JP2002279685A - 光ピックアップ装置用絞りフィルタ - Google Patents

光ピックアップ装置用絞りフィルタ

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JP2002279685A
JP2002279685A JP2001076630A JP2001076630A JP2002279685A JP 2002279685 A JP2002279685 A JP 2002279685A JP 2001076630 A JP2001076630 A JP 2001076630A JP 2001076630 A JP2001076630 A JP 2001076630A JP 2002279685 A JP2002279685 A JP 2002279685A
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laser light
laser beam
wavelength
transmission
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JP2001076630A
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Masaaki Miyake
雅章 三宅
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Optical Coatings Japan
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 互いに波長の異なる二つのレーザ光のうちの
一方を、位相差や波面の乱れがなく良好に透過させ、そ
して他方に対しては開口を制限できる光ピックアップ装
置用絞りフィルタを提供すること 【解決手段】 相対的に短波長のレーザ光Iと相対的に
長波長のレーザ光IIの双方を透過させる円盤状レーザ光
透過膜、そして該円盤状レーザ光透過領域の周縁の外側
に配置された、レーザ光Iを透過させる一方、レーザ光
IIは透過させない透過波長選択膜とからなり、レーザ光
透過膜と透過波長選択膜の光学的膜厚が実質的に等し
く、かつ物理的膜厚も互いに同一である絞りフィルタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、互いに異なる波長
を持つ二以上のレーザ光に対して、その透過を調整する
絞りフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、音楽、静止画像あるいは動画など
の情報をデジタル信号に変換し、そのデジタル信号を記
録する媒体として、多数の微細なピットが形成された記
録面を有する基板からなる光ディスクが広く用いられて
いる。光ディスクとしては、デジタル信号に変換された
音楽情報などを主に記録するコンパクトディスク(C
D)が広く知られている。近年では、CDより多くの情
報を高密度に記録でき、映画などの動画も長時間記録で
きるデジタルバーサタイルディスク(DVD)も普及し
始めている。また、CD−RやDVD−Rのように、レ
ーザ光に対する反射率を変化させた記録層が基板の上に
設けられた光ディスクも知られている。
【0003】これらの光ディスクにおいて、デジタル信
号は、光ディスクの記録面(もしくは記録層)に形成さ
れたピットの有無として記録されている。そして、対物
レンズによりレーザ光を記録面に集光させて照射し、反
射されたレーザ光を検出すると、ピットの有無により検
出される光量が異なるためにディスクに記録されたデジ
タル信号を読み出すことができる。光ディスクからデジ
タル信号を読み出すことを、通常、情報を再生するとい
う。光ディスクの記録面に照射するレーザ光を発信する
レーザ発信器と、記録面に反射されたレーザ光を検出す
る受光素子と、そしてレーザ光を光ディスクの記録面に
集光する対物レンズなどの光学部品は、あわせて光ピッ
クアップ装置と呼ばれている。
【0004】光ディスクを再生するために、CDにおい
ては波長780nmのレーザ光が用いられ、そしてDV
Dにおいては、記録密度を高めるために波長650nm
のレーザ光が用いられている。また、CDは、厚さが
1.2mmの光ディスク一枚からなるのに対し、DVD
は、厚さが0.6mmの光ディスクを二枚貼り合わせて
なる。DVDとCDとを一台の機器(プレーヤー)で再
生できれば、それぞれの光ディスクのために別々のプレ
ーヤーを用意する必要がなくなる。そのため、これら二
種類の光ディスクを同一のプレーヤーで再生するための
光ピックアップ装置(以下、DVD/CD互換光ピック
アップ装置と記載する)の研究が行われ、既に実用化さ
れている。
【0005】DVD/CD互換光ピックアップ装置は、
波長650nmの光源を用いる一波長方式と、波長65
0nmおよび780nmの二つの光源を用いる二波長方
式とに分類される。一波長方式は、光ピックアップ装置
の構造がシンプルになりプレーヤを低コスト化できる
が、記録面の反射率に波長依存性があるCD−Rを再生
できない。二波長方式は、DVDとCDを再生するため
に、波長780nmと650nmの光源をそれぞれ専用
に設けることでCD−Rの再生も可能としているが、ピ
ックアップ装置の構造が複雑となる。これらのDVD/
CD互換光ピックアップ装置の詳細な説明については、
文献(「光学」、28巻第2号64−70頁、199
9)に記載されている。
【0006】一波長方式と二波長方式のどちらの互換光
ピックアップ装置においても、CDとDVDの再生にお
いて同一の対物レンズを用いると、対物レンズの球面収
差が問題となる。対物レンズから、DVDおよびCDの
それぞれの記録面までの距離が互いに等しい場合には、
何ら問題なくCDとDVDの再生は可能となる。しかし
DVDとCDは、厚みが異なる規格のディスクであり、
対物レンズから両者の記録面までの距離は互いに異なる
配置となる。従って、例えばDVD用に設計された対物
レンズを用いてCDを再生する場合、CDの記録面が対
物レンズに対して設計された焦点距離からずれるため
に、レンズ中央部と周辺部を通るレーザ光の収束位置が
ずれる(球面収差が生じる)。このため記録面にレーザ
光を充分に集光できず、CDを再生することができな
い。
【0007】球面収差を改善する簡便な方法として、C
Dを再生する場合に、対物レンズの開口を絞ることが知
られている。すなわちCD再生時に対物レンズの周辺部
を通るレーザ光を遮光して(即ち開口を絞ることによ
り)、対物レンズの中央部を通るレーザ光のみを記録面
に集光させることで球面収差は改善され、CDの再生が
可能となる。CDを再生するときのみに対物レンズの開
口を絞るには、CDを再生するときにレンズの周辺部を
通るレーザ光を遮光するように、穴の空いた不透明な板
をレンズの前後のいずれかの位置に配置すればよい。ま
た、TN型液晶と、開口部を有する偏光板とを利用した
液晶シャッターにより開口を絞ることも提案されてい
る。液晶シャッターは、TN液晶の配向を制御して、C
Dを再生する場合にのみレーザ光の偏向方向を偏光板の
透過軸と直交するように回転させ、レンズ周辺部を透過
するレーザ光を偏光板により吸収させて開口を絞るもの
である。これらの方法を用いると、いずれの場合でも、
開口を絞るために機械的あるいは電気的な装置が必要と
なるために、光ピックアップ装置の構造が複雑となりが
ちになる。
【0008】二波長方式のDVD/CD互換光ピックア
ップ装置において球面収差を解消するためには、光学フ
ィルタを用いることもできる。すなわち、丸い穴の空い
た短波長透過フィルタ(以下、開口絞りフィルタと記載
する)を、対物レンズの前後いずれかの位置に配置する
方法である。短波長透過フィルタは波長650nmの
(DVD用)レーザ光を透過し、波長780nmの(C
D用)レーザ光は反射する設計とする。従って、機械的
あるいは電気的な装置を用いなくともこのような開口絞
りフィルタを配置することで、対物レンズ周辺部を透過
するCD用のレーザ光のみは、フィルタにより反射され
て開口が絞られる。開口絞りフィルタの問題点は、開口
部を通過したDVD用のレーザ光と、フィルタを通過し
たDVD用のレーザ光の互いの位相に差が生じて、収差
が悪化することである。また、前記文献(「光学」、2
8巻第2号64−70頁、1999)には、この位相差
を小さくするために、開口部分に位相調整膜を設けるこ
とで、位相差の改善ができることが記載されている。こ
のように開口部に位相調整膜が設けられたフィルタを、
以下絞りフィルタと記載する。
【0009】絞りフィルタにおいて、フィルタを透過し
たDVD用レーザ光と、位相調整膜を透過したDVD用
レーザ光との位相差を小さくすためには、フィルタと位
相調整膜の光学的膜厚(屈折率n×物理的膜厚d)を互
いに等しくするか、光学的膜厚の差がDVD用レーザ光
の波長の整数倍とすることが理想である。さらに位相調
整膜は、DVDおよびCDのレーザ光の両者に対して高
い透過率を示す光透過性材料を用いる必要がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】フィルタと位相調整膜
の光学的膜厚を等しくするためには、位相調整膜に用い
る光透過性材料の屈折率が材料固有の値であるために、
位相調整膜の物理的な膜厚を、フィルタの光学的膜厚に
応じて調節する。従ってフィルタと位相調整膜との境界
には物理的な段差が生じてしまい、このような物理的な
段差部分でレーザ光が乱反射され、記録面に照射したレ
ーザ光の波面に乱れを生じる問題があった。本発明の目
的は、DVD/CD互換光ピックアップに代表される、
互いに波長の異なる二つのレーザ光のうちの一方を、位
相差や波面の乱れがなく良好に透過させ、そして他方に
対しては開口を制限できる絞りフィルタを提供すること
にある。さらに本発明の目的は、互いに波長の異なる三
つのレーザ光についても、透過したレーザ光に位相差や
波面の乱れがなく、それぞれのレーザ光に対して独立に
開口を制限できる絞りフィルタを提供することにもあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、互いに屈折
率の異なる二種類以上の光透過性材料の多層膜からな
る、特定波長のレーザ光を透過する光学フィルタの積層
順序を変更するような方法で、特定波長のレーザ光と、
フィルタの不透過帯にある別な波長のレーザ光の双方に
ついて高い透過率を示す透過膜が形成できることを見出
した。さらに本発明者の鋭意研究により、このような透
過膜を用いて位相差や波面の乱れの問題が同時に解決さ
れた絞りフィルタを提供することに成功した。
【0012】本発明は、相対的に短波長のレーザ光Iと
相対的に長波長のレーザ光IIの双方を透過させる円盤状
レーザ光透過膜、そして該円盤状レーザ光透過領域の周
縁の外側に配置された、レーザ光Iを透過させる一方、
レーザ光IIは透過させない透過波長選択膜を含む光ピッ
クアップ装置用絞りフィルタにあり、下記の(1)〜
(5)の要件を満たすフィルタである。互いに波長の異
なる二つのレーザー光の開口を独立に制限する絞りフィ
ルタを、以下、二波長用絞りフィルタと記載する。 (1)円盤状レーザ光透過膜の物理的膜厚と透過波長選
択膜の物理的膜厚とが互いに同一であること; (2)円盤状レーザ光透過膜と透過波長選択膜のいずれ
もが、互いに屈折率の異なる二種類以上の光透過性材料
から構成されている多層膜であること; (3)円盤状レーザ光透過膜を構成する光透過性材料と
透過波長選択膜を構成する光透過性材料とが互いに同一
であること; (4)円盤状レーザ光透過膜を構成する多層膜が、レー
ザ光Iの波長λに対して実質的にλ/4の整数倍となる
光学的膜厚の単層膜の積層体を含むこと;そして、 (5)円盤状レーザ光透過膜を構成する複数の単層膜の
材料、物理的膜厚そして積層順序と、透過波長選択膜を
構成する複数の単層膜の材料、物理的膜厚そして積層順
序とが互いに全て同一とはならないこと。
【0013】本発明の(二波長用)絞りフィルタにおけ
る好ましい態様を以下に記載する。 1)円盤状レーザ光透過膜と透過波長選択膜のいずれも
が、レーザ光Iの波長に対して位相が0度となること。 2)円盤状レーザ光透過膜と透過波長選択膜のいずれも
が、二酸化ケイ素膜と二酸化チタン膜とを主構成膜とす
る多層膜であること。 3)円盤状レーザ光透過膜と透過波長選択膜のいずれも
が、二酸化ケイ素膜と二酸化チタン膜とを主構成膜と
し、さらに五酸化二タンタル膜を含む多層膜であるこ
と。 4)レーザ光Iが波長650nmのDVD記録及び/又
は再生用のレーザ光であり、レーザ光IIが波長780n
mのCD記録及び/又は再生用のレーザ光であること。
【0014】本発明は、相対的に短波長のレーザ光III
、レーザ光III よりも長波長のレーザ光IV、そしてレ
ーザ光IVよりも更に長波長のレーザ光Vのそれぞれを透
過させる円盤状レーザ光透過膜、該円盤状レーザ光透過
領域の周縁の外側に配置された、レーザ光III とレーザ
光IVとを透過させる一方、レーザ光Vは透過させない円
環状透過波長選択膜A、そして該円環状透過波長選択膜
Aの周縁の外側に配置された、レーザ光III を透過させ
る一方、レーザ光IVとレーザ光Vとは透過させない透過
波長選択膜Bからなる光ピックアップ装置用絞りフィル
タにもあり、下記の(1)〜(6)の要件を満たすフィ
ルタである。互いに波長の異なる三つのレーザー光の開
口を独立に制限する絞りフィルタを、以下、三波長用絞
りフィルタと記載する。 (1)円盤状レーザ光透過膜の物理的膜厚、透過波長選
択膜Aの物理的膜厚、そして透過波長選択膜Bの物理的
膜厚が全て互いに同一であること; (2)円盤状レーザ光透過膜、透過波長選択膜Aそして
透過波長選択膜Bのいずれもが、互いに屈折率の異なる
二種類以上の光透過性材料から構成されている多層膜で
あること; (3)円盤状レーザ光透過膜を構成する光透過性材料、
透過波長選択膜Aを構成する光透過性材料、そして透過
波長選択膜Bを構成する光透過性材料とが互いに同一で
あること; (4)円盤状レーザ光透過膜を構成する多層膜が、レー
ザ光III の波長λ1 に対して実質的にλ1 /4の整数倍
であって、かつレーザ光IVの波長λ2 に対して実質的に
λ2 /4の整数倍となる光学的膜厚の単層膜の積層体を
含むこと; (5)透過波長選択膜Aを構成する多層膜が、レーザ光
III の波長λ1 に対して実質的にλ1 /4の整数倍とな
る光学的膜厚の単層膜の積層体を含むこと;そして (6)円盤状レーザ光透過膜を構成する複数の単層膜の
材料、物理的膜厚そして積層順序、透過波長選択膜Aを
構成する複数の単層膜の材料、物理的膜厚そして積層順
序、そして透過波長選択膜Bを構成する複数の単層膜の
材料、物理的膜厚そして積層順序とが互いに全て同一と
はならないこと。
【0015】本発明の(三波長用)絞りフィルタの好ま
しい態様を以下に記載する。 1)円盤状レーザ光透過膜、透過波長選択膜A、そして
透過波長選択膜Bのいずれもが、レーザ光IIIの波長に
対して位相が0度となること。 2)レーザ光IVが波長650nmのDVD記録及び/又
は再生用のレーザ光であって、レーザ光Vが波長780
nmのCD記録及び/又は再生用のレーザ光であり、レ
ーザ光III が波長650nmよりも短波長の青色レーザ
光であること。
【0016】光学的膜厚とは、薄膜を形成する材料の屈
折率×物理的膜厚を意味する。複数の層からなる多層膜
の場合、多層膜の光学的膜厚とは、多層膜を構成する各
々の層の光学的膜厚の合計値を意味する。光学的膜厚が
実質的に等しいとは、光学的膜厚の差が30nm未満で
あることを意味する。この光学的膜厚の差は、20nm
未満であることが好ましく、10nm未満であることが
さらに好ましく、4nm未満であることが最も好まし
い。そして、物理的膜厚が同一とは、物理的膜厚の差が
15nm未満であることを意味する。この段差は、10
nm未満であることが好ましく、5nm未満であること
がさらに好ましく、2nm未満であることが最も好まし
い。
【0017】また本明細書において、特定波長のレーザ
光を「透過させる」とは、その波長の光の透過率が80
%以上であることを意味する。この透過率は85%以上
であることが好ましく、90%以上であることがさらに
好ましく、95%以上であることが最も好ましい。そし
て、特定波長のレーザ光を「透過させない」とは、その
波長の光の透過率が20%以下であることを意味する。
この透過率は15%以下であることが好ましく、10%
以下であることがさらに好ましく、5%以下であること
が最も好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の絞りフィルタは、二波長
方式のDVD/CD互換光ピックアップ装置の絞りフィ
ルタとして好ましく用いることができる。本発明の絞り
フィルタは、将来さらに短波長のレーザ光(青色レーザ
光など)を利用する新しい光ディスクが開発された場合
にも、従来ディスクと新しいディスクとの互換光ピック
アップ装置の絞りフィルタとして同様に用いることがで
きる。また、本発明に従う構成とすることで、互いに波
長の異なる三つのレーザ光のそれぞれについて独立に開
口を制限する(三波長用)絞りフィルタも作製可能であ
る。即ち用いるレーザ光の波長が異なる三種類の光ディ
スクを再生する互換光ピックアップ装置に用いることの
できる絞りフィルタも実現することができる。以下、本
発明の(二波長用)絞りフィルタを、DVD/CD互換
光ピックアップ装置に用いる絞りフィルタを例にして以
下説明する。
【0019】[光ピックアップ装置の構成]まず最初
に、本発明の絞りフィルタを用いたDVD/CD互換光
ピックアップ装置の構成について説明する。図1は、本
発明の絞りフィルタを用いた二波長方式のDVD/CD
互換光ピックアップ装置の構成の例を示す配置図であ
る。図1において、光ピックアップ装置は、光ディスク
(1)の下方(紙面に対して裏側の方向)に配置されて
いる。光ピックアップ装置は、DVD光学ユニット
(2)、CD光学ユニット(3)、ダイクロックプリズ
ム(4)、コリメーターレンズ(5)、反射ミラー
(6)、絞りフィルタ(7)、そして対物レンズ(8)
からなる。
【0020】DVD光学ユニット(2)は、DVDに記
録されているデジタル信号を読み出すために照射する波
長650nmのレーザ光を発信するレーザ発信器(2
0)と、DVDの記録面に反射されたレーザ光を検出す
る受光素子(21)、そして記録面に反射されたレーザ
光を受光素子(21)へと導くホログラム検出素子(2
2)からなる。同様に、CD光学ユニット(3)は、C
Dに記録されているデジタル信号を読み出すために照射
する波長780nmのレーザ光を発信するレーザ発信器
(30)と、CDの記録面に反射されたレーザ光を検出
する受光素子(31)、そして記録面に反射されたレー
ザ光を受光素子(31)へと導くホログラム検出素子
(32)からなる。
【0021】DVDを再生する場合、記録されたデジタ
ル信号の検出に用いられる波長650nmのレーザ光
は、DVD光学ユニット(2)のレーザ発信器(20)
により発信される。発信されたレーザ光は、ホログラム
検出素子(22)、ダイクロックプリズム(4)、そし
てコリメーターレンズ(5)を通り平行光となる。そし
てレーザ光は、反射ミラー(6)により反射され、絞り
フィルタ(7)を透過して、対物レンズ(8)により集
光されてDVDの記録面に照射される。ここで記録面に
設けられたデジタル信号に対応したピットの有無によ
り、反射するレーザ光の光量が変化する。記録面におい
て反射されたレーザ光は前記とは逆の経路を通り、最後
はDVD光学ユニットにおける受光素子(21)に入射
する。反射されたレーザ光がレーザ発信器(20)に戻
らないように、ホログラム検出素子(22)はレーザ光
を回折して受光素子(21)へと導く働きをする。受光
素子(21)により検出したレーザ光の光量によりDV
Dに記録されたデジタル信号を検出することができる。
【0022】同様にCDを再生する場合、記録されたデ
ジタル信号の検出に用いられる波長780nmのレーザ
光は、CD光学ユニット(3)のレーザ発信器(30)
により発信される。発信されたレーザ光は、ホログラム
検出素子(32)、ダイクロックプリズム(4)、そし
てコリメーターレンズ(5)を通り平行光となる。そし
てレーザ光は、反射ミラー(6)により反射され、絞り
フィルタ(7)により対物レンズの周辺部を通る光が透
過されずに(開口が絞られ)、そして対物レンズ(8)
により集光されてCDの記録面に照射される。ここで記
録面に設けられたデジタル信号に対応したピットの有無
により、反射するレーザ光の光量が変化する。記録面に
おいて反射されたレーザ光は前記とは逆の経路を通り、
最後はCD光学ユニットにおける受光素子(31)に入
射する。反射されたレーザ光がレーザ発信器(30)に
戻らないように、ホログラム検出素子(32)はレーザ
光を回折して受光素子(31)へと導く働きをする。受
光素子(31)により検出したレーザ光の光量によりC
Dに記録されたデジタル信号を検出することができる。
絞りフィルタを用いると、対物レンズの開口を制限する
ための機械的もしくは電気的な装置は不要であり、光ピ
ックアップ装置の構成が簡略化され故障の発生も少な
い。
【0023】[絞りフィルタの構成]本発明の(二波長
用)絞りフィルタの構成を添付の図面を用いて説明す
る。図2は、本発明に従う二波長用絞りフィルタの構成
の一例を示す斜視図である。また、図3は、図2に示し
た斜視図に記入したA−Aを結ぶ方向に沿って切断した
本発明の絞りフィルタの断面図である。本発明の絞りフ
ィルタ(40)は、透明基板(41)の上に設けられた
円盤状のレーザ光透過膜(42)、そして円盤状レーザ
光透過膜(42)の周縁の外側に形成された透過波長選
択膜(43)から構成されている。
【0024】そしてレーザ光透過膜(42)は、相対的
に短波長のレーザ光Iと相対的に長波長のレーザ光IIの
双方を透過させる。また、透過波長選択膜(43)は、
レーザ光Iを透過させる一方、レーザ光IIは透過させな
い。そして、レーザ光透過膜(42)と透過波長選択膜
(43)の物理的膜厚とは互いに同一である。さらに、
レーザ光透過膜(42)と透過波長選択膜(43)の光
学的膜厚とは実質的に等しい。
【0025】DVD/CD互換光ピックアップ装置用の
絞りフィルタの場合、レーザ光Iは、波長650nmの
レーザ光であり、そしてレーザ光IIは、波長780nm
のレーザ光である。従ってこの絞りフィルタにより、波
長780nmの(CD用)レーザ光(相対的に長波長の
レーザ光II)に対しては開口が絞られる。即ちCDを再
生する場合の対物レンズ周辺部を透過するレーザ光のみ
は透過されず、球面収差の発生を抑えることができる。
また、波長650nmの(DVD)用レーザ光(相対的
に短波長のレーザ光I)は、レーザ光透過膜(42)お
よび透過波長選択膜(43)の双方を透過する。レーザ
光透過膜(42)と透過波長選択膜(43)の光学的膜
厚が互いに等しいために、レーザ光透過膜と透過波長選
択膜の両者を通過したDVD用レーザ光には、互いに位
相差が発生せず、対物レンズにより集光するときの収差
の発生を抑えることができる。さらに、レーザ光透過膜
と透過波長選択膜の物理的膜厚が互いに等しく、両者の
境界に物理的な段差が無いため、DVD用レーザ光の境
界部分における乱反射が抑えられ、絞りフィルタを透過
後のレーザ光に波面の乱れなどが発生しない。レーザ光
透過膜および透過波長選択膜の詳細については後述す
る。
【0026】[透明基板]透明基板としては、用いるレ
ーザ光の波長において透明であれば特に制限はなく公知
の材料を用いることができる。「透明」とは、用いるレ
ーザ光の波長に対する透過率が85%以上であることを
意味する。この透過率の値は、90%以上であることが
より好ましく、95%以上であることがさらに好まし
い。透明基板の物理的な厚さは、基板の上下面で反射す
る光の干渉効果が無視できる程度に厚いことが必要であ
り、用いるレーザ光の波長以上の厚さであることが好ま
しい。また絞りフィルタを設ける支持体としての充分な
強度が必要であることから、透明基板の幾何的な厚さは
0.1mm以上であることがより好ましい。透明基板の
例としては、硝子板、水晶板(波長板も兼ねる)、プラ
スチック板などが挙げられる。基板の剛性が低いと外力
あるいは薄膜形成時に膜内に生じる応力により基板が変
形して、絞りフィルタの光学特性が変化するので、基板
としては硝子板を用いることが好ましい。
【0027】基板は、その表面に形成する薄膜との密着
性を高めるために、洗浄処理することが好ましい。洗浄
処理の方法に特に制限はなく、一般的な方法で洗浄する
ことができる。洗浄方法には、機械的洗浄、電気的洗
浄、化学的洗浄、超音波洗浄、紫外線による洗浄、そし
てこれらを組み合わせた方法が含まれる。具体的な例と
しては、洗剤による洗浄、酸もしくはアルカリ溶液を用
いた薬品による洗浄、有機溶剤を用いた洗浄、超音波洗
浄、イオン衝撃法による洗浄、焼き出し法による洗浄、
スクラブ洗浄、蒸気洗浄、高温加熱洗浄、そして紫外線
・オゾン洗浄などが挙げられる。また、表面の汚れの除
去あるいは表面平滑性を良くするために、基板に公知の
研磨処理あるいはエッチング処理などを行うこともでき
る。また、洗浄後の表面には不純物が吸着し易いため、
基板に薄膜を形成する前の真空中において、イオン照
射、プラズマ照射、電子照射、あるいは加熱処理などの
公知の方法により基板の表面処理を行うこともできる。
【0028】[透過波長選択膜]透過波長選択膜は、相
対的に短波長のレーザ光Iを透過させ、相対的に長波長
のレーザ光IIを透過させない光学フィルタであれば特に
限定されない。言い換えるなら、互いに波長の異なる二
つのレーザ光のうちの一方のみを透過させる光学フィル
タであればよい。一般的な光学フィルタの設計手法につ
いては周知である。光学フィルタとしては、帯域フィル
タ(バンドパスフィルタ:band pass filter)、エッジ
フィルタ(edge filter)が含まれる。帯域フィルタに
は、透過域幅の狭い狭帯域フィルタ(単色フィルタとも
呼ばれる)および透過域幅の広い広帯域フィルタが含ま
れる。エッジフィルタには、ある波長より長波長側の光
を透過する長波長透過フィルタ(long wave pass filte
r)、および、ある波長より短波長側の光を透過する短波
長透過フィルタ(short wave pass filter)が含まれ
る。
【0029】また、光学フィルタは波長選択の機構か
ら、半導体や色素などの特定波長の光を吸収する現象を
利用したフィルタと、光の干渉を利用するフィルタに分
類される。光の干渉を利用するフィルタは、誘電体や金
属などの光透過性材料からなる多層膜における光の干渉
現象を利用するもので、一般に干渉フィルタと呼ばれて
いる。本発明においては、干渉フィルタを用いることが
好ましい。干渉フィルタの材料に金属を用いる場合、金
属の光の吸収も考慮する必要があり干渉フィルタの設計
が複雑となる。従って、干渉フィルタは、互いに屈折率
の異なる誘電体を多層に積層してなる誘電体多層膜フィ
ルタであることが好ましい。誘電体多層膜フィルタは、
透過する波長を自由に設計できることから、本発明の透
過波長選択膜として好ましく用いることができる。
【0030】互換光ピックアップ装置の場合、一般的に
対物レンズは相対的に短波長のレーザ光Iを基準として
設計するために、相対的に長波長のレーザ光IIに対して
開口を絞る必要がある。従ってフィルタとしては、帯域
フィルタおよび短波長透過フィルタが好ましく、帯域フ
ィルタであることがより好ましい。以下、本発明の絞り
フィルタの透過波長選択膜として、誘電体多層膜からな
る帯域フィルタを用いる場合を例として説明する。
【0031】帯域フィルタ(透過波長選択膜)は、レー
ザ光I(その波長をλとする)を透過させ、レーザ光II
を透過させなフィルタであれば、その構成に特に制限は
ない。このような帯域フィルタの例として(λ/4型交
互多層膜)/(λ/2スペーサ)n /(λ/4型交互多
層膜)で表されるファブリ・ペロー型フィルタを挙げる
ことができる。ここでレーザ光Iの波長λは、透過帯の
中心波長となる。λ/4型交互多層膜とは、光学的膜厚
がλ/4である低屈折率誘電体膜(一般にLと記載され
る)と光学的膜厚がλ/4である高屈折率誘電体膜(一
般にHと記載される)を交互に積層した多層膜を意味す
る。低屈折率および高屈折率とは、二つの誘電体膜の屈
折率値の相対的な大小関係を意味している。即ち二種類
の誘電体膜において、一方の誘電体膜の屈折率がn1
あり、他方の誘電体膜の屈折率がn2 であり、n1 <n
2 の場合には、前者の誘電体膜を低屈折率誘電体膜、そ
して後者の誘電体膜を高屈折率誘電体膜と呼ぶ。
【0032】λ/2スペーサとは、光学膜厚がλ/2で
ある低屈折率誘電体膜もしくは高屈折率誘電体膜を表
す。スペーサの光学的膜厚はλ/2の倍数(自然数n
倍)であってもよく、スペーサの膜厚により帯域フィル
タの透過帯の幅が決まるので、nの値はフィルタの周波
数特性をコンピュータによるシミュレーションにより計
算して適宜選定される。最も簡単なファブリ・ペロー型
フィルタの構成は、(λ/4膜)/(λ/2スペーサ)
/(λ/4膜)である。具体的には、HLLHもしくは
LHHLで表される構成となる。一般的な多層膜の記載
方法に従えば、上記の例の構成は、H(L)2 Hもしく
はL(H)2 Lと記載される。この記載方法において、
例えば(L)2 は、LLを意味する。また、帯域フィル
タは、良好な波長選択性を得るために接続膜(Lまたは
H)を介して複数接続することもできる。
【0033】DVD/CD互換光ピックアップ用の絞り
フィルタの透過波長選択膜は、波長650nmの(DV
D用)レーザ光を透過させ、波長780nmの(CD
用)レーザ光を透過しないよう、透過帯の中心波長λを
650nmとして、一般的な光学フィルタの設計に従っ
て作製すればよい。図4にDVD/CD互換光ピックア
ップに用いる絞りフィルタにおける、透過波長選択膜の
層構成の一例を示す。この透過波長選択膜の層構成を下
記の(I)式に示す。 (I) H’(L)2 HLH(L)4 HLH(L)2 H (I)式において、Lは、光学的膜厚が650nmの1
/4である低屈折率誘電体膜を表し、Hは、光学的膜厚
が650nmの1/4である高屈折率誘電体膜を表し、
式の右端のHが基板に最初に積層する最下層を表す。こ
の透過波長選択膜は、透明基板41の上に、帯域フィル
タBPF1、接続膜C1、帯域フィルタBPF2、接続
膜C2、そして帯域フィルタBPF3をこの順に積層し
てなる。三つの帯域フィルタのそれぞれは、(LL)も
しくはその倍数の光学膜厚の低屈折率誘電体膜の両側を
高屈折率誘電体膜Hで挟んだファブリ・ペロー型の帯域
フィルタである。また、透過波長選択膜を透過する波長
650nmのレーザ光の空気界面における反射を防止す
るために、フィルタの最上層に本来あるべきHは、Hよ
りやや屈折率の低い誘電体膜H’(ただしLよりは屈折
率は大きい)とすることが好ましい。この透過波長選択
膜は、波長650nmのレーザ光を透過させ、波長78
0nmのレーザ光を透過させない。
【0034】[レーザ光透過膜]レーザ光透過膜は、相
対的に短波長のレーザ光Iと相対的に長波長のレーザ光
IIの双方を透過させる。レーザ光透過膜は、透過波長選
択膜の積層順序を、レーザ光Iの1/4の光学的膜厚を
単位として積層順序を変更する方法などにより構成する
ことができる。従って、透過波長選択膜とレーザ光透過
膜の光学的膜厚は実質的に等しくなり、かつ物理的膜厚
は同一となる。透過波長選択膜は、レーザ光Iの1/4
波長の光学的膜厚を有する誘電体膜による多層膜からな
る。積層順序の変更は、レーザ光Iの1/4波長の光学
的膜厚(即ちHおよびL)を基本として行う。
【0035】一般的に、特定波長に対して1/2の光学
的膜厚である薄膜、もしくはその倍数の光学的膜厚であ
る薄膜は無干渉膜と呼ばれ、特定波長の光に対しては膜
が存在しない場合と同じ光学的特性(極めて高い透過
率)を示す。従って透過波長選択膜を、LL(またはH
H)、あるいはその倍数の光学的膜厚の薄膜として積層
順序を変更することで、レーザ光Iに対して非常に高い
透過率を示す多層膜が得られる。しかし、レーザ光IIに
対しては無干渉膜となる条件を満足しないために高い透
過率は得られない。
【0036】ここで本発明者は、(λ/2)膜およびそ
の倍数(自然数q倍)の光学的膜厚の無干渉膜の分光透
過率特性に着目した。このような無干渉膜の分光透過率
特性を調べると、λの波長の光に対する透過率の値はq
の値によらず常に高い値であるにも係わらず、その他の
測定波長の光に対する透過率の値はqの値により大きく
変化することに注目した。このような分光透過率特性の
変化は、無干渉膜が、qの選び方により、波長λのレー
ザ光Iのみでなく、透過波長選択膜の不透過帯にある波
長(レーザ光II)についても高い透過率を達成できるこ
とを意味している。従って、レーザ光透過膜は、λ/4
の整数倍となる光学的膜厚の単層膜を含むが、λ/2の
整数倍となる光学的膜厚の単層膜の積層体を含むことが
より好ましい。
【0037】従って、透過波長選択膜の積層順序を変更
して、(LL)q 層と(HH)q 層を交互に積層するよ
うにし、qの値をレーザ光II対して透過率が高い値とな
るように設定することで、レーザ光IおよびIIの双方に
対して高い透過率を示すレーザ光透過膜を得ることがで
きる。LL層とHH層のqの値は互いに同じであっても
異なっていてもよい。空気界面でのレーザ光IおよびII
の反射を防止するために、レーザ光透過膜の最上層に
は、低屈折率誘電体膜を配置することが好ましい。基板
表面でのレーザ光IおよびIIの反射を防止するために、
レーザ光透過膜の最下層には、LとHのうち基板に屈折
率の近い誘電体膜を配置することが好ましい。
【0038】以上のことから、(I)式で示されるDV
D/CD互換光ピックアップ用の透過波長選択膜の積層
順序を変更して得られるレーザ光透過膜の層構成の一例
を下記式(II)に示す。より具体的に、また、下記の
(II)式で示されるレーザ光透過膜の層構成を図5に示
す。 (II) LHH(LLHH)2 (L)5 (II)式において、Lは、光学的膜厚が650nmの1
/4である低屈折率誘電体膜を表し、Hは、光学的膜厚
が650nmの1/4である高屈折率誘電体膜を表し、
式の右端の(L)5 層が基板に最初に積層する最下層を
表す。図5に示したように円盤状レーザ光透過膜は、λ
/4の光学的膜厚を単位として透過波長選択膜(図4)
の積層順序を変更することにより構成されている。従っ
て透過波長選択膜とレーザ光透過膜の光学的膜厚は実質
的に等しく、かつ幾何的膜厚も実質的に等しい。円盤状
レーザ光透過膜は、透明基板41の上に、厚さ調整層
(51)、λ/2交互多層膜(52)、そして反射防止
膜(53)をこの順で積層してなる。λ/2層(LLも
しくはHH)は、波長λ(650nm)に対して無干渉
膜となっている。無干渉膜の光学的膜厚を(λ/2)の
1倍(前記のqの値を1)に選定することにより、波長
780nmに対しても非常に高い透過率を得ている。
【0039】最上層の反射防止膜(53)はLであり、
空気の屈折率<L層の屈折率<HH層の屈折率となる構
成とすることで、空気界面側での反射防止の効果を得て
いる。これは一般的な反射防止膜と同じ考え方である。
この反射防止膜(53)は、Lの倍数であれば良く、L
の奇数倍であることがより好ましい。また最下層の厚さ
調整層(51)は、屈折率が基板と近いために基板界面
におけるレーザ光IおよびIIの反射率を小さくする。一
般的な光学フィルタに用いられる低屈折率誘電体膜は、
基板(ガラスなど)と屈折率が近いために基板界面での
レーザ光に対する反射を抑えることができる。厚さ調整
層は、透過波長選択膜の構成をレーザ光透過膜膜に組み
替えるときに余った低屈折率誘電体膜を配置すればよ
く、Lの倍数であればよい。また、この基板界面での反
射を抑えるために、低屈折率誘電体膜を形成する材料と
しては基板に屈折率がなるべく近い材料を選定すること
が好ましい。また、低屈折率誘電体膜の屈折率にあわせ
て基板の屈折率を調整してもよい。
【0040】以上のような構成の透過波長選択膜とレー
ザ光透過膜を基板上に設けることで、DVD/CD互換
光ピックアップに用いる本発明の絞りフィルタを形成す
ることができる。本発明に従えば、CD/DVD互換光
ピックアップに限らず、将来より短波長のレーザ光(青
色レーザ光など)を用いた新しい光ディスクが開発され
ても、従来のディスクと新しいディスクの互換光ピック
アップに用いることのできる絞りフィルタを容易に作製
することができる。
【0041】[三波長用絞りフィルタ]以上記載した
(二波長用)絞りフィルタの作製と同様に、互いに波長
の異なる三つのレーザ光のそれぞれについて独立に開口
を制限する(三波長用)絞りフィルタも作製可能であ
る。三波長用絞りフィルタの作製は、先に述べた二波長
用の絞りフィルタの場合とほぼ同様であるので簡単に記
載する。図6に、本発明の三波長用絞りフィルタの構成
の一例を示す斜視図を示す。絞りフィルタ(60)は、
透明基板(61)の上に配置された、相対的に短波長の
レーザ光III 、レーザ光III よりも長波長のレーザ光I
V、そしてレーザ光IVよりも更に長波長のレーザ光Vの
それぞれを透過させる円盤状レーザ光透過膜(62)、
該円盤状レーザ光透過領域の周縁の外側に配置された、
レーザ光III とレーザ光IVとを透過させる一方、レーザ
光Vは透過させない円環状透過波長選択膜A(63)、
そして該円環状透過波長選択膜Aの周縁の外側に配置さ
れた、レーザ光III を透過させる一方、レーザ光IVとレ
ーザ光Vとは透過させない透過波長選択膜B(64)か
ら構成される。この絞りフィルタは、三波長に対して独
立に開口を制限できる。従って、将来より短波長のレー
ザ光(青色レーザなど)を用いた新しい光ディスクが開
発された場合、DVDとCDと、そして新しい光ディス
クとの互換光ピックアップ装置に用いる絞りフィルタを
提供することができる。
【0042】[光透過性材料]絞りフィルタを形成する
光透過材料性材料の種類に特に制限はなく、公知の光学
フィルタに用いられる材料を用いることができる。光透
過性材料として用いられる誘電体材料の例としては、C
aF2 (1.23〜1.26)、NaF(1.34)、
Na3 AlF6 (1.35)、LiF(1.36〜1.
37)、MgF2 (1.38)、SiO2 (1.4
6)、LaF(1.59)、NdF3 (1.6)、Al
2 3 (1.62)、CeF3 (1.63)、PbF2
(1.75)、MgO(1.75)、ThO2 (1.
8)、SnO2 (1.9)、La2 3 (1.95)、
SiO(1.7〜2.0)、In23 (2.0)、N
2 3 (2.0)、Sb2 3 (2.04)、ZrO
2 (2.1)、CeO2 (2.2)、TiO2 (2.2
〜2.7)、TaO5 (2.21)、 ZnS(2.3
5)、Bi2 3 (2.45)、ZnSe(2.5
8)、CdS(2.6)、Sb2 3 (3.0)、Cd
Te(3.05)、Si(3.5)、Ge(4.0)、
Te(4.9)、およびPbTe(5.5)などを挙げ
ることができる。括弧内の数値は屈折率を示している。
例示した屈折率は代表的な値であり、実際に形成した薄
膜の示す屈折率値とは若干異なる場合もある。
【0043】誘電体材料が大気中の水分を吸湿したり、
炭酸ガスなどと反応したりすると、光学特性(屈折率な
ど)が変化したり、形成した膜が白濁して剥離したりす
ることがある。このようなことから、本発明の絞りフィ
ルタを誘電体から形成する場合、低屈折率誘電体として
は二酸化珪素(SiO2 )を用い、高屈折率誘電体とし
ては二酸化チタン(TiO2 )を用いることが好まし
い。この両者を主構成膜として絞りフィルタを作製する
ことが好ましい。TiO2 は屈折率が高く、同じ光学膜
厚の薄膜を形成する場合に物理的膜厚を薄くできるため
応力緩和には好ましい材料である。しかし透過波長選択
膜においては、最上層の高屈折率薄膜の屈折率が高いほ
ど空気界面での反射率が大きくなるため、透過波長選択
膜の最上層のTiO 2 の代わりに、それよりやや屈折率
の小さい(ただし、SiO2 よりは屈折率の高い)材
料、例えば、五酸化二タンタル(TaO5 )を用いるこ
とが好ましい。
【0044】[薄膜形成]透過波長選択膜およびレーザ
光透過膜の薄膜形成する方法に特に制限は無く、公知の
薄膜形成方法を用いることができる。薄膜形成方法の例
としては、真空蒸着法、スパッタリング法、および化学
気相成長法(CVD)などが挙げられる。真空蒸着法に
は、同時蒸着法、フラッシュ蒸着法、分子線蒸着法、イ
オンプレーティング法、およびイオンビーム蒸着が含ま
れる。イオンプレーティング法には、直流励起イオンプ
レーティング法、高周波励起イオンプレーティング法、
および反応性イオンプレーティング法が含まれる。また
形成された薄膜がポーラス(気孔が多い膜)であると、
使用環境において水分を吸収して光学特性が変化し易い
ため、イオンビーム蒸着法、イオンプレーティング法お
よびスパッタリング法により形成することが好ましい。
プラズマイオンプロセス法、イオンアシスト法を用いる
ことで薄膜を形成することも好ましい。
【0045】また、透過波長選択膜およびレーザ光透過
膜のパターニングは公知の方法を用いることができる。
マスク法やフォトリソグラフィー法あるいはそれらを組
み合わせてパターニングをすることができる。また、透
過波長選択膜とレーザ光透過膜の境界を基板に対して極
力垂直に形成するため、基板上にアルミニウム薄膜を形
成してこれをフォトリソグラフィーによりエッチングし
てレーザ光透過膜のネガパターンのマスクを作製し、そ
の上からレーザ光透過膜を積層してリフトオフすること
でレーザ光透過膜のパターニングをすることが好まし
い。同様にアルミニウム薄膜からなる透過波長選択膜の
ネガパターンのマスクを用いて透過波長選択膜をパター
ニングすることで本発明の絞りフィルタを形成すること
が好ましい。また、透過波長選択膜とレーザ光透過膜は
どちらを先に形成しても良い。
【0046】[反射防止膜]また、基板の裏面(絞りフ
ィルタが形成される面とは反対側)に、分光透過率を改
善する反射防止膜もしくは膜応力による基板の反りを戻
すための反り戻し膜を設けることが好ましい。両者を兼
用する膜を設けることがさらに好ましい。反射防止膜
は、用いる波長領域で透明で、屈折率が空気(n=1)
と基板の間の値にある薄膜を設ければよい。例えば、ガ
ラス基板(n=1.52)を用いる場合には、反射防止
膜(兼反り戻し膜)として二酸化珪素(SiO2 、n=
1.46)などの透明膜を設ければよい。その膜厚は、
絞りフィルタの構成により適宜選定する。この反り戻し
膜の形成により波面精度の低下が改善される。
【0047】
【発明の効果】本発明の絞りフィルタは、基板上に設け
られた円盤状のレーザ光透過膜と、その周縁の外側に配
置された透過波長選択膜からなる。そして、レーザ光透
過膜と透過波長選択膜の光学的膜厚が実質的に等しく、
かつ幾何的膜厚も実質的に等しくすることで、特定波長
のレーザ光に対する優れた絞り機能を有し、さらに別の
波長の光に対しては良好な(位相差や波面の乱れの生じ
ない)透過特性を有する絞りフィルタを提供することが
できる。本発明の絞りフィルタは、DVD/CD互換光
ピックアップ装置の絞りフィルタとして特に好ましく用
いることができる。本発明に従えば、将来より短波長の
レーザ光(例えば青色レーザ)を用いた新しい光ディス
クが開発された場合にも、従来ディスクと新しいディス
クに対する互換光ピックアップ装置に用いる絞りフィル
タを容易に作製することができる。また、本発明に従え
ば、互いに波長の異なる三つのレーザ光を用いた三種類
の光ディスクに対する互換光ピックアップ装置に用いる
絞りフィルタを容易に作製することができる。即ち、D
VDとCDと、そして新しい光ディスクとを互換する光
ピックアップ装置に用いる絞りフィルタが提供できる。
【0048】
【実施例】[実施例1] (透過波長選択膜膜の作製)円盤状の硝子基板(直径7
5mm、厚さ0.5mm)の上に、スパッタリング法に
より厚さ1.5μmのアルミニウム薄膜を形成した。マ
スクとして用いるアルミニウム薄膜は真空蒸着法により
形成してもよい。形成したアルミニウム薄膜をフォトリ
ソグラフィーによりパターンニングして、透過波長選択
膜のネガパターンのマスクを形成した。円盤状レーザ光
透過膜の円盤の直径は3mmとした。次に、プラズマイ
オンプロセスにより下記構成の薄膜を順次積層した。 (H’LLH)L(HLLLLH)L(HLLH) 上式において、右側が基板側の最下層を意味する。低屈
折率誘電体膜Lの材料としては二酸化珪素(SiO2
を用い、高屈折率誘電体膜Hの材料としては二酸化チタ
ン(TiO2 )を用い、最上層の高屈折率誘電体膜H’
の材料としては五酸化タンタル(TaO5 )を用いた。
また、各々の膜厚は、形成中の光学的膜厚をモニタする
ことにより制御した。形成途中の光学的膜厚をモニタす
ることで、λ/4の光学的膜厚の誘電体膜を精度良く形
成することができる。マスクとして用いたアルミニウム
を溶解して、透過波長選択膜に不要な部分を基板から取
り除いた。このようにして、透過波長選択膜を形成し
た。
【0049】(レーザ光透過膜の作製)積層順序を下記
とする以外は透過波長選択膜と同様にして、透過波長選
択膜の開口部分にレーザ光透過膜を形成した。 LHHLLHHLLHH’LLLLL このようにして、本発明の絞りフィルタを作製した。ま
た透過波長選択膜の構成の積層順序を変更してレーザ光
透過膜の構成としたため、透過波長選択膜とレーザ光透
過膜の光学的膜厚は等しく、かつ幾何的膜厚も等しく形
成される。
【0050】(反射防止膜の作製)ガラス基板の裏面
(絞りフィルタが設けられた面とは反対側の面)には、
二酸化珪素単層膜の透明膜を5000オングストローム
積層して反り戻し膜を形成した。以上のようにして本発
明の絞りフィルタを作製した。
【0051】[比較例1]レーザ光透過膜膜を設けない
こと以外は実施例1と同様にして、(開口)絞りフィル
タを作製した。
【0052】(絞りフィルタの評価)実施例1で作製し
た絞りフィルタのレーザ光透過膜の分光透過率特性を図
7に示す。本発明の絞りフィルタのレーザ光透過膜は、
基板の裏面における反射込みで、DVDの波長(650
nm)において透過率が95%、CDの波長(780n
m)において透過率95%で、両波長に対して十分高い
透過率が得られた。また、実施例1で作製した絞りフィ
ルタの透過波長選択膜の分光透過率特性を図8に示す。
本発明の絞りフィルタの透過波長選択膜は、基板の裏面
における反射込みで、DVDの波長(650nm)にお
いて透過率95%、CDの波長(780nm)において
透過率5%で、CDの波長に対して充分に開口を絞れる
ことが確認された。
【0053】また、実施例1および比較例1で作製した
絞りフィルタの構成から、絞りフィルタを透過したレー
ザ光の位相特性をコンピュータにより計算した。図9
に、実施例1で作製した絞りフィルタのレーザ光透過膜
と透過波長選択膜の位相特性を計算したグラフを示す。
図9において、実線はレーザ光透過膜の位相特性、破線
は透過波長選択膜の位相特性を示す。計算結果より、レ
ーザ光透過膜と透過波長選択膜を透過した波長650n
mのレーザ光については位相差が生じないことが確認で
きる。図10に、比較例1で作製した(開口)絞りフィ
ルタのレーザ光透過膜(比較例1ではレーザ光透過膜を
設けないため開口絞りフィルタの開口部に当たる)と透
過波長選択膜の位相特性を計算したグラフを示す。図1
0において、実線はレーザ光透過膜(開口部)の位相特
性、破線は透過波長選択膜の位相特性を示す。計算結果
より、レーザ光透過膜と透過波長選択膜を透過した波長
650nmのレーザ光については大きな位相差(120
度程度)が生じることが確認できる。
【0054】さらに、実施例1および比較例1で作製し
た絞りフィルタを透過した波長650nmのレーザ光に
ついて、測定器(Mark GPS、Zygo社製)を
用いてそれぞれ波面特性を測定した。波面特性は、絞り
フィルタを透過後のレーザ光の波面(同一位相面)を立
体的に示した図である。図11に、実施例1で作製した
絞りフィルタを透過したレーザ光の波面特性を、そして
図12に、比較例1で作製した絞りフィルタを透過した
レーザ光の波面特性を示す。これらの波面特性から、実
施例1の絞りフィルタを透過後のレーザ光の波面には大
きな乱れが無いのに対し、比較例1の絞りフィルタを透
過後のレーザ光の波面には、透過波長選択膜と開口部と
の境界に大きな位相段差が生じていることが確認でき
る。これらの波面特性から、前記と同じ測定器により、
平均波面精度および位相段差が算出される。図11に示
した実施例1の絞りフィルタにおける波面特性から、位
相段差(PV)は30mλ以下、そして平均波面精度は
10mλ以下(RMS)と算出された。また、図12に
示した比較例1の絞りフィルタにおける波面特性から、
位相段差(PV)は約180mλ、そして平均波面精度
は約50mλと算出された。従って本発明の絞りフィル
タの波面特性は比較例と比べて、1/5以下に改善する
ことができた。そして、本発明の絞りフィルタの膜厚を
測定した結果、透過波長選択膜およびレーザ光透過膜の
いずれの膜厚も約1600オングストロームであり、透
過波長選択膜とレーザ光透過膜の境界に大きな段差が無
いことが確認できた。
【0055】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の絞りフィルタを用いた光ピックアップ
装置の構成の例を示す配置図である。
【図2】本発明に従う二波長用絞りフィルタの構成の一
例を示す斜視図である。
【図3】図2に示した斜視図に記入したA−Aを結ぶ方
向に沿って切断した、本発明の絞りフィルタの断面図で
ある。
【図4】DVD/CD互換光ピックアップ装置に用いら
れる本発明の絞りフィルタにおける透過波長選択膜の層
構成の一例を示す図である。
【図5】DVD/CD互換光ピックアップ装置に用いら
れる本発明の絞りフィルタにおけるレーザ光透過膜の層
構成の一例を示す図である。
【図6】本発明に従う三波長用絞りフィルタの構成の一
例を示す斜視図である。
【図7】実施例1で作製した本発明の絞りフィルタのレ
ーザ光透過膜の分光透過率特性を示す図である。
【図8】実施例1で作製した本発明の絞りフィルタの透
過波長選択膜の分光透過率特性を示す図である。
【図9】実施例1で作製した本発明の絞りフィルタの位
相特性を示す図である。
【図10】比較例1で作製した(開口)絞りフィルタの
位相特性を示す図である。
【図11】実施例1で作製した本発明の絞りフィルタの
波面特性を示す図である。
【図12】比較例1で作製した(開口)絞りフィルタの
波面特性を示す図である。
【符号の説明】
1 光ディスク 2 DVD光学ユニット 3 CD光学ユニット 4 ダイクロックプリズム 5 コリメーターレンズ 6 反射ミラー 7 絞りフィルタ 8 対物レンズ 9 ピット列 20、30 レーザ発信器 21、31 受光素子 22、32 ホログラム検出素子 40 (二波長用)絞りフィルタ 41 透明基板 42 レーザ光透過膜 43 透過波長選択膜 L 低屈折率誘電体膜 H 高屈折率誘電体膜 BPF1、BPF2、BPF3 帯域フィルタ C1、C2 接続膜 51 厚さ調整膜 52 λ/2交互多層膜 53 反射防止膜 60 (三波長用)絞りフィルタ 61 透明基板 62 レーザ光透過膜 63 透過波長選択膜A 64 透過波長選択膜B

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の要件を満たすことを特徴とする、
    相対的に短波長のレーザ光Iと相対的に長波長のレーザ
    光IIの双方を透過させる円盤状レーザ光透過膜、そして
    該円盤状レーザ光透過領域の周縁の外側に配置された、
    レーザ光Iを透過させる一方、レーザ光IIは透過させな
    い透過波長選択膜を含む光ピックアップ装置用絞りフィ
    ルタ: (1)円盤状レーザ光透過膜の物理的膜厚と透過波長選
    択膜の物理的膜厚とが互いに同一であること; (2)円盤状レーザ光透過膜と透過波長選択膜のいずれ
    もが、互いに屈折率の異なる二種類以上の光透過性材料
    から構成されている多層膜であること; (3)円盤状レーザ光透過膜を構成する光透過性材料と
    透過波長選択膜を構成する光透過性材料とが互いに同一
    であること; (4)円盤状レーザ光透過膜を構成する多層膜が、レー
    ザ光Iの波長λに対して実質的にλ/4の整数倍となる
    光学的膜厚の単層膜の積層体を含むこと;そして、 (5)円盤状レーザ光透過膜を構成する複数の単層膜の
    材料、物理的膜厚そして積層順序と、透過波長選択膜を
    構成する複数の単層膜の材料、物理的膜厚そして積層順
    序とが互いに全て同一とはならないこと。
  2. 【請求項2】 円盤状レーザ光透過膜と透過波長選択膜
    のいずれもが、レーザ光Iの波長に対して位相が0度と
    なる請求項1に記載の絞りフィルタ。
  3. 【請求項3】 円盤状レーザ光透過膜と透過波長選択膜
    のいずれもが、二酸化ケイ素膜と二酸化チタン膜とを主
    構成膜とする多層膜である請求項1もしくは2に記載の
    絞りフィルタ。
  4. 【請求項4】 円盤状レーザ光透過膜と透過波長選択膜
    のいずれもが、二酸化ケイ素膜と二酸化チタン膜とを主
    構成膜とし、さらに五酸化二タンタル膜を含む多層膜で
    ある請求項1もしくは2に記載の絞りフィルタ。
  5. 【請求項5】 レーザ光Iが波長650nmのDVD記
    録及び/又は再生用のレーザ光であり、レーザ光IIが波
    長780nmのCD記録及び/又は再生用のレーザ光で
    ある請求項1もしくは2に記載の絞りフィルタ。
  6. 【請求項6】 下記の要件を満たすことを特徴とする、
    相対的に短波長のレーザ光III 、レーザ光III よりも長
    波長のレーザ光IV、そしてレーザ光IVよりも更に長波長
    のレーザ光Vのそれぞれを透過させる円盤状レーザ光透
    過膜、該円盤状レーザ光透過領域の周縁の外側に配置さ
    れた、レーザ光III とレーザ光IVとを透過させる一方、
    レーザ光Vは透過させない円環状透過波長選択膜A、そ
    して該円環状透過波長選択膜Aの周縁の外側に配置され
    た、レーザ光III を透過させる一方、レーザ光IVとレー
    ザ光Vとは透過させない透過波長選択膜Bを含む光ピッ
    クアップ装置用絞りフィルタ: (1)円盤状レーザ光透過膜の物理的膜厚、透過波長選
    択膜Aの物理的膜厚、そして透過波長選択膜Bの物理的
    膜厚が全て互いに同一であること; (2)円盤状レーザ光透過膜、透過波長選択膜Aそして
    透過波長選択膜Bのいずれもが、互いに屈折率の異なる
    二種類以上の光透過性材料から構成されている多層膜で
    あること; (3)円盤状レーザ光透過膜を構成する光透過性材料、
    透過波長選択膜Aを構成する光透過性材料、そして透過
    波長選択膜Bを構成する光透過性材料とが互いに同一で
    あること; (4)円盤状レーザ光透過膜を構成する多層膜が、レー
    ザ光III の波長λ1 に対して実質的にλ1 /4の整数倍
    であって、かつレーザ光IVの波長λ2 に対して実質的に
    λ2 /4の整数倍となる光学的膜厚の単層膜の積層体を
    含むこと; (5)透過波長選択膜Aを構成する多層膜が、レーザ光
    III の波長λ1 に対して実質的にλ1 /4の整数倍とな
    る光学的膜厚の単層膜の積層体を含むこと;そして (6)円盤状レーザ光透過膜を構成する複数の単層膜の
    材料、物理的膜厚そして積層順序、透過波長選択膜Aを
    構成する複数の単層膜の材料、物理的膜厚そして積層順
    序、そして透過波長選択膜Bを構成する複数の単層膜の
    材料、物理的膜厚そして積層順序とが互いに全て同一と
    はならないこと。
  7. 【請求項7】 円盤状レーザ光透過膜、透過波長選択膜
    A、そして透過波長選択膜Bのいずれもが、レーザ光II
    Iの波長に対して位相が0度となる請求項6に記載の絞
    りフィルタ。
  8. 【請求項8】 レーザ光IVが波長650nmのDVD記
    録及び/又は再生用のレーザ光であって、レーザ光Vが
    波長780nmのCD記録及び/又は再生用のレーザ光
    であり、レーザ光III が波長650nmよりも短波長の
    青色レーザ光である請求項6もしくは7に記載の絞りフ
    ィルタ。
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