JP2002267823A - 投射ミラー - Google Patents

投射ミラー

Info

Publication number
JP2002267823A
JP2002267823A JP2001070629A JP2001070629A JP2002267823A JP 2002267823 A JP2002267823 A JP 2002267823A JP 2001070629 A JP2001070629 A JP 2001070629A JP 2001070629 A JP2001070629 A JP 2001070629A JP 2002267823 A JP2002267823 A JP 2002267823A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
projection mirror
wavelength
substrate
film
mirror
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001070629A
Other languages
English (en)
Inventor
Manabu Nishikawa
西川  学
Taisuke Matsushita
泰典 松下
Hiroyuki Watanabe
裕之 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yuka Denshi Co Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Yuka Denshi Co Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yuka Denshi Co Ltd, Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Yuka Denshi Co Ltd
Priority to JP2001070629A priority Critical patent/JP2002267823A/ja
Priority to CNB018209203A priority patent/CN1213310C/zh
Priority to PCT/JP2001/009223 priority patent/WO2002033451A1/ja
Priority to EP01978838A priority patent/EP1335214A4/en
Publication of JP2002267823A publication Critical patent/JP2002267823A/ja
Priority to US10/418,264 priority patent/US6738200B2/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタルハライドランプや超高圧水銀ランプの
波長430〜550nmの間の低発光輝度と、光学ユニ
ットを通過することによる波長430nm付近の発光輝
度の低下を相殺し、全体的な発光輝度を均一なものとす
ることにより、黄色味の少ない良好な画像を得る。 【解決手段】 非球面の凸曲面型反射面を有した投射ミ
ラーであって、合成樹脂製基板と、該基板の反射面に形
成された金属反射膜及び該反射膜上に形成された透明保
護膜を含む積層薄膜層とを有する投射ミラー。反射面の
波長400〜550nmの光の平均反射率R1と波長5
50nmを超え700nm以下の光の平均反射率R2
が、R1>R2≧70%を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーバーヘッドプ
ロジェクタ、ウインドウディスプレイ、フロントデータ
プロジェクタ等の投射デバイスに使用される高精度、高
精細な投射ミラー(投射デバイス)に係り、特にリアプ
ロジェクションテレビ等に好適なミラー型の合成樹脂製
非球面凸曲面型投射ミラーに関する。
【0002】
【従来の技術】非球面凸曲面型投射ミラーは、例えば図
1のように、プロジェクタ11からの像を反射させ、拡
大してスクリーン13に投射させるものである。プロジ
ェクタ11からの光は投射ミラー12の反射面に斜めに
入射され、反射光も斜めに出射される。この反射面は非
球面の凸曲面となっており、プロジェクタ11に近いサ
イドは反射面の曲率半径が大きく拡大倍率が小さい。そ
して、プロジェクタ11から遠ざかるほど反射面の曲率
半径が小さくなり、拡大倍率が大きくなる。
【0003】従来、このようなプロジェクタに使用され
る光源としては、ハロゲン電球、キセンノンランプ、メ
タルハライドランプがある。これらの光源のうち、ハロ
ゲン電球とキセンノンランプは高輝度、高演色性などの
点で光学特性には優れているが、従来においては、効
率、寿命とも向上が期待できるメタルハライドランプが
多く採用されてきた。しかし、近年、システムの光源に
要求されるアーク長が短くなってきたために、メタルハ
ライドランプでは、固有発光成分の減少と、アーク長に
対してアーク太さが大きいことによる集光光学系での集
光効率の低下が若干の問題を生じてきている。このた
め、最近では、ショートアークであることから、高輝度
点光源としての優位性と長寿命の点から、超高圧水銀ラ
ンプが注目されてきている。
【0004】一方、各種プロジェクタやディスプレイの
ような大型(一般に、平面面積150cm以上)で高
精度を要求される光学部品の構成材料には、従来、無機
ガラス或いはアルミ・鋼材等の金属材料が主として用い
られている。
【0005】これは、無機ガラス或いは金属材料は、光
学精度に優れ、温度変化があっても歪みの少ない画像が
得られること、更に精密切削加工・研磨加工適性の高さ
によるものである。
【0006】しかしながら、ガラス光学部品を製造する
場合、ガラスを熱プレス成形する方法が一般的である
が、ガラスが十分に溶融する700℃以上まで均一に加
熱する必要があり、このような加熱装置を備えた装置自
体が高価になるばかりか、加熱・冷却時間を考慮すると
サイクルタイムも長くなり、また高温での圧縮に耐える
高い形状精度及び耐久性を有する金型も必要となること
から、ガラス部品が非常に高価なものとなってしまう。
このため、ガラスは、投射デバイス用の部品として用い
る場合、高コストが許容される極めて特殊な用途にしか
使用できず、一般オフィス用、更に家庭用デバイスとし
ては普及していないのが現状である。
【0007】また、アルミや鋼材等の金属材料を使用し
た場合は、一個一個について精密な切削加工、磨き加工
により製作する必要があるため、やはり部品自体が極め
て高価になる上、量産に適さない。
【0008】そこで、このような問題を解決するため
に、成形が比較的容易な熱可塑性樹脂材料により基板を
製作し、この基板の表面に反射用薄膜を形成することが
考えられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述の如く、投射ミラ
ーを用いるディスプレイやプロジェクタにおいては、光
源としてメタルハライドライトが使用され、また、最近
では超高圧水銀ランプの使用が検討されているが、メタ
ルハライドランプや超高圧水銀ランプの発光スペクトル
は、図2に示す如く、波長430nm付近と550nm
付近に大きなピークがあり、波長430〜550nmの
間の発光輝度がピーク値に比較して小さい。
【0010】また、これらの光源からの光は、光学デバ
イス装置内でさまざまの光学ユニット、例えば光学フィ
ルタや偏光レンズなどを通過することにより、短波長領
域のエネルギーが各ユニットで吸収されて熱に変換され
ることで、短波長域の発光輝度が低下する。特に430
nm付近のピーク値の発光輝度が大きく低下する。この
430nm付近のピーク値の発光輝度が低下すると、5
50nm付近のピーク値の発光輝度が相対的に強くなる
ため、得られる画像は黄色味を帯びたものとなる。
【0011】従って、本発明は、光学ユニットを通過す
ることによる短波長域の発光輝度の低下の問題を解消す
ることができ、また、メタルハライドランプや超高圧水
銀ランプのように、波長430nm付近と550nm付
近に発光輝度の大きなピークがあり、波長430〜55
0nmの間の発光輝度が小さい光源を用いるプロジェク
タやディスプレイの投射ミラーとして好適な合成樹脂製
非球面凸曲面型投射ミラーを提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の投射ミラーは、
非球面の凸曲面型反射面を有した投射ミラーであって、
合成樹脂製基板と、該基板の反射面に形成された金属反
射膜及び該反射膜上に形成された透明保護膜を含む積層
薄膜層とを有する投射ミラーにおいて、該反射面の波長
400〜550nmの光が平均反射率R1と波長550
nmを超え700nm以下の光の平均反射率R2が、R
1>R2≧70%を満足することを特徴とする。
【0013】本発明の投射ミラーは、波長400〜55
0nmの光の平均反射率R1が波長550nmを超え7
00nm以下の光の平均反射率R2よりも大きいため、
400〜550nmの波長域の輝度が高く、従って、メ
タルハライドランプや超高圧水銀ランプの波長430〜
550nmの間の低発光輝度と、光学ユニットを通過す
ることによる波長430nm付近の発光輝度の低下を相
殺し、全体的な発光輝度を均一なものとすることができ
るため、黄色味の少ない良好な画像を得ることができ
る。
【0014】なお、本発明の投射ミラーの反射面の反射
率は、該反射面が曲面であるため直接測定することはで
きない。このため、基板への積層薄膜層の形成に当た
り、モニター用のガラス平板を樹脂基板と共に成膜装置
に入れ、同一成膜条件でこのガラス平板にも同じ構成の
積層薄膜層を形成した測定用サンプルを作成し、このサ
ンプルについて反射率を測定し、平均値を求める。平均
反射率を求めるための反射率の測定点は、多い程、適正
な平均反射率を求めることができ好ましいが、過度に多
くても測定に時間を要し、効率を損なうため、要求され
る精度と効率に応じて適宜設定する。
【0015】本発明において、基板を構成する合成樹脂
は非晶性熱可塑性樹脂が好ましく、特にポリカーボネー
トが好ましい。
【0016】また、金属反射膜上に形成する透明保護膜
はSiとOとを含有するものが好ましく、その厚みは7
00〜1500Åであることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の投射ミラーの実施
の形態を詳細に説明する。
【0018】[非球面の凸曲面型投射ミラー基板の形
状]本発明の投射ミラーは、合成樹脂製の凸曲面型非球
面形状基板の光学機能形成面の表面に反射膜及び透明保
護膜を設けて、小型液晶画面等から投射される画像を斜
め方向、特に斜め下方向より拡大投射する投射ミラーを
構成するためのものであり、また、前述の通り、本投射
ミラーを設置する位置精度を実用デバイスとして現実的
な範囲とする必要がある。従って、これらの点から、拡
大倍率を上げるために光学機能形成面の面積が十分に大
きいことが必要であり、平面面積としては150cm
以上、平面の何れか1辺は10cm以上であることが好
ましい。また、面積が大きいため、自重及び取り付けに
よる荷重などにより、形状が変形しないように、基板厚
さは3mm以上であることが好ましい。
【0019】また、投射拡大倍率が大きいことから、投
射ミラーの歪みはそのまま画像として拡大されてしまう
上に、基板の成形に当たっては歪みの極めて少ない組成
物で構成することが重要である。更に、反射面の粗さも
拡大表示され、乱反射による画像の輝度低下、輝度ムラ
も生じるため、これらの問題を避けるために、光学機能
形成面の表面が極めて平滑な鏡面となる組成物で構成す
ることが重要である。
【0020】なお、投射ミラーの基板の光学機能形成面
の表面粗さ(Ra)は、成形時に用いる金型表面の鏡面
状態が転写されるため、投射ミラーの基板は、表面粗さ
(Ra)にして0.1nm以下、特に0.08nm以
下、とりわけ0.06nm以下に仕上げられた鏡面金型
から転写して成形することが好ましい。
【0021】本発明の投射ミラーの具体的な大きさを例
示すると、平面面積が150cm以上、例えば150
〜500cm、平面の一辺の最小幅が10cm以上、
例えば10〜50cm、厚さが3mm以上、例えば0.
3〜5cmである。
【0022】このような大型の投射ミラー、更にスクリ
ーン面積が30型を超えるような大型の投射型画像デバ
イスにおいては、形状精度が厳しく要求され、不自然感
の無い投射画像を得るためには、レンズ上の一画素領域
内での面に対して、垂直方向の形状誤差が±サブミクロ
ン以下であることが望ましい。これを超えるような形状
誤差がある場合は、スクリーン上の画素が本来の形状か
ら歪んだり、甚だしい場合は幾つかに分裂してスクリー
ン上に結像する。通常、20倍程度に拡大して30型以
上の大画面に投射するタイプの大型投射ミラーにおいて
は、その投射ミラー上での一画素の大きさは数mm〜1
cm程度の幅を有する。
【0023】また、光学機能面全体での形状誤差は±8
0μ、より好ましくは±50μ、更に好ましくは±30
μ以下であることが望ましい。反り、ヒケ等により光学
機能面全体として、上記の範囲を逸脱する場合は、画像
が垂れたり歪んだりして不自然に見える。
【0024】[基板材料] (1)熱可塑性樹脂 本発明の投射ミラーの基板の材質としては、生産性やコ
ストの関係から熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂
としては、成形収縮率が小さく、また収縮時に収縮ムラ
や凹凸を発生することがなく、透明性があるなどの利点
から非晶性樹脂が好ましい。
【0025】非晶性熱可塑性樹脂の成形収縮率として
は、1%以下が好ましい。
【0026】また、投射ミラーとして使用する場合、高
温下での使用においても変形しないことが重要である。
特に、高温地域での保管時に暴露される温度として60
℃という温度が一般的に想定される。このような温度に
対して、変形しないためには、ガラス転移点温度Tgが
70℃以上、特に100℃以上であることが好ましい。
【0027】また、基板上に薄膜層を形成する方法とし
て、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング
などの方法が採用されるのが一般的であるが、これらの
薄膜形成方法では、成膜時の真空状態に減圧させるた
め、基板中に揮発しやすい成分、例えば、水分、低分子
量体、低沸点物などが存在すると、これらが揮発ないし
蒸発し、形成される薄膜と基板との密着不良及び曇りな
どの不具合を生じやすい。このため、基板材料中の水分
や低分子量体、低沸点物の含有量はできるだけ少ないこ
とが望ましい。特に、水分に関しては、吸水率が低い方
が好ましく、例えば60℃、90%RHにおける飽和吸
水率が1%以下であることが好ましい。
【0028】基板材料として用いられる具体的な非晶性
熱可塑性樹脂としては、ポリメチルメタクリレート等の
アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル
カーボネート系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリ
サルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリスチレ
ン、アクリル−スチレン共重合体などのスチロール系樹
脂、環状ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。その中
でも耐熱性、耐衝撃性、透明性、コストなどを考慮する
とポリカーボネートが好ましい。ポリカーボネートでも
特に好ましいのは、粘度平均分子量が17000〜25
000のものである。粘度平均分子量が17000未満
のものでは、流動性が低すぎて成形しにくく、得られる
基板の剛性が不足するなどの問題がある。粘度平均分子
量が25000を超えるものは、分子鎖の絡み合いが強
いため、熱成形温度では鏡面を精密に転写させるため
の、或いは成形品の反り・変形を抑制するための分子鎖
の配向緩和が不十分となったり、成形時間が長くなった
りするため、高精度大型投射ミラー用成形材料としては
問題がある。
【0029】(2)熱可塑性樹脂への付加成分 基板材料の熱可塑性樹脂への付加成分としては、離型
剤、熱安定剤、紫外線吸収剤(光安定剤)などがある。
これらの付加成分は、それぞれの目的に合わせて使用す
ることができる。
【0030】離型剤としては樹脂に添加した際に全く相
溶性がないと分散させることができなかったり、分散し
たとしても成形体表面に多量のブリードを起こして、離
型効果が発現されなかったり、外観不良を生じたりす
る。このため、ある程度樹脂との相溶性があるものを樹
脂に合わせて選択する必要がある。例えば、ポリカーボ
ネートにおいては、相溶性の点からアルコール系の脂肪
酸エステルが好ましい。
【0031】アルコール系の脂肪酸エステルとしては、
グリセリン及び短鎖長脂肪族アルコールと脂肪酸のエス
テルの組み合わせ、脂肪族アルコールと脂肪酸エステル
の組み合わせなどが挙げられる。特にグリセリン及び短
鎖長脂肪族アルコールと脂肪酸エステルの組み合わせが
好ましく、例えばグリセリンモノステアレート、1,2
水酸化ステアレート、グリセリントリステアレート、ト
リメチロールプロパントリステアレート、ペンタエリス
リトールテトラステアレート、ブチルステアレート、イ
ソブチルステアレートなどがある。この中でも、特にグ
リセリンモノステアレートが分子量が低く、ポリカーボ
ネートとの相溶性も高いため好ましい。しかし、グリセ
リンモノステアレートは、低分子量であるため成形時に
温度が高くなると、揮発や分解を起こしやすくなること
から、特に加工温度が200℃を超えるような場合につ
いては、ペンタエリストールテトラステアレートなどが
使用される。また、これらの両方を併用する場合もあ
る。
【0032】これらの離型剤の配合量は、熱可塑性樹脂
に対して50〜3000ppmとするのが好ましい。
【0033】熱安定剤としては、例えば、2,6−ジ−
t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシメチルフェノール、2,6−ジ−t−
ブチル−4−エチルフェノール、2,4,6−トリ−t
−ブチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、
シクロヘキシルフェノール、スチレン化フェノール、
2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、n−オクタデ
シル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン
ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,
4’−イソプロピリデンビスフェノール、4,4’−メ
チレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、
1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、1,1,3−トリス(2’−メチル−
4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ブタン
等のフェノール系化合物、アルドール−α−ナフチルア
ミン、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−
ナフチルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレ
ンジアミン、1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチ
ルキノリン等のアミン系ジラウリルチオジプロピオネー
ト、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリル
チオジプロピオネート等の硫黄系化合物、トリフェニル
ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フ
ェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェ
ニル)ホスファイト、トリス(モノ及びジ−ノニルフェ
ニル)ホスファイト、4,4’−ブチリデンビス(3−
メチル−6−t−ブチルフェニル)−ジトリデシルホス
ファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、トリラウリルトリチオホスファイト、及びトリ
オクタデシルホスファイト、o−シクロヘキシルフェニ
ルホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジ
ホスファイト、ジノニルフェニルペンタエリスリトール
ジホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコー
ルジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ホスファイト、4,4’−イソプロピリデンジ
フェニルテトラアルキルホスファイト、4,4’−イソ
プロピリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニ
ル)−ジトリデシルホスファイト、1,1,3−トリス
(2’−メチル−4’−ジトリデシルホスファイト、
1,1,3−トリス(2’−メチル−4’−ジトリデシ
ルホスファイト−5’−t−ブチルフェニル)ブタン、
ポリ(ジプロピレングリコール)フェニルホスファイト
等のリン系化合物、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−
10−ホスフェナントレン−10−オキシド、10−デ
シロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホ
スファフェナントレン、10−(3’,5’−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒド
ロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10
−オキシド等のホスファフェナントレン系化合物が挙げ
られる。
【0034】これらの熱安定剤の配合量は、熱可塑性樹
脂に対して10〜200ppmとするのが好ましい。
【0035】紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾ
フェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系光安定剤、ヒ
ンダードアミン系光安定剤などが挙げられる。ベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤としては2−(2H−ベンゾ
トリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2
H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス
(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−
ベンゾトリアゾール−2−イル−4,6−ジ−t−ブチ
ルフェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリ
アゾール−2−イル]−4−メチル−6−(t−ブチ
ル)フェノールなどが挙げられる。トリアジン系紫外線
吸収剤としては2−(4,6−ジフェニル−1,3,5
−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキ
シ]−フェノールが、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤と
してはオクタベンゾンが、ベンゾエート系光安定剤とし
ては2,4−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエ
ートなどが挙げられる。
【0036】これらの紫外線吸収剤の配合量は、熱可塑
性樹脂に対して10〜2000ppmとするのが好まし
い。
【0037】[基板の成形方法]投射ミラーの基板は、
上述の樹脂組成物を、金型の鏡面部に高圧で押し付けて
成形することにより製造される。
【0038】このような成形方法としては、例えばゲー
トシール法、リメルト成形法などがある。これらの、成
形方法ではキャビティ内に、事前に予備成形された樹脂
組成物からなる成形体を充填し、ガラス転移温度以上に
加熱することにより、キャビティ内で成形体を膨張さ
せ、その膨張力で金型の鏡面部に押し付け鏡面を転写す
る。また、これらの成形方法よりも鏡面の転写性を良く
するための成形方法として、更に金型全体を減圧室に入
れて加熱することでキャビティ内の樹脂組成物や成形体
の膨張を更に促進して、鏡面部に押し付ける圧力を増
し、超鏡面をもつ投射ミラー用基板を得る方法もある。
いずれの成形方法でも、金型の鏡面部に溶融樹脂や熱変
形温度以上で樹脂成形体を高圧で押し付けて成形するこ
との概念は同じである。
【0039】投射ミラーでは、転写された鏡面の平滑性
だけでなく、全体の形状も製品の性能に影響してくる。
全体の形状としては、反りやヒケなどがあるが、反りや
ヒケなどが発生すると、たとえ鏡面部の平滑性が優れて
いても、ライン画像の直線が湾曲するなどの問題を生じ
る。このような反りやひけなどを防止するためには、冷
却過程での調整が必要となる。冷却過程は、ガラス転移
温度より高い温度で一定時間保存することにより、材料
内部の応力を緩和し、その後ガラス転移温度以下の温度
にして(できるだけ室温近くまで下げるのが好ましい)
金型から取り出す。
【0040】このような方法で成形された樹脂基板は、
曲面部分(光学機能面)における、樹脂基板の光学機能
面に対して垂直方向よりの入射光に対する単位厚さあた
りの面内複屈折位相差がきわめて優れている。即ち、複
屈折率は、光学機能面の面積の中央部分を含む少なくと
も60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましく
は少なくとも80%の領域において、30nm/mm以
下、好ましくは20nm/mm以下、より好ましくは1
0nm/mm以下、最も好ましくは5nm/mm以下で
あることが望ましい。
【0041】[積層薄膜層の形成]投射ミラーの基板の
反射面には、少なくとも金属反射膜と、この反射膜を外
部環境による酸化、劣化等から保護する透明保護膜とを
有する2層積層薄膜層、好ましくは基板と反射膜との接
着層としてのアンカーコート、反射膜、保護膜を有する
3層以上の積層薄膜層が形成される。
【0042】このような薄膜層を形成する方法として
は、物理的な成膜法が好ましく、例えば、スパッタリン
グ、イオンプレーティング、真空蒸着などが挙げられ
る。
【0043】真空蒸着による場合、基板を真空蒸着装置
に入れて、真空度を1×10−4〜1×10−6kPa
にまで上げ、基板の鏡面側にアンカーコート、反射膜、
透明保護膜を順次成膜する。
【0044】このアンカーコートとしては、金属酸化物
や珪素酸化物、即ちSiO、SiO などの薄膜が用い
られ、特にSiO薄膜が好適である。なお、SiO
膜、SiO膜は、その他の金属酸化物を含んでいても
よい。アンカーコートの膜厚としては、30〜1500
Åが好ましい。30Å未満であるとピンホールができや
すく基板との密着性が悪くなる可能性があり、1500
Åを超えると樹脂基板との線膨張係数の差により膜が割
れやすくなることがある。
【0045】なお、このアンカーコートの形成に先立っ
て、成形された基板を洗浄してもよい。基板の洗浄は、
基板表面に付着した油脂分、添加剤のブリード物を除去
し、薄膜の密着性を向上させると共に、薄膜にシミや曇
り等の欠陥が生じることを防止することができるなどの
効果があり、好ましい。
【0046】洗浄方法としては、常温で洗浄液に10〜
120秒間程度浸漬後、乾燥する方法が好適である。浸
漬時には、効率よく均一に洗浄するために超音波を基板
の蒸着面に直接当てるように実施するのが好ましい。洗
浄液は、フロン系洗浄剤(但し、オゾン層破壊物質に指
定されていない物が好ましい。)n−ヘキサン、アルコ
ール系のものが好ましい。乾燥方法としては、使用した
洗浄剤の蒸気で乾燥し、その後更に真空乾燥機で乾燥さ
せる方法が好ましい。また、洗浄を行なうことなく通常
の乾燥機で乾燥した後成膜しても良い。
【0047】このアンカーコートを形成した後、金属反
射膜を形成する。この金属反射膜の金属としては、特に
反射率の高いものとして、アルミニウム(Al)、銀
(Ag)等があるが、反射率、耐久性、コストの点から
アルミニウムが好適に用いられる。なお、耐湿性や反射
率を向上するためにアルミニウム合金を用いてもよい。
この反射膜の膜厚は500〜3000Åが好適である。
膜厚が500Åよりも小さいと、反射率が低下し、30
00Åよりも大きいと膜に割れが生じるおそれがある。
【0048】透明保護膜としては、屈折率の低い材料が
好ましく、金属酸化物、金属フッ化物、珪素酸化物など
の薄膜が挙げられ、特にSiとOを含むもの、即ち、S
iO又はSiOが好適である。
【0049】また、保護膜の膜厚は30〜1500Åが
好適である。膜厚が30Åよりも薄いと、空気中の酸素
や水分が遮断されず、保護機能が不足するおそれがあ
り、1500Åよりも厚いと、樹脂基板との線膨張係数
の差により膜割れが発生し易くなるとともに反射率が低
下する。なお、本発明では、平均反射率を所望の値に制
御するために、保護膜としては、SiO膜を700〜
1500Åの厚さに形成するのが好ましい。
【0050】反射率を高めるために、保護膜上に、更に
保護膜よりも屈折率の高い材料よりなる薄膜を成膜して
もよい。
【0051】ところで、本発明においては、投射ミラー
の反射面の反射スペクトルを以下のような特性に調整す
ることにより、良好な画像を得ることを特徴とする。
【0052】即ち、波長400〜550nmの平均反射
率(絶対反射率)をR1、波長550nmを超え700
nm以下の平均反射率(絶対反射率)をR2とすると、
下記式を満たす反射面とする。
【0053】
【数1】
【0054】なお、本発明において、平均反射率は70
%以上であれば良いが、より好ましくは80%以上、更
に好ましくは85%以上である。また、特に波長400
〜550nmの平均反射率R1は85〜100%で、波
長550nmを超え700nm以下の平均反射率R2は
70〜85%で、R1とR2との差が3〜30%程度で
あることが好ましい。
【0055】このような平均反射率R1,R2を満たす
反射面を形成するには、例えば、保護膜としてSiO
などを厚さ700Å以上の膜厚に形成する方法が挙げら
れる。なお、前述の如く、保護膜の膜厚が1500Åを
超えると割れが生じやすくなるため好ましくない。
【0056】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0057】実施例1 [樹脂ペレットの調製]粘度平均分子量20000、樹
脂中に含まれるOH基含有量が50ppmで、Tg=1
50℃(DSC法)、飽和吸水率0.3重量%(AST
M D570)の、界面重合法で製造されたポリカーボ
ネート樹脂を使用して投射ミラーの基板を成形した。こ
のポリカーボネート樹脂を乾燥した後、グリセリンモノ
ステアレート300ppmと、ペンタエリスリトールテ
トラステアレート1500ppmと、熱安定剤としてト
リス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォス
ファイト150ppmとを添加して成形材料とした。
【0058】添加材の混練はJSW社製TEX44(商
品名)二軸混練機を使用して実施し、上記組成のペレッ
トを得た。
【0059】[成形金型の製作]下記式(I)に示す曲
面を有し、非球面中心から40mmの位置を底辺とする
平面投射寸法25cm角の非球面金型の鏡面金型(図4
の1)(スタンパー)を製作した。このスタンパーの表
面粗さ(Ra)は全面で40〜80Åであった。 Z(h)=ch/{1+√(1−(1+k)c)} +Ah+Bh+Ch+Dh10 ……… (I ) (I)式中c=1/r,c:曲率,r:半径,k:円錐
率,A,B,C,Dは係数である。各値は次の通りであ
る。 r=−160 k=−8.0 A=7.0E−9 B=−9.0E−14 C=6.5E−19 D=−2.0E−24 なお、座標設定は図3の通りとした。
【0060】[基板の成形]図4に示す如く、スタンパ
ー1に対し、樹脂成形品の平均厚さが10mmとなるよ
うに周枠3で囲めるようにして枠まで含めて組み上げた
上で(以下、「金型組み上げ物」ということがある)、
その枠内(スタンパー1と周枠3に囲まれた部分)に前
述の樹脂ペレットを入れた。この状態で蓋4をして、こ
れらの全体をヒーター2,5、冷却装置6,7に挟み、
全体を減圧加熱槽9に入れて、−70kPaまで減圧し
た。その後、ヒーター2,5に通電し、240℃まで昇
温した。
【0061】次いで、加熱状態を保ちつつ樹脂成形品面
積当たり4.5kPaの荷重を掛けた。通電後、30分
間経過後ヒーターは下側のヒーター2を240℃、上側
のヒーター5を240℃に設定し30分間保持した。次
に、加熱槽9内の圧力を大気圧まで復圧した。この状態
で冷却装置6,7に流量を調整しながら水を流して冷却
しつつ、ヒーター2,5を160℃として50分保持
し、次にヒーター2,5を140℃とし、30分間保
持、またヒーター2,5を110℃とし30分保持して
ゆっくりと冷却した。計算では、Tgを通過する時点の
冷却速度は0.7℃/分であった。
【0062】100℃まで3℃/分で降温させ、減圧加
熱槽9を開放し、金型組み上げ物を取りだし、周枠3、
金型1、蓋4を分解、離型させて内部の樹脂基板10を
取り出した。
【0063】得られた投射ミラー基板の反射面部分にお
ける樹脂基板の厚みは、平均厚さが10mmであり、最
大厚さ12mm、最小厚さ9mmであった。また、基板
の平面面積は480cmで、4辺の長さは24cm、
24cm、20cm、20cmであった。
【0064】[積層薄膜層の形成]得られた基板を乾燥
機に入れて60℃で48時間乾燥した後、基板の光学機
能性面にスパッタリング装置を用いて、アンカーコート
としてSiOを200Åの厚さに、その上に反射膜と
してAlを1500Åの厚さに、更にその上に保護膜と
してSiOを1000Åの厚さに成膜し、投射ミラー
を得た。なお、成膜時には2.6cm×7.6cmで厚
さ1.3mmの平板のモニターガラスにも同時に成膜を
行い、反射率の測定に用いた。
【0065】成膜後のモニターガラスについて日立製作
所製U−2000形ダブルビーム分光光度計を用いて、
測定角度5°で、アルミ基準ミラーを100%とする相
対反射率を測定し、次のような平均反射率であることを
求めた。 波長400〜550nmの平均反射率R1=98.1% (測定点 5点:測定波長 400、450、500、
550nm) 波長550nmを超え700nm以下の平均反射率R2
=88.2% (測定点 3点:測定波長 600、650、700n
m)
【0066】[投射ミラーの相対分光分布の評価]得ら
れた投射ミラーのスクリーン上の相対分光分布を次のよ
うにして測定した。
【0067】超高圧水銀ランプを搭載したプロジェクタ
から出た白色画像を投射ミラーに反射させて、ガラスス
クリーン上に投影した。その画像の中心付近の輝度を分
光放射輝度計CS−1000(ミノルタ社製)で測定し
た。測定した結果をデータ管理ソフトCS−S1W V
er.2.0(ミノルタ社製)で処理して、相対分光分
布を得る。得られた相対分光分布は、図5に示す通りで
あった。
【0068】この相対分光分布の波長550nm付近に
あるピーク値(P1)を100とし、波長450nm付
近にあるピーク値(P2)の値を評価値とした。この数
値が60を超えると良好な画像が得られる。
【0069】その結果、P1=100に対してP2=約
62であり、スクリーン上の白色画像の黄色味も少なか
った。
【0070】[投射ミラーのXYZ表色系色度図の評
価]得られた投射ミラーについて、XYZ表色系色度図
で得られた輝度の黄色味を評価したところ、図9に示す
如く、XYZ表色系色度図のXY座標は、x=0.27
73、y=0.3321であり、黄色味が少なかった。
【0071】実施例2 保護膜の厚みを800Åとしたこと以外は、実施例1と
同様にして投射ミラーを製造した。この投射ミラーと同
様にして成膜を行ったモニターガラスの平均反射率は次
の通りであった。 波長400nm〜550nmの平均反射率R1=94%
(測定点 5点:測定波長 400、450、500、
550nm) 波長550を超え700以下nmの平均反射率R2=8
8.8%(測定点 3点:測定波長 600、650、
700nm)
【0072】得られた投射ミラーについて、実施例1と
同様にしてスクリーン上の相対分光分布を測定したとこ
ろ、図6に示す如く、P1=100に対して、P2=約
61であり、スクリーン上の白色画像も黄色味が少なか
った。また、XYZ表色系色度図のXY座標は、図9に
示す如く、x=0.2793、y=0.3337であ
り、黄色味が少なかった。
【0073】比較例1 保護膜を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様に
して投射ミラーを製造した。この投射ミラーと同様にし
て成膜を行ったモニターガラスの平均反射率は次の通り
であった。 波長400〜550nmの平均反射率R1=95.0%
(測定点 5点:測定波長 400、450、500、
550nm) 波長550nmを超え700nm以下の平均反射率R2
=95.1%(測定点 3点:測定波長 600、65
0、700nm)
【0074】得られた投射ミラーについて、実施例1と
同様にしてスクリーン上の相対分光分布を測定したとこ
ろ、図8に示す如く、P1=100に対して、P2=5
0であり、スクリーン上の白色画像はやや黄色味があっ
た。また、XYZ表色系色度図のXY座標は、図9に示
す如く、x=0.2822、y=0.3445であり、
黄色傾向を示した。
【0075】比較例2 保護膜の厚みを600Åとしたこと以外は、実施例1と
同様にして投射ミラーを製造した。この投射ミラーと同
様にして成膜を行ったモニターガラスの平均反射率は次
の通りであった。 波長400〜550nmの平均反射率R1=91.6%
(測定点 5点:測定波長 400、450、500、
550nm) 波長550nmを超え700nm以下の平均反射率R2
=92.3%(測定点 3点:測定波長 600、65
0、700nm)
【0076】得られた投射ミラーについて、実施例1と
同様にしてスクリーン上の相対分光分布を測定したとこ
ろ、図7に示す如く、P1=100に対して、P2=約
59であり、スクリーン上の白色画像はやや黄色味があ
った。また、XYZ表色系色度図のXY座標は、図9に
示す如く、x=0.283、y=0.3403であり、
黄色傾向を示した。
【0077】実験例1 実施例1における成膜工程において、モニターガラスと
して用いたガラス平板の反射率を実施例1と同様にして
測定したところ、図10(a)に示す結果を得た。
【0078】このモニターガラスに対して、実施例1と
同様にしてSiOアンカーコート(膜厚200Å)、
Al反射膜(膜厚1500Å)及びSiO保護膜を形
成した。ただし、SiO保護膜の膜厚は600Å、7
00Å、800Å、900Å、1000Åの5種類とし
た。
【0079】各成膜ガラスについて同様に反射率を測定
したところ、図10(b)に示す結果を得た。
【0080】この結果からSiO保護膜の膜厚を70
0Å以上とすると、波長400〜550nmの平均反射
率R1>波長550nmを超え700nm以下の平均反
射率R2の投射ミラーが得られることがわかる。
【0081】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明によれば、
光学ユニットを通過することによる短波長域の発光輝度
の低下の問題を解消することができ、また、メタルハラ
イドランプや超高圧水銀ランプのような波長430nm
付近と550nm付近に発光輝度の大きなピークがあ
り、波長430〜550nmの間の発光輝度が小さい光
源を用いるプロジェクタやディスプレイの投射ミラーと
して好適な合成樹脂製非球面凸曲面型投射ミラーが提供
される。
【0082】本発明の投射ミラーによれば、メタルハラ
イドランプや超高圧水銀ランプの波長430〜550n
mの間の低発光輝度と、光学ユニットを通過することに
よる波長430nm付近の発光輝度の低下を相殺し、全
体的な発光輝度を均一なものとすることができるため、
黄色味の少ない良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】投射ミラーを用いた投射装置の構成図である。
【図2】超高圧水銀ランプの発光スペクトルを示すグラ
フである。
【図3】実施例1で製作した金型の座標設定を示すグラ
フである。
【図4】実施例1における基板の成形方法を示す断面図
である。
【図5】実施例1で得られた投射ミラーによるスクリー
ン上の相対分光分布を示すグラフである。
【図6】実施例2で得られた投射ミラーによるスクリー
ン上の相対分光分布を示すグラフである。
【図7】比較例2で得られた投射ミラーによるスクリー
ン上の相対分光分布を示すグラフである。
【図8】比較例1で得られた投射ミラーによるスクリー
ン上の相対分光分布を示すグラフである。
【図9】実施例1,2及び比較例1,2で得られた投射
ミラーのXYZ表色系色度図のXY座標を示すグラフで
ある。
【図10】実験例1における反射率の測定結果を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 スタンパー 3 周枠 2,5 ヒーター 4 蓋 6,7 冷却装置 9 加熱槽 10 樹脂基板 11 プロジェクタ 12 投射ミラー 13 スクリーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松下 泰典 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 (72)発明者 渡邊 裕之 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化学 株式会社水島事業所内 Fターム(参考) 2H042 DA01 DA11 DA18 DC02 DC11 DD09 DE04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非球面の凸曲面型反射面を有した投射ミ
    ラーであって、合成樹脂製基板と、該基板の反射面に形
    成された金属反射膜及び該反射膜上に形成された透明保
    護膜を含む積層薄膜層を有する投射ミラーにおいて、 該反射面の波長400〜550nmの光が平均反射率R
    1と波長550nmを超え700nm以下の光の平均反
    射率R2が、 R1>R2≧70% を満足することを特徴とする投射ミラー。
  2. 【請求項2】 該合成樹脂が、非晶性熱可塑性樹脂であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の投射ミラー。
  3. 【請求項3】 該非晶性熱可塑性樹脂がポリカーボネー
    トであることを特徴とする請求項2に記載の投射ミラ
    ー。
  4. 【請求項4】 該透明保護膜がSiとOを含有すること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
    投射ミラー。
  5. 【請求項5】 該保護膜の膜厚が700〜1500Åで
    あることを特徴とする請求項4に記載の投射ミラー。
JP2001070629A 2000-10-20 2001-03-13 投射ミラー Pending JP2002267823A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001070629A JP2002267823A (ja) 2001-03-13 2001-03-13 投射ミラー
CNB018209203A CN1213310C (zh) 2000-10-20 2001-10-19 投影透镜
PCT/JP2001/009223 WO2002033451A1 (fr) 2000-10-20 2001-10-19 Lentille de projection
EP01978838A EP1335214A4 (en) 2000-10-20 2001-10-19 PROJECTION LENS
US10/418,264 US6738200B2 (en) 2000-10-20 2003-04-18 Projection lens

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001070629A JP2002267823A (ja) 2001-03-13 2001-03-13 投射ミラー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002267823A true JP2002267823A (ja) 2002-09-18

Family

ID=18928464

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001070629A Pending JP2002267823A (ja) 2000-10-20 2001-03-13 投射ミラー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002267823A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005326434A (ja) * 2004-05-12 2005-11-24 Hitachi Ltd 反射ミラー及びそれを用いた背面投射型映像表示装置
JP2006106720A (ja) * 2004-09-09 2006-04-20 Hitachi Metals Ltd 反射膜
US7059730B2 (en) 2003-04-24 2006-06-13 Hitachi, Ltd. Back reflective mirror and back projection type video display device using the same

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02242505A (ja) * 1989-03-16 1990-09-26 Toshiba Lighting & Technol Corp 照明器具
JPH04235502A (ja) * 1991-01-10 1992-08-24 Nisshin Koki Kk 反射鏡
JPH08286007A (ja) * 1995-04-17 1996-11-01 Fuji Photo Optical Co Ltd プラスチック基板ミラー
JPH08292320A (ja) * 1995-04-19 1996-11-05 Koito Mfg Co Ltd コールドミラー
JPH1172604A (ja) * 1997-09-01 1999-03-16 Kureha Chem Ind Co Ltd 防眩性反射ミラー

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02242505A (ja) * 1989-03-16 1990-09-26 Toshiba Lighting & Technol Corp 照明器具
JPH04235502A (ja) * 1991-01-10 1992-08-24 Nisshin Koki Kk 反射鏡
JPH08286007A (ja) * 1995-04-17 1996-11-01 Fuji Photo Optical Co Ltd プラスチック基板ミラー
JPH08292320A (ja) * 1995-04-19 1996-11-05 Koito Mfg Co Ltd コールドミラー
JPH1172604A (ja) * 1997-09-01 1999-03-16 Kureha Chem Ind Co Ltd 防眩性反射ミラー

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7059730B2 (en) 2003-04-24 2006-06-13 Hitachi, Ltd. Back reflective mirror and back projection type video display device using the same
JP2005326434A (ja) * 2004-05-12 2005-11-24 Hitachi Ltd 反射ミラー及びそれを用いた背面投射型映像表示装置
CN1328601C (zh) * 2004-05-12 2007-07-25 株式会社日立制作所 反射镜及使用该反射镜的背面投影型图像显示装置
JP2006106720A (ja) * 2004-09-09 2006-04-20 Hitachi Metals Ltd 反射膜

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8730575B2 (en) Wire-grid polarizer and process for producing the same
CN100429067C (zh) 光学片的制造方法和光学片
JP4910311B2 (ja) 熱可塑性透明樹脂
TWI359311B (ja)
WO2012115059A1 (ja) 微細構造成形体および該微細構造成形体を備えた液晶表示装置
KR20110002004A (ko) 와이어 그리드형 편광자의 제조 방법
US20110249200A1 (en) Reflection-type screen, projection system, front projection television system, and reflection-type screen manufacturing method
JP2002343121A (ja) 保護拡散フィルム及びその製造方法、面光源装置及び液晶表示装置
TW200829946A (en) Multifunctional optical film, and surface light source device and liquid crystal display employing the optical film
TWI270692B (en) Transmitting screen-use light diffusing member
US6738200B2 (en) Projection lens
JP6180089B2 (ja) 光学素子及びそれを用いた投影型映像表示装置
JP2004233604A (ja) 光学用フィルムおよびその製造方法
JP2007102193A (ja) 耐紫外線のリフレクタ
JP2002267823A (ja) 投射ミラー
JPH11240926A (ja) フレネルレンズ用電離放射線硬化型樹脂組成物及び透過型スクリーン
JP2002169224A (ja) 透過型スクリーン
JP4889135B2 (ja) 反射防止膜フィルム
JPH05341385A (ja) レンズシート
JP2002131519A (ja) 投射レンズ
JP2002139610A (ja) 投射レンズの製造方法
JPH09120002A (ja) 反射防止フィルム
JP2002196120A (ja) 非球面投射レンズの基板用組成物及び該組成物を用いた非球面投射レンズの基板及び非球面投射レンズ
JP4839526B2 (ja) プロジェクションスクリーン
JPWO2020145251A1 (ja) 異方性拡散板、バックライトユニット、液晶表示装置および電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080229

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100907

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101101

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101207