JP2002275477A - 高炉用コークスの製造方法 - Google Patents

高炉用コークスの製造方法

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JP2002275477A JP2001076364A JP2001076364A JP2002275477A JP 2002275477 A JP2002275477 A JP 2002275477A JP 2001076364 A JP2001076364 A JP 2001076364A JP 2001076364 A JP2001076364 A JP 2001076364A JP 2002275477 A JP2002275477 A JP 2002275477A
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健次 加藤
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    • C10B57/00Other carbonising or coking processes; Features of destructive distillation processes in general
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、非微粘結炭を多量に使用し
て、強度の高い高炉用コークスの製造方法を提供する。 【解決手段】 原料炭をコークス炉に装入して乾留して
コークスを製造する方法において、核磁気共鳴スペクト
ルによって得られた石炭の粘結成分量を表す指標と石炭
の粘結成分の粘度を表す指標が所定の範囲内となるよう
に石炭の配合割合を調製することによって、強度の高い
コークスを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強度の高い高炉用
コークスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高炉用コークス製造プロセスにおいて、
コークス製造コストの削減を達成するためには、原料炭
中に含まれる非微粘結炭の割合を増加させることが重要
である。これは、非微粘結炭は粘結炭に比べて資源の埋
蔵量が多く、安価であるため、コークスの製造コストを
低減する方法としては、原料炭中に含まれるこの非微粘
結炭の割合を増加させることが有効であることによる。
しかし、非微粘結炭の増加に伴って、コークスの強度が
低下するという問題がある。そこで、原料炭中の非微粘
結炭の割合を増加させてもコークス強度が低下しないよ
うな高炉用コークス製造方法の開発が求められている。
高炉用コークスを製造する際に用いる原料炭には、通常
は複数種(約10種類程度)の石炭が用いられ、これを
配合した後に、コークス炉に装入し乾留して高炉用コー
クスを製造する。このため、従来から強度の高いコーク
スを製造するための石炭配合方法が研究されてきた。
【0003】以下に、主な4つの例を示す。 (1) 石炭の揮発分量と石炭の最高流動度を指標とし
たコークス製造用石炭の調整方法 石炭の揮発分と最高流動度を所定の範囲に調整して、コ
ークス炉に装入して乾留し、コークスを製造する方法
が、例えば、「石炭化学と工業」p.299(三共出版
(株)、S52年)等に開示されている。この方法は、
石炭の揮発分量と、ギーセラープラストメーターによる
石炭の流動性試験(JIS M 8801)による石炭
の最高流動度の両者から、コークス強度を予測する方法
であり、図3に示す斜線部分が高炉用コークスの石炭と
して最適であるとされている。石炭の最高流動度の測定
は、JIS M 8801に記載されている方法に従っ
て、ギーセラープラストメーターを用いて以下の手順で
行なう。まず、撹拌棒をセットしたレトルト中に石炭試
料を装填し、その後、金属浴中で規定の昇温速度で加熱
する。この際撹拌棒に一定のトルクを与えておくと、石
炭の軟化とともに撹拌棒が回転する。この回転挙動によ
り軟化開始温度、最高流動度及び固化温度を測定する試
験方法である。 (2) 石炭の微細組織成分と反射率を指標としたコー
クス製造用石炭の調整方法 石炭の顕微鏡による微細組織成分(以下、「マセラル」
と記す)と、反射率を組み合わせることによって、石炭
の配合割合を調整してコークス炉に装入して乾留し、コ
ークスを製造する方法が、例えば、「石炭化学と工業」
p.302(三共出版(株)、S52年)等に開示され
ている。この方法は、加熱により軟化溶融する石炭中の
活性成分(Reactives)であるビトリニット、
エクジニット、デグラジニット等のマセラルと、加熱し
ても軟化溶融しない不活性成分(Inerts)、およ
び両者の中間的な性質を示す半不活性成分(Semi−
Inerts)の割合を光学顕微鏡によって測定し、石
炭のマセラルの量比とビトリニットの平均反射率の値に
よって、石炭組織の平衡指数(CBI)および強度指数
(SI)を算出して、CBIとSIの関係から、コーク
ス強度を推定する方法である。具体的には、図4に一例
を示すように、SIとCBIからコークス強度を推定す
るコークス強度推定線図を予め作成しておき、石炭のマ
セラルの量比およびビトリニットの平均反射率から算出
したSIとCBIが所定の強度のコークスを製造する範
囲になるように石炭の配合割合を調整する。図4では、
コークス強度として、DI30 15(JIS K 21
51に示すドラム強度試験方法に従って、ドラム強度試
験により測定し、コークス試料を30回転後に15mm
篩上に残存した質量比で表したもの)を示している。コ
ークスのDI150 15(JIS K 2151に示す
ドラム強度試験方法に従って、コークス試料を150回
転指せた後に15mm篩上に残存した質量比で表したも
の)を推定する場合には、予め、前記DI30 15の値
とDI150 15の関係を求めておけば良い。 (3) 石炭のギーセラー流動性試験における再固化温
度、および石炭のガス発生量を指標とした石炭の調整方
法 コークス製造用石炭のギーセラープラストメーターによ
る石炭の流動性試験(JIS M 8801)における
再固化温度を基準とする指標(X)、および原料炭のコ
ークス炉ガス発生量を表す指標(Y)と、コークスのド
ラム強度との関係を予め統計的に求めて相関式を作成
し、該相関式に基づいてコークス製造用原料炭として使
用する石炭を選択して、コークス炉に装入して乾留し、
コークスを製造する方法が、特開平4−246495号
公報に開示されている。この方法は、石炭が加熱されて
軟化溶融した際に発生する粘結成分の量と、該粘結成分
の粘度を測定することが不可能なために、代替する指標
として、数種類の石炭を配合して調整した原料炭の再固
化温度を測定して、指標とするものである。 (4)NMR法 特開平9-328685号公報には、石炭に重水素置換
された溶媒を膨潤させたのち、水素核の核磁気共鳴吸収
スペクトルを測定し、石炭中の全水素の存在量を定量
し、その中の水素結合に関与している水素の存在量比を
算出することで、その量比とコークスドラム強度の関係
から得られるコークス化特性によって石炭の品質を評価
することを特徴とする石炭品質評価方法が開示されてい
る。また特開平10−19814号公報では、石炭を重
水素置換された溶媒に膨潤させたのち、水素核の核磁気
共鳴吸収スペクトルを測定し、石炭中の横緩和時間の相
対的に長い成分と短い成分の量を求め、その量比とコー
クスドラム強度の関係から、装入石炭の乾留後のコーク
スドラム強度を推定することを特徴とする石炭品質評価
方法、及び石炭を重水素置換されたピリジン等の溶媒に
膨潤させたのち、水素核の核磁気共鳴吸収スペクトルの
エコー信号を測定し、その信号に対して適当な磁場勾配
を与えることで得られるマイクロイメージング像で石炭
中に存在する横緩和時間の相対的に長い成分の分布状態
等を可視化して、溶融し易い成分存在量や分布を評価
し、コークスドラム強度との関係から装入石炭の乾留後
のコークスドラム強度を推定することを特徴とする石炭
品質評価方法が開示されている。
【0004】特開平11-326248号公報には、石
炭を重水素置換された溶媒で膨潤することなしに水素核
の核磁気共鳴吸収スペクトルを測定し、石炭中の横緩和
時間の相対的に長い成分と短い成分の量を求め、その量
比とコークスドラム強度の関係から、装入石炭の乾留後
のコークスドラム強度を推定することを特徴とする石炭
品質評価方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のコークス製造用
原料炭の配合方法では、ギーセラープラストメーターに
よる最高流動度や、石炭のマセラルと反射率等を指標と
して、石炭の配合設計を行う方法を採用してきたが、こ
れらの方法では下記の問題点があるために、コークス製
造用の石炭として、非微粘結炭を多量に配合した石炭を
用いてコークス炉で乾留して強度の高い高炉用コークス
を製造するための配合設計が不可能であった。
【0006】例えば、前述した(1)の石炭の揮発分と
ギーセラープラストメーターによる石炭の最高流動度を
指標とした石炭の配合方法では、非微粘結炭は軟化溶融
時の粘結性が低いため溶融しにくく、結果としてギーセ
ラープラストメーターの撹拌棒の回転数が小さくなり流
動性の検出精度が低下するという欠点がある。また、ギ
ーセラー流動性による粘結性の指標は加成性がないため
に、非微粘結炭と粘結炭を配合した場合には、石炭の粘
結性を正確に評価することができない。この手法によっ
て石炭の配合設計を行なう場合には、非微粘結炭の使用
割合が約30質量%を超えると、石炭の流動性が著しく
低下するために、コークス強度が著しく低下すると予測
されてしまい、非微粘結炭30質量%以上の配合条件を
検討するためには、この方法は適用が不可能であり、非
微粘結炭の配合割合の上限は原料炭に対して約30質量
%が上限であった。
【0007】また、前記の(2)の石炭のマセラルと反
射率を指標とした石炭の調整方法では、非微粘結炭は粘
結炭に比べてSIが低く(約4以下)、非微粘結炭を約
30質量%以上使用した場合には、SI−CBI線図か
ら推定されるコークスのドラム強度の実績値と推定値の
差が大きくなる。このため、非微粘結炭の割合が30質
量%以上の場合には、SI―CBI法によるコークス強
度の推定は推定の精度が悪化するので、非微粘結炭を多
量に配合した石炭をコークス炉に装入して乾留し、コー
クスを製造する場合の石炭の配合設計に適用することは
不可能であり、この方法による非微粘結炭の配合割合の
上限は原料炭に対して約30質量%が上限であった。さ
らに、非微粘結炭の中でも揮発分量が約15%以下と少
ない半無煙炭の場合は、SIは約6以上と高く、CBI
は約5以上と高い性状を有しているが、単味の石炭を乾
留した場合のコークスのドラム強度(DI15015)
は0であり、このドラム強度は従来のSI−CBI線図
ではコークス強度は予測できず、石炭の種類によって適
用することが不可能であった。前記(3)のコークス製
造用の石炭のギーセラープラストメーターによる流動性
試験における再固化温度、およびガス発生量を指標とし
た石炭の調整方法では、以下の問題点がある。石炭を乾
留した場合に石炭の粘結性はコークス強度に対して大き
な影響を及ぼすが、石炭のギーセラー流動性試験による
石炭の最高流動性は、複数の石炭を配合した場合、特に
非微粘結炭を約30質量%以上配合した石炭について
は、石炭のギーセラー流動性については加成性がない。
【0008】そこで、特開平4−246495号公報で
は石炭の粘結性を表す指標として、石炭のギーセラー流
動性試験における再固化温度を指標とした石炭の調整方
法を提案している。しかし、この方法では、実際にコー
クス強度に対して強い影響を及ぼす石炭の粘結成分の量
および石炭の粘結成分の粘度を測定することが不可能な
方法であるために、多量の非微粘結炭を含む石炭を用い
てコークスを製造した場合のコークス強度の推測は不可
能である。前記(4)の特開平9−328685号公
報、および特開平10−19814号公報に開示されて
いるNMRによる石炭の調整方法では、これらの方法に
代表される石炭のNMR測定法は非常に有用な情報を与
えるが、重水素溶媒での24時間以上の蒸気膨潤等の前
処理が必要であり、簡便性に欠けていた。また溶媒が石
炭に浸透した結果、その分子構造に微妙な影響を与えて
いた。更に石炭を構成する横緩和時間の比較的長い成分
のみの情報しか与えず、横緩和時間の比較的短い成分に
関する情報は得られなかった。また、測定に要する時間
が長く、水素のみに限定された情報であるのが欠点であ
った。また、特開平11−326248号に開示されて
いる方法では、多重パルスを使用する必要があり、測定
装置に高い性能が要求され、且つ習熟した測定者が必要
であり、したがって汎用的ではないという問題がある。
さらに、実際のコークス製造用の石炭の配合設計を行な
うためには、更に石炭の調整に工夫が求められている。
以上のような問題から、粘結炭から非微粘結炭までの広
い範囲の炭種を対象として、且つ、非微粘結炭を多量に
配合した場合でも、強度の高い高炉用コークスを製造す
ることを可能とする高炉用コークスの製造法の開発が必
要とされている。本発明の目的は、非微粘結炭を多量に
配合した原料炭を用いた条件で、強度の高いコークスを
製造することを可能とする高炉用コークスの製造方法を
提供するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、石炭に含まれ
る粘結成分の量を表す指標、および石炭の粘結成分の粘
度を表す指標が所定の範囲となるように石炭を調整し
て、強度の高い高炉用コークスを製造することを特徴と
するコークス製造方法であり、本発明の内容は下記の通
りである。 (1)1種類または2種類以上の石炭を混合した後、コ
ークス炉に装入して乾留してコークスを製造する方法に
おいて、前処理せずに石炭の軟化溶融温度で測定した水
素核の核磁気共鳴スペクトルの結果から得た石炭の粘結
成分量を表す指標と、石炭の粘結成分の粘度を表す指標
を所定の範囲内となるように石炭を調製することによっ
て、強度の高いコークスを製造することを特徴とする高
炉用コークスの製造方法。 (2)石炭の粘結成分量を表す指標の範囲を30%以上
とし、かつ、石炭の粘結成分の粘度を表す指標の範囲を
3以上とすることを特徴とする前記発明(1)に記載の
高炉用コークスの製造方法。 (3)前記石炭が、水分を2〜6%に調整した石炭であ
ることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の高
炉用コークスの製造方法。 (4)前記石炭が事前に粘結材を添加した石炭であるこ
とを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載
の高炉用コークスの製造方法。 (5)前記石炭が、単一または2種類以上の高分子材料
を配合した石炭であることを特徴とする前記(1)乃至
(4)のいずれかに記載の高炉用コークスの製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、具体的に
説明する。図5は、本発明に関わるコークス製造プロセ
スを示す図である。1は石炭配合槽、2は石炭供給フィ
ーダー、3は石炭乾燥機、4は粘結材タンク、5は粘結
材添加装置、6は高分子添加ホッパー、7はコークス炉
を各々示す。
【0011】石炭配合槽1の下の石炭供給フィーダー2
から供給する石炭の量を調節し、原料炭(ここでは、1
種類または2種類以上の石炭を配合し、コークス炉に装
入する配合炭を指す)中の各石炭を所定の割合に配合す
る。原料炭を石炭乾燥機3に送り、水分を2〜6%程度
に乾燥する。その後、粘結材添加装置5により、原料炭
に対して質量比で1〜10mass%の粘結材を添加
し、前記粘結材を添加した原料炭に高分子材料添加ホッ
パー6から切り出した高分子材料を添加した後、コーク
ス炉7に送り、コークス炉内に装入して乾留する。本発
明者らは、図5に示すようなコークス製造プロセスを前
提として、非微粘結炭を多量に配合した原料炭を用い
て、石炭の粘結成分の量と粘結成分の粘度に着目した原
料炭の配合方法により、強度の高いコークスを製造する
方法について詳細に検討した。本発明者らは、コークス
強度に対して非常に強い影響を及ぼす石炭の粘結成分の
量と粘結成分の粘度、およびこれらとコークス強度の関
係について、一連の実験を行なって詳細に検討した。コ
ークス炉内で加熱された石炭が軟化溶融して粘結性を発
現するためには、石炭分子の運動性が活発化して液体状
態に近くなり、それが石炭粒子内に拡がることが必要で
ある。そして石炭粒子内に存在する横緩和時間が長い成
分、即ち、分子運動性の高い成分(易動性水素成分)が
多いということは石炭の粘結性に関与する成分量の増加
を意味する。加熱条件下において石炭粒子内の粘結成分
の発現量が増加することと、コークスのドラム強度が向
上することを見出した。さらに、この関係を活用して、
石炭が軟化溶融する温度で石炭粒子内における粘結成分
の量を表す指標と、石炭の粘結成分の粘度を表す指標が
所定の範囲となるように、石炭の配合を調製して、コー
クス炉に装入して乾留することにより、強度の高いコー
クスを製造することが可能となることを見出した。石炭
の粘結成分量を表す指標、および石炭の粘結成分の粘度
を表す指標の測定は、下記の方法で行なった。
【0012】例えば、表1に示す性状の石炭について、
前処理をせずに石炭の水素核のNMRイメージングを石
炭の軟化溶融温度で測定する。ここで軟化溶融温度とは
350℃から510℃の範囲である。なお上記の事前処
理とは、石炭を予熱・加熱したり、溶媒等での処理をし
たりすることを言うが、本発明の石炭の配合調製のため
に前記指標を測定する際にはこの事前処理は不要であ
る。なお本発明において「調製」という場合、複数の石
炭を配合して用いる場合と、単味の石炭を用いる場合の
いずれも含むものとする。
【0013】本発明の前記測定のためには、試料を核磁
気共鳴装置専用の試料管に挿入するだけで良く、試料管
に入るサイズである数ミリメートル以下であれば、特に
試料の大きさや形状には依存しない。
【0014】測定の手法としては、水素90度のパルス
幅は8μsec、エコー時間は50μsec〜3msec、繰り
返し時間は5msec〜1secとして、積算回数は512回
であった。データのサイズはX方向で512ポイント、
Y方向で512ポイントで、Z方向は1〜512ポイン
トと設定する。その際に試料を3℃/minで昇温させ
ながら、X,Y,Zの3軸にそれぞれ、89gauss/c
m、96gauss/cm、107gauss/cmの磁場勾配を短時
間で与えるような方法で測定を行い、石炭の水素核NM
Rイメージング画像を得る。更に昇温させながら、同じ
測定をすることで、石炭が軟化溶融状態のNMRイメー
ジ画像を得る。得られた画像から、適当な横緩和時間で
の分布と易動性水素成分の存在量を算出する。ここで
「易動性水素成分」とは、本明細書においては「粘結成
分の量を表す指標」のことをいい、その存在量は、上記
軟化溶融温度域で、横緩和時間が100マイクロ秒以上
である成分の量として定義される。ここで多重パルスや
横緩和時間に関しては、特開平11−326248号公
報中に記載している通りであり、石炭の水素核のNMR
スペクトルに、数マイクロ秒の短く且つ数百パットの強
いパルスを一定周期で繰り返し与える多重パルス法と同
時に直線的な傾斜磁場勾配を組み合わせることで測定を
行う。この時、水素核磁気共鳴から得られた吸収を半値
幅の広い吸収(横緩和時間が短い成分)と、狭い吸収
(横緩和時間が長い成分)に波形分離し、その面積をそ
れぞれの成分量とした。本測定時には得られる吸収を先
鋭化させ明確なイメージング像にすることで、横緩和時
間の長い成分と短い成分の差異を明確にすることがよ
い。
【0015】このため、適当な多重パルスを与えるマジ
ックエコー法(F.Weigand,D.E.Demco,B.Bluemich and H.
W.Spiess,J.Magn.Reson.A120(1996)190) が非常に有効
であり、従来のイメージング技術と併用できる。同様の
効果は、漏洩磁場を利用するSTRAFI法(A.A.Samo
ilenko,D.Y.Artemov, and L.A.Sibeldina,JETP Lett.48
(1988) 348)でも確認されている。横緩和時間とは、N
MRイメージング測定の結果得られる最小画素内に存在
する石炭自身に由来する水素核NMRスペクトル吸収の
半値幅(吸収の高さの半分の位置における吸収の幅を意
味する)から導き出されるものであり、石炭のバルクと
しての運動性を表す。
【0016】本発明者らは、表1に示す石炭化度の異な
る24種類の石炭について、本手法によって軟化溶融時
の易動性水素成分の存在量と横緩和時間を求めた。NM
Rの測定結果から、横緩和時間の逆数を係数化して「粘
結成分の粘度を表す指標」を求める方法を新たに考案し
た。具体的には、NMRイメージング画像から得られる
横緩和時間が長い成分の横緩和時間の逆数であり、横緩
和時間の逆数を1/msecの単位で表したものと定義
される。
【0017】この方法によって求めた石炭の粘結成分の
量を表す指標を横軸に、粘結成分の粘度を表す指標を縦
軸にプロットしたものを図1に示す。
【0018】石炭を水分3〜4%に乾燥した後、コーク
ス炉に装入して、1200℃で20時間乾留してコーク
スを製造し、上記の石炭の粘結成分の指標と、コークス
強度の関係を詳細に調べた。その結果、図1に示すよう
に、石炭の粘結成分の量を表す指標と、粘結成分の粘度
を表す指標、およびコークスドラム強度との関係につい
て、明確な関係があることを見いだした。即ち、NMR
の測定によって得られる粘結成分量を表す指標が30%
以上で、かつ、粘結成分の粘度を表す指標が3以上の場
合に、強度の高いコークスの製造が可能となることがわ
かった。さらに、表2に示すように、2種類以上の複数
種の石炭の混合物と、石炭に粘結材を添加した混合物、
および石炭に高分子材料を添加した混合物の各々につい
て、粘結成分の量と、各々の粘結成分の粘度、およびコ
ークスのドラム強度の関係を調べた。その結果、図2に
示すように、NMRの測定によって得られる粘結成分量
を表す指標が30%以上で、かつ、粘結成分の粘度を表
す指標が3以上の場合に、強度の高いコークスの製造が
可能となることがわかった。本明細書で、コークス強度
(DI150 15)とはJIS K 2151に示され
ているドラム強度試験により測定し、コークス試料を1
50回転後に15mm篩上に残存した質量比で表したも
のを示す。NMRで測定される石炭の粘結成分量は多い
ほどコークス強度が向上することになるので、石炭の粘
結成分量の上限については、特に規定しない。また、N
MRで測定される石炭の粘結成分の粘度を表す指標(こ
こでは、値が大きいほど粘度が低い)が大きくなるほど
コークス強度は向上するため、石炭の粘結成分の粘度を
表す指標の上限は規定しない。また、本発明者らが原料
炭の水分とコークス強度との関係について鋭意検討した
結果、水分を6%以下に乾燥した場合に、コークスの強
度が向上することを見いだした。そこで、原料炭の水分
は6%以下とする。但し、原料炭の水分を2%未満であ
ると、原料炭をコークス炉へ送る際の発塵量が大幅に増
加するために、原料炭の水分の下限値は2%以上とす
る。
【0019】石炭には、粘結性を改善するために粘結成
分として粘結材を添加することができ、添加する粘結材
としては、タール、ソフトピッチ、石油系粘結材など使
用できる。
【0020】前記粘結材の望ましい添加率は、石炭に対
して1質量%未満では粘結材添加による石炭の粘結性補
填効果が少ないために1質量%以上が好ましい。粘結材
の添加量が多すぎると、石炭をコークス炉に装入する際
の装入密度が低下してコークス強度が低下するので、粘
結材の添加率の上限は石炭に対して10質量%以下が好
ましい。また、石炭には、コークス強度の大きな低下を
招かない範囲で高分子材料を添加することもでき、添加
する高分子材料としては、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、容器包装品などの使用済みの廃プラスチック、廃タ
イヤなどの高分子材料が使用可能である。石炭に添加す
る方法によって、高分子材料を添加する比率とコークス
強度の低下に対する影響は異なるが、石炭に均一に高分
子材料を低下する場合には5質量%超の高分子材料を石
炭に添加するとコークス強度が著しく低下するので、石
炭に添加する高分子材料の添加率の上限は5%以下が好
ましい。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。 (実施例1〜実施例10)表1に示すような性状の異な
る石炭の粘結成分の量を下記の方法で測定した。表1に
性状を示す石炭について、前処理をせずに石炭の水素核
のNMRイメージングを石炭の軟化溶融温度で測定し
た。ここで軟化溶融温度とは350℃から510℃の範
囲である。試料を核磁気共鳴装置専用の試料管に挿入
し、水素90度のパルス幅は8μsec、エコー時間は5
0μsec〜3msec、繰り返し時間は5msec〜1secとし
て、積算回数は512回であった。データのサイズはX
方向で512ポイント、Y方向で512ポイントで、Z
方向は1〜512ポイントと設定する。その際に試料を
3℃/minで昇温させながら、X,Y,Zの3軸にそ
れぞれ、89gauss/cm、96gauss/cm、107gauss
/cmの磁場勾配を短時間で与えるような方法で測定を行
い、石炭の水素核NMRイメージング画像を得た。更に
昇温させながら、同じ測定をすることで、石炭が軟化溶
融状態のNMRイメージ画像を得て、得られた画像から
石炭の粘結成分の量を表す指標と、石炭の粘結成分の粘
度を表す指標を算出した。
【0022】表1の実施例1〜実施例10に示すよう
に、石炭の粘結成分の量を表す指標が30%以上で、か
つ、石炭の粘結成分の粘度を表す指標が3以上の石炭に
ついて、石炭の水分を3.0〜4.0%に調整して、コ
ークス炉に装入し、1200℃の加熱温度で20時間乾
留して、コークスを製造した。この結果、表1及び図1
に示すように、得られたコークスのドラム強度はいずれ
も82以上と高く、強度の高い高炉用コークスが得られ
た。 (実施例11〜実施例17)表2に示すような性状の異
なる2種類以上の石炭を混合した配合炭について、粘結
成分の量を表す指標と粘結成分の粘度を表す指標を下記
の方法で測定した。石炭の配合条件は、表2に示すよう
に、粘結炭であるA炭、B炭、I炭に対して、非微粘結
炭であるL炭、X炭を配合した。配合炭中の非微粘結炭
の割合は50mass%〜70mass%である。実施
例17では、単味炭で乾留した場合に得られるコークス
のドラム強度が0で、従来は全く使用不可能であったX
炭を5%配合した。表2に性状を示す性状の配合炭につ
いて、前処理をせずに配合炭の水素核のNMRイメージ
ングを石炭の軟化溶融温度で測定した。ここで軟化溶融
温度とは350℃から510℃の範囲である。炭試料を
核磁気共鳴装置専用の試料管に挿入し、水素90度のパ
ルス幅は8μsec、エコー時間は50μsec〜3msec、
繰り返し時間は5msec〜1secとして、積算回数は51
2回であった。データのサイズはX方向で512ポイン
ト、Y方向で512ポイントで、Z方向は1〜512ポ
イントと設定する。その際に試料を3℃/minで昇温
させながら、X,Y,Zの3軸にそれぞれ、89gauss
/cm、96gauss/cm、107gauss/cmの磁場勾配を短
時間で与えるような方法で測定を行い、配合炭の水素核
NMRイメージング画像を得た。更に昇温させながら、
同じ測定をすることで、配合炭が軟化溶融状態のNMR
イメージ画像を得て、得られた画像から石炭の粘結成分
の量を表す指標と、石炭の粘結成分の粘度を表す指標を
算出した。表2に示すように、配合炭の粘結成分の量を
表す指標が30%以上で、かつ、粘結成分の粘度を表す
指標が3以上の石炭について、配合炭の水分を2.9%
〜3.5%に調整して、コークス炉に装入し、1200
℃の加熱温度で20時間乾留して、コークスを製造し
た。この結果、表2及び図2に示すように、非微粘結炭
を50mass%〜70mass%と多量に配合した条
件でも、得られたコークスのドラム強度はいずれも82
以上と高く、強度の高い高炉用コークスが得られた。実
施例17では、粘結成分の量を表す指標が40.1%で
粘結成分の粘度を表す指標が2.2と低く、コークスの
ドラム強度が0であり、従来の方法では非微粘結炭の中
でも特に粘結性が低く、使用不可能であった劣質な性状
のX炭(比較例14に性状を示す)を5%配合しても、
コークスのドラム強度が83.0と高く、強度の高い高
炉用コークスを製造することができた。 (実施例18〜実施例24)表2に示すような性状の異
なる1種類または2種類以上の石炭を混合した配合炭
に、粘結材としてタールを3%添加して混合した混合物
ついて、前処理をせずに水素核のNMRイメージングを
石炭の軟化溶融温度で測定した。ここで石炭の軟化溶融
温度とは350℃から510℃の範囲である。試料を核
磁気共鳴装置専用の試料管に挿入し、水素90度のパル
ス幅は8μsec、エコー時間は50μsec〜3msec、繰
り返し時間は5msec〜1secとして、積算回数は512
回であった。データのサイズはX方向で512ポイン
ト、Y方向で512ポイントで、Z方向は1〜512ポ
イントと設定する。その際に試料を3℃/minで昇温
させながら、X,Y,Zの3軸にそれぞれ、89gauss
/cm、96gauss/cm、107gauss/cmの磁場勾配を短
時間で与えるような方法で測定を行い、石炭の水素核N
MRイメージング画像を得た。更に昇温させながら、同
じ測定をすることで、石炭が軟化溶融状態のNMRイメ
ージ画像を得て、得られた画像から石炭と粘結材の混合
物の粘結成分量を表す指標と、石炭と粘結材の混合物の
粘結成分の粘度を表す指標を算出した。表2に示すよう
に、石炭と粘結材の混合物の粘結成分の量を表す指標が
30%以上で、かつ、石炭と粘結材の混合物の粘結成分
の粘度を表す指標が3以上の値である前記混合物を、水
分を3.0%〜5.0%に調整して、コークス炉に装入
し、1200℃の加熱温度で20時間乾留して、コーク
スを製造した。この結果、表2及び図2に示すように、
非微粘結炭を50mass%と多量に配合した条件下で
も、得られたコークスのドラム強度はいずれも82以上
と高く、強度の高い高炉用コークスが得られた。実施例
18では、粘結成分の量を表す指標が40.1%で粘結
成分の粘度を表す指標が2.2と低く、コークスのドラ
ム強度が0であり、従来の方法では非微粘結炭の中でも
特に粘結性が低く、使用不可能であった劣質な性状のX
炭(比較例14に性状を示す)を5%配合しても、コー
クスのドラム強度が83.6と高く、強度の高い高炉用
コークスを製造することができた。 (実施例25〜実施例26)表2に示すように、実施例
25では、A炭に高分子材料として、ポリエチレン系の
プラスチックを5%添加した混合物を用いて、実施例2
6では、A炭に対して、高分子材料として容器包装品を
混合した一般廃プラスチックを5%添加した混合物を用
いて、粘結成分の量を表す指標と粘結成分の粘度を表す
指標を下記の方法で測定した。上記の石炭と高分子材料
の混合物について、前処理をせずに石炭の水素核のNM
Rイメージングを石炭の軟化溶融温度で測定した。ここ
で軟化溶融温度とは350℃から510℃の範囲であ
る。配合炭試料を核磁気共鳴装置専用の試料管に挿入
し、水素90度のパルス幅は8μsec、エコー時間は5
0μsec〜3msec、繰り返し時間は5msec〜1secとし
て、積算回数は512回であった。データのサイズはX
方向で512ポイント、Y方向で512ポイントで、Z
方向は1〜512ポイントと設定する。その際に試料を
3℃/minで昇温させながら、X,Y,Zの3軸にそ
れぞれ、89gauss/cm、96gauss/cm、107gauss
/cmの磁場勾配を短時間で与えるような方法で測定を行
い、石炭の水素核NMRイメージング画像を得た。更に
昇温させながら、同じ測定をすることで、石炭が軟化溶
融状態のNMRイメージ画像を得て、得られた画像から
石炭と高分子材料の混合物の粘結成分を表す指標と、前
記の石炭と高分子材料の混合物の粘結成分の粘度を表す
指標を算出した。表2の実施例25、26に示すよう
に、石炭と高分子材料の混合物の粘結成分の量を表す指
標が30%以上で、かつ、石炭と高分子材料の混合物の
粘結成分の粘度を表す指標が3以上の値を示す混合物に
ついて、水分3.0%〜5.0%に調整して、コークス
炉に装入し、1200℃の加熱温度で20時間乾留し
て、コークスを製造した。この結果、表2及び図2に示
すように得られたコークスのドラム強度は、いずれも8
2以上と高く、強度の高い高炉用コークスが得られた。 (比較例1〜比較例14)表1に示すような性状の異な
る石炭の粘結成分の量と粘度を表す指標を下記の方法で
測定した。
【0023】すなわち、石炭の前処理をせずに石炭の水
素核のNMRイメージングを石炭の軟化溶融温度で測定
した。ここで軟化溶融温度とは350℃から510℃の
範囲である。試料を核磁気共鳴装置専用の試料管に挿入
し、水素90度のパルス幅は8μsec、エコー時間は5
0μsec〜3msec、繰り返し時間は5msec〜1secとし
て、積算回数は512回であった。データのサイズはX
方向で512ポイント、Y方向で512ポイントで、Z
方向は1〜512ポイントと設定する。その際に試料を
3℃/minで昇温させながら、X,Y,Zの3軸にそ
れぞれ、89gauss/cm、96gauss/cm、107gauss
/cmの磁場勾配を短時間で与えるような方法で測定を行
い、石炭の水素核NMRイメージング画像を得た。更に
昇温させながら、同じ測定をすることで、石炭が軟化溶
融状態のNMRイメージ画像を得て、得られた画像から
石炭の粘結成分量を表す指標と、石炭の粘結成分の粘度
を表す指標を算出した。表1に示すように、石炭の粘結
成分の量を表す指標が30%未満、あるいは、石炭の粘
結成分の粘度を表す指標が3未満の石炭について、石炭
の水分を3.0〜4.0%に調整して、コークス炉に装
入し、1200℃の加熱温度で20時間乾留して、コー
クスを製造した。この結果、表2及び図2に示すよう
に、得られたコークスのドラム強度はいずれも82未満
と低く、高炉用コークスとしての強度が不足していた。 (比較例15〜比較16)表2に示すような性状の異な
る2種類以上の石炭を混合した配合炭について、粘結成
分の量を表す指標と粘結成分の粘度を表す指標を下記の
方法で測定した。石炭の配合条件は、表2の比較例1
5、比較例16に示すように、粘結炭であるA炭に対し
て、非微粘結炭であるL炭、V炭を配合した。配合炭中
の非微粘結炭の割合は50mass%である。配合炭に
ついて、前処理をせずに配合炭の水素核のNMRイメー
ジングを石炭の軟化溶融温度で測定した。ここで軟化溶
融温度とは350℃から510℃の範囲である。試料を
核磁気共鳴装置専用の試料管に挿入し、水素90度のパ
ルス幅は8μsec、エコー時間は50μsec〜3msec、
繰り返し時間は5msec〜1secとして、積算回数は51
2回であった。データのサイズはX方向で512ポイン
ト、Y方向で512ポイントで、Z方向は1〜512ポ
イントと設定する。その際に試料を3℃/minで昇温
させながら、X,Y,Zの3軸にそれぞれ、89gauss
/cm、96gauss/cm、107gauss/cmの磁場勾配を短
時間で与えるような方法で測定を行い、配合炭の水素核
NMRイメージング画像を得た。更に昇温させながら、
同じ測定をすることで、配合炭が軟化溶融状態のNMR
イメージ画像を得て、得られた画像から石炭の粘結成分
を表す指標と、石炭の粘結成分の粘度を表す指標を算出
した。表2に示すように、複数種の石炭を配合した配合
炭の粘結成分の量を表す指標が30%未満、あるいは、
前記配合炭の粘結成分の粘度を表す指標が3未満の石炭
について、石炭の水分を3.0〜4.0%に調整して、
コークス炉に装入し、1200℃の加熱温度で20時間
乾留して、コークスを製造した。この結果、表2及び図
2に示すように得られたコークスのドラム強度は、いず
れも82未満と低く、高炉用コークスとしての強度が不
足していた。 (比較例17)表2に示すように粘結炭A炭50%と非
微粘結炭L炭45%および非微粘結炭V炭5%を配合し
た配合炭に、粘結材としてタールを5%添加して混合し
た混合物ついて、粘結成分の量を表す指標と粘結成分の
粘度を表す指標を下記の方法で測定した。石炭と粘結材
の混合物について、前処理をせずに、水素核のNMRイ
メージングを石炭の軟化溶融温度で測定した。ここで軟
化溶融温度とは350℃から510℃の範囲である。試
料を核磁気共鳴装置専用の試料管に挿入し、水素90度
のパルス幅は8μsec、エコー時間は50μsec〜3mse
c、繰り返し時間は5msec〜1secとして、積算回数は
512回であった。データのサイズはX方向で512ポ
イント、Y方向で512ポイントで、Z方向は1〜51
2ポイントと設定する。その際に試料を3℃/minで
昇温させながら、X,Y,Zの3軸にそれぞれ、89ga
uss/cm、96gauss/cm、107gauss/cmの磁場勾配
を短時間で与えるような方法で測定を行い、水素核NM
Rイメージング画像を得た。更に昇温させながら、同じ
測定をすることで、軟化溶融状態のNMRイメージ画像
を得て、得られた画像から石炭と粘結材の混合物の粘結
成分の量を表す指標と、石炭と粘結材の混合物の粘結成
分の粘度を表す指標を算出した。表2に示すように、粘
結成分の量を表す指標は34.5%と高かったが、石炭
の粘結成分の粘度を表す指標は2.5と低かった。該配
合炭と粘結材の混合物を水分を3.5%に調整して、コ
ークス炉に装入し、1200℃の加熱温度で20時間乾
留して、コークスを製造した。この結果、表2及び図2
に示すように、得られたコークスのドラム強度はいずれ
も81.2と低く、高炉用コークスとしての強度が不足
していた。 (比較例18)表2に示すように、粘結炭であるA炭に
高分子材料としてポリスチレン系のプラスチックを5%
添加した混合物について、粘結成分の量を表す指標と粘
結成分の粘度を表す指標を下記の方法で測定した。石炭
と粘結材の混合物について、前処理をせずに、水素核の
NMRイメージングを石炭の軟化溶融温度で測定した。
ここで軟化溶融温度とは350℃から510℃の範囲で
ある。試料を核磁気共鳴装置専用の試料管に挿入し、水
素90度のパルス幅は8μsec、エコー時間は50μsec
〜3msec、繰り返し時間は5msec〜1secとして、積
算回数は512回であった。データのサイズはX方向で
512ポイント、Y方向で512ポイントで、Z方向は
1〜512ポイントと設定する。その際に試料を3℃/
minで昇温させながら、X,Y,Zの3軸にそれぞ
れ、89gauss/cm、96gauss/cm、107gauss/cm
の磁場勾配を短時間で与えるような方法で測定を行い、
水素核NMRイメージング画像を得た。更に昇温させな
がら、同じ測定をすることで、軟化溶融状態のNMRイ
メージ画像を得て、得られた画像から石炭と高分子材料
の混合物の粘結成分の量を表す指標と、石炭と高分子材
料の混合物の粘度を表す指標を算出した。表2に示すよ
うに、粘結成分の量を表す指標は43.9%と高いが、
石炭の粘結成分の粘度を表す指標は2.8と低かった。
前記の石炭と高分子材料の混合物について、水分を3.
1%〜3.5%に調整して、コークス炉に装入し、12
00℃の加熱温度で20時間乾留して、コークスを製造
した。この結果、表2及び図2に示すように、得られた
コークスのドラム強度は64.5と低く、高炉用コーク
スとしての強度が不足していた。 (実施例27)表2に示すように、粘結炭であるA炭と
非微粘結炭であるL炭を各々50mass%ずつ配合し
た配合炭について、粘結成分の量を表す指標と粘結成分
の粘度を表す指標を下記の方法で測定した。配合炭の混
合物について、前処理をせずに、水素核のNMRイメー
ジングを石炭の軟化溶融温度で測定した。ここで軟化溶
融温度とは350℃から510℃の範囲である。試料を
核磁気共鳴装置専用の試料管に挿入し、水素90度のパ
ルス幅は8μsec、エコー時間は50μsec〜3msec、
繰り返し時間は5msec〜1secとして、積算回数は51
2回であった。データのサイズはX方向で512ポイン
ト、Y方向で512ポイントで、Z方向は1〜512ポ
イントと設定する。その際に試料を3℃/minで昇温
させながら、X,Y,Zの3軸にそれぞれ、89gauss
/cm、96gauss/cm、107gauss/cmの磁場勾配を短
時間で与えるような方法で測定を行い、水素核NMRイ
メージング画像を得た。更に昇温させながら、同じ測定
をすることで、軟化溶融状態のNMRイメージ画像を得
て、得られた画像から石炭の粘結成分の量を表す指標
と、石炭の粘結成分の粘度を表す指標を算出した。表2
に示すように、粘結成分の量を表す指標は35.0%と
高く、石炭の粘結成分の粘度を表す指標は3.1と高
い。前記の配合炭について、水分を6.5%と6.0%
より高く調整して、コークス炉に装入し、1200℃の
加熱温度で20時間乾留して、コークスを製造した。こ
の結果、表2及び図2に示すように、得られたコークス
のドラム強度は81.8と若干低く、高炉用コークスと
しての強度がやや不足する傾向であった。 (実施例28)表2に示すように、粘結炭であるA炭と
非微粘結炭であるL炭を各々50mass%ずつ配合し
た配合炭に,粘結材としてタールを10.5%と10%
より多く添加した混合物について、粘結成分の量を表す
指標と粘結成分の粘度を表す指標を下記の方法で測定し
た。配合炭と粘結材の混合物について、前処理をせず
に、水素核のNMRイメージングを石炭の軟化溶融温度
で測定した。ここで軟化溶融温度とは350℃から51
0℃の範囲である。試料を核磁気共鳴装置専用の試料管
に挿入し、水素90度のパルス幅は8μsec、エコー時
間は50μsec〜3msec、繰り返し時間は5msec〜1s
ecとして、積算回数は512回であった。データのサイ
ズはX方向で512ポイント、Y方向で512ポイント
で、Z方向は1〜512ポイントと設定する。その際に
試料を3℃/minで昇温させながら、X,Y,Zの3
軸にそれぞれ、89gauss/cm、96gauss/cm、107
gauss/cmの磁場勾配を短時間で与えるような方法で測
定を行い、水素核NMRイメージング画像を得た。更に
昇温させながら、同じ測定をすることで、軟化溶融状態
のNMRイメージ画像を得て、得られた画像から石炭と
粘結材の混合物の粘結成分量を表す指標と、石炭と粘結
材の混合物の粘結成分の粘度を表す指標を算出した。表
2に示すように、石炭と粘結材の混合物の粘結成分の量
を表す指標は43.9%と高く、石炭と粘結材の混合物
の粘結成分の粘度を表す指標は5.8と高い。前記の配
合炭について、水分を3.1%に調整して、コークス炉
に装入し、1200℃の加熱温度で20時間乾留して、
コークスを製造した。この結果、表2及び図2に示すよ
うに、得られたコークスのドラム強度は81.5と若干
低く、高炉用コークスとしての強度がやや不足する傾向
であった。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、コーク
ス製造用原料炭として、非微粘結炭を多量に配合して
も、強度の高いコークスを製造することが可能となると
ともに、非微粘結炭の中でも特に粘結性が低く、従来は
全く使用不可能であった石炭を原料炭として使用するこ
とが可能となる。したがって、本発明は、石炭資源の有
効利用、およびコークス製造コストの削減を可能とする
方法であり、発明の技術的経済的な効果は非常に大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1〜実施例10及び比較例1〜
14における石炭の粘結成分量を表す指標と粘結成分の
粘度を表す指標、およびコークスのドラム強度の関係を
示す図である。
【図2】本発明の実施例11〜実施例28及び比較例1
5〜18における石炭の粘結成分量を表す指標と粘結成
分の粘度を表す指標、およびコークスのドラム強度の関
係を示す図である。
【図3】石炭の揮発分とギーセラー流動性試験による粘
結性の指標との関係を示す図である。
【図4】石炭の石炭化度とギーセラー流動性試験による
粘結性の指標との関係を示す図である。
【図5】本発明を適用するコークス製造プロセスの概要
を示す図である。
【符号の説明】
1:石炭配合槽 2:石炭供給フィーダー 3:石炭乾燥機 4:粘結材添加タンク 5:粘結材添加装置 6:高分子添加ホッパー 7:コークス炉

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1種類または2種類以上の石炭を混合し
    た後、コークス炉に装入して乾留してコークスを製造す
    る方法において、前処理せずに石炭の軟化溶融温度で測
    定した水素核の核磁気共鳴スペクトルの結果から得た石
    炭の粘結成分量を表す指標と、石炭の粘結成分の粘度を
    表す指標を所定の範囲内となるように石炭を調製するこ
    とによって、強度の高いコークスを製造することを特徴
    とする高炉用コークスの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記石炭の粘結成分量を表す指標の範囲
    を30%以上とし、かつ、前記石炭の粘結成分の粘度を
    表す指標の範囲を3以上とすることを特徴とする請求項
    1に記載の高炉用コークスの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記石炭が、水分を2〜6%に調整した
    石炭であることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の高炉用コークスの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記石炭が事前に粘結材を添加した石炭
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれ
    かに記載の高炉用コークスの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記石炭が、単一または2種類以上の高
    分子材料を配合した石炭であることを特徴とする請求項
    1乃至請求項4のいずれかに記載の高炉用コークスの製
    造方法。
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