JP2008025935A - 空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空気調和装置1は、圧縮機21と室外熱交換器23と室内膨張弁41、51と室内熱交換器42、52とが接続されることによって構成される冷媒回路10と、冷媒回路10を流れる冷媒又は構成機器の運転状態量に基づいて冷媒回路10内の冷媒量の適否を判定する冷媒量判定手段とを備えており、冷媒回路10内には、冷媒とともにこの冷媒に対して弱相溶又は非相溶性の冷凍機油が封入されている。
【選択図】図6
Description
図1は、本発明の一実施形態にかかる空気調和装置1の概略構成図である。空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、ビル等の室内の冷暖房に使用される装置である。空気調和装置1は、主として、1台の熱源ユニットとしての室外ユニット2と、それに並列に接続された複数台(本実施形態では、2台)の利用ユニットとしての室内ユニット4、5と、室外ユニット2と室内ユニット4、5とを接続する冷媒連絡配管としての液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7とを備えている。すなわち、本実施形態の空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、室外ユニット2と、室内ユニット4、5と、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7とが接続されることによって構成されている。そして、本実施形態において、冷媒回路10内には、R407C、R410AあるいはR134a等のHFC系冷媒が冷媒として封入されている。
室内ユニット4、5は、ビル等の室内の天井に埋め込みや吊り下げ等により、又は、室内の壁面に壁掛け等により設置されている。室内ユニット4、5は、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7を介して室外ユニット2に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
室外ユニット2は、ビル等の室外に設置されており、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7を介して室内ユニット4、5に接続されており、室内ユニット4、5の間で冷媒回路10を構成している。
冷媒連絡配管6、7は、空気調和装置1をビル等の設置場所に設置する際に、現地にて施工される冷媒配管であり、設置場所や室外ユニットと室内ユニットとの組み合わせ等の設置条件に応じて種々の長さや管径を有するものが使用される。このため、例えば、新規に空気調和装置を設置する場合には、冷媒の追加充填量を計算するために、冷媒連絡配管6、7の長さや管径等の情報を正確に把握する必要があるが、その情報管理や冷媒量の計算自体が煩雑である。また、既設配管を利用して室内ユニットや室外ユニットを更新するような場合には、冷媒連絡配管6、7の長さや管径等の情報が失われていることがある。
次に、本実施形態の空気調和装置1の動作について説明する。
(冷房運転)
まず、通常運転モードにおける冷房運転について、図1及び図3を用いて説明する。
次に、通常運転モードにおける暖房運転について説明する。
次に、試運転モードについて、図1〜図4を用いて説明する。ここで、図4は、試運転モードのフローチャートである。本実施形態において、試運転モードでは、まず、ステップS1の冷媒自動充填運転が行われ、続いて、ステップS2の配管容積判定運転が行われ、さらに、ステップS3の初期冷媒量検知運転が行われる。
まず、室外ユニット2の液側閉鎖弁26及びガス側閉鎖弁27を開けて、室外ユニット2に予め充填されている冷媒を冷媒回路10内に充満させる。
冷媒自動充填運転の開始指令がなされると、冷媒回路10が、室外ユニット2の四路切換弁22が図1の実線で示される状態で、かつ、室内ユニット4、5の室内膨張弁41、51及び室外膨張弁38が開状態となり、圧縮機21、室外ファン28及び室内ファン43、53が起動されて、室内ユニット4、5の全てについて強制的に冷房運転(以下、室内ユニット全数運転とする)が行われる。
次に、上記の冷媒量判定運転を行いつつ、冷媒回路10内に冷媒の追加充填を実施するが、この際、冷媒量演算手段として機能する制御部8によって、ステップS12における冷媒の追加充填時における冷媒回路10を流れる冷媒又は構成機器の運転状態量から冷媒回路10内の冷媒量を演算する。
Mog1=Vog1×ρd
という、室外ユニット2の高圧ガス管部Eの容積Vog1に高圧ガス管部Eにおける冷媒の密度ρdを乗じた関数式として表される。尚、高圧ガス管部Eの容積Vog1は、室外ユニット2が設置場所に設置される前から既知の値であり、予め制御部8のメモリに記憶されている。また、高圧ガス管部Eにおける冷媒の密度ρdは、吐出温度Td及び吐出圧力Pdを換算することによって得られる。
Mc=kc1×Ta+kc2×Tc+kc3×SHm+kc4×Wc
+kc5×ρc+kc6×ρco+kc7
という、室外温度Ta、凝縮温度Tc、圧縮機吐出過熱度SHm、冷媒循環量Wc、室外熱交換器23における冷媒の飽和液密度ρc及び室外熱交換器23の出口における冷媒の密度ρcoの関数式として表される。尚、上述の関係式におけるパラメータkc1〜kc7は、試験や詳細なシミュレーションの結果を回帰分析することによって求められたものであり、予め制御部8のメモリに記憶されている。また、圧縮機吐出過熱度SHmは、圧縮機の吐出側における冷媒の過熱度であり、吐出圧力Pdを冷媒の飽和温度値に換算し、吐出温度Tdからこの冷媒の飽和温度値を差し引くことにより得られる。冷媒循環量Wcは、蒸発温度Teと凝縮温度Tcとの関数(すなわち、Wc=f1(Te、Tc))として表される。冷媒の飽和液密度ρcは、凝縮温度Tcを換算することによって得られる。室外熱交換器23の出口における冷媒の密度ρcoは、凝縮温度Tcを換算することによって得られる凝縮圧力Pc及び冷媒の温度Tcoを換算することによって得られる。
Mol1=Vol1×ρco
という、室外ユニット2の高温液管部B1の容積Vol1に高温液管部B1における冷媒の密度ρco(すなわち、上述の室外熱交換器23の出口における冷媒の密度)を乗じた関数式として表される。尚、高圧液管部B1の容積Vol1は、室外ユニット2が設置場所に設置される前から既知の値であり、予め制御部8のメモリに記憶されている。
Mol2=Vol2×ρlp
という、室外ユニット2の低温液管部B2の容積Vol2に低温液管部B2における冷媒の密度ρlpを乗じた関数式として表される。尚、低温液管部B2の容積Vol2は、室外ユニット2が設置場所に設置される前から既知の値であり、予め制御部8のメモリに記憶されている。また、低温液管部B2における冷媒の密度ρlpは、過冷却器25の出口における冷媒の密度であり、凝縮圧力Pc及び過冷却器25の出口における冷媒の温度Tlpを換算することによって得られる。
Mlp=Vlp×ρlp
という、液冷媒連絡配管6の容積Vlpに液冷媒連絡配管部B3における冷媒の密度ρlp(すなわち、過冷却器25の出口における冷媒の密度)を乗じた関数式として表される。尚、液冷媒連絡配管6の容積Vlpは、液冷媒連絡配管6が空気調和装置1をビル等の設置場所に設置する際に現地にて施工される冷媒配管であるため、長さや管径等の情報から現地において演算した値を入力したり、長さや管径等の情報を現地において入力し、これらの入力された液冷媒連絡配管6の情報から制御部8で演算したり、又は、後述のように、配管容積判定運転の運転結果を用いて演算される。
Mr=kr1×Tlp+kr2×ΔT+kr3×SHr+kr4×Wr+kr5
という、過冷却器25の出口における冷媒の温度Tlp、室内温度Trから蒸発温度Teを差し引いた温度差ΔT、室内熱交換器42、52の出口における冷媒の過熱度SHr及び室内ファン43、53の風量Wrの関数式として表される。尚、上述の関係式におけるパラメータkr1〜kr5は、試験や詳細なシミュレーションの結果を回帰分析することによって求められたものであり、予め制御部8のメモリに記憶されている。尚、ここでは、2台の室内ユニット4、5のそれぞれに対応して冷媒量Mrの関係式が設定されており、室内ユニット4の冷媒量Mrと室内ユニット5の冷媒量Mrとを加算することにより、室内ユニット部Fの全冷媒量が演算されるようになっている。尚、室内ユニット4と室内ユニット5の機種や容量が異なる場合には、パラメータkr1〜kr5の値が異なる関係式が使用されることになる。
Mgp=Vgp×ρgp
という、ガス冷媒連絡配管7の容積Vgpにガス冷媒連絡配管部Hにおける冷媒の密度ρgpを乗じた関数式として表される。尚、ガス冷媒連絡配管7の容積Vgpは、液冷媒連絡配管6と同様に、ガス冷媒連絡配管7が空気調和装置1をビル等の設置場所に設置する際に現地にて施工される冷媒配管であるため、長さや管径等の情報から現地において演算した値を入力したり、長さや管径等の情報を現地において入力し、これらの入力されたガス冷媒連絡配管7の情報から制御部8で演算したり、又は、後述のように、配管容積判定運転の運転結果を用いて演算される。また、ガス冷媒配管連絡部Gにおける冷媒の密度ρgpは、圧縮機21の吸入側における冷媒の密度ρsと、室内熱交換器42、52の出口(すなわち、ガス冷媒連絡配管7の入口)における冷媒の密度ρeoとの平均値である。冷媒の密度ρsは、吸入圧力Ps及び吸入温度Tsを換算することによって得られ、冷媒の密度ρeoは、蒸発温度Teの換算値である蒸発圧力Pe及び室内熱交換器42、52の出口温度Teoを換算することによって得られる。
Mog2=Vog2×ρs
という、室外ユニット2内の低圧ガス管部Hの容積Vog2に低圧ガス管部Hにおける冷媒の密度ρsを乗じた関数式として表される。尚、低圧ガス管部Hの容積Vog2は、設置場所に出荷される前から既知の値であり、予め制御部8のメモリに記憶されている。
Mob=kob1×ρco+kob2×ρs+kob3×Pe+kob4
という、室外熱交換器23の出口における冷媒の密度ρco、過冷却器25のバイパス回路側の出口における冷媒の密度ρs及び蒸発圧力Peの関数式として表される。尚、上述の関係式におけるパラメータkob1〜kob3は、試験や詳細なシミュレーションの結果を回帰分析することによって求められたものであり、予め制御部8のメモリに記憶されている。また、バイパス回路部Iの容積Mobは、他の部分に比べて冷媒量が少ないこともあり、さらに簡易的な関係式によって演算されてもよい。例えば、
Mob=Vob×ρe×kob5
という、バイパス回路部Iの容積Vobに過冷却器25のバイパス回路側の部分における飽和液密度ρe及び補正係数kobを乗じた関数式として表される。尚、バイパス回路部Iの容積Vobは、室外ユニット2が設置場所に設置される前から既知の値であり、予め制御部8のメモリに記憶されている。また、過冷却器25のバイパス回路側の部分における飽和液密度ρeは、吸入圧力Ps又は蒸発温度Teを換算することによって得られる。
Mcomp=Mqo+Mq1+Mq2
という、圧縮機21の圧縮機ケーシング71内の高圧空間Q2のうち油溜まり部71dに溜まっている冷凍機油中に溶解する溶存冷媒量Mqo、圧縮機21の低圧空間Q1の部分における冷媒量Mq1及び圧縮機21の圧縮機ケーシング71内の高圧空間Q2の部分における冷媒量Mq2を加算した関数式として表される。
Mqo=φ/(1−φ)×Moil
として表される。この冷凍機油への冷媒の溶解度φは、油溜まり部71dに溜まっている冷凍機油の圧力及び温度の関数として表されるが、本実施形態においては、冷媒に対して弱相溶又は非相溶の冷凍機油を使用しており、冷媒の冷凍機油に対する溶解度φの圧力依存性が小さいため、冷凍機油の圧力としては、例えば、高圧空間Q2における冷媒の圧力(すなわち、吐出圧力Pd)を用いることができる。また、本実施形態における空気調和装置1が圧縮機21内部の油溜まり部71dに溜まった冷凍機油とこの冷凍機油に接する冷媒との温度差が大きくなるように構成されており、圧縮機21内部の油溜まり部71dに溜まった冷凍機油の温度分布が生じやすくなっているが、本実施形態においては、冷媒に対して弱相溶又は非相溶の冷凍機油を使用しており、冷媒の冷凍機油に対する溶解度φの温度依存性が小さいため、冷凍機油の温度としては、高圧空間Q2における冷媒の温度(すなわち、吐出温度Td)を用いることができる。そうすると、冷凍機油への冷媒の溶解度φは、油溜まり部71dが形成された高圧空間Q2における冷媒の圧力(すなわち、吐出圧力Pd)及び油溜まり部71dが形成された高圧空間Q2における冷媒の温度(すなわち、吐出温度Td)の関数(すなわち、φ=f2(Ps、Td))として表すことができる。このように、溶存冷媒量Mqoは、既知の冷凍機油の量Moil、吐出圧力Pd及び吐出温度Tdから演算することができるため、溶存冷媒量Mqoを演算するための特別なセンサ類を追加しなくても済むようになる。また、冷凍機油の量Moilは、冷媒とともに圧縮機21から吐出される冷凍機油の量によって変化するため、厳密にいえば、既知の量とはいえないが、冷媒の冷凍機油に対する溶解度φが小さいことから多少の冷凍機油の量Moilの変動があっても、この変動に対して考慮することなく、十分な精度で溶存冷媒量Mqoを容易に演算することができる。さらに、冷媒量の適否を判定する際に必要な判定精度が溶存冷媒量Mqoを無視することが可能な程度で十分な場合には、上述のような溶存冷媒量Mqoの演算自体が不要となり、冷媒量の演算がさらに容易になる。
Mq2=(Vcomp−Voil−Vq1)×ρd
という、圧縮機21の全容積Vcompから冷凍機油の容積Voil及び低圧空間Q1の容積Vq1を差し引き、これに高圧空間Q2における冷媒の密度としての冷媒の密度ρdを乗算することによって演算される。
Mq1=Vq1×ρs
という、低圧空間Q1の容積Vq1に低圧空間Q1における冷媒の密度としての冷媒の密度ρsを乗算することによって演算される。
上述のように、冷媒回路10内に冷媒の追加充填を開始すると、冷媒回路10内の冷媒量が徐々に増加する。ここで、冷媒連絡配管6、7の容積が未知である場合には、冷媒の追加充填後に冷媒回路10内に充填されるべき冷媒量を、冷媒回路10全体の冷媒量として規定することができない。しかし、室外ユニット2及び室内ユニット4、5だけに着目すれば(すなわち、冷媒連絡配管6、7を除く冷媒回路10)、試験や詳細なシミュレーションにより通常運転モードにおける最適な室外ユニット2の冷媒量を予め知ることができるため、この冷媒量を充填目標値Msとして予め制御部8のメモリに記憶しておき、上述の関係式を用いて冷媒自動充填運転における冷媒回路10内を流れる冷媒又は構成機器の運転状態量から演算される室外ユニット2の冷媒量Moと室内ユニット4、5の冷媒量Mrとを加算した冷媒量の値が、この充填目標値Msに到達するまで、冷媒の追加充填を行えばよいことになる。すなわち、ステップS13は、冷媒自動充填運転における室外ユニット2の冷媒量Moと室内ユニット4、5の冷媒量Mrとを加算した冷媒量の値が充填目標値Msに到達したかどうかを判定することで、冷媒の追加充填により冷媒回路10内に充填された冷媒量の適否を判定する処理である。
上述のステップS1の冷媒自動充填運転が完了したら、ステップS2の配管容積判定運転に移行する。配管容積判定運転では、制御部8によって、図7に示されるステップS21〜ステップS25の処理が行われる。ここで、図7は、配管容積判定運転のフローチャートである。
ステップS21では、上述の冷媒自動充填運転におけるステップS11の冷媒量判定運転と同様に、室内ユニット全数運転、凝縮圧力制御、液管温度制御、過熱度制御及び蒸発圧力制御を含む液冷媒連絡配管6用の配管容積判定運転を行う。ここで、液管温度制御における過冷却器25の主冷媒回路側の出口の冷媒の温度Tlpの液管温度目標値Tlpsを第1目標値Tlps1とし、この第1目標値Tlps1で冷媒量判定運転が安定した状態を第1状態とする(図8の破線を含む線で示された冷凍サイクルを参照)。尚、図8は、液冷媒連絡配管用の配管容積判定運転における空気調和装置1の冷凍サイクルを示すモリエル線図である。
ΔMlp=−(ΔMc+ΔMol1+ΔMol2+ΔMr+ΔMob)
という関数式から演算することができる。そして、このΔMlpの値を液冷媒連絡配管6内における第1及び第2状態間の冷媒の密度変化量Δρlpで除算することにより、液冷媒連絡配管6の容積Vlpを演算することができる。尚、冷媒増減量ΔMlpの演算結果にはほとんど影響しないが、上述の関数式において、冷媒量Mog1及び冷媒量Mog2が含まれていてもよい。
尚、ΔMc、ΔMol1、ΔMol2、ΔMr及びΔMobは、上述の冷媒回路10の各部分についての関係式を用いて、第1状態における冷媒量と第2状態における冷媒量とを演算し、さらに第2状態における冷媒量から第1状態の冷媒量を減算することによって得られ、また、密度変化量Δρlpは、第1状態における過冷却器25の出口における冷媒の密度と第2状態における過冷却器25の出口における冷媒の密度を演算し、さらに第2状態における冷媒の密度から第1状態における冷媒の密度を減算することによって得られる。
上述のステップS21及びステップS22が完了した後、ステップS23において、室内ユニット全数運転、凝縮圧力制御、液管温度制御、過熱度制御及び蒸発圧力制御を含むガス冷媒連絡配管7用の配管容積判定運転を行う。ここで、蒸発圧力制御における圧縮機21の吸入圧力Psの低圧目標値Pesを第1目標値Pes1とし、この第1目標値Pes1で冷媒量判定運転が安定した状態を第1状態とする(図9の破線を含む線で示された冷凍サイクルを参照)。尚、図9は、ガス冷媒連絡配管用の配管容積判定運転における空気調和装置1の冷凍サイクルを示すモリエル線図である。
ΔMgp=−(ΔMc+ΔMog2+ΔMr+ΔMob+ΔMcomp)
という関数式から演算することができる。そして、このΔMgpの値をガス冷媒連絡配管7内における第1及び第2状態間の冷媒の密度変化量Δρgpで除算することにより、ガス冷媒連絡配管7の容積Vgpを演算することができる。尚、冷媒増減量ΔMgpの演算結果にはほとんど影響しないが、上述の関数式において、冷媒量Mog1、冷媒量Mol1及び冷媒量Mol2が含まれていてもよい。
尚、ΔMc、ΔMog2、ΔMr、ΔMob及びΔMcompは、上述の冷媒回路10の各部分についての関係式を用いて、第1状態における冷媒量と第2状態における冷媒量とを演算し、さらに第2状態における冷媒量から第1状態の冷媒量を減算することによって得られ、また、密度変化量Δρgpは、第1状態における圧縮機21の吸入側における冷媒の密度ρsと室内熱交換器42、52の出口における冷媒の密度ρeoとの平均密度を演算し、第2状態における平均密度から第1状態における平均密度を減算することによって得られる。
上述のステップS21〜ステップS24が完了した後、ステップS25において、配管容積判定運転の結果が妥当なものであるかどうか、すなわち、配管容積演算手段によって演算された冷媒連絡配管6、7の容積Vlp、Vgpが妥当なものであるかどうかを判定する。
ここで、ε1及びε2は、室外ユニットと室内ユニットとの実現可能な組み合わせにおける配管容積比の最小値及び最大値に基づいて可変される値である。
上述のステップS2の配管容積判定運転が完了したら、ステップS3の初期冷媒量判定運転に移行する。初期冷媒量検知運転では、制御部8によって、図10に示されるステップS31及びステップS32の処理が行われる。ここで、図10は、初期冷媒量検知運転のフローチャートである。
ステップS31では、上述の冷媒自動充填運転のステップS11の冷媒量判定運転と同様に、室内ユニット全数運転、凝縮圧力制御、液管温度制御、過熱度制御及び蒸発圧力制御を含む冷媒量判定運転が行われる。
次に、上述の冷媒量判定運転を行いつつ冷媒量演算手段として機能する制御部8によって、ステップS32における初期冷媒量判定運転における冷媒回路10を流れる冷媒又は構成機器の運転状態量から冷媒回路10内の冷媒量を演算する。冷媒回路10内の冷媒量の演算は、上述の冷媒回路10の各部分の冷媒量と冷媒回路10を流れる冷媒又は構成機器の運転状態量との関係式を用いて演算されるが、この際、上述の配管容積判定運転によって、空気調和装置1の構成機器の設置後において未知であった冷媒連絡配管6、7の容積Vlp、Vgpが演算されて既知となっているため、これらの冷媒連絡配管6、7の容積Vlp、Vgpに冷媒の密度を乗算することによって、冷媒連絡配管6、7内の冷媒量Mlp、Mgpを演算し、さらに他の各部分の冷媒量を加算することにより、冷媒回路10全体の初期冷媒量を検知することができる。この初期冷媒量は、後述の冷媒漏洩検知運転において、冷媒回路10からの漏洩の有無を判定する基準となる冷媒回路10全体の基準冷媒量Miとして使用されるため、運転状態量の1つとして、状態量蓄積手段としての制御部8のメモリに記憶される。
次に、冷媒漏洩検知運転モードについて、図1、図3、図6及び図11を用いて説明する。ここで、図11は、冷媒漏洩検知運転モードのフローチャートである。
まず、上記の冷房運転や暖房運転のような通常運転モードにおける運転が一定時間(例えば、半年〜1年ごと等)経過した場合に、自動又は手動で通常運転モードから冷媒漏洩検知運転モードに切り換えて、初期冷媒量検知運転の冷媒量判定運転と同様に、室内ユニット全数運転、凝縮圧力制御、液管温度制御、過熱度制御及び蒸発圧力制御を含む冷媒量判定運転を行なう。
次に、上述の冷媒量判定運転を行いつつ冷媒量演算手段として機能する制御部8によって、ステップS42における冷媒漏洩検知運転における冷媒回路10を流れる冷媒又は構成機器の運転状態量から冷媒回路10内の冷媒量を演算する。冷媒回路10内の冷媒量の演算は、上述の冷媒回路10の各部分の冷媒量と冷媒回路10を流れる冷媒又は構成機器の運転状態量との関係式を用いて演算されるが、この際、初期冷媒量判定運転と同様に、上述の配管容積判定運転によって、空気調和装置1の構成機器の設置後において未知であった冷媒連絡配管6、7の容積Vlp、Vgpが演算されて既知となっているため、これらの冷媒連絡配管6、7の容積Vlp、Vgpに冷媒の密度を乗算することによって、冷媒連絡配管6、7内の冷媒量Mlp、Mgpを演算し、さらに他の各部分の冷媒量を加算することにより、冷媒回路10全体の冷媒量Mを演算することができる。
冷媒回路10から冷媒が外部に漏洩すると、冷媒回路10内の冷媒量が減少する。そして、上述のステップS42において演算された冷媒回路10全体の冷媒量Mは、冷媒回路10からの冷媒漏洩が生じている場合には、初期冷媒量検知運転において検知された基準冷媒量Miよりも小さくなり、冷媒回路10からの冷媒漏洩が生じていない場合には、基準冷媒量Miとほぼ同じ値になる。
本実施形態の空気調和装置1には、以下のような特徴がある。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
10 冷媒回路
21 圧縮機
23 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
38 室外膨張弁(膨張機構)
41、51 室内膨張弁(膨張機構)
42、52 室内熱交換器(利用側熱交換器)
Claims (6)
- 圧縮機(21)と熱源側熱交換器(23)と膨張機構(38、41、51)と利用側熱交換器(42、52)とが接続されることによって構成される冷媒回路(10)と、
前記冷媒回路を流れる冷媒又は構成機器の運転状態量に基づいて、前記冷媒回路内の冷媒量の適否を判定する冷媒量判定手段とを備え、
前記冷媒回路内には、冷媒とともに前記冷媒に対して弱相溶又は非相溶性の冷凍機油が封入されている、
空気調和装置(1)。 - 前記冷媒としてHFC系冷媒を使用し、前記冷凍機油としてアルキルベンゼン系油又は鉱油を使用している、請求項1に記載の空気調和装置(1)。
- 前記冷媒としてR410Aを使用している、請求項2に記載の空気調和装置(1)。
- 前記冷媒としてR407Cを使用している、請求項2に記載の空気調和装置(1)。
- 前記冷媒としてR134aを使用している、請求項2に記載の空気調和装置(1)。
- 前記冷媒回路(10)を流れる冷媒又は構成機器の運転状態量に基づいて、前記圧縮機(21)内部の冷凍機油に溶解する冷媒量である溶存冷媒量を含む前記冷媒回路内の冷媒量を演算する冷媒量演算手段をさらに備え、
前記冷媒量判定手段は、前記冷媒量演算手段によって演算される冷媒量に基づいて、前記冷媒回路内の冷媒量の適否を判定する、
請求項1〜5のいずれかに記載の空気調和装置(1)。
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