JP2002272054A - 電動機の防振装置 - Google Patents

電動機の防振装置

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JP2002272054A
JP2002272054A JP2001069806A JP2001069806A JP2002272054A JP 2002272054 A JP2002272054 A JP 2002272054A JP 2001069806 A JP2001069806 A JP 2001069806A JP 2001069806 A JP2001069806 A JP 2001069806A JP 2002272054 A JP2002272054 A JP 2002272054A
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rubber
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electric motor
motor
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Yoshiaki Ito
嘉章 伊藤
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Aichi Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動機の固定子鉄心から発生する電磁振動
が、電動機を使用する機器に及ぶのを抑制する。 【解決手段】 電動機1を、その軸方向の両端部に取付
けたリング状の防振ゴム21を介して取付枠体10に取
付・支持するようにした防振装置において、前記リング
状の防振ゴム21は、防振ゴム21とケース2,2a底
面との間に、前記防振ゴム21が遊嵌できる空間aを有
して、前記ケース2,2aの底面に外方に向けて凸設し
た軸受挿入筒3,3aの外周に取付け、前記防振ゴム2
1にて電動機1の固定子鉄心1bから発生する電磁振動
を良好に吸収可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、空気調和
機(エアコンディショナー)等の電気機器に使用するフ
ァン用電動機の防振装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、エアコンディショナー等機器内部
に電動機を直接組込んだ家庭用電気機器が種々普及して
きており、これらの電気機器においては、家庭生活環境
と密接に関係しているため、低騒音,低振動であること
が厳しく要求されている。前記騒音や振動の発生源は、
電動機の固定子鉄心と回転子との間の狭隘な間隙の不均
一に伴い発生する電磁力による振動や、回転子のアンバ
ランスによって生ずる振動が一般的であるが、これらは
原因が特定されているので、是正処置はある程度可能で
ある。しかし、電動機の運転中に固定子鉄心から発生す
る電磁振動は、機械的な加工処理による是正処置が難し
く、前記電磁振動は固定子鉄心からケースに伝播し、こ
のケースに設けた取付部を経て更に電動機を具備する電
気機器に伝播され、電気機器の一部を共振させて騒音を
発生する場合が大半である。このため、最近では、電動
機を内蔵したエアコンディショナー等電気機器の騒音,
振動を低減するために、例えば、電動機のケースに設け
た軸受挿入筒の外周にリング状の防振ゴムを嵌着し、こ
の防振ゴムを介して電動機を電気機器に取付けるように
していた。
【0003】前記騒音,振動を低減するための防振ゴム
を取付けた電動機の一例を図6ないし図7により説明す
る。図6において、1は電動機、2,2aは鋼板等をプ
レス等により椀状に成形して巻線1aを巻回した固定子
鉄心1bを嵌着して収容するための一対のケースで、こ
れらケース2,2aの軸方向の底面中央部には、回転子
4の回転子軸4aに圧入した軸受5を収容するための軸
受挿入筒3,3aが、ケース2,2aと一体的に押出成
形されており、前記ケース2,2aは、固定子鉄心1b
を嵌着収容した状態で止ネジbにて固定される。6は前
記ケース2,2aの軸受挿入筒3,3aの外周に取付け
るための防振ゴムで、図6,7に示すように、リング状
に形成されて、その内,外周面に配置した内側リング
7,外側リング8との間に、例えば、加流接着手段等に
より挟着されて抜脱不能に取付けられている。
【0004】そして、前記内・外両リング7,8間に挟
着保持された防振ゴム6をケース2,2aの軸受挿入筒
3,3aに取付ける場合は、図7に示すように、防振ゴ
ム6の1側面に突設したリング状の肉厚な当接鍔9をケ
ース2,2a側に相対向させて、前記軸受挿入筒3,3
aの外周に内側リング7を介してプレス等の図示しない
圧入手段を用いて嵌着することにより取付ける。
【0005】次に、前記のようにして防振ゴム6をケー
ス2,2aの軸受挿入筒3,3aに取付けたら、電動機
1を図6,7に示すように、金属板をコ字状に曲折した
取付枠体10の曲折片11a,11b上端の弧状部に、
前記外側リング8をその周溝8aを介して乗載する。つ
づいて、図6,7に示すように、防振ゴム6の外周に外
側リング8を介して前記外側リング8の上半分を囲繞す
るような状態で、一対の弧状の固定金具12,12を、
前記外側リング8にその周溝8aを介して被せる。
【0006】この後、前記固定金具12,12の下方端
側に穿孔した窓孔12a,12aに、電動機1を乗載す
る取付枠体10の曲折片11a,11b両端に形成した
図6に示す爪部13を係止させ、かつ、前記固定金具1
2,12の上方端側に設けた鍔片12b,12b同士を
ネジcとナットdを用いて締着することにより、防振ゴ
ム6を外側リング8を介して取付枠体10と固定金具1
2,12との間で挟持し、電動機1を取付枠体10に固
定する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そして、電動機1を駆
動すると、回転子4を回転させるための磁束を生成させ
る固定子鉄心1bからは、巻線1aへの通電によって生
じる電磁振動が発生し、この振動は固定子鉄心1b→ケ
ース2,2a→防振ゴム6→軸受5,5→軸受挿入筒
3,3a→固定金具12,12→取付枠体10を介して
電動機1を取付けた図示しない電気機器に伝播し、この
電気機器を共振(共鳴)させて電気機器から不快な騒音
が発生する。この際、前記電磁振動は、発生源である固
定子鉄心1bから電気機器に至る途中で防振ゴム6によ
ってある程度吸収される。
【0008】しかし、防振ゴム6はその形状が図8に示
すように、外側リング8の幅寸法より広くした肉厚な胴
部eと、この胴部eからケース2,2aの底面側に突出
させて胴部eと一体的に形成した当接鍔9とからなり、
胴部cの上端側縁と前記当接鍔9は、それぞれ防振ゴム
6を内・外リング7,8を介して軸受挿入筒3,3aに
装着することにより、ケース2,2aの底面と当接する
ように構成されている。
【0009】この結果、電動機1の駆動によって固定子
鉄心1bから発生する電磁振動は、前記のように、固定
子鉄心1bから直接ケース2,2aに伝播し、前記ケー
ス2,2aに伝播した電磁振動は、そのまま防振ゴム6
の上端側縁や当接鍔9を介して防振ゴム6に伝播してあ
る程度吸収緩和された状態で、固定金具12,12から
取付枠体10に伝播することになる。
【0010】前記電動機1の運転によって発生する固定
子鉄心1bからの電磁振動は、大部分が防振ゴム6によ
って吸収緩和されると思われるが、実際に図7に示す電
動機1を実機、例えば、エアコンディショナーの図示し
ない室内機に取付けた場合、防振ゴム6の有・無によっ
て騒音の度合は、当然差異があるものの、実際に防振ゴ
ム6を具備しているにもかかわらず、かなりの騒音が室
内機より発生していた。
【0011】前記室内機からの騒音は、電動機1自体を
防振ゴム6を介して取付枠体10に取付けて使用するた
め、電動機1は使用機器に直付けされていないにもかか
わらず発生していることから、防振ゴム6における電磁
振動の吸収性に起因していると思われる。即ち、防振ゴ
ム6はその一部がケース2,2aと直接当接しており、
しかも、防振ゴム6自体容積が比較的大きく、かつ、前
記ケース2,2aと内・外リング7,8との間で挟圧保
持されていることにより、柔軟性に欠けこの結果、電磁
振動の吸収緩和に乏しく、これらの点が騒音抑制を阻む
大きな要因になっているのではないかと考えられる。
【0012】そこで、図10に示すように、振動を人工
的に作り出して図8に示す防振ゴム6を用いた電動機1
における振動の伝達率を測定した。この場合、図10に
示すように、振動の伝達率を測定する機器として、例え
ば、公知のインパルスハンマー(振動の発生)14と、
電動機1に伝わる振動を検出する加速度ピックアップ1
5と、加速度ピックアップ15にて検出した振動を電気
的に分析し、これを所要の周波数帯毎に変換して前記振
動の伝達率を波形に表示可能とした周波数分析装置16
とからなる。
【0013】そして、前記インパルスハンマー14,加
速度ピックアップ15は、例えば、内部に圧電素子を備
え、この圧電素子に機械的な歪みを与えることにより、
圧電素子の電極に加速度に比例した電圧が発生する。前
記圧電素子から出力される電圧を事前に設定した電圧−
周波数変換機能を具備し、かつ、前記変換されたデータ
を演算処理等を実施し、周波数分析装置16の表示画面
16aに、所要の周波数帯毎における振動の伝達率を波
形図で表示し、この表示された波形図を読み取ることに
より、各周波数帯における振動の伝達率を容易に把握す
ることができるものである。
【0014】一般に、電動機1の駆動によって発生する
固定子鉄心1bからの電磁振動は、電源周波数の約2倍
(50Hz電源地域では100Hz,60Hz電源地域
では120Hz)となったところで発生していることは
よく知られている。図8に示す防振ゴム6を用いた電動
機1において、図10に示すように、インパルスハンマ
ー14にて電動機1に打撃し、その打撃によって生じる
人工的な振動の伝達率を測定することにした。
【0015】即ち、インパルスハンマー14にて電動機
1の外側からケース2,2aを打撃すると、その打撃に
よって発生した振動は、ケース2,2a→防振ゴム6→
軸受5,5→軸受挿入筒3,3a→固定金具12,12
→取付枠体10に伝播し、加速度ピックアップ15にて
振動に相当する電圧が検出され、その検出電圧は周波数
分析装置16に送出される。一方、インパルスハンマー
14にてケース2,2aを打撃したときに生じる振動加
速度も電圧に変換されて、前記周波数分析装置16に入
力される。
【0016】周波数分析装置16は、前記インパルスハ
ンマー14から出力される電圧と、加速度ピックアップ
15から検出して出力される電圧との電位差を事前に設
定した演算処理の条件下で演算処理し、かつ、その演算
処理値を更に所要周波数毎にデータ処理を施し、表示画
面16aに所要の周波数帯における振動の伝達率(マグ
ニチュード、以下MAGという)を波形の状態で表示す
る。
【0017】図11は図8に示す防振ゴム6を使用した
電動機1において、伝達率(MAG)を測定した結果を
示すもので、振動は周波数が120(Hz)を過ぎた時
点から順次低減していることが読みとれる。これは、図
8に示す防振ゴム6を使用しても、振動の伝達率(MA
G)は、120(Hz)付近が最大で、以降周波数帯が
順次大きくなるにつれて低減していることが判る。
【0018】前記人工的な振動を作り出してその伝達率
を測定した結果、図8に示す形状の防振ゴム6を使用し
ても、振動は周波数が120(Hz)を過ぎた時点から
順次低下するため、電動機1が取付枠体10を介して取
付けられた図示しない電気機器においては、振動の減衰
効果は余り期待できず、防振ゴム6を具備しているにも
かかわらず、依然として100(Hz)付近で振動が伝
達されることになるため、前記振動が電気機器と共振し
て騒音を良好に低減させるには到らなかった。前記振動
が余り低減できない理由としては、防振ゴム6自体がケ
ース2,2a底面に挟圧された状態で取付けられること
により、弾力性が劣化し、これが剛体としての役目を果
すことにより、振動の吸収が鈍化するのではないかと考
える。
【0019】本発明は、前記の種々な問題に鑑み、防振
ゴムによる電磁振動の吸収緩和を良好に行い、前記電磁
振動の伝達を抑制可能とした電動機の防振装置を提供す
ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、電動機をケー
スの軸方向の両端部に取付けたリング状の防振ゴムを介
して取付枠体に取付・支持するようにした防振装置にお
いて、前記リング状の防振ゴムは、防振ゴムとケース底
面との間に、前記防振ゴムが遊嵌できる空間を有して、
前記ケースの底面に外方に向けて凸設した軸受挿入筒の
外周に取付けるようにしたことを特徴とする。
【0021】また、本発明において、前記リング状の防
振ゴムは、その外周面の幅寸法と同幅寸法で形成した外
側リングと外周面の幅寸法より広幅な内周面の幅寸法と
同幅寸法にて形成した内側リングとの間に挟着して、ケ
ースの軸受挿入筒の外周面に内側リングを介して取付け
るようにしたことを特徴とする。
【0022】更に、前記発明において、前記リング状の
防振ゴムは、その内周面に薄肉状となしたリング状の鍔
縁をケース側に突出させて前記内周面と一体的に形成し
たことを特徴とする。
【0023】本発明は、電動機を、2つ割したケースの
それぞれの底面側に取付けたリング状の防振ゴムを介し
て取付枠体に取付けるようにした防振装置において、前
記防振ゴムは、ケース底面との間に前記防振ゴム自体を
遊嵌できる空間を保ってケース底面に設けた軸受挿入筒
に、内・外リングに介挿した状態で取付けるようにした
ので、防振ゴム自体は従前のようなケース底面との当接
が回避できるため、防振ゴムは剛性に乏しく弾性力を良
好に維持して電磁振動を良好に吸収緩和させることが可
能となり、この結果、電磁振動が電動機から電気機器に
伝播するのを円滑に抑制し、電気機器が電磁振動により
共振して発生する騒音を確実に低減することができる。
【0024】また、前記防振ゴムは、その内周面側に薄
肉状の鍔縁をケース底面側に突出させて形成したので、
即ち、防振ゴム自体を、その外周面の幅寸法より、内周
面の幅寸法を大きくして内側リングへの装着度合を外側
リングに比べて大きくしたので、防振ゴムはその胴部の
肉厚寸法を従前より半減させても、前記薄肉な鍔縁の存
在により、前記弾力性の維持と相まって、内側リングへ
の取付面積の拡大が図れ、これにより防振ゴム自体を迅
速・容易に、かつ、抜脱することなく内・外リングの間
に挟着保持できるという利点も備えている。その上、防
振ゴムの小形軽量化に伴い、防振装置自体の経済的な製
造を可能とする。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図1ない
し図5により説明する。なお、図1,4において、図
6,7,10に示す符号と同一符号は、同一部品を示す
が、本発明と従来技術との相違は、電動機1からの電磁
振動を取付枠体10に伝播するのを抑制する防振ゴム2
1の構造である。
【0026】即ち、本発明の防振装置20に使用する防
振ゴム21は、図2,3で示すように、外周面側は外側
リング8の幅寸法と同幅寸法となし、内周面側は外側リ
ング8より幅寸法を幅広に形成した内側リング7と同幅
寸法で形成されており、前記外側リング8と内側リング
7との間に、加流接着手段により挟着され抜脱不能に取
付けられている。
【0027】そして、前記防振ゴム21の内周面側に
は、内側リング7の幅寸法に合わせて、薄肉状となした
リング状の鍔縁22が、前記防振ゴム21の胴部21a
と一体的に形成されて、ケース2,2aの底面側に向け
て突出されている。
【0028】前記防振ゴム21の内,外周面に図2に示
すように、防振ゴム21を挟持するようにして内・外側
リングを装着した後、前記防振ゴム21をケース2,2
aの軸受挿入筒3,3aに、それぞれ内側リング7,7
を介して挿着する。
【0029】前記防振ゴム21を軸受挿入筒3,3aに
内側リング7を介して装着すると、図1〜3に示すよう
に、防振ゴム21は、ケース2,2aの底面との間に空
間aを有して、前記ケース2,2aと当接することな
く、内・外リング7,8に挟着されている。そして、前
記空間aの大きさは、図1から概略把握できるように、
防振ゴム21をもう一個分介挿できる程度の大きさの空
隙が形成されている。
【0030】前記ケース2,2a底面と防振ゴム21の
胴部21aとの間に空間aを形成すると、防振ゴム21
は図1に示すように、ケース2,2aとは直接接触する
ことがなくなる。このことは、防振ゴム21自体が、従
来のように、ケース2,2aの底面と当接させるべく、
胴部eの幅寸法を大きくして当接鍔9を設けるように形
成した場合、防振ゴム6をケース2,2a底面に、直
接、かつ、強く接触させるようにすると、防振ゴム6は
もともと備えている固有の弾性力の減退を招くことが見
受けられる。
【0031】また、防振ゴム6を軽く押圧させたような
状態でケース2,2a底面と当接させるようなときは、
弾性力の減退に大きな変化は見られないが、防振ゴム6
自体は、ケース2,2a底面と内,外リング7,8との
間に挟持されて取付けられているので、結果的に電磁振
動を良好に吸収することは難しい。即ち、防振ゴム6自
体が剛体に囲まれて弾力性を逃避させることが難しく、
電磁振動の一部は吸収できるものの、大部分は防振ゴム
6を中継点のような形で通過し、取付枠体10に伝播さ
れることになる。
【0032】しかし、本発明においては、防振ゴム21
は、図1〜3に示すように、従来の防振ゴム6の約半分
の大きさにもかかわらず、ケース2,2aとは直接当接
することなく、内・外リング7,8の間に良好に挟持さ
れて、ケース2,2aの軸受挿入筒3,3aに支持され
ている。
【0033】この結果、電動機1の駆動により、固定子
鉄心1bから発生する電磁振動は、ケース2,2a→軸
受5,5→軸受挿入筒3,3a→防振ゴム21→固定金
具12,12→取付枠体10に伝播する。しかし、この
場合、防振ゴム21は図1に示すように、その胴部21
aの左右方向には何等の障害物も存在せずフリーである
ため、電磁振動を吸収した場合、防振ゴム21は半径方
向を内,外リング7,8により保持されているので、吸
収力は多少低下するものの、左右方向は全くのフリーで
あるので、弾性力が良好に作用して電磁振動の吸収力を
非常に高めることになる。従って、防振ゴム21は自ら
の機能を十分に果すことが可能となるため、電磁振動が
取付枠体10に伝播するのを確実に抑制することができ
る。
【0034】前記の減音効果を確認する上で、図4に示
すように、電動機1に人工的な振動を生起させて、従前
の電動機(図10参照)と同様に、振動の伝達率を測定
した。図4において、インパルスハンマー14にて電動
機1を打撃すると、打撃により生じた振動は、取付枠体
10に設けた加速度ピックアップ15にて検出され、そ
の検出データは従前と同様に、周波数分析装置16にて
分析され、その表示画面16aに図5で示すように、振
動の伝達率(MAG)として表示される。
【0035】図5に表示される振動の各周波数帯におけ
る伝達率を確認すると、電磁振動が生じやすいといわれ
ている100(Hz)付近では、既に伝達率は降下して
いる。実際には70(Hz)付近から下りはじめてい
る。即ち、本発明においては、100(Hz)付近の周
波数帯においては、明らかに充分な減音効果が見られ
る。これは、例えば、周波数が100(Hz)付近の伝
達率で確認することができる。図5に示す本発明の防振
装置(防振ゴム21を使用した場合)の伝達率は、−2
0を切っている。因みに、従来の防振ゴム6を用いた防
振装置では、図11において、周波数が100(Hz)
付近では、伝達率は約−2ぐらいしか低下していない。
【0036】即ち、本発明においては、従来の防振ゴム
6に比べ約10倍以上伝達率(MAG)が優れていると
いうことが判る。この伝達率が良いということは、電動
機1の運転中に発生する電磁振動を、従来の防振ゴム6
に比べ、約10倍の吸収力で防振ゴム21が吸音してい
ることが把握できるもので、これにより、電磁振動はそ
の大部分が防振ゴム21に吸収される結果、取付枠体1
0への伝播が良好に低減でき、取付枠体10を介して電
気機器に取付けられる電動機1の運転中に発生する電磁
振動により、電気機器からの騒音発生を確実に軽減する
ことが可能となった。
【0037】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、電動機
を2つ割したケースのそれぞれの底面側に取付けたリン
グ状の防振ゴムを介して取付枠体に取付けるようにした
場合、前記防振ゴムを、ケース底面との間で前記防振ゴ
ム自体が遊嵌できる空間を保ってケース底面の軸受挿入
筒に、内・外リングに介挿した状態で取付けるように構
成したので、前記防振ゴムは従前のようなケース底面と
の当接が良好に回避されているため、防振ゴムは剛体と
ならず、防振ゴム自体が備えている弾性力を確実に維持
して、電動機の固定子鉄心から発生する電動機駆動時の
電磁振動を吸収緩和させることが可能となり、この結
果、電磁振動が電動機から電気機器に伝播するのを良好
に抑制し、電気機器が電磁振動により共振して騒音が発
生するという問題を良好に抑制でき至便である。
【0038】また、前記防振ゴムは、その内周面側に薄
肉状の鍔縁をケース底面側に突出させて設けたので、防
振ゴムはその胴部の肉厚寸法を従前より半減させても、
前記薄肉な鍔縁の存在により、前記弾力性の維持と相ま
って、内側リングへの取付面積の拡大が図れ、防振ゴム
自体を迅速・容易に、かつ、抜脱することなく内・外リ
ングの間に挟着保持できるという利点も備えている。し
かも、防振ゴムの小形軽量化により、防振装置自体を経
済的に製造できる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防振装置を具備した電動機の要部断面
図である。
【図2】本発明の防振装置に使用する防振ゴムの斜視図
である。
【図3】防振ゴムを切断して示す斜視図である。
【図4】本発明の防振装置において、振動の伝達率を人
工的に測定する事例の説明図である。
【図5】本発明の防振装置において、各周波数帯におけ
る振動の伝達率を示す波形図である。
【図6】防振装置を備えた電動機の正面図である。
【図7】従来の防振装置を備えた電動機の要部断面図で
ある。
【図8】従来の防振装置に使用する防振ゴムの斜視図で
ある。
【図9】同じく、防振ゴムを切断して示す斜視図であ
る。
【図10】従来の防振装置において、振動の伝達率を人
工的に測定する事例の説明図である。
【図11】同じく、従来の防振装置において、各周波数
帯における振動の伝達率を示す波形図である。
【符号の説明】
1 電動機 1b 固定子鉄心 4 回転子 6,21 防振ゴム 7 内側リング 8 外側リング 10 取付枠体 21a 胴部 22 鍔縁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動機を、その軸方向の両端部に取付け
    たリング状の防振ゴムを介して取付枠体に取付・支持す
    るようにした防振装置において、前記リング状の防振ゴ
    ムは、防振ゴムとケース底面との間に、前記防振ゴムが
    遊嵌できる空間を有して、前記ケースの底面に外方に向
    けて凸設した軸受挿入筒の外周に取付けるようにしたこ
    とを特徴とする電動機の防振装置。
  2. 【請求項2】 前記リング状の防振ゴムは、その外周面
    の幅寸法と同幅寸法で形成した外側リングと外周面の幅
    寸法より広幅な内周面の幅寸法と同幅寸法にて形成した
    内側リングとの間に挟着して、ケースの軸受挿入筒の外
    周面に内側リングを介して取付けるようにしたことを特
    徴とする請求項1記載の電動機の防振装置。
  3. 【請求項3】 前記リング状の防振ゴムは、その内周面
    に薄肉状となしたリング状の鍔縁をケース側に突出させ
    て前記内周面と一体的に形成したことを特徴とする請求
    項2記載の電動機の防振装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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