JP2002268178A - 熱現像感光材料 - Google Patents

熱現像感光材料

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JP2002268178A
JP2002268178A JP2001070239A JP2001070239A JP2002268178A JP 2002268178 A JP2002268178 A JP 2002268178A JP 2001070239 A JP2001070239 A JP 2001070239A JP 2001070239 A JP2001070239 A JP 2001070239A JP 2002268178 A JP2002268178 A JP 2002268178A
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oil
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polymer fine
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JP2001070239A
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English (en)
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Chiaki Nagaike
千秋 長池
Eiichi Ueda
栄一 上田
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Original Assignee
Konica Minolta Inc
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、油溶性染料含有ポリマー微
粒子組成物の分散性が良好で、分光吸収特性、表面硬
度、表面比抵抗、スリ傷耐性及びひび割れ耐性に優れた
熱現像感光材料を提供することにある。 【解決手段】 支持体上に非感光性有機銀塩、感光性ハ
ロゲン化銀、還元剤及びバインダーを含有する熱現像感
光材料において、水性媒質中で調製された油溶性染料含
有ポリマー微粒子組成物を含有することを特徴とする熱
現像感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱現像により画像
を形成する熱現像感光材料(以下、単に感光材料ともい
う)に関するものであり、さらに詳しくは、水系媒体中
で調製された油溶性染料含有ポリマー微粒子組成物を含
有する熱現像感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、支持体上に感光層を有し、画像
露光することで画像形成を行う感光材料としては、数多
く知られている。それらの中でも、環境保全や画像形成
手段を簡易化できるシステムとして、熱現像により画像
を形成する技術が挙げられ、このような熱現像により画
像を形成する感光材料、いわゆる熱現像感光材料は、近
年ますます高まっている処理の簡易化、環境保全といっ
た要求に合致するものである。
【0003】従来から、このタイプの熱現像感光材料は
広く知られており、これらの熱現像感光材料の多くは、
例えば、トルエン、メチルエチルケトン、メタノールな
どの有機溶剤を溶媒とする塗布液を用いて感光層を形成
している。有機溶剤を溶媒として用いることは、製造工
程において、人体へ悪影響を与えるだけではなく、溶剤
の回収等のコスト面でも不利である。
【0004】そこで、水系媒体の塗布液を用いて感光層
を形成する方法が提案されている。例えば、特開昭49
−52626号、同53−116144号などには、ゼ
ラチンをバインダーとする方法が開示されている。ま
た、特開昭50−151138号には、ポリビニルアル
コールをバインダーとする方法が開示されている。さら
に、特開昭60−61747号には、ゼラチンとポリビ
ニルアルコールを併用する方法が開示されている。これ
以外の例として、特開昭58−28737号には水溶性
ポリビニルアセタールをバインダーとする感光層の例が
開示されている。
【0005】一方、熱現像感光材料において、感光層を
透過する光の量または波長分布を制御するための方法と
して、感光層を塗設してある面側、あるいは反対側の面
にフィルター層を形成する方法、あるいは感光層に染料
または顔料を含有させる方法が知られている。しかしな
がら、染料または顔料の多くは、水に不溶あるいは難溶
であるため、水系媒体の塗布液に添加する場合には、例
えば、固体分散法により微粒子化した状態で添加する必
要があるが、この方法では、均一の粒径を有する染料ま
たは顔料分散物を得ることが困難であるという問題点、
あるいは、固体分散により微粒子化することにより、本
来の吸収波長を損なうという欠点を有しており、環境面
あるいはコスト面で有利で、かつ水系媒体の塗布液に、
染料あるいは顔料に代表される油溶性染料を、安定に添
加する技術の開発が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
鑑みなされたものであり、その目的は、水系媒体中で調
製された油溶性染料を含有するポリマー微粒子を安定に
含有せしめ、かつ分光吸収特性、表面諸物性に優れた熱
現像感光材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の構成により達成された。
【0008】1.支持体上に非感光性有機銀塩、感光性
ハロゲン化銀、還元剤及びバインダーを含有する熱現像
感光材料において、水性媒質中で調製された油溶性染料
含有ポリマー微粒子組成物を含有することを特徴とする
熱現像感光材料。
【0009】2.バッキング層が、前記油溶性染料含有
ポリマー微粒子組成物を含有していることを特徴とする
前記1項に記載の熱現像感光材料。
【0010】3.支持体の一方の面に、導電性微粒子を
10〜70体積%含有する導電層を有することを特徴と
する前記1または2項に記載の熱現像感光材料。
【0011】4.前記油溶性染料含有ポリマー微粒子組
成物が、油溶性染料を溶解した単量体を、水性媒質中で
懸濁重合して得られることを特徴とする前記1〜3項の
いずれか1項に記載の熱現像感光材料。
【0012】5.前記油溶性染料含有ポリマー微粒子組
成物が、油溶性染料を溶解した有機溶剤を、水性媒質中
のポリマー微粒子に添加して得られることを特徴とする
前記1〜3項のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
【0013】6.ポリマー微粒子組成物が、分子内にラ
ジカル重合性不飽和基を有する界面活性剤の存在下で、
下記(a)〜(c)で表される単量体を重合して得られ
ることを特徴とする前記1〜5項のいずれか1項に記載
の熱現像感光材料。
【0014】(a)分子中にカルボキシル基を有する単
量体0.5〜10質量% (b)グリシジル基を有する単量体1〜20質量% (c)その他の単量体 7.前記(c)その他の単量体が、分子内にアセトアセ
チル基を有する単量体(c−1)であることを特徴とす
る前記6項に記載の熱現像感光材料。
【0015】8.前記(c)その他の単量体が、分子内
にアルコキシシラン基を有する単量体(c−2)である
ことを特徴とする前記6項に記載の熱現像感光材料。
【0016】9.前記(c)その他の単量体が、分子内
にリン含有基を有する単量体(c−3)であることを特
徴とする前記6項に記載の熱現像感光材料。
【0017】10.前記(c)その他の単量体が、分子
内に水酸基を有する単量体(c−4)であることを特徴
とする前記6項に記載の熱現像感光材料。
【0018】11.前記(c)その他の単量体が、分子
内にアミド基または置換アミド基を有する単量体(c−
5)であることを特徴とする前記6項に記載の熱現像感
光材料。
【0019】12.前記(c)その他の単量体が、分子
内にアミノ基または置換アミノ基を有する単量体(c−
6)であることを特徴とする前記6項に記載の熱現像感
光材料。
【0020】本発明は、水系塗布可能な熱現像感光材料
に関するものであり、油溶性染料含有のポリマー微粒子
組成物を使用することにより、本発明の目的を達成する
ことを見いだした。
【0021】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
係る油溶性染料含有ポリマー微粒子組成物は、油溶性染
料を溶解したモノマーを重合して製造しても、あるい
は、油溶性染料を溶解した有機溶剤を、ポリマー微粒子
組成物(以下、単にポリマー微粒子ともいう)中に添加
して製造しても良い。
【0022】本発明でいうポリマー微粒子とは、水に不
溶な疎水性ポリマーを微細粒子の形態で、水系媒体中に
分散したものである。分散状態としては、ポリマーが水
系媒体中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、
ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分
的に親水的な構造を有し、分子鎖自身が分子状分散した
ものなどいずれでもよい。
【0023】分散粒子の平均粒径は、特に限定はない
が、好ましくは10〜5000nm、より好ましくは5
0〜500nmの範囲である。分散粒子の粒径分布に関
しては、特に制限は無く、広い粒径分布を有するもので
も、単分散の粒径分布を有するもののいずれでもよい。
【0024】本発明に係るポリマー微粒子としては、通
常の均一構造からなるポリマー微粒子以外に、いわゆる
コア/シェル型のポリマー微粒子でもよい。この場合、
コア部とシェル部とでガラス転移温度を変えると好まし
い場合がある。本発明に係るポリマー微粒子の最低造膜
温度(MTF)は、−30℃〜90℃が好ましく、0℃
〜70℃がより好ましい。最低造膜温度をコントロール
するため、造膜助剤を添加してもよい。造膜助剤は、通
常、可塑剤ともよばれており、ポリマー微粒子の最低造
膜温度を低下させる有機化合物(通常有機溶剤)で、例
えば、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊
行会発行(1970))」に記載されている。
【0025】コポリマーの場合は、ランダムコポリマー
でもブロックコポリマーでも良い。ポリマーの分子量
は、特に限定しないが、好ましくは、数平均分子量で5
000〜1000000、より好ましくは10000〜
100000程度である。本発明に係るポリマーラテッ
クスのポリマーは、25℃、60%RHでの平衡含水率
が2質量%以下であることが好ましく、より好ましくは
1質量%以下である。平衡含水率の定義と測定法につい
ては、例えば、「高分子工学講座14、高分子材料試験
法(高分子学会編、地人書館)」などを参考にすること
ができる。
【0026】本発明に係る分子内にカルボキシル基を有
する単量体(a)は、分子内に1つまたは2つ以上のカ
ルボン酸を含むものであり、例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、ク
ロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、桂皮酸等が好適
に使用できる。
【0027】上記単量体(a)の使用量は、単量体10
0質量%中、0.5〜10質量%が好ましく、より好ま
しくは1〜7質量%である。
【0028】本発明に係る分子内にグリシジル基を有す
る単量体(b)としては、例えば、グリシジル(メタ)
アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
(メタ)アクレート、グリシジルビニルエーテル、3,
4−エポキシシクロヘキシルビニルエーテル、グリシジ
ル(メタ)アリルエーテル、3,4−エポキシシクロヘ
キシル(メタ)アリルエーテルなどが挙げられる。
【0029】上記単量体(b)の使用量は、通常単量体
100質量%中、1〜20質量%、好ましくは2〜15
質量%である。
【0030】本発明に係るポリマー微粒子の合成に用い
られるその他の単量体(c)としては、例えば、メチル
アクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリ
レート、i−ブチルアクリレート、n−オクチルアクリ
レート、i−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、n−ノニルアクリレート、i−ノニル
アクリレート、n−デシルアクリレート、n−ドデシル
アクリレート等のアクリル酸の炭素数1〜12の直鎖も
しくは分枝アルキルエステル;例えば、メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレ
ート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−シルメ
タクリレート等のメタクリル酸の炭素数1〜12の直鎖
もしくは分枝アルキルエステル;例えばスチレン、α−
メチルスチレン、t−ブチルスチレン、p−クロロスチ
レン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香
族モノビニル単量体;例えば、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;例えば、蟻
酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチ
ック酸ビニル等を挙げることができる。
【0031】本発明に係る(c)項のその他の単量体と
して表される化合物として、分子内にアセトアセチル基
を有する前記単量体(c−1)においては、下記一般式
(1)で表される化合物が好ましい。
【0032】
【化1】
【0033】一般式(1)において、R1、R3は水素原
子またはメチル基、Xは単結合、メチレン基、−COO
1−、−CONHZ2−であり、Z1、Z2は各々炭素数
1〜6のアルキレン基であり、Y1は水素原子またはニ
トリル基である。
【0034】このような上記(c−1)、一般式(1)
で表される単量体としては、例えば、アセト酢酸ビニ
ル、アセト酢酸(メタ)アリル等のアセト酢酸のアルケ
ニルエステル類;例えば、2−アセトアセトキシエチル
(メタ)アクリレート、2−アセトアセトキシプロピル
(メタ)アクリレート、3−アセトアセトキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−アセトアセトキシブチル
(メタ)アクリレート、2−アセトアセトキシブチル
(メタ)アクリレート、3−アセトアセトキシブチル
(メタ)アクリレート、4−シアノアセトアセトキシエ
チル(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールの
(メタ)アクリル酸と(置換)アセト酢酸とのジエステ
ル;例えば、2−アセトアセトキシエチルクロトネー
ト、2−アセトアセトキシプロピルクロトネート、3−
アセトアセトキシプロピルクロトネート等のアルキレン
グリコールのクロトン酸とアセト酢酸とのジエステル;
例えば、N−アセトアセトキシメチル(メタ)アクリル
アミド、N−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリル
アミド等のN−アルキロール(メタ)アクリルアミドの
アセト酢酸エステル等を挙げることができる。
【0035】加えて、前記(c−1)で表される単量体
としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレートと、カプロラクトン等のラク
トンとの付加体からなるラクトン変性ヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレートをアセト酢酸によりエステル化
するか、または、該ラクトン変性ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートをジケテンによりアセトアセチル
化することにより得られるラクトン変性ヒドロキシアル
キルグリコールの(メタ)アクリル酸アセト酢酸ジエス
テルも使用可能である。
【0036】これら単量体(c−1)の中でも、2−ア
セトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、2−アセ
トアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−アセ
トアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、4−アセ
トアセトキシブチル(メタ)アクリレートが特に好まし
い。
【0037】本発明に係る分子内にアルコキシシラン基
を有する単量体(c−2)としては、加水分解型のもの
が好ましく、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキ
シ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メタク
リロオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリク
ロロシラン、3−メタクリロオキシプロピルトリス(メ
トキシエトキシ)シラン等があげられる。これらの中で
も3−メタクリロオキシプロピルトリメトキシシラン等
が、特に好ましい。
【0038】本発明に係る分子内にリン含有基を有する
単量体(c−3)としては、例えば、リン酸モノヒドロ
キシメチル(メタ)アクリレート、リン酸ジヒドロキシ
メチルジ(メタ)アクリレート、リン酸モノヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、リン酸ジヒドロキシエチ
ルジ(メタ)アクリレート、リン酸ジ3−ヒドロキシプ
ロピルジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0039】本発明に係る分子内に水酸基を有する単量
体(c−4)としては、例えば、2−ヒドロキシルエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルプロピル
(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシルプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシルブチル(メタ)ア
クリレート、3−ヒドロキシルブチル(メタ)アクリレ
ート、4−ヒドロキシルブチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシルエチル(メタ)アリルエーテル、2−
ヒドロキシルプロピル(メタ)アリルエーテル、3−ヒ
ドロキシルプロピル(メタ)アリルエーテル、4−ヒド
ロキシルブチル(メタ)アリルエーテル、アリルアルコ
ール等が挙げられる。
【0040】本発明に係る分子内にアミド基または置換
アミド基を有する単量体(c−5)としては、例えば、
(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、
N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアク
リルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−
ブトキシメチルアクリルアミド、N−ジメチルアミノプ
ロピルメタクリルアミド等があげられる。
【0041】本発明に係る分子内にアミノ基または置換
アミノ基を有する単量体(c−6)としては、例えば、
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート
等が挙げられる。
【0042】上記単量体(c−1)〜(c−6)はそれ
ぞれ単独で用いることができ、また2種以上併用するこ
ともでき、その共重合量は、単量体(c−1)〜(c−
6)の合計量として、単量体(a)〜(c)の合計10
0質量%に対し、通常0〜30質量%の範囲で使用でき
るが、1〜20質量%の範囲内で用いるのが好ましい。
これら単量体(c−1)〜(c−6)のうち、得られる
皮膜特性の観点から単量体(c−1)〜(c−3)が特
に好ましい。
【0043】本発明に係るポリマー微粒子の重合におい
ては、得られる共重合体水性分散液の性能に悪影響を及
ぼさない範囲で、アニオン系及び/またはノニオン系界
面活性剤を使用することができる。
【0044】上記ノニオン系界面活性剤として、特に限
定はしないが、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポ
リオキシエチレンアルキルエーテル類;例えば、ポリオ
キシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル類;例えば、ソルビタンモノ
ラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタン
トリオレエート等のソルビタン高級脂肪酸エステル類;
例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート
等のポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル
類;例えば、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリ
オキシエチレンモノステアレート等のポリオキシエチレ
ン高級脂肪酸エステル類;例えば、オレイン酸モノグリ
セライド、ステアリン酸モノグリセライド等のグリセリ
ン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレン
・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー;等を例
示することができる。
【0045】また、アニオン系界面活性剤としては、例
えば、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類;例え
ば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキ
ルアリールスルホン酸塩類;例えば、ラウリル硫酸ナト
リウム等のアルキル硫酸エステル塩類;例えば、ポリエ
キシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリ
オキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;例
えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸
ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルアリールエ
ーテル硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸
ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウム等
のアルキルスルホコハク酸エステル塩及びその誘導体
類;等を例示することができる。
【0046】本発明に係るポリマー微粒子を乳化重合や
懸濁重合する際に、乳化剤としての水溶性ポリマーを用
いてもよく、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコー
ル、完全ケン化ポリビニルアルコール、変性ポリビニル
アルコール等のポリビニルアルコール類などが挙げら
れ、天然ポリマーあるいは半合成的な水溶性ポリマーと
しては、アルギン酸またはその塩、デキストラン、デキ
ストラン硫酸塩、グリコーゲン、アラビアゴム、アルブ
ミン、寒天、でんぷん、カルボキシメチルセルロースま
たはその塩、ヒドロキシセルロース、セルロース硫酸エ
ステル及びグアガムなどの天然多糖類等、またはこれら
の誘導体も挙げられる。
【0047】本発明に係る油溶性染料としては、特に制
限はなく、目的とする感光材料の感色性に応じ、種々の
波長領域の光を吸収する公知の化合物を適宜選択して使
用することができるが、例えば、特願平11−2555
57号明細書に開示されているようなチオピリリウム核
を有するスクアリリウム染料、及びピリリウム核を有す
るスクアリリウム染料、またはスクアリリウム染料に類
似したチオピリリウムクロコニウム染料、またはピリリ
ウムクロコニウム染料等を使用することが好ましい。こ
れらの油溶性染料の添加量は、前記単量体100質量部
に対して0.5〜10質量部程度の量を用いるのが好ま
しい。
【0048】本発明で用いることのできる油溶性染料の
好ましい例を以下に示すが、本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0049】
【化2】
【0050】
【化3】
【0051】本発明で好ましく用いることのできる水性
媒質は、水を主成分とする液体であるが、必要に応じて
水溶性の有機溶媒を含んでいても良い。水溶性有機溶媒
としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロ
パノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブ
タノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル
−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノ
ール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノー
ル、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2ブタ
ノール及び3−メチル−2−ブタノール等のモノアルコ
ール化合物、エチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリトリエチレングリコール、テトラエチレングリ
コール、ポリテトラエチレングリコール、1,3−ブタ
ンジオール、グリセリン及び1,2,6−ヘキサントリ
オール等の多価アルコール化合物が挙げられる。これら
の水溶性有機溶剤は、1種類で使用しても良く、あるい
は2種類以上の水溶性有機溶剤を併用しても良い。これ
らの水溶性有機溶剤の添加量は、油溶性染料含有ポリマ
ー微粒子組成物の0.1〜20.0質量%が好ましい。
【0052】本発明に係るポリマー微粒子組成物の重合
においては、その目的に応じ、例えば、重合開始剤、濃
度、重合温度、反応時間などを幅広く、かつ、容易に変
更することができる。
【0053】更に、乳化重合においては、例えば、過硫
酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムな
どの過硫酸塩類;t−ブチルヒドロパーオキシド、クメ
ンヒドロパーオキシド、p−メンタンヒドロパーオキシ
ドなどの有機過酸化物類;過酸化水素;などの重合開始
剤が使用される。これら重合開始剤は、1種もしくは複
数種併用のいずれの態様でも利用できる。これらの重合
開始剤は、単量体100質量部に対し、0.1〜1質量
部用いることが好ましい。
【0054】また、乳化重合においては、所望により、
重合開始剤とともに還元剤を併用することができる。こ
のような還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、酒
石酸、クエン酸、ブドウ糖、ホルムアルデヒドスルホキ
シラート金属塩等の還元性有機化合物;チオ硫酸ナトリ
ウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重
亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物;が挙げられ
る。これら還元剤は、単量体100質量部に対し、0.
1〜1質量部の量を用いることが好ましい。
【0055】更にまた、乳化重合においては、連鎖移動
剤を使用することができる。このような連鎖移動剤とし
ては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシ
ルメルカプタン、n−ブチルメルカップタン、2−エチ
ルヘキシルチオグリコレート、2−メルカプトエタノー
ル、トリクロロブロモメタン等を挙げることができる。
これら連鎖移動剤は、単量体100質量部に対し、0〜
1質量部用いることが好ましい。
【0056】懸濁重合においては、例えば、アゾビスイ
ソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、
ラウリルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t
−ブチルパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサ
イド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ベ
ンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド−
ジメチルアニリンなどの重合開始剤が使用される。これ
らの重合開始剤は、単量体100質量部に対し、0.1
〜10質量部用いることが好ましい。
【0057】本発明において、アクリル系共重合体の共
重合で好ましい共重合温度は、0〜100℃であり、よ
り好ましくは15〜60℃である。
【0058】本発明に係るポリマー微粒子組成物は、熱
現像感光材料のいずれの構成層、例えば、バッキング
層、下引き層、感光層、保護層等に添加しても良いが、
好ましくはバッキング層に添加することである。
【0059】本発明において、導電層に含有させる導電
性無機微粒子は、導電性を有すればよく、例えば、酸素
不足酸化物、金属過剰酸化物、金属不足酸化物、酸素過
剰酸化物等の不定比化合物を形成し易い金属酸化物微粒
子等が挙げられる。この中、本発明に最も好ましい化合
物は、製造方法などが多様な方式をとることが可能な金
属酸化物微粒子である。
【0060】金属酸化物微粒子としては、結晶性の金属
酸化物粒子が一般的であり、例えば、ZnO、Ti
2、SnO2、Al23、In23、SiO2、Mg
O、B2O、MoO3及びこれらの複合酸化物を挙げるこ
とができるが、これらの中でも特にZnO、TiO2
びSnO2が好ましく、複合酸化物としては、ZnOに
対してはAl、In等、TiO2に対してはNb、Ta
等、SnO2に対してはSb、Nb、ハロゲン元素等の
異種元素を、0.01〜30mol%含むものが好まし
く、特に0.1〜10mol%含むものが好ましい。ま
た、これらの導電性微粒子の体積抵抗率は107Ω・c
m以下が好ましい。
【0061】以下に、本発明の熱現像感光材料の主要な
構成要素について説明する。本発明の熱現像感光材料
は、熱現像処理にて写真画像を形成するもので、還元可
能な銀源(有機銀塩)、触媒活性量の感光性ハロゲン化
銀、ヒドラジン誘導体、還元剤、及び必要に応じて銀の
色調を抑制する色調剤を通常(有機)バインダーマトリ
ックス中に分散した状態で含有している熱現像感光材料
であることが好ましい。本発明の熱現像感光材料は、常
温で安定であるが、露光後高温(例えば、80℃〜20
0℃)に加熱することで現像される。加熱は、一定の温
度で一定時間加熱する1段階方式と予備加熱、本加熱、
後加熱のように段階的に加熱する方法等あるが、適宜加
熱方式を選択することができる。加熱することで有機銀
塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元
反応を通じて銀を生成する。この酸化還元反応は露光で
ハロゲン化銀に発生した潜像の触媒作用によって促進さ
れる。露光領域中の有機銀塩の反応によって生成した銀
は黒色画像を提供し、これは非露光領域と対照をなし、
画像の形成がなされる。この反応過程は、外部から水等
の処理液を供給することなしで進行する。
【0062】本発明において、有機銀塩は還元可能な銀
源であり、還元可能な銀イオン源を含有する有機酸及び
ヘテロ有機酸の銀塩、特に長鎖(10〜30、好ましく
は15〜25の炭素原子数)の脂肪族カルボン酸及び含
窒素複素環が好ましい。配位子が、4.0〜10.0の
銀イオンに対する総安定定数を有する有機または無機の
銀塩錯体も有用である。好適な銀塩の例は、Resea
rch Disclosure(以下、RDとする)第
17029及び29963に記載されており、次のもの
がある。有機酸の塩(例えば、没食子酸、シュウ酸、ベ
ヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、
ラウリン酸等の塩);銀のカルボキシアルキルチオ尿素
塩(例えば、1−(3−カルボキシプロピル)チオ尿
素、1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジメチ
ルチオ尿素等);アルデヒドとヒドロキシ置換芳香族カ
ルボン酸とのポリマー反応生成物の銀錯体(例えば、ア
ルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブ
チルアルデヒド等)、ヒドロキシ置換酸類(例えば、サ
リチル酸、安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、
5,5−チオジサリチル酸))、チオン類の銀塩または
錯体(例えば、3−(2−カルボキシエチル)−4−ヒ
ドロキシメチル−4−(チアゾリン−2−チオン、及び
3−カルボキシメチル−4−チアゾリン−2−チオ
ン))、イミダゾール、ピラゾール、ウラゾール、1,
2,4−チアゾール及び1H−テトラゾール、3−アミ
ノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−トリアゾール及び
ベンゾトリアゾールから選択される窒素酸と銀との錯体
または塩;サッカリン、5−クロロサリチルアルドキシ
ム等の銀塩;メルカプチド類の銀塩等が挙げられる。こ
れらのうち、好ましい銀源はベヘン酸銀、アラキジン酸
銀及び/またはステアリン酸銀である。
【0063】有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物と銀と
錯形成する化合物とを混合することにより得られるが、
正混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−1276
43号に記載されている様なコントロールドダブルジェ
ット法等が好ましく用いられる。例えば、有機酸にアル
カリ金属塩(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムなど)を加えて有機酸アルカリ金属塩ソープ(例え
ば、ベヘン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウムな
ど)を作製した後に、コントロールドダブルジェットに
より、前記ソープと硝酸銀などを添加して有機銀塩の結
晶を作製する。その際にハロゲン化銀粒子を混在させて
もよい。
【0064】本発明において、有機銀塩は平均粒径が2
μm以下で、かつ単分散であることが好ましい。ここで
いう単分散とは、下記式で求められる分散度が50%以
下をいう。更に好ましくは40%以下であり、特に好ま
しくは0.1%以上、35%以下となる粒子である。
【0065】分散度(%)=(粒径の標準偏差)/(粒
径の平均値)×100 有機銀塩の平均粒径とは、有機銀塩の粒子が、例えば、
球状、棒状、あるいは平板状の粒子の場合には、有機銀
塩粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をいう。平
均粒径は、好ましくは0.05〜1.5μm、特に0.
05〜1.0μmが好ましい。また、本発明の有機銀塩
においては、全有機銀塩の60%以上が平板状粒子であ
ることが好ましい。本発明でいう平板状粒子とは、平均
粒径と厚さの比、いわゆる下記式で表されるアスペクト
比(以降、ARと略す)が3以上のものをいう。
【0066】AR=平均粒径(μm)/厚さ(μm) 有機銀塩をこれらの形状にするためには、前記有機銀塩
結晶をバインダーや界面活性剤などと共に、ボールミル
などで分散粉砕することで得られる。この範囲のAR値
にすることで、濃度が高く、かつ画像保存性に優れた感
光材料が得られる。
【0067】本発明の熱現像感光材料に用いられる感光
性ハロゲン化銀は、シングルジェットもしくはダブルジ
ェット法などの写真分野で公知の任意の方法により、例
えば、アンモニア法、中性法、酸性法等のいずれかの方
法でも調製できる。感光性ハロゲン化銀は、上記の方法
で調製され、次いで、他の成分と混合して本発明に用い
る組成物中に導入することができる。この場合、感光性
ハロゲン化銀と有機銀塩の接触を充分に行わせるため、
例えば、感光性ハロゲン化銀を調製するときの保護ポリ
マーとしては、米国特許第3,706,564号、同第
3,706,565号、同第3,713,833号、同
第3,748,143号、英国特許第1,362,97
0号等に記載されているポリビニルアセタール類などの
ゼラチン以外のポリマーを用いる手段や、英国特許第
1,354,186号に記載されているような感光性ハ
ロゲン化銀乳剤のゼラチンを酵素分解する手段、または
米国特許第4,076,539号に記載されているよう
に感光性ハロゲン化銀粒子を界面活性剤の存在下で調製
することによって保護ポリマーの使用を省略する手段等
を適用することができる。
【0068】ハロゲン化銀は、光センサーとして機能す
るものであり、画像形成後の白濁を低く抑える為、また
良好な画質を得るため、粒子サイズが小さいものが好ま
しい。平均粒子サイズとしては0.1μm以下が好まし
く、より好ましくは0.01〜0.1μm、特に0.0
2μm〜0.08μmが好ましい。また、ハロゲン化銀
の形状としては、特に制限はなく、立方体、八面体の正
常晶や正常晶でない球状、棒状、平板状等の粒子を挙げ
ることができる。また、ハロゲン化銀組成としても、特
に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化
銀、沃臭化銀、沃化銀のいずれであってもよい。
【0069】ハロゲン化銀の量は、ハロゲン化銀及び後
述の有機銀塩の総量に対し、50%以下であることが好
ましく、より好ましくは25〜0.1%、更に好ましく
は15〜0.1%である。
【0070】また、本発明の熱現像感光材料で用いられ
る感光性ハロゲン化銀は、英国特許第1,447,45
4号明細書に記載されている様に、有機銀塩を調製する
際にハライドイオン等のハロゲン成分を有機銀塩形成成
分と共存させ、これに銀イオンを注入することで、有機
銀塩の生成とほぼ同時に生成させることもできる。
【0071】更に他の方法としては、予め調製された有
機銀塩の溶液もしくは分散液、または有機銀塩を含む熱
現像感光材料に、ハロゲン化銀形成成分を作用させて、
有機銀塩の一部を感光性ハロゲン化銀に変換することも
できる。このようにして形成されたハロゲン化銀は、有
機銀塩と有効に接触することにより、好ましい作用を呈
する。ハロゲン化銀形成成分とは、有機銀塩と反応して
感光性ハロゲン化銀を生成しうる化合物であり、どのよ
うな化合物がこれに該当し有効であるかは、下記に記載
の簡単な試験で判別することが出来る。即ち、有機銀塩
と試験されるべき化合物を混入し、必要ならば加熱した
後、X線回折法によりハロゲン化銀に特有のピークがあ
るかを調べるものである。かかる試験によって有効であ
ることが確かめられたハロゲン化銀形成成分としては、
例えば、無機ハロゲン化物、オニウムハライド類、ハロ
ゲン化炭化水素類、N−ハロゲン化合物、その他の含ハ
ロゲン化合物があり、その具体例については米国特許第
4,009,039号、同第3,457,075号、同
第4,003,749号、英国特許第1,498,95
6号、特開昭53−27027号、同53−25420
号を参考にすることができる。
【0072】これらのハロゲン化銀形成成分は、有機銀
塩に対し化学量論的には少量用いられる。通常、その範
囲は、有機銀塩1モルに対し好ましくは0.001〜
0.7モル、より好ましくは0.03〜0.5モルであ
る。ハロゲン化銀形成成分は、上記の範囲で2種以上併
用されてもよい。上記のハロゲン化銀形成成分を用い、
有機銀塩の一部をハロゲン化銀に変換させる工程の反応
温度、反応時間、反応圧力等の諸条件は、その目的によ
り、適宜設定することができるが、通常、反応温度は−
23℃〜74℃、その反応時間は0.1秒〜72時間で
あり、その反応圧力は、大気圧に設定されるのが好まし
い。また、この反応は、後述する結合剤として使用され
るポリマーの存在下に行われることが好ましい。この際
のポリマーの使用量は、有機銀塩1質量部当たり0.0
1〜100質量部、好ましくは0.1〜10質量部であ
る。
【0073】上記の方法により調製された感光性ハロゲ
ン化銀は、例えば、含硫黄化合物、金化合物、白金化合
物、パラジウム化合物、銀化合物、錫化合物、クロム化
合物またはこれらの組み合わせによって化学増感するこ
とができる。この化学増感の方法及び手順については、
例えば、米国特許第4,036,650号、英国特許第
1,518,850号、特開昭51−22430号、同
51−78319号、同51−81124号等に記載さ
れている。また、ハロゲン化銀形成成分により有機銀塩
の一部を感光性ハロゲン化銀に変換する際に、米国特許
第3,980,482号に記載されている、増感を達成
するための低分子量アミド化合物を共存させてもよい。
【0074】また、これらの感光性ハロゲン化銀には、
照度不軌や、階調調整の為に、元素周期律表の6族から
10族に属する金属、例えば、Rh、Ru、Re、I
r、Os、Fe等のイオン、その錯体または錯イオンを
含有させることができる。特に、元素周期律表の6族か
ら10族に属する金属のイオンまたは錯体イオンを含有
することが好ましい。上記の金属としては、W、Fe、
Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Re、Os、I
r、Pt、Auが好ましく、中でも、本発明の熱現像感
光材料が、印刷製版用感光材料として使用される場合
は、Rh、Re、Ru、Ir、Osから選ばれることが
好ましい。
【0075】これらの金属は、錯体の形でハロゲン化銀
に導入できる。本発明においては、遷移金属錯体は、一
般式〔ML6mで表される6配位錯体が好ましい。
【0076】式中、Mは元素周期表の6〜10族の元素
から選ばれる遷移金属、Lは架橋配位子、mは0、−、
−2または−3を表す。Lで表される配位子の具体例と
しては、ハロゲン化物(弗化物、塩化物、臭化物及び沃
化物)、シアン化物、シアナート、チオシアナート、セ
レノシアナート、テルロシアナート、アジド及びアコの
各配位子、ニトロシル、チオニトロシル等が挙げられ、
好ましくはアコ、ニトロシル及びチオニトロシル等であ
る。アコ配位子が存在する場合には、配位子の一つまた
は二つを占めることが好ましい。Lは同一でもよく、ま
た異なっていてもよい。Mとして特に好ましい具体例
は、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム
(Re)及びオスミウム(Os)である。
【0077】金属のイオンまたは錯体イオンの含有量と
しては、一般的には、ハロゲン化銀1モル当たり1×1
-9〜1×10-2モルが適当であり、好ましくは1×1
-8〜1×10-4モルである。これらの金属のイオンま
たは錯体イオンを提供する化合物は、ハロゲン化銀粒子
形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組み込まれるこ
とが好ましく、ハロゲン化銀粒子の調製、つまり核形
成、成長、物理熟成、化学増感の前後のいずれの段階で
添加してもよいが、特に、核形成、成長、物理熟成の段
階で添加することが好ましく、更には、核形成、成長の
段階で添加するのが好ましく、最も好ましくは核形成の
段階で添加する。添加に際しては、数回に渡って分割し
て添加してもよく、ハロゲン化銀粒子中に均一に含有さ
せることもできるし、例えば、特開昭63−29603
号、特開平2−306236号、同3−167545
号、同4−76534号、同6−110146号、同5
−273683号等に記載されている様に、粒子内に分
布を持たせて含有させることもできるが、好ましくは、
粒子内部に分布をもたせることができる。これらの金属
化合物は、水或いは適当な有機溶媒(例えば、アルコー
ル類、エーテル類、グリコール類、ケトン類、エステル
類、アミド類)に溶解して添加することができるが、例
えば、金属化合物粉末の水溶液もしくは金属化合物とN
aCl、KClとを一緒に溶解した水溶液を、粒子形成
中の水溶性銀塩溶液または水溶性ハライド溶液中に添加
する方法、或いは銀塩溶液とハライド溶液が同時に混合
されるとき、第3の水溶液として添加し、3液同時混合
法でハロゲン化銀粒子を調製する方法、粒子形成中に必
要量の金属化合物の水溶液を反応容器に投入する方法、
或いはハロゲン化銀調製時に予め金属のイオンまたは錯
体イオンをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加
して溶解させる方法等がある。特に、金属化合物の粉末
の水溶液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一
緒に溶解した水溶液を水溶性ハライド溶液に添加する方
法が好ましい。粒子表面に添加する時には、粒子形成直
後、物理熟成時途中もしくは終了時または化学熟成時
に、必要量の金属化合物の水溶液を反応容器に投入する
こともできる。
【0078】本発明の熱現像感光材料には、例えば、特
開昭63−159841号、同60−140335号、
同63−231437号、同63−259651号、同
63−304242号、同63−15245号、米国特
許第4,639,414号、同第4,740,455
号、同第4,741,966号、同第4,751,17
5号、同第4,835,096号に記載された増感色素
が使用できる。本発明に使用される有用な増感色素は例
えばRD第17643IV−A項(1978年12月p.
23)、同第1831X項(1978年8月p.43
7)に記載もしくは引用された文献に記載されている。
特に各種スキャナー光源の分光特性に適した分光感度を
有する増感色素を有利に選択することができる。例え
ば、特開平9−34078号、同9−54409号、同
9−80679号に記載の化合物が好ましく用いられ
る。
【0079】本発明に用いることのできる還元剤として
は、例えば、ビスフェノール(例えば、ビス(2−ヒド
ロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)プロパン、4,4−エチリデン−ビス(2−t−ブ
チル−6−メチルフェノール)、1,1−ビス(2−ヒ
ドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−
トリメチルヘキサンおよび2,2−ビス(3,5−ジメ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン等);アスコ
ルビン酸誘導体(例えば、パルミチン酸1−アスコルビ
ル、ステアリン酸アスコルビル等)ならびにベンジルお
よびビアセチル等のアルデヒドおよびケトン;3−ピラ
ゾリドンおよびある種のインダン−1,3−ジオン、ト
コフェロールがある。特に好ましい還元剤としては、ビ
スフェノール類である。
【0080】本発明の熱現像感光材料には、色調剤を添
加することが好ましい。好適な色調剤の例は、RD第1
7029に開示されており、次のものがある。
【0081】イミド類(例えば、フタルイミド);環状
イミド類、ピラゾリン−5−オン類、及びキナゾリノン
(例えば、スクシンイミド、3−フェニル−2−ピラゾ
リン−5−オン、1−フェニルウラゾール、キナゾリン
及び2,4−チアゾリジンジオン);ナフタールイミド
類(例えば、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタールイミ
ド);コバルト錯体(例えば、コバルトのヘキサミント
リフルオロアセテート);メルカプタン類(例えば、3
−メルカプト−1,2,4−トリアゾール);N−(ア
ミノメチル)アリールジカルボキシイミド類(例えば、
N−(ジメチルアミノメチル)フタルイミド);ブロッ
クされたピラゾール類、イソチウロニウム(isoth
iuronium)誘導体及びある種の光漂白剤の組み
合わせ(例えば、N,N′−ヘキサメチレン(1−カル
バモイル−3,5−ジメチルピラゾール)、1,8−
(3,6−ジオキサオクタン)ビス(イソチウロニウム
トリフルオロアセテート)、及び2−(トリブロモメチ
ルスルホニル)ベンゾチアゾールの組み合わせ)、メロ
シアニン染料(例えば、3−エチル−5−((3−エチ
ル−2−ベンゾチアゾリニリデン(ベンゾチアゾリニリ
デン))−1−メチルエチリデン)−2−チオ−2,4
−オキサゾリジンジオン);フタラジノン、フタラジノ
ン誘導体またはこれらの誘導体の金属塩(例えば、4−
(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノ
ン、5,7−ジメチルオキシフタラジノン、及び2,3
−ジヒドロ−1,4−ポリハロメタン化合物ジオン);
フタラジノンとスルフィン酸誘導体の組み合わせ(例え
ば、6−クロロフタラジノン+ベンゼンスルフィン酸ナ
トリウムまたは8−メチルフタラジノン+p−トリスル
ホン酸ナトリウム)、ポリハロメタン化合物+フタル酸
の組み合わせ、ポリハロメタン化合物(ポリハロメタン
化合物の付加物を含む)とマレイン酸無水物、及びフタ
ル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸またはo−フェ
ニレン酸誘導体及びその無水物(例えば、フタル酸、4
−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及びテトラクロ
ロフタル酸無水物)から選択される少なくとも1つの化
合物との組み合わせ;キナゾリンジオン類;ベンズオキ
サジン、ナフトキサジン誘導体;ベンズオキサジン−
2,4−ジオン類(例えば、1,3−ベンズオキサジン
−2,4−ジオン);ピリミジン類及び不斉−トリアジ
ン類(例えば、2,4−ジヒドロキシピリミジン);及
びテトラアザペンタレン誘導体(例えば、3,6−ジメ
ルカプト−1,4−ジフェニル−1H,4H−2,3
a,5,6a−テトラアザペンタレン)。
【0082】本発明の熱現像感光材料(光熱材料)のバ
インダーとしては、ハロゲン化銀、有機銀塩、還元剤が
反応する場として好ましい素材が選ばれる。例えば、ヒ
ドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロ
ース誘導体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルア
ルコール、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸ナト
リウム、ポリエチレンオキシド、アクリル酸アミド−ア
クリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸
共重合体、ポリアクリルアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリ
ウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、
スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、
スチレン−ブタジエン−アクリル共重合体などが挙げら
れる。更に乾燥後、膜を形成したのち、その塗膜の平衡
含水率の低いものが好ましい。
【0083】また、上記の好ましいポリマー(ポリマー
バインダー)の組成おいて、ガラス転移点が−60℃か
ら80℃であることが好ましく、特に、−50℃から7
0℃であることが好ましい。ガラス転移点が高いと熱現
像する温度が高くなり、低いとカブリ易くなり、感度の
低下や軟調になるからである。水分散ポリマー(ポリマ
ーバインダー)は、平均粒子径が1nm〜数μmの範囲
の微粒子にして分散されたものが好ましい。水分散疎水
性ポリマー(ポリマーバインダー)はラテックスと呼ば
れ、水系媒質塗布のバインダーとして広く使用されてい
る中で、耐水性を向上させるというラテックスが好まし
い。特に、ハロゲン原子を分子内に有するラテックスが
好ましい。
【0084】バインダーとして耐水性を得る目的のラテ
ックスの使用量は、塗布性を勘案して決められるが、耐
湿性の観点からは多いほど好ましく、全バインダー質量
に対して50〜100%が好ましく、特には、80〜1
00%が好ましい。
【0085】本発明においては、感光層上の保護層やバ
ッキング層にマット剤を含有することが好ましく、本発
明において用いられるマット剤の材質は、有機物及び無
機物のいずれでもよい。例えば、無機物としては、スイ
ス特許第330,158号等に記載のシリカ、仏国特許
第1,296,995号等に記載のガラス粉、英国特許
第1,173,181号等に記載のアルカリ土類金属ま
たはカドミウム、亜鉛等の炭酸塩等をマット剤として用
いることができる。有機物としては、米国特許第2,3
22,037号等に記載の澱粉、ベルギー特許第62
5,451号や英国特許第981,198号等に記載さ
れた澱粉誘導体、特公昭44−3643号等に記載のポ
リビニルアルコール、スイス特許第330,158号等
に記載のポリスチレン或いはポリメタアクリレート、米
国特許第3,079,257号等に記載のポリアクリロ
ニトリル、米国特許第3,022,169号等に記載さ
れたポリカーボネートの様な有機マット剤を用いること
ができる。
【0086】マット剤の形状は、定形、不定形どちらで
も良いが、好ましくは定形で、特には球形が好ましく用
いられる。本発明において、マット剤の粒径とはこの球
形換算した直径のことを示すものとする。本発明に用い
られるマット剤は、平均粒径が0.5〜10μmである
ことが好ましく、更に好ましくは1.0〜8.0μmで
ある。マット剤粒子の単分散度は、50%以下であるこ
とが好ましく、更に好ましくは40%以下であり、特に
好ましくは20%以下となるマット剤である。ここでい
うマット剤粒子の単分散度とは、粒子径の標準偏差を粒
子径の平均値で割り100を掛けた数字で表される。本
発明に用いられるマット剤の添加方法は、予め塗布液中
に分散させて塗布する方法であってもよいし、塗布液を
塗布した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する
方法を用いてもよい。また複数の種類のマット剤を添加
する場合は、両方の方法を併用してもよい。
【0087】本発明の熱現像感光材料の支持体として
は、例えば、紙、合成紙、不織布、金属箔、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリ
エステル、ポリカーボネートやポリプロピレン等のプラ
スチックフィルムなどの支持体が使用可能であり、また
これらを組み合わせた複合支持体を用いてもよい。
【0088】本発明の熱現像感光材料における層構成の
好ましい態様の一つは、支持体上に下引層を設け、アン
チハレーション層、感光層、中間層更に保護層と順次設
けられる。支持体の反対側には、同様に感光層を設ける
場合と、下引層、導電層、バッキング層、バッキング保
護層と設ける場合があり、これらの層の設置は、公知の
方法により同時重層塗布することが好ましい。
【0089】本発明において、露光はレーザー走査露光
により行うことが好ましいが、感光材料の露光面と走査
レーザー光のなす角が実質的に垂直になることがないレ
ーザー走査露光機を用いることが好ましい。ここで、
「実質的に垂直になることがない」とはレーザー走査中
に最も垂直に近い角度として好ましくは55度以上88
度以下、より好ましくは60度以上86度以下、更に好
ましくは65度以上84度以下、最も好ましくは70度
以上82度以下であることをいう。レーザー光が、感光
材料に走査されるときの感光材料露光面でのビームスポ
ット直径は、好ましくは200μm以下、より好ましく
は100μm以下である。これは、スポット径が小さい
方がレーザー入射角度の垂直からのずらし角度を減らせ
る点で好ましい。なお、ビームスポット直径の下限は1
0μmである。このようなレーザー走査露光を行うこと
により、干渉縞様のムラの発生等のような反射光に係る
画質劣化を減じることが出来る。本発明における露光は
複数の波長光を重畳する走査レーザー光を発するレーザ
ー走査露光機を用いて行うことが好ましく、単一モード
の走査レーザー光に比べて露光ムラや干渉縞様のムラの
発生等の画質劣化が減少する。複数の波長を重畳化する
には、合成波混合波による方法、反射ミラーを介して戻
り光を利用する方法、高周波重畳をかける方法等の方法
がある。なお、重畳波は、露光波長が単一でなく、通常
露光波長の分布が5nm以上、好ましくは10nm以上
になるとよい。露光波長の分布の上限には特に制限はな
いが、通常60nm程度である。重畳に際してはレーザ
ー光の強度や振幅を制御して合成することが好ましい。
【0090】本発明における熱現像は、80℃〜180
℃の範囲で現像することが好ましく、100℃〜160
℃がより好ましく、110℃〜130℃が特に好まし
い。熱現像反応を増進させカブリのみの増大を防止する
うえから80℃以上であることが好ましく、感光材料の
表面と内部との温度差が大きく表面過熱による現像カブ
リの増大を防止するうえから180℃以下であることが
好ましい。特に好ましくは115℃以下で30秒以内の
一定時間余熱し、110℃〜130℃で1分以内で熱現
像し、その後80℃〜40℃まで30秒以内で冷却する
ことが好ましい。熱現像感光材料の加熱は、加熱された
空気の雰囲気下に熱現像感光材料を通過させる気流加熱
の他に、加熱された円筒形のドラム(熱ドラム)に熱現
像感光材料を接触させる直接加熱、熱ドラムの熱を利用
して押さえローラーも加熱し、熱現像感光材料の両面か
ら加熱する方法等がある。好ましい1つの態様を下記に
述べる。先ず、現像されるフィルムは、予熱部を通過す
るように配した導入押さえローラーで熱ドラムまで送ら
れ、熱ドラムの外周に配置された押さえローラーと熱ド
ラムの間を加熱されながら走行し、冷却部で室温まで冷
却されて排出される。熱現像感光材料の熱ドラムに接す
る面は、感光層面側またはバッキング層面側が可能であ
るが好ましくはバッキング層面側である。回転ドラムと
押さえローラーは同期して回転するのが好ましいが、寸
法安定性のために回転数を微小制御して引き伸ばしや収
縮傾向にすることもできる。熱源は赤外線ヒーターやニ
クロム線等を使用できる。熱ドラムの断熱遮蔽は、熱線
を反射するコールドミラーを付けて現像温度を制御する
ことができる。熱ドラムは銅、アルミニウム、スチール
等の熱伝導性に優れた材料が用いられ、複数の熱ローラ
ー群は好ましくは前記した金属または金属酸化物等で表
面処理された酸化鉄類が含有されたシリコーンローラー
が用いられ、その表面硬度は弾性率で表したときの値が
1×10-4Paとするのが好ましい。また、熱現像感光
材料の搬送速度は1〜100cm/secとするのが好
ましく、搬送時の熱ドラムと熱ローラー群との圧力は1
02〜10-5Paとするのが好ましい。熱ローラー群に
熱源を設けず、熱源内蔵の熱ドラムに圧接し、且つ熱源
ドラムからの熱を断熱カバー内に閉じ込め、熱ローラー
を現像温度まで昇温させ現像する例を示したが、熱ドラ
ムに熱源を設けず、熱ローラーに熱源を設けて断熱カバ
ーで現像温度を保持し現像してもよし、上記機構を組み
合わせた熱現像をしてもよい。尚、熱現像感光材料に画
像を赤外線で直接書き込む直接型熱現像の場合は、熱現
像機で処理しないで現像することが可能である。
【0091】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるもので
はない。
【0092】実施例1 《油溶性染料含有ポリマー微粒子組成物の調製》以下に
記載の方法に従い、各油溶性染料含有ポリマー微粒子組
成物を合成した。
【0093】(油溶性染料含有ポリマー微粒子組成物G
−1の調製:懸濁重合法)メタクリル酸(MAA)5
g、グリシジルメタクリレート(GMA)10g、スチ
レン(St)85gの混合物に、油溶性染料(例示化合
物9)3gとレドックス重合開始剤としてベンゾイルパ
ーオキサイド2gを溶解し、これをイオン交換水300
gに界面活性剤としてジエチルヘキシルスルホコハク酸
1gを溶解した水溶液に添加し、4000rpmで分散
して、分散液を調製した。次いで、温度調節器、加熱装
置、撹拌機、環流冷却器及び窒素ガス導入管を有する容
器に、イオン交換水100gとポリビニルピロリドン3
gと重合開始剤として硫酸第1鉄アンモニウム1gを入
れ、容器内を窒素ガスで置換し、温度を20℃に保っ
た。これに、上記分散液を添加し、5時間、20℃で保
持しながら撹拌して反応させた後、冷却し、油溶性染料
含有ポリマー微粒子組成物G−1を調製した。
【0094】(油溶性染料含有ポリマー微粒子組成物G
−2〜G−8の調製:懸濁重合法)上記油溶性染料含有
ポリマー微粒子組成物G−1の調製において、MAA、
GMA、Stのモノマー混合物の組成を、表1に記載の
組成に変更した以外は同様にして、油溶性染料含有ポリ
マー微粒子組成物G−2〜G−8を調製した。
【0095】(油溶性染料含有ポリマー微粒子組成物G
−9の調製:懸濁重合法)メチルメタクリレート(MM
A)65g、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEM
A)30g、ラウリルメタクリレート(LMA)5gの
混合物に、油溶性染料(例示化合物9)3gと重合開始
剤としてラウリルパーオキサイド3gを溶解し、これ
を、イオン交換水400gに界面活性剤としてジオクチ
ルスルホコハク酸1gとポリビニルピロリドン3gを溶
解した水溶液に添加し、4000rpmで分散して、分
散液を調製した。
【0096】次いで、温度調節器、加熱装置、撹拌機、
環流冷却器及び窒素ガス導入管を有する容器に、上記分
散液を入れ、容器内を窒素ガスで置換し、55℃に加熱
した。次いで、5時間、55℃に保持しながら撹拌し、
反応させた後、冷却し、油溶性染料含有ポリマー微粒子
組成物G−9を調製した。
【0097】(油溶性染料含有ポリマー微粒子組成物G
−10、G−11の調製:懸濁重合法)上記油溶性染料
含有ポリマー微粒子組成物G−9の調製において、MA
A、HEMA、LMAのモノマー混合物の組成を、表1
に記載の組成に変更した以外は同様にして、油溶性染料
含有ポリマー微粒子組成物G−10、G−11を調製し
た。
【0098】(油溶性染料含有ポリマー微粒子組成物G
−12の調製:溶剤含浸法)温度調節器、加熱装置、撹
拌機、環流冷却器及び窒素ガス導入管を有する容器にイ
オン交換水400gとドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム0.5gを添加し、容器内を窒素ガスで置換し、
80℃に加熱した。これを200rpmで撹拌しなが
ら、重合開始剤として過硫酸アンモニウム1gを添加し
て、スチレン(St)40g、n−ブチルアクリレート
(n−BA)20g、グリシジルアクリレート(GM
A)40gの混合物を60分かけて滴下した。5時間同
温度を保持しながら撹拌し反応後冷却し、ラテックスを
合成した。
【0099】上記ラテックスに、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム4gを加え50℃に加熱し、これに油
溶性染料(例示化合物9)3gとジブチルフタレート3
0gを酢酸エチル50gに溶かしたものを1時間かけて
滴下し、3時間撹拌した後、冷却し、油溶性染料含有ポ
リマー微粒子組成物G−12とした。
【0100】(油溶性染料含有ポリマー微粒子組成物G
−13〜G−15の調製:溶剤含浸法)上記油溶性染料
含有ポリマー微粒子組成物G−12の調製において、G
MA、St、n−BAのモノマー混合物の組成を、表1
に記載の組成に変更した以外は同様にして、油溶性染料
含有ポリマー微粒子組成物G−13〜G−15を調製し
た。
【0101】(比較の染料分散組成物H−1の調製)温
度調節器、加熱装置、撹拌機、環流冷却器及び窒素ガス
導入管を有する容器に、イオン交換水400gとドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5gを添加し、容
器内を窒素ガスで置換し、80℃に加熱した。これを2
00rpmで撹拌しながら、重合開始剤として過硫酸ア
ンモニウム1gを添加して、MAA5g、GMA10
g、MMA80g、n−BA5gからなる混合物を、6
0分かけて滴下した。5時間同温度に保持しながら撹拌
して反応させた後、冷却し、ラテックスを合成した。
【0102】上記ラテックスに、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム4gを加え、これに油溶性染料(例示
化合物9)3gを少量ずつ添加し、3時間撹拌して、比
較の染料分散組成物H−1を調製した。
【0103】(比較の染料分散組成物H−2の調製)上
記染料分散組成物H−1の調製において、MAA、GM
A、MMA、n−BAのモノマー混合物の組成を、表1
に記載の組成に変更した以外は同様にして、比較の染料
分散組成物H−2を調製した。
【0104】
【表1】
【0105】なお、表1中に記載の各略称は、AAはア
クリル酸、MAAはメタクリル酸、GMAはグリシジル
メタクリレート、MMAはメチルメタクリレート、St
はスチレン、n−BAはn−ブチルアクリレート、HE
MAはヒドロキシエチルメタクリレート、LMAはラウ
リルメタクリレート、c−1は2−アセトアセトキシエ
チルメタクリレート、c−2は3−メタクリロオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、c−3はリン酸モノヒドロ
キシメチル(メタ)アクリレート、c−4は2−ヒドロ
キシルエチルメタアクリレート、c−5はメタアクリル
アミド、c−6はN,N−ジメチルアミノエチルメタア
クリレートを表す。
【0106】(各組成物の分散安定性の評価)前記調製
した油溶性染料含有ポリマー微粒子組成物G−1〜G−
15及び比較の染料分散組成物H−1、H−2を、調製
した後、3日間静置して、組成物の分散状態を、下記に
示す基準に則り目視観察し、得られた結果を上記表1に
示す。
【0107】○:組成物が、均一に分散している状態に
ある ×:組成物の分散状態が不均一で、ムラが認められる 《熱現像感光材料の作製》 (バッキング層の形成)25W/m2・minの強度
で、コロナ放電を施した厚さ175μmの2軸延伸ポリ
エチレンテレフタレートフィルム支持体の一方の面側
に、以下の組成で、表2に記載の各染料組成物を含有す
る各バッキング層塗布液を塗布、乾燥して、バッキング
層形成済み試料1〜11を作製した。
【0108】 ラテックス(MMA/n−BA/GMA系) 15mg/m2 染料分散組成物(組成物の種類は、表2に記載) 15mg/m2 水 10ml/m2
【0109】
【表2】
【0110】(感光層側面の形成) 〔ハロゲン化銀粒子Aの調製〕水700mlに、フタル
化ゼラチン22gおよび臭化カリウム30mgを溶解
し、温度40℃、pHを5.0に合わせた後、硝酸銀1
8.6gを含む水溶液159mlと臭化カリウムと沃化
カリウムを92:8のモル比で含む水溶液をpAg7.
8に保ちながらコントロールドダブルジェット法で10
分間かけて添加した。次いで、硝酸銀55.4gを含む
水溶液476mlと六塩化イリジウム酸二カリウムを6
μmモル/リットルと臭化カリウムを1モル/リットル
とを含む水溶液をpAg7.6に保ちながらコントロー
ルドダブルジェット法で30分間かけて添加した。その
後、pHを下げて凝集沈降させ脱塩処理を行い、次い
で、フェノキシエタノール0.2gを加え、pH5.
9、pAg8.0に調整した。このハロゲン化銀粒子
は、沃化銀含有量がコアで8モル%、平均で2モル%、
粒子サイズ0.07μm、投影面積直径の変動係数9
%、(100)面比率85%の立方体粒子であった。
【0111】得られたハロゲン化銀粒子に対し、温度を
60℃に昇温して、銀1モルあたりチオ硫酸ナトリウム
85μmモルと2,3,4,5,6−ペンタフルオロフ
ェニルジフェニルフォスフィンセレニドを6μmモル、
テルル化合物1を1.7μmモル、塩化金酸3.9μm
モル、チオシアン酸220μmモルを添加し、120分
間熟成した。その後、温度を50℃に変更して、増感色
素Aをハロゲン化銀1モルに対して9×10-4モル攪拌
しながら添加した。更に、沃化カリウムを銀に対して
3.7モル%、化合物Aを銀に対して5×10-3モル添
加して30分攪拌し、30℃に急冷してハロゲン化銀粒
子Aの調製を終了した。
【0112】
【化4】
【0113】〔有機酸銀微結晶分散物Aの調製〕ベヘン
酸40g、ステアリン酸7.3g、水500mlを温度
90℃で20分間攪拌し、1mol/LのNaOHを1
87ml、15分間かけて添加し、1mol/Lの硝酸
水溶液61mlを添加して50℃に降温した。次に、1
mol/Lの硝酸銀水溶液124mlを2分間かけて添
加し、そのまま40分間攪拌した。その後、遠心濾過で
固形分を濾別し、濾水の伝導度30μS/cmになるま
で固形分を水洗した。こうして得られた固形分は、乾燥
させないでウエットケーキとして取り扱い、乾燥固形分
33.4g相当のウエットケーキに対し、ポリビニルア
ルコール12gおよび水150ml添加し、良く混合し
てスラリーとした。このスラリーを分散機(商品名;マ
イクロフルイダイザーM−110−E/H、マイクロフ
ルイデックス・コーポレーション製、壁面衝突型チャン
バー)に装入し分散操作を行った。この際、衝突時の圧
力は50MPaであった。以上のようにして、電子顕微
鏡観察による平均短径が0.04μm,平均長径が0.
8μm,投影面積変動係数が35%の針状粒子である有
機酸銀の微結晶分散物Aの調製を終了した。
【0114】〔各添加物の調製〕 (還元剤固体微粒子分散物の調製)1,1−ビス(2−
ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)−3,5,5
−トリメチルヘキサン20gに対し、クラレ社製のMP
ポリマーであるMP203を3.0gと水77ml添加
し、良く攪拌しスラリーとして3時間放置した。その
後、0.5mmのジルコニア製ビーズ360gを用意し
て、スラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4
Gサンドグラインダーミル:アイメックス社製)にて3
時間分散し、還元剤固体微粒子分散物を調製した。平均
粒子径は、粒子の80質量%が0.3〜1.0μmであ
った。
【0115】(カブリ防止剤固体微粒子分散物の調製)
トリブロモメチルフェニルスルホン10gに対し、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース1.5gと水88.5
gとを添加し、良く攪拌してスラリーとして3時間放置
した。その後、還元剤固体分散物の調製と同様にして、
カブリ防止剤の固体微粒子分散物を調製した。平均粒子
径は、70質量%が0.3〜1.0μmであった。
【0116】(現像促進剤固体微粒子分散物の調製)
3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾト
リアジン5gに対し、クラレ社製MPポリマーであるM
P203を1.0gと水94.0mlとを添加して良く
攪拌し、2時間放置した。その後、還元剤固体微粒子分
散物の調製と同様にして現像促進剤の固体微粒子分散物
を調製した。平均粒子径は、70質量%が0.4〜1.
0μmであった。
【0117】(イラジエーション防止染料微粒子Aの調
製)下記染料10gとポリメチルメタアクリレートのポ
リマー微粒子23.3gとを酢酸エチル300mlに溶
解し、クラレ社製クラレポバールPVA205の20g
を水500mlに溶解したものを添加し、ホモジナイザ
ーで高速攪拌して乳化分散を行った。その後、加熱、減
圧して酢酸エチルを完全に揮発させて、イラジエーショ
ン防止染料微粒子Aの調製を終了した。微粒子の平均粒
径は、70質量%以上が0.1〜0.8μmであった。
【0118】
【化5】
【0119】〔感光層塗布液の調製〕上記調製した有機
酸銀微結晶分散物A(銀1モル相当)に対し、ハロゲン
化銀粒子Aをハロゲン化銀10モル%/有機酸銀1モル
相当と、以下のポリマーラテックスおよび各素材を添加
して、感光層塗布液を調製した。
【0120】 大日本インキ化学工業(株)製 SBRラテックス 431g 還元剤固体微粒子分散物 94g 4−メチルフタラジン 3.3g 現像促進剤固体微粒子分散物 4.6g カブリ防止剤固体微粒子分散物 24g クラレ社製MPポリマー MP203 22g イラジエーション防止染料微粒子A 塗膜形成後、647nmの吸光度が0.3となる量添加 〔表面保護層塗布液の調製〕イナートゼラチン10gに
対し、界面活性剤Aを0.26g、界面活性剤Bを0.
10g、ポリメチルメタアクリレート(平均粒径サイズ
2.5μm)1.0g、1,2−(ビスビニルスルホニ
ルアセトアミド)エタン0.4g、4−メチルフタル酸
1.2g、水66g添加して、表面保護層塗布液を調製
した。
【0121】
【化6】
【0122】〔感光層面側の塗布〕上記調製した感光層
塗布液を、前記作製したバッキング面塗設済み支持体の
バッキング面とは反対側の面に、銀の塗布量として1.
8g/m2となるように、また感光層上に上記表面保護
層塗布液をゼラチンの塗布量として1.8g/m2とな
るように同時重層塗布した後、乾燥して、熱現像感光材
料である試料1〜11を作製した。
【0123】《熱現像感光材料の評価》 (塗膜表面の均一性の評価)上記作製した各試料のバッ
キング層形成面側表面を目視で観察し、以下に示す基準
に則り塗膜表面の均一性の評価を行った。
【0124】○:塗布表面全体が均一で全くムラが認め
られない △:塗布表面の一部でムラがみとめられるが、実用上は
問題はない ×:塗布表面全体に明らかなムラが認められる (塗膜硬度の評価)上記作製した各試料のバッキング層
形成面側表面を、JIS−K−5400に規定の方法に
則り、鉛筆硬度試験を常温及び120℃で行った。な
お、評価基準は、硬い順に9H、8H、7H、6H、5
H、4H、3H、2H、H、F、HB、B、2B、3
B、4B、5B、6Bである。
【0125】以上により得られた結果を、同じく表2に
示す。表2より明らかなように、本発明の構成からなる
バッキング層を有する試料1〜9は、比較試料に対し、
バッキング層の塗膜均一性に優れ、かつ塗膜硬度が高い
ことが判る。
【0126】実施例2 《導電性層を有する熱現像感光材料の作製》以下に記載
の方法に従って、導電性層を有する熱現像感光材料であ
る試料21〜28を作製した。
【0127】〔バッキング面側の塗布〕 (導電性層の形成)25W/m2・minの強度で、コ
ロナ放電を施した厚さ175μmの2軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム支持体の上に、乾燥後にバイ
ンダーに対する導電性無機微粒子の体積率が表3に示す
条件となるように、下記導電性層塗布液を塗布して、導
電性層塗設済み試料A、Bを作製した。
【0128】〈導電性層塗布液〉導電性層のバインダー
は、全てラテックス液A(ブチルアクリレート40質量
%、スチレン20質量%及びグリシジルアクリレート4
0質量%の共重合体ラテックス液;固形分30%)の8
0質量%と、ラテックス液B(ブチルアクリレート10
質量%、t−ブチルアクリレート35質量%、スチレン
30質量%及び2−ヒドロキシエチルアクリレート25
質量%の共重合体ラテックス液;固形分30%)の20
質量%の混合液とし、これに下記の導電性無機微粒子の
コロイド状ゲル分散液を適宜添加し、導電性層塗布液と
した。なお、導電性層の膜厚は0.2μmになるように
塗布した。
【0129】[導電性無機微粒子の調製]塩化第二スズ
水和物65gを水/エタノール混合溶液2000mlに
溶解し、均一溶液を調製した。次いで、この溶液を沸騰
し、共沈殿物を得た。生成した沈殿物をデカンテーショ
ンにより取り出し、蒸留水にて沈殿を数回に亘り水洗し
た。この際、沈殿を洗浄した蒸留水中に硝酸銀を滴下
し、塩化イオンの反応がないことを確認した後、蒸留水
1000ml添加し、全量を2000mlとした。さら
に、30%アンモニア水を40ml加え、水浴中で加温
し、導電性無機微粒子のコロイド状ゲル分散液を得た。
【0130】(樹脂被覆層の形成)以上のようにして作
製した導電性層塗設済み試料の各導電性層上に、表3に
記載の実施例1で調製した各染料分散組成物を含む下記
樹脂被覆層塗布液を塗布して、バッキング面側塗布済み
試料21〜28を作製した。
【0131】 〈樹脂被覆層塗布液〉 ラテックス(MMA−n−BA−GMA系) 15mg/m2 染料分散組成物(組成物の種類は、表3に記載) 15mg/m2 水 10ml/m2 〔感光層面側の塗布〕実施例1で用いたのと同様の感光
層塗布液を、上記作製した各バッキング面塗設済み試料
のバッキング面とは反対側の面に、銀の塗布量として
1.8g/m2となるように、また感光層上に、実施例
1で用いたのと同様の表面保護層塗布液をゼラチンの塗
布量として1.8g/m2となるように同時重層塗布し
た後、乾燥して、熱現像感光材料である試料21〜28
を作製した。
【0132】《熱現像感光材料の評価》 (分光吸収波長の測定) 上記熱現像感光材料の作製で用いたバッキング面側塗布
済み試料21〜28について、日立社製のHITACH
I U−3000/3300型自己分光光度計を用い
て、最大吸収波長(λmax1)を測定し、次いで、下
記に示す基準サンプルの最大吸収波長(λmax2)を
同様に測定し、両者間での波長差の有無を測定した。な
お、本発明でいう波長差が無い条件とは、両者間の波長
差が±5nm以内をいう。
【0133】〈基準サンプル〉以下の組成からなる塗布
液を、湿潤厚さ80μmになるように塗布して、基準サ
ンプルを作製した。
【0134】 ポリビニルブチラール(10%メチルエチルケトン溶液) 150ml 染料(例示化合物) 70mg (バッキング面側の表面硬度HDの測定)上記作製した
試料のバッキング面側を、島津製作所社製のダイナミッ
ク超微小硬度計 DUH−200を用いて表面硬度を測
定した。なお、表3に記載の「HD」とは、0.5μm
変位したときの硬度を示す。
【0135】(バッキング面側の表面比抵抗の測定)上
記作製した試料のバッキング面側の表面比抵抗を、川口
電気社製のテラオームメーター モデルVE−30を用
いて、23℃、20%RHの雰囲気下で測定し、log
Ωで表示した。
【0136】(バッキング面側のスリ傷の評価)上記作
製した各試料を、23℃、40%RHの雰囲気下で2時
間放置した後、新東科学社製の連続荷重引掻試験機(H
EIDON−18型)を用い、直径0.25mmのサフ
ァイヤ針で、0〜100gの連続荷重で、各試料のバッ
キング面側表面を走査した。走査した後、透過光を介し
て表面に傷が付きはじめた際の加重値を読み取り、この
値が大きい程、スリ傷耐性が良いことを表す。以上によ
り得られた結果を、100gの荷重をかけても傷がつか
ない場合をA、99〜80gの範囲で傷が付いた場合を
B、79〜50gの範囲で傷が付いた場合をC、49g
以下で傷が付いた場合をDとして表示した。
【0137】(バッキング面ひび割れの評価)上記作製
した各試料のバッキング面側を、100倍ルーペにより
目視評価し、下記に示す基準に則り、ひび割れ発生状況
の評価を行った。
【0138】○:ひび割れの発生が全く認められない △:ひび割れの発生が僅かに認められるが、実技上使用
可能なレベル ×:広範囲に亘りひび割れが発生しており、実技上使用
不可のレベル 以上により得られた各評価結果を表3に示す。
【0139】
【表3】
【0140】表3の結果より明らかなように、バッキン
グ面側に、導電性層を有し、かつ本発明の構成からなる
樹脂被覆層を有する試料21〜26は、比較試料に対
し、染料化合物の吸収波長に変動を与えることなく、バ
ッキング面側の表面硬度、表面比抵抗、スリ傷耐性及び
ひび割れ耐性に優れていることが判る。
【0141】
【発明の効果】本発明により、油溶性染料含有ポリマー
微粒子組成物の分散性が良好で、分光吸収特性、表面硬
度、表面比抵抗、スリ傷耐性及びひび割れ耐性に優れた
熱現像感光材料を提供することができた。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に非感光性有機銀塩、感光性ハ
    ロゲン化銀、還元剤及びバインダーを含有する熱現像感
    光材料において、水性媒質中で調製された油溶性染料含
    有ポリマー微粒子組成物を含有することを特徴とする熱
    現像感光材料。
  2. 【請求項2】 バッキング層が、前記油溶性染料含有ポ
    リマー微粒子組成物を含有していることを特徴とする請
    求項1に記載の熱現像感光材料。
  3. 【請求項3】 支持体の一方の面に、導電性微粒子を1
    0〜70体積%含有する導電層を有することを特徴とす
    る請求項1または2に記載の熱現像感光材料。
  4. 【請求項4】 前記油溶性染料含有ポリマー微粒子組成
    物が、油溶性染料を溶解した単量体を、水性媒質中で懸
    濁重合して得られることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の熱現像感光材料。
  5. 【請求項5】 前記油溶性染料含有ポリマー微粒子組成
    物が、油溶性染料を溶解した有機溶剤を、水性媒質中の
    ポリマー微粒子に添加して得られることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
  6. 【請求項6】 ポリマー微粒子組成物が、分子内にラジ
    カル重合性不飽和基を有する界面活性剤の存在下で、下
    記(a)〜(c)で表される単量体を重合して得られる
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    熱現像感光材料。 (a)分子中にカルボキシル基を有する単量体0.5〜
    10質量% (b)グリシジル基を有する単量体1〜20質量% (c)その他の単量体 〔但し、(a)+(b)+(c)=100質量%であ
    る。〕
  7. 【請求項7】 前記(c)その他の単量体が、分子内に
    アセトアセチル基を有する単量体(c−1)であること
    を特徴とする請求項6に記載の熱現像感光材料。
  8. 【請求項8】 前記(c)その他の単量体が、分子内に
    アルコキシシラン基を有する単量体(c−2)であるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の熱現像感光材料。
  9. 【請求項9】 前記(c)その他の単量体が、分子内に
    リン含有基を有する単量体(c−3)であることを特徴
    とする請求項6に記載の熱現像感光材料。
  10. 【請求項10】 前記(c)その他の単量体が、分子内
    に水酸基を有する単量体(c−4)であることを特徴と
    する請求項6に記載の熱現像感光材料。
  11. 【請求項11】 前記(c)その他の単量体が、分子内
    にアミド基または置換アミド基を有する単量体(c−
    5)であることを特徴とする請求項6に記載の熱現像感
    光材料。
  12. 【請求項12】 前記(c)その他の単量体が、分子内
    にアミノ基または置換アミノ基を有する単量体(c−
    6)であることを特徴とする請求項6に記載の熱現像感
    光材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007112902A (ja) * 2005-10-20 2007-05-10 Sekisui Chem Co Ltd 熱現像性感光材料用ポリビニルアセタール樹脂及び熱現像性感光材料
JP2012140597A (ja) * 2010-12-31 2012-07-26 Rohm & Haas Co リンの酸を含むモノマーからポリマービーズを製造する方法

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