JP2002275332A - ポリプロピレン樹脂組成物およびその用途 - Google Patents
ポリプロピレン樹脂組成物およびその用途Info
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- JP2002275332A JP2002275332A JP2001074883A JP2001074883A JP2002275332A JP 2002275332 A JP2002275332 A JP 2002275332A JP 2001074883 A JP2001074883 A JP 2001074883A JP 2001074883 A JP2001074883 A JP 2001074883A JP 2002275332 A JP2002275332 A JP 2002275332A
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Abstract
タロセン触媒の存在下に、プロピレンとα- オレフィン
とをランダム共重合させて得られた、特定の特性を有す
るポリプロピレン(A)70〜98重量%と、エチレンと炭
素原子数4〜20のα- オレフィンとを共重合して得ら
れ、かつMFRが0.5〜40g/10分であり、密度が0.86〜
0.92g/cm3であるエチレン・α- オレフィン共重合体
(B)2〜30重量%との合計100重量部に対して、造核剤
(C)0.05〜0.5重量部を含有してなる。本発明の容器
および医療用器具は、上記組成物から形成されてなる。 【効果】本発明によれば、剛性と透明性と耐衝撃性とを
同時にバランスよく向上させた容器等の成形品を調製す
ることができるポリプロピレン樹脂組成物およびその成
形品を提供することができる。また、本発明によれば、
電子線やγ線により耐衝撃性が低下し難い、電子線やγ
線による滅菌処理が可能な医療用器具等の成形品を調製
することができるポリプロピレン樹脂組成物およびその
成形品を提供することができる。
Description
物およびその用途に関し、さらに詳しくは、透明性およ
び耐衝撃性に優れた成形品を調製することができるポリ
プロピレン樹脂組成物、ならびにその組成物から形成さ
れた容器、医療用器具などの成形品に関する。さらに
は、γ線や電子線による処理にも耐え得る成形品を調製
することができるポリプロピレン樹脂組成物、およびそ
の組成物から製造される容器、とりわけ電子線またはγ
線照射処理を施すような医療用器具に関する。
学的特性、物理的特性および成形加工性に優れ、しかも
安価であることから、食品容器や医薬品容器を初めとし
た広範囲の用途に利用されている。しかしながら、ポリ
プロピレン樹脂それ自体では、透明性や機械的強度特性
が必ずしも十分でないため、通常ポリプロピレン樹脂に
種々の造核剤を添加して透明性や機械的強度特性を向上
させ、またゴム成分を添加して耐衝撃性を向上させる方
法が採られている。
に、ポリプロピレン樹脂に造核剤を添加する方法、耐衝
撃性を付与するために、ポリプロピレンに非晶性エチレ
ン・プロピレン共重合体を添加する方法、あるいはポリ
プロピレン樹脂としてプロピレン・エチレンブロック共
重合体を使用する方法では、透明性や剛性、または耐衝
撃性のいずれかの性能付与は達成できても、これらの特
性のすべてを同時に満足させることは難しい。
ポリプロピレンとしては、高エチレン含有量のエチレン
・プロピレンランダム共重合体が用いられるが、このよ
うな共重合体を用いてなる医療用器具は、剛性が低くな
り、かつ、電子線やγ線により耐衝撃性が極度に低下
し、低温や常温での耐衝撃性が非常に乏しいという問題
がある。
問題を解決しようとするものであって、剛性と透明性と
耐衝撃性とを同時にバランスよく向上させた成形品を調
製することができるポリプロピレン樹脂組成物を提供す
ることを目的としている。また、本発明は、電子線やγ
線により耐衝撃性が低下し難い成形品を調製することが
できるポリプロピレン樹脂組成物を提供することをも目
的としている。
脂組成物から調製した、優れた性能を有する容器または
電子線やγ線による滅菌処理が可能な医療用器具を提供
することを目的としている。
は、メタロセン触媒の存在下に、プロピレンとα- オレ
フィンとをランダム共重合させて得られたポリプロピレ
ン(A)70〜98重量%と、エチレンと炭素原子数4
〜20のα- オレフィンとを共重合して得られ、かつメ
ルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)
が0.5〜40g/10分であり、密度(ASTM D 150
5)が0.86〜0.92g/cm3であるエチレン・α
- オレフィン共重合体(B)2〜30重量%との合計1
00重量部に対して、造核剤(C)0.05〜0.5重
量部を含有してなり、該ポリプロピレン(A)は、
(i)メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16
荷重)が5〜80g/10分の範囲にあり、(ii)α-
オレフィン含有量が0.5〜5重量%であり、(iii)
13C−NMRスペクトルから求められる、全プロピレン
構成単位中のプロピレンモノマーの2,1-挿入あるいは1,
3-挿入に基づく位置不規則単位の割合がいずれも0.2
%以下であり、(iv)ゲルパーミエイションクロマトグ
ラフィー(GPC)により求めた分子量分布(Mw/M
n)が1〜3であることを特徴としている。
化合物触媒成分としては、通常、下記一般式(1)また
は(2)で表わされるメタロセン化合物が好ましく用い
られる。
含有炭化水素基から選ばれ、R1、R2、R4、R5、
R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、および
R14は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原
子、炭化水素基およびケイ素含有炭化水素基から選ば
れ、R1ないしR12で示される基のうち、隣接した基は
互いに結合して環を形成してもよく、一般式(1)の場
合はR1、R4、R5およびR12から選ばれる基とR1 3ま
たはR14が互いに結合して環を形成してもよく、Aは、
不飽和結合および/または芳香族環を含んでいてもよい
炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基を示し、AはY
と共に形成する環を含めて2つ以上の環構造を含んでい
てもよく、Yは、炭素原子またはケイ素原子であり、M
は、周期表第4族から選ばれた金属を示し、jは、1〜
4の整数であり、Qは、ハロゲン原子、炭化水素基、ア
ニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子
から選ばれ、jが2以上のときはQは互いに同一でも異
なっていてもよい。) 前記エチレン・α- オレフィン共重合体(B)は、エチ
レン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-ヘキセン共重合
体またはエチレン・1-オクテン共重合体のいずれかであ
ることが好ましい。
合体(B)は、メタロセン触媒を用いて調製された共重
合体であることが好ましい。前記造核剤(C)は、下記
の式(1)および/または(2)で表わされる有機リン
酸エステル系化合物であることが好ましい。
価炭化水素基であり、R2およびR3は、水素または炭素
原子数1〜10の炭化水素基であって、R2とR3は同じ
であっても異なっていてもよく、Mは、1〜3価の金属
原子であり、nは1〜3の整数であり、mは1または2
である。) また、前記造核剤(C)は、下記式(3)で表わされる
化合物、および下記式(4)で表わされる化合物も好ま
しく用いられる。
価炭化水素基であり、mは1または2である。)
デン基である。) また、本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物は、さら
に、ポリプロピレン(A)およびエチレン・α- オレフ
ィン共重合体(B)の合計100重量部に対して、リン
系酸化防止剤(D)0.05〜0.3重量部およびアミ
ン系酸化防止剤(E)0.01〜0.3重量部を含有し
ていてもよい。
記のような、本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物か
ら形成されてなることを特徴としている。また、本発明
に係る医療用器具は、電子線、γ線照射による滅菌処理
を施されるのに好適である。
ン樹脂組成物およびその用途について具体的に説明す
る。本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物は、ポリプ
ロピレン(A)、エチレン・α- オレフィン共重合体
(B)および造核剤(C)を含有している。
ン単独重合体であっても、プロピレンとα- オレフィン
とのランダム共重合体であってもよいが、ランダム共重
合体の方が好ましい。このプロピレンと共重合するのに
用いられるα- オレフィンとしては、具体的には、プロ
ピレン以外の炭素原子数2〜10のα- オレフィンを使
用することができ、たとえば、エチレン、1-ブテン、4-
メチル-1- ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどを挙
げることができる。中でもエチレンが好ましい。
中のα- オレフィン含量は、0.5〜5重量%、特にポ
リプロピレン樹脂組成物から調製される成形品の機械的
強度低下と透明性とのバランスの面から0.1〜3.0
重量%の範囲が好ましい。このポリプロピレン(A)の
メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,230℃、2.
16kg荷重)は、5〜80g/10分、好ましくは20〜
60g/10分、さらに好ましくは20〜40g/10
分の範囲にある。
単独重合体である場合、その13C−NMRで測定したア
イソタクチックペンタッド分率(mmmm)が、90%
以上、好ましくは94〜99%であることが望ましい。
このメルトフローレートとアイソタクチックペンタッド
分率が上記の範囲内にあると、得られるポリプロピレン
樹脂組成物の流動性(成形性)とその成形品の機械的強
度特性とのバランスが良好で、しかも、見映えのよい外
観を有する成形品が得られる。
mmm)は、13C−NMRを使用して測定されるポリプ
ロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチッ
ク連鎖の存在割合を示している。具体的には、プロピレ
ン単位で5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるメ
チル基に由来する吸収強度(Pmmmm)のプロピレン
単位の全メチル基に由来する吸収強度(Pw)に対する
比、すなわち {(Pmmmm)/(Pw)}×100(%) として求められる値である。
(A)は、13C−NMRスペクトルから求められる全プ
ロピレン構成単位中のプロピレンモノマーの2,1-挿入あ
るいは1,3-挿入に基づく位置不規則単位の割合がいずれ
も0.2%以下、好ましくは0.1%以下、特に0.0
5%以下である。また、このポリプロピレン(A)は、
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)に
より求めた分子量分布(Mw/Mn)が1〜3、好まし
くは1〜2.5、より好ましくは1〜2.3の範囲にあ
る。
ン可溶分量(プロピレン単独重合体をn−デカンで15
0℃、2時間処理した後に室温に戻し、n−デカンに溶
解した重量%)が2重量%以下、好ましくは1重量%以
下であることが望ましい。さらに、ポリプロピレン
(A)は、示差走査型熱量計(DSC)により測定され
る吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm)が、通常1
35〜165℃、好ましくは145〜160℃、より好
ましくは148〜153℃の範囲にあることが望まし
い。
は、たとえば特定のメタロセン触媒を用いて調製され
る。このようなメタロセン触媒を形成するメタロセン化
合物触媒成分は、下記一般式(1)または(2)で表わ
される。
含有炭化水素基から選ばれ、R1、R2、R4、R5、
R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、および
R14は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原
子、炭化水素基およびケイ素含有炭化水素基から選ば
れ、R1ないしR12で示される基のうち、隣接した基は
互いに結合して環を形成してもよく、一般式(1)の場
合はR1、R4、R5およびR12から選ばれる基とR1 3ま
たはR14が互いに結合して環を形成してもよく、Aは、
不飽和結合および/または芳香族環を含んでいてもよい
炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基を示し、AはY
と共に形成する環を含めて2つ以上の環構造を含んでい
てもよく、Yは、炭素原子またはケイ素原子であり、M
は、周期表第4族から選ばれた金属を示し、jは、1〜
4の整数であり、Qは、ハロゲン原子、炭化水素基、ア
ニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子
から選ばれ、jが2以上のときはQは互いに同一でも異
なっていてもよい。) また、本発明で用いられる他のメタロセン化合物触媒成
分としては、下記一般式(1a)または(2a)で表わ
されるメタロセン化合物が挙げられる。
含有炭化水素基から選ばれ、R1、R2、R4、R5、
R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、および
R14は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原
子、炭化水素基およびケイ素含有炭化水素基から選ば
れ、一般式(1a)で示される化合物であって、R3がt
ert-ブチル基またはトリメリルシリル基であり、R13お
よびR14が同時にメチル基またはフェニル基である場合
は、R6およびR11は同時に水素原子でなく、R1ないし
R12で示される基のうち隣接した基は互いに結合して環
を形成してもよく、一般式(1a)の場合はR1、R4、
R5およびR12から選ばれる基とR13またはR14が互い
に結合して環を形成してもよく、Aは、不飽和結合およ
び/または芳香族環を含んでいてもよい炭素原子数2〜
20の2価の炭化水素基を示し、Aは、Yと共に形成す
る環を含めて2つ以上の環構造を含んでいてもよく、Y
は、炭素原子またはケイ素原子であり、Mは、周期表第
4族から選ばれた金属であり、jは、1〜4の整数であ
り、Qは、ハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子
および孤立電子対で配位可能な中性配位子から選ばれ、
jが2以上のときはQは互いに同一でも異なっていても
よい。) また、上記以外のメタロセン化合物触媒成分として、下
記一般式(1b)または(2b)で表わされるメタロセ
ン化合物が挙げられる。
も異なっていてもよく、炭化水素基およびケイ素含有炭
化水素基から選ばれ、R5、R6、R7、R8、R9、
R10、R11、R12、R13およびR14は、互いに同一でも
異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基およびケイ
素含有炭化水素基から選ばれ、R5ないしR12のうち隣
接した基は、互いに結合して環を形成してもよく、A
は、不飽和結合および/または芳香族環を含んでいても
よい炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基を示し、A
は、Yと共に形成する環を含めて2つ以上の環構造を含
んでいてもよく、Mは、周期表第4族から選ばれた金属
を示し、Yは、炭素原子またはケイ素原子であり、j
は、1〜4の整数であり、Qは、ハロゲン原子、炭化水
素基、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中
性配位子から選ばれ、jが2以上のときはQは互いに同
一でも異なっていてもよい。) 上記炭化水素基の好ましい例としては、炭素原子数1〜
20のアルキル基、炭素原子数7〜20のアリールアル
キル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数
7〜20のアルキルアリール基などが挙げられる。
を含む環状の炭化水素基、たとえばチエニル基、フリル
基などであってもよい。具体的には、メチル、エチル、
n-プロピル、イソプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジ
メチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1,1-ジエチル
プロピル、1-エチル-1- メチルプロピル、1,1,2,2-テト
ラメチルプロピル、sec-ブチル、tert-ブチル、1,1-ジ
メチルブチル、1,1,3-トリメチルブチル、ネオペンチ
ル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシル、1-メチル
-1- シクロヘキシル、1-アダマンチル、2-アダマンチ
ル、2-メチル-2- アダマンチル、メンチル、ノルボルニ
ル、ベンジル、2-フェニルエチル、1-テトラヒドロナフ
チル、1-メチル-1- テトラヒドロナフチル、フェニル、
ナフチル、トリルなどの炭化水素基が挙げられる。
しては、ケイ素原子数1〜4、かつ炭素原子数3〜20
のアルキルシリル基またはアリールシリル基が挙げられ
る。具体的には、トリメチルシリル、tert-ブチルジメ
チルシリル、トリフェニルシリルなどの基が挙げられ
る。なお、R3は、立体的に嵩高い置換基であることが
好ましく、炭素原子数4以上の置換基であることがより
好ましい。
て、R1、R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、
R11、R12、R13およびR14は、互いに同一でも異なっ
ていてもよく、水素原子、炭化水素基、ケイ素含有炭化
水素基から選ばれる。好ましい炭化水素基およびケイ素
含有炭化水素基の具体例としては、上記と同様の基が挙
げられる。
いしR4の隣接した置換基は、互いに結合して環を形成
してもよい。そのような置換シクロペンタジエニル基と
しては、インデニル、2-メチルインデニル、テトラヒド
ロインデニル、2-メチルテトラヒドロインデニル、2,4,
4-トリメチルテトラヒドロインデニルなどが挙げられ
る。
R12の隣接した置換基は、互いに結合して環を形成して
もよい。そのような置換フルオレニル基としては、ベン
ゾフルオレニル、ジベンゾフルオレニル、オクタヒドロ
ジベンゾフルオレニル、オクタメチルオクタヒドロジベ
ンゾフルオレニルなどが挙げられる。さらに、フルオレ
ン環に置換するR5ないしR12の置換基は、合成上の容
易さから左右対称、すなわちR5とR12、R6とR11、R
7とR10、R8とR9が同一の基であることが好ましく、
無置換フルオレン、3,6-二置換フルオレン、2,7-二置換
フルオレンまたは2,3,6,7-四置換フルオレンであること
がより好ましい。ここでフルオレン環の3位、6位、2
位、7位はそれぞれR7、R10、R6、R11に対応する。
Yは、炭素原子またはケイ素原子である。上記一般式
(1)で表わされるメタロセン化合物は、R13とR14は
Yと結合し、架橋部として置換メチレン基または置換シ
リレン基を構成する。好ましい具体例としは、たとえ
ば、メチレン、ジメチルメチレン、ジエチルメチレン、
ジイソプロピルメチレン、メチルtert-ブチルメチレ
ン、ジtert-ブチルメチレン、ジシクロヘキシルメチレ
ン、メチルシクロヘキシルメチレン、メチルフェニルメ
チレン、ジフェニルメチレン、メチルナフチルメチレ
ン、ジナフチルメチレンまたはジメチルシリレン、ジイ
ソプロピルシリレン、メチルtert-ブチルシリレン、ジ
シクロヘキシルシリレン、メチルシクロヘキシルシリレ
ン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、メ
チルナフチルシリレン、ジナフチルシリレンなどが挙げ
られる。
ロセン化合物は、R1、R4、R5またはR12から選ばれ
る置換基と、架橋部のR13またはR14が互いに結合して
環を形成してもよい。そのような構造の一例として、R
1とR14が互いに結合して環を形成した場合を下記に例
示する。下記一般式(1c)で表わされるメタロセン化
合物では、架橋部とシクロペンタジエニル基が一体とな
り、テトラヒドロペンタレン骨格を形成し、下記一般式
(1d)で表わされるメタロセン化合物では、架橋部と
シクロペンタジエニル基が一体となり、テトラヒドロイ
ンデニル骨格を形成している。また同様に、架橋部とフ
ルオレニル基が互いに結合して環を形成してもよい。
化合物において、Aは、不飽和結合および/または芳香
族環を含んでいてもよい炭素原子数2〜20の2価の炭
化水素基であり、Yは、このAと結合し、シクロアルキ
リデン基、シクロメチレンシリレン基などを構成する。
また、Aは、Yと共に形成する環を含めて2つ以上の環
構造を含んでいてもよい。
プロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデ
ン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、ビシク
ロ[3.3.1]ノニリデン、ノルボルニリデン、アダマン
チリデン、テトラヒドロナフチリデン、ジヒドロインダ
ニリデン、シクロジメチレンシリレン、シクロトリメチ
レンシリレン、シクロテトラメチレンシリレン、シクロ
ペンタメチレンシリレン、シクロヘキサメチレンシリレ
ン、シクロヘプタメチレンシリレンなどが挙げられる。
Mは、周期表第4族から選ばれる金属であり、具体的に
は、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムが挙げられ
る。上記一般式(1)または(2)において、jは1〜
4の整数である。上記一般式(1)または(2)におい
て、Qはハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素
基、アニオン配位子、または孤立電子対で配位可能な中
性配位子から選ばれる。jが2以上のときはQは、互い
に同一でも異なっていてもよい。
素、臭素、ヨウ素が挙げられ、炭化水素基の具体例とし
ては、上記と同様のものが挙げられる。アニオン配位子
の具体例としては、メトキシ、tert-ブトキシ、フェノ
キシ等のアルコキシ基;アセテート、ベンゾエート等の
カルボキシレート基;メシレート、トシレート等のスル
ホネート基などが挙げられる。
例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフ
ィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホス
フィンなどの有機リン化合物;テトラヒドロフラン、ジ
エチルエーテル、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタンな
どのエーテル類が挙げられる。Qは、少なくとも一つは
ハロゲンまたはアルキル基であることが好ましい。
表わされる、本発明に係るメタロセン化合物の具体例を
示す。まず、メタロセン化合物のMQj(金属部分)を
除いたリガンド構造を、表記上、Cp(シクロペンタジ
エニル環部分)、Bridge(架橋部分)、Flu(フルオレ
ニル環部分)の3つに分け、それぞれの部分構造の具体
例、およびそれらの組み合わせによるリガンド構造の具
体例を以下に示す。
化合物の具体例として下記の化合物を挙げることができ
る。
l2、ZrBr2、ZrMe2、Zr(OTs)2、Zr(O
Ms)2、Zr(OTf)2、TiCl2、TiBr2、Ti
Me2、Ti(OTs)2、Ti(OMs)2、Ti(OT
f)2、HfCl2、HfBr2、HfMe2、Hf(OT
s)2、Hf(OMs)2、Hf(OTf)2 などが挙げられ
る。ここでTsはp-トルエンスルホニル基、Msはメタ
ンスルホニル基、Tfはトリフルオロメタンスルホニル
基を示す。
基が互いに結合して環を形成したメタロセン化合物とし
て、例えば下記のような化合物が挙げられる。
る、本発明に係るメタロセン化合物としては、以下のよ
うな化合物などが好ましく例示される。一般式(1)
で、R1、R13、R14がメチル、R3がtert-ブチル、
R2、R4、R5、R7、R8、R9、R10、R12が水素、R
6、R11がtert-ブチル、Mがジルコニウム、Yが炭素、
Qが塩素、jが2であるメタロセン化合物。
3が1-メチル-1-シクロヘキシル、R 1、R2、R4、R5、
R6、R8、R9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-
ブチル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが
2であるメタロセン化合物。一般式(1)で、R13、R
14がメチル、R3がtert-ブチル、R1、R2、R4、R5、
R8、R9、R12が水素、R6とR7が互いに結合して環を
形成した-(C(CH 3)2CH2CH2C(CH3)2)-、R10と
R11が互いに結合して環を形成した-(C(CH3)2CH2
CH2C(CH3)2)-、Mがジルコニウム、Yが炭素、Q
が塩素、jが2であるメタロセン化合物。
3がトリメチルシリル、R1、R2、R4、R5、R8、
R9、R12が水素、R6とR7が互いに結合して環を形成
した-(C(CH3)2CH2CH2C(CH3)2)-、R10とR11
が互いに結合して環を形成した-(C(CH3)2CH2CH2
C(CH3)2)-、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩
素、jが2であるメタロセン化合物。
3が1,1-ジメチルプロピル、R1、R 2、R4、R5、R6、
R8、R9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-ブチ
ル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが2で
あるメタロセン化合物。一般式(1)で、R13、R14が
メチル、R3が1-エチル-1-メチルプロピル、R 1、R2、
R4、R5、R6、R8、R9、R11、R12が水素、R7、R
10がtert-ブチル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが
塩素、jが2であるメタロセン化合物。
3が1,1,3-トリメチルブチル、R1、R2、R4、R5、
R6、R8、R9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-
ブチル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが
2であるメタロセン化合物。一般式(1)で、R13、R
14がメチル、R3が1,1-ジメチルブチル、R1、R2、
R4、R5、R6、R8、R9、R11、R12が水素、R7、R
10がtert-ブチル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが
塩素、jが2であるメタロセン化合物。
3がtert-ブチル、R1、R2、R4、R5、R7、R8、
R9、R10、R12が水素、R6、R11がtert-ブチル、M
がジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが2であるメ
タロセン化合物。一般式(1)で、R3、R13、R14が
フェニル、R1、R2、R4、R5、R8、R 9、R12が水
素、R6とR7が互いに結合して環を形成した-(C(C
H3)2CH2CH 2C(CH3)2)-、R10とR11が互いに結
合して環を形成した-(C(CH3)2CH2CH2C(C
H3)2)-、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、j
が2であるメタロセン化合物。
ル、R13、R14がフェニル、R1、R2、R4、R5、
R8、R9、R12が水素、R6とR7が互いに結合して環を
形成した-(C(CH3)2CH2CH2C(CH3)2)-、R10と
R11が互いに結合して環を形成した-(C(CH3)2CH2
CH2C(CH3)2)-、Mがジルコニウム、Yが炭素、Q
が塩素、jが2であるメタロセン化合物。
ェニル、R3がtert-ブチル、R1、R2、R4、R5、
R6、R8、R9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-
ブチル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが
2であるメタロセン化合物。一般式(1)で、R13、R
14がエチル、R3がtert-ブチル、R1、R2、R4、R5、
R6、R8、R9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-
ブチル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが
2であるメタロセン化合物。
-ブチル、R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、
R11、R12が水素、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが
塩素、jが2、Aが-(CH2)5-であるメタロセン化合
物。一般式(2)で、R1がメチル、R3がtert-ブチ
ル、R2、R4、R5、R6、R8、R9、R11、R12が水
素、R7、R10がtert-ブチル、Mがジルコニウム、Yが
炭素、Qが塩素、jが2、Aが-(CH2)5-であるメタロ
セン化合物。
ル、R1、R2、R4、R5、R7、R8、R9、R10、R12
が水素、R6、R11がtert-ブチル、Mがジルコニウム、
Yが炭素、Qが塩素、jが2、Aが-(CH2)5-であるメ
タロセン化合物。一般式(2)で、R3がトリメチルシ
リル、R1、R2、R4、R5、R6、R8、R9、R11、R
12が水素、R7、R10がtert-ブチル、Mがジルコニウ
ム、Yが炭素、Qが塩素、jが2、Aが-(CH2)5-であ
るメタロセン化合物。
R1、R2、R4、R5、R6、R8、R9、R11、R12が水
素、R7、R10がtert-ブチル、Mがジルコニウム、Yが
炭素、Qが塩素、jが2、Aが-(CH2)4-であるメタロ
セン化合物。一般式(2)で、R3が1,1-ジメチルプロ
ピル、R1、R2、R4、R5、R6、R 8、R9、R11、R
12が水素、R7、R10がtert-ブチル、Mがジルコニウ
ム、Yが炭素、Qが塩素、jが2、Aが-(CH2)5-であ
るメタロセン化合物。
R1、R2、R4、R5、R8、R9、R12が水素、R6とR7
が互いに結合して環を形成した-(C(CH3)2CH2CH2
C(CH3)2)-、R10とR11が互いに結合して環を形成し
た-(C(CH3)2CH2CH2C(CH3)2)-、Mがジルコニ
ウム、Yが炭素、Qが塩素、jが2、Aが-(CH2)4-で
あるメタロセン化合物。
ル、R3がtert-ブチル、R2、R4、R5、R6、R8、
R9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-ブチル、M
がジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが2であるメ
タロセン化合物。一般式(1)で、R13、R14がメチ
ル、R3がtert-ブチル、R1、R2、R4、R5、R6、
R8、R9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-ブチ
ル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが2で
あるメタロセン化合物。
ル、R3がtert-ブチル、R2、R4、R5、R6、R7、
R8、R9、R10、R11、R12が水素、Mがジルコニウ
ム、Yが炭素、Qが塩素、jが2であるメタロセン化合
物。一般式(1)で、R13、R14がメチル、R3がトリ
メチルシリル、R1、R2、R4、R5、R6、R8、R9、
R11、R12が水素、R7、R10がtert-ブチル、Mがジル
コニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが2であるメタロセ
ン化合物。
R3がトリメチルシリル、R1、R2、R4、R5、R6、R
8、R9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-ブチル、
Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが2である
メタロセン化合物。上記のようなメタロセン化合物は、
1種単独で、または2種以上組合わせて用いることがで
きる。また上記のようなメタロセン化合物は、粒子状担
体に担持させて用いることもできる。
2 、Al2O3 、B2O3 、MgO、ZrO2 、CaO、
TiO2 、ZnO、SnO2 、BaO、ThOなどの無
機担体、ポリエチレン、プロピレン系ブロック共重合
体、ポリ-1-ブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテン、スチレ
ン-ジビニルベンゼン共重合体などの有機担体を用いる
ことができる。これらの粒子状担体は、1種単独で、ま
たは2種以上組合わせて用いることができる。
一つとして、アルミノキサンを用いることができる。従
来公知のようにアルミノキサンは、たとえば下記のよう
な方法によって製造することができる。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して反応させる方法。 (2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウム
などの有機アルミニウム化合物に直接水や氷や水蒸気を
作用させる方法。 (3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリ
アルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなど
の有機スズ酸化物を反応させる方法。
有機アルミニウム化合物としては、具体的には、トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロ
ピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、ト
リn-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert- ブチルア
ルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシル
アルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシル
アルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、トリシク
ロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニ
ウム等のトリシクロアルキルアルミニウム、ジメチルア
ルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、
ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニ
ウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド、ジ
エチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミ
ニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイド
ライド、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルア
ルミニウムエトキシド等のジアルキルアルミニウムアル
コキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド等のジア
ルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げられる。
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロ
アルキルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニ
ウムが特に好ましい。
られる有機アルミニウム化合物として、下記一般式で表
されるイソプレニルアルミニウムを用いることもでき
る。アルミノキサンの溶液または懸濁液に用いられる溶
媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、
シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、
オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、
シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタ
ンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの
石油留分あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水
素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化
物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。
ランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの
溶媒のうち特に芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素が
好ましい。なお有機アルミニウムオキシ化合物は、少量
のアルミニウム以外の金属の有機化合物成分を含有して
いてもよい。イオン化イオン性化合物としては、ルイス
酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化
合物を例示することができる。
ッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換
基を有していてもよいフェニル基またはフッ素原子であ
る。)で示される化合物が挙げられ、たとえばトルフル
オロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロ
フェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)
ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、
トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-
トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス
(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジ
アルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム
塩などを挙げることができる。具体的に、トリアルキル
置換アンモニウム塩としては、たとえばトリエチルアン
モニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアン
モニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)
アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられ
る。ジアルキルアンモニウム塩としては、たとえばジ
(1-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフ
ェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ
(フェニル)ホウ素などが挙げられる。さらにイオン性
化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルア
ニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートなどを挙げることもできる。
4)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ノナボレ
ート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕デカボレ
ート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ド
デカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)
などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。カル
ボラン化合物としては、4-カルバノナボラン(14)、
1,3-ジカルバノナボラン(13)、ビス〔トリ(n-ブチ
ル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カ
ルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属
カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
1種単独で、または2種以上組合わせて用いることがで
きる。前記有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン
化イオン性化合物は、上述した粒子状担体に担持させて
用いることもできる。また、触媒を形成するに際して
は、有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオ
ン性化合物とともに以下のような有機アルミニウム化合
物を用いてもよい。
に少なくとも1個のAl−炭素結合を有する化合物が利
用できる。このような化合物としては、たとえば下記一
般式で表される有機アルミニウム化合物が挙げられる。
(R1)m Al(O(R2))nHpXq(式中、R1および
R2は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子
数が通常1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示
し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0
≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3を満たす数
であって、しかも、m+n+p+q=3である。)本発
明で用いられるポリプロピレン(A)は、上記したメタ
ロセン触媒の存在下に、常法に従い、プロピレンを単独
重合させるか、またはプロピレンと少量のエチレンおよ
び/または炭素原子数4〜20のα- オレフィンとをラ
ンダム共重合させることにより調製することができる。
常、約−50〜200℃、好ましくは約50〜100℃
温度で、また通常、常圧〜100kg/cm2、好まし
くは約2〜50kg/cm2の圧力下で行なわれる。プ
ロピレンの重合は、回分式、半連続式、連続式の何れの
方法においても行なうことができる。エチレン・α- オレフィン共重合体(B) 本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン共重合体
(B)は、エチレンと炭素原子数4〜20のα- オレフ
ィンとの共重合体である。
0のα- オレフィンとしては、具体的には、1-ブテン、
1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセンなどが
挙げられる。特に1-ヘキセンおよび1-オクテンが好まし
い。エチレン・α- オレフィン共重合体(B)における
炭素原子数4〜20のα-オレフィン含有量は、3〜2
0重量%、好ましくは5〜15重量%である。このオレ
フィン含有量が上記範囲内にあると、エチレン・α- オ
レフィン共重合体(B)はゴム的な性質を示す。
(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)は、0.
5〜40g/10分、好ましくは1〜30g/10分、
さらに好ましくは3〜20g/10分の範囲にある。ま
た、この共重合体(B)の密度(ASTM D 1505)は,0.
86〜0.92g/cm3、好ましくは0.890〜
0.900g/cm3にあることが好ましい。この密度
が上記範囲内にあると、エチレン・α- オレフィン共重
合体(B)は、良好なゴム弾性を保持している。
合体(B)は、シクロペンタジエン骨格を有する化合物
がジルコニウム金属等の遷移金属に配位したメタロセン
化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物等とを含むメ
タロセン系触媒などの立体規則性重合触媒の存在下に、
エチレンと炭素原子数4〜20のα- オレフィンとを共
重合させて調製することができる。特に、メタロセン触
媒を用いて調製したエチレン・α- オレフィン共重合体
(B)は、分子量分布(Mw/Mn)および組成分布が
狭いこと、高い衝撃強度が得られることから、容器用樹
脂組成物の原料として適している。
デンソルビトール等のソルビトール化合物、有機リン酸
エステル系化合物、ロジン酸塩系化合物、C4〜C12
の脂肪族ジカルボン酸およびその金属塩などを挙げるこ
とができる。これらのうちでは、有機リン酸エステル系
化合物が好ましい。有機リン酸エステル系化合物は、次
に示す一般式(1)および/または(2)で表わされる
化合物である。
原子数1〜10の2価炭化水素基であり、R2およびR3
は、水素または炭素原子数1〜10の炭化水素基であっ
て、R2とR3は同じであっても異なっていてもよく、M
は、1〜3価の金属原子であり、nは1〜3の整数であ
り、mは1または2である。
テル系化合物の具体例としては、ナトリウム-2,2'-メチ
レン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェー
ト、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチ
ルフェニル) フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン
-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート、リ
チウム-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニ
ル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビ
ス(4-i-プロピル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェー
ト、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチ
ルフェニル) フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン
-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェー
ト、ナトリウム-2,2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジ-メチル
フェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-ブチリデ
ン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート、
ナトリウム-2,2'-t-オクチルメチレン-ビス(4,6-ジ-メ
チルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-t-オ
クチルメチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォ
スフェート、カルシウム-ビス-(2,2'-メチレン-ビス
(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート) 、マグ
ネシウム-ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチル
フェニル) フォスフェート] 、バリウム-ビス[2,2'-
メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェ
ート] 、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-
t-ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-
メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェニル) フォス
フェート、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4-m-ブ
チル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウ
ム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル) フォ
スフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-
エチルフェニル) フォスフェート、カリウム-2,2'-エチ
リデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェー
ト、カルシウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-
t-ブチルフェニル) フオスフェート] 、マグネシウム-
ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニ
ル) フォスフェート] 、バリウム-ビス[2,2'-エチリデ
ン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート]
、アルミニウム-トリス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ
-t-ブチルフェル)フォスフェート]、アルミニウム-ト
リス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニ
ル) フォスフェート]、およびこれらの2種以上の混合
物などを挙げることができる。
ミニウムフォスフェート化合物も使用可能な有機リン酸
エステル系化合物であって、特にR2およびR3が共にt-
ブチル基である、一般式(3)で表わされる化合物が好
ましい。
〜10の2価炭化水素基であり、mは1または2であ
る。特に好ましい有機リン酸エステル系化合物は、一般
式(4)で表わされる化合物である。
たはエチリデン基である。具体的には、ヒドロキシアル
ミニウム-ビス[2,2-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチ
ル)フォスフェート]、またはヒドロキシアルミニウム
-ビス[2,2-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチル)フォ
スフェート]である。前記ソルビトール系化合物として
は、具体的には、1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトー
ル、1,3-ベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソル
ビトール、1,3-ベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデ
ンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-ベン
ジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,
4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリ
デン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p
-エチルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソル
ビトール、1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソル
ビトール、1,3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデン)ソル
ビトール、1,3,2,4-ジ(p-n-プロピルベンジリデン)
ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-i-プロピルベンジリデ
ン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-n-ブチルベンジリ
デン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-s-ブチルベンジ
リデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-t-ブチルベン
ジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メトキシベ
ンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エトキシ
ベンジリデン)ソルビトール、1,3-ベンジリデン-2,4-
p-クロルベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベ
ンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-ク
ロルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビト
ール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-エチルベン
ジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,
4-p-クロルベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチル
ベンジリデン-2,4-p-クロルベンジリデンソルビトール
もしくは1,3,2,4-ジ(p-クロルベンジリデン)ソルビ
トールなどを例示することができる。特に、1,3,2,4-ジ
ベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メチルベ
ンジリデン)ソルビトールまたは1,3-p-クロルベンジ
リデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトールが好ま
しい。
ジカルボン酸およびその金属塩としては、具体的には、
コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、スベリン酸、セ
バシン酸、およびこれらのLi、Na、Mg、Ca、B
a、Al塩などを挙げることができる。。また、本発明
で造核剤(C)として使用可能な芳香族カルボン酸およ
びその金属塩としては、安息香酸、アリル置換酢酸、芳
香族ジカルボン酸およびこれらの元素周期律表第I、I
I、III族に属する金属の塩であり、具体的には、安息香
酸、p-イソプロピル安息香酸、o-第3級ブチル安息香
酸、p-第3級ブチル安息香酸、モノフェニル酢酸、ジ
フェニル酢酸、フェニルジメチル酢酸、フタル酸、およ
びこれらのLi、Na、Mg、Ca、Ba、Al塩など
を挙げることができる。
止剤(D)としては、特に制限はなく、従来公知のリン
系酸化防止剤を用いることができる。なお、リン系酸化
防止剤(D)を1種類のみ使用することがブリードによ
る内容物汚染が少ないため好ましい。
止剤(D)は、3価の有機リン化合物であり、具体的に
は、トリス(2,4-ジ-t- ブチルフェニル)フォスファイ
ト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-t- ブチルフェニル)オ
クチルフォスファイト、ビス(2,6-ジ-t- ブチル-4- メ
チルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト
などが挙げられる。
ン(A)とエチレン・α- オレフィン共重合体(B)と
の合計100重量部に対して、通常0.05〜0.3重
量部、好ましくは0.1〜0.3重量部、特に好ましく
は0.1〜0.2重量部の割合で用いられる。アミン系酸化防止剤(E) 本発明で必要に応じて用いられるリン系酸化防止剤
(D)とともに用いることができるアミン系酸化防止剤
(E)としては、ピペリジン環を持つ化合物が例示され
る。具体的には、コハク酸ジメチル・1-(2-ヒドロキシ
エチル)-4- ヒドロキシ-2,2,6,6- テトラメチルピペリ
ジン重縮合物、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリ
ジル)セバケート、ポリ[[6-[1-[(1,1,3,3-テトラメチ
ルブチル)アミノ]-s-トリアジン-2,4-ジイル][[(2,
2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]ヘキサメチ
レン[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]
などが用いられる。
レン(A)とエチレン・α- オレフィン共重合体(B)
との合計100重量部に対して、通常0.01〜0.3
重量部、好ましくは0.01〜0.2重量部、さらに好
ましくは0.01〜0.1重量部、特に好ましくは0.
05〜0.1重量部の割合で用いられる。ポリプロピレン樹脂組成物 本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物は、ポリプロピ
レン(A)70〜98重量%、好ましくは80〜97重
量%、特に好ましくは90〜95重量%と、エチレン・
α- オレフィン共重合体(B)2〜30重量%、好まし
くは3〜20重量%、特に好ましくは5〜10重量%と
の合計100重量部に対して、造核剤(C)を0.05
〜0.5重量部、好ましくは0.1〜0.3重量部含有
している。ここでは、ポリプロピレン(A)とエチレン
・α- オレフィン共重合体(B)との合計量が100重
量%になる。上記各成分が上記の配合範囲内にあると、
得られるポリプロピレン樹脂組成物は、その組成物から
調製される成形品の透明性を高い水準に保った上で、同
時に耐衝撃性の向上を図ることができる。
は、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、
さらに耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ
剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔
料、天然油、合成油、ワックス、充填剤などの添加剤を
配合することができる。前記したポリプロピレン
(A)、エチレン・α- オレフィン共重合体(B)、造
核剤(C)および必要に応じて他の添加剤たとえばリン
系酸化防止剤(D)、アミン系酸化防止剤(E)等を、
ヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、タンブラーブレ
ンダー、リボンブレンダーなどを用いて混合した後、単
軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー
などを用いて溶融混練することによって、上記各成分お
よび添加剤が均一に分散混合された高品質のポリプロピ
レン樹脂組成物が得られる。
メルトフローレート(MFR;ASTMD 1238,230℃、2.1
6kg荷重)は、20〜60g/10分の範囲内にあるこ
とが好ましく、より好ましくは20〜40g/10分の
範囲内にあることが望ましい。本発明に係るポリプロピ
レン樹脂組成物から調製される成形品は、剛性と透明性
を高い水準に保った上で、同時に耐衝撃性の向上を図っ
た優れた性質を有しているので、本発明に係るポリプロ
ピレン樹脂組成物は、各種容器として用いることができ
る。しかも、これに加えて、本発明に係るポリプロピレ
ン樹脂組成物からなる成形品は、電子線やγ線による処
理をしても耐衝撃性の低下が少ないという、従来のポリ
プロピレン樹脂では見られない特徴を有している。
樹脂組成物は、電子線またはγ線で処理して使用される
用途にも好適に使用することができる。このような電子
線やγ線に対する特徴を活かす用途としては、医療用器
具、中でも電子線やγ線による滅菌処理が施される医療
用器具を挙げることができる。容 器 本発明に係る容器は、上述した、本発明に係るポリプロ
ピレン樹脂組成物からブロー成形等の手段を用いて製造
した容器であり、その形状は任意である。
れ、食品や医療品等の包装に適している。特に、溶融流
動特性(MFR)が前記した範囲にある、本発明に係る
ポリプロピレン樹脂組成物を用いると、一層透明性に優
れた容器を成形することができる。医療用器具 本発明に係る医療用器具は、上述した、本発明に係るポ
リプロピレン樹脂組成物から射出成形の手段を用いて製
造した医療用器具である。
性に優れ、かつ、電子線やγ線による滅菌処理をしても
耐衝撃性の低下が少ないという、従来のポリプロピレン
樹脂では見られない特徴を有する。医療用器具として
は、具体的には、注射器の注射筒、アンプル、シャーレ
等を挙げることができる。
は、特にディスポーサブル注射筒に適している。本発明
に係るポリプロピレン樹脂組成物から製造された医療用
器具は厚肉であっても真空泡が形成されにくく、厚肉成
形品用に好適である。
性とを同時にバランスよく向上させた容器等の成形品を
調製することができるポリプロピレン樹脂組成物および
その成形品を提供することができる。また、本発明によ
れば、電子線やγ線により耐衝撃性が低下し難い、電子
線やγ線による滅菌処理が可能な医療用器具等の成形品
を調製することができるポリプロピレン樹脂組成物およ
びその成形品を提供することができる。
発明は、これらの実施例によって何ら限定されるもので
はない。なお、実施例等で使用した原料は以下のとおり
である。 (1)プロピレン・エチレンランダム共重合体(A−
1) [メタロセン化合物の合成] <ジメチルメチレン(3-tert-ブチル−5-メチルシクロ
ペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)
ジルコニウムジクロライドの合成> (1)4,4’-ジ-t-ブチルジフェニルメタンの合成 300ml容量の二口フラスコを十分に窒素置換し、A
lCl338.4g(289mmol)を入れ、CH3N
O280mlを加えて溶解し、これを溶液(1)とし
た。滴下ロートと磁気撹拌子を備えた500ml容量の
三口フラスコを十分に窒素置換し、これにジフェニルメ
タン25.6g(152mmol)と2,6-ジ-t-ブチル-
4-メチルフェノール43.8g(199mmol)を入
れ、CH3NO280mlを加えて溶解した。撹拌しなが
ら氷浴で冷却した。(1)の溶液を35分かけて滴下し
た後、反応液を12℃で1時間撹拌した。反応液を氷水
500ml中に注ぎ、ヘキサン800mlで反応生成物
を抽出した。その反応生成物を含む有機層を5%水酸化
ナトリウム水溶液600mlで洗浄し、続いてMgSO
4で乾燥した。MgSO4をろ別した後、溶媒をエバポレ
ートして得られたオイルを−78℃に冷却して固体を析
出させ、それをろ過で回収し、エタノール300mlで
洗浄した。減圧下で乾燥して、4,4'-ジ-t-ブチルジフェ
ニルメタンを得た。その収量は18.9gであった。 (2)2,2'-ジヨード-4,4'-ジ-t-ブチルジフェニルメタ
ンの合成 磁気撹拌子を備えた200ml容量のフラスコに、4,4'
-ジ-t-ブチルジフェニルメタン1.95(6.96mm
ol)とHIO40.78g(3.48mmol)、I2
1.55g(6.12mmol)、concH2SO40.4
8mlを入れた。これに酢酸17.5ml、水3.75
mlを加え、撹拌しながら90℃に加熱し5時間反応さ
せた。反応液を氷水50ml中に注ぎ、(C2H5)2O
で反応生成物を抽出した。その反応生成物を含む有機層
を飽和NaHSO4水溶液100mlで洗浄し、続いて
Na2CO3を添加し、撹拌後Na2CO3をろ別した。さ
らに有機層を水800mlで洗浄後、Mg2SO4を加え
て乾燥した。Mg2SO4をろ別した後、溶媒を留去して
黄色オイルを得た。この黄色オイルをカラムクロマトグ
ラフィーにより精製し、2,2'-ジヨード-4,4'-ジ-t-ブチ
ルジフェニルメタンを得た。その収量は3.21gであ
った。 (3)3,6-ジ-t-ブチルフルオレンの合成 50ml容量の二口フラスコに、2,2'-ジヨード-4,4'-
ジ-t-ブチルジフェニルメタン3.21g(6.03m
mol)、銅粉2.89g(47.0mmol)を入
れ、230℃に加熱し、撹拌しながら5時間反応させ
た。反応生成物をアセトンで抽出し、溶媒を留去し、赤
褐色オイルを得た。この赤褐色オイルからカラムクロマ
トグラフィーにより薄黄色のオイルを得た。未反応原料
を含むフラクションは再度カラムにかけて目的物のみ回
収した。メタノールで再結晶して白色固体の3,6-ジ-t-
ブチルフルオレンを得た。その収量は1.08gであっ
た。 (4)1-tert-ブチル-3-メチルシクロペンタジエンの合
成 窒素雰囲気下で、濃度2.0mol/lのtert-ブチル
マグネシウムクロライド/ジエチルエーテル溶液(45
0ml、0.90mol)に脱水ジエチルエーテル(3
50ml)を加えた溶液に、氷冷下で0℃を保ちながら
3-メチルシクロペンテノン(43.7g、0.45mm
ol)の脱水ジエチルエーテル(150ml)溶液を滴
下し、さらに室温で15時間撹拌した。反応溶液に塩化
アンモニウム(80.0g、1.50mol)の水(3
50ml)溶液を、氷冷下で0℃を保ちながら滴下し
た。この溶液に水(2500ml)を加え撹拌した後、
反応生成物を含む有機層を分離して水で洗浄した。この
有機層に、氷冷下で0℃を保ちながら10%塩酸水溶液
(82ml)を加えた後、室温で6時間撹拌した。この
反応液の有機層を分離し、水、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネ
シウム(乾燥剤)で乾燥した。乾燥剤を濾過し、濾液か
ら溶媒を留去して液体を得た。この液体を減圧蒸留(4
5〜47℃/10mmHg)することにより14.6g
の淡黄色の液体(1-tert-ブチル-3-メチルシクロペンタ
ジエン)を得た。その分析値を以下に示す。
3中、TMS基準) δ6.31+6.13+5.94+5.87(s+s+t+
d、2H)、3.04+2.95(s+s、2H)、2.
17+2.09(s+s、3H)、1.27(d、9H) (5)3-tert-ブチル-5,6,6-トリメチルフルベンの合成 窒素雰囲気下で1-tert-ブチル-3-メチルシクロペンタジ
エン(13.0g、95.6mmol)の脱水メタノー
ル(130ml)溶液に、氷冷下で0℃を保ちながら脱
水アセトン(55.2g、950.4mmol)を滴下
し、さらにピロリジン(68.0g、956.1mmo
l)を滴下した後、室温で4日間撹拌した。反応液をジ
エチルエーテル(400ml)で希釈した後、水400
mlを加えた。反応生成物を含む有機層を分離し、0.
5Nの塩酸水溶液(150ml×4)、水(200ml
×3)、飽和食塩水(150ml)で洗浄した後、無水
硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥した。乾燥剤を濾過
し、濾液から溶媒を留去して液体を得た。この液体を減
圧蒸留(70〜80℃/0.1mmHg)することによ
り10.5gの黄色の液体(3-tert-ブチル-5,6,6-トリ
メチルフルベン)を得た。その分析値を以下に示す。
3中、TMS基準) δ6.23(s、1H)、6.05(d、1H)、2.2
3(s、3H)、2.17(d、6H)、1.17(s、
9H) (6)2-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニ
ル)-2-(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)プロパン
の合成 3,6-ジ-tert-ブチルフルオレン(0.9g、3.4mm
ol)のTHF(30ml)溶液に、氷冷下でn−ブチ
ルリチウムのヘキサン溶液(2.1ml、3.4mmo
l)を窒素雰囲気下で滴下し、さらに室温で6時間撹拌
した。さらに、氷冷下で、この赤色溶液に3-tert-ブチ
ル-5,6,6-トリメチルフルベン(0.6g、3.5mm
ol)のTHF(15ml)溶液を窒素雰囲気下で滴下
し、室温で12時間撹拌した後に水30mlを加えた。
ジエチルエーテルで抽出、分離した反応生成物を含む有
機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過し、濾液か
ら溶媒を減圧下で除去して固体を得た。この固体を熱メ
タノールから再結晶して1.2gの淡黄色の固体(2-
(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)-2-
(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)プロパン)を得
た。その分析値を以下に示す。
3中、TMS基準) δ7.72(d、2H)、7.18−7.05(m、4
H)、6.18−5.99(s+s、1H)、4.32−
4.18(s+s、1H)、3.00−2.90(s+
s、2H)、2.13−1.98(t+s、3H)、1.
38(s、18H)、1.19(s、9H)、1.10
(d、6H) (7)ジメチルメチレン(3-tert-ブチル-5-メチルシク
ロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニ
ル)ジルコニウムジクロライドの合成 氷冷下で、2-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジ
エニル)-2-(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)プロ
パン(1.3g、2.8mmol)のジエチルエーテル
(40ml)溶液にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液
(3.6ml、5.8mmol)を窒素雰囲気下で滴下
し、さらに室温で16時間撹拌した。反応混合物から溶
媒を減圧下で除去して赤橙色の固体を得た。この固体に
−78℃でジクロロメタン150mlを加えて撹拌溶解
し、次いで、この溶液を−78℃に冷却したジルコニウ
ムテトラクロライド(THF)2錯体(1.0g、2.
7mmol)のジクロロメタン(10ml)懸濁液に加
え、−78℃で6時間撹拌し、室温で一昼夜撹拌した。
この反応溶液から溶媒を減圧下で除去し、オレンジ色の
固体を得た。さらに、この固体をトルエンで抽出、セラ
イト濾過し、濾液から溶媒を減圧下で除去した後、ジエ
チルエーテルから再結晶し0.18gのオレンジ色の固
体(ジメチルメチレン(3-tert-ブチル-5-メチルシクロ
ペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)
ジルコニウムジクロライド)を得た。その分析値を以下
に示す。
3中、TMS基準) δ7.98(dd、2H)、7.90(d、1H)、7.
69(d、1H)、7.32−7.25(m、2H)、
6.01(d、1H)、5.66(d、1H)、2.54
(s、3H)、2.36(s、3H)、2.28(s、1
H)、1.43(d、18H)、1.08(s、9H) <ジメチルシリレンビス(2-メチル-4-フェニルインデ
ニル)ジルコニウムジクロライドの合成> Organometallics,13,954(1994)に記載の方法に従っ
て、ジメチルシリレンビス(2-メチル-4-フェニルイン
デニル)ジルコニウムジクロライドを合成した。 [シリカ担持メチルアルミノキサンの調製]充分に窒素
置換した500ml容量の反応器に、シリカ20g(旭
硝子(株)製、商品名 H−121、窒素下150℃で
4時間乾燥したもの)、およびトルエン200mlを仕
込み、撹拌しながらメチルアルミノキサン60ml(ア
ルベマール社製、10重量%トルエン溶液)を窒素雰囲
気下で滴下した。次いで、この混合物を110℃で4時
間反応させた後、反応系を放冷して固体成分を沈澱さ
せ、上澄み溶液をデカンテーションによって取り除い
た。続いて、固体成分をトルエンで3回、ヘキサンで3
回洗浄し、シリカ担持メチルアルミノキサンを得た。 [共重合体(A−1)の製造とその物性]充分に窒素置
換した1000ml容量の二つ口フラスコ中に、シリカ
担持メチルアルミノキサンをアルミニウム換算で20m
mol入れ、ヘプタン500mlに懸濁させた。次い
で、その懸濁液に、ジメチルメチレン(3-tert-ブチル-
5-メチルシクロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチル
フルオレニル)ジルコニウムジクロライド54mg
(0.088mmol)をトルエン溶液として加えた
後、次いで、トリイソブチルアルミニウム(80mmo
l)を加え、30分攪拌して触媒懸濁液とした。
のオートクレーブに、上記の触媒懸濁液を添加し、50
kgの液化プロピレン、150Nリットルのエチレン、
および30Nリットルの水素を仕込み、3.0〜3.5
MPaの圧力下、60℃で60分重合を行なった。重合
終了後、メタノールを加えて重合を停止させ、未反応の
プロピレンをパージしてプロピレン・エチレンランダム
共重合体(A−1)を得た。これを真空下80℃で6時
間乾燥した。乾燥後のプロピレン・エチレンランダム共
重合体(A−1)の収量は23kgであった。
チレンランダム共重合体(A−1)は、融点(Tm)が
149℃であり、MFR(ASTM D 1238,230℃、2.16kg
荷重)が30g/10分であり、重量平均分子量(M
w)が147,000であり、数平均分子量(Mn)が
71,000であり、Mw/Mnが2.1であり、エチ
レン含有量が1.3モル%であり、n−デカン可溶成分
量が0.3重量%であった。また、この共重合体(A−
1)の立体規則性は、mmmm分率が95.0%であ
り、2,1-挿入の割合が0.02%であり、1,3-挿入の割
合が0.09%であった。 (2)プロピレン・エチレンランダム共重合体(A−
2) [共重合体(A−2)の製造と物性]メタロセンとし
て、ジメチルシリレンビス(2-メチル-4- フェニルイン
デニル)ジルコニウムジクロライドを70mg用いた以
外は、上記プロピレン・エチレンランダム共重合体(A
−1)の製造と同様にしてプロピレンとエチレンとの共
重合を行なった。
重合体(A−2)の収量は、16.3kgであった。こ
のプロピレン・エチレンランダム共重合体(A−2)
は、融点(Tm)が140℃であり、メルトフローレー
ト(ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)が30g/10
分であり、Mw/Mnが2.4であり、n−デカン可溶
分量は0.8重量%であり、エチレン含量が1.3モル
%であった。また、プロピレン・エチレンランダム共重
合体(A−2)の立体規則性は、mmmm分率が94.
8%であり、2,1-挿入の割合が0.91%であり、1,3-
挿入の割合が0.11%であり、2,1-挿入の割合が多か
った。 (3)プロピレン単独重合体(PP) チーグラー・ナッタ触媒である塩化マグネシウム担持チ
タン触媒により得られた、市販のプロピレン単独重合体
[商品名:J700、(株)グランドポリマー製:E−
1)の物性を以下に示す。
点(Tm)が161℃であり、メルトフローレート(AS
TM D 1238,230℃、2.16kg荷重)が11g/10分であ
り、Mw/Mnが5.2であり、n−デカン可溶分量が
2.0重量%であり、Mw/Mnの値が大きい。また、
2,1-挿入と1,3-挿入は共に検出されなかった。 (4)エチレン・1-オクテン共重合体(B−1) [メタロセン触媒で製造したエチレン・1-オクテン共重
合体] MFR(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)=30g/
10分 密度(ASTM D 1505)=0.870g/cm3、ダウ社製 (5)造核剤(C−1) 前記の式(4)で表わされるヒドロキシアルミニウム-
ビス[2,2-メチレン-ビス(4,6-ジ-t- ブチルフェニル)
フォスフェート] (6)リン系酸化防止剤(D−1) トリス(2,4-ジ-t- ブチルフェニル)フォスファイト (7)アミン系酸化防止剤(E−1) コハク酸ジメチル・1-(2-ヒドロキシエチル)-4- ヒド
ロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物 また、実施例等において、物性は次の方法で測定した。 (1)ヘイズ ヘイズは、ASTM D1003に準拠し、2mm厚の
シートを用いて測定した。 (2)曲げ弾性率 ASTM D790に準拠して曲げ試験を行ない、その
結果から曲げ弾性率を算出した。 (3)高速面衝撃試験 3m/sの速度で先端径1/2インチのロードセル付き
撃芯を2mm厚み角板の試料に衝突させる。試料の裏面
には、受け台として先端径(受け径)3インチの台を使
用した。値としては、全吸収エネルギーと降伏してから
破壊するまでの延性エネルギーをそれぞれ求めた。 (4)引張降伏点応力および破断点伸び ASTM D−638に準拠して引張試験を行ない、そ
の結果から引張降伏点応力および破断点伸びを測定し
た。 (5)メルトフローレート(MFR) MFRは、ASTM D−1238に準拠し、荷重2.
16kgで、その都度表示した温度で測定した。たとえ
ば、190℃で測定した場合、MFR(190℃)と表
示した。
84.2重量部とエチレン・1-オクテン共重合体(B−
1)15.8重量部とからなる混合物100重量部を、
ヘンシェルミキサー中に供給し、さらに、前記造核剤
(C−1)0、2重量部、ステアリン酸カルシウム0.
1重量部およびエルカ酸アミド0.1重量部を添加し、
攪拌混合した。
(40mmφ)を用いて、樹脂温度200℃で溶融混練
し、その混練物を押出してポリプロピレン樹脂組成物の
ペレットを得た。次いで、そのペレットを用いて、射出
成形により200℃、金型温度40℃にて厚み2mmの
シート状試験片、曲げ強度試験用の試験片(ASTM
D790、厚み3.2mm、長さ127mm、幅12.
7mm)、およびアイゾット衝撃試験用の試験片(AS
TM D256、厚み3.2mm、長さ63.5mm、
幅12.7mm)をそれぞれ作製した。これら試験片を
用いて、ヘイズ、曲げ弾性率、およびアイゾット衝撃強
度を測定した。また、引張降伏点応力および破断点伸び
を上記方法に従って測定した。これらの結果を表1に示
す。
ランダム共重合体(A−1)、エチレン・1-オクテン共
重合体(B−1)および造核剤(C−1)の代わりに、
エチレン・プロピレンランダム共重合体(A−2)のみ
を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。物性測定
結果を表1に併せて示す。
ランダム共重合体(A−2)の代わりに、プロピレン単
独重合体(PP)のみを用いた以外は、比較例1と同様
に行なった。物性測定結果を表1に併せて示す。
リン系酸化防止剤(D−1)[トリス(2,4-ジ-t- ブチ
ルフェニル)フォスファイト]0.1重量部、アミン系
酸化防止剤(E−1)コハク酸ジメチル・1-(2-ヒドロ
キシエチル)-4- ヒドロキシ-2,2,6,6- テトラメチルピ
ペリジン重縮合物0.1重量部を用いた以外は、実施例
1と同様に行なった。物性測定結果を表2に示す。
リン系酸化防止剤(D−1)[トリス(2,4-ジ-t- ブチ
ルフェニル)フォスファイト]0.1重量部、アミン系
酸化防止剤(E−1)コハク酸ジメチル・1-(2-ヒドロ
キシエチル)-4- ヒドロキシ-2,2,6,6- テトラメチルピ
ペリジン重縮合物0.1重量部を用いた以外は、実施例
1と同様に行なった。物性測定結果を表2に示す。
リン系酸化防止剤(D−1)[トリス(2,4-ジ-t- ブチ
ルフェニル)フォスファイト]0.1重量部、アミン系
酸化防止剤(E−1)コハク酸ジメチル・1-(2-ヒドロ
キシエチル)-4- ヒドロキシ-2,2,6,6- テトラメチルピ
ペリジン重縮合物0.1重量部を用いた以外は、実施例
1と同様に行なった。物性測定結果を表2に示す。
−1)およびアミン系酸化防止剤(E−1)の配合量を
共に0.2重量部に変更した以外は、比較例4と同様に
行なった。物性測定結果を表2に示す。
ら、本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物から得られ
た成形品が、高い剛性および耐衝撃性を維持したまま高
度に優れた透明性を有し、また、これらの物性のバラン
スが非常によいことが分かる。また、電子線やγ線照射
後の耐衝撃性の低下も殆ど見られず、従来のポリプロピ
レン樹脂組成物にはない物性を示しており、非常に有用
である。
樹脂組成物は、特定のポリプロピレン(A)、特定のエ
チレン・α- オレフィン共重合体(B)および造核剤
(C)を含有しているので、優れた剛性、耐衝撃性およ
び透明性を保持した上に、電子線またはγ線照射後も高
い耐衝撃性を有しており、また、それらの物性間のバラ
ンスに優れた成形品を調製することができ、各種容器な
らびに各種医療用器具に適している。
Claims (11)
- 【請求項1】メタロセン触媒の存在下に、プロピレンと
α- オレフィンとをランダム共重合させて得られたポリ
プロピレン(A)70〜98重量%と、 エチレンと炭素原子数4〜20のα- オレフィンとを共
重合して得られ、かつメルトフローレート(ASTM D 123
8,190℃、2.16kg荷重)が0.5〜40g/10分であ
り、密度(ASTM D 1505)が0.86〜0.92g/c
m3であるエチレン・α- オレフィン共重合体(B)2
〜30重量%との合計100重量部に対して、造核剤
(C)0.05〜0.5重量部を含有してなり、 該ポリプロピレン(A)は、(i)メルトフローレート
(ASTM D 1238,230℃、2.16荷重)が5〜80g/10
分の範囲にあり、(ii)α- オレフィン含有量が0.5
〜5重量%であり、(iii) 13C−NMRスペクトルか
ら求められる、全プロピレン構成単位中のプロピレンモ
ノマーの2,1-挿入あるいは1,3-挿入に基づく位置不規則
単位の割合がいずれも0.2%以下であり、(iv)ゲル
パーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により
求めた分子量分布(Mw/Mn)が1〜3であることを
特徴とするポリプロピレン樹脂組成物。 - 【請求項2】前記メタロセン触媒を形成するメタロセン
化合物触媒成分が、下記一般式(1)または(2)で表
わされることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピ
レン樹脂組成物; 【化1】 (式中、R3は、炭化水素基およびケイ素含有炭化水素
基から選ばれ、R1、R2、R4、R5、R6、R7、R8、
R9、R10、R11、R12、R13、およびR14は、互いに
同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基お
よびケイ素含有炭化水素基から選ばれ、R1ないしR12
で示される基のうち、隣接した基は互いに結合して環を
形成してもよく、一般式(1)の場合はR1、R4、R5
およびR12から選ばれる基とR1 3またはR14が互いに結
合して環を形成してもよく、Aは、不飽和結合および/
または芳香族環を含んでいてもよい炭素原子数2〜20
の2価の炭化水素基を示し、AはYと共に形成する環を
含めて2つ以上の環構造を含んでいてもよく、Yは、炭
素原子またはケイ素原子であり、Mは、周期表第4族か
ら選ばれた金属を示し、jは、1〜4の整数であり、Q
は、ハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子および
孤立電子対で配位可能な中性配位子から選ばれ、jが2
以上のときはQは互いに同一でも異なっていてもよ
い。)。 - 【請求項3】前記エチレン・α- オレフィン共重合体
(B)が、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-
ヘキセン共重合体またはエチレン・1-オクテン共重合体
であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリ
プロピレン樹脂組成物。 - 【請求項4】前記エチレン・α- オレフィン共重合体
(B)が、メタロセン触媒を用いて調製された共重合体
であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
のポリプロピレン樹脂組成物。 - 【請求項5】前記造核剤(C)が、下記の式(1)およ
び/または式(2)で表わされる有機リン酸エステル系
化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
に記載のポリプロピレン樹脂組成物; 【化2】 【化3】 (式中、R1は、炭素原子数1〜10の2価炭化水素基
であり、R2およびR3は、水素または炭素原子数1〜1
0の炭化水素基であって、R2とR3は同じであっても異
なっていてもよく、Mは、1〜3価の金属原子であり、
nは1〜3の整数であり、mは1または2である。)。 - 【請求項6】前記造核剤(C)が、下記式(3)で表わ
される化合物であることを特徴とする請求項1〜4のい
ずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物: 【化4】 (式中、R1は、炭素原子数1〜10の2価炭化水素基
であり、mは1または2である。)。 - 【請求項7】前記造核剤(C)が、下記式(4)で表わ
される化合物であることを特徴とする請求項1〜4のい
ずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物; 【化5】 (式中、R1は、メチレン基またはエチリデン基であ
る。)。 - 【請求項8】さらに、ポリプロピレン(A)およびエチ
レン・α- オレフィン共重合体(B)の合計100重量
部に対して、リン系酸化防止剤(D)0.05〜0.3
重量部およびアミン系酸化防止剤(E)0.01〜0.
3重量部を含有することを特徴とする請求項1〜7のい
ずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物。 - 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載のポリプロ
ピレン樹脂組成物から形成されてなることを特徴とする
容器。 - 【請求項10】請求項1〜8のいずれかに記載のポリプ
ロピレン樹脂組成物から形成されてなることを特徴とす
る医療用器具。 - 【請求項11】前記医療用器具が、電子線、γ線照射に
よる滅菌を施される医療用器具であることを特徴とする
請求項10に記載の医療用器具。
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