JP2002139610A - 投射レンズの製造方法 - Google Patents

投射レンズの製造方法

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JP2002139610A
JP2002139610A JP2000333048A JP2000333048A JP2002139610A JP 2002139610 A JP2002139610 A JP 2002139610A JP 2000333048 A JP2000333048 A JP 2000333048A JP 2000333048 A JP2000333048 A JP 2000333048A JP 2002139610 A JP2002139610 A JP 2002139610A
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projection lens
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Keishin Handa
敬信 半田
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量、安価にもかかわらず高形状精度であ
り、特にスクリーンに対して垂直方向では無く、斜め方
向、特に斜め下方より投射する投射デバイスに組み込ま
れて、歪み・変形の無い高精細な画像を投射することが
できる大型の投射レンズの高精度な製造方法を提供す
る。 【解決手段】所定の曲面に形成された樹脂基材の表面に
反射層を設けた投射レンズの製造方法であって、レンズ
の曲面部分における、樹脂基材の光学機能面に対して垂
直方向よりの入射光に対する単位厚さあたりの面内複屈
折位相差の平均値を、光学機能面の面積の少なくとも6
0%の領域において、30nm/mm以下の樹脂基材を
成型し、該樹脂基材の曲面部分に金属反射膜を蒸着する
ことを特徴とする投射レンズの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投射レンズの製造
方法に関するものである。詳しくは、オーバーヘッドプ
ロジェクター、ウインドーディスプレー、フロントデー
タプロジェクター等の投射デバイスに使用される高精
度、高精細な投射レンズ(投射デバイス)、特にリアプ
ロジェクション・テレビ等に使用するミラー型の樹脂製
曲面投射レンズを高精度に製造する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の大型で高精度を要求され
る光学部品に使用される材料は無機ガラスあるいはアル
ミ・鋼材等の金属材料が圧倒的に多かった。これは無機
ガラスあるいは金属材料の持つ優れた光学精度、特に温
度変化があっても歪みの少ない画像が得られること、さ
らに精密切削加工・研磨加工適性の高さによるものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガラス
あるいはアルミ・鋼材等の材料を使用した場合、ガラス
の場合は、ガラスを熱プレス成形する方法が一般的であ
るが、ガラスが十分に溶融する700℃以上まで均一に
加熱する必要があり、このような加熱装置を備えた装置
自体が高価になるばかりか、加熱・冷却時間を考慮する
とサイクルタイムも長くなり、また高温での圧縮に耐え
る高い形状精度及び耐久性を有する金型も必要となるこ
とから、ガラス部品が非常に高価なものとなってしまう
欠点があった。
【0004】このため、投射デバイス用の部品として用
いる場合、高コストが許容される極めて特殊な用途にし
か使用できず、一般オフィス用さらに家庭用デバイスと
しては普及していない。またアルミ・鋼材等の金属材料
を使用した場合は、基本的に一個一個について精密な切
削加工、磨き加工により製作する必要があるため、やは
り部品自体が極めて高価になる上、量産に適さないとの
問題点があった。
【0005】例えば特許公報 特開平9―96775
には、画像を斜め投射した際の台形歪みの補正機能を備
える画像投影装置 の発明について記載があるが「投影
装置の映写対物レンズが非常に大口径を為す場合を除
き、上記映写対物レンズを移動できる範囲が比較的狭
い。ところが、大口径の映写対物レンズは装置全体のサ
イズを大きくし、製造コストも高くなる」との記載もあ
る。
【0006】上記のような製造工程、製造装置の問題点
を解決するための手段の一つは、成形が比較的容易な樹
脂材料により製作することにあるが、熱可塑性樹脂を材
料とする通常の射出成形品や圧縮成形品の場合は、成形
収縮が極めて大きいという熱可塑性樹脂の本来の性質
上、反りやヒケ、あるいは金型からの形状(曲面)転写
不良が発生するため、投射レンズ、特に斜め投射時の台
形歪みを補正する機能も有する投射レンズとして用い
て、高精細な画質を獲得できるような大型(大面積かつ
厚肉)で高い形状精度を有する成型品を得ることはでき
なかった。
【0007】また、エポキシ系、ジアクリレート系等の
熱あるいは光による硬化性樹脂を材料とする場合は、硬
化収縮が5〜20vol%発生するため、収縮による変形
等が発生し、反射面に歪みを生じ、やはり高精細な画質
を獲得できるような大型(大面積かつ厚肉)で高い形状
精度を有する投射レンズを形成することはできなかっ
た。
【0008】さらに硬化性樹脂の硬化時間あるいは初期
硬化後のアニール処理(硬化促進、架橋密度向上、残留
応力緩和)に数時間〜数十時間という長時間を要するた
め、やはり大量生産に適さないとの問題点があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
鑑み、鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂を用いて投射レ
ンズを製作する際に、特定の物性値を特定の範囲にコン
トロールすることにより高精度かつ歪みの少ない反射面
が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明の要旨は、 (1)所定の曲面に形成された樹脂基材の表面に反射層
を設けた投射レンズの製造方法であって、レンズの曲面
部分における、樹脂基材の光学機能面に対して垂直方向
よりの入射光に対する単位厚さあたりの面内複屈折位相
差の平均値を、光学機能面の面積の少なくとも60%の
領域において、30nm/mm以下の樹脂基材を成型
し、該樹脂基材の曲面部分に金属反射膜を蒸着すること
を特徴とする投射レンズの製造方法に存する。
【0011】また以下の点もその態様の一つとする。 (2)樹脂基材をTg≧70℃で、60℃90RH%に
おける飽和吸水率が1%未満の非晶質熱可塑性樹脂を主
成分とする樹脂組成物を用いて成形することを特徴とす
る上記(1)に記載の投射レンズの製造方法。 (3)反射層を厚さ1200〜3000Åのアルミ蒸着
膜で形成することを特徴とする上記(1)又は(2)に
記載の投射レンズの製造方法。 (4)反射層の上に100〜1000Åの厚さの金属酸
化物膜からなる透明保護層を形成することを特徴とする
上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の投射レンズの
製造方法。 (5)樹脂基材と反射層との間に30〜1000Åの厚
さのSiOx、AL2O3又はCrを含有する層を設け
ることを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれかに
記載の投射レンズの製造方法。 (6)面内複屈折位相差が30nm/mm以下の樹脂基
材を成形する方法が、原料樹脂を鏡面金型と裏面金型間
に加圧状態で保持し、減圧下にTgより50〜120℃
高い温度に加熱し、加熱状態を保持したまま大気圧近傍
まで復圧し、その後Tgを通過する上下10℃の範囲に
おいて成型品の単位厚さあたり30℃/分・mmより遅
い冷却速度で冷却する方法であることを特徴とする上記
(1)乃至(5)のいずれかに記載の投射レンズの製造
方法。 (7)面内複屈折位相差が30nm/mm以下の樹脂基
材を成形する方法が、原料樹脂を鏡面金型と裏面金型間
に加圧状態で保持し、減圧下にTgより50〜120℃
高い温度に加熱し、加熱状態を保持したまま大気圧近傍
まで復圧し、その後Tgを通過する上下10℃の範囲に
おいて成型品の単位厚さあたり30℃/分・mmより遅
い冷却速度で冷却する方法であって、冷却開始後、Tg
ー10℃まで冷却される間、成型品に負荷される圧力が
成型品の面積あたり1〜10000kPaの範囲にある
ことを特徴とする上記(1)乃至(6)のいずれかに記
載の投射レンズの製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明方法の詳細を説明す
る。本発明の方法で製造される投射レンズの基材を構成
する樹脂としては、通常の熱可塑性樹脂が用いられる。
具体的にはポリメチルメタクリレート等のアクリル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート
樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリサルホン樹脂、ポ
リエーテルサルホン樹脂、ポリスチレン、アクリル−ス
チレン共重合体等のスチロール系樹脂、環状ポリオレフ
ィン樹脂等が挙げられ、特に、非晶質の熱可塑性樹脂が
成形収縮性の少ないことから好ましい。
【0013】非晶性の評価については、例えば日刊工業
新聞社より発行されている “ポリカーボネートハンドブック”初版の171ページ
に赤外吸収ピーク値より非晶部の密度と結晶部の密度を
推定し、成形品の密度より結晶化度を求める方法が紹介
されている。この“密度法”によって求めた結晶化度が
20%以下、より望ましくは15%以下、最も望ましく
は10%以下の非晶性成形品であることが好ましい。
【0014】より具体的にはポリカーボネート樹脂を用
いるのが、成形性、強度、経済性(材料コスト)等を兼
ね備えるので好ましい。ポリカーボネートを用いる場合
についてさらに具体的に説明する。本発明方法に用いる
ポリカーボネートの好ましい分子量は粘度平均分子量で
18000〜25000程度、より好ましくは2000
0〜23000である。
【0015】分子量が18000を下回ると、成形板に
ヒートショック(使用時に加温と冷却が繰り返しあるい
は急激に行われる状態)が加わった際、割れてしまうこ
とがある。また、分子量が18000を下回ると、本発
明方法の投射レンズは後述するように、その用途上、分
厚い大型成形品を作成するのが目的の一つであるため、
主として成型時の金型取り出し後の冷却時に、内部と表
面との温度差により体積歪みが発生し割れる場合もあ
る。
【0016】ポリカーボネートの分子量が24000を
上回ると、粘度が高すぎるため、熱劣化を引き起こさな
いような低い成形温度では、鏡面を精密に転写させるた
め、あるいは成形品の反り・変形を抑制するための分子
鎖の配向緩和が不十分となったり、成形時間が長くなり
工業的に不利になる。粘度平均分子量の測定方法は以下
の通りである。ウベローデ型キャピラリー粘度計を用い
て、塩化メチレン中20℃の極限粘度[η]を測定し、
以下の式により粘度平均分子量(Mv)を求める。 [η]=1.23×10-4×(Mv)E0.83 本発明方法に用いるポリカーボネートは末端OH(水酸
基)の量が700ppm未満であることが望ましく、よ
り好ましくは500ppm未満、特には350ppm未
満が好ましい。
【0017】末端OH量が700ppmを越えると熱プ
レス処理後にポリカーボネート樹脂と金型鏡面との密着
性が強固となり、成型品を金型から離型する際に離型が
難しくなるという問題が生ずる場合がある。末端OH量
の定量方法は以下の通りである。四塩化チタン/酢酸法
(Makromol Chem,88,215(196
5)により、比色定量を行う。
【0018】ポリカーボネートを用いて本発明方法の投
射レンズを成形する際の添加剤としては、離型剤、熱安
定剤を用いるのが好ましい。離型剤としては、例えばグ
リセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、
プロピレングリコール脂肪酸エステル、高級アルコール
脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル系(全エステル化
物、部分エステル化物)、シリコン系のもの等が挙げら
れる。その使用量は原料樹脂に対し30〜500ppm
が好ましく、80〜300ppmがより好ましく、10
0〜200ppmであることが最も好ましい。
【0019】離型剤は成型時、金型との界面に偏析し成
形品の金型からの剥離を容易ならしめる。離型剤が30
ppm未満では成形品の金型との剥離時に離型不良によ
る破損、変形、表面ダメージの発生等の問題が生ずる場
合がある。500ppmを越えると、基材表面に反射層
をスパッタリング等で形成する際に形成した反射層の密
着性、耐久性に問題が発生する場合がある。
【0020】具体的には、初期、あるいは経時で離型剤
が成形品と反射膜との界面にブリードアウトし、反射膜
が剥がれる等の問題を生ずる場合がある。離型剤として
は、上述の中でも、グリセリンエステル系の離型剤を用
いることが好ましく、この使用量は原料樹脂に対し 5
0〜200ppm程度、好ましくは100〜200pp
m程度である。
【0021】熱安定剤としては、具体的には、例えば、
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2、6−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、2,
6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,4,
6−トリ−t−ブチルフェノール、ブチル化ヒドロキシ
アニソール、シクロヘキシルフェノール、スチレン化フ
ェノール、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、n
−オクタデシル−3−(3’、5’−ジ−t−ブチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’
−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、4,4’−イソプロピリデンビスフェノール、
4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェ
ノール)、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサン、2,2’−チオビス(4−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2’
−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニ
ル)ブタン等のフェノール系化合物、アルドール−α−
ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、フェ
ニル−β−ナフチルアミン、N、N’−ジフェニル−p
−フェニレンジアミン、1,2−ジヒドロ−2,2,4
−トリメチルキノリン等のアミン系 ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジ
プロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等
の硫黄系化合物 トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホス
ファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス
(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ及びジ
−ノニルフェニル)ホスファイト、4,4’−ブチリデ
ンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル)−ジト
リデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリト
ールジホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイ
ト、及びトリオクタデシルホスファイト、o−シクロヘ
キシルフェニルホスファイト、ジイソデシルペンタエリ
スリトールジホスファイト、ジノニルフェニルペンタエ
リスリトールジホスファイト、テトラフェニルジプロピ
レングリコールジホスファイト、トリス(2、4−ジ−
t−ブチルフェニル)ホスファイト、4、4’−イソプ
ロピリデンジフェニルテトラアルキルホスファイト、
4、4’−イソプロピリデンビス(3−メチル−6−t
−ブチルフェニル)−ジトリデシルホスファイト、1、
1、3−トリス(2’−メチル−4’−ジトリデシルホ
スファイト、1、1、3−トリス(2’−メチル−4’
−ジトリデシルホスファイト−5’−t−ブチルフェニ
ル)ブタン、ポリ(ジプロピレングリコール)フェニル
ホスファイト等のリン系化合物、9、10−ジヒドロ−
9−オキサ−10−ホスフェナントレン−10−オキシ
ド、10−デシロキシ−9、10−ジヒドロ−9−オキ
サ−10−ホスファフェナントレン、10−(3’、
5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−
9、10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェ
ナントレン−10−オキシド等のホスファフェナントレ
ン系化合物が挙げられる。
【0022】熱安定剤の使用量は原料樹脂に対し100
〜1000ppmが好ましく、300〜800ppmが
より好ましい。熱安定剤は、ポリカーボネート樹脂の分
解を防ぎ、結果として金型からの剥離を容易ならしめ
る。熱安定剤の添加量が100ppmよりも少ない場
合、成形時の樹脂の酸化防止効果が低く、酸化された樹
脂等が金型との密着性を上げ、成型品と金型との離型に
問題を生ずる場合がある。
【0023】また1000ppmよりも多い場合、酸化
防止効果が飽和して改善効果の向上が望めないばかり
か、高濃度に酸化防止剤が存在する場合、ポリカーボネ
ートの加水分解触媒として作用するため、ポリカーボネ
ート樹脂が分解し、ポリカーボネート樹脂の分子鎖末端
にフェノール性OHが発生する。フェノール性OHは金
型鏡面と密着性が高いため前述したように成型品と金型
との離型性が悪くなり、結果として成形品表面にダメー
ジが残ったり、サイクルタイムが長くなってしまう場合
がある。
【0024】ポリカーボネート樹脂は現在のところ最も
好適な樹脂として挙げられるが、本発明方法の投射レン
ズに使用可能な材料は、これに限られない。使用可能な
材料として考えられる樹脂は、非晶質で熱可塑性で高T
g(ガラス転移温度)を有する樹脂である。非晶質が望
ましい理由は、結晶性樹脂では、結晶化の際、密度が大
きく変化する上、非晶相部分との密度差により成形品表
面に光学的に無視できないサイズ(例えば1mm四方の
エリア内に1/4波長以上の高低差を有する)の微細な
凹凸等が発生し、形状精度が低下するからである。
【0025】熱可塑性であることの望ましい理由は、エ
ポキシ系あるいはジアクリレート、ジメタクリレート系
等の硬化性樹脂の場合は、紫外線あるいは熱による硬化
時、硬化収縮の問題が発生するためである。硬化性樹脂
の硬化収縮量は通常10〜20容量(vol)%であ
り、この体積変化が理由で形状精度、転写精度が不十分
となる。
【0026】高Tgが望ましい理由は、家庭用あるいは
オフィスデバイス用の部品として通常60℃までの画像
を保証する必要があるからである。60℃で光学部品の
変形が起きないためには安全を見込んで非晶性熱可塑樹
脂材料の場合、Tg≧80℃(80℃以上の意味)が望
ましいこととなる。ただし、これは通常使用時の室温変
動やデバイス中への熱のこもり具合から見た目安であ
り、ストーブ等の熱源付近に設置した場合を考慮する
と、さらに80℃で変形しないこと、沸騰水の飛沫が飛
んだりすることを考慮すると、より好ましくは100℃
で変形しないことが望ましい範囲となる。
【0027】従って、Tgは、Tg≧80℃ 好ましく
はTg≧100℃ より好ましくはTg≧120℃が望
ましい。更に、使用する樹脂材料として必要とされる好
ましい物性は、低吸湿性である。低吸湿性は、飽和吸水
率(ASTM D570)にして樹脂中1wt%未満、
好ましくは0.5wt%未満の樹脂材料であることが望
ましい。
【0028】その理由は、本発明方法の投射レンズは、
表面にアルミ等の金属からなる反射層を蒸着等により形
成して反射(投射)型のミラー光学部品として使用する
ものであり、後述するように、得ようとする成形品が光
学部品としては大型でかつ厚肉であること、金属層であ
る反射層側からは水分が吸収されることが少ない(無
い)ことを考慮すると、片面(反射層の無い側)から水
分吸収が始まり、水分吸収により膨張(膨潤)すると変
形が発生し、形状が変化して、光学部品としての光線制
御精度が低下する。これにより、例えば焦点ボケ、画像
の変形等が発生する。
【0029】上記の低吸湿性を満たす透明材料は、ポリ
カーボネート樹脂の他、ポリエステル・カーボネート樹
脂、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン等のポリスル
ホン系樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂、ポリアリレー
ト樹脂、非極性官能基を導入し、吸湿性を抑えた特殊ア
クリル樹脂等が挙げられる。本発明方法で得る投射レン
ズは光学製品としては比較的大型の製品である。言うま
でもなく、大型(大面積かつ肉厚大)の光学製品の方
が、小さな光学部品より、光学的歪みの防止が難しく、
より困難な成形となる。
【0030】本発明方法で得ようとする投射レンズの具
体的大きさを例示すると、平面面積が150cm2
上、平面の最小幅が10cm以上、成形品厚さが3mm
以上のものが対象となる。さらにスクリーン面積が30
型を越えるような大型の投写型画像デバイスにおいて
は、上記の投射レンズは形状精度が厳しく要求され、不
自然感の無い投射画像を得るためには、レンズ上の一画
素領域内での面に対して垂直方向の形状誤差が±サブミ
クロン以下であることが望ましい。これを越えるような
形状誤差がある場合は、スクリーン上の画素が本来の形
状から歪んだり、甚だしい場合は幾つかに分裂してスク
リーン上に結像する。通常20倍程度に拡大して30型
以上の大画面に投射するタイプの大型レンズにおいて
は、そのレンズ上での一画素の大きさは数mm〜1cm
程度の幅を有する。
【0031】さらに光学機能面全体での形状誤差が±8
0μ、より好ましくは±50μ、さらに好ましくは±3
0μ以下であることが望ましい。反り、ヒケ等により光
学機能面全体として、上記の範囲を逸脱する場合は、画
像が垂れたり歪んだりして不自然に見える。上述の樹脂
を用いて、特定の条件を満足するように成形することに
より、このような大型の投射レンズの基材が得られる。
【0032】その特定の条件とは、上記の原料樹脂を加
熱溶融して所定の曲面に形成された所定形状のキャビテ
ィを有する金型に導入し、冷却固化させて成型品(基
材)とする際、レンズの曲面部分(光学機能面)におけ
る、樹脂基材の光学機能面に対して垂直方向よりの入射
光に対する単位厚さあたりの面内複屈折位相差の平均値
を、光学機能面の面積の中央部分を含む少なくとも60
%以上、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは
少なくとも80%の領域において、30nm/mm以
下、好ましくは20nm/mm以下、より好ましくは1
0nm/mm以下、最も好ましくは5nm/mm以下と
することにある。
【0033】光学機能面とは光学的に歪みがあっては困
る部分で、光学部品本来の役目をなす部分(面)であ
る。製造上、光学機能面の周囲に光学機能を果たす必要
のない部分を形成する場合が有るが、そのような縁部分
は含まない。また、光学機能面の中央部分とは平面的に
見た中心部を云う。光学機能面の中央部分を含む少なく
とも60%の面内複屈折位相差を上記の範囲に有るよう
に形成することにより、所望の投射レンズが得られる。
【0034】このような基材を得るための具体的方法を
ポリカーボネートの場合を主な例として説明する。図
1、図2は本発明方法の投射レンズを成形するのに用い
る金型の一例の縦断面図である。図中、1は鏡面金型、
2はヒーター、3は周枠、4は裏面金型、5はヒータ
ー、6,7は冷却装置、8は荷重、9は減圧加熱槽、1
0は樹脂基板をそれぞれ示す。
【0035】ポリカーボネート樹脂等の基材用原料樹脂
は減圧乾燥機等で乾燥しておくのが良い。原料樹脂中に
水分が残っていると、発泡や基材の変形の原因となるこ
とがあるためである。乾燥条件としては、80〜120
℃で3〜6時間程度、減圧乾燥を実施すればよく、水分
量で言えば、樹脂中の水分が200ppm以下程度にな
れば良い。
【0036】原料樹脂としては粉末状、ペレット状、板
状(プリプレグ)等任意の形状のものが用いうるが、最
終成形体と類似の形状のプリプレグを用いることが、金
型中で原料樹脂を均一にかつ迅速に加熱する上で好まし
い。プリプレグを用いる場合には、最終成型品の厚さよ
り5〜20%程度厚いプリプレグを用いるのが成型上好
ましい。
【0037】同時に金型へのセットの簡便性を考え、面
方向の寸法は最終成型品の面方向の寸法に対し、前方向
で3〜20%程度小さいことが望ましい。また、プリプ
レグの重量は、最終成型品と同一か10%程度まで重い
ことが望ましく、最終成型品よりも重い場合は、余分な
樹脂量はバリもしくは凸部として成形後に除去されるこ
ととなる。
【0038】本発明方法の投射レンズを製造する工程の
一例につき説明する。冷却装置6の上にヒーター2、鏡
面金型1を配置し、鏡面金型1の周囲に周枠3を配置す
る。これらの成形装置を減圧加熱槽9内に置き、ヒータ
ー2の設定温度を170℃とし装置を30分程度(通常
10〜60分程度)装置全体がほぼ均一な温度になるま
で予熱する。
【0039】金型1の表面は樹脂材料のTg〜Tg−3
0℃付近、例えばポリカーボネート樹脂の場合には12
0〜150℃程度まで予熱されればよい。予熱完了後、
この上に基材10を形成する樹脂(ポリカーボネート
等)のプリプレグを置くか、またはペレット等を全体が
ほぼ均一の厚みとなるように敷き詰める。プリプレグを
用いるのが好ましく、プリプレグは得ようとするレンズ
の厚さより3〜20%程度厚くされているものが好まし
い。
【0040】投射レンズは反り・変形を防止するため、
全体がほぼ同じ厚さ、すなわち、投射レンズの反射面部
分における樹脂基材の厚みが、樹脂基材の平均厚さの±
50%以内の厚さとされていることが望ましい。製品中
の厚さが大きく異なる場合は、冷却時の収縮応力に偏り
が発生するため、反りや変形が発生することが多い。ま
た、レンズの周囲に補強のためリブを設けることも考え
られるが、この場合はリブの設けられた部分の厚さは平
均厚さの計算には算入しない。
【0041】ペレットを用いて金型に敷き詰める場合の
量は、目的とする成形品の重量と同程度とすることが望
ましい。上記状態で減圧を開始する。減圧度は大気圧に
対し、−60kPa〜−102kPa程度である。この
減圧度は−60kPa以下であることが望ましく、より
好ましくは、−93kPa以下である。−60kPaよ
りも高いと成形品内部に気泡が閉じこめられ成形品全体
の形状・反りが雰囲気温度によって変化し、光学部品と
しての精度が低下する恐れがある。
【0042】また、成形品の端部、具体的には例えば成
型品の周囲に設けた外部機器に取り付けるための舌片状
の取り付け部等、の先端部へ樹脂が十分に充填せず、端
部の欠けた成形品となる場合がある。上記減圧度及び樹
脂材料のTg+30〜100℃程度の温度で10〜40
分程度保持し、十分に内部が溶融された状態で、一度大
気圧まで復圧の上、今度は裏面金型4、ヒーター5、冷
却装置7を配置する。
【0043】この状態で10〜50Kgの荷重8を載せ
る。裏面金型4を含め総重量は約20〜60Kgとな
る。成形品に対するプレス圧力は約4kPaである。裏
面金型4を被せて荷重8を載せることにより、裏面形状
を形成する。裏面形状に凹凸が発生したり、泡を噛み込
んだ場合は、各部の厚さのバラつきとなるため、上述の
通り形状精度が出ない。
【0044】適正な圧力範囲は、1〜10000kPa
の範囲、好ましくは2〜2000kPa。より好ましく
は4〜1000kPaが望ましい。この圧力未満である
と、裏面形状の形成が不十分であり、この圧力を越える
と分子鎖の配向緩和が不十分であるため、成形品に反り
や変形が発生する場合がある。
【0045】減圧加熱槽9を使っているため、一度復圧
して手が入るようにしてフタを被せるが、装置的に可能
なら、復圧することなくは裏面金型4、ヒーター5、冷
却装置7を被せてプレス処理できるようにするのが良
い。裏面金型4、ヒーター5、冷却装置7と荷重8をか
け、再度減圧とし、温度コントロールする。この際、減
圧度は−60kPa以下に制御するのがよい。
【0046】この減圧度については、やはり−60kP
a以下、より好ましくは−93kPa以下にコントロー
ルするが、上述のステップよりも内部が高温状態となる
ため、より減圧度を強める(低い圧力とする)ことがよ
り好ましい。加熱温度は樹脂基板10を構成する原料樹
脂のTgより50〜120℃高温とするのが良い。原料
樹脂のTgより70〜100℃高温とするのがより好ま
しく、Tgより80〜90℃高温とするのが最も好まし
い。
【0047】この温度よりも高いと、たとえ不活性ガス
雰囲気下であっても樹脂が熱劣化を起こし、原料樹脂の
分子鎖の分解が進み、末端OH基が増加し、金型からの
離型不良となり、成形品表面へのダメージが発生する場
合が考えられる。加熱保持する時間は、1〜60分、好
ましくは5〜40分、より好ましくは10〜30分が望
ましい。この時間を越える場合は、サイクルタイムが長
くなり工業化の適性が減少する。
【0048】なお、加熱開始後、10分〜60分間程度
の間、ヒーター2,5のうち下側となるヒーター2を上
側となるヒーター5よりも20〜120℃程度高温にコ
ントロールするのが良く、このようにすることにより、
樹脂基板10の内部、特に鏡面金型1の鏡面側に気泡を
滞留させない効果が期待される。最終的にはTgより5
0〜120℃程度高い温度であってほぼ同じ温度ににヒ
ーター2,5をコントロールし、5分〜30分程度保持
する。
【0049】次いで、減圧状態から加熱状態のまま、不
活性ガスを減圧加熱槽9に導入し、大気圧付近まで復圧
する。この復圧工程後、冷却を開始する段階で、所望の
レンズの曲面部分における、樹脂基材の光学機能面に対
して垂直方向よりの入射光に対する単位厚さあたりの面
内複屈折位相差の平均値を、光学機能面の面積の少なく
とも60%以上の領域において、30nm/mm以下と
なるように成形することになる。
【0050】基材の成形に当たり、基材樹脂に着色剤、
充填剤等を混入し、基材が着色したり不透明となって複
屈折の測定が困難となる場合が考えられる。この場合、
例えば基材が染料等により着色している場合には、測定
波長を可視光領域内で変更して基材の透明度が高くなる
波長で測定する。波長の変更はバンドフィルター等の波
長フィルターを使用して行うのが簡易である。また顔
料、カーボンブラック、充填剤等の混合により着色して
いる場合には、着色剤、充填剤等の不透明の原因となる
添加物を添加しない状態での原料樹脂を同条件で成形
し、その複屈折の値を用いることとする。
【0051】復圧するガスは、窒素等の不活性ガスであ
ることが望ましい。ただし少々酸素を含んでいても、気
泡発生を抑制する、あるいは発生した気泡を消泡させる
効果に問題は無い。ただし、有酸素ガスは樹脂表面を酸
化劣化させるため、離型不良や成形品表面のダメージを
引き起こす場合があり、好ましくない。この観点より復
圧するのに用いる不活性ガス中の酸素濃度は10vol
%未満、より好ましくは5vol%未満、最もこのまし
くは2vol%未満であることが望ましい。
【0052】復圧後、樹脂内部がピーク温度(Tgより
30〜120℃程度高い温度、好ましくはTgより50
〜100℃高い温度)に達してから10〜40分程度こ
の温度に保持した後、冷却動作に入る。ここで配向を緩
和し低復屈折を得る。冷却水等の冷却媒体を冷却装置
6,7に流し、ヒーター2,5の設定を Tg〜Tg
+30℃程度まで下げ、この温度で10〜40分程度保
持する。
【0053】この状態で10〜40分保持した後、ヒー
ター2,5の設定をまえの設定温度より10〜50℃下
げ10〜40分程度保持し、さらに10〜40分かけて
120℃までヒーター熱板の温度を下げる。このよう
に、極めてゆっくりと温度を下げてくる。成形品の冷却
は上述のように、0.5〜5℃/分程度の冷却速度で徐
々に冷却される。
【0054】冷却速度については、Tgを通過する時
点、好ましくはTgの上下10℃、より好ましくは上下
15℃の範囲において成形品表面が(30(℃/分))
/(成形品平均厚(mm))以下の冷却速度であること
が望ましく、これは好ましくは(20(℃/分))/
(成形品平均厚(mm))以下より好ましくは(10
(℃/分))/(成形品平均厚(mm))以下、最も好
ましくは(5(℃/分))/(成形品平均厚(mm))
以下であることが望ましい。
【0055】この冷却速度よりも冷却が速い場合は、内
部に温度分布、さらにそれに伴う内部応力さらには配向
再形成が生じ、反りや変形、ヒケが発生して形状精度が
低下する。これは厚肉で、大型の成型品であるほど顕著
である。なおTg近傍での冷却が特に重要である理由
は、Tg通過時の樹脂の体積変化が極めて大きく、さら
にTgを下回ると分子鎖の動きが固定されることから、
反り、変形、ヒケ等の形状精度に与える影響が特に大き
いからである。
【0056】この冷却時の圧力は大きすぎると配向が緩
和されにくいので、成型品の面積当たり1〜10000
kPaの範囲、好ましくは2〜2000kPa、より好
ましくは4〜1000kPaが望ましい。圧力が低すぎ
ると鏡面転写が不十分となる場合がある。一方、この冷
却速度、と冷却時の圧力を旨くコントロールすれば、射
出成形機を用いての成形も可能である。勿論、金型に、
精密な制御が可能な加熱装置、冷却装置、圧力制御装置
等の設置が必要となろう。
【0057】このようにしてゆっくりと所定圧力下に冷
却された基材は金型から取り出される。金型から取り出
された基材の表面には金属蒸着膜等からなる反射層が設
けられる。蒸着とは狭義の蒸着ではなく、スパッタ、反
応性スパッタ、イオンプレーティング等を含む広義を意
味する。
【0058】蒸着される金属としては、アルミニウム
(AL)、銀(Ag)等が考えられるが、アルミニウム
やその合金が可視領域での反射率、耐久性、コストの点
から好適に用いられる。通常、蒸着を行う前に基材を洗
浄する。洗浄する理由は表面に付着した油脂分、添加剤
ブリード物を除去し、反射蒸着膜形成後にシミ・曇り等
の欠陥の無い外観を得ると共に、反射膜の密着性を向上
させることにある。
【0059】洗浄方法の一例を示せば、以下の通りであ
る。常温でフロン液に10〜120秒間程度浸漬後、す
ぐに取り出し、蒸着装置に入れる。浸漬時間が長過ぎた
り、温度が高過ぎる場合は、ポリカボネート樹脂の場
合、成形品表面にクラック、クレーズ等のダメージが発
生し易い。
【0060】他の洗浄方法の一例としては、例えば、常
温のエタノール中に1〜30分程度浸漬、さらに界面活
性剤を0.1ppm程度含有する30〜60℃程度の温
水で3〜30分間超音波洗浄を加える方法等が挙げられ
る。洗浄槽から出した後、純水で良くすすぎ、減圧乾燥
炉内で50〜120℃程度の温度で1〜6時間程度乾燥
する。
【0061】蒸着処理の一例を挙げる。基材の洗浄処理
後、成形品を真空蒸着槽内に入れ、10〜60分程度減
圧下に保持し成形品を十分に乾燥させた後、真空度を上
げる。真空度は1×10-4〜1×10-6kPaまで引い
ている状態で、成形品の鏡面側に順にクロム(Cr)を
30〜1000Å、ALを800〜4000Å、酸化珪
素(SiO2又はSiOx)を200〜1000Åとな
るよう蒸着する。基材の予熱は特には実施しなくてもよ
い。
【0062】なお、蒸着膜の密着性を向上させるために
は、下地層はSiOxよりも酸化アルミニウム(AL2
O3)やCr等を用いることが望ましく、特にCrを下
地層とすることが好ましい。 またこの下地層の厚さに
ついては30Å〜1000Åが好ましく、100〜50
0Åがより好ましい。この範囲よりも厚いと樹脂基材と
の線膨張係数の差より蒸着膜にクラックが入ったり、剥
離が発生し易くなる。またこの範囲よりも薄いと、蒸着
膜側から内部への水分遮断効果が不十分で高温高湿試験
後の膜剥離が発生し易くなる。
【0063】本成形品の非球面側には、反射膜が形成さ
れるが、反射膜の残留応力あるいは、樹脂材料との線膨
張係数の違いによる反りを抑制するため、反射膜はアル
ミ蒸着膜で1000Å〜3000Åの厚さであることが
望ましい。その厚さが800Å未満では反射率が70%
を下回って光源の利用効率が低下し、また4000Åを
越えるとアルミ蒸着膜内の残留応力及びあるいは樹脂基
材との線膨張係数差とにより反射膜にクラックが入った
り、あるいは剥離したり、あるいはミラー全体に反り等
の変形が発生するので好ましくない。
【0064】上記の観点よりアルミ蒸着膜の厚さはより
好ましくは1000〜3000Å、さらに好ましくは1
500Å〜2500Åであることがより望ましい。AL
反射層の上にはAL膜の酸化劣化を防ぐためにSIOx
膜等の保護層を形成するのが良い。SIOx膜の厚さは
100〜1000Å、好ましくは200〜800Å、よ
り好ましくは400Å〜600Å程度であることが好ま
しい。
【0065】保護層が厚すぎると、基材との線膨張係数
の差より蒸着膜にクラックが入ったり、剥離が発生し易
くなる。また保護層が薄すぎると、保護層側から内部へ
の酸素等の遮断効果が不十分でALの腐食が発生し易く
なる。可視光領域での反射率はできるだけ高いことが望
ましいが、光源の光量を有効利用するとの観点で可視領
域の平均値で70%以上であることが望ましく、80%
以上がより好ましく、さらに90%以上が最も好まし
い。なおアルミの理論反射率は可視領域の平均値で約9
3%である。
【0066】本発明方法の樹脂製非球面ミラーは、液晶
プロジェクター、DLPプロジェクター等の投射デバイ
スに使用するミラー型の透明熱可塑樹脂基材製・非球面
投射レンズであって、平面面積が150cm2以上、平
面の最小幅が10cm以上のサイズを有し、成形品の平
均厚さが3mm以上である成形品ミラーにおいて、レン
ズの曲面部分における、樹脂基材の光学機能面に対して
垂直方向よりの入射光に対する単位厚さあたりの面内複
屈折位相差の平均値を、光学機能面の面積の中央部分を
含む少なくとも60%以上の領域において、30nm/
mm以下とし、該曲面部分に金属反射膜及び透明保護膜
を順次形成したことを特徴とする投射レンズである。
【0067】なお、複屈折位相差の測定にあたっては、
表面にキズや微細な凹凸が存在すると光が散乱され、測
定結果に影響を与えることがあるので、基材の屈折率と
同じ屈折率に調整され、かつ基材樹脂を常温短時間では
犯さない屈折率調整液を表面に塗布もしくは、屈折率調
整液内に浸漬させて測定する等の工夫が有効である。ま
た樹脂基材に染料等が入って着色している場合には、複
屈折位相差の測定波長を透過率の高い領域に可視領域内
でシフトさせる等して測定することが有効である。
【0068】被測定基材を平行ニコル状態に設置した2
枚の偏光子内に配置し、被測定基材を回転させた時の光
線透過率の変化より複屈折位相差を測定するタイプの複
屈折測定器であれば、被測定基材の透過率が10%程度
以上あれば測定可能性がある。被測定基材の光線透過率
が10%を下回る場合は、着色原因となる染料、顔料、
カーボンブラック等の着色剤を添加せず、同一材料・条
件で成形した基材について評価する。
【0069】また、成型品表面に金属蒸着膜、誘電体蒸
着膜等が形成されている場合には酸、アルカリ溶液等に
より溶解、除去してから評価する。平面面積が150c
2以上、最小幅が10cm以上である高形状精度光学
部品においては、樹脂材料製の場合、最低でも厚さが2
mm以上無いと自己支持性が不足するため、デバイス内
で目標とする形状精度を達成することが困難となる。
【0070】好ましくは3mm厚以上、さらに好ましく
は4mm厚以上、最も好ましくは5mm厚以上であるこ
とが望ましい。なお本発明方法の樹脂製ミラーは、液晶
リアプロジェクター、DLPリアプロジェクター等のリ
アプロジェクター・デバイスに関わらず、高精度な面形
状を必要とされる大型の非球面ミラーが必要なデバイ
ス、例えばウインドーディスプレー等に幅広く応用する
ことができる。
【0071】本発明方法の投射レンズは、軽量、安価に
もかかわらず高形状精度であり、特にスクリーンに対し
て垂直方向では無く、斜め方向、特に斜め下方より投射
する投射デバイスに組み込まれて、台形歪み等の補正、
さらに歪み・変形の無い高精細な画像を投射することが
でき、その光学系内での位置調整が容易である大型投射
レンズに関する。
【0072】なお、この斜め方向、特に斜め下方に投射
機を配置する目的は、主としてスペースの節約、投射機
及びスクリーン配置の自由度確保にある。例えばリアプ
ロジェクション・テレビの薄型化、フロント・プロジェ
クターにおける投射機のプレゼンテーター手許への配置
(従来はスクリーンに対して鉛直に投射する必要があっ
たため、投射機は天井つり下げ、あるいは、高所の脚立
上への設置が必要であった)、ウインドー・ディスプレ
ーや3Dディスプレーにおいて目立たない場所に投射機
を配置する際に有効である。
【0073】
【実施例1】図1、2に示す構造の金型を用いて投射レ
ンズを製造した。樹脂材料として、粘度平均分子量15
000、Tg=148℃(DSC法)のポリカーボネー
ト樹脂を使用した。本樹脂の飽和吸水率は0.3wt%
(ASTM D570)であった。これを乾燥して用い
た。
【0074】まず下記式(1)に示す曲面を有し、非球
面中心から40mmの位置を底辺とする平面投影寸法2
5cm角の非球面金型の鏡面金型1(スタンパー)を製
作した。このスタンパーに対し、ちょうど樹脂成形品の
平均厚さが10mmとなるように相対して挟み込む裏面
金型4(上蓋金型)を製作し、鏡面金型1とこの裏面金
型4を分解可能な金属製(アルミニウム製)周枠3で囲
めるようにした。
【0075】この内部に650gの樹脂ペレットを充填
し、枠まで含めて組み上げた上で(以下、金型組み上げ
物ということがある)、これらをヒーター2,5、冷却
装置6,7に挟み、全体を減圧加熱槽9に入れて、−7
0kPaまで減圧した。その後ヒーター2,5に通電
し、240℃まで昇温した。次いで、加熱状態を保ちつ
つ窒素ガスを減圧加熱槽9に導入して10分掛けて大気
圧まで復圧(圧力を戻す)した。
【0076】復圧後樹脂成型品面積当たり4.5kPa
の荷重を掛けた。通電後30分経過後ヒーターは下側の
ヒーター2を240℃、上側のヒーター5を240℃に
設定し30分間保持した。この状態で冷却装置6,7に
水を流量を調整しながら流して冷却しながら、ヒーター
2,5を160℃として50分保持、次に、ヒーター
2,5を140℃とし30分保持、またヒーター2,5
を110℃とし30分保持してゆっくりと冷却した。計
算では、Tgを通過する時点の冷却速度は0.7℃/分
であった。
【0077】100℃まで3℃/分で降温させ、減圧加
熱槽9を開放し、金型組み上げ物を取り出し、周枠3、
金型1,4を分解、離型させて内部の樹脂基板10を取
り出した。
【0078】
【数1】
【0079】(c=1/r , c : 曲率, r
: 半径, k : 円錐率,A,B,C,Dは係
数) r = -160 k = -8.0 A = 7.0E-9 B = -9.0E-14 C = 6.5E-19 D = -2.0E-24 なお、座標設定は図3の通りとした。
【0080】投射レンズの反射面部分における樹脂基材
の厚みは、平均厚さが10mmであり、最大厚さ12m
m、最小厚さ8mmであった。さらにこの成形品につい
て、波長590nmにおける複屈折位相差を光学機能面
の全面(約300μ角の分割セルごと)において測定し
た。複屈折位相差の測定には、王子計測機器株式会社の
KOBRA−CCD/Xを使用し、測定は約300μ角
の分割セルごとに実施し、この測定値を処理することに
よって評価した。
【0081】測定に当たっては、基材表面の微細な凹凸
やキズによる光の散乱の影響をキャンセルするため、基
材と同じ屈折率に調整した屈折率調整液を気泡が入らな
いように表面に塗布して測定した。この分割セルごとの
測定値について、低い方から75%の測定値の平均値を
求めたところ50nmであった。従って単位厚さあたり
の複屈折位相差は5nm/mmであった。
【0082】この成形品の表面をエタノール、さらに界
面活性剤入りの温水で良く洗浄の上、乾燥後、その面上
に、Cr/AL/SiOxを100Å/1500Å/4
00Åの厚さで蒸着した。可視光の反射率は反射分光光
度計で測定するが、曲面では正確に測定できないため、
上記と同様のプロセスで製作した同じ厚さの平板上蒸着
層を形成し、その反射膜について測定したところ、平均
で80%であった。
【0083】このミラーに画素数100万の画像を投射
し、さらに100cm×76cm角のスクリーンに斜め
下方より投射したところ、歪み、変形を意識させない良
好な画像を得ることができた。なお、投射倍率は面積倍
率で約20倍であった。本光学系は、例えば斜め下方よ
り投射する方式のリアプロジェクション・テレビ、ある
いはウインドー・ディスプレーとして好適に使用可能で
ある。
【0084】
【実施例2】実施例1で用いたペレットに替えて厚さ1
2mm 幅240mm 長さ240mmのプリプレグ
(予め板状に成形した予備成形体を云う)を用い、実施
例1と同様に成形を行った。ただし、加熱開始後、30
分間程度の間、ヒーター2を250℃、ヒーター5を2
40℃とし、下側となるヒーター2を上側となるヒータ
ー5よりも10℃程度高温にコントロールした。
【0085】複圧後の加熱時間を10分短く、また16
0℃までの冷却時間を10分短縮したが、実施例1と同
等のレンズが得られた。
【0086】
【実施例3】材料として、Tg=143℃(DSC法)
の非晶質ポリオレフィン樹脂(JSR社ARTON―
D)を使用した。本樹脂の飽和吸水率は0.2重量%
(ASTM D570)であった。実施例1と同様にし
て加熱プレス成形を実施し、成形品を得た。単位厚さあ
たりの複屈折位相差は5nm/mmであった。
【0087】投射レンズの反射面部分における樹脂基材
の厚みは、平均厚さが10mmであり、最大厚さ12m
m、最小厚さ8mmであった。この成形品の表面をエタ
ノール、さらに界面活性剤入りの温水で良く洗浄の上、
乾燥後、その面上に、Cr/AL/SiOxを100Å
/1500Å/400Åの厚さで蒸着した。
【0088】可視光の反射率は反射分光光度計で測定す
るが、曲面では正確に測定できないため、上記と同様の
プロセスで製作した同じ厚さの平板上蒸着層を形成し、
その反射膜について測定したところ、平均で80%であ
った。このミラーに画素数100万の画像を投射し、さ
らに100cm×76cm角のスクリーンに斜め下方よ
り投射したところ、歪み、変形を意識させない良好な画
像を得ることができた。
【0089】なお、投射倍率は面積倍率で約20倍であ
った。すなわち、実施例1とほぼ同等のレンズが得られ
た。
【0090】
【比較例1】材料として、Tg=93℃(DSC法)の
PMMA樹脂(三菱レイヨン製アクリペットMD)を使
用した。本樹脂の飽和吸水率は1.4wt%(ASTM D
570)であった。実施例1の非球面プロファイルを持
ち、加熱・冷却配管を有する射出成形用金型を製作し、
ファナック社製300t射出圧縮成形機FANUC R
OBOSHOTiシリーズα−300iA射出成形機に
セットした。金型温度80℃、射出温度330℃、射出
圧力300MPaでこの金型に上記樹脂を射出し、その
状態で20分保持した後、型を開き、成形品を取り出し
た。
【0091】この成形品について、波長650nmにお
ける複屈折位相差を有効反射面内の全面において測定し
た。複屈折位相差の測定には、王子計測機器株式会社の
KOBRA−CCD/Xを使用し、測定は約300μ角
の分割セルごとに実施し、この測定値を処理することに
よって評価した。
【0092】測定に当たっては、基材表面の微細な凹凸
やキズによる光の散乱の影響をキャンセルするため、基
材と同じ屈折率に調整した屈折率調整液を気泡が入らな
いように表面に塗布して測定した。この分割セルごとの
測定値について、低い方から60%の測定値の平均値を
求めたところ400nmであった。従って単位厚さあた
りの複屈折位相差は40nm/mmであった。
【0093】この成形品の非球面をエタノール、さらに
界面活性剤入りの温水で良く洗浄の上、乾燥後、その面
上に、Cr/AL/SiOxを100Å/1500Å/4
00Åの厚さで蒸着した。可視光の反射率は平均で80
%であった。このミラーを25℃80RH%下に48時
間保持した後、実施例1と同じように画素数100万の
画像を投射し、さらに100cm×76cm角のスクリ
ーンに斜め下方より投射したところ、中央部にヒケによ
る画像の変形、画素の形状変形、さらに基材の反りによ
り左右両肩部が垂れ下がった形状の画像の変形が観察さ
れた。
【0094】
【比較例2】材料として、Tg=93℃(DSC法)の
PMMA樹脂(三菱レイヨン製アクリペットMD)を使
用した。本樹脂の飽和吸水率は1.4wt%(ASTM D
570)であった。実施例1の非球面プロファイルを持
ち、加熱・冷却配管を有する射出成形用金型を製作し、
日精樹脂製350t射出成形機(機器ナンバー添付予
定)にセットした。金型温度200℃、射出温度330
℃、射出圧力30MPaでこの金型に上記樹脂を射出
し、その後1℃/分(℃/min)のペースで金型温度
が75℃となるまで冷却し、その温度で10min保持
した後、型を開き、成形品を取り出した。
【0095】この成形品について、波長590nmにお
ける複屈折位相差を有効反射面内の全面において測定し
た。複屈折位相差の測定には、王子計測機器株式会社の
KOBRA−CCD/Xを使用し、測定は約200μ角
の分割セルごとに実施し、この測定値を処理することに
よって評価した。
【0096】測定に当たっては、基材表面の微細な凹凸
やキズによる光の散乱の影響をキャンセルするため、基
材と同じ屈折率に調整した屈折率調整液を気泡が入らな
いように表面に塗布して測定した。この分割セルごとの
測定値について、低い方から60%の測定値の平均値を
求めたところ600nmであった。従って単位厚さあた
りの複屈折位相差は60nm/mmであった。
【0097】投射レンズの反射面部分における樹脂基材
の厚みの1cm間隔格子点における529点測定におけ
る平均厚さは8mmであり、最大厚さ13mm、最小厚
さ5mmであった。この成形品の非球面をエタノール、
さらに界面活性剤入りの温水で良く洗浄の上、乾燥後、
その面上に、Cr/AL/SiOxを200Å/150
0Å/400Åの厚さで蒸着した。可視光の反射率は平
均で80%であった。
【0098】このミラーを25℃40RH%下に48時
間保持した後、50℃98RH%雰囲気に6時間保持
後、実施例1と同じように画素数100万の画像を投射
し、さらに100cm×76cm角のスクリーンに斜め
下方より投射したところ、ミラー成形品の蒸着膜と反対
側面が吸湿により膨張し反りが発生しており、左右両肩
部が垂れ下がった形状の画像の変形が観察された。
【0099】
【発明の効果】 本発明方法の投射
レンズは、軽量、安価にもかかわらず高形状精度であ
り、特にスクリーンに対して垂直方向では無く、斜め方
向、特に斜め下方より投射する投射デバイスに組み込ま
れて、歪み・変形の無い高精細な画像を投射することが
できる大型の投射レンズである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の投射レンズを成形するのに用いる
金型の一例の縦断面図
【図2】本発明方法の投射レンズを成形するのに用いる
金型の一例の縦断面図
【図3】実施例1における座標設定図
【符号の説明】
1 鏡面金型 2 ヒーター 3 周枠 4 裏面金型 5 ヒーター 6 冷却装置 7 冷却装置 8 荷重 9 減圧加熱槽 10 樹脂基板 Z 非球面中心を原点とする非球面の回転対称軸上の座
標 h 非球面中心を原点とする非球面の回転対称軸と鉛直
方向への距離座標回転対称軸と鉛直方向への距離座標

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の曲面に形成された樹脂基材の表面に
    反射層を設けた投射レンズの製造方法であって、レンズ
    の曲面部分における、樹脂基材の光学機能面に対して垂
    直方向よりの入射光に対する単位厚さあたりの面内複屈
    折位相差の平均値を、光学機能面の面積の少なくとも6
    0%の領域において、30nm/mm以下の樹脂基材を
    成型し、該樹脂基材の曲面部分に金属反射膜を蒸着する
    ことを特徴とする投射レンズの製造方法。
  2. 【請求項2】樹脂基材をTg≧70℃で、60℃90R
    H%における飽和吸水率が1%未満の非晶質熱可塑性樹
    脂を主成分とする樹脂組成物を用いて成形することを特
    徴とする請求項1に記載の投射レンズの製造方法。
  3. 【請求項3】反射層を厚さ1200〜3000Åのアル
    ミ蒸着膜で形成することを特徴とする請求項1又は2に
    記載の投射レンズの製造方法。
  4. 【請求項4】反射層の上に100〜1000Åの厚さの
    金属酸化物膜からなる透明保護層を形成することを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれかに記載の投射レンズの
    製造方法。
  5. 【請求項5】樹脂基材と反射層との間に30〜1000
    Åの厚さのSiOx、AL2O3又はCrを含有する層
    を設けることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに
    記載の投射レンズの製造方法。
  6. 【請求項6】面内複屈折位相差が30nm/mm以下の
    樹脂基材を成形する方法が、原料樹脂を鏡面金型と裏面
    金型間に加圧状態で保持し、減圧下にTgより50〜1
    20℃高い温度に加熱し、加熱状態を保持したまま大気
    圧近傍まで復圧し、その後Tgを通過する上下10℃の
    範囲において成型品の単位厚さあたり30℃/分・mm
    より遅い冷却速度で冷却する方法であることを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれかに記載の投射レンズの製造
    方法。
  7. 【請求項7】面内複屈折位相差が30nm/mm以下の
    樹脂基材を成形する方法が、原料樹脂を鏡面金型と裏面
    金型間に加圧状態で保持し、減圧下にTgより50〜1
    20℃高い温度に加熱し、加熱状態を保持したまま大気
    圧近傍まで復圧し、その後Tgを通過する上下10℃の
    範囲において成型品の単位厚さあたり30℃/分・mm
    より遅い冷却速度で冷却する方法であって、冷却開始
    後、Tg−10℃まで冷却される際、成型品に負荷され
    る圧力が成型品の面積あたり1〜10000kPaの範
    囲にあることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに
    記載の投射レンズの製造方法。
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