JPH09184815A - 石炭の軟化溶融性の測定方法およびその測定装置 - Google Patents

石炭の軟化溶融性の測定方法およびその測定装置

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JPH09184815A
JPH09184815A JP35364595A JP35364595A JPH09184815A JP H09184815 A JPH09184815 A JP H09184815A JP 35364595 A JP35364595 A JP 35364595A JP 35364595 A JP35364595 A JP 35364595A JP H09184815 A JPH09184815 A JP H09184815A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、石炭を急速加熱した場合の軟化溶
融性を測定する方法を目的とする。 【解決手段】 円筒型の坩堝1に粉砕した石炭試料を充
填し、攪拌棒2を一定のトルクで攪拌装置10により回
転し、回転速度を測定する。一方、坩堝1は誘電体で、
円筒型のスリーブ20に格納されており、スリーブ内に
不活性ガスを流しながら、誘導加熱コイル31により加
熱する。加熱速度は温度調節器33によって制御され、
試料温度が温度計36によって測定される。測定された
回転速度と試料温度からデータ処理装置40で、軟化溶
融性を算出する。 【効果】 試料昇温速度10℃/分〜10000℃/分
での急速加熱時の軟化溶融性が測定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は冶金用コークスの
原料となる石炭の品質、特に石炭の軟化溶融性を測定す
る技術に関する。
【0002】
【従来技術】石炭には、加熱・乾留により軟化溶融性を
示す粘結炭と軟化溶融性を示さない非粘結炭とがある。
更に、非粘結炭にも粘結性の違いで微粘結炭と非粘結炭
に区分される。但し、微粘結炭と非粘結炭とは総称して
非微粘炭と呼ぶ場合がある。
【0003】一方、上記の粘結性とは別に堅牢なコーク
スになるか否かの性質をコークス化性と呼ぶ。一般に、
コークス化性は、粘結性に大きく依存しており冶金用コ
ークスのように強度が要求されるものには、粘結性の高
い石炭が使用されている。この粘結性は流動性等の軟化
溶融性を測定することによって定量化されている。実際
の冶金用コークスの製造に際しては数種類の原料炭が配
合され、各原料炭の配合比の決定に際しては、炭化度等
とともに各原料炭の軟化溶融性も考慮すべき重要な要因
となる。
【0004】軟化溶融性を評価する方法として、従来か
らJIS M 8801に規定されるギーセラープラス
トメータ法による流動性試験方法が知られている。ギー
セラープラストメータ法では、所定の粒度に粉砕した石
炭試料を坩堝に充填し金属浴を用いて電気炉内で加熱昇
温し、鉤十字型の回転子が付いた攪拌棒を回転させて攪
拌する。攪拌棒の回転を一定のトルクで行い、回転速度
を測定し軟化溶融特性を求める。
【0005】この測定に用いられる装置の概要を図7に
示す。攪拌棒2の回転は、モータ57の回転をクラッチ
58の一端に伝え他端でトルクを調整し攪拌棒の回転軸
に伝える。回転速度は回転読み取り部59で測定され
る。
【0006】坩堝1とその加熱機構を図8に示す。坩堝
1の中央に攪拌棒2が配置され、坩堝1は上部に配置さ
れたバレル51に接続されている。試験中には石炭から
揮発性成分が発生するので、バレル51にはガス排出口
52が設けられている。坩堝1は金属浴53に浸漬さ
れ、金属浴53が電気炉54の電熱線55によって加熱
される。坩堝1には熱電対56が取り付けられており、
温度を測定しながら加熱電力をコントロールできるよう
になっている。
【0007】試験では、3℃/分の加熱速度で昇温し、
軟化開始温度、最高流動度温度と回転速度、固化温度を
測定する。これらの測定値がその試料の軟化溶融特性値
であり、最高回転速度を最大流動度を最大流動度(M
F)として軟化溶融性の指標としている。
【0008】しかし、上記の方式では、加熱速度が小さ
く低速昇温状態での軟化溶融特性しか測定できない。上
記の方法が、定トルク方式で回転速度を測定するのに対
して、定回転方式でトルクを測定する方法も提案されて
いる。例えば特開平6−347392号公報には、回転
子を円筒型、半球型、円錐型、或いは円板型とし、回転
子を一定の回転速度で回転しながら、3℃/分の加熱速
度で昇温して、回転子にかかるトルクを測定することが
記載されている。
【0009】ところで、近年、石炭を急速昇温すると石
炭が軟化したときの流動性が上がるという知見に基づい
て、従来は冶金用コークスの原料炭として適さないとさ
れてきた非粘結性又は微粘結性の石炭も利用しようとす
る研究が行われるようになった。即ち、石炭を400℃
付近まで数1000℃/分で急速に加熱することによっ
て、石炭の粘性を向上させて安価で資源的にも豊富な非
微粘結炭の配合比を高めるプロセスが開発されつつあ
る。
【0010】そしてこのようなプロセスでは、高速加熱
下での石炭の軟化溶融性を把握することが必要であり、
特に、流動性の低い石炭については、その性状の微細な
差を際立たせて区別し把握することが不可欠となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たJIS M 8801の技術および特開平6−347
392の技術では、石炭の加熱を電熱線を用いた電気抵
抗加熱で行うので、3℃/分程度の昇温速度にとどま
り、又、特開平6−347392号公報の技術も3℃/
分程度の昇温速度で石炭試料の粘土を測定する技術であ
り、急速昇温により流動性の低い石炭について、その性
状の微細な差を際立たせて区別し把握することができな
かった。
【0012】そこで、この発明は、この問題を解決する
ためになされたもので、急速加熱下での石炭の軟化溶融
性を正確に測定することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の手段は、下記の(1)及び(2)に記載する石炭の軟
化溶融性の測定方法、並びに(3)、(4)及び(5)
に記載する石炭の軟化溶融性測定装置である。
【0014】(1)下記の工程を備えたことを特徴とす
る石炭の軟化溶融性の測定方法である。 (a)石炭試料を攪拌棒が備えられた坩堝に充填し、
(b)前記石炭試料を不活性ガス気流中で、昇温速度1
0℃/分以上10000℃/分以下で加熱を行いなが
ら、前記攪拌棒を一定のトルクで回転させて前記石炭試
料を攪拌し、(c)前記攪拌棒の回転速度を測定し、測
定データを前記石炭試料の温度データを用いて処理し、
(d)処理結果から石炭試料の軟化溶融性を求める。
【0015】石炭試料を加熱しながら攪拌棒のトルクを
一定にして攪拌棒の回転速度を測定するので、石炭試料
が流動しはじめると攪拌棒が回転しだし、最高流動度に
達したとき回転速度が最大となる。又、不活性ガス気流
中で加熱するので坩堝や石炭試料の酸化を防ぎ、安定し
た石炭の特性の測定を実現させる。
【0016】昇温時の昇温速度を、10℃/分以上昇温
速度10000℃/分以下として急速加熱時の軟化溶融
性を調べるが、この昇温速度は後述する高周波加熱方式
によって可能である。昇温時の昇温速度は10℃以上で
あるが、昇温途中で所定の時間その温度を保持し再び昇
温するようなプログラム加熱を行うこともある。
【0017】(2)下記の工程を備えたことを特徴とす
る石炭の軟化溶融性の測定方法である。 (a)石炭試料を攪拌棒の備えられた坩堝に充填し、
(b)前記石炭試料を不活性ガス気流中で、昇温速度1
0℃/分以上10000℃/分以下で加熱を行いなが
ら、前記攪拌棒を一定の回転速度で回転させて前記石炭
試料を攪拌し、(c)前記攪拌棒のトルクを測定し、測
定データを前記石炭試料の温度データを用いて処理し、
(d)処理結果から石炭試料の軟化溶融姓を求める。
【0018】攪拌棒の回転速度を一定にし、攪拌棒に掛
かるトルクを測定することが(1)に記載した方法と異
なる。不活性ガス気流と急速加熱については、(1)に
記載した方法と同じである。
【0019】(3)下記に記載する部材を備えたことを
特徴とする石炭の軟化溶融性の測定装置である。 (a)両端部に不活性ガスの導出入口が設けられ、垂直
に配置された円筒型のスリーブと、(b)前記スリーブ
に挿入される誘電体の円筒型坩堝と、(c)前記坩堝内
に攪拌部が納まる回転型の攪拌棒と、(d)前記攪拌棒
の回転軸を前記坩堝の軸心に合わせ垂直に取り付ける取
付け機構、回転モーター、トルク調節器及び回転速度検
出器を備えた攪拌装置と、(e)前記スリーブを取り囲
む誘導加熱装置、温度検出器及び温度調節器からなる加
熱機構と、(f)前記回転速度検出器及び前記温度検出
器からのデータを処理するデータ処理装置。
【0020】スリーブを垂直配置し、その両端部に設け
た導出入口から不活性ガスを導出入させ不活性ガス気流
をつくる。このスリーブに攪拌棒の攪拌部と石炭試料を
入れた坩堝を挿入する。不活性ガス気流は、スリーブの
内壁と坩堝の外壁との間を流れる。坩堝は例えば高周波
誘導加熱ができるように誘電体でなければならない。
【0021】攪拌棒は攪拌装置に取り付けられるが、そ
の取付け機構によって攪拌棒の回転軸は坩堝の軸心に一
致させ、攪拌部が所定の位置に配置されるように調節さ
れる。そして、攪拌装置に備えた回転モーターの回転を
トルク調節器を介して一定トルクで攪拌棒に伝達する。
また、攪拌棒の回転速度は回転速度検出器により測定さ
れる。
【0022】加熱手段は、石炭試料の温度を測定しなが
ら規定の昇温速度で加熱するものである。温度検出器で
石炭試料の温度を測定し、温度調節器が高周波発生装置
の出力を制御して、誘導加熱コイルに流れる電流を調節
し、規定の昇温を行う。データ処理装置では、送られて
くる回転速度データ及び温度データを処理して、軟化開
始温度、最高流動度温度、再固化温度及び最高流動度を
求める。加熱方式は望ましくは高周波誘導方式であり、
誘電体である坩堝に瞬時に電流が誘導され坩堝が加熱さ
れ、その熱により石炭が加熱されるため、10000℃
/分の急速昇温が可能であり、又昇温途中で昇温速度を
変えるプログラム加熱も容易に行える。
【0023】(4)下記に記載する部材を備えたことを
特徴とする石炭の軟化溶融性の測定装置である。 (a)両端部に不活性ガスの導出入口が設けられ、垂直
に配置された円筒型のスリーブと、(b)前記スリーブ
に挿入される誘電体の円筒型坩堝と、(c)前記坩堝内
に攪拌部が納まる回転型の攪拌棒と、(d)前記攪拌棒
の回転軸を前記坩堝の軸心に合わせ垂直に取り付ける取
付け機構、回転モーター、回転速度調節器及びトルク検
出器を備えた攪拌装置と、(e)前記スリーブを取り囲
む誘導加熱装置、温度検出器及び温度調節器からなる加
熱機構と、(f)前記トルク検出器及び前記温度検出器
からのデータを処理するデータ処理装置。
【0024】この測定装置は、(3)に記載した装置が
攪拌棒の回転を一定トルクで行うのに対して、一定回転
速度で行う装置である。攪拌装置に、トルク調節器に替
えて回転速度調節器を、回転速度検出器に替えて回転ト
ルク検出器を各々備えていることが、(3)に記載した
装置との相違である。
【0025】(5)前記スリーブが石英管からなり、前
記石炭試料が充填される坩堝が黒鉛からなる(3)又は
(4)に記載した石炭の軟化溶融性の測定装置である。
【0026】急速加熱では、加熱温度が1000℃を超
える場合がある。石英管は耐熱性のある実用的な材料で
あり、しかも非誘電体なので高周波電流の損失が防げ
る。黒鉛は最も耐熱性の高い実用材料であり、不活性ガ
ス雰囲気では化学的にも安定である。即ち、高周波誘導
加熱、不活性ガス雰囲気の条件下では、石英管スリーブ
及び黒鉛坩堝が優れている。
【0027】
【発明の実施の形態】実施の形態を図を用いて説明す
る。図1は、石炭試料を一定のトルクで攪拌し、攪拌棒
の回転速度を測定する装置の概要を示すものである。試
験の手順は以下の通りである。坩堝1に攪拌棒2の攪拌
部21を挿入し、石炭試料を充填し所定の圧力で試料を
押しつけて坩堝蓋24を閉め、坩堝1をその軸心とスリ
ーブ20の軸心を一致させて設置し、攪拌棒2を攪拌装
置10に取り付ける。次にスリーブ20の導出入口22
から不活性ガスを吹き込む。
【0028】なお、攪拌部21の形状としては鉤十字型
でもよいが、石炭試料との接触面積が大きい円盤型、円
筒型、円錐型、こま型のものが精度向上の観点から望ま
しい。攪拌棒は、耐熱性があり高い捻じれ強度をもつ金
属、黒鉛、セラミックスんどを用い、偏心のないように
仕上げるとよい。
【0029】不活性ガスには、アルゴン、窒素等が用い
られる。坩堝1の蓋24には、攪拌棒2が通る孔と温度
計36が通る孔とが開けられており、加熱により発生す
る揮発性成分はこれらの孔を通じて不活性ガス気流によ
り運び去られる。蓋24は、又、石炭試料が膨張し過ぎ
たとき、坩堝1から溢れだすのを防ぐことはできる。
【0030】攪拌装置10のトルク調整器12はトルク
が所定の値になるように予め調整しておく。これによっ
て、回転モーター57の回転は直接攪拌棒2には伝わら
ず、攪拌棒2にかかるトルクが調整値より大きいときは
回転は停止し、小さいほど回転速度は大きくなる。攪拌
棒2の回転速度は回転速度検出器13で測定される。
【0031】加熱手段30は、スリーブ20の外側を例
えば誘導加熱コイル31が取り囲んでおり、望ましくは
高周波発生装置32からの高周波電流により誘導加熱コ
イル31が励磁され、坩堝1に誘導電流を発生させ直接
加熱する。このため、加熱は瞬時に行われ急速昇温が可
能となる。
【0032】昇温速度の制御は、温度調節器33によっ
て行われるが、これにはプログラム温度調節計を用いる
とよい。予め昇温速度のプログラムを入力しておき、温
度検出器34からの温度信号を受け、プログラムに則し
た昇温が行われるように温度調節器33は高周波発生装
置32を制御する。
【0033】温度検出器には、坩堝1の温度を検出する
温度計35と石炭試料の温度を検出する温度計36とが
接続されるが、高周波発生装置32の制御には温度計3
5で検出される坩堝1の温度を用いたほうがよい。温度
計36で検出される石炭試料の温度は揮発成分の発生状
況により短周期で変動することがあるので、制御のため
の信号には適しない。
【0034】温度計36で検出される石炭試料の温度
は、データ処理装置40に送られる。データ処理装置4
0には、石炭試料の温度と回転速度検出器13からの回
転速度が送られ、ここで、データ処理が行われる。
【0035】データ処理について、図2を用いて説明す
る。データ処理装置40では刻々と送られてくる温度デ
ータ及び回転速度データを、時間軸に対してプロットす
る。図で横軸は時間経過を表した時間軸で、縦軸は各々
左側が温度軸、右側が回転速度軸である。回転速度の単
位ddpmは前記JISに用いられている単位で,1d
dpmは毎分0.01回転である。
【0036】回転速度データから山型のグラフMが得ら
れ、温度データから直線的なグラフLが得られる。温度
上昇速度は1000℃ /分で一定であり、回転速度は温
度上昇に伴い以下のように変化する。A点から攪拌棒が
回転しはじめ、B点で回転速度が最大となりC点で回転
が停止する。A点に至った時間の温度がグラフLから読
み取れ約400℃で、これが軟化開始温度である。同様
にB点から最高流動度温度が読み取れ、C点から再固化
温度が読み取れる。又、B点の縦軸座標から読み取れる
回転速度は最高流動度である。
【0037】以上、定トクル測定の場合で説明したが、
定回転数測定では、前記したようにトルク調節器と回転
速度検出器に替えて各々回転速度調節器と回転トルク検
出器を用いる。したがって、トルクデータと温度データ
とがデータ処理装置に送られて処理される。但し、石炭
試料が固化したときに攪拌棒に過剰のトルクがかかるお
それがあるので、回転モーターに安全クラッチを備える
ことが望ましい。
【0038】
【実施例】JIS法での最大流動度(MF)が1〜40
00程度の10種類の銘柄の非微粘結炭及び粘結炭につ
いて、昇温速度を10℃/分から10000℃/分の範
囲で変えて、一定回転法により軟化溶融性を調べた。用
いた装置は、図1に示した装置で、トルク調節器に替え
て回転速度調節器を、又回転速度検出器に替えて回転ト
ルク検出器を使用した。一定回転速度で攪拌棒を回転さ
せて昇温に伴うトルクの変化を検出し、軟化開始温度、
最高流動度温度、再固化温度及び最小トルクを調べた。
用いた石炭試料の性状を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】その他の条件は次のようである。 スリーブ :石英製、内径28mm、外径32mm、長さ220mm 坩堝 :黒鉛製、内径14mm、深さ12mm 攪拌棒 :SUS316製、攪拌部は径13mm厚さ3mmの円盤型 試料量 :1.0g 試料粒度 :35メッシュ以下100% 充填密度 :嵩密度850kg/m3 回転速度 :0.1rpm 不活性ガス :窒素、流量5.0NL /分
【0041】測定して得られたプロフィールのうち、代
表例として、昇温速度が、100℃/分、1000℃/
分、1800℃/分の三種類を図3〜図5に示す。図
で、グラフMはトルクの変化を示し、グラフLは試料温
度を示す。A点が軟化開始温度、B点が最高流動度温
度、C点が再固化温度であり、B点の示すトルク値が最
小トルク値である。
【0042】図3は、100℃ /分で昇温した場合で、
軟化開始温度が400℃、最高流動度温度が555℃、
再固化温度が605℃、最小トルク値が7.5mNmで
あった。図4は、1000℃ /分で昇温した場合で、軟
化開始温度が410℃、最高流動度温度が580℃、再
固化温度が625℃,最小トルク値が3.7mNmであ
った。図5は、1800℃ /分で昇温した場合で、軟化
開始温度が415℃、最高流動度温度が610℃、再固
化温度が630℃、最小トルク値が2.0mNmであっ
た。
【0043】このように、流動度の指標となる最小トル
ク値は、昇温速度によって異なるが、この発明によれば
10℃ /分乃至10000℃ /分の範囲の任意の昇温速
度で軟化溶融性が測定きる。又、10℃ /分未満の低昇
温速度での測定ができることも明らかである。
【0044】表1に示した10種の石炭試料について昇
温速度を変えて測定した最小トルク値を図6に示す。図
に見られるように、昇温速度が小さい場合に最小トルク
値が大きい銘柄でも、急速昇温によって最小トルクは低
下し、流動性が向上する。又、昇温速度が大きくなる
と、銘柄によっては最小トルク値の順序が逆転するもの
もある。このような急速加熱時の石炭の溶融特性を、こ
の発明により如実に調べることができる。
【0045】
【発明の効果】以上述べてきたように、この発明によれ
ば、不活性ガス気流中で、石炭試料を10℃/分以上1
0000℃/分以下の昇温速度で加熱しながら、軟化溶
融性を測定する。このため、急速加熱によるコークス製
造の際の石炭の軟化溶融性を確実に把握することがで
き、非微粘結炭の配合比を決定する上で貴重な情報をも
たらすことができるようになった。このように、コーク
ス製造技術の開発に貢献するこの発明の効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施形態を説明するための、装置の一例
を示す概念図である。
【図2】データー処理を説明する回転速度と温度との関
係を示すグラフである。
【図3】昇温速度100℃/分の場合のトルクと温度と
の関係を示すグラフである。
【図4】昇温速度1000℃/分の場合のトルクと温度
との関係を示すグラフである。
【図5】昇温速度1800℃/分の場合のトルクと温度
との関係を示すグラフである。
【図6】昇温速度と最小トルク値との関係を示すグラフ
である。
【図7】従来用いられていた装置の概念をしめす概要図
である。
【図8】従来用いられていた装置の加熱部の縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1 坩堝 2 攪拌棒 10 攪拌装置 11 取付け部 12 トルク調整器 13 回転速度検出器 20 スリーブ 21 攪拌部 22、23 導出入口 24 坩堝蓋 30 加熱手段 31 誘導加熱コイル 32 高周波発生装置 33 温度調節器 34 温度検出器 35、36 温度計 40 データ処理装置 57 回転モーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角谷 秀紀 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の工程を備えたことを特徴とする石
    炭の軟化溶融性の測定方法。 (a)石炭試料を攪拌棒が備えられた坩堝に充填し、
    (b)前記石炭試料を不活性ガス気流中で、昇温速度1
    0℃/分以上10000℃/分以下で加熱を行いなが
    ら、前記攪拌棒を一定のトルクで回転させて前記石炭試
    料を攪拌し、(c)前記攪拌棒の回転速度を測定し、得
    られた回転速度のデータを前記石炭試料の温度データを
    用いて処理し、(d)前記処理の結果から軟化溶融性を
    求める。
  2. 【請求項2】 下記の工程を備えたことを特徴とする石
    炭の軟化溶融性の測定方法。 (a)石炭試料を攪拌棒の備えられた坩堝に充填し、
    (b)前記石炭試料を不活性ガス気流中で、昇温速度1
    0℃/分以上10000℃/分以下で誘導加熱を行いな
    がら、前記攪拌棒を一定の回転速度で回転させて前記石
    炭試料を攪拌し、(c)前記攪拌棒のトルクを測定し、
    得られたトルクのデータを前記石炭試料の温度データを
    用いて処理し、(d)前記処理の結果から軟化溶融性を
    求める。
  3. 【請求項3】 下記に記載する部材を備えたことを特徴
    とする石炭の軟化溶融性の測定装置。 (a)両端部に不活性ガスの導出入口が設けられ、垂直
    に配置された円筒型のスリーブと、(b)前記スリーブ
    に挿入される誘電体の円筒型坩堝と、(c)前記同筒坩
    堝内に攪拌部が納まる回転型の攪拌棒と、(d)前記攪
    拌棒の回転軸を前記坩堝の軸心に合わせ垂直に取り付け
    る取付け機構、回転モーター、トルク調節器及び回転速
    度検出器を備えた攪拌装置と、(e)前記スリーブを取
    り囲む誘導加熱装置、温度検出器及び温度調節器からな
    る加熱機構と、(f)前記回転速度検出器及び前記温度
    検出器からのデータを処理するデータ処理装置。
  4. 【請求項4】 下記に記載する部材を備えたことを特徴
    とする石炭の軟化溶融性の測定装置。 (a)両端部に不活性ガスの導出入口が設けられ、垂直
    に配置された円筒型のスリーブと、(b)前記スリーブ
    に挿入される誘電体の円筒型坩堝と、(c)前記坩堝内
    に攪拌部が納まる回転型の攪拌棒と、(d)前記攪拌棒
    の回転軸を前記坩堝の軸心に合わせ垂直に取り付ける取
    付け機構、回転モーター、回転速度調節器及びトルク検
    出器を備えた攪拌装置と、(e)前記スリーブを取り囲
    む誘導加熱装置、温度検出器及び温度調節器からなる加
    熱機構と、(f)前記トルク検出器及び前記温度検出器
    からのデータを処理するデータ処理装置。
  5. 【請求項5】 前記スリーブが石英管からなり、前記坩
    堝が黒鉛からなることを特徴とする請求項3又は請求項
    4記載の石炭の軟化溶融性の測定装置。
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