JP2002280708A - プリント配線板用の電子写真感光体 - Google Patents

プリント配線板用の電子写真感光体

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JP2002280708A
JP2002280708A JP2001077014A JP2001077014A JP2002280708A JP 2002280708 A JP2002280708 A JP 2002280708A JP 2001077014 A JP2001077014 A JP 2001077014A JP 2001077014 A JP2001077014 A JP 2001077014A JP 2002280708 A JP2002280708 A JP 2002280708A
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photoconductive layer
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printed wiring
group
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JP2001077014A
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Masakazu Takada
昌和 高田
Kenji Tsuda
研史 津田
Masanori Nazuka
正範 名塚
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】実用的な紫外光感度を有した電子写真方式プリ
ント配線基板製造用の電子写真感光体を提供する。 【解決手段】電気絶縁性基材上に金属導電層を設け、そ
の上層に電荷輸送物質を含有する光導電層を設けたプリ
ント配線板製造用の感光体において、該光導電層に電荷
輸送物質とアルカリ処理液に可溶性のポリマーとアント
ラキノン系染料を含有させる事により、実用的な紫外光
感度を有し、細線再現性に優れた電子写真方式プリント
配線基板を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法を用い
たプリント配線板に関し、より詳しくは、予め紫外光に
光感度を有する光導電層を配線基板上に設けておき、紫
外光パターン露光による静電潜像作製工程、トナー現像
によるレジスト形成工程、光導電層のアルカリ溶出工
程、金属導電層のエッチング工程、トナーレジスト層と
光導電層のアルカリ溶出除去工程を経て作製されるプリ
ント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリント配線板を作製するには、
一般に絶縁性基板に銅箔を張った積層板上に感光性フィ
ルムをラミネートし、写真ネガを重ねて露光、現像した
後、回路パターン以外の不要の銅箔をエッチング処理し
て除き、しかる後に感光性フィルムを脱膜することによ
り絶縁性基板上にプリント回路を作製していた。この感
光性フィルムを用いた方法では、感光性フィルムの厚み
が一般に約50μmと厚いため、露光及び現像して形成
される回路パターンがシャープにならず、しかも銅箔表
面に均一にラミネートすることが困難であった。
【0003】そこで、感光性フィルムの解像度等を向上
させるため、特開昭62−262855号、同64−4
672号公報等に記載の如く、電着法による基材への感
光性レジストの形成方法が開示されている。しかしなが
ら、電着用フォトレジストは一般に感度が低く問題とさ
れていた。特に、スルーホール内部には光を照射するこ
とが困難で、光照射部が処理液に可溶化するいわゆるポ
ジ型の場合、十分な溶解性を得るには数100mJ/c
2程度のエネルギーが必要とされ、光照射をレーザー
等を用いて行うには不適当であった。
【0004】更に、感光性のレジスト以外の方法による
プリント配線板の作製方法として、電子写真法を利用し
た方法が西独特許第1117391号、同第25267
20号、同第3210577号、特開昭52−2437
号、同57−48736号、同59−168462号公
報等に提案されており、特開昭63−129689号公
報では特にレーザーの波長に感度を有する電子写真感光
体を利用したプリント配線板作製法が提案されている。
この電子写真法を利用したレーザーによる直接回路描画
では、必要露光量が50〜1μJ/cm2と低く、従っ
て使用するレーザーも低価格で低出力の半導体レーザー
の使用が可能であるが、感光層が500〜900nmに
高い光感度を有するため、画像形成プロセス中のプリン
ト配線板の位置合わせに使用される赤色レーザーダイオ
ードセンサーで感光層に画像カブリを生じる事、感光層
の帯電プロセスから画像露光プロセス、静電潜像のトナ
ー現像プロセスまでを作業性の良い明室下で行うことが
不可能である事等の問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、50
0nmより短波長領域に光感度を有する電子写真感光体
を用いる事により、パターン画像形成プロセス中にセン
サーカブリを生じず、また作業性の良い明室下パターン
画像形成プロセスを行うことのできるプリント配線板を
提供することにある。一般に有機電子写真感光体に用い
られる電荷輸送物質は、可視光あるいは赤外光を吸収し
た電荷発生物質から発生するフォトキャリア(ホールあ
るいはエレクトロン)を光導電層に印加された電界に従
って輸送する機能を本来有している。通常、電荷発生物
質は有色の染料あるいは顔料であるが、電荷輸送物質は
紫外光を吸収する化合物であって赤外光、可視光は吸収
しない。電荷輸送物質に、それ自身が吸収する紫外光を
照射してフォトキャリアを発生させる事を考えた場合、
フォトキャリアを効率的に発生する物質としてはポリビ
ニルカルバゾールが良く知られているが、この物質自身
の成膜性は非常に悪く、また成膜性に優れたその他の樹
脂との相溶性もきわめて悪いため、プリント配線板のよ
うに微細なパターンを形成するための感光性樹脂として
は不適であった。一方、近年、有機電子写真感光体に利
用される電荷輸送物質としては、ヒドラゾン化合物、ト
リフェニルアミン化合物、スチルベン化合物等の低分子
化合物が知られているが、それらの化合物自体の有する
フォトキャリア発生効率は非常に低く、所以、電荷発生
物質を含有せず、低分子量の電荷輸送物質と結着樹脂の
みから構成される光導電層からなる電子写真感光体にお
いて、紫外光に対して実用性ある光感度を有した系は未
だ知られていないのが実状であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記問題点を
解決するため鋭意検討した結果、一般に使用される有色
の電荷発生材料(有機顔料、増感色素)を光導電層中に
含有せず、特定の化学構造を有する低分子量の電荷輸送
物質を含有する光導電層を利用する事により、紫外線露
光で画像形成が可能な電子写真感光体が提供できる事を
見出した。この感光体は、500nmより長波長側に光
感度を有しないため、明室下、あるいは黄色セーフライ
ト化で電子写真パターン画像が形成できる。
【0007】また、本発明者は、電気絶縁性基材上に金
属導電層を設け、その上層に500nmより短波長の光
を吸収する電荷輸送物質を含有する光導電層を積層した
プリント配線板用感光体を利用して、電子写真法により
光導電層上にトナー画像を形成させ、次いでトナー付着
部以外の光導電層を溶出除去してレジスト画像を形成
し、レジスト画像部以外の金属導電層をエッチング除去
するプリント配線基板の製造法において、該光導電層の
均一帯電後のパターン画像露光を紫外光により行う事に
よって良好なプリント配線板が作製できることを見出し
た。
【0008】本発明の係わるプリント配線板の製造方法
では、絶縁性基板の両面に金属導電層を設けた積層板の
上層に光導電層を形成し、次いでこの表面部の光導電層
にコロナ帯電器あるいは接触帯電器を用いて一様な電荷
を発生させる。その後、回路部を紫外線で露光して表面
電荷を消失させ、適当なバイアス電圧印加のもとに反転
現像法によって回路部にトナー画像を設ける。このトナ
ー画像をレジストとして非回路部に相当する光導電層を
溶出除去し、さらにトナー画像と残存する光導電層をレ
ジストとして金属導電層をエッチング除去する。本発明
に用いられる電子写真感光体は光導電層中に顔料粒子を
含有せず、光導電層は均一な塗膜で構成される。このた
め、光導電層は金属導電層表面の凹凸に対する追従性に
優れ、解像度に優れた、欠陥の少ない回路パターンを形
成することが可能である。
【0009】基板の両面に配線パターンを形成する場合
の電子写真プリント配線板の製造方法に関しては、特開
平10−209606号公報にあるように、絶縁性基板
の両面に金属導電層及び光導電層をこの順に設け、露光
機の定盤上に載置して位置合わせ及び帯電を施した後、
露光して一方の光導電層上に静電潜像を作製し、更に反
転して再び位置合わせ及び帯電を施し、光導電層を露光
して静電潜像を作製した上で、基板両面に作製した静電
潜像をトナー現像処理する。それ以降の工程は上述と同
様な処理を行って、両面に回路パターンを形成したプリ
ント配線板が製造される。
【0010】しかし、この方法によると、露光終了後に
基板を定盤上で反転させることにより、最初の帯電露光
で形成された静電潜像を有する面が、次に反対面を位置
合わせ及び露光する際、吸引密着等により定盤面と機械
的な強い接触をして、接触した面の静電潜像の電位分布
が乱れてしまう問題が生じる。また、静電潜像形成後に
おいても、トナー現像工程前までの搬送系部材との接触
により静電潜像が乱れる問題が生じる。トナー画像の画
質は、静電潜像の電位分布に大きく影響を受けるので、
生じた静電潜像の乱れがそのままトナー画像に反映さ
れ、結果として回路の短絡や断線等の問題が生じる。
【0011】本発明に係わるプリント配線板の製造方法
では、次のようなプロセスで静電潜像を形成することも
可能である。まず、光導電層を予め紫外線でパターン露
光を行って画像状の光メモリーを形成し、次いでコロナ
帯電器あるいは接触帯電器を用いて光導電層表面に一様
に電荷を付与する。紫外線未露光部は正常な帯電性を示
すが、紫外線露光部は光メモリーのため帯電性が著しく
小さくなっており、光導電層の帯電が終了した時点で露
光部/未露光部の間で露光パターンに対応した静電潜像
が形成される。この静電潜像をトナー現像によってレジ
ストパターンとすることができる。
【0012】基板の両面に配線パターンを形成する場合
には、これを応用する。即ち、絶縁性基板の両面に金属
導電層及び光導電層をこの順に設けた感光体において、
画像パターン露光を光導電層の両面に片面ずつ行い、次
いで光導電層の両面を帯電させることにより両面に同時
に静電潜像を形成し、トナー画像形成、レジスト画像形
成、金属導電層エッチングを行い、最終的に両面に導電
性回路が製造される。この方法によれば、光導電層の機
械的接触による静電潜像の乱れに基づく回路の短絡や断
線の発生を軽減できる。
【0013】本発明に用いられる光導電層は、一般式
[I]で示されるアントラキノン系染料と、電荷輸送物
質と、結着樹脂を含有する。
【0014】
【化4】
【0015】一般式[I]において、R1とR2はそれぞ
れ独立にアルキル基、アリール基、アラルキル基を表
す。
【0016】本発明に用いられる電荷輸送物質として
は、一般式[II]で示される化合物が好ましい。
【0017】
【化5】
【0018】一般式[II]において、R3は水素原子、
アルキル基、置換基を有しても良いアリール基を表し、
Ar1、Ar2は置換基を有しても良いアリール基を表
す。Zは、ピロリジン環と連結して5員環あるいは6員
環を形成する、炭素数3個あるいは4個のアルキレン基
である。
【0019】本発明に用いられる光導電層は、一般式
[I]で示されるアントラキノン系染料と電荷輸送物質
と結着樹脂に加えて、一般式[III]で示される化合物
を電荷輸送物質に対して0.1〜30質量%含有しても
良い。
【0020】
【化6】
【0021】一般式[III]において、R4はナフタレン
環上の置換基であって、水素原子、ハロゲン原子、ヒド
ロキシ基、ニトロ基、アルキルアミノ基、アルコキシ
基、アルケニルオキシ基、アラルキルオキシ基、アルケ
ニル基を表す。Qは、イミダゾリン環と縮合連結する芳
香族残基を表す。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明の光導電層に用いら
れる、一般式[I]で示されるアントラキノン系染料の
具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではな
い。
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】一般式[I]で示される染料を光導電層に
添加する事により光導電層は有色となり、プリント配線
板導電層のエッチング前におけるレジストパターン形状
の視認性が、染料未添加の物に比べて飛躍的に向上す
る。
【0026】樹脂層の視認性を向上させるための染料と
しては、トリフェニルメタン系染料、アゾ系染料、フタ
ロシアニン系染料、シアニン系染料等、種々の染料が知
られているが、電子写真方式を利用した光導電層の染色
を行う場合には、以下に示すような理由から利用できる
染料は非常に数が少ない事が実状である。トリフェニル
メタン系染料、シアニン系染料はカチオン染料であるた
め、光導電層中に添加した場合、光導電層のイオン電導
性が大きくなって静電潜像の形成が困難となる。アゾ系
染料は、溶剤への溶解性の優れた物は一般に可視光の吸
収極大波長が550nmより短く、安価で且つ視認性を
付与する目的を満たす物はない。フタロシアニン系染料
は溶剤への溶解性が低く光導電層への均一な添加が困難
であり、また、光導電性を有しているため、明室下では
静電潜像形成が困難である。アントラキノン系染料の中
でも、一般式[I]で示される特定の構造を有する物が
溶剤への溶解性も高く、光導電層の電子写真特性も悪化
させない事が判明した。
【0027】一方、一般式[I]で示される染料は光導
電性を全く有しておらず、染料自身からの光キャリアの
発生、染料を添加する事による光導電層の分光増感は何
ら起こらないため、明室下、あるいは黄色セーフライト
下で静電潜像の作製とトナー現像が可能である。
【0028】さらに、本発明の光導電層を金属導電層上
に設けるための塗布塗液中に一般式[I]で示される染
料を含有させる事により、塗液の加温経時保存時の塗液
の劣化を防止できる事が明らかとなった。加温経時保存
により、塗液中でどのような化学変化が起こっているか
については、いまだ明らかではないが、特定構造の染料
を電荷輸送物質とアルカリ可溶性樹脂の混合塗液系に共
存させる事により、その塗液の安定性を飛躍的に向上さ
せることができた事は実用的な感光体製造法を確立する
面からも重要な事実である。
【0029】一般式[I]で示される染料の光導電層へ
の添加量は、光導電層中の電荷輸送物質の層中濃度を極
端に低下させない範囲で任意に設定できるが、光導電層
の全固形分の総量に対して0.1から10質量%が好ま
しい。
【0030】次に、本発明の光導電層に用いられる、一
般式[II]で示される化合物の具体例を以下に示すが、
これらに限定されるものではない。
【0031】
【化9】
【0032】
【化10】
【0033】
【化11】
【0034】次に、本発明の光導電層に用いられる、一
般式[III]で示される化合物の具体例を示すが、これ
らに限定されるものではない。
【0035】
【化12】
【0036】
【化13】
【0037】
【化14】
【0038】一般式[III]で示される化合物は、一般
式[II]で示される電荷輸送物質の総量に対して0.1
〜30質量%含有させることにより、一般式[III]で
示される化合物を未添加のサンプルに比べて露光部の残
留電位をさらに低下させることができる。一般式[II
I]で示される化合物は、分光増感作用は有しておら
ず、一般式[III]で示される化合物を添加した系にお
いても明室下、あるいは黄色セーフライト下で静電潜像
の作製とトナー現像が可能である。
【0039】一般式[III]で示される化合物の作用機
構について、詳細な事は不明であるが、以下のように推
定される。光導電層を紫外線で露光する事により、一般
式[II]で示される電荷輸送物質が紫外線を吸収して大
量の電子を放出し、その結果、光導電層表面が予め帯電
されている場合には露光部光導電層表面の電荷が消失す
る。また、予め未帯電の場合には、露光された光導電層
中に光メモリーが生じ、露光後の帯電により未露光部は
正常に帯電する一方、露光部は選択的に帯電しなくなっ
て静電潜像が形成される。しかし、一般式[II]で示さ
れる電荷輸送物質は、正孔移動には優れているが電子移
動には劣っているため、露光部の光導電層の表面電荷の
残留(所謂、残留電位の発生)、あるいは発生した電子
と正孔の再結合による光メモリーの消失が起こりやす
い。一般式[III]で示される化合物は電子アクセプタ
ー性化合物であり、紫外線照射により一般式[II]の化
合物から発生した電子を一旦受け取る事ができる。ま
た、受け取った電子を輸送する能力に優れている。この
ため、予め光導電層が帯電されている場合は、露光部の
残留電位を充分に低下させる事ができる。一方、紫外線
露光後に帯電を行った場合には、一般式[III]の化合
物に一旦受け取られていた電子が電界の印加によって再
放出され、紫外線露光部の表面電荷の消失が良好に起こ
る。
【0040】本発明に関わる絶縁性基板上に金属導電層
を設けた積層板としては、紙基材フェノール樹脂やガラ
ス基材エポキシ樹脂に金属導電層として銅箔等を張り合
わせたものがその代表的なものである。これら積層板の
例は「プリント回路技術便覧」(社団法人日本プリント
回路工業会編、1987年刊行、日刊工業新聞社刊)に
記載されており、所望の積層板を使用することができ
る。
【0041】電気絶縁性基板の厚さは一般に80μmか
ら3.2mm程度であり、プリント配線板としての最終
使用形態により、その材質と厚さが選定される。厚さの
薄い基板については複数枚張り合わせて用いてもよい。
【0042】絶縁性基板上に金属導電層を設けた積層板
の金属導電層の厚さは種々の厚さのものが使用でき、一
般には5〜35μmのものが使われているが、それより
も厚いものや薄いものも使用することができる。配線密
度が高くなり回路の線幅が細くなるにつれ、金属導電層
は薄いものを使用することが好ましい。
【0043】金属導電層に用いる金属としては、銅、
銀、アルミニウム、ステンレス、ニクロム、及びタング
ステン等が挙げられる。
【0044】本発明の感光体をプリント配線板製造用に
利用する場合に用いられる結着樹脂の具体例としては、
スチレン/マレイン酸モノエステル共重合体、メタクリ
ル酸/メタクリル酸エステル共重合体、スチレン/メタ
クリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸
/メタクリル酸エステル共重合体、スチレン/アクリル
酸/メタクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル/クロ
トン酸共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/メタクリル
酸エステル共重合体、スチレン/安息香酸ビニル共重合
体、あるいはポリビニルフェノール樹脂、ノボラック樹
脂等のフェノール樹脂が挙げられる。プリント配線板製
造用感光体の結着剤樹脂としては、成膜性が良好でアル
カリ水溶液の可溶の樹脂であれば何でも良く、上記の樹
脂に限定されるものではない。
【0045】本発明の光導電層に用いられる、一般式
[II]で示される電荷輸送物質の結着樹脂に対する混合
比は、概ね該樹脂量に対して0.1〜100質量%の範
囲が好ましく、その中でも5〜40%が特に好ましい。
【0046】本発明の光導電層の作製は、ディップコー
ト法、バーコート法、スプレーコート法、ロールコート
法、スピナーコート法、電着法等により行う。塗布液
は、光導電層を構成する成分を適当な溶媒に溶解して作
製する。また、塗布液には必要に応じて、電荷輸送物質
および結着樹脂のほかに光導電層の膜物性、塗布液の粘
度を改良する目的で、可塑剤、界面活性剤、その他の添
加剤を加えることができる。
【0047】塗布液の作製に使用する溶剤としては、本
発明に使用される電荷輸送物質と結着樹脂を均一に溶解
できるものであれば良く、具体的には、メタノール、エ
タノール、1−プロパノール、1−メトキシ−2−プロ
パノール等のアルコール類、THF、1,4−ジオキサ
ン、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタ
ン、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテ
ル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸メチ
ル、酢酸イソブチル等のエステル類、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メ
チルピロリドン等のアミド類、ジメチルスルホキシド等
が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、塗
布方法と乾燥条件等によって適当なものを選択して使用
できる。塗布液の固形分濃度についても、塗布方法と乾
燥条件等によって適切な濃度を選択できる。
【0048】本発明の光導電層の厚みに関しては、厚す
ぎると光感度の低下、あるいは光導電層のアルカリ溶出
除去工程における溶出液の劣化を促進する。また、逆に
薄すぎると、光導電層の帯電工程において電子写真トナ
ー現像で必要な電荷を帯電させることができない。光導
電層の厚みは0.5〜20μmが好ましく、その中でも
1〜10μmが特に好ましい。
【0049】本発明の感光体の露光方法としては、UV
蛍光灯、キセノンランプ、高圧水銀灯等を光源として反
射画像露光、透明陽画フィルムを通した密着露光、マス
クを通した直接投影露光や、UVレーザー光による走査
露光が挙げられる。走査露光を行う場合には、He−N
eレーザー、He−Cdレーザー、アルゴンレーザー、
クリプトンイオンレーザー、ルビーレーザー、YAGレ
ーザー、窒素レーザー、色素レーザー、エキシマレーザ
ー等のレーザー光源を発光波長に応じてSHG波長変換
して走査露光する、あるいは液晶シャッター、マイクロ
ミラーアレイシャッターを利用した走査露光によって露
光することができる。
【0050】次に形成した静電潜像をトナーによって現
像する。トナー現像方法としては、乾式現像法(カスケ
ード現像、磁気ブラシ現像、パウダークラウド現像)
や、トナー粒子を適当な絶縁性液体中に分散させた液体
トナーによる現像法を用いることができる。これらのう
ち、液体現像法は乾式現像法に比してトナー粒子を安定
に小粒径にできるため、より微細なトナー画像を形成で
きるので、本発明においては液体現像法を用いることが
好ましい。
【0051】本発明で用いられるトナーは電子写真印刷
版に使用する湿式トナーを使用することができるが、後
工程である回路部の光導電層の溶出除去に対してレジス
ト性を有するものでなければならない。このためにトナ
ー粒子の成分としては、、例えばメタクリル酸、メタク
リル酸エステル等からなるアクリル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、酢酸ビニルとエチレンまたは塩化ビニル等との共重
合体、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニ
ルブチラールの様なビニルアセタール樹脂、ポリスチレ
ン、スチレンとブタジエン、メタクリル酸エステル等と
の共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびその
塩化物、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンイ
ソフタレート等のポリエステル樹脂、ポリカプラミドや
ポリヘキサメチレンアジポアミド等のポリアミド樹脂、
ビニル変性アルキッド樹脂、ゼラチン、カルボキシメチ
ルセルロース等のセルロースエステル誘導体、その他ワ
ックス等を含有することは好ましい。また、トナーには
現像あるいは定着等に悪影響を及ぼさない範囲で、色素
や電荷制御剤を含有させることもできる。さらにトナー
の荷電は、光導電層のコロナ帯電の際の帯電極性に応じ
て正、負を使い分ける必要がある。
【0052】現像法としては、静電潜像と同じ極性を有
するトナーを用いて適当なバイアス電圧の印加の下で露
光部を現像する反転現像を用いる。形成されたトナー画
像は、例えば加熱定着、圧力定着、溶剤定着等の方法に
より定着できる。この様に形成したトナー画像をレジス
トとして、光導電層を溶出液により除去して、積層板上
に光導電層とトナー画像とからなる回路部レジスト画像
を形成できる。
【0053】トナー画像部以外の光導電層を溶出除去す
るための方法としては、基本的には溶出液を使用した非
画像部溶出型印刷版用の溶出処理機を使用することがで
きる。本発明で用いられる溶出液は塩基性化合物を含有
する。塩基性化合物としては、例えばケイ酸アルカリ金
属塩、アルカリ金属水酸化物、リン酸および炭酸アルカ
リ金属塩、リン酸および炭酸アンモニウム塩等の無機塩
基性化合物、エタノールアミン類、エチレンジアミン、
プロパンジアミン類、トリエチレンテトラミン、モルホ
リン等の有機塩基性化合物等を用いることができる。上
記塩基性化合物は単独または混合物として使用できる。
また、溶出液の溶剤としては水を用いることが好まし
い。
【0054】本発明に係わるプリント配線板の製造方法
では、回路部レジスト画像部以外の露出した金属導電層
をエッチングにより除去する。エッチング工程では、
「プリント回路技術便覧」(社団法人日本プリント回路
工業会編、1097年刊行、日刊工業新聞社発行)記載
の方法等を使用することができる。エッチンング液は金
属導電層を溶解除去できるもので、また光導電層および
トナーが耐性を有しているものであれば良い。一般に金
属導電層に銅層を使用する場合には塩化第二鉄水溶液、
塩化第二銅水溶液等を使用することができる。
【0055】レジストインク、液状レジスト及びドライ
フィルムフォトレジスト等の一般のレジストを利用した
プリント配線板製造時と同様に、回路部レジスト画像は
エッチング工程後、回路部の溶出除去で使用した溶出液
よりもさらにアルカリ性の強い溶液で処理することによ
り除去することができる。また、必要に応じてメチルエ
チルケトン、ジオキサン、メタノール、エタノール、プ
ロパノール等、光導電層の結着樹脂を溶解する有機溶剤
を使用することもできる。
【0056】
【実施例】以下で、実施例により、さらに詳細に本発明
の効果を説明するが、本発明はこれにより限定されるも
のではない。なお、実施例中の「部」および「%」はそ
れぞれ「質量部」および「質量%」を示す。
【0057】実施例1 下記の処方1に基づいた塗液を調液し、三菱ガス化学
(株)製プリント配線板;CCL−EL170(0.8
×340×510mm、銅厚18μm)に引き上げ速
度;2mm/秒でディップ塗布を行った。光導電層塗布
済み配線板を、120℃30分間加熱乾燥して、青色の
光導電層(塗布厚み6μm)を有する電子写真方式プリ
ント配線板を作製した。銅層の凹凸への追従性は良好で
あった。
【0058】
【表1】
【0059】光導電層を形成した積層板の光導電層表面
を、コロナ帯電機を用いて表面電位+200Vで均一に
コロナ帯電させる。(帯電からトナー現像までのすべて
の作業は、蛍光灯の点灯した明室内で行う。)次いで、
回路パターンを描画したフィルムマスク(パターンライ
ン太さ;50μm)を光導電層上に乗せ、ライトボック
ス(サンハヤト製、Box−W10)にて60秒間露光
を行い、静電潜像パターンを得た。この潜像を三菱OP
Cプリンティングシステム用正電荷トナー(三菱製紙
(株)製、「ODP−TW」)を用いて、バイアス電圧
+150Vを印加して反転現像を行い、70℃で10分
間加熱してトナー画像を定着させた。光導電層上には、
線幅50μmのトナーによる回路パターンが断線等の欠
陥無く形成された。また、トナー現像前に表面電位計を
用いて露光部と未露光部の表面電位を測定して静電潜像
の確認を行ったところ、露光部は+40V、未露光部は
+170Vであった。バイアス電圧と露光部電位との差
は110Vであり、トナー現像のための電位差としては
十分なギャップが確保されていた。
【0060】トナー画像部以外の光導電層を1%炭酸ナ
トリウム水溶液を用いて溶出除去することにより、トナ
ー画像及び光導電層からなる回路部レジストを形成し
た。回路パターンは青色であり、光学的に回路パターン
を観察する事は容易であった。さらに、残存するトナー
画像と光導電層をエッチングレジストとして、積層板に
45℃に加熱された市販の塩化第二鉄溶液をスプレー圧
2.5kg/cm2で2分間スプレーすることにより銅
層をエッチング除去した。その後、10%水酸化ナトリ
ウム水溶液でエッチングレジストを除去したところ、パ
ターン欠陥の無い、線幅50±2μmの銅回路が形成さ
れていた。
【0061】実施例2〜3 実施例1の処方1に従って、例示化合物を種々変化させ
て光導電層を設け、同様の処理によって回路パターンを
作製した。トナー定着後アルカリ溶出して回路レジスト
を形成した時の回路パターン(線幅50μm)の欠陥評
価と、銅エッチング/エッチングレジスト除去後の銅回
路パターンの評価を行った。結果を表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】比較例1〜4 実施例1の処方1の例示化合物の代わりに種々の比較化
合物を用いて光導電層を設け、実施例1と同様の処理に
よって回路パターンを作製した。トナー定着後アルカリ
溶出して回路レジストを形成した時の回路パターン(線
幅50μm)の評価を行った。また、トナー現像前の露
光部と未露光部の表面電位を測定した。結果を表3に示
す。
【0064】
【表3】
【0065】
【化15】
【0066】
【化16】
【0067】
【化17】
【0068】
【化18】
【0069】
【化19】
【0070】比較例1と比較例2で使用した染料はカチ
オン染料であり、光導電層のイオン電導性が高く、実用
的な静電潜像形成ができない事がわかる。比較例3と比
較例4は、静電潜像は形成できたが、バイアス電位電位
+150Vでは全面のトナーが付着してパターン形成で
きなかった。露光部と未露光部の電位差は、40〜50
Vであり、バイアス電圧を調節してもレジストとして十
分機能するトナーパターンを形成することは難しい。比
較例5は、フタロシアニン染料であり、染料自身が光導
電性を持っているため、明室下では光導電層中で光キャ
リア発生するため静電潜像は形成できなかった。
【0071】実施例4 下記の処方2に基づいた塗液を調液し、三菱ガス化学
(株)製プリント配線板;CCL−EL170(0.8
×340×510mm、銅厚18μm)に引き上げ速
度;1.5mm/毎秒でディップ塗布を行った。光導電
層塗布済み配線板を、120℃30分間加熱乾燥して、
光導電層の厚みが6μmの電子写真方式プリント配線板
を作製した。銅層の凹凸への追従性は良好であった。
【0072】
【表4】
【0073】光導電層を形成した積層板の光導電層表面
を、コロナ帯電機を用いて表面電位+200Vで均一に
コロナ帯電させる。(帯電からトナー現像までのすべて
の作業は、蛍光灯の点灯した明室内で行う。)次いで、
回路パターンを描画したガラスマスク(パターンライン
太さ;50μm)を光導電層上に乗せ、焼付用高圧水銀
灯光源装置;ユニレックURM300(ウシオ電機
(株)製)を用いて10秒紫外線露光を行い、静電潜像
パターンを得た。この潜像を三菱OPCプリンティング
システム用正電荷トナー(三菱製紙(株)製、「ODP
−TW」)を用いて、バイアス電圧+150Vを印加し
て反転現像を行い、70℃で10分間加熱してトナー画
像を定着させた。光導電層上には、線幅50μmのトナ
ーによる回路パターンが断線等の欠陥無く形成された。
【0074】トナー画像部以外の光導電層を1%炭酸ナ
トリウム水溶液を用いて溶出除去することにより、トナ
ー画像及び光導電層からなる回路部レジストを形成し
た。回路パターンは青色であり、光学的に回路パターン
を観察する事は容易であった。さらに、残存するトナー
画像と光導電層をエッチングレジストとして、積層板に
45℃に加熱された市販の塩化第二鉄溶液をスプレー圧
2.5kg/cm2で2分間スプレーすることにより銅
層をエッチング除去した。その後、10%水酸化ナトリ
ウム水溶液でエッチングレジストを除去したところ、パ
ターン欠陥の無い、線幅50±2μmの銅回路が形成さ
れていた。
【0075】一方、光導電層の光感度を評価するため、
紫外線露光後の露光部と未露光部の表面電位を測定し
た。その結果を表5に示す。比較のため、実施例1の処
方1を用いて作製した光導電層の露光部と未露光部の表
面電位を併せて示す。
【0076】
【表5】
【0077】表5から明らかなように、例示化合物C−
1を添加したサンプルの方が、全く同じ露光条件であっ
ても露光部/未露光部の電位差をより大きくできる事が
わかる。
【0078】実施例5 実施例4の処方2に基づいた塗液を調液し、両面銅張積
層板(三菱ガス化学製、CCL−E170)を使用し、
170mm×255mm(厚み0.8mm)の長方形状
基板にディップ塗布法により銅張積層板両面に調製済み
塗液を塗布した。感光層塗布済みの銅張積層板を、12
0℃30分間加熱乾燥して、感光層の厚みが4μmの塗
膜を作製した。
【0079】感光層上に画像パターンを描画したフィル
ムマスクを乗せ吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯
光源装置;ユニレックURM300(ウシオ電機(株)
製)を用いて20秒間紫外線露光を行った。さらに、基
板を反転し、非露光面を同様にして、20秒間露光を行
い、両面の感光層上に帯電特性の差を誘起させた。ま
た、強制的に赤色レーザーダイオードセンサーの光を感
光層上に照らした。(露光からトナー現像までのすべて
の作業は、黄色セーフライトの点灯した室内で行う。)
【0080】次いで、感光層をコロナ帯電機(帯電トラ
ンス出力;+5.0kV)を用いて両面に電荷を与えた
後、コロナ帯電終了より1分後の紫外線露光部と未露光
部の表面電位を測定したところ、露光部は+20V、未
露光部は+250Vであり、静電潜像が形成できている
事が確認された。さらに、静電潜像を三菱OPCプリン
ティングシステム用正電荷トナー(三菱製紙(株)製、
「ODP−TW」)を用いて、バイアス電圧+200V
を印加して反転現像を行い、トナー画像を得た。70℃
で10分間加熱してトナー画像を定着させ、良好な定着
画像を得た。
【0081】トナー画像部以外の感光層を1%炭酸ナト
リウム水溶液を用いて溶出除去することにより、トナー
画像及び感光層からなる回路部レジストを形成した。回
路部パターンは青色であり、光学的に回路パターンを観
察する事は容易であった。さらに、残存するトナー画像
と感光層をエッチングレジストとして、積層板に45℃
に加熱された塩化第二鉄溶液(サンハヤト製、H20
L)をスプレー圧2.5kg/cm2で2分間スプレー
することにより銅層をエッチング除去した。その後、3
%水酸化ナトリウム水溶液でエッチングレジストを除去
したところ、露光機やマスクフィルム等との接触の跡が
なく、また赤色レーザーダイオードセンサーでのカブリ
がなく、さらにはパターン欠陥の無い、線幅50±2μ
mを含む銅回路を両面に形成するにいたった。
【0082】実施例6 下記の処方3に基づいた塗液を調液し、三菱ガス化学
(株)製プリント配線板;CCL−EL170(0.8
×340×510mm、銅厚18μm)にディップ塗布
を行った。光導電層塗布済み配線板を、120℃30分
間加熱乾燥して、光導電層の厚みが8μmの電子写真方
式プリント配線基板を作製した。銅層の凹凸への追従性
は良好であった。
【0083】
【表6】
【0084】光導電層を形成した積層板の光導電層上に
画像パターンを描画したフィルムマスクを乗せ、ライト
ボックス(サンハヤト製、Box−W10)にて10秒
間紫外線露光を行った。次いで、コロナ帯電機(帯電ト
ランス出力;+5.0kV)を用いて光導電層表面に電
荷を与えた後、コロナ帯電終了より1分後の紫外線露光
部と未露光部の表面電位を測定した。(一連の作業は、
500nmより短波長の発光をカットした黄色セーフラ
イトの点灯した暗室内で行った。)その結果を表7に示
す。比較のため、処方3から例示化合物C−1だけを取
り除いた塗液から作製した光導電層の露光部と未露光部
の表面電位を併せて示す。(実施例7)
【0085】
【表7】
【0086】表7から明らかなように、例示化合物C−
1を添加したサンプルの方が未添加のサンプルに比べて
露光部の帯電電位が小さく、その結果、露光部/未露光
部の電位ギャップが大きい事がわかる。
【0087】実施例8 実施例6で用いた電子写真方式プリント配線板を使って
次のようにしてパターン回路を作製した。(一連の作業
は、500nmより短波長の発光をカットした黄色セー
フライトの点灯した暗室内で行った。)
【0088】感光層上に画像パターンを描画したフィル
ムマスクを乗せ吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯
光源装置;ユニレックURM300(ウシオ電機(株)
製)を用いて10秒間紫外線露光を行った。さらに、基
板を反転し、非露光面を同様にして、10秒間露光を行
い、両面の感光層上に帯電特性の差を誘起させた。
【0089】次いで、感光層をコロナ帯電機(帯電トラ
ンス出力;+5.0kV)を用いて両面に電荷を与えた
後、静電潜像を三菱OPCプリンティングシステム用正
電荷トナー(三菱製紙(株)製、「ODP−TW」)を
用いて、バイアス電圧+200Vを印加して反転現像を
行い、トナー画像を得た。70℃で10分間加熱してト
ナー画像を定着させ、定着画像を得た。
【0090】トナー画像部以外の感光層を1%炭酸ナト
リウム水溶液を用いて溶出除去することにより、トナー
画像及び感光層からなる回路部レジストを形成した。回
路部パターンは青色であり、光学的に回路パターンを観
察する事は容易であった。さらに、残存するトナー画像
と感光層をエッチングレジストとして、積層板に45℃
に加熱された塩化第二鉄溶液(サンハヤト製、H20
L)をスプレー圧2.5kg/cm2で2分間スプレー
することにより銅層をエッチング除去した。その後、3
%水酸化ナトリウム水溶液でエッチングレジストを除去
した。
【0091】トナー定着後の画像評価と、銅層のエッチ
ング後の銅回路の状態を評価を表8に示す。
【0092】
【表8】
【0093】実施例9 実施例6の処方3に基づいた塗液を調液し、塗液を不透
明なポリ容器中に入れて密栓した上で、50℃で30日
間加温保存を行った。保存後の塗液を用いて三菱ガス化
学(株)製プリント配線板;CCL−EL170(0.
8×170×255mm、銅厚18μm)にワイヤーバ
ー塗布を行った。光導電層塗布済み配線板を、120℃
30分間加熱乾燥して、光導電層の厚みが8μmの電子
写真方式プリント配線基板を作製した。銅層の凹凸への
追従性は良好であった。
【0094】光導電層を形成した積層板の光導電層上に
画像パターンを描画したフィルムマスクを乗せ、ライト
ボックス(サンハヤト製、Box−W10)にて10秒
間紫外線露光を行った。次いで、コロナ帯電機(帯電ト
ランス出力;+5.0kV)を用いて光導電層表面に電
荷を与えた後、コロナ帯電終了より1分後の紫外線露光
部と未露光部の表面電位を測定した。(一連の作業は、
500nmより短波長の発光をカットした黄色セーフラ
イトの点灯した暗室内で行った。)その結果を表9に示
す。比較のため、調液直後の塗液から作製した光導電層
の露光部と未露光部の表面電位を併せて示す。
【0095】
【表9】
【0096】表9から明らかなように、塗液を50℃3
0日加温保存した後でも、光導電層の光感度の低下は小
さい事がわかる。
【0097】実施例10 実施例6の処方3の中で、例示化合物A−4を例示化合
物A−3に代えた塗液を調液し、実施例9と同様の評価
を行った。その結果を表10に示す。比較のため、調液
直後の塗液から作製した光導電層の露光部と未露光部の
表面電位を併せて示す。
【0098】
【表10】
【0099】表10から明らかなように、塗液を50℃
30日加温保存した後でも、光導電層の光感度の低下は
小さい事がわかる。
【0100】比較例6 実施例6の処方3の中で、例示化合物A−4だけを取り
除いた塗液を調液し、実施例9と同様の評価を行った。
その結果を表11に示す。調液直後の塗液から作製した
光導電層の露光部と未露光部の表面電位を併せて示す。
【0101】
【表11】
【0102】表11から明らかなように、例示化合物A
−4を添加していない塗液では、50℃30日加温保存
する事により、光導電層の光感度が大きく低下する事が
わかる。
【0103】
【発明の効果】電気絶縁性基材上に金属導電層を設け、
その上層に電荷輸送物質を含有する光導電層を設けたプ
リント配線板製造用の感光体において、該光導電層に電
荷輸送物質とアルカリ処理液に可溶性のポリマーとアン
トラキノン系染料を含有させる事により、実用的な紫外
光感度を有し、レジスト視認性と細線再現性に優れた電
子写真方式プリント配線板を提供できる。また、経時保
存安定性に優れた感光体製造用塗液を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H068 AA14 AA19 AA20 AA21 BA16 BA37 BB01 FA19 FB05 FB21 FC05 5E339 AB02 AD01 AD03 BD06 BE11 CC01 CC02 CD01 CE12 CE18 CF16 CF17 CG04 DD04 FF01 FF10 GG10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性基材上に金属導電層を設け、
    その上層に電荷輸送物質を含有する光導電層を設けたプ
    リント配線板製造用の電子写真感光体において、該光導
    電層が電荷輸送物質とアルカリ処理液に可溶性のポリマ
    ーと下記一般式[I]で示されるアントラキノン系染料
    を含有し、さらに紫外光に光感度を有することを特徴と
    するプリント配線板製造用の電子写真感光体。 【化1】 〔一般式[I]において、R1とR2はそれぞれ独立にア
    ルキル基、アリール基、アラルキル基を表す。〕
  2. 【請求項2】 電荷輸送物質が下記一般式[II]で示さ
    れる化合物であることを特徴とする請求項1記載のプリ
    ント配線板製造用の電子写真感光体。 【化2】 〔一般式[II]において、R3は水素原子、アルキル
    基、置換基を有しても良いアリール基を表し、Ar1
    Ar2は置換基を有しても良いアリール基を表す。Z
    は、ピロリジン環と連結して5員環あるいは6員環を形
    成する、炭素数3個あるいは4個のアルキレン基であ
    る。〕
  3. 【請求項3】 下記一般式[III]で示される化合物
    を、電荷輸送物質の総量に対して0.1〜30質量%含
    有する請求項1あるいは2記載のプリント配線板製造用
    の電子写真感光体。 【化3】 〔一般式[III]において、R4はナフタレン環上の置換
    基であって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、
    ニトロ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルケニ
    ルオキシ基、アラルキルオキシ基、アルケニル基を表
    す。Qは、イミダゾリン環と縮合連結する芳香族残基を
    表す。〕
  4. 【請求項4】 500nmより長波長側の光に対して光
    感度を有しない事を特徴とする請求項1、2、3のいず
    れかに記載のプリント配線板製造用の電子写真感光体。
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