JP2002267287A - 製品製造方法、圧縮機技術情報装置 - Google Patents

製品製造方法、圧縮機技術情報装置

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JP2002267287A
JP2002267287A JP2001064693A JP2001064693A JP2002267287A JP 2002267287 A JP2002267287 A JP 2002267287A JP 2001064693 A JP2001064693 A JP 2001064693A JP 2001064693 A JP2001064693 A JP 2001064693A JP 2002267287 A JP2002267287 A JP 2002267287A
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太郎 加藤
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好範 白藤
Takeshi Izawa
毅司 井沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷凍サイクルのような流体が介在する製品と
部品の間は,従来一方方向の情報の流れしか存在せず,
ユニットメーカーの製造する製品の性能や品質に問題が
あってもなかなか解決できなかった。 【解決手段】 圧縮機部門が製品のユニット仕様を確認
し、非相溶油に対する返油性を計算するための情報を確
認し、返油計算を実施し、評価用圧縮機仕様及び対応冷
凍機油を選定し、相溶油、非相溶油毎に異なる評価項目
について、それぞれ別の仕様のサンプル圧縮機にて評価
を行い、評価結果を確認し、圧縮機仕様と搭載されるユ
ニットの仕様を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮機を組み込む
冷凍空調装置のように部品との組み合わせで問題を起す
製品に対し部品側からノウハウを提供する方法及び装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の圧縮機製造販売ビジネス
は、図8のような流れで行われている。図8は、圧縮機
メーカーが製造する圧縮機を、顧客であるユニットメー
カーに対して販売するに際し、圧縮機を決定する為の従
来のシステムを示した流れ図である。すなわち、圧縮機
メーカーはカタログ等により圧縮機製品情報をユニット
メーカーへ開示し(S23)、ユニットメーカーは自社
のユニット仕様に対し最適と考えられる圧縮機を選定し
(S24)、評価を行い結果を判定して(S25)、OK
ならば圧縮機の決定に至る(S26)という流れになっ
ている。なお、インターネット等を利用し顧客の意見を
聞き出したり議論する場所を提供して製品仕様を作成す
るフローとしては特開平11-25161号公報の技術などが知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような図8の流れに基づく圧縮機決定では、圧縮機を決
定するに際し必要な情報は全てユニットメーカーが主導
的に求める必要があり、評価を通じて不合格だった場合
再度圧縮機の選定をし直すなど、ユニットメーカーの開
発効率が悪くなる問題があった。また、どのような問題
があるかなどの情報が入手しにくく,圧縮機メーカーの
持つノウハウが体系的にユニットメーカーへ伝達され
ず、従来ユニットメーカーが経験していない技術課題が
発生した場合、解決が非常に困難であるという問題があ
った。
【0004】具体的な例を、図9に基づいて説明する。
図9は、前述した図8の従来のシステムにより決定され
る圧縮機と、同圧縮機が搭載されるユニットの冷媒回路
の一例である。ここでは例として空調用冷媒回路として
いる。冷媒回路は、圧縮機6、凝縮器7、毛細管8、蒸
発器9、アキュムレータ10と、各要素を接続する配管
11により構成されている。従来は冷媒(図示せず)と
してHCFC冷媒、圧縮機密閉容器内に封入される冷凍
機油(図示せず)にはHCFCに対し相溶性のある鉱油
やアルキルベンゼン油を主成分とした潤滑油を採用して
いた。その為、一旦圧縮機内部から回路内へ吐出ガスと
共に排出された冷凍機油は、冷媒に溶解し回路内を冷媒
と共に流動し、圧縮機内へ戻る(返油)ことができた。
アキュムレーターに油戻し穴10aを設けるなどの簡単
な工夫により、ユニットメーカーでは返油に関しては殆
ど注意を払わずユニット設計を行うことが出来ていた。
【0005】一方、近年地球環境保護の観点からHCF
Cに代えてHFCを冷媒として採用する動きが加速して
いる。HFCと相溶性のあるエステル系・エーテル系等
の潤滑油を用いた場合、返油に関しては従来と同等の設
計手法が採用できるが、これらの潤滑油は分子構造上、
アルキルベンゼンに比べ潤滑性や安定性の面で劣るな
ど、特に水分やプロセス油など不純物の介在下では高信
頼性を発揮するのが困難なことが知られている。ひとた
び不適切な状態でユニット生産を開始すれば、生成し冷
凍サイクルの冷媒回路内に蓄積されるスラッジ等の異物
による毛細管閉塞や、圧縮機の潤滑不良による損傷な
ど、大規模な市場不良に直結するリスクがあり、考慮す
べき不純物の管理水準の特定や、適切なユニット回路構
成部品の選定など、従来の評価では判定困難であり、ま
た評価に長期間を要する技術課題が生じている。また、
冷凍機油にアルキルベンゼンを用いた場合は、不純物の
介在に関しては従来と同等レベルの耐力がある為、ユニ
ット量産に際して考慮すべき不純物の管理については大
きな技術課題が生じないメリットがある反面、返油が可
能か否かをユニットメーカーでは机上で判断することが
困難であるため、返油に関する評価を繰り返しながらユ
ニットの設計変更を行い返油性を確保するなど、従来不
要だった評価プロセスが必要になり、ユニット開発負荷
が増加する問題があった。または、そうした開発負荷を
憂慮するあまり、アルキルベンゼン油での評価に踏み切
れず、結果として前記の非相溶油のメリットを享受でき
ないという問題があった。更に製品に対する幅広い意見
を求めるシステムは存在しても上記のような問題となる
情報をユニットメーカーと圧縮機メーカーのように製品
製造部門と部品製造部門との間でやり取りできるシステ
ムが存在せず,個別に努力しても必要な情報は集められ
ないという問題があった。
【0006】この発明は上記のような問題点を解消する
ためなされたもので、例えばユニットメーカーが圧縮機
を決定するに際し、圧縮機メーカーの持つ技術ノウハウ
を体系的にユニットメーカーへ伝達することで、すなわ
ち冷凍空調装置のような製品に組み込まれる圧縮機のよ
うな部品側のノウハウを伝達可能な方法または装置を得
ることを目的としている。特に自然冷媒やHFC冷媒の
ように冷媒の変化が著しいユニット開発において対応で
きる圧縮機仕様を少ない評価項目で短期間に決定するこ
とができる。更にまた本発明は工場が売却されたり独立
したり分社化するような製造単位が変化するなどの社会
変化の著しい状況においても,品質を維持し信頼性が高
い複合製品の製造を確保できるシステムを得ようという
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
製品製造方法は、冷蔵・冷凍機器、空調機器等の製品を
製造もしくは販売する情報を有する製品部門に対して、
製品に使用する圧縮機等の部品を製造もしくは販売する
情報を有する部品部門が,製品部門の製造もしくは販売
する製品に対応した部品を製造もしくは販売する際、部
品部門が製品部門に対し塩素を含まない冷媒の指定を含
む製品仕様を確認するステップと,部品部門は確認した
製品仕様に対応する部品仕様を選定し、この部品仕様を
有するサンプル部品を製品部門に供給するステップと,
部品部門は確認された製品仕様と選定された部品仕様に
基づいて前記製品の評価に必要な評価項目を選定するス
テップと,製品部門が供給されたサンプル部品を使用し
て提示された前記評価項目に応じて得た評価結果を、前
記部品部門は確認して部品仕様及び製品仕様を決定する
ステップと,を備えたものである。
【0008】本発明の請求項2に係る製品製造方法は、
冷蔵・冷凍機器、空調機器等の製品を製造もしくは販売
する情報を有する製品部門が塩素を含まない冷媒を使用
する製品の一部となる部品を供給する部品部門に製品の
仕様を開示するステップと,部品部門は製品の仕様に対
応する部品の仕様及び製品を運転する際の製品の評価が
必要な評価項目を選定し提示するステップと、製品部門
は部品部門から提示された評価項目の評価結果により製
品に使用する部品を決定するステップと,を備え、製品
の仕様は部品部門から逆提示される代替仕様により変更
可能である。
【0009】本発明の請求項3に係る製品製造方法は、
冷蔵・冷凍機器、空調機器等の製品を製造もしくは販売
する情報を有する製品部門が製品の一部となる部品を供
給する部品部門に製品に使用する配管の情報及び製品製
造時に使用するプロセス油に関する情報を含む製品の仕
様を開示するステップと,部品部門は製品の仕様に対応
する部品の仕様を選定し製品部門に提示するステップ
と、部品部門は前記製品の仕様を基に製品を評価してこ
の評価結果を製品部門に提示するステップと、を備え、
部品部門が提示する前記部品の仕様は評価結果を基に選
定する。
【0010】本発明の請求項4に係る製品製造方法は、
部品部門は製品部門へ、製品に使用される一部の材料の
種類,または,製品の一部の寸法である製品の仕様に対
し代替仕様を逆提示するステップと,を備えたものであ
る。
【0011】本発明の請求項5に係る製品製造方法は、
部品が圧縮機であり,製品が自然冷媒もしくはHFCを
循環させる冷凍サイクルを使用する製品であり,少なく
とも製品の構造である返油性計算に使用する情報または
製品に使用される有機材料の情報のいずれかを含む製品
の仕様に基づき,部品部門は冷凍機油が冷媒に非相溶な
油を用いた場合の返油性を計算し,もしくは相溶な油を
用いた場合の有機材料の適合性を判定して,相溶油対応
の圧縮機もしくは非相溶油対応の圧縮機のいずれかの圧
縮機の前記部品仕様を選定する。
【0012】本発明の請求項6に係る製品製造方法の、
返油計算用の情報は,冷凍サイクルの配管径,熱交換器
情報,冷媒を貯留可能なレシーバーやアキュムレータの
有無及びその構造に関する情報を含み,もしくは有機材
料の情報は冷凍サイクルの機器に使用される有機材料の
種類と使用個所,製造工程で使用されるプロセス油の種
類と使用個所,製品の冷凍サイクル内へのプロセス油の
残留量,製品の冷凍サイクル内残存水分量のいずれか一
つ以上を含む。
【0013】本発明の請求項7に係る製品製造方法は、
相溶油対応の圧縮機を評価する評価項目は冷凍サイクル
の絞り部閉塞に関する耐スラッジ性評価を含み、部品仕
様を有するサンプル圧縮機を部品部門が製品部門に供給
する場合は,冷凍サイクル内に残留するプロセス油や水
分などに相当するコンタミを充填させる。
【0014】本発明の請求項8に係る製品製造方法の、
非相溶油対応の圧縮機を評価する評価項目は吸入スーパ
ーヒートがつかない運転状態における吐出スーパーヒー
ト確認もしくは圧縮機内部油面観察、及び停止後放冷さ
れ圧縮機内に液冷媒が貯留した状態からの圧縮機起動時
における吐出スーパーヒートの推移確認もしくは圧縮機
内部の油面と冷媒の状況推移の観察の少なくともいずれ
かを含み,部品仕様を有するサンプル圧縮機を部品部門
が製品部門に供給する場合は,内部が観察可能な圧縮機
である。
【0015】本発明の請求項9に係る製品製造方法は、
部品が圧縮機であり,製品が自然冷媒もしくはHFCを
循環させる冷凍サイクルを使用する製品であり,製品の
仕様は使用する冷媒の種類,電源の種類,製品の冷凍能
力,使用する温度,冷凍サイクルに封入する冷媒量を含
むとともに、部品部門が提示可能な代替の製品仕様は冷
凍サイクルに使用される有機材料の種類,製品の製造途
中で使用されるプロセス油の種類,配管径の少なくとも
いずれか一つを含む。
【0016】本発明の請求項10に係る製品製造方法
は、部品が圧縮機であり,製品が自然冷媒もしくはHF
Cを循環させる冷凍サイクルを使用する製品であり,製
品の仕様は使用する冷媒の種類,電源の種類,製品の冷
凍能力,使用する温度,冷凍サイクルに封入する冷媒量
を含むとともに、部品部門が製品部門に確認する製品仕
様には,冷媒回路部品の冷媒圧力に対する耐圧強度に関
する情報または運転中の圧縮機接続配管の耐振動強度を
含む。
【0017】本発明の請求項11に係る製品製造方法
は、部品が圧縮機であり,製品が自然冷媒もしくはHF
Cを循環させる冷凍サイクルを使用する製品であり,製
品の仕様は製品の一般情報である使用する冷媒の種類,
電源の種類,製品の冷凍能力,使用する温度,冷凍サイ
クルに封入する冷媒量、配管長を含むとともに、返油計
算用情報または有機材料情報を含み,部品部門が提示す
る部品仕様は圧縮機押しのけ量,対応する電源,圧縮機
脚部支持点ピッチ,吐出吸入関係を含む。
【0018】本発明の請求項12に係る圧縮機技術情報
装置は、冷蔵・冷凍機器、空調機器等のユニットを製造
もしくは販売するユニット情報を有するユニット部門
が、そのユニットに対応する圧縮機を製造もしくは販売
する圧縮機情報を有する圧縮機部門にユニットの冷媒の
種類,電源の種類,製品の冷凍能力,使用する温度,及
び冷凍サイクルに封入する冷媒量を含む情報を伝達する
第1の伝達手段と,圧縮機部門がユニット部門に冷媒吐
出量と電源の種類を含む圧縮機の仕様、及び、冷媒に相
溶する冷凍機油もしくは相溶しない冷凍機油を使用した
場合のユニット運転での評価項目の情報を伝達する第2
の伝達手段と,圧縮機部門もしくはユニット部門に設け
られ評価項目の評価を演算する演算手段、または,圧縮
機部門もしくはユニット部門に設けられ評価項目の評価
を判断するデータが記憶されたデータベースの少なくと
もいずれかを有する評価項目処理手段と,を備えたもの
である。
【0019】本発明の請求項13に係る圧縮機技術情報
装置は、圧縮機部門が冷蔵・冷凍機器、空調機器等を製
造もしくは販売するユニット部門に対し、その製造もし
くは販売するユニットに対応する圧縮機を製造もしくは
販売する際,圧縮機部門がユニットの冷媒の種類,電源
の種類,製品の冷凍能力,使用する温度,及び冷凍サイ
クルに封入する冷媒量を含むユニット仕様を確認し、且
つこの仕様に対応する押しのけ量及び電源の種類を含む
圧縮機仕様を選定し、この圧縮機に使用する冷凍機油が
冷媒に相溶もしくは非相溶のいずれかを選別してユニッ
トの動作時に評価する評価項目を伝達する、圧縮機部門
とユニット部門間の情報伝達を行う伝達手段と,圧縮機
部門もしくはユニット部門に設けられ評価項目の評価を
行う評価項目処理手段と,を備え、ユニットに使用され
る圧縮機仕様及び搭載されるユニット仕様を評価項目の
評価により決める。
【0020】本発明の請求項14に係る圧縮機技術情報
装置は、ユニットの仕様冷媒が自然冷媒もしくはHFC
であり、選定される圧縮機仕様として、非相溶油を用い
た場合は返油性能を計算するために必要なユニット仕様
を確認し、圧縮機部門が返油性能を計算し結果をユニッ
ト部門に開示する,または、相溶油を用いた場合は冷凍
サイクル内に残留する異物もしくはプロセス油の残留量
の判断に必要なユニット仕様を確認し、記憶されたデー
ターベースより選択した結果をユニット部門に開示す
る。
【0021】本発明の請求項15に係る圧縮機技術情報
装置の、返油性能を計算するために必要なユニット仕様
は、配管径、熱交換器の情報、冷凍サイクル内で冷媒を
貯留する部品の有無とこの構造に関する情報を含む。
【0022】本発明の請求項16に係る圧縮機技術情報
装置の、開示する返油性能計算結果は、冷凍機油の順方
向流動性を確保できる冷媒流速の下限値、冷媒流速、及
び両者の比較により判断されこの返油性能が問題となる
冷凍サイクルにおける箇所及び運転条件の情報を含む。
【0023】本発明の請求項17に係る圧縮機技術情報
装置は、非相溶油対応評価項目として、液バック、寝込
み起動の各運転に於ける吐出ガススーパーヒート確認、
及び運転中の圧縮機内油面確認の少なくとも1つを含
み、また相溶油対応評価項目として、冷凍サイクル内に
残留する異物もしくはプロセス油の残留量及び冷凍サイ
クルの残存水分量に基づいて行う絞り部閉塞に関する耐
スラッジ性評価を含む。
【0024】本発明の請求項18に係る圧縮機技術情報
装置は、圧縮機部門が冷蔵・冷凍機器、空調機器等を製
造もしくは販売するユニット部門に対し、その製造もし
くは販売するユニットに対応する圧縮機を製造もしくは
販売する際、圧縮機部門がユニットの冷媒の種類,電源
の種類,製品の冷凍能力,使用する温度,及び冷凍サイ
クルに封入する冷媒量を含むユニット仕様を確認し、且
つこの仕様に対応する押しのけ量及び電源の種類を含む
圧縮機仕様を選定し、この圧縮機に使用する冷凍機油が
前記冷媒に相溶もしくは非相溶という選択に応じてユニ
ットの動作時に評価する評価項目を伝達する、圧縮機部
門とユニット部門間の情報伝達を行う伝達手段と、圧縮
機部門もしくはユニット部門に設けられ評価項目の評価
を行う評価項目処理手段と,を備え、圧縮機部門から供
給されるサンプル圧縮機により評価項目の評価して使用
する圧縮機を決める。
【0025】本発明の請求項19に係る圧縮機技術情報
装置の、非相溶油対応サンプル圧縮機は、内部の観察が
可能である。
【0026】本発明の請求項20に係る圧縮機技術情報
装置の、非相溶油対応サンプル圧縮機の冷凍機油は着色
してある。
【0027】本発明の請求項21に係る圧縮機技術情報
装置の、ユニット仕様は、ユニット部門で使用するプロ
セス油と有機材料部品の種類と使用個所を含む有機材料
の情報を含み、かつ圧縮機仕様は有機材料の適用可否及
び否の場合は代替仕様を提示する。
【0028】本発明の請求項22に係る圧縮機技術情報
装置は、冷凍サイクルの冷媒回路部品の耐圧強度または
圧縮機接続配管仕様情報を含むユニット仕様を確認し,
強度が不足する場合は代替仕様を提示可能である。
【0029】本発明の請求項23に係る圧縮機技術情報
装置の、ユニット仕様及び圧縮機仕様の情報の伝達は通
信ネットワーク上で行う。
【0030】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、図面を参照
して本発明の実施の形態を詳細に説明する。ユニットメ
ーカーにとって、自社の製品、例えば冷蔵庫やショーケ
ースのような冷蔵機器,あるいは冷凍倉庫などのような
冷凍機器,あるいはエアコンや除湿機などのような空調
機器,あるいは給湯装置のように冷凍サイクルを使用す
る製品に対し、いかに冷凍サイクルに使用する部品であ
る圧縮機を、適したものを選択し効率よく決定すること
ができるかが、ユニットの完成度や市場での競争力を高
め、且つユニットメーカーの開発コストを圧縮し、企業
経営を有利に行う上で重要な要因である。一般に、ユニ
ットメーカーはカタログ等で公開された圧縮機メーカー
の情報により評価用圧縮機の選定を行い、従来からのユ
ニットメーカーの蓄積ノウハウに基づいて必要な評価を
行い、採用する圧縮機を決定している。
【0031】これに対し、この実施の形態の冷では以下
に詳述するように、部品製造部門である圧縮機メーカー
が冷蔵庫などの製品製造部門であるユニットメーカーに
対して効果的に技術情報支援を行うことにより、従来の
ようなユニットメーカーの蓄積技術ノウハウのレベルに
依存することなく、効率よく最適な圧縮機を決定できる
システムとなっている。
【0032】図1は本発明の実施の形態1によるユニッ
トメーカーである製品製造部門と圧縮機メーカーである
部品製造部門との間で交わされる技術情報の流れを示す
技術情報システムの流れ図である。本実施形態の特徴
を、以下図面のそのステップ毎に説明する。
【0033】圧縮機製品情報開示ステップS1は、図8
にて既述した従来の流れと同じく圧縮機メーカーがその
製品情報をユニットメーカーへ各種情報伝達の形態によ
り開示することにより、ユニットメーカーがユニット設
計を開始するにあたり特定の圧縮機を想定するための基
盤情報を提供し、ユニット開発のトリガーとなるもので
ある。従来と同様、この情報に基づき、ユニットメーカ
ーは圧縮機メーカーに評価用圧縮機の供給を打診するこ
とが出来る。
【0034】次の客先ユニット仕様確認ステップS2で
は、ユニットメーカーから圧縮機供給の打診を受けた
り、評価用圧縮機の供給を打診された圧縮機メーカー
が、より適切な圧縮機を選定するために、ユニットであ
る製品の仕様を確認するステップである。ユニットの使
用冷媒、電源、冷凍能力、使用温度、封入冷媒量、配管
長を把握することで、圧縮機メーカーはユニットに対応
する圧縮機や評価用にサンプル提供する圧縮機の最適な
押しのけ量と対応電源を選定することが出来る。なお、
使用冷媒、電源、冷凍能力は圧縮機押しのけ量と対応電
源を決定する上で必須の情報であることは論を待たない
が、封入冷媒量、配管長あるいはこのいずれかもまた、
圧縮機が予定の特性を発揮できるだけの潤滑状態が確保
されていることを確認するために必要な情報である。例
えば、封入冷媒量が想定以上に多い場合は冷凍機油の希
釈により潤滑状態が悪化する可能性があり潤滑油の粘度
の選定に影響するし、また配管長が想定以上に長い場合
は、配管に冷凍機油が付着した場合、圧縮機密閉容器内
の油量が低下し潤滑状態が悪化する可能性がある等の要
因を考慮する必要がある為である。
【0035】更に補足して説明を加える。上記使用温度
とは、ユニットの種類(冷凍機、空調機、給湯器、パネ
ルクーラー、除湿器など)や運転方法などの用法により
決まる凝縮温度範囲、蒸発温度範囲等がある。冷媒は、
使用温度に応じて、取り扱いの容易さやユニット設計の
しやすさ、市場流通性や社会的な要求、各種の規制など
を考慮してユニットメーカーが決定している。例えばか
つては空調用ではR22、冷凍冷蔵用ではR12、冷凍用には
R502など、CFC冷媒、HCFC冷媒が使用されていた
が、近年オゾン層保護の観点からR134a、R410A、R407
C、R404A等のHFC冷媒やあるいは炭化水素や炭酸ガス
のような自然冷媒などが、採用されるようになってい
る。
【0036】こうした各種の冷媒に対して、圧縮機に封
入される潤滑油である冷凍機油もまた様々な種類が考え
られる。かっては、冷凍機油は冷媒に相溶であることが
求められていた。この理由は冷凍機油が圧縮機からユニ
ット回路内に持ち出された場合、すなわち冷媒と共に冷
凍サイクル内を循環するような場合、冷媒に相溶であれ
ば回路内を冷媒と共に移動し圧縮機へ返油され、かつ熱
交換器などに付着して性能に影響する為である。また、
相溶性と異なる問題としてユニット製造時や設置時には
水分や空気など不純物が混入する可能性があり、また運
転中は高温に晒されるなど、化学的に安定した物質であ
ることが求められる。
【0037】図4に、代表的な冷媒と冷凍機油が組合さ
れた場合の性状の違いの特徴について示す。潤滑油であ
る冷凍機油の性状として熱安定性,加水分解性、吸湿
性,冷媒との相溶性,製造コストについて従来使用して
いたHCFC冷媒と鉱油の組み合わせをベースにしてそ
れと同等以上に良好か,やや劣るか,劣るかの3段階で
纏めている。HCFC冷媒は分子構造上極性が小さい
為、同じく極性の小さい鉱油、アルキルベンゼンともに
相溶性がある。一方、これらの潤滑油に対しては極性の
大きいHFC冷媒は相溶性を持たない。HFCと相溶性
を示すのは極性の大きい冷凍機油、例えばエステル油
(例えばポリオールエステル)、エーテル油(例えばポ
リビニルエーテル)がある。しかし、極性の大きい冷凍
機油は、同じく極性の大きい水分子との親和性が高い傾
向があるため、水分の混入防止に関して、取り扱いに注
意を要する。一旦冷凍機油にとけ込んだ水分は、毛細管
内で氷結したり樹脂やゴム等の有機材料部品を変質させ
るなど、ユニット信頼性に悪影響を及ぼす可能性がある
からである。以下、長所、短所を次のようにまとめる。
・エーテル油:HFC冷媒への相溶性があるという長所
がある反面、吸湿性が高く、熱に弱いなど化学的安定性
が低いという短所がある。・エステル油:HFC冷媒へ
の相溶性があるという長所がある反面、吸湿性があり、
加水分解しやすいなど化学的安定性が低いという短所が
ある。・アルキルベンゼン油:吸湿性が低く、化学的に
も水分や温度に対して安定性が高い長所がある反面、H
FC冷媒に対しては返油に十分な相溶性を持たない短所
がある。
【0038】以上の様に、様々な冷媒に対して、様々な
冷凍機油の存在が考えられる。各々の長所、短所を考慮
して、ユニットメーカーにとって製品の性能を効率よく
発揮すると共に短期だけでなく長期的を含めた信頼性が
確保できる冷媒及び最適な冷凍機油を用いた圧縮機を選
定することが必要であり、これらに関する情報を圧縮機
メーカーに求めることになる。本発明ではシステム図1
の各ステップを通じ、こうした冷凍機油の選定を行うこ
とが出来る。なおここではユニットメーカーと圧縮機メ
ーカーとして説明するが独立採算性などにより同一会社
においても疎遠になる場合は会社間という枠にとらわれ
ず製造部門間の情報伝達でも良いことは当然である。更
に製造部門からの情報を纏めている販売や営業部門を介
在させる体制、あるいは中間業者やコンサルタント部門
を介しても同じことがいえる。
【0039】図1の説明を継続する。本発明の特徴の一
つは、上記ステップS2において使用冷媒がHFCや特
殊な冷媒であった場合、ユニットに選定する圧縮機を如
何したら良いかや,圧縮機メーカーは客先に評価用サン
プルとして供給する圧縮機を相溶油対応とするか非相溶
油対応とするかを、圧縮機メーカーの保有する具体的な
技術ノウハウに基づいてユニットメーカーが決定した
り,製品と部品の担当部門が協議して,すなわち情報を
交換して選定することが出来る点にある。交換する情報
としてユニットで使用する有機材料についての情報また
は返油性能についての情報がある。有機材料情報確認ス
テップS3aではユニットで使用する有機材料の種類や
使用個所や量を確認する。続くS4aでは確認された有
機材料と冷媒や潤滑油との適合性を判定するステップで
ある。返油性能計算用情報確認ステップS3bでは、そ
の一環として、非相溶を選定した場合に返油性能が問題
となるかどうかを計算するためのユニット仕様情報、具
体的には配管径、熱交換器パス数、熱交換器パイプ径の
情報、余剰冷媒を貯留するレシーバもしくはアキュムレ
ーター等の有無及び構造など、を客先である製品製造者
より確認するステップである。
【0040】また、S2において客先のユニット仕様を
確認するに際し、ユニットメーカーで使用予定の有機材
料(プロセス油、有機材料部品)の情報を確認すれば、
圧縮機メーカーにて前記有機材料の適用可否を検討し、
否の場合は代替材を提示することができる。冷凍サイク
ルに設けられ循環する冷媒,すなわち吐出された潤滑油
や配管内に残留しているプロセス油等と接触する可能性
のある部品に有機材料が数多く使用されている。有機材
料を使用している対象部品は,膨張弁,四方弁,逆止
弁,電磁弁,チャージプラグ,サービスバルブ,ボール
バルブなどがあり,有機材としてはナイロンなどの樹脂
材やヒドリンなどのゴム材料である。これらの部品の有
機材料に対し冷媒や油の種類に対応して寿命試験などで
評価したデーターベースに照会することにより適用可否
や例えばポリフェニレンサルファイドなどの樹脂材等へ
の代替の提示を圧縮機仕様として部品側から製品側へ情
報伝達することが出来る。
【0041】続く非相溶油返油性計算ステップS4bで
は、ステップS3bで得られた情報に基づき、部品メー
カである圧縮機メーカーが非相溶油を選定した場合,後
で説明するように返油性について計算する。
【0042】次の圧縮機・対応冷凍機油選定ステップS
5では、ステップS4abで行った判定結果や計算結果
を圧縮機側からユニットメーカーに開示し、ユニットメ
ーカーと圧縮機メーカーが返油性に関する情報を共有し
た上でユニットメーカーと協議し,すなわち情報確認し
て、冷凍機油を相溶油とするか非相溶油とするかを選定
するステップである。
【0043】補足して説明を加える。非相溶とは、相溶
性をいっさい持たないことを意味するのではなく、冷媒
に溶解した冷凍機油の流動のみでは、信頼性上要求され
る返油性が確保できない場合を意味する。従って、弱相
溶や不十分な相溶性を有するケースは非相溶として取り
扱う。尚図4では相溶性を簡単に説明したが,冷媒と油
の溶解度合いは冷媒と油の種類の組み合わせによって
も,あるいは温度によっても異なるのでユニットの使用
状態や構成によって冷凍機油を選定する条件が異なり適
否の判断が変わることになる。
【0044】更に補足して、返油性の計算について説明
を加える。図5は返油計算の流れ図、図6は配管内の非
相溶油滴の受ける力の一例を示すモデルを説明する図で
ある。液冷媒より冷凍機油が低密度である場合、冷凍機
油は浮力を受ける。図6(a)のように、配管11の中
を浮力が液冷媒の流れに対し逆方向となるケースでは、
冷媒の流れにより受ける力が浮力を下回れば冷凍機油の
順方向流動性が確保されない。また図6(b)のよう
に、ガス冷媒の流れに対し逆方向に重力を受ける場合も
同様である。この様な場合は冷凍機油の順方向流動性を
確保するためには一定以上の流速が必要になるのは自明
である。このように、浮力、重力に抗って冷凍機油を順
方向に流動させるために必要な冷媒流速を返油限界流速
と呼ぶ。運転条件が与えられた場合、主として配管径で
決まる返油限界流速と、圧縮機押しのけ量と圧縮機回転
数、配管径から計算で求められる実際の冷媒流速とを比
較することで、ユニット特定箇所の配管における返油性
を考察することが可能となる。なお、液冷媒より冷凍機
油が高密度であるケースにおいても、流速方向を適切に
モデル化するすることで計算可能なのは言うまでもな
い。
【0045】再び図1の説明を続ける。本発明によるシ
ステムのもう一つの大きな特徴は、選定される冷凍機油
が相溶油であるか、非相溶油であるかにより、圧縮機メ
ーカーの保有する広範な技術ノウハウに基づいて、評価
項目及び評価サンプル圧縮機の仕様を予め別々に設定し
ている点である。
【0046】まず相溶油の場合について説明する。圧縮
機メーカーは、相溶油対応評価項目決定ステップS6a
にて、相溶油を選定した場合に必要な評価項目を決定
し、客先へ開示する。この項目には、ユニット内残留製
造コンタミ及び水分量の管理レベル確認、絞り部閉塞に
関する耐スラッジ性評価が含まれる。ユニット内残留製
造コンタミとは、配管や熱交換器などを機械加工する際
の異物や,加工組立に使用したプロセス油等が冷凍サイ
クル内に残されたものである。前述の通りHFC冷媒に
相溶性のあるエステルやエーテルなどの冷凍機油は、ア
ルキルベンゼンなどの非相溶油と比べ化学的安定性が低
いため、製造コンタミ中に含まれる物質と反応するな
ど,コンタミの介在により性状が変質するおそれがあ
る。またエステル油は分子構造上加水分解しやすく、水
分の介在により性状が変質するおそれがある。圧縮機の
摺動部などが局部的に過酷な潤滑状況となる場合,蒸気
の反応は金属原子を含んだより複雑な反応に発展し,ス
ラッジが生成することが知られている。スラッジは特に
冷凍サイクルの絞り部に堆積し,絞り部を閉塞させ,製
品の故障を招く。従って冷凍機油として冷媒と相溶する
相溶油を採用する場合,ユニット製造工程において製造
コンタミと水分が配管内に残留しないように十分管理す
る必要がある。絞り部閉塞に関する対スラッジ性評価を
実施することで、設定した管理水準が適正であることを
確認できる。残留コンタミと水分量の水準に付いてはユ
ニットの据付工事や冷凍サイクルを開放して行うメイン
テナンすなど、各種の要因を考慮して決定すべきことは
言うまでもない。
【0047】次いで相溶油対応サンプル決定ステップS
7aにて、ステップS6aにて決定された相溶油対応評
価項目に対し適切な評価サンプルである圧縮機を決定
し、客先へ送付する。なおここでは製品メーカーへサン
プル圧縮機を提供し,この製品部門での実験の際,どの
ような調査点検が必要かを部品部門が提案する形式を説
明しているが,これは冷凍サイクルの性能が全体を組合
せ各種負荷条件でなければ正確につかめないためでもあ
る。しかしながら過去のデータがそろっているような場
合は、評価項目の判断のため,演算処理やシミュレート
確認でおこなっても良い。いずれの場合でも製品部門と
部品部門の双方がデータに基づいて情報の伝達を行い、
製品部門は確実に,且つ,簡単に効率などの性能や品質
が良いと考えられる圧縮機を選定することが出来る。
【0048】次に評価結果確認ステップS8aにて評価
結果を圧縮機メーカーが確認し、必要に応じてユニット
および圧縮機仕様の改善を各々のメーカーが行うこと
で、最終的な圧縮機仕様及び搭載されるユニット仕様を
製品部門が決定する(S9)。
【0049】冷媒と相溶する圧縮機に対し評価項目を決
定するための最も重要なユニット情報はユニットメーカ
ーが製品製造途中,どの工程でどんなプロセス油を使用
しているかということである。冷凍サイクルの中に紛れ
込むプロセス油の種類と用途の情報により,ユニット配
管や部品内に残留する製造プロセス油等のコンタミネー
ションの残留量をこれにより推定する。更に望ましくは
この残留量をユニットメーカーで把握できればその情報
のほうが直接的である。更に必要なユニット情報として
製品の残存水分量のレベルがある。プロセス油情報と残
存水分量情報,もしくはこれらにコンタミ残留量情報が
あれば,圧縮機メーカーが保有するデーターベースであ
る製造コンタミデーターベースにアクセスすることで相
溶,非相溶に応じて定められた水準に達しているかがシ
ミュレーションできる。相溶油を使用する圧縮機の場合
水分管理のレベルが加水分解対策として厳しく押さえら
れている。なおユニット情報がプロセス油情報だけでも
評価項目決定は可能である。上記ユニット情報を入手
し、シミュレーションした結果である圧縮機情報として
ユニットメーカーへ伝達するアウトプットはデーターベ
ースである製造コンタミデーターベースに記載されてい
る成分,形態,粘度や過熱反応解析などの製造コンタミ
情報,更に残存水分量レベルの推奨値,また問題となる
プロセス油がある場合の代替材情報などがある。ただ
し,ユニット情報としてプロセス油だけであったとして
も,これを元に蓄積されたデーターベースのデーターと
与えられた用途から異物や配管内などに残されたプロセ
ス油の残留量を推定し水分管理量のレベルを提示するこ
とが出来る。これによって絞り部などサイクルの問題と
なる位置での閉塞の無い製品,熱交換器内でコンタミネ
ーションによる汚れや加水分解して発生する磨耗スラッ
ジが付着し性能低下を引き起こすことが無い製品に仕上
げることが出来る情報が相互の協議で伝達される。
【0050】一方非相溶油の場合については、圧縮機メ
ーカーは、非相溶油対応評価項目決定ステップS6bに
て、非相溶油を選定した場合に必要な評価項目を決定
し、客先へ開示する。この項目には、液バック、寝込み
起動の各運転に於ける吐出ガススーパーヒート確認、及
び運転中の圧縮機内油面及び液冷媒の状況観察が含まれ
る。
【0051】補足して説明を加える。液バック運転、と
は吸入ガスに過熱度がつかず、液冷媒が圧縮機吸入ガス
に混ざる状態を指す。すなわち吸入スーパーヒートがつ
かない運転状態である。過度の液バックでは圧縮機密閉
容器内まで液冷媒が存在し、冷媒と非相溶である冷凍機
油の圧縮機構部への供給が妨げられる可能性がある。ま
た寝込み起動とは、長時間圧縮機が停止した場合に圧縮
機容器内に液冷媒が貯留することがあり(この状態を、
寝込み、という)、寝込み状態で圧縮機を起動させた場
合やはり冷媒と非相溶である冷凍機油の圧縮機構部への
供給が妨げられる可能性がある。こうした運転状態をサ
ンプル圧縮機で運転を行い、圧縮機の信頼性上問題が無
いことを確認する手段として、吐出スーパーヒートの確
認と窓付き圧縮機による油面観察が有効である。なお光
ファイバーなどで圧縮機内部油面の状態や液冷媒の状態
を観察できる構造でも良い。液バック運転状態の発生が
想定されるケースとしては、例えば霜取り運転中やその
前後、可動式の絞り弁の開度を調整した後などがあげら
れる。圧縮機メーカーは、保有する非相溶油適用技術ノ
ウハウに基づき、客先に対し、評価すべきユニットの運
転状態を更に具体的に提案することが出来る。このよう
な提案が評価項目として製品部門に指導的,且つ,定型
的に提示される。
【0052】冷媒と相溶しない圧縮機に対し評価項目の
優先順位は、第1に計算による返油性を求めること,第
2にサンプル圧縮機などで油面を観察して返油性を確認
すること,第3に実機によるスーパーヒートを検出して
液バックを確認すること,第4に圧縮機内の液面及び液
冷媒の状況を観察して潤滑状況を確認することである。
返油性を求めるためのユニット情報は後で図5の説明を
行うときに詳しく述べる。吐出ガススーパーヒート、油
面確認,絞り部閉塞などはサンプル圧縮機を供給し,ユ
ニット実機の試験のときに実施できるが,返油性能の演
算結果に基づくのみで,判断しても良い。なお,過度液
バックが発生すれば吐出ガススーパーヒートの値が非常
に小さい値となるので,逆にいえば吐出ガススーパーヒ
ートを確認すれば液バックの状態が過度であるかどうか
が判断できる。返油性能に関しては上記の実験によらず
とも計算でも可否を検討可能である。また圧縮機内の油
面を観察して返油性能,すなわち潤滑油が冷凍サイクル
中に吐出して潤滑不良を起さないことを確認すること
と、液冷媒の存在状況を観察して,液冷媒により潤滑不
良が起こらないことの両方が確認できるのでこの油面観
察は有効である。これによって絞り部などサイクルの問
題となる位置での閉塞の無い製品,熱交換器内で油膜付
着による性能低下の無い製品,圧縮機の潤滑不良を引き
起こすことが無い製品に仕上げることが出来る情報が相
互の協議で伝達される。
【0053】図5は返油性計算のフローチャートであ
る。この計算は図1のステップS3bで返油性計算用情
報を確認した後ステップS4bで行われる。S101は
ユニット情報の中の返油性能計算用情報I2から返油計
算用ユニット諸元を確認するステップ,S102は回路
内の計算対象個所を仮定するステップ,S103は冷媒
状態をガスまたは液に仮定するステップ,S104は以
上の仮定に基づいて冷媒密度算出のステップ,S105
は計算モデルを上昇流または下降流に決定するステッ
プ,S106は返油限界流速を算出するステップ,S1
07は特定個所の冷凍機油流動性を確認するステップ、
S108は仮定を変更し反復計算するステップでこの流
れが返油性能を計算するためのフローである。一方S1
12にてユニット基本情報を確認し吐出圧力,吸入圧力
吸入温度,膨張弁前温度などの運転条件をS109で仮
定する。またユニット基本情報からS113にて圧縮機
押しのけ量,回転数を決定する。S114は冷媒循環量
を算出するステップ,S115は冷媒流速を算出するス
テップである。更に,計算対象個所の管内流路断面積を
算出するステップS110、潤滑油性状を決定するステ
ップS111、レシーバー,アキュムレータの有無,構
造確認のステップS116が存在する。この図5のよう
に返油計算用情報とユニット基本情報から最終的に総合
的に返油性を考察するステップS117を得ることが出
来る。この検討結果である返油限界流速,冷媒流速、返
油性が問題となる個所の特定,冷媒状態が返油性の結論
と共に圧縮機側の返油情報I5として纏められる。
【0054】次いで非相溶油対応サンプル決定ステップ
S7bにて、ステップS6bにて決定された非相溶油対
応評価項目に対し適切な評価サンプルを決定し、客先へ
送付する。そのサンプルには着色された冷凍機油が封入
された覗き窓付き圧縮機が含まれている。このサンプル
により目視で状態判断が行えるので評価結果が明確とな
り判断しやすい。次に評価結果確認ステップS8bにて
評価結果をユニットメーカーが確認し結果を伝達した
り,あるいは直接圧縮機メーカーが確認し、必要に応じ
てユニットおよび圧縮機仕様の改善を各々のメーカーが
行うことで、最終的な圧縮機仕様及び搭載されるユニッ
ト仕様を決定する(S9)。この結果,従来個別のノウ
ハウと考えられ、ともすればユニットメーカーだけで判
断されてきた製品開発などが部品部門のノウハウをも取
り入れて,品質の良い性能の良い製品が短時間で完成す
ることになる。
【0055】ところで、ユニット仕様・圧縮機使用決定
ステップS9で最終的に決定される圧縮機仕様とは、押
しのけ量、電源の他に、少なくとも図7に示す脚部支持
点ピッチ(P)、吐出管径(D1)、吸入管径(D2)
の情報を含む。図7は圧縮機の外観図を示し,6は圧縮
機,12は圧縮機脚部,13はアキュムレータ,14は
吐出管,15は吸入管である。これらはユニットと直接
接触する部位の基本寸法であり、本寸法が不確定である
限りユニット仕様が決定されないことは自明である。な
お、図7は縦型ロータリ圧縮機の外観を例にしている
が、レシプロやスクロールなどの圧縮機各種類,縦軸や
横軸,など多くの構造のものが可能であり、この形態に
限ったものではない。このように取り合い部分が明確に
されることによりユニット仕様も決定される。更にその
検討や協議を情報交換を通じて性能計算によってあるい
はサンプル提供された圧縮機の試験によって行うことが
出来,圧縮機の決定は状況に応じて図1フローの都合の
良いステップまでで行われることになる。
【0056】S5においてユニットメーカーと協議し、
冷凍機油を相溶油とするか非相溶油とするかを選定する
際、予めステップS7a、S7bにより決定される評価
項目をユニットメーカーに開示し、判断材料として提供
することもできる。ユニットメーカーは保有技術がある
場合はこれらの情報伝達を受けデーターベースから過去
のデーターをピックアップして使用する圧縮機を決定す
ることも可能である。
【0057】また、相溶、非相溶のみならず具体的な油
種や粘度についてもステップS5で選定できることは言
うまでもない。また、極圧剤や酸化防止剤など、添加剤
に関しても同様に選定でき、ステップS7a、S7bに
て決定されるサンプル使用に反映されることもまた言う
までもない。
【0058】また、ステップS2において客先のユニッ
ト仕様を確認するに際し、冷媒回路部品の耐圧強度また
は材質や厚みなどの圧縮機接続配管仕様情報を確認すれ
ば、運転状態に応じた強度検討が可能になり、強度が不
足する場合は圧縮機メーカーが代替仕様として寸法や材
質を提示することが出来る。具体的な位置としてユニッ
トの熱交換器のパイプや延長配管などの径と肉厚が適切
かどうかを圧縮機の運転状態を含めて判断して維持でき
る。この問題は圧力の高い冷媒を使用する際に,異常な
圧力を推定可能な圧縮機側がつかんでいるノウハウの一
つである。
【0059】また、相溶油対応ではS6a、S7a、S
8aのステップを通じ残存水分量レベルに関する評価を
実施するため、圧縮機メーカーはドライヤの種類やモレ
キュラーシーブなどのサイズ等の条件,量、設置位置に
ついてもユニット情報とデーターベース照会などから代
替仕様案を提示することが出来る。
【0060】以上にて説明されるシステムにおいて、情
報交換に関するプロセスは次で説明するようにインター
ネット等の通信ネットワークを利用して行うことが可能
である。
【0061】図2は、ネットワークを利用した場合の本
システムの特徴を模式的に示した説明図である。I1は
ユニット情報のうちの基本ユニット情報で、ユニットに
使用される冷媒の種類,電源の種類,ユニットの冷凍能
力のようなユニット性能条件,使用温度や封入冷媒量の
ような冷凍サイクルの運転状態を想定した条件,配管長
さのような構造に関する装置の基本的な条件等が含まれ
る。I2は返油性計算用情報で冷凍サイクル内冷媒の流
速計算に必要な配管径や熱交換器パス数,熱交換器パイ
プ径などと,油を貯留して圧縮機に戻さない可能性のあ
るレシーバー,アキュムレータなどの冷媒貯留部の有り
無しやその構造が含まれる。I3は有機材料情報で上記
で説明したように冷凍サイクルの部品やその部品に使用
される有機材料名が具体的に含まれる。I4は圧縮機仕
様のうちで選定した圧縮機の基本的な情報で押しのけ量
や電源の種類などが含まれる。I5は非相溶油返油情報
で,返油限界流速や冷媒流速など非相溶油の返油に関す
るデータや返油性が問題となる個所やその冷媒状態など
の返油に関する情報,更には圧縮機吐出口付近に油分離
機のような吐出された油を回収する装置を設けるかどう
かやその性能などを含む。I6は相溶油対応,及び/ま
たは非相溶油対応の上記で説明してきた評価項目に対す
る評価項目情報である。I7はユニットから伝達された
有機材料情報I3に対し,その適用可否を判断した結果
や既に説明したような代替材情報が含まれる。
【0062】図2のシステムで、ユニットメーカーは圧
縮機メーカーに通信ネットワークを通じて上記のステッ
プS2で伝達される情報に相当する基本ユニット情報
(I1)、有機材料情報(I3)、同S7に相当する返
油計算用情報(I2)を伝え、それを受けて圧縮機メー
カーはユニットメーカーに通信ネットワークを通じて上
記のステップS2で伝達される情報に相当する選定圧縮
機仕様情報(I4)、有機材料の適合に関する情報(I
7)、同じくステップS5にて開示されるステップS4
で実施した返油性に関する情報(I5)、ステップS6
b、S6bで開示される評価項目に関する情報(I6)
を伝えるものである。
【0063】更に、返油性に関する計算や、有機材料適
合性に関するデータベースを上記通信ネットワークに自
動的に結合させてもよく、これにより、ユニットメーカ
ーは図に示されている必要な情報をデーターベースに接
続するために必要な信号と共に通信を介してアクセスす
るだけで,ユニット開発に於ける課題について圧縮機メ
ーカーが保有するノウハウを体系的に極めて短時間で得
ることが出来る。ここでは圧縮機メーカーとして説明し
てきたが,メーカーで無くとも通信装置やデーターベー
スなどの記憶装置や演算処理装置だけを保有する情報処
理センターであっても同様な処理が可能になることはい
うまでもない。このような技術情報処理センターはユニ
ット側に対し必要な情報を提供するだけでなく,更に圧
縮機側へは同様な情報をパラに流してサンプル圧縮機の
供給を指示することも出来る。更にユニット側でこのよ
うなデーターベースを備えておくことの出来,その場合
は最新のデータが常に圧縮機側から供給され更新され
る。
【0064】図3は技術情報システム図である。S10
はユニット側1の端末装置3に表示する入力フォームの
表示ステップで、圧縮機側2のWebサーバー4から入
手した入力要求情報フォームI8に基づく入力フォーム
を表示する。S11は検討するユニットの情報を入力フ
ォームに応じて入力するステップで,入力されたユニッ
ト情報9は基本ユニット情報I1,返油性計算用情報I
2、有機材料情報I3などを含み圧縮機側へ通信により
伝送される。S12は圧縮機側2からユニット側1へ伝
送された圧縮機情報をユニット側の端末装置に表示する
結果の表示ステップで,この結果には圧縮機と潤滑油を
選定する演算処理を行う圧縮機・潤滑油選定ステップS
15で選定した結果である圧縮機情報I10,すなわち
選定圧縮機仕様情報I4、非相溶油返油情報I5,評価
項目情報I6、有機材料適合性情報I7,などが含まれ
る。S13は伝送された評価項目などの評価を行い製品
を評価するユニット開発評価ステップである。しかしな
がら圧縮機側からサンプル圧縮機の供給を受ける場合や
ユニット代替仕様案が提示される場合には別途評価項目
の見直しなどが行われこの追加された評価サンプル決
定,評価項目決定,ユニット代替仕様案作成ステップS
18を介してユニット代替仕様案情報,評価項目詳細情
報,評価サンプルI11が必要に応じて通信や物流を介
してユニット側へ送られてくるので,この内容を含めて
ユニット開発評価ステップS13の評価が行われる。ス
テップS13の結果に基づきS14にて圧縮機仕様,搭
載ユニット仕様決定がユニットメーカにて行われる。但
し、ステップS13の評価結果情報I12はユニット側
1から圧縮機側2へ通信などを介して即時に伝えられこ
の情報I12とデーターベース5に蓄積されたデータと
が比較されてユニット側の評価結果の確認が客先評価結
果の確認ステップS19にて行われる。この確認を判定
ステップS20で判定し,問題点が見つけ出されたとき
はステップS20で再検討を行いユニット代替仕様案な
どの情報I11がユニット側に送付されて指す評価を行
うことが可能である。一方ステップS20の判定に問題
が無ければステップS21で圧縮機仕様,搭載ユニット
仕様を決定し圧縮機情報として判定結果の開示I13が
ユニット側へ伝送され,この結果情報I13も踏まえて
ユニットメーカー側がステップS14にて圧縮機仕様,
搭載ユニット仕様を決定しユニット開発を完了する。
【0065】図3は、このようにネットワークを利用し
た場合の、本システムの全体の流れを模式的に示した説
明図である。圧縮機メーカー2はWebサーバー4上より
ホームページなどの形でユニットメーカー1に対して入
力要求フォームI8を開示し、ユニットメーカー1はイ
ンターネット等のネットワーク(公衆網)に接続された
端末装置3で該フォームを表示しS10、フォームに従
って情報を入力しS11、返送する。圧縮機メーカーは
Webサーバーへ返送されたユニットに関する情報I9
と、データベース5に蓄積されたノウハウに基づいて返
油計算を実施するS15。返油性に関する計算結果と問
題箇所に関する考察や対案、評価項目についての情報、
有機材料の適合性等の情報についてI10、Webサーバ
ー上より開示する。ユニットメーカーは、上記フォーム
へ入力した後一定時間待機するだけで、端末装置を通じ
結果を閲覧するS12ことが出来る。一方、上記計算結
果は圧縮機側社内網にて圧縮機メーカー担当部門に届け
られる。圧縮機メーカーでは必要に応じて更に詳細検討
を行い、ユニット代替使用案、評価項目詳細情報を作成
しS18、評価サンプル圧縮機と共にユニットメーカー
へ送付するI11。ユニットメーカーによる評価結果を
確認し、圧縮機メーカーの保有するノウハウに照らして
OKと判定出来た場合、圧縮機メーカーは圧縮機仕様と搭
載ユニット仕様を決定しS21判定OKである旨をユニッ
トメーカーに開示する。ユニットメーカーは圧縮機メー
カーによる判定を受け、ユニット開発を完了する。
【0066】圧縮機側では圧縮機仕様と搭載ユニット仕
様がステップS21で決定した後,開発結果のフィード
バックをステップS22で検討し、必要な情報のノウハ
ウの蓄積をステップS16で行い,これをステップS1
7でデータ化してデーターベース5へ記憶させておく。
このデーターベースにはこれ以外にも多くの実験データ
や集めてきた情報データーが評価項目の評価結果と付き
合わせ比較できるようにフォーム化されて記憶されてい
る。
【0067】本発明に係る技術情報システムは圧縮機メ
ーカーにとって見たらユニットメーカーに対する技術営
業を支援するシステムとなるだけで無く、圧縮機メーカ
ーがユニット仕様を確認し、適した圧縮機仕様を選定
し、必要な評価項目を決定し、サンプル圧縮機による評
価結果を確認し、最終的な圧縮機仕様及び搭載されるユ
ニット仕様を決定する手順を有するため、ユニットメー
カーにとって見たら圧縮機メーカーより保有するノウハ
ウを体系的に伝達でき、従来ユニットメーカーの蓄積ノ
ウハウに基づいて行われていた評価のみでは解決が困難
であった技術課題について、有効かつ短期間に評価を完
了することが可能になる。
【0068】また、確認されるユニット仕様とは、使用
冷媒、電源、冷凍能力、使用温度、封入冷媒量、配管長
の情報を含む為、圧縮機メーカーは圧縮機がユニットに
実装された状態を正確に把握し、押しのけ量、電源が適
切である評価サンプルを選定できる。また圧縮機メーカ
ーは最終的に押しのけ量、電源、脚部支持点ピッチ、吸
入・吐出管径を決定するため、ユニットメーカーは圧縮
機と直接接触する部位の基本寸法に基づきユニット仕様
を短期間に決定できる。
【0069】また、仕様冷媒がHFCや自然冷媒であ
り、選定される圧縮機仕様として、使用冷媒と相溶性の
ある冷凍機油を使用する相溶油対応圧縮機、または相溶
性を持たない冷凍機油を使用する非相溶油対応圧縮機の
いずれかを選定することを特徴とし、その選定に際し、
非相溶油を用いた場合の返油性を計算するために必要な
ユニット仕様を確認し、圧縮機メーカーが返油性を計算
し、結果をユニットメーカーに開示することを特徴とし
ているため、ユニットメーカーは従来机上検討が困難で
あった非相溶油の返油性について把握することが可能と
なり、幅広い冷凍機油の中からユニットメーカーにとっ
て最適の特性を持つ冷凍機油を選択できる。
【0070】また、返油性を計算するために必要なユニ
ット仕様とは、配管径、熱交換器パス数、熱交換器パイ
プ径の情報を含むことを特徴としているため、冷媒回路
内の様々な箇所において、冷媒状態がガス、液どちらの
場合でも圧縮機メーカーは冷凍機油の順方向流動性を計
算できる。また余剰冷媒を貯留するレシーバもしくはア
キュムレーターの有無及び構造に関する情報が含まれて
いるため、冷凍機油が滞留する可能性に関しても圧縮機
メーカーが把握することが可能で信頼性の高い圧縮機の
仕様を提示できる。
【0071】また、前述のユニットメーカーへ開示する
返油性能計算結果とは、冷凍機油の順方向流動性を確保
できる冷媒流速の下限値(返油限界流速)、冷媒流速、
及び両者の比較考察により特定されるれる、返油性が問
題となる箇所及び運転条件、冷媒状態(気体または液
体)の情報を含むことを特徴としているため、ユニット
メーカーでは実際に試験を行う前に、非相溶油適用に際
し返油性を注意すべき運転条件が把握でき、また返油性
を確保するために必要な設計変更を行うことが出来,短
時間で開発が可能になる。
【0072】また、評価項目決定に際し、相溶油対応ま
たは非相溶油対応に応じてそれぞれ別の評価項目を設定
し、それぞれ別の仕様の評価サンプルを設定することを
特徴としているため、ユニットメーカーは圧縮機メーカ
ーの持つノウハウに基づく評価を体系的に実施すること
が出来、HFC冷媒対応など従来ユニットメーカーがノ
ウハウを蓄積できていない技術分野についても理解した
上で有効に開発を進めることが出来る。
【0073】また、評価項目として、非相溶油対応評価
項目としては、液バック、寝込み起動の各運転に於ける
吐出ガススーパーヒート確認、及び運転中の圧縮機内油
面確認を含むことを特徴とし、かつ相溶油対応評価項目
としては、ユニット内残留製造コンタミ及び残存水分量
のレベル確認、絞り部閉塞に関する耐スラッジ性評価を
含むことを特徴としているため、相溶油、非相溶油に関
し何れにおいてもそれぞれの短所を克服し信頼性の高い
ユニットを開発できる。
【0074】また、非相溶油対応圧縮機評価サンプルと
して、覗き窓付き圧縮機を含むことを特徴としているた
め、冷凍機油の軸受等へ供給が液冷媒により妨げられる
ことがないか目で見て確実に検証出来、信頼性の高いユ
ニットを開発できる。
【0075】また、製品部門が開発もしくは製造する製
品と流体を介して接続される部品を供給する部品部門に
製品の仕様を開示するステップと,部品部門は製品の仕
様に対応する部品の仕様及び製品を運転する際に製品動
作の評価が必要な評価項目を選定するステップと、製品
部門は製品動作の評価項目の評価結果により製品に使用
する部品を決定するステップと,を備え、部品部門のノ
ウハウを評価項目として取り入れたので、製品の開発も
しくは製造を短期間に信頼性の高いものとすることが出
来る。
【0076】また、部品部門は製品部門が生産する製品
の仕様を確認し,この製品に供給する部品の仕様を選定
するステップと,部品部門は製品部門に、選定された部
品をサンプル供給すると共に製品が運転した際に評価す
る製品動作の評価項目を提示するステップと、製品部門
は供給された部品を使い評価項目を評価した結果に基づ
いて部品の使用を決定するステップと,を備えたので、
実験における検証を短期間に評価できる製品を製造でき
る。
【0077】また、部品部門は製品動作の評価項目の評
価結果を判断して部品の仕様を決定するステップと,を
備えたので、目的に合致した部品のノウハウを一層蓄積
可能になる。
【0078】また、製品部門が開発もしくは製造する自
然冷媒もしくはHFCを循環させる冷凍サイクルを使用
する製品の要素である圧縮機を供給する部品部門に製品
の仕様として製品製造時に使用するプロセス油に関する
情報及び冷凍サイクルの配管の情報を含む仕様を開示す
るステップと,部品部門は製品の仕様に対応する圧縮機
の仕様及び製品を運転する際に製品動作の評価が必要な
評価項目を演算にて評価するステップと、を備え、部品
部門は評価した結果により製品に使用する圧縮機を選定
して製品部門に提示するので、製品にマッチした部品を
確実に提示できる。
【0079】また、部品部門は製品部門へ、製品の仕様
のうちの一部について代替仕様を提示するステップと,
を備えたので、一層良い製品を得ることが出来る。
【0080】また、部品部門が提示する代替仕様は、製
品に使用される一部の材料の種類,または,製品の一部
の寸法であるので,製品に流れる流体の悪い影響を更に
減少させられる。
【0081】また、部品が圧縮機であり,製品が自然冷
媒もしくはHFCを循環させる冷凍サイクルを使用する
製品であると共に,製品の仕様が使用する冷媒の種類,
電源の種類,製品の冷凍能力,使用する温度,及び冷凍
サイクルに封入する冷媒量を含むこと、選定される部品
の仕様が冷媒吐出量である押しのけ量と電源の種類を含
むので,多くのデータの積み上げが必要な冷凍サイクル
を使用しても信頼性が高く性能の良い製品と部品の組み
合わせが短期間に得られる。
【0082】また、使用冷媒と相溶性のある冷凍機油を
使用する圧縮機に対し製品仕様として、冷凍サイクルの
製造工程で使用されるプロセス油の種類とその使用個
所、またはプロセス油の種類とその使用個所及び冷凍サ
イクル内のプロセス油残留量もしくは冷凍サイクル内の
残存水分量に基づく冷凍サイクルの絞り部閉塞性の評価
であるので,製品製造内容についても製品と部品を含め
た形の総合的な判断が可能となり,一層信頼性の高い製
品と部品の組合せが得られる。
【0083】また、使用冷媒と相溶性のある冷凍機油を
使用するサンプル圧縮機に対し、冷凍サイクル内に残留
する異物もしくはプロセス油の残留量に相当するコンタ
ミ残留量を充填し、製品部門が運転して絞り部の状態を
評価するので,確実に信頼性の高い製品が得られる。
【0084】また、使用冷媒と相溶性のない冷凍機油を
使用する圧縮機に対し、製品仕様である配管及び冷媒を
貯留可能な部品の情報に基づき、圧縮機へ戻る非相溶油
の返油性能を計算し、配管内の冷媒流速を含む返油性能
計算結果を部品部門から製品部門に提示するので,製品
と部品の仕様を早く決定することが出来る。
【0085】また、使用冷媒と非相溶性の冷凍機油を使
用するサンプル圧縮機に対し、圧縮機に戻らずに冷凍サ
イクルに残る潤滑油を吐出スーパーヒートまたは圧縮機
もしくは冷媒貯留部における油面量により、製品部門が
運転して評価するので,品質を確実に確保できる。
【0086】また、部品部門が提示する代替仕様は、冷
媒が循環する冷凍サイクル構成機器に使用される有機材
料の種類,プロセス油の種類及び配管の寸法の少なくと
も1つであるので,製品の品質向上が図れる。
【0087】また,部品部門は,非相溶油を使用する圧
縮機に対し圧縮機から吐出された潤滑油が冷凍サイクル
から圧縮機への返油性能を計算し、及び,相溶油を使用
する圧縮機に対し冷凍サイクル内に残留する異物もしく
はプロセス油の残留量を残留情報コンタミ情報から判断
して、いずれか一方の種類の圧縮機を選定して部品仕様
を提示するので,品質の良い製品を短期間で製造でき
る。
【0088】また、製品の仕様は,冷凍サイクルに使用
され循環する冷媒に接触可能な部品に使用される有機材
料の種類または冷媒圧力に対する冷媒回路部品の強度を
含むので,製品の品質を一層高めることが出来る。
【0089】また、覗き窓付きサンプル圧縮機の冷凍機
油に着色して供給することを特徴としているため、液冷
媒と冷凍機油が視覚的に明確に区別でき、覗き窓による
観察・評価をより正確に実施できる。
【0090】また、前述の確認されるユニット仕様と
は、ユニットメーカーで使用予定の有機材料(プロセス
油、有機材料部品)の情報を含むことを特徴とし、かつ
圧縮機メーカーにて有機材料の適用可否を検討し、否の
場合は代替材を提示することを特徴とする為、ユニット
メーカーは専門的な評価の要求される有機材料の適合性
に関して殆ど評価を行う必要がなくなり開発期間を短縮
できる。
【0091】また、確認されるユニット仕様とは、冷媒
回路部品の耐圧強度または圧縮機接続配管仕様情報を含
むことを特徴とし、強度が不足する場合は圧縮機メーカ
ーが代替仕様を提示することを特徴とする為、ユニット
メーカーは運転圧力の高圧化や配管振動対策についての
評価負荷を軽減でき、開発期間を短縮できる。
【0092】また、ユニット仕様の確認、選定された圧
縮機仕様の開示、評価項目の開示の各プロセスを通信ネ
ットワーク上で行うことを特徴とし、また返油性計算結
果を通信ネットワーク上で開示することを特徴とし、ま
た有機材料の適用可否及び代替材情報を通信ネットワー
ク上で開示することを特徴とするものである為、HFC
対応など過去ユニットメーカーが多くの技術ノウハウを
蓄積していない技術分野の開発においても、ユニットメ
ーカーは圧縮機メーカーの保有する技術ノウハウを体系
的に短期間で取得でき、かつ評価に関する発生負荷も事
前に把握できる。特にHFC冷媒対応における相溶油、
非相溶油の選定に関しては、通常ユニットメーカー単独
では入手困難な豊富な情報に基づいて実施することがで
きる為、ユニットメーカーの実情に合った最適な判断が
可能となる。従って、本システムによれば、ユニットメ
ーカーは最適な圧縮機仕様を効率よく決定できる為、完
成度の高い製品を最少のコストで短期間に開発すること
が出来、ユニットメーカーの企業経営を有利に進めるこ
とが出来る。
【0093】本発明は上記のようにユニットメーカーと
圧縮機メーカー間の情報交換に基づく製造方法や圧縮機
技術情報装置を説明してきたがこれにとらわれないこと
は当然である。圧縮機のように冷凍サイクルに使用する
部品は循環する冷媒の流れを介在させて熱交換器などの
ユニットの部品と圧力や温度などの物理量だけ出なく化
学変化に応じた劣化など多くの点で相互に影響し合う。
例えばファンとファンを使用した空調装置のようなもの
は空気という流体の流れを介在させてやはり空調装置の
能力や汚れなどのように相互に影響し合う点が多い。更
に空調装置に設けられたベルマウスや通風ガイドの設計
によりファンの能力をフルに発揮できなくなり,せっか
くの能力を発揮できない。これに対しファンを試作しさ
まざまな通風構造を用いて多くの実験を行いカットアン
ドトライで決めているが,この発明の製品と部品の情報
を交換する製造方法を用いることにより簡単で,且つ,
確実な製造が可能になる。
【0094】すなわち本発明の製品製造方法は、空調装
置を製造する製品部門が開発もしくは製造する製品の要
素である部品であるプロペラファンを供給する部品部門
に空調装置トータルとしての風量,風圧,圧力損失や回
転数やモーター電源の種類等の仕様を開示し,ファン製
造部門は製品の仕様に対応するファンのみならずベルマ
ウスや風向きや整流を行うガイドなど製品部門が製造す
る部品の寸法などの仕様及び製品を運転する際に製品動
作の評価が必要な振動などの評価項目を選定し、製品部
門は製品動作の評価項目の評価を3次元高氏計算などに
よるシミュレーションによって行い,この結果により製
品に使用する部品を決定することが出来る。
【0095】あるいは、ファン製造部門が,大型プラン
トなどの空調装置に供給する部品の仕様を選定し、ファ
ンとモーターが直結されたサンプルを供給すると共に製
品が運転した際に評価する騒音や振動などの製品動作の
評価項目を提示し、空調装置を製造する部門は供給され
たファンを使い提示された評価項目を運転評価した結果
に基づいて部品の使用を決定することが出来る。これに
よりユニットメーカーが扱いなれていない大型のファン
や全く特性の異なるファンに対しても、ファンメーカー
のノウハウを基に開発するため、製品の使用目的や用途
に応じた構造部分を集中的に開発すれば良く,ファン開
発という苦手なところへパワーをかける必要もなくなり
短期間に性能,品質の良い製品を得ることが出来る。こ
れは海外等で空調装置のようなユニットを製造する場合
のように開発部門とは離れた遠隔地で製造する場合には
短期間に製品を製造できる利点を更に生かすことが出来
る。
【0096】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る製品製造方法
は、冷蔵・冷凍機器、空調機器等の製品を製造もしくは
販売する情報を有する製品部門に対して、製品に使用す
る圧縮機等の部品を製造もしくは販売する情報を有する
部品部門が,製品部門の製造もしくは販売する製品に対
応した部品を製造もしくは販売する際、部品部門が製品
部門に対し塩素を含まない冷媒の指定を含む製品仕様を
確認するステップと,部品部門は確認した製品仕様に対
応する部品仕様を選定し、この部品仕様を有するサンプ
ル部品を製品部門に供給するステップと,部品部門は確
認された製品仕様と選定された部品仕様に基づいて前記
製品の評価に必要な評価項目を選定するステップと,製
品部門が供給されたサンプル部品を使用して提示された
前記評価項目に応じて得た評価結果を、前記部品部門は
確認して部品仕様及び製品仕様を決定するステップと,
を備えたので、地球環境にやさしく,且つ,確実な評価
が可能で短期間に信頼性の高い仕様のものとすることが
出来る。
【0097】本発明の請求項2に係る製品製造方法は、
冷蔵・冷凍機器、空調機器等の製品を製造もしくは販売
する情報を有する製品部門が塩素を含まない冷媒を使用
する製品の一部となる部品を供給する部品部門に製品の
仕様を開示するステップと,部品部門は製品の仕様に対
応する部品の仕様及び製品を運転する際の製品の評価が
必要な評価項目を選定し提示するステップと、製品部門
は部品部門から提示された評価項目の評価結果により製
品に使用する部品を決定するステップと,を備え、製品
の仕様は部品部門から逆提示される代替仕様により変更
可能であるので、環境対策製品であって,部品部門のノ
ウハウを取り入れた製品を短期間に製造できる。
【0098】本発明の請求項3に係る製品製造方法は、
冷蔵・冷凍機器、空調機器等の製品を製造もしくは販売
する情報を有する製品部門が製品の一部となる部品を供
給する部品部門に製品に使用する配管の情報及び製品製
造時に使用するプロセス油に関する情報を含む製品の仕
様を開示するステップと,部品部門は製品の仕様に対応
する部品の仕様を選定し製品部門に提示するステップ
と、部品部門は前記製品の仕様を基に製品を評価してこ
の評価結果を製品部門に提示するステップと、を備え、
部品部門が提示する前記部品の仕様は評価結果を基に選
定するので、目的に合致した部品の選定が可能である。
【0099】本発明の請求項4に係る製品製造方法は、
部品部門は製品部門へ、製品に使用される一部の材料の
種類,または,製品の一部の寸法である製品の仕様に対
し代替仕様を逆提示するステップと,を備えたもので、
製品にマッチした部品を確実に提示できるのみならず品
質の一層の向上が図れる。
【0100】本発明の請求項5に係る製品製造方法は、
部品が圧縮機であり,製品が自然冷媒もしくはHFCを
循環させる冷凍サイクルを使用する製品であり,少なく
とも製品の構造である返油性計算に使用する情報または
製品に使用される有機材料の情報のいずれかを含む製品
の仕様に基づき,部品部門は冷凍機油が冷媒に非相溶な
油を用いた場合の返油性を計算し,もしくは相溶な油を
用いた場合の有機材料の適合性を判定して,相溶油対応
の圧縮機もしくは非相溶油対応の圧縮機のいずれかの圧
縮機の前記部品仕様を選定するので、製品のバラェティ
を確保でき一層良い製品を得ることが出来る。
【0101】本発明の請求項6に係る製品製造方法の、
返油計算用の情報は,冷凍サイクルの配管径,熱交換器
情報,冷媒を貯留可能なレシーバーやアキュムレータの
有無及びその構造に関する情報を含み,もしくは有機材
料の情報は冷凍サイクルの機器に使用される有機材料の
種類と使用個所,製造工程で使用されるプロセス油の種
類と使用個所,製品の冷凍サイクル内へのプロセス油の
残留量,製品の冷凍サイクル内残存水分量のいずれか一
つ以上を含むので,製品に流れる流体の悪い影響を大幅
に減少させることが出来,良い製品が得られる。
【0102】本発明の請求項7に係る製品製造方法の、
相溶油対応の圧縮機を評価する評価項目は冷凍サイクル
の絞り部閉塞に関する耐スラッジ性評価を含み、部品仕
様を有するサンプル圧縮機を部品部門が製品部門に供給
する場合は,冷凍サイクル内に残留するプロセス油や水
分などに相当するコンタミを充填させるので,多くのデ
ータの積み上げが必要な冷凍サイクルに対し信頼性が高
く性能の良い製品と部品の組み合わせが短期間に得られ
る。
【0103】本発明の請求項8に係る製品製造方法の、
非相溶油対応の圧縮機を評価する評価項目は吸入スーパ
ーヒートがつかない運転状態における吐出スーパーヒー
ト確認もしくは圧縮機内部油面観察、及び停止後放冷さ
れ圧縮機内に液冷媒が貯留した状態からの圧縮機起動時
における吐出スーパーヒートの推移確認もしくは圧縮機
内部の油面と冷媒の状況推移の観察の少なくともいずれ
かを含み,部品仕様を有するサンプル圧縮機を部品部門
が製品部門に供給する場合は,内部が観察可能な圧縮機
であるので,製品製造内容についても製品と部品を含め
た形の総合的な判断が可能となり,一層信頼性の高い製
品と部品の組合せが短期間に得られる。
【0104】本発明の請求項9に係る製品製造方法は、
部品が圧縮機であり,製品が自然冷媒もしくはHFCを
循環させる冷凍サイクルを使用する製品であり,製品の
仕様は使用する冷媒の種類,電源の種類,製品の冷凍能
力,使用する温度,冷凍サイクルに封入する冷媒量を含
むとともに、部品部門が提示可能な代替の製品仕様は冷
凍サイクルに使用される有機材料の種類,製品の製造途
中で使用されるプロセス油の種類,配管径の少なくとも
いずれか一つを含むので,確実に信頼性の高い製品の仕
様が得られる。
【0105】本発明の請求項10に係る製品製造方法
は、部品が圧縮機であり,製品が自然冷媒もしくはHF
Cを循環させる冷凍サイクルを使用する製品であり,製
品の仕様は使用する冷媒の種類,電源の種類,製品の冷
凍能力,使用する温度,冷凍サイクルに封入する冷媒量
を含むとともに、部品部門が製品部門に確認する製品仕
様には,冷媒回路部品の冷媒圧力に対する耐圧強度に関
する情報または運転中の圧縮機接続配管の耐振動強度を
含むので,確実に信頼性の高い製品の仕様が得られる。
【0106】本発明の請求項11に係る製品製造方法
は、部品が圧縮機であり,製品が自然冷媒もしくはHF
Cを循環させる冷凍サイクルを使用する製品であり,製
品の仕様は製品の一般情報である使用する冷媒の種類,
電源の種類,製品の冷凍能力,使用する温度,冷凍サイ
クルに封入する冷媒量、配管長を含むとともに、返油計
算用情報または有機材料情報を含み,部品部門が提示す
る部品仕様は圧縮機押しのけ量,対応する電源,圧縮機
脚部支持点ピッチ,吐出吸入関係を含むので,冷凍サイ
クル全体に対して品質を確実に確保できる。
【0107】本発明の請求項12に係る圧縮機技術情報
装置は、冷蔵・冷凍機器、空調機器等のユニットを製造
もしくは販売するユニット情報を有するユニット部門
が、そのユニットに対応する圧縮機を製造もしくは販売
する圧縮機情報を有する圧縮機部門にユニットの冷媒の
種類,電源の種類,製品の冷凍能力,使用する温度,及
び冷凍サイクルに封入する冷媒量を含む情報を伝達する
第1の伝達手段と,圧縮機部門がユニット部門に冷媒吐
出量と電源の種類を含む圧縮機の仕様、及び、冷媒に相
溶する冷凍機油もしくは相溶しない冷凍機油を使用した
場合のユニット運転での評価項目の情報を伝達する第2
の伝達手段と,圧縮機部門もしくはユニット部門に設け
られ評価項目の評価を演算する演算手段、または,圧縮
機部門もしくはユニット部門に設けられ評価項目の評価
を判断するデータが記憶されたデータベースの少なくと
もいずれかを有する評価項目処理手段と,を備えたの
で、良好な性能,品質を確保できる仕様を決定する技術
情報のやり取りを簡単に,且つ,確実に行うことが出来
る。
【0108】本発明の請求項13に係る圧縮機技術情報
装置は、圧縮機部門が冷蔵・冷凍機器、空調機器等を製
造もしくは販売するユニット部門に対し、その製造もし
くは販売するユニットに対応する圧縮機を製造もしくは
販売する際、圧縮機部門がユニットの冷媒の種類,電源
の種類,製品の冷凍能力,使用する温度,及び冷凍サイ
クルに封入する冷媒量を含むユニット仕様を確認し、且
つこの仕様に対応する押しのけ量及び電源の種類を含む
圧縮機仕様を選定し、この圧縮機に使用する冷凍機油が
冷媒に相溶もしくは非相溶のいずれかを選別してユニッ
トの動作時に評価する評価項目を伝達する、圧縮機部門
とユニット部門間の情報伝達を行う伝達手段と,圧縮機
部門もしくはユニット部門に設けられ評価項目の評価を
行う評価項目処理手段と,を備え、ユニットに使用され
る圧縮機仕様及び搭載されるユニット仕様を評価項目の
評価により決めるので,製品と部品の良好な組み合わせ
が短期間に確実に得られる。
【0109】本発明の請求項14に係る圧縮機技術情報
装置は、ユニットの仕様冷媒が自然冷媒もしくはHFC
であり、選定される圧縮機仕様として、非相溶油を用い
た場合は返油性能を計算するために必要なユニット仕様
を確認し、圧縮機部門が返油性能を計算し結果をユニッ
ト部門に開示する,または、相溶油を用いた場合は冷凍
サイクル内に残留する異物もしくはプロセス油の残留量
の判断に必要なユニット仕様を確認し、記憶されたデー
ターベースより選択した結果をユニット部門に開示する
ので、環境や目的に対し必要な性能や使用状態に応じた
部品を自由に選択でき良好な製品を得ることが出来る。
【0110】本発明の請求項15に係る圧縮機技術情報
装置の、返油性能を計算するために必要なユニット仕様
は、配管径、熱交換器の情報、冷凍サイクル内で冷媒を
貯留する部品の有無とこの構造に関する情報を含むの
で,確実に満足な返油性能を発揮でき信頼性の高いユニ
ットが得られる。
【0111】本発明の請求項16に係る圧縮機技術情報
装置の、開示する返油性計算結果は、冷凍機油の順方向
流動性を確保できる冷媒流速の下限値、冷媒流速、及び
両者の比較により判断されこの返油性能が問題となる冷
凍サイクルにおける箇所及び運転条件の情報を含むの
で、確実に満足な返油性能を発揮でき信頼性の高いユニ
ットが得られる。
【0112】本発明の請求項17に係る圧縮機技術情報
装置は、非相溶油対応評価項目として、吐出スーパーヒ
ートが付かない運転状態における吐出スーパーヒート確
認,停止後放冷された圧縮機内に液冷媒が貯留した状態
からの圧縮機起動時における吐出ガススーパーヒート確
認,及び運転中の圧縮機内油面確認の少なくとも1つを
含み、また相溶油対応評価項目として、冷凍サイクル内
に残留する異物もしくはプロセス油の残留量及び冷凍サ
イクルの残存水分量に基づいて行う絞り部閉塞に関する
耐スラッジ性評価を含むので,一層品質の良い製品が得
られる。
【0113】本発明の請求項18に係る圧縮機技術情報
装置は、圧縮機部門が冷蔵・冷凍機器、空調機器等を製
造もしくは販売するユニット部門に対し、その製造もし
くは販売するユニットに対応する圧縮機を製造もしくは
販売する際、圧縮機部門がユニットの冷媒の種類,電源
の種類,製品の冷凍能力,使用する温度,及び冷凍サイ
クルに封入する冷媒量を含むユニット仕様を確認し、且
つこの仕様に対応する押しのけ量及び電源の種類を含む
圧縮機仕様を選定し、この圧縮機に使用する冷凍機油が
前記冷媒に相溶もしくは非相溶という選択に応じてユニ
ットの動作時に評価する評価項目を伝達する、圧縮機部
門とユニット部門間の情報伝達を行う伝達手段と、圧縮
機部門もしくはユニット部門に設けられ評価項目の評価
を行う評価項目処理手段と,を備え、圧縮機部門から供
給されるサンプル圧縮機により評価項目を評価して使用
する圧縮機を決めるので,確実な情報交換とユニットの
信頼性の確保が短期間に行える。
【0114】本発明の請求項19に係る圧縮機技術情報
装置の、非相溶油対応サンプル圧縮機は、内部の観察が
可能であるので,圧縮機内の油が十分に存在することの
確認が容易である。
【0115】本発明の請求項20に係る圧縮機技術情報
装置の、非相溶油対応サンプル圧縮機の冷凍機油は着色
してあるので,一目で間違いの無い検出が可能である。
【0116】本発明の請求項21に係る圧縮機技術情報
装置の、ユニット仕様は、ユニット部門で使用するプロ
セス油と有機材料部品の種類と使用個所を含む有機材料
の情報を含み、かつ圧縮機仕様は有機材料の適用可否及
び否の場合は代替仕様を提示するので,信頼性の高いユ
ニットを確実に得られる。
【0117】本発明の請求項22に係る圧縮機技術情報
装置は、冷凍サイクルの冷媒回路部品の耐圧強度または
圧縮機接続配管仕様情報を含むユニット仕様を確認し、
強度が不足する場合は代替仕様を提示可能なので,信頼
性の高いユニットが得られる。
【0118】本発明の請求項23に係る圧縮機技術情報
装置は、ユニット仕様及び圧縮機仕様の情報の伝達は通
信ネットワーク上で行うので,どういう立場の相手と
も,世界中のどことでも同じ条件でノウハウを含む情報
交換が出来製品側,部品側とも製造能力を著しく高める
ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態によるシステムを表す流
れ図である。
【図2】 本発明の実施の形態によるシステムを表す模
式図である。
【図3】 本発明の実施の形態によるシステムを表す模
式図である。
【図4】 本発明の代表的な冷媒と冷凍機油の特徴を示
す説明図である。
【図5】 本発明の返油計算の流れ図である。
【図6】 本発明の配管内の非相溶油滴の受ける力の一
例を示すモデル説明図である。
【図7】 本発明の決定される圧縮機仕様の外観形状を
示す模式図である。
【図8】 従来の圧縮機製造販売ビジネスを示す流れ図
である。
【図9】 従来の圧縮機製造販売モデルにより決定され
る、圧縮機とユニット冷媒回路を表す模式図である。
【符号の説明】
S1 圧縮機製品情報開示ステップ S2 客先ユニット仕様確認ステップ S3 返油計算用情報確認ステップ S4 非相溶油返油性計算ステップ S5 圧縮機、対応冷凍機油選定ステップ S6a 相溶油対応評価項目決定ステップ S6b 非相溶油対応評価項目決定ステップ S7a 相溶油対応サンプル決定ステップ S7b 非相溶油対応サンプル決定ステップ S8a 評価結果確認ステップ S8b 評価結果確認ステップ S9 ユニット仕様、圧縮機仕様決定ステップ S10 入力フォームの表示ステップ S11 ユニット情報入力ステップ S12 結果の表示ステップ S13 ユニット開発評価ステップ S14 圧縮機仕様、搭載ユニット仕様決定ステップ S15 圧縮機、潤滑油選定ステップ S16 ノウハウの蓄積ステップ S17 データー化ステップ S18 評価サンプル決定、評価項目決定、ユニット代
替仕様案作成ステップ S19 評価結果の確認ステップ S20 判定ステップ S21 圧縮機仕様、搭載ユニット仕様決定ステップ S22 開発結果のフィードバックステップ S23 圧縮既製品情報開示ステップ S24 客先による選定ステップ S25 客先による評価ステップ S26 圧縮機決定ステップ S101 返油計算用ユニット確認ステップ S102 計算対象箇所仮定ステップ S103 冷媒状態仮定ステップ S105 冷媒密度算出ステップ S106 返油限界流速算出ステップ S107 冷凍機油流動性確認ステップ S108 反復計算ステップ S109 運転条件仮定ステップ S110 流路断面積算出ステップ S111 潤滑油性状決定ステップ S112 ユニット基本情報確認ステップ S113 圧縮機押しのけ量、回転数決定ステップ S114 冷媒循環量算出ステップ S115 冷媒流速算出ステップ S116 レシーバ、アキュムレータ有無、構造確認ス
テップ S117 返油性考察ステップ I1 基本ユニット情報 I2 返油計算用情報 I3 有機材料情報 I4 選定圧縮機仕様情報 I5 非相溶油返油性情報 I6 評価項目情報 I7 有機材料適合性情報 I8 入力フォーム情報 I9 ユニット仕様情報 I10 圧縮機仕様、評価項目情報、有機材料適合性開
示情報 I11 ユニット代替仕様案情報、評価項目詳細情報、
評価サンプル I12 評価結果情報 I13 判定結果情報 1 ユニットメーカー 2 圧縮機メーカー 3 端末装置 4 Webサーバー 5 データーベース 6 圧縮機 7 凝縮器 8 毛細管 9 蒸発器 10 アキュムレータ 10a 油戻し穴 11 配管 12 圧縮機脚部 13 アキュムレータ 14 吐出管 15 吸入管 P 支持点ピッチ D1 吐出管径 D2 吸入管径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井沢 毅司 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 千代延 守 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3C030 CA03 DA00

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷蔵・冷凍機器、空調機器等の製品を製
    造もしくは販売する情報を有する製品部門に対して、前
    記製品に使用する圧縮機等の部品を製造もしくは販売す
    る情報を有する部品部門が,前記製品部門の製造もしく
    は販売する前記製品に対応した部品を製造もしくは販売
    する際、前記部品部門が前記製品部門に対し塩素を含ま
    ない冷媒の指定を含む製品仕様を確認するステップと,
    前記部品部門は確認した前記製品仕様に対応する部品仕
    様を選定し、この部品仕様を有するサンプル部品を前記
    製品部門に供給するステップと,前記部品部門は確認さ
    れた前記製品仕様と選定された前記部品仕様に基づいて
    前記製品の評価に必要な評価項目を選定するステップ
    と,前記製品部門が供給されたサンプル部品を使用して
    提示された前記評価項目に応じて得た評価結果を、前記
    部品部門は確認して部品仕様及び製品仕様を決定するス
    テップと,を備えたことを特徴とする製品製造方法。
  2. 【請求項2】 冷蔵・冷凍機器、空調機器等の製品を製
    造もしくは販売する情報を有する製品部門が塩素を含ま
    ない冷媒を使用する製品の一部となる部品を供給する部
    品部門に前記製品の仕様を開示するステップと,前記部
    品部門は前記製品の仕様に対応する部品の仕様及び前記
    製品を運転する際の製品の評価が必要な評価項目を選定
    し提示するステップと、前記製品部門は前記部品部門か
    ら提示された評価項目の評価結果により前記製品に使用
    する部品を決定するステップと,を備え、前記製品の仕
    様は前記部品部門から逆提示される代替仕様により変更
    可能であることを特徴とする製品製造方法。
  3. 【請求項3】 冷蔵・冷凍機器、空調機器等の製品を製
    造もしくは販売する情報を有する製品部門が前記製品の
    一部となる部品を供給する部品部門に製品に使用する配
    管の情報及び製品製造時に使用するプロセス油に関する
    情報を含む前記製品の仕様を開示するステップと,前記
    部品部門は前記製品の仕様に対応する部品の仕様を選定
    し前記製品部門に提示するステップと、前記部品部門は
    前記製品の仕様を基に製品を評価してこの評価結果を前
    記製品部門に提示するステップと、を備え、前記部品部
    門が提示する前記部品の仕様は前記評価結果を基に選定
    することを特徴とする製品製造方法。
  4. 【請求項4】 前記部品部門は前記製品部門へ、前記製
    品に使用される一部の材料の種類,または,前記製品の
    一部の寸法である前記製品の仕様に対し代替仕様を逆提
    示するステップと,を備えたことを特徴とする請求項1
    乃至3のうちの少なくとも1記載の製品製造方法。
  5. 【請求項5】 前記部品が圧縮機であり,前記製品が自
    然冷媒もしくはHFCを循環させる冷凍サイクルを使用
    する製品であり,少なくとも製品の構造である返油性計
    算に使用する情報または製品に使用される有機材料の情
    報のいずれかを含む前記製品の仕様に基づき,前記部品
    部門は冷凍機油が冷媒に非相溶な油を用いた場合の返油
    性を計算し,もしくは相溶な油を用いた場合の有機材料
    の適合性を判定して,相溶油対応の圧縮機もしくは非相
    溶油対応の圧縮機のいずれかの圧縮機の前記部品仕様を
    選定することを特徴とする請求項1乃至4のうちの少な
    くとも1記載の製品製造方法。
  6. 【請求項6】 前記返油計算用の情報は,冷凍サイクル
    の配管径,熱交換器情報,冷媒を貯留可能なレシーバー
    やアキュムレータの有無及びその構造に関する情報を含
    み,もしくは前記有機材料の情報は冷凍サイクルの機器
    に使用される有機材料の種類と使用個所,製造工程で使
    用されるプロセス油の種類と使用個所,前記製品の冷凍
    サイクル内へのプロセス油の残留量,前記製品の冷凍サ
    イクル内残存水分量のいずれか一つ以上を含むことを特
    徴とする請求項5記載の製品製造方法。
  7. 【請求項7】 前記相溶油対応の圧縮機を評価する評価
    項目は前記冷凍サイクルの絞り部閉塞に関する耐スラッ
    ジ性評価を含み、前記部品仕様を有するサンプル圧縮機
    を前記部品部門が前記製品部門に供給する場合は,前記
    冷凍サイクル内に残留するプロセス油や水分などに相当
    するコンタミを充填させることを特徴とする請求項5ま
    たは6記載の製品製造方法。
  8. 【請求項8】 前記非相溶油対応の圧縮機を評価する評
    価項目は吸入スーパーヒートがつかない運転状態におけ
    る吐出スーパーヒート確認もしくは圧縮機内部油面観
    察、及び停止後放冷され圧縮機内に液冷媒が貯留した状
    態からの圧縮機起動時における吐出スーパーヒートの推
    移確認もしくは圧縮機内部の油面と冷媒の状況推移の観
    察の少なくともいずれかを含み,前記部品仕様を有する
    サンプル圧縮機を前記部品部門が前記製品部門に供給す
    る場合は,内部が観察可能な圧縮機であることを特徴と
    する請求項5または6記載の製品製造方法。
  9. 【請求項9】 前記部品が圧縮機であり,前記製品が自
    然冷媒もしくはHFCを循環させる冷凍サイクルを使用
    する製品であり,前記製品の仕様は使用する冷媒の種
    類,電源の種類,製品の冷凍能力,使用する温度,前記
    冷凍サイクルに封入する冷媒量を含むとともに、前記部
    品部門が提示可能な代替の製品仕様は前記冷凍サイクル
    に使用される有機材料の種類,前記製品の製造途中で使
    用されるプロセス油の種類,配管径の少なくともいずれ
    か一つを含むことを特徴とする請求項1乃至8のうちの
    少なくとも1記載の製品製造方法。
  10. 【請求項10】 前記部品が圧縮機であり,前記製品が
    自然冷媒もしくはHFCを循環させる冷凍サイクルを使
    用する製品であり,前記製品の仕様は使用する冷媒の種
    類,電源の種類,製品の冷凍能力,使用する温度,前記
    冷凍サイクルに封入する冷媒量を含むとともに、前記部
    品部門が前記製品部門に確認する製品仕様には,冷媒回
    路部品の冷媒圧力に対する耐圧強度に関する情報または
    運転中の圧縮機接続配管の耐振動強度を含むことを特徴
    とする請求項1乃至8のうちの少なくとも1記載の製品
    製造方法。
  11. 【請求項11】 前記部品が圧縮機であり,前記製品が
    自然冷媒もしくはHFCを循環させる冷凍サイクルを使
    用する製品であり,前記製品の仕様は前記製品の一般情
    報である使用する冷媒の種類,電源の種類,製品の冷凍
    能力,使用する温度,前記冷凍サイクルに封入する冷媒
    量、配管長を含むとともに、返油計算用情報または有機
    材料情報を含み,前記部品部門が提示する部品仕様は圧
    縮機押しのけ量,対応する電源,圧縮機脚部支持点ピッ
    チ,吐出吸入関係を含むことを特徴とする請求項1乃至
    10のうちの少なくとも1記載の製品製造方法。
  12. 【請求項12】 冷蔵・冷凍機器、空調機器等のユニッ
    トを製造もしくは販売するユニット情報を有するユニッ
    ト部門が、そのユニットに対応する圧縮機を製造もしく
    は販売する圧縮機情報を有する圧縮機部門に前記ユニッ
    トの冷媒の種類,電源の種類,製品の冷凍能力,使用す
    る温度,及び前記冷凍サイクルに封入する冷媒量を含む
    情報を伝達する第1の伝達手段と,前記圧縮機部門が前
    記ユニット部門に冷媒吐出量と電源の種類を含む前記圧
    縮機の仕様、及び、前記冷媒に相溶する冷凍機油もしく
    は相溶しない冷凍機油を使用した場合のユニット運転で
    の評価項目の情報を伝達する第2の伝達手段と,前記圧
    縮機部門もしくは前記ユニット部門に設けられ前記評価
    項目の評価を演算する演算手段、または,前記圧縮機部
    門もしくは前記ユニット部門に設けられ前記評価項目の
    評価を判断するデータが記憶されたデータベースの少な
    くともいずれかを有する評価項目処理手段と,を備えた
    ことを特徴とする圧縮機技術情報装置。
  13. 【請求項13】 圧縮機部門が冷蔵・冷凍機器、空調機
    器等を製造もしくは販売するユニット部門に対し、その
    製造もしくは販売するユニットに対応する圧縮機を製造
    もしくは販売する際、圧縮機部門が前記ユニットの冷媒
    の種類,電源の種類,製品の冷凍能力,使用する温度,
    及び前記冷凍サイクルに封入する冷媒量を含むユニット
    仕様を確認し、且つこの仕様に対応する押しのけ量及び
    電源の種類を含む圧縮機仕様を選定し、この圧縮機に使
    用する冷凍機油が前記冷媒に相溶もしくは非相溶のいず
    れかを選別して前記ユニットの動作時に評価する評価項
    目を伝達する、前記圧縮機部門と前記ユニット部門間の
    情報伝達を行う伝達手段と,前記圧縮機部門もしくは前
    記ユニット部門に設けられ前記評価項目の評価を行う評
    価項目処理手段と,を備え、前記ユニットに使用される
    圧縮機仕様及び搭載されるユニット仕様を前記評価項目
    の評価により決めることを特徴とする圧縮機技術情報装
    置。
  14. 【請求項14】 前記ユニットの仕様冷媒が自然冷媒も
    しくはHFCであり、選定される圧縮機仕様として、非
    相溶油を用いた場合は返油性能を計算するために必要な
    ユニット仕様を確認し、前記圧縮機部門が返油性能を計
    算し結果を前記ユニット部門に開示する,または、相溶
    油を用いた場合は冷凍サイクル内に残留する異物もしく
    はプロセス油の残留量の判断に必要なユニット仕様を確
    認し、記憶されたデーターベースより選択した結果を前
    記ユニット部門に開示することを特徴とする請求項12
    または13記載の圧縮機技術情報装置。
  15. 【請求項15】 返油性能を計算するために必要なユニ
    ット仕様は、配管径、熱交換器の情報、前記冷凍サイク
    ル内で前記冷媒を貯留する部品の有無とこの構造に関す
    る情報を含むことを特徴とした請求項12または13ま
    たは14記載の圧縮機技術情報装置。
  16. 【請求項16】 開示する返油性計算結果は、冷凍機油
    の順方向流動性を確保できる冷媒流速の下限値、冷媒流
    速、及び両者の比較により判断されこの返油性能が問題
    となる冷凍サイクルにおける箇所及び運転条件の情報を
    含むことを特徴とする請求項14または15記載の圧縮
    機技術情報装置。
  17. 【請求項17】 非相溶油対応評価項目として、吐出ス
    ーパーヒートが付かない運転状態における吐出スーパー
    ヒート確認,停止後放冷された圧縮機内に液冷媒が貯留
    した状態からの圧縮機起動時における吐出ガススーパー
    ヒート確認、及び運転中の圧縮機内油面確認の少なくと
    も1つを含み、また相溶油対応評価項目として、冷凍サ
    イクル内に残留する異物もしくはプロセス油の残留量及
    び冷凍サイクルの残存水分量に基づいて行う絞り部閉塞
    に関する耐スラッジ性評価を含むことを特徴とする請求
    項12乃至16の内の少なくとも1記載の圧縮機技術情
    報装置。
  18. 【請求項18】 圧縮機部門が冷蔵・冷凍機器、空調機
    器等を製造もしくは販売するユニット部門に対し、その
    製造もしくは販売するユニットに対応する圧縮機を製造
    もしくは販売する際、圧縮機部門が前記ユニットの冷媒
    の種類,電源の種類,製品の冷凍能力,使用する温度,
    及び前記冷凍サイクルに封入する冷媒量を含むユニット
    仕様を確認し、且つこの仕様に対応する押しのけ量及び
    電源の種類を含む圧縮機仕様を選定し、この圧縮機に使
    用する冷凍機油が前記冷媒に相溶もしくは非相溶という
    選択に応じて前記ユニットの動作時に評価する評価項目
    を伝達する、前記圧縮機部門と前記ユニット部門間の情
    報伝達を行う伝達手段と,前記圧縮機部門もしくは前記
    ユニット部門に設けられ前記評価項目の評価を行う評価
    項目処理手段と,を備え、前記圧縮機部門から供給され
    るサンプル圧縮機により前記評価項目を評価して使用す
    る圧縮機を決めることを特徴とする圧縮機技術情報装
    置。
  19. 【請求項19】 非相溶油対応サンプル圧縮機は、内部
    の観察が可能であることを特徴とする請求項18記載の
    圧縮機技術情報装置。
  20. 【請求項20】 非相溶油対応サンプル圧縮機の冷凍機
    油は着色してあることを特徴とする請求項18記載の圧
    縮機技術情報装置。
  21. 【請求項21】 前記ユニット仕様は、前記ユニット部
    門で使用するプロセス油と有機材料部品の種類と使用個
    所を含む有機材料の情報を含み、かつ前記圧縮機仕様は
    前記有機材料の適用可否及び否の場合は代替仕様を提示
    することを特徴とする請求項18記載の圧縮機技術情報
    装置。
  22. 【請求項22】 前記冷凍サイクルの冷媒回路部品の耐
    圧強度または圧縮機接続配管仕様情報を含むユニット仕
    様を確認し,強度が不足する場合は代替仕様を提示可能
    なことを特徴とする請求項18記載の圧縮機技術情報装
    置。
  23. 【請求項23】 ユニット仕様及び圧縮機仕様の情報の
    伝達は通信ネットワーク上で行うことを特徴とする請求
    項12乃至22のうちの少なくとも1記載の記載の圧縮
    機技術情報装置。
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