線状体により形成されている請求
項1または2に記載の生体内留置用ステント。 - 【請求項4】 前記2本の線状体は、少なくとも2箇所
で連結した状態となっている請求項3に記載の生体内留
置用ステント。 - 【請求項5】 前記2本の線状体は、中央部付近で連結
した状態となっている請求項3に記載の生体内留置用ス
テント。 - 【請求項6】 前記2本の線状体は、末端でそれぞれ連
結した状態となっている請求項3に記載の生体内留置用
ステント。 - 【請求項7】 前記2本の線状体は、それぞれの末端で
のみ連結した状態となっている請求項3に記載の生体内
留置用ステント。生体内留置用ステント。 - 【請求項8】 前記線状体の表面には、生体適合性金属
または生体適合性樹脂が被覆されている請求項1に記載
の生体内留置用ステント。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002017593A JP3586245B2 (ja) | 2002-01-25 | 2002-01-25 | 生体内留置用ステント |
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JP2002017593A JP3586245B2 (ja) | 2002-01-25 | 2002-01-25 | 生体内留置用ステント |
Related Parent Applications (1)
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