JP2002274287A - 車体吸音パネル - Google Patents

車体吸音パネル

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JP2002274287A
JP2002274287A JP2001081250A JP2001081250A JP2002274287A JP 2002274287 A JP2002274287 A JP 2002274287A JP 2001081250 A JP2001081250 A JP 2001081250A JP 2001081250 A JP2001081250 A JP 2001081250A JP 2002274287 A JP2002274287 A JP 2002274287A
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JP2001081250A
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English (en)
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Masaaki Morikawa
正明 森川
Mitsuki Ikeda
光希 池田
Hiroki Ueda
宏樹 上田
Toshimitsu Tanaka
俊光 田中
Ichiro Yamagiwa
伊知郎 山極
Koji Fukumoto
幸司 福本
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Kobe Steel Ltd
Toyota Motor Corp
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Kobe Steel Ltd
Toyota Motor Corp
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  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車体の軽量化を損なわない範囲で、幅広い
周波数範囲の吸音性能とともに特定周波数の吸音性能を
も向上させた車体吸音パネルを提供することである。 【解決手段】 多数の貫通穴6 を有するエンボス板4
を、所定の間隔を設けて、車体パネル2 の内側に取り付
け、エンボス板4 と車体パネル2 の間に空気層3 を形成
し、更にエンボス板4 の内側に多孔質な吸音材5 を取り
付けたことである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸音性に優れた自
動車などの車体パネルである、車体吸音パネルに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車などの車体パネルには、本
来有すべき強度や剛性の他に、優れた吸音性なども求め
られるようになっている。例えば、自動車のボンネット
であれば、車体内部のエンジン音を吸音して低減し、車
両走行を快適化する吸音効果が求められる。
【0003】このため、従来から、騒音を低減しようと
する特定の車体パネルの内側に、吸音材を取り付ける方
法が行われている。この方法は、例えば、ボンネット、
エンジンアンダーカバーなどの車体パネルの内側に、グ
ラスウール、フェルト、ロックウールなどの多孔質な吸
音材を張り付けるものである。そして、この張り付けた
吸音材の材料特性により、エンジン音を吸音しようとす
るものである。
【0004】これら多孔質吸音材の材料特性を利用して
吸音効果を出す方法では、複数の周波数の吸音、言い換
えると、ある程度の幅広い周波数範囲に対する吸音性能
を確保することが可能である。しかしながら、これら吸
音材が前記所望の吸音性能を達成するためには、吸音材
の厚みを増す乃至大きくする必要がある。このため、多
量の吸音材が必要となり、使用吸音材による車体重量の
増加も大きく、車体軽量化のための障害となり、使用吸
音材による車体コストの増加も無視できない。
【0005】このため、これら多孔質吸音材の課題を解
決するための車体吸音パネルが従来から種々提案されて
いる。
【0006】この代表的な例は、多数の貫通穴を有する
穴開き吸音板を使用するものであって、例えば、車体パ
ネルの内側 (裏面、背面) に、この吸音板を所定の間隔
を設けて取り付け、これによって、吸音板と車体パネル
との間に空気層を形成するものである。
【0007】この車体吸音パネルは、吸音板の貫通穴を
騒音の共鳴穴として作用させるとともに、吸音板と車体
パネルとの間の空気層も騒音の共鳴室として作用させ、
特定周波数に対する吸音性能を高めようとするものであ
る。そして、吸音板の貫通穴の形状、大きさ、ピッチ
や、空気層の厚みによって、特定吸音周波数を選択する
ことができる。
【0008】より具体的には、多数の貫通穴を有する吸
音板の吸音性能は次式1 によって定まる。即ち、吸音板
の開口率β、吸音板の板厚t 、貫通穴半径b 、空気層の
厚みd などから、次式1 によって共鳴周波数f が定ま
り、吸音しようとする周波数が設定できる。
【0009】
【数1】 ここで、f ; 共鳴周波数、c;音速、β; 吸音板の開口
率、t ; 吸音板の板厚、b ; 貫通穴半径、d ; 空気層の
厚さ、である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記式
1 からも分かる通り、特定の穴開き吸音板の吸音性能は
上記式1 で定まる特定の周波数f とその近傍のみでしか
発揮されない。このため、1 個の特定吸音板のみによっ
ては、幅広い周波数範囲に対する吸音性能を確保するこ
とが困難となる。
【0011】これに対し、樹脂板に大きさの異なる (吸
音周波数の異なる) 貫通穴を設け、幅広い周波数範囲に
対する吸音性能を確保することも試みられている。しか
し、この方法によっても、設ける貫通穴数には限界があ
り、特定の穴径の貫通穴の絶対数は各々少なくなる。こ
のため、個々の特定周波数に対する吸音性能は却って低
下し、結果として、幅広い周波数範囲に対する吸音性能
を確保できない。
【0012】したがって、従来の車体パネルは車体の軽
量化を損なわない範囲での、特定の周波数範囲に対する
吸音性能に加え、幅広い周波数範囲に対する吸音性能が
充分ではなかった。
【0013】本発明はこの様な事情に着目してなされた
ものであって、その目的は、車体の軽量化を損なわない
範囲で、幅広い周波数範囲の吸音性能とともに特定周波
数の吸音性能をも向上させた車体吸音パネルを提供しよ
うとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明車体吸音パネルの請求項1 の要旨は、多数の
貫通穴を有するエンボス板を、所定の間隔を設けて、車
体パネルの内側に取り付け、エンボス板と車体パネルの
間に空気層を形成し、更にエンボス板の内側に多孔質な
吸音材を取り付けたことである。
【0015】上記のような構成とすることによって、前
記吸音材と穴開き吸音板 (エンボス板) との互いの効果
を相乗させ、車体パネルの軽量化の目的を損なわない範
囲で、車体吸音パネルの特定周波数の吸音性能とともに
幅広い周波数範囲の吸音性能をも向上させることが可能
となる。
【0016】また、本発明車体吸音パネルでは、穴開き
吸音板として前記エンボス板を用いるため、板厚が薄く
ても、前記平板状の穴開き吸音板に比して剛性が高く、
本発明車体吸音パネルのより軽量化が図れ、車体パネル
の重量増加を最小限に抑えることができる。
【0017】なお、本発明で言うエンボス板とは、平板
状の薄板に、ロールやプレス加工などによりエンボス
(凹凸) 加工を施し、薄板の全面または必要部分に、規
則的な或いは不規則な凹凸が多数乃至必要数設けられて
いるものを言う。
【0018】また、本発明車体吸音パネルの請求項2 の
要旨は、前記エンボス板をアルミニウム合金製とする。
これによって、吸音板の剛性を確保した上で、本発明車
体吸音パネルのより軽量化が図れ、車体パネルの重量増
加を最小限に抑えることができる。
【0019】更に、本発明車体吸音パネルの請求項3 の
要旨は、前記多孔質吸音材をグラスウールとし、本発明
車体吸音パネルの吸音経済性をより向上させることがで
きるものである。
【0020】
【発明の実施の形態】図1 から図3 を用いて、本発明車
体吸音パネルの実施態様を具体的に説明する。図1 は本
発明車体吸音パネルの各実施態様を示す斜視図、図2 は
図1 のA-A 線断面図である。また、図3 は本発明車体吸
音パネルの他の実施態様を示す断面図である。
【0021】まず、図1 、2 の本発明車体吸音パネル1a
は、多数の貫通穴6 を有するエンボス板4 を吸音板とし
て用い、所定の間隔t を設けて、アウターパネル (車体
パネル)2の内側 (裏面側、背面側) に取り付け、エンボ
ス板4 とアウターパネル2 の間に空気層3 を形成し、更
にエンボス板4 の内側 (裏面側、背面側) に多孔質な吸
音材5 を積層している。ここで、エンボス板4 は、平板
状の薄板にエンボス加工を施して、凸部7 凹部8 とから
なる規則的な凹凸が板全面に設けられている。
【0022】そして、本実施態様では、これらアウター
パネル2 、エンボス板4 、吸音材5を、図2 のみに示す
通り、ボルト、ナットなどの機械的な締結具9 により、
固定および一体化している。なお、これらの固定および
一体化は、エンボス板4 とアウターパネル2 に所定の間
隔を維持させることにより、所望する厚み tの空気層3
を形成できるのであれば、接着剤など他の固着乃至締結
手段が適宜使用可能である。
【0023】また、エンボス板4 や吸音材5 は、必ずし
も、アウターパネル2 の内面側を全て覆う乃至カバーす
る必要はない。言い換えると、車体パネルの使用部位や
騒音の状況、騒音の低減の必要性に応じて、アウターパ
ネル2 の内面側の適宜の箇所に部分的に、あるいは分散
して配置するようにしても良い。
【0024】図1 、2 の本発明車体吸音パネル1aは、上
記した構成のように、矢印で示すエンジン音などの車体
内部の音源X に対しては、多孔質な吸音材5 がまず前面
に配置され、次いでエンボス板4 、空気層3 、アウター
パネル2 の順に配置されている。
【0025】この結果、本発明車体吸音パネル1aでは、
音源X からの騒音が、まず、前面に配置された多孔質な
吸音材5 に衝突する。このため、吸音材5 の吸音特性に
対応して、多孔質部分を通過中に多くの周波数域の騒音
が吸収され、吸収されない残りの騒音は吸音材5 の多孔
質部分を透過することとなる。
【0026】なお、音源X に対して、グラスウールなど
の吸音材ではなく、エンボス板や平板などの穴開き吸音
板が前面に位置した場合、音源X からの騒音は、まず、
吸音板に衝突して、多くの周波数域の騒音が吸音板の貫
通穴以外の表面部分で反射されてしまい、吸音性能が低
下する。したがって、本発明車体吸音パネルでは、前記
した通り、音源X の前面には吸音材5 を配置し、その後
面に吸音板4 を配置する。
【0027】次に、前記吸音材5 を透過した残りの騒音
は、次いで、エンボス板4 の貫通穴6 を介し、空気層3
へ導入される。そして、エンボス板4 の貫通穴6 が騒音
の共鳴穴として作用するとともに、空気層3 も騒音の共
鳴室として作用し、複数の周波数の騒音や特定周波数の
騒音を効率的に吸収することができる。なお、この際、
エンボス板4 の貫通穴6 以外の表面部分で反射される騒
音も吸音材5 により吸収される。
【0028】本発明車体吸音パネルでは、このような構
成と作用を有するため、前記吸音材や空気層、そしてエ
ンボス板吸音板の互いの効果を相乗させることが可能で
ある。この結果、後述する実施例の通り、これら各吸音
手段単独の場合の吸音効果に比して、幅広い周波数範囲
の吸音性能とともに特定周波数の吸音性能をも著しく高
めることができる。このため、前記吸音効果を高めるた
めの吸音材層が薄くて済み、吸音材使用量も少量で済む
ため、使用吸音材による車体重量の増加や車体コストの
増加も最小限に抑制できる。
【0029】また、この図1 、2 の本発明車体吸音パネ
ル1aにおいて、穴開き吸音板をエンボス板とすることに
より、板厚が薄くても必要剛性を確保することができ、
平板状の場合に比して、高剛性化あるいは薄肉軽量化す
ることが可能である。
【0030】次に、別の実施態様である図3 の本発明車
体吸音パネル1bは、ボンネットなどより高い剛性が必要
な車体パネルを想定して、アウターパネル2 の内側に補
強用のインナーパネル10を取り付けて、一体化させた車
体パネル構造体としたものである。そして、それ以外の
構成は、前記図1 、2 の本発明車体吸音パネル1aと基本
的に同じ構成である。補強用のインナーパネル10として
は、通常のアウターパネルの補強に用いられる公知のイ
ンナーパネルを適宜用いることができる。
【0031】(車体パネル)本発明車体吸音パネルにおい
て、車体パネル2 自体を、アウターパネルのみ (単板)
とするか、図3 のように、アウターパネル2 の内側に補
強用の前記各インナーパネル10を、空間11を必要により
介して、取り付けて一体化させたパネル構造体とするか
は、ボンネット、エンジンアンダーカバー、フェンダ
ー、ルーフ、ドア、ダッシュボードパネルなどの、本発
明が適用される車体パネル部位により、必要な強度、剛
性の点から、適宜選択される。また、アウターパネルや
インナーパネルの材料も、必要な強度や剛性の他に、軽
量化や塗装性、耐食性などの必要特性に応じて、鋼板、
アルミニウム合金板、樹脂板などが適宜選択される。こ
の点は車体パネルの板厚の選択も同様である。
【0032】(空気層)本発明車体吸音パネルにおける空
気層3 は、騒音の共鳴室として作用し、エンボス板の貫
通穴と合わせて、空気層の厚みを変化させることで複数
の周波数の騒音や特定周波数の騒音を効率的に吸収する
ことができる。この空気層3 の最適厚みt は、車体パネ
ルの使用部位や騒音の状況、騒音の低減の必要性に応じ
て異なるものの、10〜50mmの範囲から選択するのが好ま
しい。
【0033】(エンボス板)本発明におけるエンボス板4
について、貫通穴6 の形状、大きさ、ピッチ、数を変化
させることで、空気層3 と合わせて、前記広い範囲の周
波数の騒音や特定周波数の騒音を効率的に吸収し、吸音
板としての役割を果たすことができる。なお、貫通穴6
はエンボス板4 の凹凸のいずれに設けても良い。
【0034】ここにおいて、エンボス板4 の貫通穴6 の
穴径はΦ3mm 以上とし、かつ開口率を1 〜5%とすること
により、前記吸音効果を確保した上で、エンボス板の加
工を容易ならしめ、車体吸音パネルの製作コストを低減
しうる点で好ましい。穴径がΦ3mm 未満と小さくなり過
ぎると、穴あけ加工などのエンボス板の製作が困難とな
る。
【0035】なお、エンボス板4 は、元々の自動車構成
要素である車体パネル2 や多孔質吸音材5 と異なり、新
規に付加され、重量増加分となる要素である。また、自
身の共振作用と合わせて、前記貫通穴による騒音の吸音
効果を発揮すべき要素である。したがって、エンボス板
4 の材質や板厚の選択は、基本的には、前記車体パネル
2 と同じ考え方であるが、前記軽量化や吸音効果の観点
も含めると、できるだけ薄板で軽量かつ強度が有る材料
が好ましい。
【0036】この点、鋼板、アルミニウム合金板、樹脂
板などがエンボス板4 として適宜使用可能であるが、そ
の中でも、前記請求項2 のように、AA乃至JIS 規格によ
る3000系、5000系、6000系などのアルミニウム合金製が
好ましい。
【0037】(多孔質吸音材)本発明における多孔質吸音
材5 は、吸音効果を発揮するために、本発明車体吸音パ
ネルにおいて、前記した通り、音源X からの騒音に対
し、前面に配置されることが重要である。更にまた、多
孔質吸音材5 自体としても、貫通穴乃至透過穴を多数有
し、多くの周波数域の騒音を吸収し、吸収されない騒音
を透過させる、吸音機能を有することが必要である。
【0038】このような多孔質である材料として、フェ
ルト、グラスウール、ロックウール等の不織布や繊維が
絡み合って多孔質となるような公知の吸音材料が使用可
能であり、この中から適宜選択される。但し、吸音特性
とコストとの関係 (吸音経済性) からすると、前記請求
項3 のように、グラスウールを選択することが好まし
い。
【0039】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。前記図1
、2 に示した形状構造の本発明車体吸音パネル (四角
形、1400mm×1400mm) を準備して、吸音特性を評価し
た。
【0040】この内、車体パネル2 は1.0mmtのJIS 5182
Al合金板を用いた。また、エンボス板 (吸音板)4a は、
0.3mmtのJIS 3004Al合金板を使用し、凹凸の頂点を結ん
だ格子の一辺の距離が10mm、凹凸の高さが1.2mm にエン
ボス加工した。そして、このエンボス加工板に、穴径が
Φ3mm で開口率が1%となるように穴あけ加工を施したも
のを、多数の貫通穴を有するエンボス板として使用し
た。
【0041】エンボス板4 とアウターパネル2 の間の空
気層3 の厚みt は 20mm とし、エンボス板4 の内側の多
孔質な吸音材5 として、グラスウールをかさ比重で500g
/m2積層した。なお、車体パネル2 、エンボス板4 、グ
ラスウールをこの順序に積層後、前記図2 に示したよう
に、車体吸音パネル四隅を締結具9 により固定一体化し
た。
【0042】比較のために、1.アウターパネル2 の裏面
にグラスウールのみをかさ比重で800g/m2 張り付けた従
来例、2.アウターパネル2 の裏面にグラスウールのみを
かさ比重で500g/m2 張り付けた比較例、3.上記発明例か
らグラスウールのみを除いた(穴開きエンボス板4 のみ
の) 比較例も、他の形状構造条件は上記発明例と同じと
して、吸音特性を評価した。
【0043】吸音測定は残響室内で行い、JIS A 1409に
基づき吸音率を測定した。まず、残響室中央に、アウタ
ーパネル2 が最下層となり( 図1 、2 の上下を逆になる
ように) 、また、グラスウール (インナー) 側が室中心
方向となるように、車体吸音パネルを配置した。そし
て、残響室のコーナー部に設置したスピーカーから種々
の周波数の音を室内に流し、車体吸音パネルの上方に4
箇所設けたマイクロホンにより集音して吸音率を測定し
た。これらの結果を図4 に示す。図4 は、以下の各例
の、各周波数 (横軸) に対する吸音率 (縦軸) を示して
いる。
【0044】この図4 から明らかな通り、図4 に白四角
の印で示すアウターパネル2 の裏面にグラスウールのみ
をかさ比重で800g/m2 張り付けた従来例は、400Hz 以下
の低周波数域や2100Hzを越える高周波数域で吸音率が優
れている。
【0045】これに対し、黒三角の印で示す本発明車体
吸音パネルは、200Hz 以下の低周波数から3150Hzの高周
波数まで、複数の周波数域の吸音率 (騒音の吸収率) に
優れる。また、これまで吸音率が充分でなかった800 〜
1000Hzの特定周波数の吸音率に優れる。しかも、前記従
来例に比して、著しく少ないグラスウール使用量(500g/
m2) で、前記従来例 (グラスウール使用量800g/m2)以上
の効果を達成している。したがって、吸音効果を高める
ための吸音材が少量で済み、使用吸音材による車体重量
の増加や車体コストの増加も最小限に抑制できることが
分かる。
【0046】また、図4 に黒四角の印で示す、アウター
パネル2 の裏面にグラスウールのみをかさ比重で500g/m
2 張り付けた比較例は、前記従来例 (グラスウール使用
量800g/m2)よりも吸音率が劣り、前記800 〜1000Hzの特
定周波数の吸音率が、本発明車体吸音パネルに比して、
著しく劣る。
【0047】更に、図4 に白丸の印で示す、上記発明例
からグラスウールのみを除いた比較例は、前記低周波数
から高周波数までの複数の周波数域の吸音率が前記従来
例 (グラスウール使用量800g/m2)よりも劣り、前記800
〜1000Hzの特定周波数の吸音率も、本発明車体吸音パネ
ルに比して、著しく劣る。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、車体の軽量化を損なわ
ない範囲で、幅広い周波数域の騒音の吸収率や特定周波
数域の騒音の吸収率を向上させた車体吸音パネルを提供
することができる。また、本発明車体吸音パネルにおい
ては、穴開き吸音板をエンボス板としているため、板厚
が薄くても必要剛性を確保することができ、平板状の場
合に比して、高剛性化あるいは薄肉軽量化することが可
能である。更に、本発明は、これら吸音効果だけでな
く、車体パネル自体の簡便な改良によって、車体パネル
を吸音パネル化させているため、ボンネット、エンジン
アンダーカバーなどのエンジン音を主体とする騒音の低
減に適用されるだけではなく他のフェンダー、ルーフ、
ドア、ダッシュボードパネルなどの、要は騒音を低減し
たい車体パネルに自由に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明車体吸音パネルの一実施態様を示す斜視
図である。
【図2】図1 の本発明車体吸音パネルのA-A 線断面図で
ある。
【図3】本発明車体吸音パネルの別の実施態様を示す断
面図である。
【図4】本発明車体吸音パネルの吸音効果を示す説明図
である。
【符号の説明】
1:車体吸音パネル、2:車体(アウター)パネル、3:空気
層、4:エンボス板、5:多孔質吸音材、6:貫通穴、7:凸
部、8:凹部、9:締結具、10: インナーパネル、11: 空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 光希 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 上田 宏樹 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 田中 俊光 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 山極 伊知郎 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 福本 幸司 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 Fターム(参考) 3D023 BA03 BB21 BB29 BD21 BD22 BE31 BE35 5D061 AA12 AA16 AA22 BB07 BB21 BB24

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の貫通穴を有するエンボス板を、所
    定の間隔を設けて、車体パネルの内側に取り付け、エン
    ボス板と車体パネルの間に空気層を形成し、更にエンボ
    ス板の内側に多孔質な吸音材を取り付けたことを特徴と
    する車体吸音パネル。
  2. 【請求項2】 前記エンボス板がアルミニウム合金製で
    ある請求項1に記載の車体吸音パネル。
  3. 【請求項3】 前記多孔質吸音材がグラスウールである
    請求項1または2に記載の車体吸音パネル。
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