JP2002280204A - 過電流保護素子 - Google Patents
過電流保護素子Info
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- JP2002280204A JP2002280204A JP2001078841A JP2001078841A JP2002280204A JP 2002280204 A JP2002280204 A JP 2002280204A JP 2001078841 A JP2001078841 A JP 2001078841A JP 2001078841 A JP2001078841 A JP 2001078841A JP 2002280204 A JP2002280204 A JP 2002280204A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 吸湿による痘痕状の欠点を抑制防止できる過
電流保護素子を提供する。 【解決手段】 シート状の導電性組成物の両面に金属箔
をそれぞれ設けた過電流保護素子で、導電性組成物は、
結晶化度40%以上である高分子組成物(常温において
成分のうち40%以上の重量が高分子の結晶で占められ
ている組成物)64以上〔体積%〕と、DBP吸油量
(ASTM D2414‐93の測定方法による)が1
20〔cm3/100g〕以下のカーボン粉末30〜3
6〔体積%〕(真比重=1.85で換算した体積%)と
を混練してなる。
電流保護素子を提供する。 【解決手段】 シート状の導電性組成物の両面に金属箔
をそれぞれ設けた過電流保護素子で、導電性組成物は、
結晶化度40%以上である高分子組成物(常温において
成分のうち40%以上の重量が高分子の結晶で占められ
ている組成物)64以上〔体積%〕と、DBP吸油量
(ASTM D2414‐93の測定方法による)が1
20〔cm3/100g〕以下のカーボン粉末30〜3
6〔体積%〕(真比重=1.85で換算した体積%)と
を混練してなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度に依存して電
気抵抗が増加する特性、すなわち、PTC特性を有する
過電流保護素子に関するものである。
気抵抗が増加する特性、すなわち、PTC特性を有する
過電流保護素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】過電流保護素子は、図示しないが、セラ
ミック系と高分子系とに大別される。後者の過電流保護
素子は、高分子を構成成分とするシート形の導電性組成
物の表裏両面に、ニッケル等の金属箔がそれぞれ貼着さ
れることにより構成される。導電性組成物は、高分子に
導電性微粒子が分散し、正常な電流が供給されている場
合には、低抵抗値を示し、過電流が突発的に発生する場
合、高抵抗値を示して導通を遮断し、携帯電話等の回路
を有効に保護するよう機能する。
ミック系と高分子系とに大別される。後者の過電流保護
素子は、高分子を構成成分とするシート形の導電性組成
物の表裏両面に、ニッケル等の金属箔がそれぞれ貼着さ
れることにより構成される。導電性組成物は、高分子に
導電性微粒子が分散し、正常な電流が供給されている場
合には、低抵抗値を示し、過電流が突発的に発生する場
合、高抵抗値を示して導通を遮断し、携帯電話等の回路
を有効に保護するよう機能する。
【0003】係る遮断機能を高めるため、導電性組成物
として、高密度ポリエチレン等の結晶化度の高い高分子
が使用されている。このような結晶化度の高い高分子が
使用される理由としては、過負荷による発熱でポリエチ
レンの融点に達すると、高分子の結晶が溶融して体積が
急激に膨張し、個々の導電性微粒子同士の距離が大きく
なって抵抗値が上昇する(以下、トリップ特性という)こ
とにある。
として、高密度ポリエチレン等の結晶化度の高い高分子
が使用されている。このような結晶化度の高い高分子が
使用される理由としては、過負荷による発熱でポリエチ
レンの融点に達すると、高分子の結晶が溶融して体積が
急激に膨張し、個々の導電性微粒子同士の距離が大きく
なって抵抗値が上昇する(以下、トリップ特性という)こ
とにある。
【0004】高分子に分散する導電性微粒子としては、
金属微粒子、金属酸化物の微粒子、カーボン微粒子等が
あげられる。一般に多用される導電性微粒子は、トリッ
プ特性に優れる安価なカーボン微粒子であり、高分子成
分50〜70〔体積%〕に対し、カーボン微粒子30〜
50〔体積%〕の配合組成である。カーボン微粒子に
は、一次粒子の平均粒径や凝集してなる塊状粒子(二次
粒子)の粒径、粒子の表面における化学的特性等が異な
る多種のグレードがあるが、過電流保護素子では、粒子
の凝集の程度が選択基準として重要視される。
金属微粒子、金属酸化物の微粒子、カーボン微粒子等が
あげられる。一般に多用される導電性微粒子は、トリッ
プ特性に優れる安価なカーボン微粒子であり、高分子成
分50〜70〔体積%〕に対し、カーボン微粒子30〜
50〔体積%〕の配合組成である。カーボン微粒子に
は、一次粒子の平均粒径や凝集してなる塊状粒子(二次
粒子)の粒径、粒子の表面における化学的特性等が異な
る多種のグレードがあるが、過電流保護素子では、粒子
の凝集の程度が選択基準として重要視される。
【0005】粒子の凝集の目安としては、一般的に粒子
の集合体である粉末のDBP吸油量(ある一定条件下で
100gの粉末が吸収できるジブチルテレフタレートの
体積)が用いられている。過電流保護素子には、DBP
吸油量が40〜150〔cm 3/100g〕のカーボン
粉末を選択するのが一般的であるが、DBP吸油量が4
0〜150〔cm3/100g〕のカーボンを30〜4
0〔体積%〕の範囲とする配合処方が採用されている。
の集合体である粉末のDBP吸油量(ある一定条件下で
100gの粉末が吸収できるジブチルテレフタレートの
体積)が用いられている。過電流保護素子には、DBP
吸油量が40〜150〔cm 3/100g〕のカーボン
粉末を選択するのが一般的であるが、DBP吸油量が4
0〜150〔cm3/100g〕のカーボンを30〜4
0〔体積%〕の範囲とする配合処方が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カーボ
ン粉末は吸湿しやすいという問題がある。過電流保護素
子は、導電性組成物の表裏両面に金属箔がそれぞれラミ
ネートされるが、このラミメート時に高分子成分の融点
以上に加熱しないと、良好な接着を期待することができ
ない。この温度は100℃以上であり、吸湿の影響で痘
痕状の欠点が生じるという不具合がある。
ン粉末は吸湿しやすいという問題がある。過電流保護素
子は、導電性組成物の表裏両面に金属箔がそれぞれラミ
ネートされるが、このラミメート時に高分子成分の融点
以上に加熱しないと、良好な接着を期待することができ
ない。この温度は100℃以上であり、吸湿の影響で痘
痕状の欠点が生じるという不具合がある。
【0007】本発明は、上記に鑑みなされたもので、吸
湿による痘痕状の欠点を抑制防止することのできる過電
流保護素子を提供することを目的としている。
湿による痘痕状の欠点を抑制防止することのできる過電
流保護素子を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、吸湿の抑
制防止について鋭意研究したところ、導電性組成物の吸
湿量が0.05%以上の場合には、何らかの乾燥を要
し、0.05%以下の場合には、乾燥の必要がないのを
見出し、本発明を創作するに至った。また、過電流保護
素子に使用されているカーボン粉末は、DBP吸油量が
40〜150〔cm3/100g〕で、その添加量は導
電性組成物中30〜50〔体積%〕の範囲という制約の
中で、通常の条件で0.05〔重量%〕以下の吸湿量で
ある配合処方を採る方法について検討したところ、DB
P吸油量が120〔cm3/100g〕以下であるカー
ボン粉末を30〜36〔体積%〕(真比重換算での体積)
混練する過電流保護素子を確立するに至った。
制防止について鋭意研究したところ、導電性組成物の吸
湿量が0.05%以上の場合には、何らかの乾燥を要
し、0.05%以下の場合には、乾燥の必要がないのを
見出し、本発明を創作するに至った。また、過電流保護
素子に使用されているカーボン粉末は、DBP吸油量が
40〜150〔cm3/100g〕で、その添加量は導
電性組成物中30〜50〔体積%〕の範囲という制約の
中で、通常の条件で0.05〔重量%〕以下の吸湿量で
ある配合処方を採る方法について検討したところ、DB
P吸油量が120〔cm3/100g〕以下であるカー
ボン粉末を30〜36〔体積%〕(真比重換算での体積)
混練する過電流保護素子を確立するに至った。
【0009】上記に鑑み、請求項1記載の発明において
は、上記課題を達成するため、シート状の導電性組成物
の両面に金属箔をそれぞれ設けたものにおいて、上記導
電性組成物は、結晶化度40%以上である高分子組成物
(常温において成分のうち40%以上の重量が高分子の
結晶で占められている組成物)64以上〔体積%〕と、
DBP吸油量(ASTM D2414‐93の測定方法
による)が120〔cm3/100g〕以下のカーボン
粉末30〜36〔体積%〕(真比重=1.85で換算し
た体積%)とを混練してなることを特徴としている。
は、上記課題を達成するため、シート状の導電性組成物
の両面に金属箔をそれぞれ設けたものにおいて、上記導
電性組成物は、結晶化度40%以上である高分子組成物
(常温において成分のうち40%以上の重量が高分子の
結晶で占められている組成物)64以上〔体積%〕と、
DBP吸油量(ASTM D2414‐93の測定方法
による)が120〔cm3/100g〕以下のカーボン
粉末30〜36〔体積%〕(真比重=1.85で換算し
た体積%)とを混練してなることを特徴としている。
【0010】過電流保護素子は、室温における抵抗値が
より低い(例えば、φ3.0mm、厚さ0.3mmで
0.2Ω以下の抵抗値)と高性能であると評価される
が、カーボン粉末を30〜36〔体積%〕の範囲で配合
する場合には、低抵抗値を得るのが困難である。そこ
で、対策を検討したところ、限定された条件である複数
の高分子を配合すると、カーボンの粒子が偏在し、抵抗
値を1/3程度に低減できる効果を確認した(請求項
2)。また、結晶性高分子は成形収縮が大きいので、金
属箔との密着に難があるが、金属と親和性を有する官能
基をもつ高分子として(A)から選択されるエラストマ
ーを配合し、金属箔との接着を付与する過電流保護素子
を得ることもできる(請求項3)。
より低い(例えば、φ3.0mm、厚さ0.3mmで
0.2Ω以下の抵抗値)と高性能であると評価される
が、カーボン粉末を30〜36〔体積%〕の範囲で配合
する場合には、低抵抗値を得るのが困難である。そこ
で、対策を検討したところ、限定された条件である複数
の高分子を配合すると、カーボンの粒子が偏在し、抵抗
値を1/3程度に低減できる効果を確認した(請求項
2)。また、結晶性高分子は成形収縮が大きいので、金
属箔との密着に難があるが、金属と親和性を有する官能
基をもつ高分子として(A)から選択されるエラストマ
ーを配合し、金属箔との接着を付与する過電流保護素子
を得ることもできる(請求項3)。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
ましい実施形態を説明すると、本実施形態における過電
流保護素子は、シート形の導電性組成物の両面に金属箔
をそれぞれ貼着し、導電性組成物を、結晶化度40%以
上である高分子組成物(常温において成分のうち40%
以上の重量が高分子の結晶で占められている組成物)6
4〜70〔体積%〕と、DBP吸油量(ASTM D2
414‐93の測定方法による)が120〔cm3/1
00g〕以下のカーボン粉末30〜36〔体積%〕(真
比重=1.85で換算した体積%)とを混練して調製す
るようにしている。
ましい実施形態を説明すると、本実施形態における過電
流保護素子は、シート形の導電性組成物の両面に金属箔
をそれぞれ貼着し、導電性組成物を、結晶化度40%以
上である高分子組成物(常温において成分のうち40%
以上の重量が高分子の結晶で占められている組成物)6
4〜70〔体積%〕と、DBP吸油量(ASTM D2
414‐93の測定方法による)が120〔cm3/1
00g〕以下のカーボン粉末30〜36〔体積%〕(真
比重=1.85で換算した体積%)とを混練して調製す
るようにしている。
【0012】先ず、過電流保護素子のカーボン粉末につ
いて説明すると、このカーボン粉末としては、平均粒径
が10〜200nm程度のカーボン粒子(一次粒子)の集
合体が使用される。この一次粒子は空隙を抱いて凝集粒
子を形成している。この一次粒子の空隙は、液体や気体
を取り込むセルとして機能し、吸湿の要因となる。DB
P吸油量とは、液剤であるDBPを空隙に吸収させた場
合の定量値である。本発明者等は、係る数値を吸湿のし
やすさのバロメータとして重視し、着目した。一方、経
験則から吸湿量が0.05〔重量%〕を超えると、痘痕
状の発生頻度が高くなるので、以下の検討を行った。
いて説明すると、このカーボン粉末としては、平均粒径
が10〜200nm程度のカーボン粒子(一次粒子)の集
合体が使用される。この一次粒子は空隙を抱いて凝集粒
子を形成している。この一次粒子の空隙は、液体や気体
を取り込むセルとして機能し、吸湿の要因となる。DB
P吸油量とは、液剤であるDBPを空隙に吸収させた場
合の定量値である。本発明者等は、係る数値を吸湿のし
やすさのバロメータとして重視し、着目した。一方、経
験則から吸湿量が0.05〔重量%〕を超えると、痘痕
状の発生頻度が高くなるので、以下の検討を行った。
【0013】DBP吸油量の異なるカーボン粉末の添加
量〔体積%〕をふったポリエチレンとの混練物の粒子
(平均φ4.0mm、長さ4.5mm)を用意し、痘痕状
の発生頻度が高くなる夏期の条件(30℃、95%RH)
で36時間後の吸湿量を観測した。その結果、図1に示
す結果を得た。図2は図1に対比する30℃の抵抗値を
示したものである(サンプルはφ3.0mm、厚さ0.
3mm)。
量〔体積%〕をふったポリエチレンとの混練物の粒子
(平均φ4.0mm、長さ4.5mm)を用意し、痘痕状
の発生頻度が高くなる夏期の条件(30℃、95%RH)
で36時間後の吸湿量を観測した。その結果、図1に示
す結果を得た。図2は図1に対比する30℃の抵抗値を
示したものである(サンプルはφ3.0mm、厚さ0.
3mm)。
【0014】図1から吸湿量が0.05〔重量%〕以下
の数値となるのは、DBP吸油量が120〔cm3/1
00g〕以下であると判断することができる。一方、図
1において、過電流保護素子のカーボン粉末として、D
BP吸油量の下限値である40〔cm3/100g〕
は、36〔体積%〕で吸湿量が0.05〔重量%〕に達
しているので、吸湿における安全範囲は36〔体積%〕
であることが読み取れる。
の数値となるのは、DBP吸油量が120〔cm3/1
00g〕以下であると判断することができる。一方、図
1において、過電流保護素子のカーボン粉末として、D
BP吸油量の下限値である40〔cm3/100g〕
は、36〔体積%〕で吸湿量が0.05〔重量%〕に達
しているので、吸湿における安全範囲は36〔体積%〕
であることが読み取れる。
【0015】また、図2において、過電流保護素子とし
て好適な抵抗値は1.0Ω以下の値であるが、過電流保
護素子として使用可能なのは、30〔体積%〕以上であ
るから、吸湿しない過電流保護素子として使用可能なの
は、30〜36〔体積%〕であると判断することができ
る。したがって、カーボン粉末のDBP吸油量は40〜
100〔cm3/100g〕であり、その配合量は30
〜36〔体積%〕である。好ましくは、60〜80〔c
m3/100g〕のDBP吸油量であり、33〜36
〔体積%〕の配合量である。
て好適な抵抗値は1.0Ω以下の値であるが、過電流保
護素子として使用可能なのは、30〔体積%〕以上であ
るから、吸湿しない過電流保護素子として使用可能なの
は、30〜36〔体積%〕であると判断することができ
る。したがって、カーボン粉末のDBP吸油量は40〜
100〔cm3/100g〕であり、その配合量は30
〜36〔体積%〕である。好ましくは、60〜80〔c
m3/100g〕のDBP吸油量であり、33〜36
〔体積%〕の配合量である。
【0016】次に、過電流保護素子の高分子組成物につ
いて説明すると、この高分子組成物とは、常温におい
て、成分中40%以上の重量が高分子の結晶で占められ
る組成物をいう。この高分子組成物の結晶化度は、40
%以下では過電流保護素子として不充分なトリップ特性
なので、40%以上の結晶化度を要する。結晶化度につ
いての上限はないが、高いほうが好ましい。実用性を考
慮すると、結晶化度が50%を上回れば、トリップ時に
抵抗値が1,000〜10,000倍上昇するので、5
0%以上の結晶化度があれば良い。
いて説明すると、この高分子組成物とは、常温におい
て、成分中40%以上の重量が高分子の結晶で占められ
る組成物をいう。この高分子組成物の結晶化度は、40
%以下では過電流保護素子として不充分なトリップ特性
なので、40%以上の結晶化度を要する。結晶化度につ
いての上限はないが、高いほうが好ましい。実用性を考
慮すると、結晶化度が50%を上回れば、トリップ時に
抵抗値が1,000〜10,000倍上昇するので、5
0%以上の結晶化度があれば良い。
【0017】高分子組成物は、結晶化度20%以上の
高分子の単体、複数の結晶化度20%以上の高分子か
らなる混合物、上記と、その他の高分子、オリゴ
マー、フィラー、安定剤、その他の添加物質との混合物
という形態をなしている。なお、常温で高分子の結晶が
成分の20%以上の重量を占める配合組成で、高分子や
添加物質をカーボン粉末と共に同時に混練し、導電性組
成物を調製した場合、上記の形態の組成物を使用し
たとして解釈することができる。
高分子の単体、複数の結晶化度20%以上の高分子か
らなる混合物、上記と、その他の高分子、オリゴ
マー、フィラー、安定剤、その他の添加物質との混合物
という形態をなしている。なお、常温で高分子の結晶が
成分の20%以上の重量を占める配合組成で、高分子や
添加物質をカーボン粉末と共に同時に混練し、導電性組
成物を調製した場合、上記の形態の組成物を使用し
たとして解釈することができる。
【0018】以下に本発明の高分子組成物に使用する結
晶性高分子を例にあげると、密度が0.94以上である
ポリエチレン、ホモタイプのポリプロピレン、密度が
1.95以上であるポリフッ化ブニリデン、ポリフェニ
リデンエーテル等の液晶性ポリマーが該当する。本発明
においては、これらを自由に選択することができる。本
発明の結晶性高分子は、上記高分子であれば、分子量、
短鎖や長鎖の分岐状態、シンジオタックチック、アイソ
タックチック、アタックチック等、分子のコーホメーシ
ョン等の分子構造的特徴にもなんら制限がなく、任意で
ある。
晶性高分子を例にあげると、密度が0.94以上である
ポリエチレン、ホモタイプのポリプロピレン、密度が
1.95以上であるポリフッ化ブニリデン、ポリフェニ
リデンエーテル等の液晶性ポリマーが該当する。本発明
においては、これらを自由に選択することができる。本
発明の結晶性高分子は、上記高分子であれば、分子量、
短鎖や長鎖の分岐状態、シンジオタックチック、アイソ
タックチック、アタックチック等、分子のコーホメーシ
ョン等の分子構造的特徴にもなんら制限がなく、任意で
ある。
【0019】なお、一般の過電流保護素子は、130℃
程度の発熱で電流を遮断するのが普通であるから、融点
が120〜140℃の範囲にあるポリエチレンを選択す
ると良い。このポリエチレン中、密度が0.93を上回
る高密度ポリエチレンが好ましく、この高密度ポリエチ
レン中、密度が0.95を上回るものは、結晶化度が9
0%を超えると、トリップ特性に優れるのでさらに良
い。
程度の発熱で電流を遮断するのが普通であるから、融点
が120〜140℃の範囲にあるポリエチレンを選択す
ると良い。このポリエチレン中、密度が0.93を上回
る高密度ポリエチレンが好ましく、この高密度ポリエチ
レン中、密度が0.95を上回るものは、結晶化度が9
0%を超えると、トリップ特性に優れるのでさらに良
い。
【0020】本発明は、カーボンの添加量を極力抑制し
て吸湿効果を得る過電流保護素子なので、低抵抗を発現
するには不利な過電流保護素子である。請求項2記載の
発明は、こうした欠点を補うための過電流保護素子であ
る。本発明者等は、融点の異なる複数の高分子からなる
系において、溶融状態から冷却されて系が完全に固体に
なるまでの挙動について常々関心があった。特に、高分
子が溶融状態から固化する時点に異種物質を排斥する挙
動には特に注目し、その挙動を利用すれば、導電性マト
リックスの高性能化が期待できるので、鋭意研究したと
ころ、請求項2記載の条件を満たせば、低抵抗が得られ
るのを見出した。具体的には、導電性マトリックスを融
点の異なる複数の高分子からなる組成物とし、融点の高
い高分子が固化する時に結晶性高分子とカーボン粒子を
排斥すれば、カーボン粒子に富んだ結晶部分が形成さ
れ、低抵抗が実現できる。
て吸湿効果を得る過電流保護素子なので、低抵抗を発現
するには不利な過電流保護素子である。請求項2記載の
発明は、こうした欠点を補うための過電流保護素子であ
る。本発明者等は、融点の異なる複数の高分子からなる
系において、溶融状態から冷却されて系が完全に固体に
なるまでの挙動について常々関心があった。特に、高分
子が溶融状態から固化する時点に異種物質を排斥する挙
動には特に注目し、その挙動を利用すれば、導電性マト
リックスの高性能化が期待できるので、鋭意研究したと
ころ、請求項2記載の条件を満たせば、低抵抗が得られ
るのを見出した。具体的には、導電性マトリックスを融
点の異なる複数の高分子からなる組成物とし、融点の高
い高分子が固化する時に結晶性高分子とカーボン粒子を
排斥すれば、カーボン粒子に富んだ結晶部分が形成さ
れ、低抵抗が実現できる。
【0021】上記において、カーボン粒子に富んだ結晶
部分を構成する結晶性高分子に対し、異種の高分子は少
なくとも一種類以上高分子であるを要するから、請求項
2記載のNは2以上で上限はない。また、過電流保護素
子としては少なくとも80℃以上での耐熱性を要し、後
述するように本発明では接着性付与のためにエラストマ
ーを配合するが、このエラストマー以外の高分子は80
℃以上の融点をもつことが要求されるので、(式2)に示
す内容の条件が要求される。
部分を構成する結晶性高分子に対し、異種の高分子は少
なくとも一種類以上高分子であるを要するから、請求項
2記載のNは2以上で上限はない。また、過電流保護素
子としては少なくとも80℃以上での耐熱性を要し、後
述するように本発明では接着性付与のためにエラストマ
ーを配合するが、このエラストマー以外の高分子は80
℃以上の融点をもつことが要求されるので、(式2)に示
す内容の条件が要求される。
【0022】請求項2記載の発明は、カーボン粒子に富
んだ結晶部分を構成する結晶性高分子に、異種の高分子
を配合する過電流保護素子である。結晶性高分子よりも
高い融点をもつ高分子は、複数だとトリップ特性が顕著
でなくなるので、一種類であることが好ましい。なお、
請求項2記載のTn-1は結晶性高分子の融点を示し、Tn
は結晶性高分子よりも高い融点をもつ高分子の融点であ
る。
んだ結晶部分を構成する結晶性高分子に、異種の高分子
を配合する過電流保護素子である。結晶性高分子よりも
高い融点をもつ高分子は、複数だとトリップ特性が顕著
でなくなるので、一種類であることが好ましい。なお、
請求項2記載のTn-1は結晶性高分子の融点を示し、Tn
は結晶性高分子よりも高い融点をもつ高分子の融点であ
る。
【0023】Tn-1に対してTnが5℃よりも高くないと
効果がなく、25℃を超えるとトリップ特性が顕著でな
くなるので、(式3)に示す内容の条件が要求される。温
度差は10〜20℃の範囲であるのが好ましい。そし
て、固化時の排斥作用を考慮すると、Tn℃以下の温度
において、結晶性高分子は、Tn-1を示す高分子に対し
て相互に非相溶性であることが好ましい。なお、結晶性
高分子よりも低い融点をもつ高分子は複数でも良い。後
述する請求項3、4記載の過電流保護素子の場合には、
接着性付与のために限定したエラストマーを配合する
が、このエラストマーは融点をもたない高分子であるこ
とがある。この場合、結晶性高分子の融点において、塑
性変形が可能な温度域であるならば、結晶性高分子より
も低い融点の高分子に該当すると解釈することとする。
効果がなく、25℃を超えるとトリップ特性が顕著でな
くなるので、(式3)に示す内容の条件が要求される。温
度差は10〜20℃の範囲であるのが好ましい。そし
て、固化時の排斥作用を考慮すると、Tn℃以下の温度
において、結晶性高分子は、Tn-1を示す高分子に対し
て相互に非相溶性であることが好ましい。なお、結晶性
高分子よりも低い融点をもつ高分子は複数でも良い。後
述する請求項3、4記載の過電流保護素子の場合には、
接着性付与のために限定したエラストマーを配合する
が、このエラストマーは融点をもたない高分子であるこ
とがある。この場合、結晶性高分子の融点において、塑
性変形が可能な温度域であるならば、結晶性高分子より
も低い融点の高分子に該当すると解釈することとする。
【0024】請求項2記載の過電流保護素子における構
成については、特に制限はなく、自由に選択することが
できる。但し、カーボン粒子に富んでいる結晶の重量が
導電性マトリックスを構成する高分子マトリックスの4
0%以上を占めるように配合する必要がある。
成については、特に制限はなく、自由に選択することが
できる。但し、カーボン粒子に富んでいる結晶の重量が
導電性マトリックスを構成する高分子マトリックスの4
0%以上を占めるように配合する必要がある。
【0025】請求項3記載のエラストマーは、カルボン
酸、その無水化物等の酸性を有する官能基、水酸基、エ
ポキシ基等の金属との親和性を有する官能基をもつ高分
子に限定される。また、(A‐3)の混合物とは、係る
エラストマーを構成成分とする物をいう。すなわち、エ
チレン‐プロピレン共重合体(EPR)、エチレン‐プロ
ピレン‐ジエン共重合体(EPDM)等のエチレン‐αオ
レフィン‐ジエン共重合体、スチレン‐エチレン‐ブタ
ジエン共重合体等のスチレン系ゴム、ポリエステル系ゴ
ム、アクリル系ゴム、ブタジエン系ゴム、イソプレン系
ゴム、天然ゴム等の未架橋のゴムに上記官能基が導入さ
れてなるエラストマー等があげられる。
酸、その無水化物等の酸性を有する官能基、水酸基、エ
ポキシ基等の金属との親和性を有する官能基をもつ高分
子に限定される。また、(A‐3)の混合物とは、係る
エラストマーを構成成分とする物をいう。すなわち、エ
チレン‐プロピレン共重合体(EPR)、エチレン‐プロ
ピレン‐ジエン共重合体(EPDM)等のエチレン‐αオ
レフィン‐ジエン共重合体、スチレン‐エチレン‐ブタ
ジエン共重合体等のスチレン系ゴム、ポリエステル系ゴ
ム、アクリル系ゴム、ブタジエン系ゴム、イソプレン系
ゴム、天然ゴム等の未架橋のゴムに上記官能基が導入さ
れてなるエラストマー等があげられる。
【0026】一般にエラストマーとは、室温において分
子活動が活発な糸状重合体と定義されるが、本発明にお
いても同様に解釈される。エラストマーのムーニー粘
度、分子内の分岐、分子量分布等の分子構造的特性は任
意であり、本発明でも同様である。また、幾種類の混合
物でも良い。
子活動が活発な糸状重合体と定義されるが、本発明にお
いても同様に解釈される。エラストマーのムーニー粘
度、分子内の分岐、分子量分布等の分子構造的特性は任
意であり、本発明でも同様である。また、幾種類の混合
物でも良い。
【0027】上記官能基を有するエラストマーの製法と
しては、不飽和結合を有するエラストマー(例えば、未
架橋のゴム)に、上記官能基を有する不飽和炭素のエラ
ストマーあるいは重合体をパーオキサイドを用いて行う
のが主流である。本発明においては、架橋助剤や橋かけ
剤を併用する等、自由である。そして、請求項3記載の
(A)の高分子は、単一でも良いし、何種類かの混合物で
も良い。(A‐3)の混合物とは、上記高分子を主成分
とした混合物をいい、例えば上記した未架橋のゴム又は
非架橋性のゴムに、パラフィンオイル等の可塑剤が添加
されて流動性が改質したり、他の高分子やフィラー等で
補強されてなるものをいう。
しては、不飽和結合を有するエラストマー(例えば、未
架橋のゴム)に、上記官能基を有する不飽和炭素のエラ
ストマーあるいは重合体をパーオキサイドを用いて行う
のが主流である。本発明においては、架橋助剤や橋かけ
剤を併用する等、自由である。そして、請求項3記載の
(A)の高分子は、単一でも良いし、何種類かの混合物で
も良い。(A‐3)の混合物とは、上記高分子を主成分
とした混合物をいい、例えば上記した未架橋のゴム又は
非架橋性のゴムに、パラフィンオイル等の可塑剤が添加
されて流動性が改質したり、他の高分子やフィラー等で
補強されてなるものをいう。
【0028】請求項4記載の発明は、エチレン‐αオレ
フィン共重合体、又はエチレン‐αオレフィン‐ジエン
共重合体に、無水マレイン酸を付加してなるエラストマ
ーを選択した過電流保護素子である。係るエラストマー
は、原料である上記共重合体にマレイン酸を付加反応さ
せることにより得られる。エラストマーの製造方法は、
パーオキサイドを使用して行うのが主流であり、架橋助
剤や橋かけ剤を併用する等、本発明においては自由であ
る。
フィン共重合体、又はエチレン‐αオレフィン‐ジエン
共重合体に、無水マレイン酸を付加してなるエラストマ
ーを選択した過電流保護素子である。係るエラストマー
は、原料である上記共重合体にマレイン酸を付加反応さ
せることにより得られる。エラストマーの製造方法は、
パーオキサイドを使用して行うのが主流であり、架橋助
剤や橋かけ剤を併用する等、本発明においては自由であ
る。
【0029】エチレン‐αオレフィン共重合体、エチレ
ン‐αオレフィン‐ジエン共重合体のαオレフィンの種
類であるが、αオレフィンについては一般に炭素数が3
のプロピレンが使用される。但し、本発明においては特
に制限されるものではない。エチレン‐αオレフィン‐
ジエン共重合体のジエンとしては、エチルノルポルネン
やジシクロペンタジエン及びビニルノルボルネン等が通
常使用されるが、本発明においては特に制限されるもの
ではない。ジエンのコンテントについても同様である。
また、両者の共重合体におけるエチレン構成比、ムーニ
ー粘度、分子内の分岐、分子量分布等の分子構造的特性
は任意である。パラフィンオイルの添加により流動性が
改質されたり、他の高分子やフィラー等で補強されても
構わない。また、この重合体に付加する無水マレイン酸
の量についても特に制限されないが、市販のものは0.
2〜5.5wt%であり、より多いほうが好ましい。
ン‐αオレフィン‐ジエン共重合体のαオレフィンの種
類であるが、αオレフィンについては一般に炭素数が3
のプロピレンが使用される。但し、本発明においては特
に制限されるものではない。エチレン‐αオレフィン‐
ジエン共重合体のジエンとしては、エチルノルポルネン
やジシクロペンタジエン及びビニルノルボルネン等が通
常使用されるが、本発明においては特に制限されるもの
ではない。ジエンのコンテントについても同様である。
また、両者の共重合体におけるエチレン構成比、ムーニ
ー粘度、分子内の分岐、分子量分布等の分子構造的特性
は任意である。パラフィンオイルの添加により流動性が
改質されたり、他の高分子やフィラー等で補強されても
構わない。また、この重合体に付加する無水マレイン酸
の量についても特に制限されないが、市販のものは0.
2〜5.5wt%であり、より多いほうが好ましい。
【0030】なお、エチレン構成比であるが、結晶性高
分子としてポリエチレンを使用する場合には、共重合体
のエチレン構成比を結晶成分として換算することができ
る。例えば、結晶性高分子ポリエチレンを選択し、ポリ
エチレン100体積部に対して50体積部の無水マレイ
ン酸変性のエチレン‐プロピレン‐ジエン共重合体(エ
チレン構成比が40%)を配合するとき、マトリックス
150体積部のうち、120体積部を結晶成分として扱
うことができる。
分子としてポリエチレンを使用する場合には、共重合体
のエチレン構成比を結晶成分として換算することができ
る。例えば、結晶性高分子ポリエチレンを選択し、ポリ
エチレン100体積部に対して50体積部の無水マレイ
ン酸変性のエチレン‐プロピレン‐ジエン共重合体(エ
チレン構成比が40%)を配合するとき、マトリックス
150体積部のうち、120体積部を結晶成分として扱
うことができる。
【0031】(A)から選択される高分子又はこれを構
成成分とするマトリックスの配合量は、結晶性高分子1
00体積部に対して10体積部未満の場合には、金属箔
との接着性に欠け、70体積部以上の場合、結晶成分が
少ないのでトリップ性能が不充分となる。そこで、本発
明においては、10〜70体積部が好ましく、15〜4
0体積部が最適である。
成成分とするマトリックスの配合量は、結晶性高分子1
00体積部に対して10体積部未満の場合には、金属箔
との接着性に欠け、70体積部以上の場合、結晶成分が
少ないのでトリップ性能が不充分となる。そこで、本発
明においては、10〜70体積部が好ましく、15〜4
0体積部が最適である。
【0032】請求項3、4記載の発明は、請求項2記載
の発明と併用することが可能である。例えば、結晶性高
分子としでポリエチレンを選択し(結晶度が90%)、ポ
リエチレンよりも高い融点を有する高分子としてポリア
クリレート(結晶度が30%)、金属との接着性付与用
の高分子として無水マレイン酸変性のエチレン‐プロピ
レン‐ジエン共重合体(エチレン構成比が20%)を配
合するとし、構成比がポリエチレン100重量部に対し
てポリアクリレート100重量部、該重合体50重量部
である場合、マトリックス250重量部のうち、結晶成
分が130重量部であるので、結晶度52%として扱う
ことができる。
の発明と併用することが可能である。例えば、結晶性高
分子としでポリエチレンを選択し(結晶度が90%)、ポ
リエチレンよりも高い融点を有する高分子としてポリア
クリレート(結晶度が30%)、金属との接着性付与用
の高分子として無水マレイン酸変性のエチレン‐プロピ
レン‐ジエン共重合体(エチレン構成比が20%)を配
合するとし、構成比がポリエチレン100重量部に対し
てポリアクリレート100重量部、該重合体50重量部
である場合、マトリックス250重量部のうち、結晶成
分が130重量部であるので、結晶度52%として扱う
ことができる。
【0033】本発明に係る過電流保護素子は、導電性組
成物がニッケルや銅等の金属箔に挟まれてなる形態であ
る。従来における過電流保護素子の導電性組成物は、金
属箔との接着性に欠けるので、電析で得る箔(数μmの
デンドライト様の凹凸を有する)や、プレス成形やスラ
ッシュ等の粗面化処理を施した箔等が使用されている。
しかしながら、請求項3、4の過電流保護素子において
は、金属箔の表面状態における制限がなく、敬遠されて
いた平滑な金属箔をも使用することができる。例えば、
従来は粗面化が施された金属箔に限定されていたので、
ニッケルや銅といった素材を選択せざるを得なかった。
これに対し、請求項3、4の過電流保護素子によれば、
金、白金、パラジウム等の低抵抗な金属、ステンレスや
鉄等の安価な素材を選択することができる。つまり、本
発明に係る過電流保護素子は、金属箔の素材についてな
んら制限がない。また、厚さについてもなんら制限され
るものではなく、任意である。
成物がニッケルや銅等の金属箔に挟まれてなる形態であ
る。従来における過電流保護素子の導電性組成物は、金
属箔との接着性に欠けるので、電析で得る箔(数μmの
デンドライト様の凹凸を有する)や、プレス成形やスラ
ッシュ等の粗面化処理を施した箔等が使用されている。
しかしながら、請求項3、4の過電流保護素子において
は、金属箔の表面状態における制限がなく、敬遠されて
いた平滑な金属箔をも使用することができる。例えば、
従来は粗面化が施された金属箔に限定されていたので、
ニッケルや銅といった素材を選択せざるを得なかった。
これに対し、請求項3、4の過電流保護素子によれば、
金、白金、パラジウム等の低抵抗な金属、ステンレスや
鉄等の安価な素材を選択することができる。つまり、本
発明に係る過電流保護素子は、金属箔の素材についてな
んら制限がない。また、厚さについてもなんら制限され
るものではなく、任意である。
【0034】本発明に係る過電流保護素子は、加圧ニー
ダ、バンバリー、二本ロール、押出機等の混練装置で混
合され、押出機やカレンダー装置でシーティングされ、
金属箔との積層を経てから任意の形に打ち抜かれるが、
製法や装置の選択については自由である。また、一般に
PTC特性を高めるため、放射線や電子線の照射により
架橋が施されたり、数から数十の回数でトリップさせる
ことにより、導電粒子の偏在を発達させる等の後処理が
行われるが、本発明においても係る処理を行うのが望ま
しい。一般な照射量は、放射線については30〜200
KQry程度、電子線については3〜20MRa程度で
ある。本発明においても、同等の照射量とすることが好
ましい。なお、本発明に係る過電流保護素子は、放射線
や電子線の照射により、金属との接着強度(剥離強度)が
50〜500%程度まで向上するといった効果がある。
ダ、バンバリー、二本ロール、押出機等の混練装置で混
合され、押出機やカレンダー装置でシーティングされ、
金属箔との積層を経てから任意の形に打ち抜かれるが、
製法や装置の選択については自由である。また、一般に
PTC特性を高めるため、放射線や電子線の照射により
架橋が施されたり、数から数十の回数でトリップさせる
ことにより、導電粒子の偏在を発達させる等の後処理が
行われるが、本発明においても係る処理を行うのが望ま
しい。一般な照射量は、放射線については30〜200
KQry程度、電子線については3〜20MRa程度で
ある。本発明においても、同等の照射量とすることが好
ましい。なお、本発明に係る過電流保護素子は、放射線
や電子線の照射により、金属との接着強度(剥離強度)が
50〜500%程度まで向上するといった効果がある。
【0035】また、市販化されている過電流保護素子に
は、全面あるいは一部にハンダが積層されることがある
が、本発明においても、同様の形態に構成することがで
きる。本発明に係る過電流保護素子は、打ち抜かれた形
状、ハンダの積層方法により、Disc strap,
Terminal device,Strap,SMD
等の形態をとり、一次電池や二次電池の保護、自動車等
のモータ保護、スピーカの保護、携帯電話等での充電電
池の保護、コンピュータ回路の保護等の用途で使用され
る。
は、全面あるいは一部にハンダが積層されることがある
が、本発明においても、同様の形態に構成することがで
きる。本発明に係る過電流保護素子は、打ち抜かれた形
状、ハンダの積層方法により、Disc strap,
Terminal device,Strap,SMD
等の形態をとり、一次電池や二次電池の保護、自動車等
のモータ保護、スピーカの保護、携帯電話等での充電電
池の保護、コンピュータ回路の保護等の用途で使用され
る。
【0036】
【実施例】以下、本発明に係る過電流保護素子の実施例
を比較例と共に説明する。なお、本発明は以下の実施例
になんら限定されるものではない。また、以下の実施例
・比較例においては、金属箔と導電性組成物の接着性評
価(90°剥離)と、PTC特性で評価しているが、評
価の詳細は次の通りである。
を比較例と共に説明する。なお、本発明は以下の実施例
になんら限定されるものではない。また、以下の実施例
・比較例においては、金属箔と導電性組成物の接着性評
価(90°剥離)と、PTC特性で評価しているが、評
価の詳細は次の通りである。
【0037】PTC特性 先ず、金属箔と導電性組成物とを一体化した後に、10
×10mmのサイズに裁断し、これに電線をハンダによ
り接合(両側の金属箔面に接合)し、電線を抵抗測定器
に接続して過電流保護素子の抵抗を測定する。測定の環
境は、30、80、100、110、120、130、
140℃とし、過電流保護素子をオーブンに入れて測定
を開始する。測定の方法としては、30℃から順次昇温
し、測定温度に達したら、5分間その温度を保持してそ
の時(5分間保持した時)に抵抗値をプロットする。そ
して、プロットし終えたら、次の測定温度に昇温して測
定する。
×10mmのサイズに裁断し、これに電線をハンダによ
り接合(両側の金属箔面に接合)し、電線を抵抗測定器
に接続して過電流保護素子の抵抗を測定する。測定の環
境は、30、80、100、110、120、130、
140℃とし、過電流保護素子をオーブンに入れて測定
を開始する。測定の方法としては、30℃から順次昇温
し、測定温度に達したら、5分間その温度を保持してそ
の時(5分間保持した時)に抵抗値をプロットする。そ
して、プロットし終えたら、次の測定温度に昇温して測
定する。
【0038】実施例・比較例1 先ず、230℃に温度調節された加圧ニーダで20分間
混練し、表1に示す配合組成で14種類の混練物(導電
性組成物)を得た。これらの混練物の冷却前に、230
0℃に温度調節された押出機に投じてスランド状の押出
物を作製し、これを水冷した直後にペレタイザーでカッ
トして14種類の粒子(平均φ4.0mm、長さ4.5
mm)を得た。次いで、これら14種類の粒子100g
をシャーレに入れ、25℃、60%RHの環境に整えた
恒温恒湿機に24時間入れてから重量を少数2桁まで記
録した。こうして重量を記録したら、30℃、95%R
Hの環境に整えた恒温恒湿機に36時間入れ、取り出し
た直後に再度重量を測定し、上記重量との差を算出し
た。そして、初期の重量に対する重量差を100分率の
吸湿量とし、各サンプルを比較したところ、表2、図3
に示す結果を得た。
混練し、表1に示す配合組成で14種類の混練物(導電
性組成物)を得た。これらの混練物の冷却前に、230
0℃に温度調節された押出機に投じてスランド状の押出
物を作製し、これを水冷した直後にペレタイザーでカッ
トして14種類の粒子(平均φ4.0mm、長さ4.5
mm)を得た。次いで、これら14種類の粒子100g
をシャーレに入れ、25℃、60%RHの環境に整えた
恒温恒湿機に24時間入れてから重量を少数2桁まで記
録した。こうして重量を記録したら、30℃、95%R
Hの環境に整えた恒温恒湿機に36時間入れ、取り出し
た直後に再度重量を測定し、上記重量との差を算出し
た。そして、初期の重量に対する重量差を100分率の
吸湿量とし、各サンプルを比較したところ、表2、図3
に示す結果を得た。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】一方、14種類の粒子を180℃に温度調
節された二本ロールに投じ、厚さ0.50mmのシート
状物を作製してからこれら14種類のシート状物を30
℃、95%RHの環境に整えた恒温恒湿機に36時間投
入した。取り出してから6時間以内に、シート状物の表
裏に電解ニッケル箔(厚さ25μm)を重ね、210℃に
温度調節した二本のステンレス製のロールでラミネート
したところ、比較例1‐2、1‐4、1‐6、1‐7で
は痘痕が発生した。これに対し、本発明の実施例1‐
1、1‐2、1‐3、1‐4、1‐5、1‐6、1‐7
では痘痕がなんら見当たらなかった。
節された二本ロールに投じ、厚さ0.50mmのシート
状物を作製してからこれら14種類のシート状物を30
℃、95%RHの環境に整えた恒温恒湿機に36時間投
入した。取り出してから6時間以内に、シート状物の表
裏に電解ニッケル箔(厚さ25μm)を重ね、210℃に
温度調節した二本のステンレス製のロールでラミネート
したところ、比較例1‐2、1‐4、1‐6、1‐7で
は痘痕が発生した。これに対し、本発明の実施例1‐
1、1‐2、1‐3、1‐4、1‐5、1‐6、1‐7
では痘痕がなんら見当たらなかった。
【0042】そして、得られた14種類のシート状物に
対して15MRaの電子線を電子線照射装置で照射し、
10×10mmのサイズに裁断して過電流保護素子を得
た。これらの素子について、30℃における抵抗値を測
定したところ、表2、図3の通りであった。表2、図3
によると、痘痕の発生した比較例1‐2、1‐4、1‐
6、1‐7では、吸湿量が0.05〔重量%〕を超えて
いた。また、痘痕の発生しなかった比較例1‐1、1‐
3、1‐5は、吸湿量が0.05〔重量%〕に至らなか
ったものの、1.0〔Ω〕を超えていたので、過電流保
護素子としては不適切であった。
対して15MRaの電子線を電子線照射装置で照射し、
10×10mmのサイズに裁断して過電流保護素子を得
た。これらの素子について、30℃における抵抗値を測
定したところ、表2、図3の通りであった。表2、図3
によると、痘痕の発生した比較例1‐2、1‐4、1‐
6、1‐7では、吸湿量が0.05〔重量%〕を超えて
いた。また、痘痕の発生しなかった比較例1‐1、1‐
3、1‐5は、吸湿量が0.05〔重量%〕に至らなか
ったものの、1.0〔Ω〕を超えていたので、過電流保
護素子としては不適切であった。
【0043】これに対し、本発明の実施例1‐1、1‐
2、1‐3、1‐4、1‐5、1‐6、1‐7では、痘
痕が発生しなかった。また、吸湿量が0.05〔重量
%〕以下であり、抵抗値的にも過電流保護素子として適
したものであった。
2、1‐3、1‐4、1‐5、1‐6、1‐7では、痘
痕が発生しなかった。また、吸湿量が0.05〔重量
%〕以下であり、抵抗値的にも過電流保護素子として適
したものであった。
【0044】実施例・比較例2 先ず、過電流保護素子における導電性組成物の結晶性高
分子として高密度ポリエチレン(融点134℃)を選択
し、これよりも高い温度の融点又は熱変形温度を有する
3種類の高分子を混合して高分子組成物の配合を設定し
た(表3参照)。そして、230℃に温度調製された加圧
ニーダで10分間混練し、表3に示す配合組成で4種類
の混練物を得た。こうして4種類の混練物を得たら、各
混練物65〔体積%〕と、DBP吸油量が75〔cm3
/100g〕のカーボン粉末〔コロンビヤンガボン株式
会社製 商品名RABEN410〕35〔体積%〕とを
230℃に温度調節された加圧ニーダで20分間混練
し、4種類の導電性組成物を得た。
分子として高密度ポリエチレン(融点134℃)を選択
し、これよりも高い温度の融点又は熱変形温度を有する
3種類の高分子を混合して高分子組成物の配合を設定し
た(表3参照)。そして、230℃に温度調製された加圧
ニーダで10分間混練し、表3に示す配合組成で4種類
の混練物を得た。こうして4種類の混練物を得たら、各
混練物65〔体積%〕と、DBP吸油量が75〔cm3
/100g〕のカーボン粉末〔コロンビヤンガボン株式
会社製 商品名RABEN410〕35〔体積%〕とを
230℃に温度調節された加圧ニーダで20分間混練
し、4種類の導電性組成物を得た。
【0045】
【表3】
【0046】次いで、導電性組成物の冷却前に、180
℃に温度調節された二本ロールに投じて厚さ0.50m
mのシート状物を作製した。シート状物を作製したら、
これらのシート状物の表裏面に平滑な表面を有するニッ
ケル箔(表6のB)を重ね、230℃に温度調節したプレ
ス成形機にセットして加圧し、加圧したまま冷却水によ
り50℃になるまで冷却して取り出した。そして、サン
プルとして得られた8点について、15MRaの電子線
を電子線照射装置で照射し、10×10mmサイズに裁
断して過電流保護素子を得た。これらの過電流保護素子
におけるPTC特性を評価したところ、表4、図4示す
結果を得た。なお、表4、図4中のブランクは、実施例
1‐5と同様の配合組成になっている。
℃に温度調節された二本ロールに投じて厚さ0.50m
mのシート状物を作製した。シート状物を作製したら、
これらのシート状物の表裏面に平滑な表面を有するニッ
ケル箔(表6のB)を重ね、230℃に温度調節したプレ
ス成形機にセットして加圧し、加圧したまま冷却水によ
り50℃になるまで冷却して取り出した。そして、サン
プルとして得られた8点について、15MRaの電子線
を電子線照射装置で照射し、10×10mmサイズに裁
断して過電流保護素子を得た。これらの過電流保護素子
におけるPTC特性を評価したところ、表4、図4示す
結果を得た。なお、表4、図4中のブランクは、実施例
1‐5と同様の配合組成になっている。
【0047】
【表4】
【0048】表4、図4に示すように、融点あるいは熱
変形温度に関し、本発明の実施例2‐1は、ブランク処
方に比較してPTC特性に優れたものであった。これに
対し、比較例2‐1、2‐2は、ブランク処方に対して
優位性を有するものではなかった。
変形温度に関し、本発明の実施例2‐1は、ブランク処
方に比較してPTC特性に優れたものであった。これに
対し、比較例2‐1、2‐2は、ブランク処方に対して
優位性を有するものではなかった。
【0049】実施例・比較例3 先ず、230℃に温度調節された加圧ニーダで10分間
混練し、表5に示す配合組成で6種類の混練物を得た。
導電性組成物の冷却前に、180℃に温度調節された二
本ロールに投じて厚さ0.50mmのシート状物を作製
した。これらシート状物の表裏面に表6に示す金属箔を
重ね、230℃に温度調節したプレス成形機にセットし
て加圧し、加圧したまま冷却水で50℃になるまで冷却
して取り出すといった操作により、24点のシート状物
を作製した。
混練し、表5に示す配合組成で6種類の混練物を得た。
導電性組成物の冷却前に、180℃に温度調節された二
本ロールに投じて厚さ0.50mmのシート状物を作製
した。これらシート状物の表裏面に表6に示す金属箔を
重ね、230℃に温度調節したプレス成形機にセットし
て加圧し、加圧したまま冷却水で50℃になるまで冷却
して取り出すといった操作により、24点のシート状物
を作製した。
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】得られた24点のシート状物に対して10
〔MRad〕の電子線を電子線照射装置で照射し、それ
ぞれ10×100mのサイズで裁断して以下の金属箔を
剥離する際に要する剥離強度(90°剥離)を測定した
ところ、表7の結果を得た。また、電子線を照射した2
4点のシート状物のうち、圧延されてなるニッケル箔
(表6のB)より得たもの6点を10×10mmのサイ
ズに裁断し、過電流保護素子を得た。これらの過電流保
護素子おけるPTC特性を評価したところ、表8、図5
に示す結果を得た。
〔MRad〕の電子線を電子線照射装置で照射し、それ
ぞれ10×100mのサイズで裁断して以下の金属箔を
剥離する際に要する剥離強度(90°剥離)を測定した
ところ、表7の結果を得た。また、電子線を照射した2
4点のシート状物のうち、圧延されてなるニッケル箔
(表6のB)より得たもの6点を10×10mmのサイ
ズに裁断し、過電流保護素子を得た。これらの過電流保
護素子おけるPTC特性を評価したところ、表8、図5
に示す結果を得た。
【0053】
【表7】
【0054】
【表8】
【0055】測定中、比較例3‐1は金属箔が剥離して
異常な数値を示した。また、表8、図5に示すように、
比較例3‐2は、抵抗の上昇が緩慢で過電流保護素子と
しては不適当なものであった。一方、本発明の実施例3
‐1、3‐2、3‐3、3‐4は過電流保護素子として
適したものであった。特に、実施例3‐1、3‐2、3
‐3はPTC特性に優れていた。
異常な数値を示した。また、表8、図5に示すように、
比較例3‐2は、抵抗の上昇が緩慢で過電流保護素子と
しては不適当なものであった。一方、本発明の実施例3
‐1、3‐2、3‐3、3‐4は過電流保護素子として
適したものであった。特に、実施例3‐1、3‐2、3
‐3はPTC特性に優れていた。
【0056】金属箔と導電性組成物の接着性評価(90
°剥離試験) 金属箔と導電性組成物とを一体化して10×100mm
のサイズで裁断し、金属箔を30mm剥離してから引張
り試験機〔東洋精機株式会社製 商品名テンシロン〕で
剥離に要した応力を測定した。引張り試験機には、上方
から垂直に下げたチャックを装着し、これで引っ張るこ
とにより測定した。測定に際しては、試験片に両面テー
プを貼り、50×200mmの金属板に強固、かつ水平
に固定し、剥がされた金属箔の端部をチャックに挟み、
50mm/minの速度で引き上げることで剥離した。
剥離の進行に伴い、剥離される金属箔と水平面の角度が
90°になるように手でずらした。
°剥離試験) 金属箔と導電性組成物とを一体化して10×100mm
のサイズで裁断し、金属箔を30mm剥離してから引張
り試験機〔東洋精機株式会社製 商品名テンシロン〕で
剥離に要した応力を測定した。引張り試験機には、上方
から垂直に下げたチャックを装着し、これで引っ張るこ
とにより測定した。測定に際しては、試験片に両面テー
プを貼り、50×200mmの金属板に強固、かつ水平
に固定し、剥がされた金属箔の端部をチャックに挟み、
50mm/minの速度で引き上げることで剥離した。
剥離の進行に伴い、剥離される金属箔と水平面の角度が
90°になるように手でずらした。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、吸湿によ
る痘痕状の欠点を有効に抑制あるいは防止することがで
きるという効果がある。
る痘痕状の欠点を有効に抑制あるいは防止することがで
きるという効果がある。
【図1】本発明に係る過電流保護素子の実施形態におけ
るカーボン添加量と吸湿量の関係を示す説明図である。
るカーボン添加量と吸湿量の関係を示す説明図である。
【図2】本発明に係る過電流保護素子の実施形態におけ
るカーボン添加量と抵抗値の関係を示す説明図である。
るカーボン添加量と抵抗値の関係を示す説明図である。
【図3】本発明に係る過電流保護素子の実施例・比較例
1における吸湿量と抵抗値の関係を示すグラフである。
1における吸湿量と抵抗値の関係を示すグラフである。
【図4】本発明に係る過電流保護素子の実施例・比較例
2を示すグラフである。
2を示すグラフである。
【図5】本発明に係る過電流保護素子の実施例・比較例
3を示すグラフである。
3を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AC01X AC03X AC06X AC10X BB03W BB12W BB15X BB21X BD14W BG04X BP01X CF10X CH07W DA036 FD116 GQ02 5E034 AA07 AB05 AC09 DA02 5G502 AA01 BB01 EE05 EE10
Claims (4)
- 【請求項1】 シート状の導電性組成物の両面に金属箔
をそれぞれ設けた過電流保護素子において、 上記導電性組成物は、結晶化度40%以上である高分子
組成物(常温において成分のうち40%以上の重量が高
分子の結晶で占められている組成物)64以上〔体積
%〕と、DBP吸油量(ASTM D2414‐93の
測定方法による)が120〔cm3/100g〕以下の
カーボン粉末30〜36〔体積%〕(真比重=1.85
で換算した体積%)とを混練してなることを特徴とする
過電流保護素子。 - 【請求項2】 上記導電性組成物は、N種類の高分子と
カーボン粉末とからなる混合物であり、以下の条件
(1)〜(5)を満たすものである請求項1記載の過電
流保護素子。 (1)Nは数式1を満たすこと。 N≧2(Nは整数) …(式1) (2)導電性組成物における高分子成分の重量のうち、
40%以上の重量が高分子の結晶で占められているこ
と。 (3)N種類の高分子のうち、融点が80℃以上である
ものがn種類存在すること。 (4)N及びnは数式2を満たすこと。 N≧n≧1(N,nは整数) …(式2) (5)n種類の高分子が有する融点あるいは熱変形温度
(ASTM D648荷重は18.6g/cm2)を、
低いほうからT1,T2,Tn-1,Tnとし、最も高い融点
であるTnと次に高い融点であるTn-1とが数式3を満た
すこと。 25.0≧Tn−Tn-1≧5.0(単位は℃) …(式3) (6)Tnを示す高分子とTn-1を示す高分子とは、Tn
℃以下の温度で互いに非相溶であること。 - 【請求項3】 請求項2記載の結晶化度40%以上であ
る高分子組成物であって、この高分子組成物の重量のう
ち、5〜70%が下記の(A)から選択されるエラスト
マー又はこれを構成成分とする混合物である過電流保護
素子。 (A)以下の(A‐1)、(A‐2)のエラストマー、
又は(A‐3)の混合物。 (A‐1)カルボン酸若しくはその無水化物を有するエ
ラストマー。 (A‐2)水酸基やエポキシ基を有するエラストマー。 (A‐3)(A‐1)、(A‐2)のエラストマーを構
成成分とする混合物。 - 【請求項4】 請求項3記載の(A)が、無水マレイン
酸を付加してなるエチレン‐αオレフィン共重合体、又
はエチレン‐αオレフィン‐ジエン共重合体である過電
流保護素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001078841A JP2002280204A (ja) | 2001-03-19 | 2001-03-19 | 過電流保護素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001078841A JP2002280204A (ja) | 2001-03-19 | 2001-03-19 | 過電流保護素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002280204A true JP2002280204A (ja) | 2002-09-27 |
Family
ID=18935396
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001078841A Pending JP2002280204A (ja) | 2001-03-19 | 2001-03-19 | 過電流保護素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002280204A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11502374A (ja) * | 1995-03-22 | 1999-02-23 | レイケム・コーポレイション | 電気デバイス |
JP2000243602A (ja) * | 1999-02-24 | 2000-09-08 | Tdk Corp | 有機ptcサーミスタおよびその製造方法 |
-
2001
- 2001-03-19 JP JP2001078841A patent/JP2002280204A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11502374A (ja) * | 1995-03-22 | 1999-02-23 | レイケム・コーポレイション | 電気デバイス |
JP2000243602A (ja) * | 1999-02-24 | 2000-09-08 | Tdk Corp | 有機ptcサーミスタおよびその製造方法 |
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