JPH1019814A - 石炭の品質評価方法 - Google Patents

石炭の品質評価方法

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JPH1019814A
JPH1019814A JP17777696A JP17777696A JPH1019814A JP H1019814 A JPH1019814 A JP H1019814A JP 17777696 A JP17777696 A JP 17777696A JP 17777696 A JP17777696 A JP 17777696A JP H1019814 A JPH1019814 A JP H1019814A
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JP
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hydrogen
coal
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JP17777696A
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Kouji Saitou
藤 公 児 齋
Shin Matsuura
浦 慎 松
Kenji Kato
藤 健 次 加
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘結炭から非微粘結炭までの広い範囲の炭種
に対応ができ、非加熱測定が可能であり、且つ定量的に
評価できる石炭品質評価法を提供する。 【解決手段】 石炭に重水素置換された溶媒を膨潤させ
たのち、水素核の核磁気共鳴吸収スペクトルを測定し、
石炭中の全水素の存在量を定量し、その中に水素結合に
関与している水素の存在量比を算出することにより、そ
の量比とコークスドラム強度の関係から得られるコーク
ス化特性によって石炭の品質を評価することを特徴とす
る石炭品質評価方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉炭を予熱して室
炉式コークス炉で乾留して冶金用コークスを製造する際
の石炭品質評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の高炉用コークス製造に使用する原
料炭には、粘結性が強い石炭(以下,「粘結炭」とい
う。)を多量に必要としていた。近年、高価な粘結炭の
代わりに、安価な非微粘結炭の利用が図られている。例
えば、コークスの生産性を大幅に向上させるとともに原
料炭の多様化を図る方法として、原料炭を粘結炭と非微
粘結炭とに別々に250−350℃まで予熱した後、サ
イクロン粗粉炭と微粉炭を分級し、次いで、非微粘結炭
の微粉炭を該当する非微粘結炭の軟化開始温度以上から
最高流動温度以下まで急速加熱し、前記非微粘結炭の微
粉を熱間成形した後、粘結炭及び前記非微粘結炭の粗粉
炭と混合してコークス炉へ装入し乾留する方法がある。
この方法は本発明者らが、特願平07−015959号
として既に、提案した。
【0003】この方法は、非微粘結炭の使用割合が50
%になり、非微粘結炭の多量の使用にも適応できるプロ
セスである。このような非微粘結炭を多量に使用する技
術においては、それに適した石炭の品質評価手段が必要
となる。
【0004】コークスの製造に最も重要な石炭の性質
は、乾留時に石炭が溶融するときの粘結性である。この
原料炭の粘結性を評価するための代表的な試験方法とし
て、下記の(1)プラストメーター法、(2)ボタン
法、(3)ロガ法などが挙げられる。 (1)プラストメーター法 プラストメーター法の代表例であるギーセラープラスト
メーター法は、以下ののような手順で行われる。まず、
撹拌棒をセットしたレトルト中に石炭試料を装填し、そ
の後金属浴中で規定の昇温速度で加熱する。この際撹拌
棒に一定のトルクを与えておくと、石炭の軟化とともに
撹拌棒が回転する。この回転挙動により軟化開始温度、
最高流動度及び固化温度を測定する試験方法である。こ
の試験方法では、非微粘結炭を対象とした場合、それら
が元来軟化溶融時の粘結性が低いため、溶融しにくく、
結果として撹拌棒の回転数が小さくなり、検出精度が低
下するという欠点がある。
【0005】(2)ボタン法 ボタン法はるつぼ膨脹指数とも呼ばれ、250ミクロン
以下の石炭試料を所定のるつぼに入れて、加熱し生成し
た残渣であるコークスボタンを標準輪郭と比較して、石
炭の粘結性を簡易評価するものである。この手法はコー
クスドラム強度を支配する粘結性と膨脹率を同時に評価
できる特徴があるが、定量性に乏しく、特に非微粘結炭
は膨脹率が低いために、適用が不可能である。
【0006】(3)ロガ法 ロガ法は、石炭を規定条件下で、標準無煙炭と一緒に8
50℃の炉で15分乾留した場合に、標準無煙炭と溶融
接着できる能力を加熱残留物の強さで表した指数であ
る。この方法は、粘結性の高い石炭に対して用いた場合
には過剰流動が起こり、検出精度が低くなるという欠点
があり、広範囲の炭種に対して有効ではない。
【0007】粘結性は試料の昇温速度と密接な関係にあ
ることが明らかにされているが、これら上記の試験方法
では試料を一定速度で加熱あるいは急速加熱しており、
乾留中に昇温温度が変化する実炉とは条件が異なる。こ
のため、正確に評価できないばかりか、加熱条件が粘結
性の評価に影響を及ぼすことも考えられる。また、粘結
性がどの程度発現するかは、石炭組織成分中のビグリニ
ットやエグジニットのような活性成分の存在割合に依存
することが知られている。そこで、石炭組織成分を定量
することで粘結性の評価が可能になるが、石炭組織成分
の判別は偏光顕微鏡観察によって得られるため、その定
量精度には問題がある。
【0008】このため、粘結炭から非微粘結炭までの広
い範囲の炭種に対応でき、非加熱測定が可能であり、且
つ定量的に評価できる石炭の品質評価法の開発が必要と
されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、粘結
炭から非微粘結炭までの広い範囲の炭種に対応でき、非
加熱測定が可能であり、且つ定量的に評価できる新しい
石炭品質評価法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の通りのも
のである。
【0011】石炭に重水素置換された溶媒を膨潤させた
のち、水素核の核磁気共鳴吸収スペクトルを測定し、石
炭中の全水素の存在量を定量し、その中で水素結合に関
与している水素の存在量比を算出し、その量比とコーク
スドラム強度の関係から得られるコークス化特性によっ
て石炭の品質を評価することを特徴とする石炭品質評価
方法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明者らは、図1に示すような石炭乾留過程を前
提として、石炭の新たな品質評価方法の可能性を検討し
た。図1において、石炭5は燃焼室1から珪石レンガ壁
2を通じて加熱され、軟化溶融層4を形成し、その後再
固化してコークス3となる。
【0013】本発明者らは、表1に示す性状の石炭につ
いて、まず24時間重水素置換されたピリジンなどの溶
媒で蒸気膨潤させ、その石炭の水素核のNMRスペクト
ルを測定し、石炭の構造解析を行った。これにより、粘
結性の発現とは、加熱されたことによる、石炭中の非共
有結合、例えば水素結合が切れて分子運動が活発になる
状態であることが明らかとなった。また、NMRスペク
トルを測定することにより得られることによる情報か
ら、定量的に石炭分子の全水素量から水素結合に関与す
る水素量を導き出し、水素結合に関与する水素の存在量
を評価できることが明らかとなった。
【0014】
【表1】
【0015】本発明の特徴は、水素核NMRスペクトル
の吸収の全水素量に対する水素結合に関与する水素の存
在量比を用いれば、石炭品質の評価に利用できることを
見い出したことにある。
【0016】本明細書における水素結合に関与する水素
の存在量は、水素核磁気共鳴吸収の化学シフトと言われ
る相対的な吸収位置において、テトラメチルシランを0
ppmとした場合の12ppm付近に位置する吸収の存
在量を指す。そして、この吸収の面積を積分法や切り抜
き法、波形分離法などで定量することにより、水素結合
に関与する水素量を定量できる。また、核磁気共鳴吸収
の分離を良くして、水素結合に関与する水素の存在量を
明確にする意味で、ピリジン等の溶媒での磁気膨潤を実
施した。溶媒として重水素置換されたものを使用してい
るのは、測定の際に溶媒由来の信号のバックグランドを
抑制するためである。
【0017】測定の手法としては,CRAMPS法(A
ntoni J.,CharlesE.B,.Maci
el G.E.Fuel 73 823 1994)が
必要である。この方法は、パルスの長さが短く且つ非常
に多くのパルスを短い間隔で試料に与えることで、先鋭
化された吸収を得ることができ、その結果水素結合に関
与する水素の定量が可能である。本発明において、表1
に示すコークスドラム強度とは、JIS2151に示さ
れているドラム強度(DI150 15)を表す。
【0018】本発明者らはコークス化した時のコークス
ドラム強度が既知であり、異なる性質を有する5種類の
石炭を用いて、全水素中の水素結合に関与している水素
の量比とコークスドラム強度と関係について調査した。
その結果、図2に示すように両者の間には明確な関係が
あることが分った。つまり、全水素中の水素結合に関与
している量比とコークスドラム強度の間には負の相関関
係があり、水素結合に関与している水素の存在量比が小
さくなればなるほど、コークスドラム強度は強くなる。
水素結合に関与している水素の存在量比の減少は、石炭
中の代表的な非共有結合が水素結合であることから、石
炭中の非共有結合の低下を意味し、石炭のバルクの運動
性の大きい成分が増加し、結果として粘結性が増加して
コークスドラム強度が増加する。
【0019】この関係を活用して全水素中の水素結合に
関与している水素の量比を石炭の品質評価に利用するこ
とが可能となる。具体的には、コークスドラム強度が既
知の石炭の全水素中の水素結合に関与している水素の量
比を本発明の手法によってあらかじめ求め、コークスド
ラム強度と水素結合の存在量比との関係を作成する。次
に、評価しようとする石炭の水素核核磁気共鳴吸収スペ
クトルを測定し、全吸収が表す水素の存在量と水素結合
に由来する吸収の水素存在量を求め、全水素量に対する
水素結合に関与している水素の存在量比を求め、次いで
あらかじめ求められた水素結合に関与する水素の存在量
比とコークスドラム強度の相関関係から、相対関係を得
ることにより、評価しようとする石炭のコークスドラム
強度を評価できる。さらに、急速加熱処理を行った石炭
の全水素中の水素結合に関与している水素の量比を求
め、急速加熱を行わない原炭と比較することにより、急
速加熱による石炭品質改善効果を評価できる。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。実施例 表1に示す性状の石炭に対して、350、400、50
0℃の3水準の温度で急速加熱処理を行った。急速加熱
処理した石炭について、本発明による方法で水素核核磁
気共鳴吸収を測定した。測定の際には、溶媒としては、
重水素置換されたピリジンを用い、密閉容器内に石炭を
置き溶媒を蒸気化し、石炭を24時間の蒸気膨潤した。
【0021】水素核のNMRの測定は、CRAMPS法
で行い、励起領域は16000Hz程度とした。データ
ポイントは、8000ポイントとし、測定後フーリエ変
換した。得られた吸収を、官能基が表3に示す化学シフ
トに相当する6つの吸収に波形分離し、各々6つの官能
基の面積の合計を全体の面積とし、その比を数値化し
た。図2に示す水素の量比とコークスドラム強度との相
関関係から、12ppmに存在している吸収の面積を水
素結合に関与している水素として、表2に示すようなコ
ークスドラム強度を推定できる。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】その結果、実際にそれらの石炭を乾留して
コークスとし、JIS法にて測定したコークスドラム強
度とよく一致していることがわかる。このようにコーク
ス化することなく石炭のままでコークスドラム強度を知
ることができ、従来法では検知できなかった石炭品質向
上効果を本発明から良好に評価できた。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、幅広い種類の石炭に対
して精度高く品質を評価でき、さらに石炭評価精度の向
上、コークス製造コストの削減に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】炭化室内における石炭乾留過程を説明するため
の図である。
【図2】全水素量に対する水素結合に関与する水素量比
とコークスドラム強度との関係を表すグラフである。
【符号の説明】
1 燃焼室 2 硅石レンガ壁 3 コークス層 4 軟化溶融層 5 石炭層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石炭に重水素置換された溶媒を膨潤させた
    のち、水素核の核磁気共鳴吸収スペクトルを測定し、石
    炭中の全水素の存在量を定量し、その中の水素結合に関
    与している水素の存在量比を算出することで、その量比
    とコークスドラム強度の関係から得られるコークス化特
    性によって石炭の品質を評価することを特徴とする、石
    炭品質評価方法。
JP17777696A 1996-07-08 1996-07-08 石炭の品質評価方法 Withdrawn JPH1019814A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002077123A1 (fr) * 2001-03-16 2002-10-03 Nippon Steel Corporation Procede de production de coke a haute resistance pour hauts fourneaux

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Effective date: 20031007