JP2007046572A - 密閉型圧縮機、これを用いた冷凍サイクル装置 - Google Patents

Abstract

【課題】アキュムレータから発生する騒音を低減し、運転が静かな密閉型圧縮機を提供する。
【解決手段】本密閉型圧縮機は、アキュムレータを密閉ケースに固定手段により固定するとともに、この固定手段はアキュムレータの長手方向に離間した位置において、アキュムレータと密閉ケース間に防振部材を挟着する。
【選択図】 図１

Description

本発明は密閉型圧縮機、これを用いた冷凍サイクル装置に係り、特に密閉ケースとアキュムレータ間に防振部材を設けた密閉型圧縮機、これを用いた冷凍サイクル装置に関する。

従来、冷凍サイクル装置に用いられる密閉型圧縮機には、アキュムレータが取付けられており、この取付け構造は、図６、図７に示すように、密閉型圧縮機１Ａの密閉ケース４の外側に近接してアキュムレータ３を配置し、バンド、溶接等の固定手段１５により密閉型ケース４に固定している。

しかしながら、このような従来の取付け構造は、アキュムレータ３が圧縮機の電動機部及び圧縮機構部から発生する振動成分により加振され、アキュムレータ３の固定位置と離間した吸込管１４側での図中破線で示すように密閉ケース４方向及びこれと直交する方向の振動が大きくなり、また特定の周波数で共振を生じ、圧縮機騒音が悪化する。

また、固定位置を２ヶ所以上にする構造もあるが、コストアップにつながり、さらに、減衰効果が期待できないため、やはり特定の周波数で共振を生ずる可能性がある。

なお、特許文献１には、アキュムレータからの異常騒音発生対策を行った密閉型圧縮機が提案されている。
特開平３−８８９７４号公報

本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、アキュムレータから発生する騒音を低減し、運転が静かな密閉型圧縮機を提供することを目的とする。

また、運転が静かな冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。

上述した目的を達成するため、本発明に係る密閉型圧縮機は、密閉ケース内に電動機部およびこの電動機部と連結される圧縮機構部を収容してなる圧縮機本体と、前記密閉ケースの外側に配置され、前記圧縮機構部の吸込口に吸込管を介して連通する筒状のアキュムレータを備えた密閉型圧縮機において、前記アキュムレータを密閉ケースに固定手段により固定するとともに、この固定手段からアキュムレータの長手方向に離間した位置において、前記アキュムレータと前記密閉ケース間に防振部材を挟着することを特徴とする。

また、本発明に係る冷凍サイクル装置は、請求項１乃至３に記載の密閉型圧縮機と、凝縮器と、膨張装置と、蒸発器を備える。

本発明に係る密閉型圧縮機によれば、アキュムレータから発生する騒音を低減し、運転が静かな密閉型圧縮機を提供することができる。

また、本発明に係る冷凍サイクル装置によれば、運転が静かな冷凍サイクル装置を提供することができる。

以下、本発明の一実施形態に係る電動機、これを用いた密閉型圧縮機について、図面を参照して説明する。

図１は本発明に係る密閉型圧縮機及びこれを用いた冷凍サイクル装置の概念図、図２は本発明に係る密閉型圧縮機の平面図である。

図１及び図２に示すように、本発明の冷凍サイクル装置２１は、本発明の密閉型圧縮機１と、凝縮器２２と、膨張装置２３と、蒸発器２４をサイクル状に連通して形成される。

また、本発明の密閉型圧縮機１は、圧縮機本体２とアキュムレータ３からなり、圧縮機本体２は外面塗装された密閉ケース４を備え、この密閉ケース４内には電動機部５と、この電動機部５に回転軸６を介して連結された圧縮機構部７が収納されている。

圧縮機構部７は、２個のシリンダ室８を形成するシリンダブロック９と、シリンダ室内８で回転軸６の偏心部６ａに嵌合されたローラ１０と、シリンダブロック９の電動機部５側に位置し、回転軸６を支持する主軸受１１が設けられた支持フレーム１２と、シリンダブロック９の反電動機部側に位置し回転軸６を支持する副軸受１３を備える。

さらに、密閉ケース４の外側には、銅製でＬ字状の２本の吸込管１４が設けられ、この吸込管１４の一端はシリンダ室８に連通し、他端は底部３ａにおいてアキュムレータ３に接続されている。

このアキュムレータ３は、外面塗装された円筒状をなし、密閉ケース４と平行になるように立設され、密閉ケース４にバンドあるいは溶接などの固定手段１５により固定されている。また、この固定手段１５からアキュムレータ３の吸込管１４側長手方向に離間した（ずれた）位置例えばアキュムレータ３のほぼ中央部から吸込管１４のケース取付部に至る部位において、アキュムレータ３と密閉ケース４間に防振部材１６を挟着している。また、防振部材１６は密閉ケース４及びアキュムレータ３の塗装終了後に取付けられる。これにより、簡単な取付け作業で組立てられかつ、輸送中、運転中の脱落が防止され、また、塗装による防振部材の硬化、劣化による騒音、振動の悪化が防止される。

図３に示すように、防振部材１６は振動減衰効果が得られるように、ゴム及び樹脂の少な＜とも一方の材料を含む弾性材料からなり、両面に断面が円弧状凹面１７、１８あるいは断面が長方形状凹面または、片面のこれら凹面を有するブロック状すなわち中央部の厚さが外側の厚さよりも薄く形成され、その一面は密閉ケース４の外形に倣った円弧形状をなし、他面はアキュムレータ３の外形に倣った円弧形状をなしている。さらに、防振部材１６の一端には吸込管１４が係合する凹部１９あるいは図４に示すような突起例えば二条の突条部２０が設けられる。

本実施形態の密閉型圧縮機は、上記のような構造を有するので、冷媒の圧縮過程において、電動機部５及び圧縮機構部７から発生する振動成分がアキュムレータ３に伝播されるが、固定手段を固定端として大きく振動する従来のアキュムレータ取付け構造とは異なり、アキュムレータ３の上記部位に防振部材１６が挟着されかつ、両凹面１７、１８と密閉ケース４及びアキュムレータ３が嵌め合わされ、凹部１９と吸込管１４が嵌め合わされているので、アキュムレータ３の密閉ケース４方向及びこれと直交方向への振動が制振されて、アキュムレータ３の振動が防止され、密閉型圧縮機の騒音発生が防止される。また、防振部材１６がアキュムレータ３と密閉ケース４間に挟着されているので、密閉型圧縮機１の運転中あるいは輸送中に、防振部材１６が脱落することがない。

なお、上記実施形態においては、防振部材を吸込管側に挟着する例で説明したが、固定手段がよりアキュムレータ側に近接して設けられる場合には、防振部材を反吸込管側に挟着しても、アキュムレータの制振効果は得られる。

本実施形態の密閉型圧縮機によれば、アキュムレータから発生する騒音を低減し、運転が静かな密閉型圧縮機が実現される。

また、本発明に係る冷凍サイクル装置によれば、運転が静かな冷凍サイクル装置が実現される。

図１に示す本発明の密閉型圧縮機（実施例）を用いて、振動周波数における騒音パワーレベルを測定し、図６に示す従来の密閉型圧縮機（従来例）と比較する。

結果を図５に示す。図５からもわかるように、実施例は従来例に比べて耳障りで防音の困難な低周波数の領域で騒音パワーレベルが低減しており、特に８００ｋＨｚ付近の低減効果が大きく、大幅な騒音低減が実現されていることがわかる。

本発明に係る密閉型圧縮機及び冷凍サイクル装置の概念図。 本発明に係る密閉型圧縮機の平面を示す概念図。 本発明に係る密閉型圧縮機に用いられる防振部材の斜視図。 本発明に係る密閉型圧縮機に用いられる防振部材の他の実施形態の一部を示す正面図。 本発明に係る密閉型圧縮機を用いた騒音パワーレベル測定試験の結果図。 従来の密閉型圧縮機の側面図。 従来の密閉型圧縮機の平面を示す概念図。

符号の説明

１…密閉型圧縮機、２…圧縮機本体、３…アキュムレータ、４…密閉ケース、５…電動機部、６…回転軸、７…圧縮機構部、８…シリンダ室、１４…吸込管、１５…固定手段、１６…防振部材、１７，１８…円弧状凹面、１９…凹部、２１…冷凍サイクル装置、２２…凝縮器、２３…膨張装置、２４…蒸発器。

Claims (4)

1. 密閉ケース内に電動機部およびこの電動機部と連結される圧縮機構部を収容してなる圧縮機本体と、前記密閉ケースの外側に配置され、前記圧縮機構部の吸込口に吸込管を介して連通する筒状のアキュムレータを備えた密閉型圧縮機において、前記アキュムレータを密閉ケースに固定手段により固定するとともに、この固定手段からアキュムレータの長手方向に離間した位置において、前記アキュムレータと前記密閉ケース間に防振部材を挟着することを特徴とする密閉型圧縮機。
2. 前記防振部材は、ゴム及び樹脂の少なくとも一方の材料を含む弾性材料からなり、密閉ケース外周面の周方向における中央部の厚さが外側の厚さよりも薄く形成されるとともに、前記吸込管が係合する凹部又は突部を有することを特徴とする請求項１に記載の密閉型圧縮機。
3. 前記防振部材は、密閉ケースとアキュムレータの外面塗装後に、アキュムレータと密閉ケース間に挟着されることを特徴とする請求項１または２に記載の密閉型圧縮機。
4. 請求項１乃至３に記載の密閉型圧縮機と、凝縮器と、膨張装置と、蒸発器を備えたことを特徴とする冷凍サイクル装置。

Images