JP2002274934A - Ito大型成形体の作製方法 - Google Patents

Ito大型成形体の作製方法

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JP2002274934A
JP2002274934A JP2001082387A JP2001082387A JP2002274934A JP 2002274934 A JP2002274934 A JP 2002274934A JP 2001082387 A JP2001082387 A JP 2001082387A JP 2001082387 A JP2001082387 A JP 2001082387A JP 2002274934 A JP2002274934 A JP 2002274934A
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slurry
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density
sintering
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JP2001082387A
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English (en)
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Shoji Takanashi
昌二 高梨
Yuji Takatsuka
裕二 高塚
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形体密度を向上させ、焼結割れを起こさず
に高密度が容易に得られるITO大型成形体の作製方法
を提供する。 【解決手段】 酸化インジウム粉末と酸化錫粉末との混
合粉末、または酸化インジウム・酸化錫化合物粉末が機
械的に解砕されて、最大粒径が1μm以下であり、粒度
分布の累積の90%にあたる粒径が0.50〜0.78
μmの範囲内にあり、粒度分布の累積の50%にあたる
粒径が0.40〜0.61μmの範囲内にある粒度分布
で、水および有機分散剤に混合されているスラリーを得
て、加圧鋳込み成形を行い、乾燥して得る。成形体密度
は、3.5g/cm3以上である。前記スラリーのスラ
リー粘度が、5〜15dPa・s(/25℃)に調整さ
れることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明導電性膜を形
成するためにターゲット材として用いられるITO成形
体の作製方法に関し、特に、ITO大型成形体の作製方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ITO膜は、液晶ディスプレイの透明電
極材として広く用いられている。このITO膜は、従
来、主にITO焼結体をターゲット材として使用したD
Cスパッタリングにより膜形成される。
【0003】最近では、液晶ディスプレイの大型化に伴
って、ターゲット材の大型化が急務となり、ITO大型
成形体の作製方法の一つとして、鋳込み成形による作製
方法が主流となっている。
【0004】しかし、鋳込み成形により得られるITO
大型成形体は、他の成型方法により得られる成形体に比
べて密度が低いため、焼結により、(1)焼結収縮率の
大きさから焼結割れが起こりやすく、(2)焼結歩留ま
りが低下し、(3)7.0g/cm3以上の高密度が容
易に得られない等の問題を生じる。
【0005】これらの問題を解決するためには、(1)
バインダ量を低減して着肉を促進させたり、(2)加圧
力を15g/cm3以上に上げて充填性を高める等が挙
げられる。
【0006】しかし、バインダ量を1質量%以下に低減
すれば、成形体密度は改善されるが、バインダの不足に
より乾燥時の成形体強度を低下させて、取扱い時に割れ
てしまう。また、加圧力を上げれば成形体全体の密度は
若干上がるが、鋳込み型に接した面のみの充填性が上が
るだけで、結果として内部との密度差が生じて、乾燥時
にクラックが発生してしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形体密度
を向上させ、焼結割れを起こさずに高密度が容易に得ら
れるITO大型成形体の作製方法を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のITO大型成形
体の作製方法は、酸化インジウム粉末と酸化錫粉末との
混合粉末、または酸化インジウム・酸化錫化合物粉末が
機械的に解砕されて、最大粒径が1μm以下であり、粒
度分布の累積の90%にあたる粒径が0.50〜0.7
8μmの範囲内にあり、粒度分布の累積の50%にあた
る粒径が0.40〜0.61μmの範囲内にある粒度分
布で、水および有機分散剤に混合されているスラリーを
得て、加圧鋳込み成形を行い、乾燥して得る。成形体密
度は、3.5g/cm3以上である。
【0009】前記スラリーのスラリー粘度が、5〜15
dPa・s(/25℃)に調整されることが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者らは、成形体密度向上に
ついて、鋭意研究を行った結果、(1)粒度分布が比較
的シャープであること、(2)粒径が微細になりすぎな
いこと、(3)スラリー粘度を5〜15dPa・sに調
整することが、成形体密度の向上に重要であることを見
出した。
【0011】すなわち、粒度分布が幅広いと、一見、充
填性が向上するように思われるが、鋳込み成形において
は、脱水に伴って、動きやすい粗粒子が鋳込み型近傍に
堆積するため、組織の不均一により成形体密度を向上さ
せることができない。
【0012】また、粒径が微細であると、粒子表面にあ
る水膜の分離が困難となり、所望の成形体密度が得られ
ないばかりでなく、乾燥が容易に行われなくなる。
【0013】スラリー粘度に関しても、調整が必要であ
る。本発明の粒度分布の範囲内でスラリー粘度が高い
と、流動性の低下による充填性の悪化があり、鋳込み時
の粒子の配列を妨げて、所望の密度が得られない。逆
に、本発明の粒度分布の範囲内でスラリー粘度が低い
と、気泡を巻き込みやすくなり、鋳込み成形中に粒子が
沈降し、均一な組織が得られにくい。なお、スラリー粘
度は、スラリー濃度や有機分散剤の添加により調整でき
る。
【0014】本発明の詳細について、以下に説明する。
【0015】「原料粉末」酸化インジウム粉末、酸化錫
粉末、酸化インジウム・酸化錫化合物粉末には、比表面
積10m2/g以下、好ましくは3〜8m2/g、最大粒
径4μm以下のものを用いる。この範囲を超えると、粉
末の凝集力が強くて、解砕が困難となったり、焼結性に
悪影響を及ぼす。この粉末を水・有機分散剤に添加し、
濃度60%以上のスラリーを作製する。
【0016】「混合・解砕」混合は、湿式ボールミル、
振動ミル等を用いることができるが、本発明にある粒径
を得るには、凝集対の解砕効率が高く、シャープな粒度
分布が得られやすい高速媒体攪拌ミルを用いることが最
も好ましい。
【0017】粉砕に用いる際のボールはφ0.3〜0.
5mmのZrO2ボールを用い、周速は10m/s程度
で任意の時間だけ解砕を行う。解砕時間が短いと、最大
粒径が1μm以下にならず、逆に長すぎると、微細な粒
が増加し、所望の粒度分布が得られない。ボールの充填
率は80%程度が好ましい。なお、解砕はスラリー中で
行う(スラリー解砕)のが好ましい。
【0018】「スラリー粒度分布」解砕されたスラリー
中粒子の粒度は、最大粒径が1μm以下であり、粒度分
布の累積の90%にあたる粒径が0.50〜0.78μ
m、粒度分布の累積の50%にあたる粒径が0.40〜
0.61μmの範囲にあることが重要である。すなわ
ち、粒径が大きいことにより、鋳込み時の脱水に優れる
ばかりでなく、充填性が高まり、成形体密度が向上す
る。ただし、この範囲を超える微粒、粗粒が多く存在す
ると、沈降安定性が悪化したり、組織が不均一になり、
成形体密度が向上しない。
【0019】「分散剤」カルボキシル基を有するアクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、カルボン酸を主成分
とした重合体、もしくは共重合体を、塩基溶剤、例えば
アンモニアに溶かすことにより、分散剤として用いるこ
とができる。重合体または共重合体の添加量は、粒子径
が大きいので少量でよく、スラリー中の原料粉末の合計
質量に対して、0.3〜1質量%の範囲がよい。添加方
法は、前記解砕の際に、分散剤を水で希釈し、スラリー
中に添加する。これにより、分散度を高めることができ
る。
【0020】ITOスラリーにおいては、カルボキシル
基を官能基にもつ分散剤を用いると、スラリー粘度のみ
ならず、沈降安定性やバインダ接着性への悪影響がな
い。ただし、分散剤の量平均分子量(Mw)が1万〜5
万の範囲を超えると、バインダの接着性・弾性が失われ
て、成形体の脆弱性をきたす。また、pHが7〜11の
範囲を超えると、スラリー粘度が悪化して、安定した鋳
込み成形ができない。
【0021】「バインダ」バインダ、消泡剤、潤滑剤
は、スラリー解砕後に添加する。
【0022】バインダとしては、水系アクリルエマルジ
ョン系が好ましい。添加量は、スラリー中の原料粉末の
合計質量に対して、0.5〜1質量%が好ましい。本明
細書の水系アクリルエマルジョンとは、水および界面活
性剤からなる溶液中に、アクリロニトリル、メタクリル
酸エステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸メチル等の重合体もしくは共重合体を主
成分とした樹脂粒子が、分散しているものをいう。
【0023】バインダの樹脂粒子径は0.1μm以下で
ないと、粉末粒子表面への接着が完全に行われずに、鋳
込み時に流出してバインダの偏析を生じる。樹脂粒子径
は、0.05〜0.1μmが好ましい。
【0024】「消泡剤」消泡剤としては、エーテル系、
鉱油系などが用いられる。添加量は、スラリー中の原料
粉末の合計質量に対して、0.05質量%以下が好まし
い。添加しない場合で、スラリー作製後に泡が立つよう
であれば、スラリーを攪拌しながら真空脱泡すれば、泡
立ちを回避できる。
【0025】「潤滑剤」充填性を向上させる目的で、潤
滑剤を微量加える。潤滑剤の種類としては、ステアリン
酸エマルジョン系が好ましい。添加量は、スラリー中の
原料粉末の合計質量に対して0.05質量%以下が好ま
しい。
【0026】「真空脱泡・攪拌」前述のように、スラリ
ーの泡立ちを抑えるために必要であれば、スラリーを攪
拌しながら真空脱泡を行う。この際の真空度は、76m
mHg以下、真空引きの時間は1hを超えてはならな
い。高真空度にしたり、長時間の真空引きを行うと、分
散剤の性状・組成に障害が起こる。
【0027】攪拌は、攪拌羽等を用い、5h以上、好ま
しくは12h以上行うことで、より一層のバインダ粘着
効果がある。攪拌により、バインダの粉末粒子への造膜
向上や、微細な気泡の除去等ができる。
【0028】「成形」スラリーを充分に真空脱泡した後
は、石膏等の型を用いて成形することができるが、強
度、脱着性に優れたフェノール樹脂製多孔質型で成形す
ることが好ましい。この際の成形圧力は、5kg/cm
2以上、好ましくは8〜10kg/cm2の加圧で、注入
・脱水することが好ましい。ただし、粒径が大きいと吸
着水の分離が活発になる分、着肉が急激に行われやすく
なる。急激な着肉は、成形体内部の脱水の障壁になるた
め、加圧力もしくは加圧時間による着肉速度の制御が必
要となる。これにより、充填性が向上し、成形体密度が
さらに高まる。
【0029】「初期乾燥」初期乾燥時の乾燥速度が高い
と、クラックの発生原因となるばかりか、表面のみの乾
燥が進み、内部の乾燥が行われず、乾燥時間が遅れる。
ただし、組織の均一化等の効果から、本発明の範囲内で
あれば、初期乾燥時のクラックは大きな問題とならな
い。好ましくは温度30〜40℃、湿度75〜85%で
初期乾燥を行うと、3〜4日で終了できる。
【0030】「完全乾燥」初期乾燥を行うと、完全乾燥
時の乾燥速度が高くても、クラックは発生しない。これ
は、初期乾燥が終了した時点で、含水量の低下と共に成
形体強度が著しく向上しているためである。完全乾燥
は、30〜150℃の除湿乾燥中で行うことができる。
100℃程度の温度を選べば、1〜2日の完全乾燥で、
水分を完全除去できる。
【0031】「成形体密度」密度を大幅に向上させるこ
との効果として、(1)焼結収縮率の低下による焼結割
れの抑制、(2)充填性を高めることでの組織の均一化
による乾燥時のクラック抑制等が挙げられる。また、成
形体密度が向上すると共に、成形体強度も高まるため
に、従来のバインダの添加量より少なくて済み、成形体
密度をさらに高めることができる。さらに、バインダの
添加量を低減できることで、焼結時の脱脂による割れが
抑制される効果もある。
【0032】成形体密度が低いと、強度不足による乾燥
時の割れが生じるばかりでなく、焼結時の焼結収縮率が
大きくなって、焼結割れ等が起こる。乾燥後の成形体密
度が3.5g/cm3以上になるようであれば、初期乾
燥時の乾燥速度が3.0g/hを超えても、割れが生じ
ない。
【0033】「焼結」最終的には、完全乾燥した成形体
を、酸素雰囲気中にて焼結し、焼結体を得る。
【0034】昇温過程で酸素を導入して焼結を行うと、
7.0g/cm3以上の高密度な焼結体が得られる。酸
素を導入する場合の酸素流量としては、10〜20L/
minが好ましい。20L/minを超える流量の酸素
を導入すると、焼結炉内が冷却され、焼結炉内の均熱が
低下してしまう。
【0035】そして、焼結中の昇温速度においては、8
00℃から1600℃までの間、特に、1000℃から
1300℃までの間の昇温速度を、1〜10℃/min
に高める必要がある。すなわち、1000〜1300℃
という温度範囲は、原料粉末の焼結が最も活発化する温
度範囲であり、この温度範囲での昇温速度が1℃/mi
nより小さいと、結晶粒成長が著しくなり、高密度が得
られにくくなる。また、昇温速度が10℃/minより
大きいと、焼結炉内の均熱が低下し、その結果、焼結中
の収縮量に分布が生じて、焼結体は割れてしまう。
【0036】本発明では従来に比べて粉末粒径が大きい
ために、焼結温度を高めにする必要がある。
【0037】高密度の焼結体を得るには、焼結温度は1
300〜1600℃、好ましくは1500〜1600℃
がよい。この際の焼結時間は30h以上とする。焼結温
度が1300℃以下であると、高密度の焼結体を得るこ
とができない。高温保持中は、蒸発、および結晶粒成長
の活発化により、焼結密度が低下することを防ぐため
に、20L/minの酸素導入が必須である。
【0038】「粒度分布の測定法」混合・解砕後に得た
スラリーを、25℃に保った室内において、レーザ解析
式粒度分布測定装置で、粒度分布を測定した。粒度分布
測定装置には、(株)島津製作所製、SALD2000
を用い、測定時間30sで行った。
【0039】「粘度の測定法」有機分散媒を添加し、攪
拌・混合後に得たスラリーを、25℃に保った室内にお
いて3h放置し、粘度安定後に、無作為にビーカ中へ1
00cm3抽出して、JIS−K7117に準じて単一
円筒形回転粘度計で粘度測定を行った。粘度計は、ビス
トメトロン粘度計(芝浦システム(株)製、SB型)を
用い、回転数60rpm、測定時間1minで行った。
【0040】「密度測定法」成形体密度は、完全乾燥後
の寸法および質量から算出した。
【0041】焼結体密度は、焼結後に焼結体全面を平面
研削盤で平板状に加工して、寸法および質量から算出し
た。
【0042】「焼結収縮率」焼結収縮率は、完全乾燥し
た成形体の長手方向の寸法、および収縮した焼結体の長
手方向の寸法を測定し、それらの寸法差から算出した。
【0043】本発明の実施例について、以下に説明す
る。
【0044】(実施例1)比表面積6m2/gで最大粒
径2μmの酸化インジウム粉末40.00kg、および
比表面積7m2/gで最大粒径3μmの酸化錫粉末4.
44kgに、純水10.58kgと、カルボン酸アンモ
ニウム塩分散剤(固形分40質量%、マルバン製X75
4B)444gとを加え、φ0.5mmのZrO2ボー
ルを用いて高速媒体攪拌ミル(周速10m/s)で10
0minの解砕を行った。
【0045】得られたスラリーのスラリー粘度は7.8
dPa・sであった。
【0046】このスラリーの一部を取り出し、粒度分布
を測定した。粒度分布の累積の90%にあたる粒径が
0.56μmであり、粒度分布の累積の50%にあたる
粒径が0.42μmであった。
【0047】スラリーから20kg取り出し、アクリル
エマルジョンバインダ(固形分40質量%、三井化学製
WA320)200g、ステアリン酸エマルジョン潤滑
剤(固形分30質量%、サンノプコ製LU−6418)
2g、およびエーテル系消泡剤(固形分100質量%、
サンノプコ製387)2.0gを加え、真空脱泡を40
min行い、大気中での攪拌を12h行った後、寸法5
00×750×10mmのフェノール製セラプラスト
(ニッコー製)型に注入し、加圧力5kg/cm 2で鋳
込み成形を90min行った。脱型した成形体を、初期
乾燥させるために40℃×80%RHに保った恒温恒湿
槽で80h乾燥させた。
【0048】乾燥した成形体を取り出してクラックの発
生を調べたが、クラックは見られなかった。
【0049】さらに、110℃で完全乾燥した。
【0050】成形体密度を測定したところ、3.64g
/cm3であった。
【0051】完全乾燥した成形体を、昇温速度1℃/m
inに保ちながら、酸素を20L/minで導入し、1
550℃で24h焼結した。
【0052】得られた焼結体は、焼結割れもなく、焼結
密度は7.05g/cm3であった。
【0053】さらに、長手方向において、乾燥成形体の
寸法に対する焼結体の寸法の比から、焼結収縮率を求め
ると、21%であった。
【0054】(実施例2)比表面積4m2/gで最大粒
径4μmの酸化インジウム・酸化錫化合物(SnO2
0.2質量%)粉末44.44kgに、純水10.58
kgと、カルボン酸アンモニウム塩分散剤(固形分40
質量%、マルバン製X754B)444gとを加え、φ
0.5mmのZrO2ボールを用いて高速媒体攪拌ミル
(周速10m/s)で100minの解砕を行った。
【0055】得られたスラリーのスラリー粘度は5.2
dPa・sであった。
【0056】このスラリーの一部を取り出し、粒度分布
を測定した。粒度分布の累積の90%にあたる粒径が
0.78μmであり、粒度分布の累積の50%にあたる
粒径が0.61μmであった。
【0057】得られたスラリーから実施例1と同様にし
て、成形体を得て、初期乾燥を行った。
【0058】乾燥した成形体を取り出してクラックの発
生を調べたが、クラックは見られなかった。
【0059】さらに、実施例1と同様にして完全乾燥し
た。
【0060】成形体密度を測定したところ、3.72g
/cm3であった。
【0061】完全乾燥した成形体を、実施例1と同様に
して、焼結した。
【0062】得られた焼結体は、焼結割れもなく、焼結
密度は7.01g/cm3であった。
【0063】さらに、焼結収縮率を求めると、18%で
あった。
【0064】(実施例3)比表面積4m2/gで最大粒
径4μmの酸化インジウム・酸化錫化合物(SnO2
0.2質量%)粉末44.44kgに、純水10.58
kgと、カルボン酸アンモニウム塩分散剤(固形分40
質量%、マルバン製X754B)444gとを加え、φ
0.5mmのZrO2ボールを用いて高速媒体攪拌ミル
(周速10m/s)で160minの解砕を行った。
【0065】得られたスラリーのスラリー粘度は6.9
dPa・sであった。
【0066】このスラリーの一部を取り出し、粒度分布
を測定した。粒度分布の累積の90%にあたる粒径が
0.65μmであり、粒度分布の累積の50%にあたる
粒径が0.51μmであった。
【0067】得られたスラリーから実施例1と同様にし
て、成形体を得て、初期乾燥を行った。
【0068】乾燥した成形体を取り出してクラックの発
生を調べたが、クラックは見られなかった。
【0069】さらに、実施例1と同様にして完全乾燥し
た。
【0070】成形体密度を測定したところ、3.74g
/cm3であった。
【0071】完全乾燥した成形体を、実施例1と同様に
して、焼結した。
【0072】得られた焼結体は、焼結割れもなく、焼結
密度は7.04g/cm3であった。
【0073】さらに、焼結収縮率を求めると、18%で
あった。
【0074】(実施例4)比表面積6m2/gで最大粒
径4μmの酸化インジウム・酸化錫化合物(SnO2
0.2質量%)粉末44.44kgに、純水9.50k
gと、カルボン酸アンモニウム塩分散剤(固形分40質
量%、マルバン製X754B)444gとを加え、φ
0.5mmのZrO2ボールを用いて高速媒体攪拌ミル
(周速10m/s)で160minの解砕を行った。
【0075】得られたスラリーのスラリー粘度は14.
2dPa・sであった。
【0076】このスラリーの一部を取り出し、粒度分布
を測定した。粒度分布の累積の90%にあたる粒径が
0.53μmであり、粒度分布の累積の50%にあたる
粒径が0.41μmであった。
【0077】得られたスラリーから実施例1と同様にし
て、成形体を得て、初期乾燥を行った。
【0078】乾燥した成形体を取り出してクラックの発
生を調べたが、クラックは見られなかった。
【0079】さらに、実施例1と同様にして完全乾燥し
た。
【0080】成形体密度を測定したところ、3.78g
/cm3であった。
【0081】完全乾燥した成形体を、実施例1と同様に
して、焼結した。
【0082】得られた焼結体は、焼結割れもなく、焼結
密度は7.09g/cm3であった。
【0083】さらに、焼結収縮率を求めると、19%で
あった。
【0084】(実施例5)比表面積4m2/gで最大粒
径4μmの酸化インジウム・酸化錫化合物(SnO2
0.2質量%)粉末20.00kgに、純水4.88k
gと、カルボン酸アンモニウム塩分散剤(固形分40質
量%、マルバン製X754B)200gとを加え、φ3
mmのZrO2ボールを用いて高速媒体攪拌ミル(周速
0.7m/s)で72hの解砕を行った。
【0085】得られたスラリーのスラリー粘度は5.2
dPa・sであった。
【0086】このスラリーの一部を取り出し、粒度分布
を測定した。粒度分布の累積の90%にあたる粒径が
0.68μmであり、粒度分布の累積の50%にあたる
粒径が0.54μmであった。
【0087】スラリーの総量に、アクリルエマルジョン
バインダ(固形分40質量%、三井化学製WA320)
35g、ステアリン酸エマルジョン潤滑剤(固形分30
質量%、サンノプコ製LU−6418)1g、およびエ
ーテル系消泡剤(固形分100質量%、サンノプコ製3
87)1gを加え、真空脱泡を20min行い、大気中
での攪拌を12h行った後、寸法500×750×10
mmのフェノール製セラプラスト(ニッコー製)型に注
入し、加圧力5kg/cm2で鋳込み成形を90min
行った。脱型した成形体を、初期乾燥させるために40
℃×80%RHに保った恒温恒湿槽で80h乾燥させ
た。
【0088】乾燥した成形体を取り出してクラックの発
生を調べたが、クラックは見られなかった。
【0089】さらに、実施例1と同様にして完全乾燥し
た。
【0090】成形体密度を測定したところ、3.53g
/cm3であった。
【0091】完全乾燥した成形体を、実施例1と同様に
して、焼結した。
【0092】得られた焼結体は、焼結割れもなく、焼結
密度は7.01g/cm3であった。
【0093】さらに、焼結収縮率を求めると、23%で
あった。
【0094】(比較例1)比表面積12m2/gで最大
粒径3μmの酸化インジウム粉末40.00kg、およ
び比表面積7m2/gで最大粒径3μmの酸化錫粉末
4.44kgに、純水10.58kgと、カルボン酸ア
ンモニウム塩分散剤(固形分40質量%、マルバン製X
754B)888gとを加え、φ0.5mmのZrO2
ボールを用いて高速媒体攪拌ミル(周速10m/s)で
100minの解砕を行った。
【0095】得られたスラリーのスラリー粘度は15.
4dPa・sであった。
【0096】このスラリーの一部を取り出し、粒度分布
を測定した。粒度分布の累積の90%にあたる粒径が
0.32μmであり、粒度分布の累積の50%にあたる
粒径が0.25μmであった。
【0097】得られたスラリーから実施例1と同様にし
て、成形体を得て、初期乾燥を行った。
【0098】乾燥した成形体を取り出してクラックの発
生を調べたが、クラックは見られなかった。
【0099】さらに、実施例1と同様にして完全乾燥し
た。
【0100】成形体密度を測定したところ、3.34g
/cm3であった。
【0101】完全乾燥した成形体を、実施例1と同様に
して、焼結した。
【0102】得られた焼結体は、3分割に焼結割れを起
こしていて、焼結密度は6.96g/cm3であった。
さらに、焼結収縮率を求めると、24%であった。
【0103】(比較例2)比表面積3m2/gで最大粒
径5μmの酸化インジウム粉末40.00kg、および
比表面積7m2/gで最大粒径3μmの酸化錫粉末4.
44kgに、純水10.58kgと、カルボン酸アンモ
ニウム塩分散剤(固形分40質量%、マルバン製X75
4B)444gとを加え、φ0.5mmのZrO2ボー
ルを用いて高速媒体攪拌ミル(周速10m/s)で10
0minの解砕を行った。
【0104】得られたスラリーのスラリー粘度は3.6
dPa・sであった。
【0105】このスラリーの一部を取り出し、粒度分布
を測定した。粒度分布の累積の90%にあたる粒径が
0.94μmであり、粒度分布の累積の50%にあたる
粒径が0.78μmであった。
【0106】得られたスラリーから実施例1と同様にし
て、成形体を得て、初期乾燥を行った。
【0107】乾燥した成形体を取り出してクラックの発
生を調べたが、クラックは見られなかった。
【0108】さらに、実施例1と同様にして完全乾燥し
た。
【0109】成形体密度を測定したところ、3.46g
/cm3であった。
【0110】完全乾燥した成形体を、実施例1と同様に
して、焼結した。
【0111】得られた焼結体は、大きく反り曲がってい
て、焼結密度は6.87g/cm3であった。さらに、
焼結収縮率を求めると、19%であった。
【0112】(比較例3)比表面積10m2/gで最大
粒径2μmの酸化インジウム粉末40.00kg、およ
び比表面積7m2/gで最大粒径3μmの酸化錫粉末
4.44kgに、純水12.46kgと、カルボン酸ア
ンモニウム塩分散剤(固形分40質量%、マルバン製X
754B)444gとを加え、φ0.5mmのZrO2
ボールを用いて高速媒体攪拌ミル(周速10m/s)で
30minの解砕を行った。
【0113】得られたスラリーのスラリー粘度は4.6
dPa・sであった。
【0114】このスラリーの一部を取り出し、粒度分布
を測定した。粒度分布の累積の90%にあたる粒径が
0.77μmであり、粒度分布の累積の50%にあたる
粒径が0.63μmであった。
【0115】得られたスラリーから実施例1と同様にし
て、成形体を得て、初期乾燥を行った。
【0116】乾燥した成形体を取り出してクラックの発
生を調べたが、側面にクラックが生じていた。
【0117】さらに、実施例1と同様にして完全乾燥し
た。
【0118】成形体密度を測定したところ、3.41g
/cm3であった。
【0119】
【発明の効果】本発明によれば、鋳込みに用いるスラリ
ーの粘度・粒度分布を制御することにより、成形体密度
を飛躍的に向上させることができる。その結果、従来、
問題視されていた乾燥時のクラックは、発生しなくな
り、さらに、焼結時の収縮を抑えることで、焼結割れや
反り・曲がりが改善された。これにより、製品歩留まり
が向上するという追加効果も得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G030 AA34 AA39 BA02 BA15 GA11 GA14 GA16 GA18 GA20 4G052 CA05 CA09 CB14 4K029 BA45 BA50 BC09 DC05 DC07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形体密度が3.5g/cm3以上であ
    るITO大型成形体の作製方法であり、酸化インジウム
    粉末と酸化錫粉末との混合粉末、または酸化インジウム
    ・酸化錫化合物粉末が機械的に解砕されて、最大粒径が
    1μm以下であり、粒度分布の累積の90%にあたる粒
    径が0.50〜0.78μmの範囲内にあり、粒度分布
    の累積の50%にあたる粒径が0.40〜0.61μm
    の範囲内にある粒度分布で、水および有機分散剤に混合
    されているスラリーを得て、加圧鋳込み成形を行い、乾
    燥して得ることを特徴とするITO大型成形体の作製方
    法。
  2. 【請求項2】 前記スラリーのスラリー粘度が、5〜1
    5dPa・s(/25℃)に調整されることを特徴とす
    る請求項1に記載のITO大型成形体の作製方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007055055A (ja) * 2005-08-24 2007-03-08 Ulvac Material Kk 成形型、板状焼結体及びその製造方法、並びにスパッタリングターゲット及びその製造方法
KR101177491B1 (ko) 2007-07-27 2012-08-27 삼성코닝정밀소재 주식회사 원통형 산화물 성형체 및 이를 이용한 원통형 산화물타겟의 제조 방법
JP2012171333A (ja) * 2011-02-24 2012-09-10 Taiheiyo Cement Corp セラミックス製品の製造方法およびこれに用いられる成形型

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