JP2002278029A - 可搬式写真処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理溶液を貯留した開放形のタンクを備えて
いない容易に移動可能な処理機械を提供すること。 【解決手段】 写真材料を処理するための可搬式写真処
理装置において、可搬ユニット内に配設された処理室
と、個々の容器内に貯留された複数の処理溶液を含むシ
ールされた交換可能なカートリッジと、シールされた廃
液容器とを収納するように適合したユニットであって、
前記カートリッジそよび廃液容器が弁を備えた液密のコ
ネクタを介して前期処理室に接続可能となっており、複
数の処理工程の間に前記処理室内には実質的に処理溶液
が保持されないようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は写真材料の処理に関
する。本発明は、特に、写真材料を処理するための可搬
式処理ユニットに関する。

【０００２】

【従来の技術】処理機械、例えばミニラボにおけるフィ
ルムおよび写真紙の写真処理に関する。処理機械は一般
的に可搬式とはなっていない。可搬式の処理機械または
ミニラボが望まれている。薬品を排出する必要のない処
理機械または薬品を除去するための液体経路を設ける必
要のない処理機械が望まれている。こうした機械は、顧
客のフィルムを現場において処理するために機械を迅速
に準備する必要のあるイベントで使用可能である。上記
機械は、バンやトラック或いは自動車のトランクで輸送
されよう。こうしたイベントには、オリンピックゲー
ム、フットボールの試合、地方のフェア、その他のスポ
ーツイベント等の大きなイベントが含まれる。その他に
も、客船や例えばユーロスター列車などの列車で使用す
ることができよう。これらは、本発明を適用可能な例示
であって、本発明は、写真フィルムを処理することが望
まれるあらゆる場所において適用可能である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述したように、処理
機械は一般的に可搬式となっていない。殆どの機械は大
型で、重く、数リットルの薬品を備えている。可搬式処
理装置を作ることが試みられてきた。テーブルの上に置
くような小型の処理装置が開発されている。こうした装
置の殆どは手動で操作するようになっており、かつ、見
かけ上乾式では作動しない。また、これらの機械は、小
型のミニラボ市場に適した処理能力または自動処理能力
を備えていない。小型のミニラボは、最大容量で１時間
あたり１３５−３６フィルム（３６枚撮り３５ｍｍフィ
ルムフィルム）を１０〜２０ロール処理できる処理装置
として定義する。

【０００４】可搬式処理装置がＷＯ９３／０４４０４号
に開示されている。この公報には、コンピュータにより
制御される「スーツケース形処理装置」が開示されてい
る。この処理装置はケース形のコンテナの形態を呈して
いる。コンテナの基部には、処理すべきフィルムを収容
する処理ユニットが配設されている。コンテナの蓋に
は、フィルムを処理するための薬品を貯留した容器が収
納されている。薬品は、やはりケース形のコンテナに収
納されたコンピュータの制御の下で作動する弁を介して
ベース部の処理ユニットに供給される。この処理装置は
可搬式であるが、ミニラボの処理能力は有してない。ま
た、処理溶液の漏洩が非常に危惧される。

【０００５】本発明は、処理溶液を貯留した開放形のタ
ンクを備えていない容易に移動可能な処理機械を提供す
ることを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、写真材
料を処理するための可搬式写真処理装置において、可搬
ユニット内に配設された処理室と、個々の容器内に貯留
された複数の処理溶液を含むシールされた交換可能なカ
ートリッジと、シールされた廃液容器とを収納するよう
に適合したユニットであって、前記カートリッジそよび
廃液容器が弁を備えた液密のコネクタを介して前期処理
室に接続可能となっており、複数の処理工程の間に前記
処理室内には実質的に処理溶液が保持されないようにな
っている可搬式写真処理装置が提供される。

【０００７】本発明による機械は、漏れを生ずる処理溶
液を貯留した開放形のタンクを備えず見かけ上乾式であ
る。この処理機械は、従って、容易に移動させて短時間
で処理の準備を行うことができる。従って、前記処理機
械は、通常は写真処理を行わない多数の簡易店舗やイベ
ント会場に設置することができる。処理装置の所有者
は、処理装置を写真の需要のあるあらゆる場所へ設置す
ることができ、処理装置に対する投資からの収益を最大
にすることができる。この処理装置は、また、船や列車
などその動きが処理の品質を阻害するような環状下でも
適している。

【０００８】

【発明を実施する最良の形態】図１、２を参照して本発
明の好ましい実施形態を説明する。処理装置２は図示す
るように可搬ユニットを形成している。このユニット
は、概ね、高さが１メートルで、幅と奥行きが０．５メ
ートルの大きさを有している。こうした寸法は本発明を
限定する趣旨ではない。

【０００９】ユニットの前面にはＬＣＤ表示装置８とキ
ーパッド１０が配設されている。フィルムのための入口
ドア１２がユニットの前面に配設されている。ユニット
の上面には、蓋４が上方に移動するようにヒンジ式に取
り付けられている。蓋４の下方には凹所が配設されてお
り、該凹所にはカートリッジ６が収納される。カートリ
ッジ６は写真処理に必要な化学溶液が貯留されている。
カートリッジ６は、処理に必要な複数の溶液のための複
数の容器から形成することができる。適当なカートリッ
ジの例はコダックフレスシカラーＳＭ(Kodak Fexicolo
r)（商標）カートリッジである。カートリッジ６は、例
えば、特開２０００−１０９１９６号公報に開示されて
いるような、カートリッジと処理空間との間で液体をシ
ールすると共に、漏れによる溶液の無駄の出ないように
した弁を備えたブレークコネクタを介して該処理装置に
容易に着脱可能である。前記カートリッジは交換可能に
構成されている。カートリッジ６は、処理溶液が漏れる
ことのないようにシールされている。シールされたカー
トリッジおよびブレークコネクタを用いることにより、
オペレータは全く処理溶液に曝されることがない。処理
装置のオペレータは化学薬品に接触する危険がない。

【００１０】ユニット２の下方部分には、処理された物
品を排送するための出口スロット１４が設けられてい
る。ユニット２の下方部分には廃液収集ドア１６が設け
られている。該ユニット内において廃液収集ドア１６の
背面には廃液容器１８が配設されている。該廃液容器は
シールされた容器であて、処理に使用された溶液が貯留
される。廃液容器は、カートリッジ６に関して既述した
ように、ブレークコネクタによって処理装置に接続され
る。廃液容器１８が満杯になると、該廃液容器はユニッ
ト２から取り出される。廃液容器１８はシールされた容
器であるので、使用済み溶液が漏れることはない。ま
た、オペレータは全く廃液に振れる危険がない。

【００１１】供給用容器および廃液用容器は２つの独立
の容器ではなく、一体的なパッケージとすることができ
る。適当なパッケージは、特開平８−２９２５４０号に
開示されているようなバッグ−イン−ボックス式のパッ
ケージである。処理溶液はバッグから第１のブレークコ
ネクタを介して処理装置に供給され、使用済み処理溶液
は第２のブレークコネクタを介してバッグに戻される。

【００１２】ユニット２の本体には、回転式のドラム処
理装置（図示せず）が配設されている。適当なドラム処
理装置はＧＢ００２３０９１．２号に開示されており、
該公報を本明細書と一体のものとして参照する。こうし
た処理装置は可搬ユニット２内に配設可能に適合させる
ことができる。ドラム処理装置は、処理の所定の各段階
に対して少量の処理溶液しか使用しない。写真材料の全
長にわたって少量の処理溶液が導入され、その全長にわ
たって広げられる。処理の各段階は同じ空間にて行わ
れ、各処理溶液は順次に処理空間に導入され、かつ、同
処理空間から除去される。

【００１３】処理装置は、処理の間に回転する円筒形の
室を有している。フィルムは、前記室が静止している間
に、該室の内周面に配置される。計量された処理溶液が
前記室内に導入され、そして前記室が回転する。処理溶
液の全量がフィルムの全面にわたって広がる。残った処
理溶液は、各処理段階の最後に前記室から排出され、廃
液容器が処理装置から取り出されるまで廃液容器に一時
的に貯留された後に安全に廃棄される。ＧＢ００２３０
９１．２号に開示された処理装置は好ましいが、他の適
当な処理装置を用いても良い。重要な構成は、処理装置
が、処理溶液により満たされた開放形のタンクを備えて
いない点である。

【００１４】処理装置は、一般的に、特別な器具がなけ
れば動かすのには重すぎる。本発明の処理装置はユニッ
ト２の基部に配設された複数の車２０を有している。前
記車によりユニットは可搬式となり所望の場所へ移動さ
せることが可能となる。少なくとも１つの車２０にブレ
ーキ手段２２が設けられる。ブレーキ手段２２により、
処理の間に処理ユニットの移動が確実に防止される。ユ
ニットの表面の適所にハンドルを設けても良い。

【００１５】前記車はユニットを移動させる好ましい１
つの形態である。然しながら、適当な他の移動手段、例
えば、エアークッション等を設けても良いことは言うま
でもない。

【００１６】電源線２６がユニット２から延びている。
然しながら、必要ならばバッテリー装置を配設してもよ
い。この処理ユニットは、他の装置、例えばドラムを回
転させるモータ、ヒータ、ファン、ＣＰＵ等を収納して
いることは言うまでもない。本発明の本質的な特徴につ
いてのみ説明する。

【００１７】前記ユニットは、所望の位置に配置され処
理のための準備がなされる。処理ユニットに電源が投入
され余熱される。処理が開始される。処理装置が屋内に
配設されている場合には電源は幹線電源からとることが
でき、屋外に配設されている場合には発電機からとるこ
とができる。

【００１８】フィルムが処理されると、処理装置の電源
を落として、処理装置を直ちに移動させることができ
る。処理装置は、フィルムの処理のために静止できれば
よい。例えば、列車や船の中など、処理装置の移動が比
較的一定していれば、処理装置が移動していてもフィル
ムを処理することができる。写真材料が処理されると、
使用済み溶液は廃液容器内に排出される。従って、写真
材料が処理されていないときには、処理室は本質的に空
の状態である。従って、可搬式処理装置は揺らしたり、
傾けたり、回転させたりしても、液体が溢れる危険はな
い。

【００１９】図３を参照して本発明の第２の実施形態を
説明する。本実施形態では、可搬ユニット内にはプリン
ター処理装置が配設されている。ユニット３０は、フィ
ルム／写真紙処理装置を具備しており、概ね、高さが１
メートルで、幅が０．７メートル、奥行きが１メートル
の大きさを有している。こうした寸法は本発明を限定す
る趣旨ではない。

【００２０】ユニット３０の上面には、ユニット内に給
送されるフィルムのためのフィルム入口ドア３２が配設
されている。フィルム入口ドア３２の背面には、フィル
ム出口スロット３５を有したフィルム出口容器３４が配
設されている。ユニット３０の上面の前側にキーパッド
３６が配設されている。キーパッド３６の後ろ側にはＶ
ＤＵ３８が配設されている。写真紙を保持するための写
真紙カセット４０が、ユニット３０の後方部分に配設さ
れている。ヒンジ式のフラップ４２がユニット３０の前
面に配設されている。既述したように化学カートリッジ
をフラップ４２から挿入して処理装置に接続するように
できる。

【００２１】ユニット３０の下方部分には、既述したよ
うに廃液を取り出すための廃液収集ドア４４が配設され
ている。ユニットの下方部分の前面にプリント排送ドア
４６を配設することができる。

【００２２】既述したように、ユニット３０内には回転
ドラム式の処理装置が配設されている。本実施形態で
は、ユニット３０内には、また、スキャナと写真紙処理
装置が配設されている。写真紙処理装置は、例えば、表
面塗布処理装置(surface application processor)、ス
プレー塗布処理装置(spray application processor)ま
たはインクジェットプリンタとすることができる。表面
塗布処理装置は、同時係属中のヨーロッパ特許出願第０
０２０４５４０．９号に開示されている。スプレー塗布
処理装置はヨーロッパ特許公報第０９８４３２４Ａ１号
に開示されている。これらは、単に適切な処理装置の例
示である。処理溶液により満たされた開放形のタンクを
備えていないあらゆる写真紙処理装置をユニット３０に
組み込むことができる。

【００２３】ユニット３０の基部には複数の車４８が配
設されている。前記ユニットの背面にハンドルを配設し
て該ユニットの移動を容易にしてもよい。

【００２４】露光されたフィルムをユニット３０内に給
送する際、オペレータはフィルムをフィルム入口ドア３
２内に挿入する。このフィルムは、図１に示す実施形態
に関連して既述したように処理される。然しながら、該
フィルムはフィルム出口スロット３５から排送される前
に、ユニット３０内において走査される。走査された画
像はＶＤＵ３８上に表示される。オペレータは、フィル
ムを処理するために用いるソフトウェアをキーパッド３
６を用いて決定し、また、ＶＤＵ３８上に表示された走
査画像をキーパッド３６を用いて操作する。処理は、例
えば、グレタグ(Gretag)（商標）ミニラボ等の従来のフ
ィルム／写真紙処理装置で周知となっている通りであ
る。

【００２５】既述したように、このフィルム／写真紙処
理装置は単なる例示である。重要な構成は、フィルム処
理装置および写真紙処理装置の両方が、開放型のタンク
を備えていない点である。既述したユニットの構成は本
発明を限定する趣旨ではない。処理装置とプリンタの両
方を１つの可搬ユニット内に収納することは本質的では
ない。これらを独立した可搬ユニット内に配設してもよ
い。

【００２６】図４は、図１、２を参照して説明した可搬
式処理装置と組み合わせて使うことのできる、独立した
可搬式写真紙処理ユニットの略示斜視図である。写真紙
処理ユニット５０は、概ね、高さが１メートルで、幅と
奥行きが１メートルの大きさを有している。こうした寸
法は本発明を限定する趣旨ではない。

【００２７】ユニット５０の上面には、ユニット内に給
送されるフィルムのためのフィルム入口ドア５２が配設
されている。フィルム入口ドア５２の背面には、プリン
ト排送出口５４、例えばコンベヤが配設されている。ユ
ニット５０の上面の前側にキーパッド５６が配設されて
いる。キーパッド５６の後ろ側にはＶＤＵ５８が配設さ
れている。写真紙を保持するための写真紙カセット６０
が、ユニット５０の後方部分に配設されている。ヒンジ
式のフラップ６２がユニット５０の前面に配設されてい
る。既述したように化学カートリッジをフラップ６２か
ら挿入して処理装置に接続するようにできる。

【００２８】ユニット５０の下方部分には、既述したよ
うに廃液を取り出すための廃液収集ドア６４が配設され
ている。本実施形態では、ユニット５０内にはスキャナ
と紙写真処理装置が配設されている。写真紙処理装置
は、既述したような適切な処理装置とすることができ
る。ユニット５０の基部には複数の車６６が配設されて
いる。前記ユニットの背面にハンドルを配設して該ユニ
ットの移動を容易にしてもよい。

【００２９】既述した処理装置は本発明の単なる一例で
あることは当業者に理解されよう。本発明の本質的な特
徴は、処理装置が可搬式となっており、かつ、処理装置
が「見かけ上乾式」処理装置である、すなわち処理溶液
を満たした開放形のタンクを備えていない点である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１つの実施形態の略示正面図である。

【図２】図１の実施形態の略示側面図である。

【図３】本発明の第２の実施形態の略示斜視図である。

【図４】本発明の第３の実施形態の略示斜視図である。

【符号の説明】

２…ユニット ４…蓋 ６…カートリッジ ８…ＬＣＤ表示装置 １０…キーパッド １２…フィルム入口ドア １４…出口スロット １６…廃液収集ドア １８…廃液容器

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 写真材料を処理するための可搬式写真処
   理装置において、 可搬ユニット内に配設された処理室と、 個々の容器内に貯留された複数の処理溶液を含むシール
   された交換可能なカートリッジと、シールされた廃液容
   器とを収納するように適合したユニットであって、前記
   カートリッジそよび廃液容器が弁を備えた液密のコネク
   タを介して前期処理室に接続可能となっており、複数の
   処理工程の間に前記処理室内には実質的に処理溶液が保
   持されないようになっている可搬式写真処理装置。
2. 【請求項２】 前記ユニットが更にプリンタ処理装置を
   収納する請求項１に記載の可搬式写真処理装置。
3. 【請求項３】 前記ユニットが更にスキャナを収納する
   請求項２に記載の可搬式写真処理装置。
4. 【請求項４】 前記交換可能なカートリッジおよび廃液
   容器が１つのパッケージとして提供される請求項１に記
   載の可搬式写真処理装置。
5. 【請求項５】 更に、外部電源と接続するための手段を
   具備する請求項１に記載の可搬式写真処理装置。
6. 【請求項６】 前記可搬式ユニットは、その基部に車が
   設けられている請求項１に記載の可搬式写真処理装置。
7. 【請求項７】 １３５−３６フィルムを２０ロール現像
   可能な容量を有する請求項１に記載の可搬式写真処理装
   置。