JP2002280740A - 多層プリント配線板 - Google Patents

多層プリント配線板

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JP2002280740A JP2001075868A JP2001075868A JP2002280740A JP 2002280740 A JP2002280740 A JP 2002280740A JP 2001075868 A JP2001075868 A JP 2001075868A JP 2001075868 A JP2001075868 A JP 2001075868A JP 2002280740 A JP2002280740 A JP 2002280740A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導体回路の配線距離が短いとともに、導体回
路の設計の自由度が高く、加えて、バイアホール近傍の
層間樹脂絶縁層にクラックが発生しにくいため、信頼性
に優れるプリント配線板を提供する。 【解決手段】 基板上に、導体回路と層間樹脂絶縁層と
が順次積層され、導体回路間がバイアホールおよびスル
ーホールを介して接続された多層プリント配線板であっ
て、上記スルーホールは、外層スルーホールと、該外層
スルーホールの内部に形成された内層スルーホールとか
らなる同軸スルーホールであり、上記バイアホールは、
スタックビア構造となるように形成されるとともに、バ
イアホールのうちの少なくとも1つは、そのランド径
が、上記スタックビア構造のバイアホールの周囲に形成
された導体回路非形成領域に拡大して形成されており、
上記スタックビア構造を有するバイアホールは、上記内
層スルーホールのランド上に積層されている多層プリン
ト配線板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層プリント配線
板に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる多層ビルドアップ配線基板と呼
ばれる多層プリント配線板は、セミアディティブ法等に
より製造されており、コアと呼ばれる0.5〜1.5m
m程度のガラスクロス等で補強された樹脂基板の上に、
銅等による導体回路と層間樹脂絶縁層とを交互に積層す
ることにより作製される。この多層プリント配線板の層
間樹脂絶縁層を介した導体回路間の接続は、バイアホー
ルにより行われている。
【0003】従来、ビルドアップ多層プリント配線板
は、例えば、特開平9−130050号公報等に開示さ
れた方法により製造されている。すなわち、まず、銅箔
が貼り付けられた銅張積層板に貫通孔を形成し、続いて
無電解銅めっき処理を施すことによりスルーホールを形
成する。続いて、基板の表面をフォトリソグラフィーの
手法を用いて導体パターン状にエッチング処理して導体
回路を形成する。次に、形成された導体回路の表面に、
無電解めっきやエッチング等により粗化面を形成し、そ
の粗化面を有する導体回路上に絶縁樹脂層を形成した
後、露光、現像処理を行ってバイアホール用開口を形成
し、その後、UV硬化、本硬化を経て層間樹脂絶縁層を
形成する。
【0004】さらに、層間樹脂絶縁層に酸や酸化剤など
により粗化形成処理を施した後、薄い無電解めっき膜を
形成し、この無電解めっき膜上にめっきレジストを形成
した後、電解めっきにより厚付けを行い、めっきレジス
ト剥離後にエッチングを行って、下層の導体回路とバイ
アホールにより接続された導体回路を形成する。これを
繰り返した後、最後に導体回路を保護するためのソルダ
ーレジスト層を形成し、ICチップ等の電子部品やマザ
ーボード等との接続のために開口を露出させた部分にめ
っき等を施して半田バンプ形成用パッドとした後、IC
チップ等の電子部品側に半田ペーストを印刷して半田バ
ンプを形成することにより、ビルドアップ多層プリント
配線板を製造する。また、必要に応じて、マザーボード
側にも半田バンプを形成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】また、近年、ICチッ
プの高周波数化に伴い、多層プリント配線板の高速化、
高密度化が要求されており、これに対応する手段とし
て、基板の貫通孔壁面に外層スルーホールを設け、さら
に、該外層スルーホールの内部に外層樹脂充填材層を介
して内層スルーホールを設け同軸スルーホールなるもの
を形成する方法が、先に、本出願人により提案されてい
る。この同軸スルーホールを形成した場合には、単位面
積あたりの配線数を増加させることができるとともに、
スルーホール内において、マイクロストリップ構造をと
ることにより、スルーホール内での定在波や反射の発生
を低減することができるため、多層プリント配線板の高
速化、高密度化に対応する手段として有用である。
【0006】また、多層プリント配線板の高速化、高密
度化に対応する別の手段として、スタックビア構造(バ
イアホールの直上にバイアホールが形成された構造)の
バイアホールを形成する方法が提案されている。このよ
うなスタックビア構造のバイアホールが形成された多層
プリント配線板では、配線距離が短くなるため、信号電
送時間を短縮することができるともに、導体回路の設計
の自由度が向上するため、高密度配線により対応し易く
なる。
【0007】しかしながら、このようなスタックビア構
造のバイアホールを有する多層プリント配線板では、バ
イアホールの近傍の層間樹脂絶縁層にクラックが発生す
ることがあった。特に、多層プリント配線板をヒートサ
イクル条件下で一定時間放置した際に、クラックが発生
することが多く、さらには、このクラックに起因して、
バイアホール周辺の導体回路に剥離や断線が発生するこ
とがあった。
【0008】これは、スタックビア構造のバイアホール
を有する従来の多層プリント配線板600(図21
(a)および(b)参照)では、通常、バイアホール1
071〜1073のランド径が略同一であり、スタック
ビア構造のバイアホールの近傍、即ち、最外層のバイア
ホール1071とこれに隣接する導体回路105aとの
間の導体回路非形成部の下方領域(図21中、A領域)
には、導体回路やバイアホールのランド部分は存在せ
ず、層間樹脂絶縁層102のみで形成されており、加え
て、層間樹脂絶縁層には、ガラス繊維等の補強材も配合
されていないため、このA領域の機械的強度が充分でな
く、そのため、クラック等が発生しやすいものと考えら
れる。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは鋭
意検討し、スタックビア構造を有するバイアホールのう
ちの少なくとも1つのバイアホールのランドが、上述し
たバイアホール近傍の層間樹脂絶縁層に拡大して形成さ
れていれば、即ち、バイアホール近傍の層間樹脂絶縁層
が拡大して形成された金属材料からなるバイアホールの
ランドにより補強されているか、または、上記層間樹脂
絶縁層がバイアホールおよびバイアホールのランドで埋
められていれば、層間樹脂絶縁層にクラック等が発生す
る問題を解消することができ、さらに、同軸スルーホー
ルを形成し、該同軸スルーホールのランド上、または、
同軸スルーホールの直上にスタックビア構造のバイアホ
ールを形成することにより、より高速化、高密度化に適
した多層プリント配線板とすることができることを見い
出し、以下に示す内容を要旨構成とする本発明に到達し
た。
【0010】即ち、第一の本発明のプリント配線板は、
基板上に、導体回路と層間樹脂絶縁層とが順次積層さ
れ、上記層間樹脂絶縁層を挟んだ導体回路間がバイアホ
ールを介して接続されるとともに、少なくとも上記基板
を挟んだ導体回路間がスルーホールを介して接続された
多層プリント配線板であって、上記スルーホールは、上
記基板の貫通孔壁面に形成された外層スルーホールと、
上記外層スルーホールの内部に外層樹脂充填材層を介し
て形成された内層スルーホールとからなる同軸スルーホ
ールであり、上記バイアホールのうち、階層の異なるバ
イアホール同士は、スタックビア構造となるように形成
されるとともに、上記階層の異なるバイアホールのうち
の少なくとも1つは、そのランドが、上記スタックビア
構造のバイアホールの周囲に形成された導体回路非形成
領域に拡大して形成されており、上記スタックビア構造
を有するバイアホールは、上記内層スルーホールのラン
ド上に積層されていること特徴とする。
【0011】また、第二の本発明の多層プリント配線板
は、基板上に、導体回路と層間樹脂絶縁層とが順次積層
され、上記層間樹脂絶縁層を挟んだ導体回路間がバイア
ホールを介して接続されるとともに、少なくとも上記基
板を挟んだ導体回路間がスルーホールを介して接続され
た多層プリント配線板であって、上記スルーホールは、
上記基板の貫通孔壁面に形成された外層スルーホール
と、上記外層スルーホールの内部に外層樹脂充填材層を
介して形成された内層スルーホールとからなる同軸スル
ーホールであるとともに、その内層スルーホール上には
蓋めっき層が形成されており、上記バイアホールのう
ち、階層の異なるバイアホール同士は、スタックビア構
造となるように形成されるとともに、上記階層の異なる
バイアホールのうちの少なくとも1つは、そのランド
が、上記スタックビア構造のバイアホールの周囲に形成
された導体回路非形成領域に拡大して形成されており、
上記スタックビア構造を有するバイアホールは、上記蓋
めっき層上に積層されていることを特徴とする。
【0012】また、第一または第二の本発明の多層プリ
ント配線板において、上記外層スルーホールは、上記基
板のみを挟んだ導体回路間を接続し、上記内層スルーホ
ールは、上記基板と上記層間樹脂絶縁層とを挟んだ導体
回路間を接続することが望ましい。
【0013】また、第一または第二の本発明の多層プリ
ント配線板において、拡大して形成されたバイアホール
のランドの一部は、スタックビア構造のバイアホールの
周囲に形成された導体回路非形成領域を平面視した際
に、上記導体回路非形成領域の幅の1/2以上の領域に
存在していることが望ましく、上記バイアホールのうち
の少なくとも1つは、その形状がフィールドビア形状で
あることが望ましい。また、上記フィールドビアの上面
の凹凸は、5μm以下であることが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】第一の本発明のプリント配線板
は、基板上に、導体回路と層間樹脂絶縁層とが順次積層
され、上記層間樹脂絶縁層を挟んだ導体回路間がバイア
ホールを介して接続されるとともに、少なくとも上記基
板を挟んだ導体回路間がスルーホールを介して接続され
た多層プリント配線板であって、上記スルーホールは、
上記基板の貫通孔壁面に形成された外層スルーホール
と、上記外層スルーホールの内部に外層樹脂充填材層を
介して形成された内層スルーホールとからなる同軸スル
ーホールであり、上記バイアホールのうち、階層の異な
るバイアホール同士は、スタックビア構造となるように
形成されるとともに、上記階層の異なるバイアホールの
うちの少なくとも1つは、そのランドが、上記スタック
ビア構造のバイアホールの周囲に形成された導体回路非
形成領域に拡大して形成されており、上記スタックビア
構造を有するバイアホールは、上記内層スルーホールの
ランド上に積層されていること特徴とする。即ち、本発
明の多層プリント配線板においては、拡大形成されたバ
イアホールのランドにより導体回路非形成領域が補強さ
れるように、または、導体回路非形成領域がバイアホー
ルおよびバイアホールのランドで埋められるようにバイ
アホールが形成されている。
【0015】第一の本発明の多層プリント配線板では、
階層の異なるバイアホール同士がスタックビア構造とな
るように形成されており、加えて、スタックビア構造の
バイアホールが内層スルーホールのランド上に積層され
ているため、導体回路の配線距離が短く、信号電送時間
を短縮することができるともに、導体回路の設計の自由
度が向上するため、高密度配線により対応し易くなる。
【0016】また、上記多層プリント配線板において、
階層の異なるバイアホールのうちの少なくとも一つは、
そのランドが、スタックビア構造のバイアホールの周囲
に形成された導体回路非形成領域を補強するように、ま
たは、導体回路非形成領域を埋めるように拡大して形成
されている。従って、拡大形成されたランドを有するバ
イアホールが層間樹脂絶縁層の補強材としての役割を果
たすことにより、層間樹脂絶縁層の機械的強度が向上
し、特に、バイアホール近傍の層間樹脂絶縁層でクラッ
クが発生しにくい。これについて、以下に図面を参照し
ながら説明する。図1〜図3は、それぞれ、(a)が、
第一の本発明の多層プリント配線板の一実施形態の一部
を模式的に示す部分断面図であり、(b)が(a)に示
した多層プリント配線板のバイアホールのみを模式的に
示した斜視図である。
【0017】第一の本発明の多層プリント配線板では、
階層の異なるバイアホールのうちの少なくとも1つは、
そのランドが、スタックビア構造のバイアホールの周囲
に形成された導体回路非形成領域に拡大して形成されて
いる。具体的には、例えば、図1(a)および(b)に
示すように、内層のバイアホール1072のランドが最
外層のバイアホール1071のランドよりも大きくなる
ように拡大形成されている。この場合、各階層のそれぞ
れのバイアホールは、平面視した際の形状が円形状であ
り、かつ、同心円状となるように形成されている。ま
た、例えば、図2(a)および(b)に示すように、最
下層のバイアホール1073のランドが最外層のバイア
ホール1071のランドよりも大きくなるように拡大形
成されていてもよい。この場合も、各階層のそれぞれの
バイアホールは、平面視した際の形状が円形状であり、
かつ、同心円状となるように形成されている。
【0018】さらには、図3(a)および(b)に示す
ように、内層のバイアホール1072のランドおよび最
下層のバイアホール1073のランドの一部が、スタッ
クビア構造のバイアホールの周囲に形成された導体回路
非形成領域(図中、A1 およびA2 領域)の異なる部分
で最外層のバイアホール1071のランドよりも大きく
なるように拡大形成されていてもよい。なお、本明細書
において、スタックビア構造のバイアホールの周囲に形
成された導体回路非形成領域とは、1)最外層のバイアホ
ールとこれに隣接する導体回路との間の導体回路非形成
部の下方領域(図中、A1 領域)、および、2)最外層の
バイアホールに隣接する導体回路を外層または内層スル
ーホールのランド部分と同一階層まで平行移動したと仮
定した場合の、該導体回路と内層または外層スルーホー
ルの外縁(ランドの端部)との間の上方領域(図中、A
2 領域)のうち、それぞれの部分におけるいずれか狭い
領域をいう。なお、以下、上記導体回路非形成領域を単
にA領域ともいう。
【0019】図3に示すバイアホールの場合、各階層の
それぞれのバイアホールは、平面視した際の形状が円形
状であるが、その中心は異なる位置、即ち、内層のバイ
アホールの中心と最下層のバイアホールの中心とが、最
外層のバイアホールの中心を挟んだ反対側の位置に形成
されている。なお、バイアホールを平面視した際の内層
のバイアホールの中心および最下層のバイアホールの中
心は、最外層のバイアホールの中心を挟んだ反対側の位
置以外の位置にあってもよい。
【0020】このように、スタックビア構造を有するバ
イアホールのうちの少なくなくとも1つのランドが拡大
形成されている場合、上記導体回路非形成領域(A領
域)の一部に、層間樹脂絶縁層102だけでなく、バイ
アホールのランド部分1072a、1073aが存在す
ることとなる。この場合、スタックビア構造のバイアホ
ール全体で上述した役割および効果を得ることができ
る。即ち、バイアホールおよびそのランド部分が層間樹
脂絶縁層の補強材としての役割を果たすため、A領域の
機械的強度が向上し、クラックの発生や、導体回路やバ
イアホールと層間樹脂絶縁層との間での剥離の発生を防
止することができる。
【0021】また、内層スルーホールのランド部分にス
タックビア構造のバイアホールを形成した場合、バイア
ホール近傍の片側(図中、A2 領域側)は、その下方に
同軸スルーホールが存在することとなるため、導体回路
非形成領域はそれほど広くないが、これとは反対側の領
域(図中、A1 領域側)は、その下方にスルーホールが
存在せず、導体回路非形成領域が広い、従って、本発明
の多層プリント配線板においては、このA1 領域にバイ
アホールのランド部分を存在させるように、ランドを拡
大形成することが、バイアホール近傍の層間樹脂絶縁層
でのクラックの発生を低減させる効果に優れる。、な
お、図1〜3において、101は基板、114はソルダ
ーレジスト層、117は半田バンプである。
【0022】また、バイアホールの形状は、図1〜3に
示した形状に限定されるわけではなく、図示していない
が、例えば、内層のバイアホール1072のランドと最
下層のバイアホール1073のランドとが、ともに最外
層のバイアホールのランドよりも大きくなるように拡大
形成されていてもよい。また、各階層のバイアホールの
ランド径はそれぞれが互いに異なっていてもよい。ま
た、上述した例では、各階層のバイアホールを平面視し
た際の形状は、円形状であったが、バイアホールを平面
視した際の形状は、これに限定されず、例えば、楕円形
状や矩形状等であってもよい。なお、バイアホールのラ
ンドを拡大形成する具体的な方法については、本発明の
多層プリント配線板の製造方法を説明する際に詳述す
る。
【0023】また、第一の本発明の多層プリント配線板
において、スタックビア構造を有するバイアホールの層
数は、2層以上であれば特に限定されず、図示した多層
プリント配線板のように3層であってもよいし、2層や
4層以上であってもよい。なお、本明細書において、バ
イアホールのランド径とは、バイアホール用開口の外縁
からバイアホールの外縁までの距離をいい、例えば、図
中に示す距離Lをいう(図1〜3参照)。
【0024】また、拡大して形成されたバイアホールの
ランドの一部は、スタックビア構造のバイアホールの周
囲に形成された導体回路非形成領域を平面視した際に、
上記導体回路非形成領域の幅の1/2以上の領域に存在
していることが望ましく、上記導体回路非形成領域の全
部に存在していることがより望ましい。このような領域
に、そのランドの一部が存在するようにバイアホールを
拡大形成することにより、上記導体回路非形成領域をよ
り確実に補強すること、または、上記導体回路非形成領
域をバイアホールおよびそのランドで確実に埋めること
ができるからである。
【0025】また、上述したように、第一の本発明の多
層プリント配線板では、バイアホールのうち、階層の異
なるバイアホール同士がスタックビア構造を有するよう
に形成されている。従って、より信頼性に優れるバイア
ホールとするために、下層バイアホール(その直上に別
のバイアホールが形成されているバイアホール)の形状
は、フィールドビア形状であることが望ましい。フィー
ルドビア形状である場合、バイアホールの上面が略平坦
であるため、直上にバイアホールを積層形成するのに適
しているからである。
【0026】また、バイアホールは、通常、後述するよ
うにめっき処理を用いて形成するが、このバイアホール
をフィールドビア形状とする場合、めっき処理によりフ
ィールドビア形状に形成してもよいし、一旦、上面に窪
みを有する形状のバイアホールを形成した後、その窪み
を導電性ペースト等で充填してフィールドビア形状とし
てもよい。なお、上記フィールドビアの上面の凹凸は、
5μm以下であることが望ましい。なお、めっき処理に
よりフィールドビア形状のバイアホールを形成する場合
に用いるめっき液については後に詳述する。また、バイ
アホールをフィールドビアビア形状とせず、上面に窪み
を有するバイアホールを形成した後、この窪みに樹脂充
填材等を充填し、その後、樹脂充填材を覆う蓋めっき層
を形成することにより、バイアホールの上面を平坦にし
てもよい。上記バイアホールにおいて、その形状をフィ
ールドビア形状としたり、バイアホール上に蓋めっき層
を形成した場合、その上面の平均粗度Raは、5μm以
下であることが望ましい。スタックビア構造のバイアホ
ールを形成するのに適しており、また、形成したスタッ
クビア構造のバイアホールの接続信頼性に優れるからで
ある。
【0027】また、第一の本発明の多層プリント配線板
において、スルーホールは、基板101の貫通孔壁面に
形成された外層スルーホール109aと、外層スルーホ
ール109aの内部に外層樹脂充填材層110aを介し
て形成された内層スルーホール109bとからなる同軸
スルーホールである(図1〜図3参照)。なお、多層プ
リント配線板100において、内層スルーホール109
bの内部には内層樹脂充填材層110bが形成されてい
る。
【0028】このような同軸スルーホールでは、スルー
ホール内でマイクロストリップ構造をとることにより、
即ち、外層スルーホールおよび内層スルーホールのうち
の一方のスルーホールを信号線とし、他方のスルーホー
ルを接地線とすることにより、スルーホール内での定在
波や反射の発生を低減し、電気特性の向上を図ることが
できる。
【0029】また、上記同軸スルーホールにおいて、内
層スルーホールと外層スルーホールとのランド部分は、
ともに同一階層に存在してもよいが、図1に示すよう
に、それぞれ異なる階層に存在し、外層スルーホールが
基板のみを挟んだ導体回路間を接続し、内層スルーホー
ルが基板と層間樹脂絶縁層とを挟んだ導体回路間を接続
するように構成されていることが望ましい。同一階層に
ランド部分が存在しないため、より高密度配線に対応す
ることができ、また、内層スルーホールと外層スルーホ
ールとの間の絶縁性を確保し易いからである。
【0030】次に、第一の本発明の多層プリント配線板
を製造する方法について工程順に説明する。 (1)まず、ガラスエポキシ基板、ポリイミド基板、ビ
スマレイミド−トリアジン樹脂(BT樹脂)基板、フッ
素樹脂基板等の樹脂基板、銅張積層板等を出発材料と
し、基板上に導体回路を形成する。具体的には、例え
ば、基板の両面に無電解めっき処理等を施すことにより
ベタの導体層を形成した後、該導体層上に導体回路パタ
ーンに対応したエッチングレジストを形成し、その後、
エッチングを行うことにより形成すればよい。また、銅
張積層板をベタの導体層が形成された基板として用いて
もよい。
【0031】また、上記無電解めっき処理を施す際に
は、予め、この絶縁性基板に外層スルーホール用貫通孔
を形成しておき、該貫通孔の壁面にも無電解めっき処理
を施すことにより、基板を挟んだ導体回路間を接続する
外層スルーホールとする。また、上記外層スルーホール
用貫通孔とは、別に、貫通孔を形成しておき、この貫通
孔壁面にも無電解めっきを施すことにより、導通用スル
ーホールとしてもよい。なお、本明細書において、導通
用スルーホールとは、基板、または、基板と層間樹脂絶
縁層とを挟んだ導体回路を接続するスルーホールであっ
て、1層からなる同軸構造を有さないスルーホールをい
う。また、上記外層スルーホール用貫通孔の開口径は、
200〜400μmが望ましく、250〜350μmが
より望ましい。また、導通用スルーホール用貫通孔の開
口径は、50〜400μmであることが望ましい。
【0032】(2)次に、上記外層スルーホール内に樹
脂充填材を充填し、外層樹脂充填材層を形成する。この
とき、導体回路非形成部や導通用スルーホール内にも樹
脂充填材を充填することが望ましい。上記樹脂充填材と
しては、少なくとも熱硬化性樹脂と硬化剤と10〜80
体積%の無機粒子とを含む樹脂充填材が望ましい。この
ような樹脂充填材では、10体積%以上無機粒子を含ん
でいるため、外層樹脂充填材層と基板や層間樹脂絶縁層
との熱膨張係数が整合され、熱収縮差に起因した応力が
発生しにくく、この応力に起因したクラック等が発生し
にくい。また、上記樹脂充填材は、無機粒子の含有量が
80体積%以下であるため、後工程の研磨処理におい
て、バフ等の研磨入りの不織布で樹脂充填材の表層部を
なぞるだけの容易な研磨により、樹脂充填材の表層部を
平坦化することができる。
【0033】また、上記熱硬化性樹脂としては、例え
ば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂等
が挙げられる。これらのなかでは、エポキシ樹脂が望ま
しく、特に、ビスフェノール型エポキシ樹脂およびノボ
ラック型エポキシ樹脂のうちの少なくとも一種が望まし
い。ビスフェノール型エポキシ樹脂は、A型、F型等の
樹脂を選択することにより、希釈溶媒を使用することな
く、その粘度を調整することができ、ノボラック型エポ
キシ樹脂は、高強度で耐熱性や対薬品性に優れ、無電解
めっき液等の強塩基性溶液中でも分解せず、また熱分解
しないからである。
【0034】(3)次に、必要に応じて、導体回路の表
面の粗化処理を行う。粗化処理方法としては、例えば、
黒化(酸化)−還元処理、有機酸と第二銅錯体とを含む
混合溶液等を用いたエッチング処理、Cu−Ni−P針
状合金めっきによる処理等を用いることができる。ま
た、上記粗化処理により形成された粗化面または粗化層
の凹凸は、0.1〜5μmであることが望ましい。
【0035】(4)次に、導体回路上に熱硬化性樹脂や
樹脂複合体からなる未硬化の樹脂層を形成するか、また
は、熱可塑性樹脂からなる樹脂層を形成する。上記未硬
化の樹脂層は、未硬化の樹脂をロールコーター、カーテ
ンコーター等により塗布して成形してもよく、また、未
硬化(半硬化)の樹脂フィルムを熱圧着して形成しても
よい。さらに、未硬化の樹脂フィルムの片面に銅箔等の
金属層が形成された樹脂フィルムを貼付してもよい。ま
た、熱可塑性樹脂からなる樹脂層は、フィルム状に成形
した樹脂成形体を熱圧着することにより形成することが
望ましい。
【0036】上記未硬化の樹脂を塗布する場合には、樹
脂を塗布した後、加熱処理を施す。上記加熱処理を施す
ことにより、未硬化の樹脂を熱硬化させることができ
る。なお、上記熱硬化は、後述するバイアホール用開口
を形成した後に行ってもよい。
【0037】このような樹脂層の形成において使用する
熱硬化性樹脂の具体例としては、例えば、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹
脂、ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ
フェニレンエーテル樹脂等が挙げられる。
【0038】上記エポキシ樹脂としては、例えば、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ
樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエ
ン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基
を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、
トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂
等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種
以上併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れるも
のとなる。
【0039】上記ポリオレフィン系樹脂としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポ
リイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、シ
クロオレフィン系樹脂、これらの樹脂の共重合体等が挙
げられる。
【0040】また、上記熱可塑性樹脂としては、例え
ば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリス
ルフォン等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂と熱可塑
性樹脂との複合体(樹脂複合体)としては、熱硬化性樹
脂と熱可塑性樹脂とを含むものであれば特に限定され
ず、その具体例としては、例えば、粗化面形成用樹脂組
成物等が挙げられる。
【0041】上記粗化面形成用樹脂組成物としては、例
えば、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくと
も1種からなる粗化液に対して難溶性の未硬化の耐熱性
樹脂マトリックス中に、酸、アルカリおよび酸化剤から
選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して可溶性
の物質が分散されたもの等が挙げられる。なお、上記
「難溶性」および「可溶性」という語は、同一の粗化液
に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早いも
のを便宜上「可溶性」といい、相対的に溶解速度の遅い
ものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。
【0042】上記耐熱性樹脂マトリックスとしては、層
間樹脂絶縁層に上記粗化液を用いて粗化面を形成する際
に、粗化面の形状を保持できるものが好ましく、例え
ば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの複合体等が
挙げられる。また、感光性樹脂であってもよい。後述す
るバイアホール用開口を形成する工程において、露光現
像処理により開口を形成することができるからである。
【0043】上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレ
フィン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。また、これら
の熱硬化性樹脂に感光性を付与した樹脂、即ち、メタク
リル酸やアクリル酸等を用い、熱硬化基を(メタ)アク
リル化反応させた樹脂を用いてもよい。具体的には、エ
ポキシ樹脂の(メタ)アクリレートが望ましく、さら
に、1分子中に、2個以上のエポキシ基を有するエポキ
シ樹脂がより望ましい。
【0044】上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェ
ノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォ
ン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等
が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以
上併用してもよい。
【0045】上記可溶性の物質としては、例えば、無機
粒子、樹脂粒子、金属粒子、ゴム粒子、液相樹脂および
液相ゴム等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよ
いし、2種以上併用してもよい。
【0046】上記無機粒子としては、例えば、アルミ
ナ、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物;炭酸
カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム化合物;
炭酸カリウム等のカリウム化合物;マグネシア、ドロマ
イト、塩基性炭酸マグネシウム、タルク等のマグネシウ
ム化合物;シリカ、ゼオライト等のケイ素化合物等が挙
げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併
用してもよい。上記アルミナ粒子は、ふっ酸で溶解除去
することができ、炭酸カルシウムは塩酸で溶解除去する
ことができる。また、ナトリウム含有シリカやドロマイ
トはアルカリ水溶液で溶解除去することができる。
【0047】上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性
樹脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、酸、ア
ルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からな
る粗化液に浸漬した場合に、上記耐熱性樹脂マトリック
スよりも溶解速度の早いものであれば特に限定されず、
具体的には、例えば、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素
樹脂、グアナミン樹脂等)、エポキシ樹脂、フェノール
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレ
ン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ビスマレイ
ミド−トリアジン樹脂等が挙げられる。これらは、単独
で用いてもよく、2種以上併用してもよい。なお、上記
樹脂粒子は予め硬化処理されていることが必要である。
硬化させておかないと上記樹脂粒子が樹脂マトリックス
を溶解させる溶剤に溶解してしまうため、均一に混合さ
れてしまい、酸や酸化剤で樹脂粒子のみを選択的に溶解
除去することができないからである。
【0048】上記金属粒子としては、例えば、金、銀、
銅、スズ、亜鉛、ステンレス、アルミニウム、ニッケ
ル、鉄、鉛等が挙げられる。これらは、単独で用いても
よく、2種以上併用してもよい。また、上記金属粒子
は、絶縁性を確保するために、表層が樹脂等により被覆
されていてもよい。
【0049】(5)次に、その材料として熱硬化性樹脂
や樹脂複合体を用いた層間樹脂絶縁層を形成する場合に
は、未硬化の樹脂層に硬化処理を施すとともに、バイア
ホール用開口を形成し、層間樹脂絶縁層とする。上記バ
イアホール用開口は、レーザ処理により形成することが
望ましい。上記レーザ処理は、上記硬化処理前に行って
もよいし、硬化処理後に行ってもよい。また、感光性樹
脂からなる層間樹脂絶縁層を形成した場合には、露光、
現像処理を行うことにより、バイアホール用開口を設け
てもよい。なお、この場合、露光、現像処理は、上記硬
化処理前に行う。
【0050】また、その材料として熱可塑性樹脂を用い
た層間樹脂絶縁層を形成する場合には、熱可塑性樹脂か
らなる樹脂層にレーザ処理によりバイアホール用開口を
形成し、層間樹脂絶縁層とすることができる。
【0051】このとき、使用するレーザとしては、例え
ば、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザ、UVレーザ、Y
AGレーザ等が挙げられる。これらは、形成するバイア
ホール用開口の形状等を考慮して使い分けてもよい。
【0052】上記バイアホール用開口を形成する場合、
マスクを介して、ホログラム方式のエキシマレーザによ
るレーザ光照射することにより、一度に多数のバイアホ
ール用開口を形成することができる。また、短パルスの
炭酸ガスレーザを用いて、バイアホール用開口を形成す
ると、開口内の樹脂残りが少なく、開口周縁の樹脂に対
するダメージが小さい。
【0053】また、光学系レンズとマスクとを介してレ
ーザ光を照射する場合には、一度に多数のバイアホール
用開口を形成することができる。光学系レンズとマスク
とを介することにより、同一強度で、かつ、照射角度が
同一のレーザ光を複数の部分に同時に照射することがで
きるからである。
【0054】また、上記層間樹脂絶縁層の厚さは特に限
定されないが、通常、5〜50μmが望ましい。また、
バイアホール用開口の開口径は特に限定されないが、通
常、40〜200μmが望ましい。
【0055】(6)次に、上記(2)の工程で形成した
外層スルーホール内の外層樹脂充填材層と層間樹脂絶縁
層とを貫通する内層スルーホール用貫通孔を形成する。
上記内層スルーホール用貫通孔は、ドリル加工や、レー
ザ処理等により形成することができる。ここで、レーザ
処理を行う際に用いるレーザとしては、上述したバイア
ホール用開口を形成する際に用いるレーザと同様のもの
等が挙げられる。上記内層スルーホール用貫通孔の開口
径は、75〜200μmが望ましく、100〜150μ
mがより望ましい。また、上記内層スルーホール用貫通
孔とは、別に、貫通孔を形成しておき、この貫通孔壁面
にも無電解めっきを施すことにより、導通用スルーホー
ルとしてもよい。上記内層スルーホール用貫通孔を形成
した後、必要に応じて、該内層スルーホール用貫通孔に
デスミア処理を施してもよい。
【0056】(7)次に、バイアホール用開口の内壁を
含む層間樹脂絶縁層の表面に、必要に応じて、酸または
酸化剤を用いて粗化面を形成する。なお、この粗化面
は、層間樹脂絶縁層とその上に形成する薄膜導体層との
密着性を高めるために形成するものであり、層間樹脂絶
縁層と薄膜導体層との間に充分な密着性がある場合には
形成しなくてもよい。
【0057】上記酸としては、硫酸、硝酸、塩酸、リン
酸、蟻酸等が挙げられ、上記酸化剤としては、クロム
酸、クロム硫酸、過マンガン酸ナトリウム等の過マンガ
ン酸塩等が挙げられる。また、粗化面を形成した後に
は、アルカリ等の水溶液や中和液等を用いて、層間樹脂
絶縁層の表面を中和することが望ましい。次工程に、酸
や酸化剤の影響を与えないようにすることができるから
である。また、上記粗化面の形成は、プラズマ処理等を
用いて行ってもよい。
【0058】(8)次に、バイアホール用開口を設けた
層間樹脂絶縁層の表面に薄膜導体層を形成するととも
に、内層スルーホール用貫通孔の壁面にも薄膜導体層を
形成し、内層スルーホールとする。上記薄膜導体層は、
無電解めっき、スパッタリング、蒸着等の方法を用いて
形成することができる。なお、層間樹脂絶縁層の表面に
粗化面を形成しなかった場合には、上記薄膜導体層は、
スパッタリングにより形成することが望ましい。なお、
無電解めっきにより薄膜導体層を形成する場合には、被
めっき表面に、予め、触媒を付与しておく。上記触媒と
しては、例えば、塩化パラジウム等が挙げられる。
【0059】上記薄膜導体層の厚さは特に限定されない
が、該薄膜導体層を無電解めっきにより形成した場合に
は、0.6〜1.2μmが望ましく、スパッタリングに
より形成した場合には、0.1〜1.0μmが望まし
い。また、上記薄膜導体層の材質としては、例えば、C
u、Ni、P、Pd、Co、W等が挙げられる。これら
のなかでは、CuやNiが望ましい。
【0060】(9)次に、上記薄膜導体層上の一部にド
ライフィルムを用いてめっきレジストを形成し、その
後、上記薄膜導体層をめっきリードとして電解めっきを
行い、上記めっきレジスト非形成部に電解めっき層を形
成する。また、この工程では、内層スルーホール用貫通
孔壁面に形成した薄膜導体層上にも電解めっき層を形成
し、内層スルーホールの厚さを厚くしてもよい。
【0061】(10)次に、めっきレジストを剥離し、
めっきレジストの下に存在していた薄膜導体層をエッチ
ングにより除去し、独立した導体回路(バイアホールを
含む)とする。エッチング液としては、例えば、硫酸−
過酸化水素水溶液、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩水
溶液、塩化第二鉄、塩化第二銅、塩酸等が挙げられる。
また、エッチング液として上述した第二銅錯体と有機酸
とを含む混合溶液を用いてもよい。
【0062】また、上記(9)および(10)に記載し
た方法に代えて、以下の方法を用いることにより導体回
路を形成してもよい。即ち、上記薄膜導体層上の全面に
電解めっき層を形成した後、該電解めっき層上の一部に
ドライフィルムを用いてエッチングレジストを形成し、
その後、エッチングレジスト非形成部下の電解めっき層
および薄膜導体層をエッチングにより除去し、さらに、
エッチングレジストを剥離することにより独立した導体
回路を形成してもよい。
【0063】(11)次に、必要に応じて、上記内層ス
ルーホール用貫通孔内に樹脂充填材を充填し、内層樹脂
充填材層を形成する。ここで用いる樹脂充填材として
は、外層樹脂充填材層を形成する際に用いる樹脂充填材
と同様のもの等が挙げられる。また、この工程では、必
要に応じて、上記(8)の工程で形成した導体回路同士
の間、即ち、導体回路非形成部にも、樹脂充填材を充填
してもよい。
【0064】(12)この後、上記(3)〜(10)の
工程を2回以上繰り返すことにより、層間樹脂絶縁層上
に最上層の導体回路が形成された基板を作製する。な
お、上記(3)〜(10)の工程を何回繰り返すかは、
多層プリント配線板の設計に応じて適宜選択すればよ
い。なお、この繰り返し工程では、スルーホールを形成
しなくてよい。また、この工程では、内層スルーホール
のランド上にバイアホールを形成し、該バイアホールが
スタックビア構造となるように、バイアホールの直上に
バイアホールを形成する。また、バイアホールのランド
を拡大形成する場合には、めっきレジストを形成する際
にめっきレジスト非形成部の大きさを大きくしておけば
よい。
【0065】また、この工程で形成するバイアホール
は、その形状がフィールドビア構造であることが望まし
く、フィールドビア構造のバイアホールの形成は、バイ
アホール用開口を電解めっきで充填してフィールドビア
構造としてもよく、一旦、その上面に窪みを有するバイ
アホールを形成し、その後、この窪みに導電性ペースト
を充填してフィールドビア構造としてもよい。また、上
面に窪みを有するバイアホールを形成した後、その窪み
に樹脂充填材等を充填し、さらに、その上に蓋めっき層
を形成して上面が平坦なバイアホールとしてもよい。
【0066】フィルードビア構造のバイアホールを電解
めっき時に形成する場合は、例えば、下記の組成からな
る電解めっき液を用いて、電解めっき処理を行えばよ
い。即ち、50〜300g/lの硫酸銅、30〜200
g/lの硫酸、25〜90mg/lの塩素イオン、およ
び、少なくともレベリング剤と光沢剤とからなる1〜1
000mg/lの添加剤を含有する電解めっき液を用い
て、電解めっき処理を行えばよい。
【0067】このような組成の電解めっき液では、バイ
アホールの開口径、樹脂絶縁層の材質や厚さ、層間樹脂
絶縁層の粗化面の有無等に関係なく、フィールドビア構
造のバイアホールを形成することができる。加えて、こ
の電解めっき液は、銅イオンを高濃度で含有しているた
め、バイアホール用開口部に銅イオンを充分に供給し、
バイアホール用開口部をめっき速度40〜100μm/
時間でめっきすることができ、電解めっき工程の高速化
につながる。
【0068】また、上記電解めっき液は、100〜25
0g/lの硫酸銅、50〜150g/lの硫酸、30〜
70mg/lの塩素イオン、および、少なくともレベリ
ング剤と光沢剤とからなる1〜600mg/lの添加剤
を含有する組成であることが望ましい。
【0069】また、上記電解めっき液において、上記添
加剤は、少なくともレベリング剤と光沢剤とからなるも
のであればよく、その他の成分を含有していてもよい。
ここで、上記レベリング剤としては、例えば、ポリエチ
レン、ゼラチン、これらの誘導体等が挙げられる。ま
た、上記光沢剤としては、例えば、酸化物硫黄やその関
連化合物、硫化水素やその関連化合物、その他の硫黄化
合物等が挙げられる。
【0070】また、上記レベリング剤の配合量は、1〜
1000mg/lが望ましく、上記光沢剤の配合量は、
0.1〜100mg/lが望ましい。また、両者の配合
比率は、2:1〜10:1が望ましい。
【0071】(13)次に、最上層の導体回路を含む基
板上に、複数の半田バンプ形成用開口を有するソルダー
レジスト層を形成する。具体的には、未硬化のソルダー
レジスト組成物をロールコータやカーテンコータ等によ
り塗布したり、フィルム状に成形したソルダーレジスト
組成物を圧着したりした後、レーザ処理や露光現像処理
により半田バンプ形成用開口を形成し、さらに、必要に
応じて、硬化処理を施すことによりソルダーレジスト層
を形成する。
【0072】上記ソルダーレジスト層は、例えば、ポリ
フェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素
樹脂、熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、ポリイミ
ド樹脂等を含むソルダーレジスト組成物を用いて形成す
ることができる
【0073】また、上記以外のソルダーレジスト組成物
としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂の(メ
タ)アクリレート、イミダゾール硬化剤、2官能性(メ
タ)アクリル酸エステルモノマー、分子量500〜50
00程度の(メタ)アクリル酸エステルの重合体、ビス
フェノール型エポキシ樹脂等からなる熱硬化性樹脂、多
価アクリル系モノマー等の感光性モノマー、グリコール
エーテル系溶剤などを含むペースト状の流動体が挙げら
れ、その粘度は25℃で1〜10Pa・sに調整されて
いることが望ましい。また、上記ソルダーレジスト組成
物は、エラストマーや無機フィラーが配合されていても
よい。また、ソルダーレジスト組成物として、市販のソ
ルダーレジスト組成物を使用してもよい。
【0074】また、上記半田バンプ形成用開口を形成す
る際に用いるレーザとしては、上述したバイアホール用
開口を形成する際に用いるレーザと同様のもの等が挙げ
られる。
【0075】次に、上記半田バンプ形成用開口の底面に
露出した導体回路の表面に、必要に応じて、半田パッド
を形成する。上記半田パッドは、ニッケル、パラジウ
ム、金、銀、白金等の耐食性金属により上記導体回路表
面を被覆することにより形成することができる。具体的
には、ニッケル−金、ニッケル−銀、ニッケル−パラジ
ウム、ニッケル−パラジウム−金等の金属により形成す
ることが望ましい。また、上記半田パッドは、例えば、
めっき、蒸着、電着等の方法を用いて形成することがで
きるが、これらのなかでは、被覆層の均一性に優れると
いう点からめっきが望ましい。
【0076】(14)次に、上記半田バンプ形成用開口
に半田ペーストを充填し、リフロー処理を施したり、半
田ペースト充填した後、導電性ピンを取り付け、さらに
リフロー処理を施したりすることにより半田バンプやB
GA(Ball Grid Array) 、PGA(Pin Grid Array) を
形成する。なお、製品認識文字などを形成するための文
字印刷工程やソルダーレジスト層の改質のために、酸素
や四塩化炭素などのプラズマ処理を適時行ってもよい。
このような工程を経ることにより第一の本発明の多層プ
リント配線板を製造することができる。
【0077】次に、第二の本発明の多層プリント配線板
について説明する。第二の本発明の多層プリント配線板
は、基板上に、導体回路と層間樹脂絶縁層とが順次積層
され、上記層間樹脂絶縁層を挟んだ導体回路間がバイア
ホールを介して接続されるとともに、少なくとも上記基
板を挟んだ導体回路間がスルーホールを介して接続され
た多層プリント配線板であって、上記スルーホールは、
上記基板の貫通孔壁面に形成された外層スルーホール
と、上記外層スルーホールの内部に外層樹脂充填材層を
介して形成された内層スルーホールとからなる同軸スル
ーホールであるとともに、その内層スルーホール上には
蓋めっき層が形成されており、上記バイアホールのう
ち、階層の異なるバイアホール同士は、スタックビア構
造となるように形成されるとともに、上記階層の異なる
バイアホールのうちの少なくとも1つは、そのランド
が、上記スタックビア構造のバイアホールの周囲に形成
された導体回路非形成領域に拡大して形成されており、
上記スタックビア構造を有するバイアホールは、上記蓋
めっき層上に積層されていることを特徴とする。従っ
て、第二の本発明の多層プリント配線板は、同軸スルー
ホールの内層スルーホール上に蓋めっき層が形成されて
おり、該蓋めっき層の直上にスタックビア構造を有する
バイアホールが形成されている点で、第一の本発明の多
層プリント配線板とは、その構成を異にする。
【0078】図4は、第二の本発明の多層プリント配線
板の一実施形態の一部を模式的に示す部分断面図であ
る。多層プリント配線板400では、基板101を挟ん
だ導体回路間を接続する外層スルーホール109aと、
基板101と層間樹脂絶縁層102とを挟んだ導体回路
間を接続する内層スルーホール109bとからなる同軸
スルーホール109が形成されており、内層スルーホー
ル109b上には蓋めっき層111が形成されている。
また、蓋めっき層111の直上には、スタックビア構造
を有するバイアホール1071〜1073が形成されて
いる。
【0079】このような構成の多層プリント配線板で
は、内層スルーホールの直上に、蓋めっき層を介して、
スタックビア構造を有するバイアホールが形成されてい
るため、基板等を挟んだ導体回路の配線距離が短くな
り、信号電送時間を短縮することができるともに、導体
回路の設計の自由度が向上するため、高密度配線により
対応し易くなる。なお、上記同軸スルーホールの構成
は、上述したように、内層スルーホール上に蓋めっき層
が形成されている以外は、第一の本発明の多層プリント
配線板の同軸スルーホールの構成と同様である。
【0080】また、第二の本発明の多層プリント配線板
において、階層の異なるバイアホールのうちの少なくと
も一つは、そのランドが、スタックビア構造のバイアホ
ールの周囲に形成された導体回路非形成領域に拡大して
形成されている。即ち、拡大形成されたバイアホールの
ランドにより導体回路非形成領域が補強されるように、
または、導体回路非形成領域がバイアホールおよびバイ
アホールのランドで埋められるようにバイアホールが形
成されている。具体的には、例えば、第一の本発明の多
層プリント配線板と同様の構成等であればよい。即ち、
図4に示す多層プリント配線板400のように、内層の
バイアホール1072のランドが最外層のバイアホール
1071のランドよりも大きくなるように拡大形成さ
れ、スタックビア構造のバイアホールの周囲に形成され
た導体回路非形成領域(A1 領域)にバイアホール10
72のランド部分1072aが存在する構成や、最下層
のバイアホールのランドが最外層のバイアホールのラン
ドよりも大きくなるように拡大形成され、上記導体回路
非形成領域(A1 領域)にバイアホールのランド部分が
存在する構成、内層のバイアホールのランドおよび最外
層のバイアホールのランドの一部が、上記導体回路非形
成領域の異なる部分で最外層のバイアホールのランドよ
りも大きくなるように拡大形成された構成等であればよ
い。また、内層のバイアホールのランドと最下層のバイ
アホールのランドとがともに、最外層のバイアホールの
ランドより大きくなるように拡大形成された構成であっ
てもよい。
【0081】バイアホールのランドが拡大形成されてい
る場合には、第一の本発明の多層プリント配線板と同
様、バイアホールおよびそのランド部分が、層間樹脂絶
縁層の補強材としての役割を果たすこととなり、層間樹
脂絶縁層の機械的強度が向上し、特に、バイアホール近
傍の層間樹脂絶縁層でクラックが発生しにくくなる。こ
れは、スタックビア構造のバイアホールの周囲に形成さ
れた導体回路非形成領域の一部にバイアホールのランド
部分が存在することとなり、この部分が特に層間樹脂絶
縁層の補強材として役割を果たすこととなるからであ
る。また、第二の本発明の多層プリント配線板において
も、スタックビア構造を有するバイアホールの層数は、
2層以上であれば特に限定されず、図示した多層プリン
ト配線板のように3層であってもよいし、2層や4層以
上であってもよい。また、拡大して形成されたバイアホ
ールのランドの一部は、第一の本発明の多層プリント配
線板と同様、スタックビア構造のバイアホールの周囲に
形成された導体回路非形成領域を平面視した際に、上記
導体回路非形成領域の幅の1/2以上の領域に存在して
いることが望ましく、上記導体回路非形成領域の全部に
存在していることがより望ましい。
【0082】また、第二の本発明の多層プリント配線板
においても、バイアホールはスタックビア構造を有する
ように形成されているため、下層バイアホールの形状
は、フィールドビア形状であることが望ましい。
【0083】また、第二の本発明の多層プリント配線板
では、内層スルーホールの直上にスタックビア構造のバ
イアホールが形成されており、より接続信頼性に優れる
多層プリント配線板とするために、内層スルーホール上
には蓋めっき層が形成されている。蓋めっき層は、その
表面が平坦であるため、バイアホールを形成するのに適
しているからである。また、上記蓋めっき層は、1層か
らなるものであってもよいし、2層以上からなるもので
あってもよい。また、内層スルーホール内には、樹脂充
填材層が形成されていることが望ましい。樹脂充填材で
内層スルーホール内を充填することが上記蓋めっき層を
形成するのに適しているからである。
【0084】次に、第二の本発明の多層プリント配線板
を製造する方法について説明する。第二の本発明の多層
プリント配線板は、上述したように、同軸スルーホール
の内層スルーホール上に蓋めっき層が形成されており、
該蓋めっき層の直上にスタックビア構造を有するバイア
ホールが形成されている点で第一の本発明の多層プリン
ト配線板とは、その構成を異にする。従って、第二の本
発明の多層プリント配線板は、内層スルーホール上に蓋
めっき層を形成し、該蓋めっき層の直上にバイアホール
を形成する以外は、第一の本発明の多層プリント配線板
を製造する方法と同様の方法で製造することができる。
【0085】具体的には、例えば、第一の本発明の多層
プリント配線板を製造方法の(1)〜(10)の工程を
経て、基板や層間樹脂絶縁層を挟んだ導体回路間を接続
する同軸スルーホールを形成し、さらに、必要に応じ
て、内層樹脂充填材層の形成と、導体回路表面の粗化処
理とを行った後、内層スルーホール上に蓋めっき層を形
成し、第一の本発明の多層プリント配線板を製造方法の
(12)の工程において、バイアホールを上記蓋めっき
層上に形成する以外は、第一の本発明の多層プリント配
線板を製造する方法と同様の方法で製造することができ
る。
【0086】なお、上記蓋めっき層は、例えば、下記
(a)〜(c)の工程を経ることにより形成することが
できる。 即ち、(a)外層スルーホールと内層スルーホールとか
らなる同軸スルーホールを形成し、内層スルーホール内
に樹脂充填材層を形成した後、樹脂充填材層の露出面を
含む基板の表面に、無電解めっき処理やスパッタリング
等を用いて薄膜導体層を形成する。なお、無電解めっき
処理を用いる場合には、被めっき表面に予め触媒を付与
しておく。 (b)次に、内層スルーホール(樹脂充填材層を含む)
上以外の部分に、めっきレジストを形成し、さらに、上
記薄膜導体層をめっきリードとして電解めっきを行う。 (c)ついで、電解めっき終了後、めっきレジストの剥
離と該めっきレジスト下の薄膜導体層の除去とを行うこ
とにより薄膜導体層と電解めっき層との2層からなる蓋
めっき層を形成することができる。なお、触媒の付与か
ら薄膜導体層の除去に至る、この(a)〜(c)の工程
は、第一の本発明の多層プリント配線板の(8)〜(1
0)と同様の方法等を用いて行うことができる。
【0087】また、1層からなる蓋めっき層を形成する
場合には、例えば、樹脂充填材層の露出面を含む基板の
表面に触媒を付与した後、スルーホール上以外の部分に
めっきレジストを形成し、その後、無電解めっき処理
と、めっきレジストの除去を行えばよい。
【0088】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 (実施例1) A.層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量46
9、油化シェルエポキシ社製エピコート1001)30
重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキ
シ当量215、大日本インキ化学工業社製 エピクロン
N−673)40重量部、トリアジン構造含有フェノー
ルノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120、大
日本インキ化学工業社製 フェノライトKA−705
2)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重
量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱
溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム
(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)
15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシ
メチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリ
カ2重量部、シリコン系消泡剤0.5重量部を添加しエ
ポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組
成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さ
が50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布し
た後、80〜120℃で10分間乾燥させることによ
り、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
【0089】B.樹脂充填材の調製 ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社
製、分子量:310、YL983U)100重量部、表
面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒
径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のS
iO2 球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−
CE)170重量部およびレベリング剤(サンノプコ社
製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌
混合することにより、その粘度が25±1℃で30〜8
0Pa・sの樹脂充填材を調製した。なお、硬化剤とし
ては、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ
−CN)6.5重量部を用いた。なお、この樹脂充填材
における無機粒子(SiO2 球状粒子)の配合量は、5
0体積%である。
【0090】C.プリント配線板の製造方法 (1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT
(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる基板1の両
面に18μmの銅箔8がラミネートされている銅張積層
板を出発材料とした(図5(a)参照)。まず、この銅
張積層板をドリル削孔して、開口径350μmの外層ス
ルーホール用貫通孔および開口径250μmの導通用ス
ルーホール用貫通孔を形成し、さらに、無電解めっき処
理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基
板1の両面に下層導体回路4と外層スルーホール9aお
よび導通用スルーホール9cとを形成した(図5(b)
参照)。
【0091】(2)次に、外層スルーホール9aおよび
導通用スルーホール9cと下層導体回路4とを形成した
基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/
l)、NaClO2 (40g/l)、Na3 PO4 (6
g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処
理、および、NaOH(10g/l)、NaBH4 (6
g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、
スルーホール9a、9cを含む下層導体回路4の全表面
に粗化面(図示せず)を形成した。
【0092】(3)次に、上記Bに記載した樹脂充填材
を調製した後、下記の方法により調整後24時間以内
に、外層スルーホール9aおよび導通用スルーホール9
c内、ならびに、基板1の導体回路非形成部と下層導体
回路4の外縁部とに樹脂充填材の層10′を形成した。
即ち、まず、スキージを用いて外層スルーホール9aお
よび導通用スルーホール9c内に樹脂充填材を押し込ん
だ後、100℃、20分の条件で乾燥させた。次に、導
体回路非形成部に相当する部分が開口したマスクを基板
上に載置し、スキージを用いて凹部となっている導体回
路非形成部に樹脂充填材の層10′形成し、100℃、
20分の条件で乾燥させた(図5(c)参照)。
【0093】(4)上記(3)の処理を終えた基板の片
面を、#600のベルト研磨紙(三共理化学製)を用い
たベルトサンダー研磨により、下層導体回路4の表面や
スルーホール9a、9cのランド表面に樹脂充填材が残
らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨
による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このよう
な一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行っ
た。次いで、100℃で1時間、150℃で1時間の加
熱処理を行って樹脂充填材層10を形成した。
【0094】このようにして、スルーホール9a、9c
や導体回路非形成部に形成された樹脂充填材層10の表
層部および下層導体回路4の表面を平坦化し、樹脂充填
材層10と下層導体回路4の側面とが粗化面を介して強
固に密着し、またスルーホール9a、9cの内壁面と樹
脂充填材層10とが粗化面を介して強固に密着した絶縁
性基板を得た(図5(d)参照)。即ち、この工程によ
り、樹脂充填材層10の表面と下層導体回路4の表面が
同一平面となる。
【0095】(5)上記基板を水洗、酸性脱脂した後、
ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両
面にスプレイで吹きつけて、下層導体回路4の表面と外
層スルーホール9aおよび導通用スルーホール9cのラ
ンド表面とをエッチングすることにより、下層導体回路
4の全表面に粗化面(図示せず)を形成した。なお、エ
ッチング液としては、イミダゾール銅(II)錯体10
重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部
からなるエッチング液(メック社製、メックエッチボン
ド)を使用した。
【0096】(6)次に、基板の両面に、上記Aで作製
した基板より少し大きめの層間樹脂絶縁層用樹脂フィル
ムを基板上に載置し、圧力0.4MPa、温度80℃、
圧着時間10秒の条件で仮圧着して裁断した後、さら
に、以下の方法により真空ラミネーター装置を用いて張
り付け、その後、熱硬化させることにより層間樹脂絶縁
層2を形成した(図5(e)参照)。すなわち、層間樹
脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に、真空度67Pa、
圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時間60秒の条件
で本圧着して張り付け、その後、170℃で30分間熱
硬化させた。
【0097】(7)次に、層間樹脂絶縁層2上に、厚さ
1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長
10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0
mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マス
クの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間樹
脂絶縁層2に、直径80μmのバイアホール用開口6を
形成した。
【0098】(8)次に、ドリルを用いて、外層スルー
ホール9a内の樹脂充填材層10と基板の両面に形成し
た層間樹脂絶縁層2とを貫通する内層スルーホール用貫
通孔9b′を形成した(図6(a)参照)。なお、内層
スルーホール用貫通孔9b′の開口径は、150μmで
ある。なお、この後、外層スルーホール内に充填されて
いた樹脂充填材層は、外層樹脂充填材層10aというこ
ととする。
【0099】(9)さらに、バイアホール用開口6およ
び内層スルーホール用貫通孔を形成した基板を、60g
/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬
し、層間樹脂絶縁層2の表面に存在するエポキシ樹脂粒
子を溶解除去することにより、バイアホール用開口6の
内壁を含む層間樹脂絶縁層2の表面を粗化面(図示せ
ず)とした。
【0100】(10)次に、上記処理を終えた基板を、
中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。
さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した層間樹脂絶
縁層2の表面(バイアホール用開口6の内壁面を含む)
および内層スルーホール用貫通孔9b′の壁面に、パラ
ジウム触媒(アトテック社製)を付与することにより、
層間樹脂絶縁層2の表面および内層スルーホール用貫通
孔9b′の壁面に触媒核を付着させた。
【0101】(11)次に、以下の組成の無電解銅めっ
き水溶液中に基板を浸漬して、層間樹脂絶縁層2の表面
および内層スルーホール用貫通孔9b′の壁面全体に厚
さ0.6〜3.0μmの薄膜導体層12を形成した(図
6(b)参照)。 〔無電解めっき水溶液〕 NiSO4 0.003 mol/l 酒石酸 0.200 mol/l 硫酸銅 0.030 mol/l HCHO 0.050 mol/l NaOH 0.100 mol/l α、α′−ビピリジル 40 mg/l ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l 〔無電解めっき条件〕35℃の液温度で40分
【0102】(12)次に、市販の感光性ドライフィル
ムを薄膜導体層12に貼り付け、マスクを載置して、1
00mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水
溶液で現像処理することにより、めっきレジスト3を設
けた(図6(c)参照)。
【0103】(13)次に、基板を50℃の水で洗浄し
て脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄して
から、以下の条件で電解銅めっきを施し、電解銅めっき
層13を形成した(図6(d)参照)。なお、この工程
では、内層スルーホール用貫通孔の壁面に形成した薄膜
導体層12上にも電解銅めっき層13を形成した。 〔電解めっき液〕 硫酸 2.24 mol/l 硫酸銅 0.26 mol/l 添加剤 19.5 ml/l (アトテックジャパン社製、カパラシドGL) 〔電解めっき条件〕 電流密度 1 A/dm2 時間 65 分 温度 22±2 ℃
【0104】(14)続いて、50℃の40g/lNa
OH水溶液中でめっきレジスト3を剥離除去した。その
後、基板に150℃で1時間の加熱処理を施し、硫酸−
過酸化水素水溶液を含むエッチング液を用いて、めっき
レジスト3下に存在した薄膜導体層を除去し、独立した
導体回路5(バイアホール7を含む)と内層スルーホー
ル9bとを形成した(図7(a)参照)。
【0105】(15)次に、内層スルーホール9b内に
樹脂充填材を充填し、乾燥、硬化処理および研磨処理を
施すことにより、内層樹脂充填材層10bを形成した
(図7(b)参照)。具体的には、上記Bで調製した樹
脂充填材を用い、上記(3)および(4)の工程と同様
の方法を用いて内層樹脂充填材層を形成した。また、こ
の工程では、導体回路5(バイアホール7を含む)非形
成部にも樹脂充填材層10を形成した。
【0106】(16)次に、上記(5)の工程で用いた
方法と同様の方法により、導体回路表面と、内層スルー
ホール9bのランド表面とに粗化面(図示せず)を形成
した。さらに、上記(6)の工程と同様にして、層間樹
脂絶縁層用樹脂フィルムを張り付け、その後、170℃
で30分間熱硬化させることにより層間樹脂絶縁層2を
形成した。
【0107】(17)次に、上記(7)の工程と同様に
して、直径80μmのバイアホール用開口を形成した。
なお、バイアホール用開口は、内層スルーホール9bの
ランド上に形成した。
【0108】(18)次に、上記(9)の工程と同様に
して、バイアホール用開口6の壁面を含む層間樹脂絶縁
層2の表面に粗化面(図示せず)を形成し、さらに、上
記(10)〜(11)の工程と同様にして、層間樹脂絶
縁層2の表面(バイアホール用開口の内壁面を含む)に
触媒核を付着させた後、無電解めっき処理により、薄膜
導体層12を形成した。
【0109】(19)次に、市販の感光性ドライフィル
ムを薄膜導体層12に貼り付け、マスクを載置して、1
00mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水
溶液で現像処理することにより、めっきレジスト3を設
けた。なお、バイアホールを形成するためのめっきレジ
スト非形成部分の形状は、平面視形状が円形で、その直
径L1 が150μmである(図7(c)参照)。
【0110】(20)ついで、基板を50℃の水で洗浄
して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄し
てから、以下の条件で電解銅めっきを施し、電解銅めっ
き層13を形成した(図8(a)参照)。なお、下記の
組成からなる電解めっき液を用いることにより、バイア
ホール用開口内は電解銅めっき層で完全に充填されるこ
ととなる。従って、後工程を経て形成されるバイアホー
ルはその形状がフィールドビア形状となる。 〔電解めっき水溶液〕 CuSO4 ・5H2 O 210g/l 硫酸 150g/l Cl- 40mg/l ポリエチレングリコール 300mg/l ビスジスルフィド 100mg/l 〔電解めっき条件〕 電流密度 1.0A/dm2 時間 60 分 温度 25 ℃
【0111】(21)続いて、50℃の40g/lNa
OH水溶液中でめっきレジスト3を剥離除去した。その
後、基板に150℃で1時間の加熱処理を施し、硫酸−
過酸化水素水溶液を含むエッチング液を用いて、めっき
レジスト下に存在した薄膜導体層を除去し、独立した導
体回路5とフィールドビア形状のバイアホール7とを形
成した(図8(b)参照)。
【0112】(22)上記(16)〜(21)の工程を
繰り返すことにより、さらに上層の層間樹脂絶縁層2と
導体回路5(バイアホール7を含む)とを形成した(図
8(c)〜図9(b)参照)。なお、バイアホールを形
成するためのめっきレジスト非形成部分の形状は、平面
視形状が円形で、その直径が250μmであり、形成し
たバイアホール7は、その形状がフィールドビア形状
で、そのランド径が85μmである。従って、この工程
で形成したバイアホールは、そのランドが拡大形成され
ている。
【0113】(23)さらに、上記(16)〜(21)
の工程を繰り返すことにより、さらに上層の層間樹脂絶
縁層2と導体回路5(バイアホール7を含む)とを形成
し、多層配線板を得た(図9(c)〜図11(a)参
照)。なお、バイアホールを形成するためのめっきレジ
スト非形成部分の形状は、平面視形状が円形で、その直
径が150μmであり、形成したバイアホールは、その
形状が上面が窪んだ形状であり、そのランド径が35μ
mである。また、この繰り返し工程において、電解めっ
き液としては、上記(20)の工程で用いた電解めっき
液に代えて、上記(13)の工程で用いた電解めっき液
を使用した。また、この工程で形成したバイアホールと
隣接する導体回路との距離は50μmである。
【0114】(24)次に、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるよ
うに溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した
感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.6
7重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%
のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、
商品名:エピコート1001)15.0重量部、イミダ
ゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−C
N)1.6重量部、感光性モノマーである多価アクリル
モノマー(日本化薬社製、商品名:R604)3.0重
量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商
品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サン
ノプコ社製、S−65)0.71重量部を容器にとり、
攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に
対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社
製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン
(関東化学社製)0.2重量部を加え、粘度を25℃で
2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得
た。なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、D
VL−B型)で60min-1(rpm)の場合はロータ
ーNo.4、6min-1(rpm)の場合はローターN
o.3によった。
【0115】(25)次に、多層配線基板の両面に、上
記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、
70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理
を行った後、半田パッドのパターンが描画された厚さ5
mmのフォトマスクをソルダーレジスト層に密着させて
1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG溶液
で現像処理し、直径80μmの開口を形成した。そし
て、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、12
0℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱
処理を行ってソルダーレジスト層を硬化させ、半田バン
プ形成用開口を有し、その厚さが20μmのソルダーレ
ジスト層14を形成した。
【0116】(26)次に、過硫酸ナトリウムを主成分
とするエッチング液中にソルダーレジスト層14が形成
された基板を1分間浸漬し、導体回路表面に平均粗度
(Ra)が1μm以下の粗化面(図示せず)を形成し
た。さらに、この基板を、塩化ニッケル(2.3×10
-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10
-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10 -1
mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっ
き液に20分間浸漬して、開口部に厚さ5μmのニッケ
ルめっき層15を形成した。さらに、その基板をシアン
化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩化アン
モニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン酸ナト
リウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン酸ナト
リウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電解金め
っき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケル
めっき層15上に、厚さ0.03μmの金めっき層16
を形成し、半田パッドとした。
【0117】(27)この後、ソルダーレジスト層14
上に、マスクを載置し、ピストン式圧入型印刷機を用い
て、半田バンプ形成用開口に半田ペーストを印刷した。
その後、半田ペーストを250℃でリフローし、さら
に、フラックス洗浄を行うことにより、半田バンプを備
えた多層プリント配線板を得た(図11(b)参照)。
【0118】(実施例2)実施例1の(27)の工程に
おいて、ソルダーレジスト層の片面に、下記の方法を用
いてPGAを形成した以外は、実施例1と同様にして多
層プリント配線板を製造した。 (PGAの形成)実施例1の(1)〜(26)の工程を
経て、半田パッドを有する半田バンプ形成用開口を形成
した後、該半田バンプ形成用開口内に半田ペーストを印
刷する。次に、導電性接ピンををピン保持装置に取り付
けて支持し、導電性接続ピンの固定部を半田バンプ形成
用開口内の半田ペーストに当接させる。その後、リフロ
ー処理を施すことによりPGAを形成した。なお、PG
Aを形成した側と反対側のソルダーレジスト層には、実
施例1の(26)の工程と同様の方法を用いて半田バン
プを形成した。
【0119】(実施例3)実施例1の(6)および
(7)の工程において、以下の方法を用いて、バイアホ
ール用開口を有する層間樹脂絶縁層を形成した以外は、
実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
即ち、実施例1の(1)〜(5)の工程を経た後、感光
性樹脂組成物B(粘度:1.5Pa・s)を調製後24
時間以内にロールコータを用いて塗布し、水平状態で2
0分間放置してから、60℃で30分間の乾燥(プリベ
ーク)を行った。次いで、感光性樹脂組成物A(粘度:
7Pa・s)を調製後24時間以内にロールコータを用
いて塗布し、同様に水平状態で20分間放置してから、
60℃で30分間の乾燥(プリベーク)を行い、2層か
らなる半硬化状態の樹脂層を形成した。
【0120】次に、半硬化状態の樹脂層を形成した基板
の両面に、直径80μmの黒円が印刷されたフォトマス
クフィルムを密着させ、超高圧水銀灯により500mJ
/cm 2 の強度で露光した後、DMDG溶液でスプレー
現像した。この後、さらに、この基板を超高圧水銀灯に
より3000mJ/cm2 の強度で露光し、100℃で
1時間、120℃で1時間、150で3時間の加熱処理
を施し、フォトマスクフィルムに相当する寸法精度に優
れた直径80μmのバイアホール用開口を有する層間樹
脂絶縁層を形成した。
【0121】なお、感光性樹脂組成物AおよびBは下記
の方法により調製した。 〔感光性樹脂組成物Aの調製〕 (i) クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社
製、分子量:2500)の25%アクリル化物を80重
量%の濃度でジエチレングリコールジメチルエーテル
(DMDG)に溶解させた樹脂液35重量部、感光性モ
ノマー(東亜合成社製、アロニックスM315)3.1
5重量部、消泡剤(サンノプコ社製 S−65)0.5
重量部およびN−メチルピロリドン(NMP)3.6重
量部を容器にとり、攪拌混合することにより混合組成物
を調製した。
【0122】(ii)ポリエーテルスルフォン(PES)1
2重量部、エポキシ樹脂粒子(三洋化成社製、ポリマー
ポール)の平均粒径1.0μmのもの7.2重量部およ
び平均粒径0.5μmのもの3.09重量部を別の容器
にとり、攪拌混合した後、さらにNMP30重量部を添
加し、ビーズミルで攪拌混合し、別の混合組成物を調製
した。
【0123】(iii) イミダゾール硬化剤(四国化成社
製、2E4MZ−CN)2重量部、光重合開始剤(チバ
・スペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガキュアー
I−907)2重量部、光増感剤(日本化薬社製、DE
TX−S)0.2重量部およびNMP1.5重量部をさ
らに別の容器にとり、攪拌混合することにより混合組成
物を調製した。そして、(i) 、(ii)および(iii) で調製
した混合組成物を混合することにより感光性樹脂組成物
を得た。
【0124】〔感光性樹脂組成物Bの調製〕 (i) クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社
製、分子量:2500)の25%アクリル化物を80重
量%の濃度でジエチレングリコールジメチルエーテル
(DMDG)に溶解させた樹脂液35重量部、感光性モ
ノマー(東亜合成社製、アロニックスM315)4重量
部、消泡剤(サンノプコ社製 S−65)0.5重量部
およびN−メチルピロリドン(NMP)3.6重量部を
容器にとり、攪拌混合することにより混合組成物を調製
した。
【0125】(ii)ポリエーテルスルフォン(PES)1
2重量部、および、エポキシ樹脂粒子(三洋化成社製、
ポリマーポール)の平均粒径0.5μmのもの14.4
9重量部を別の容器にとり、攪拌混合した後、さらにN
MP30重量部を添加し、ビーズミルで攪拌混合し、別
の混合組成物を調製した。
【0126】(iii) イミダゾール硬化剤(四国化成社
製、2E4MZ−CN)2重量部、光重合開始剤(チバ
・スペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガキュアー
I−907)2重量部、光増感剤(日本化薬社製、DE
TX−S)0.2重量部およびNMP1.5重量部をさ
らに別の容器にとり、攪拌混合することにより混合組成
物を調製した。そして、(i) 、(ii)および(iii) で調製
した混合組成物を混合することにより感光性樹脂組成物
を得た。
【0127】(実施例4) A.層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製および樹脂充
填材の調製 実施例1と同様にして、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルム
の作製、および、樹脂充填材の調製を行った。
【0128】C.プリント配線板の製造方法 (1)実施例1の(1)〜(14)の工程と同様の工程
を経て、その両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが形成
されるとともに、外層スルーホールと内層スルーホール
とからなる同軸スルーホールが形成された基板を作製し
た(図12(a)〜図14(a)参照)
【0129】(2)次に、内層スルーホール9b内に樹
脂充填材を充填し、乾燥、硬化処理および研磨処理を施
すことにより、内層樹脂充填材層10bを形成した(図
14(b)参照)。具体的には、上記Aで調製した樹脂
充填材を用い、実施例1の(3)および(4)の工程と
同様の方法を用いて内層樹脂充填材層を形成した。ま
た、この工程では、導体回路5(バイアホール7を含
む)非形成部にも樹脂充填材層10を形成し、導体回路
(内層スルーホール9bのランド部分を含む)表面と樹
脂充填材層の表面とを同一平面とした。
【0130】(3)次に、基板の表面にパラジウム触媒
(アトテック社製)を付与することにより、導体回路5
(内層スルーホール9bのランド部分およびバイアホー
ル7を含む)表面および樹脂充填材層10bの表面に触
媒核を付着させた。さらに、実施例1の(11)の工程
で用いた無電解めっき液と同様の組成の無電解銅めっき
水溶液中に基板を浸漬して、表面全体に厚さ0.6〜
3.0μmの薄膜導体層を形成した。
【0131】(4)次に、市販の感光性ドライフィルム
を用いて、内層スルーホール9b(内層樹脂充填材層1
0bを含む)上以外の部分にめっきレジスト3を形成し
た(図14(c)参照)。さらに,基板を50℃の水で
洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗
浄してから、以下の条件で電解銅めっきを施し、スルー
ホール上に電解銅めっき層13を形成した(図15
(a)参照)。 〔電解めっき液〕 硫酸 2.24 mol/l 硫酸銅 0.26 mol/l 添加剤 19.5 ml/l (アトテックジャパン社製、カパラシドGL) 〔電解めっき条件〕 電流密度 1 A/dm2 時間 65 分 温度 22+2 ℃
【0132】(5)さらに、50℃の40g/lNaO
H水溶液中でめっきレジストを剥離除去し、その後、硫
酸−過酸化水素水溶液を含むエッチング液を用いて、め
っきレジスト下に存在した薄膜導体層12を除去し、蓋
めっき層11とした(図15(b)参照)。
【0133】(6)次に、実施例1の(5)の工程で用
いた方法と同様の方法により、導体回路5表面と、蓋め
っき層11表面とに粗化面(図示せず)を形成した。さ
らに、実施例1の(6)の工程と同様にして、層間樹脂
絶縁層用樹脂フィルムを張りつけ、その後、170℃で
30分間熱硬化させることにより層間樹脂絶縁層2を形
成した。
【0134】(7)次に、層間樹脂絶縁層2上に、厚さ
1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長
10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0
mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マス
クの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間樹
脂絶縁層2に、直径80μmのバイアホール用開口6を
形成した(図15(c)参照)。なお、バイアホール用
開口6は、蓋めっき層11上に形成した。
【0135】(8)次に、実施例1の(9)の工程と同
様にして、バイアホール用開口6の壁面を含む層間樹脂
絶縁層2の表面に粗化面(図示せず)を形成し、さら
に、実施例1の(10)〜(11)の工程と同様にし
て、層間樹脂絶縁層2の表面(バイアホール用開口6の
内壁面を含む)に触媒核を付着させた後、無電解めっき
処理により、薄膜導体層12を形成した(図16(a)
参照)。
【0136】(9)次に、市販の感光性ドライフィルム
を薄膜導体層12に貼り付け、マスクを載置して、10
0mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶
液で現像処理することにより、めっきレジスト3を設け
た。なお、バイアホールを形成するためのめっきレジス
ト非形成部分の形状は、平面視形状が円形で、その直径
が150μmである。
【0137】(10)ついで、基板を50℃の水で洗浄
して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄し
てから、実施例1の(20)の工程と同様の条件で電解
銅めっきを施し、電解銅めっき層13を形成した(図1
6(b)参照)。なお、この工程を経ることにより、バ
イアホール用開口6内は電解銅めっき層で完全に充填さ
れることとなる。従って、後工程を経て形成されるバイ
アホールはその形状がフィールドビア形状となる。
【0138】(11)続いて、50℃の40g/lNa
OH水溶液中でめっきレジスト3を剥離除去した。その
後、基板に150℃で1時間の加熱処理を施し、硫酸−
過酸化水素水溶液を含むエッチング液を用いて、めっき
レジスト下に存在した薄膜導体層を除去し、独立した導
体回路5とフィールドビア形状のバイアホール7とを形
成した(図16(c)参照)。なお、この工程で形成し
たバイアホールは、そのランド径が35μmである。
【0139】(12)上記(6)〜(11)の工程を繰
り返すことにより、さらに上層の層間樹脂絶縁層2と導
体回路5(バイアホール7を含む)とを形成した(図1
7(a)〜(c)参照)。なお、バイアホールを形成す
るためのめっきレジスト非形成部分の形状は、平面視形
状が円形で、その直径が250μmであり、形成したバ
イアホール7は、その形状がフィールドビア形状で、そ
のランド径が85μmである。従って、この工程で形成
したバイアホールは、そのランドが拡大形成されてい
る。
【0140】(13)さらに、上記(6)〜(11)の
工程を再度、繰り返すことにより、さらに上層の層間樹
脂絶縁層2と導体回路5(バイアホール7を含む)とを
形成し、多層配線板を得た(図18(a)〜図19
(a)参照)。なお、バイアホールを形成するためのめ
っきレジスト非形成部分の形状は、平面視形状が円形
で、その直径が150μmであり、形成したバイアホー
ルは、その形状が上面が窪んだ形状であり、そのランド
径が35μmである。また、この繰り返し工程におい
て、電解めっき液としては、上記(10)の工程で用い
た電解めっき液に代えて、実施例1の(13)の工程で
用いた電解めっきを使用した。また、この工程で形成し
たバイアホールと隣接する導体回路との距離は50μm
である。
【0141】(14)次に、実施例1の(24)〜(2
7)の工程と同様にして半田バンプを備えた多層プリン
ト配線板を得た(図19(b)参照)。
【0142】(実施例5)実施例4の(9)の工程にお
いて、バイアホールを形成するためのめっきレジスト非
形成部分の形状を、平面視形状が円形で、その直径が2
50μmである形状とした以外は、実施例4と同様にし
て多層プリント配線板を製造した。その結果、スタック
ビア構造に形成されたバイアホールのうちの最下層およ
び内層のバイアホールのランド径が85μmで、最外層
のバイアホールのランド径が35μmの多層プリント配
線板を得た(図20(a)参照)。従って、本実施例で
製造した多層プリント配線板では、最下層および内層の
バイアホールのランドが拡大形成されている。
【0143】(実施例6)実施例4の(9)の工程にお
いて、バイアホールを形成するためのめっきレジスト非
形成部分を、平面視形状が直径200μmの円形で、バ
イアホールの最大ランド径が85μmとなるような形状
に形成し、実施例の(12)の工程において、バイアホ
ールを形成するためのめっきレジスト非形成部分を、平
面視形状が直径200μmの円形で、バイアホールの最
大ランド径が85μmで、かつ、最大ランド径を有する
方向が、上記(9)の工程で形成した最大ランド径を有
する方向と反対方向となるような形状に形成した以外
は、実施例4と同様にして多層プリント配線板を製造し
た。
【0144】その結果、スタックビア構造に形成された
バイアホールのうちの最下層と内層とのバイアホールラ
ンド径が、最大ランド径85μmで、最小ランド径35
μmで、かつ、最大ランド径を有する方向が、最下層の
バイアホールと内層のバイアホールとで互いに反対方向
である多層プリント配線板を得た(図20(b)参
照)。従って、本実施例で製造した多層プリント配線板
では、最下層および内層のバイアホールのランドが拡大
形成されている。
【0145】(比較例1)スタックビア構造を有するバ
イアホールにおいて、そのランド径が全て35μmとな
るようにした以外は、実施例2と同様にして多層プリン
ト配線板を製造した。
【0146】(比較例2)スタックビア構造を有するバ
イアホールにおいて、そのランド径が全て35μmとな
るようにした以外は、実施例4と同様にして多層プリン
ト配線板を製造した。
【0147】実施例1〜6および比較例1、2で得られ
た多層プリント配線板について、ヒートサイクル試験前
後のスタックビア構造を有するバイアホールの断面の形
状観察、および、導通試験を行った。
【0148】評価方法 (1)ヒートサイクル試験 −65℃で3分間および130℃で3分間放置するサイ
クルを1000サイクル繰り返した。 (2)導通試験 多層プリント配線板を製造した後、上記ヒートサイクル
試験前後にチェッカを用いて導通試験を行い、モニター
に表示された結果から導通状態を評価した。
【0149】(3)形状観察 多層プリント配線板を製造した後、上記ヒートサイクル
試験前後に、スタックビア構造を有するバイアホールを
通るように多層プリント配線板を切断し、その断面を倍
率100〜400倍の光学顕微鏡を用いて観察した。
【0150】その結果、実施例1〜6の多層プリント配
線板では、ヒートサイクル試験前後で、短絡や断線は発
生しておらず、導通状態は良好であった。また、断面の
形状観察においては、層間樹脂絶縁層でのクラックの発
生や、層間樹脂絶縁層とバイアホールとの間での剥離の
発生は観察されなかった。
【0151】一方、比較例1および2の多層プリント配
線板では、ヒートサイクル試験後に、短絡や断線に起因
する導通不良が発生していた。断面の形状観察において
は、ヒートサイクル試験後に、最外層のバイアホールと
これに隣接する導体回路との間の導体回路非形成領域の
下方領域にクラックが発生しており、また、層間樹脂絶
縁層とバイアホールとの間で剥離が発生していた。
【0152】
【発明の効果】以上説明したように、第一の本発明の多
層プリント配線板では、階層の異なるバイアホール同士
がスタックビア構造となるように形成されており、加え
て、スタックビア構造のバイアホールが内層スルーホー
ルのランド上に積層されているため、導体回路の配線距
離が短く、信号電送時間を短縮することができるとも
に、導体回路の設計の自由度が向上するため、高密度配
線により対応し易くなる。また、上記多層プリント配線
板において、階層の異なるバイアホールのうちの少なく
とも一つは、そのランドが、スタックビア構造のバイア
ホールの周囲に形成された導体回路非形成領域を補強す
るように拡大して形成されている。そのため、拡大形成
されたランドを有するバイアホールが、層間樹脂絶縁層
の補強材として役割を果たすこととなり、層間樹脂絶縁
層の機械的強度が向上し、特に、バイアホール近傍の層
間樹脂絶縁層でクラックが発生しにくい。
【0153】また、第二の本発明の多層プリント配線板
では、階層の異なるバイアホール同士がスタックビア構
造となるように形成されており、加えて、スタックビア
構造のバイアホールが内層スルーホール上に蓋めっき層
を解して積層されているため、導体回路の配線距離が短
く、信号電送時間を短縮することができるともに、導体
回路の設計の自由度が向上するため、高密度配線により
対応し易くなる。また、上記多層プリント配線板におい
て、階層の異なるバイアホールのうちの少なくとも一つ
は、そのランドが、スタックビア構造のバイアホールの
周囲に形成された導体回路非形成領域を補強するように
拡大して形成されている。そのため、拡大形成されたラ
ンドを有するバイアホールが、層間樹脂絶縁層の補強材
として役割を果たすこととなり、層間樹脂絶縁層の機械
的強度が向上し、特に、バイアホール近傍の層間樹脂絶
縁層でクラックが発生しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、第一の本発明の多層プリント配線板
の一実施形態の一部を模式的に示す部分断面図であり、
(b)は、(a)に示した多層プリント配線板のバイア
ホールを模式的に示す斜視図である。
【図2】(a)は、第一の本発明の多層プリント配線板
の一実施形態の一部を模式的に示す部分断面図であり、
(b)は、(a)に示した多層プリント配線板のバイア
ホールを模式的に示す斜視図である。
【図3】(a)は、第一の本発明の多層プリント配線板
の一実施形態の一部を模式的に示す部分断面図であり、
(b)は、(a)に示した多層プリント配線板のバイア
ホールを模式的に示す斜視図である。
【図4】第二の本発明の多層プリント配線板の一実施形
態の一部を模式的に示す部分断面図である。
【図5】(a)〜(e)は、本発明の多層プリント配線
板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図6】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配線
板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図7】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線
板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図8】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線
板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図9】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線
板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図10】(a)、(b)は、本発明の多層プリント配
線板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図であ
る。
【図11】(a)、(b)は、本発明の多層プリント配
線板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図であ
る。
【図12】(a)〜(e)は、本発明の多層プリント配
線板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図であ
る。
【図13】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配
線板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図であ
る。
【図14】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配
線板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図であ
る。
【図15】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配
線板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図であ
る。
【図16】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配
線板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図であ
る。
【図17】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配
線板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図であ
る。
【図18】(a)、(b)は、本発明の多層プリント配
線板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図であ
る。
【図19】(a)、(b)は、本発明の多層プリント配
線板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図であ
る。
【図20】(a)、(b)は、それぞれ本発明の多層プ
リント配線板の一例を模式的に示す断面図である。
【図21】(a)は、従来の多層プリント配線板の一例
を模式的に示す断面図であり、(b)は、(a)に示し
た多層プリント配線板のバイアホールを模式的に示す斜
視図である。
【符号の説明】
1 基板 2 層間樹脂絶縁層 3 めっきレジスト 4 下層導体回路 5 導体回路 6 バイアホール用開口 7 バイアホール 9a 外層スルーホール 9b 内層スルーホール 12 薄膜導体層 13 電解めっき膜 10a 外層樹脂充填材 10b 外層樹脂充填材 11 蓋めっき層 14 ソルダーレジスト層 17 半田バンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 大介 岐阜県揖斐郡揖斐川町北方1−1 イビデ ン株式会社大垣北工場内 Fターム(参考) 5E346 AA12 AA15 AA43 BB16 CC02 CC09 CC32 DD02 DD12 DD23 DD24 EE33 FF13 FF23 FF50 GG15 GG27 HH05 HH11 HH25

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、導体回路と層間樹脂絶縁層と
    が順次積層され、前記層間樹脂絶縁層を挟んだ導体回路
    間がバイアホールを介して接続されるとともに、少なく
    とも前記基板を挟んだ導体回路間がスルーホールを介し
    て接続された多層プリント配線板であって、前記スルー
    ホールは、前記基板の貫通孔壁面に形成された外層スル
    ーホールと、前記外層スルーホールの内部に外層樹脂充
    填材層を介して形成された内層スルーホールとからなる
    同軸スルーホールであり、前記バイアホールのうち、階
    層の異なるバイアホール同士は、スタックビア構造とな
    るように形成されるとともに、前記階層の異なるバイア
    ホールのうちの少なくとも1つは、そのランドが、前記
    スタックビア構造のバイアホールの周囲に形成された導
    体回路非形成領域に拡大して形成されており、前記スタ
    ックビア構造を有するバイアホールは、前記内層スルー
    ホールのランド上に積層されていること特徴とする多層
    プリント配線板。
  2. 【請求項2】 基板上に、導体回路と層間樹脂絶縁層と
    が順次積層され、前記層間樹脂絶縁層を挟んだ導体回路
    間がバイアホールを介して接続されるとともに、少なく
    とも前記基板を挟んだ導体回路間がスルーホールを介し
    て接続された多層プリント配線板であって、前記スルー
    ホールは、前記基板の貫通孔壁面に形成された外層スル
    ーホールと、前記外層スルーホールの内部に外層樹脂充
    填材層を介して形成された内層スルーホールとからなる
    同軸スルーホールであるとともに、その内層スルーホー
    ル上には蓋めっき層が形成されており、前記バイアホー
    ルのうち、階層の異なるバイアホール同士は、スタック
    ビア構造となるように形成されるとともに、前記階層の
    異なるバイアホールのうちの少なくとも1つは、そのラ
    ンドが、前記スタックビア構造のバイアホールの周囲に
    形成された導体回路非形成領域に拡大して形成されてお
    り、前記スタックビア構造を有するバイアホールは、前
    記蓋めっき層上に積層されていることを特徴とする多層
    プリント配線板。
  3. 【請求項3】 前記外層スルーホールは、前記基板のみ
    を挟んだ導体回路間を接続し、前記内層スルーホール
    は、前記基板と前記層間樹脂絶縁層とを挟んだ導体回路
    間を接続する請求項1または2に記載の多層プリント配
    線板。
  4. 【請求項4】 拡大して形成されたバイアホールのラン
    ドの一部は、スタックビア構造のバイアホールの周囲に
    形成された導体回路非形成領域を平面視した際に、前記
    導体回路非形成領域の幅の1/2以上の領域に存在して
    いる請求項1〜3のいずれか1に記載の多層プリント配
    線板。
  5. 【請求項5】 前記バイアホールのうちの少なくとも1
    つは、その形状がフィールドビア形状である請求項1〜
    4のいずれか1に記載の多層プリント配線板。
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