JP2002266718A - 蓄圧式分配型燃料噴射ポンプ - Google Patents

蓄圧式分配型燃料噴射ポンプ

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JP2002266718A
JP2002266718A JP2001067514A JP2001067514A JP2002266718A JP 2002266718 A JP2002266718 A JP 2002266718A JP 2001067514 A JP2001067514 A JP 2001067514A JP 2001067514 A JP2001067514 A JP 2001067514A JP 2002266718 A JP2002266718 A JP 2002266718A
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injection
fuel
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pressure
injection control
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JP2001067514A
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Kenji Shingu
健次 新宮
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Yanmar Co Ltd
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Yanmar Diesel Engine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料噴射制御弁の多段噴射(パイロット、メ
イン、ポスト噴射等)と、その噴射率・噴射時期の高精
度化と、耐久性の向上、並びにフェールセーフ機能が求
められている。 【解決手段】 蓄圧室に蓄圧した高圧燃料を、分配手段
により各気筒へ分配して供給する蓄圧式分配型燃料噴射
ポンプにおいて、パイロット噴射PI・メイン噴射MA
・ポスト噴射POを、それぞれ2つの噴射制御弁仕組2
2・122で噴射を制御するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄圧室に蓄圧した
高圧燃料を、分配手段により各気筒に分配して供給する
電子制御方式の蓄圧式分配型燃料噴射ポンプの構成に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、蓄圧式分配型燃料噴射ポンプにお
ける燃料噴射の制御(パイロット噴射・メイン噴射・ポ
スト噴射)は、1ブロックの蓄圧室と1つの噴射制御弁
仕組とにより行う構成となっている。このような蓄圧式
分配型燃料噴射ポンプの特徴としては、第一に、回転速
度とは無関係に噴射時期、噴射量、とその噴射率(多段
噴射)を自由に電子制御できることである。第二に、超
高圧噴射が可能なことである。したがって、蓄圧室の圧
力は常時高圧を維持し、噴射制御弁仕組で噴射時に燃焼
に最適な噴射率となる制御が要求される。
【0003】そして、エンジン始動時や低速アイドリン
グ時においては、蓄圧式分配型燃料噴射ポンプにより、
パイロット噴射を行うことが、始動性と低騒音化に有効
である。また、負荷運転時の排ガス(NOx)低減につ
いては、燃焼噴射サイクルの1サイクルを、(1)少量
のパイロット噴射、(2)多量のメイン噴射が有効であ
る。さらに、(3)少量のポスト噴射を行うことで排気
ガスの後処理用触媒、あるいはDPF(Diesel
Particulate Filter)などの再生が
図られるのである。
【0004】そして、従来は、以上の燃焼噴射サイクル
の1サイクルを、1つの噴射制御弁仕組で行っていた。
具体的には、4気筒エンジンの一つの気筒の噴射ノズル
における噴射の1サイクルを例にとると、図11に示す
ように、1つの噴射制御弁仕組が、パイロット噴射PI
・メイン噴射MA・ポスト噴射POの毎に高速作動し、
噴射時期、噴射量とその噴射率(多段噴射)の制御を担
っていた。
【0005】以上のような、パイロット噴射PI・メイ
ン噴射MA・ポスト噴射POを正確に行うためには、高
速・高精度な作動が噴射制御弁仕組には要求される。特
に、小型高速のエンジンについては、各気筒の噴射ノズ
ルに燃料を正確に圧送する必要があるため、噴射制御弁
仕組にはより高速・高精度な作動が必要とされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の蓄圧式
分配型燃料噴射ポンプでは、1つの噴射制御弁仕組を備
える構成としていたので、該噴射制御弁仕組が、高速な
作動の要請に、休むことなく応答しなければならなかっ
た。そして、繰り返される高速の作動により消耗が早く
進行し、噴射の精度が悪くなり、エンジン出力の劣化に
つながってしまうという問題点があった。これは、エン
ジンの回転速度が高く、気筒数が増える程、顕著に現れ
てしまうことである。
【0007】また、噴射制御弁仕組が1つであるため、
故障した際には代わりとなるものがなく、エンジンの運
転をすることが出来なくなってしまう。
【0008】本発明は、以上の問題点に鑑み、1つの噴
射制御弁仕組で構成していたことによる問題点を解決す
る噴射制御弁仕組を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するため
の手段を説明する。即ち、請求項1においては、蓄圧室
に蓄圧した高圧燃料を、分配手段により各気筒へ分配し
て供給する蓄圧式分配型燃料噴射ポンプにおいて、パイ
ロット噴射・メイン噴射・ポスト噴射を、それぞれ2つ
の噴射制御弁仕組で制御するように構成したことであ
る。
【0010】請求項2においては、前記噴射制御弁仕組
等の噴射制御機能部材、及び分配手段部材である分配軸
等を、一つのハイドロリックベース内に配設し、前記噴
射制御弁仕組は、カム軸に対して垂直方向にかつ隣接し
て配設したことである。
【0011】請求項3においては、前記2つの噴射制御
弁仕組の燃料噴射の制御パターンは、パイロット噴射・
メイン噴射・ポスト噴射の頻度に応じて切換え可能とし
たことである。
【0012】請求項4においては、前記2つの噴射制御
弁仕組において、該噴射制御弁仕組の故障診断を行い、
1つの噴射制御弁仕組が故障の際は、他方の噴射制御弁
仕組にて運転を継続可能とする制御システムとしたこと
である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例である蓄圧式分
配型燃料噴射ポンプ1について、図を用いて説明する。
図1は蓄圧式分配型燃料噴射ポンプのシステム図、図2
は同じく正面断面図、図3は同じく側面断面図、図4は
同じく平面一部断面図、図5は同じく油路を示す平面一
部断面図、図6は2つの噴射制御弁仕組を交互に作動さ
せる制御の形態を示す図、図7は2つの噴射制御弁仕組
で低噴射率・高噴射率を分担させる制御の形態を示す
図、図8は1つの噴射制御弁仕組を低噴射率専用とした
構成した場合の制御の形態を示す図、図9は同じく本制
御での蓄圧式分配型燃料噴射ポンプのシステム図、図1
0は本発明の蓄圧式分配型燃料噴射ポンプを搭載したエ
ンジンシステムを示す図、図11は従来の噴射制御弁仕
組による噴射制御を示した図である。
【0014】まず、蓄圧式分配型燃料噴射ポンプ1内の
各装置を、燃料(軽油)の流れる経路に沿って説明す
る。燃料タンク2内の燃料は、圧送部103、蓄圧部1
04、噴射制御部105、分配部106を順に通過し
て、噴射ノズル29へと送られる。以下、図1及び図1
0を用いて各部の構成について順に説明する。
【0015】圧送部103は、プランジャユニット1
7、圧力制御弁27等から構成される。燃料タンク2内
に溜められている燃料は、フィードポンプ6により燃料
ギャラリ13を介して圧力制御弁27へ向けて圧送され
る。燃料ギャラリ13には調圧弁40が設けられてお
り、燃料ギャラリ13での燃料の圧力が一定に保たれる
ようにしている。また、燃料ギャラリ13と圧力制御弁
27との間にはアキュムレータ41が設けられており、
フィードポンプ6による燃料の脈動等を抑制して、回路
圧を安定させるようにしている。
【0016】圧力制御弁27はソレノイドを備えた電磁
弁に構成され、電子制御装置20と接続されている。そ
して該電子制御装置20による制御により、圧力制御弁
27はオン・オフ状態が切換えられる。また、圧力制御
弁27のアウトポート側には、プランジャユニット17
が設けられている。該プランジャユニット17には、圧
送プランジャ7、プランジャバレル8、スプリング16
等が備えられており、圧送プランジャ7はプランジャバ
レル8に上下摺動可能に挿通されると共に、スプリング
16により下方に付勢されている。また、圧送プランジ
ャ7の上方で、該圧送プランジャ7とプランジャバレル
8との間にプランジャ室7aが形成されている。そし
て、圧力制御弁27がオン状態のときには、燃料ギャラ
リ13とプランジャ室7aとが分断し、圧力制御弁27
がオフ状態のときには、燃料ギャラリ13とプランジャ
室7aとが連通されるようにしている。
【0017】圧送プランジャ7は、カム軸4に形成され
るカム5により、タペット11を介して上下摺動駆動さ
れ、プランジャ室7a内に供給された燃料を圧縮するよ
うにしている。また、図10に示すごとく、カム軸4に
は、一体的に回転する気筒判別用パルサ61が設けられ
ており、該気筒判別用パルサ61により気筒を判別する
ための気筒判別用センサ62が接続されている。気筒判
別用センサ62は電子制御装置20に接続されており、
検出値が電子制御装置20へ伝達されるようにしてい
る。
【0018】図1に示すごとく、プランジャバレル8に
は、ポート8aが形成されている。そして、ポート8a
から、プランジャ室7aにおいて圧縮された燃料が圧出
される。ポート8aから圧出された燃料は、逆止弁28
を介して、プランジャ室7aから蓄圧室31へ圧送され
る構成とし、一旦蓄圧室31に圧送された燃料が、プラ
ンジャ室7aへ逆流しないようにしている。以上のよう
にして、プランジャユニット17から、燃料が蓄圧室3
1へ供給され、該蓄圧室31にて適宜蓄圧されるように
構成している。
【0019】蓄圧部104は、蓄圧室31、圧力センサ
30、及び安全弁24等から構成されている。蓄圧室3
1には、圧力センサ30が設けられており、蓄圧室31
内の燃料の圧力が検出(センシング)されるようにして
いる。そして、圧力センサ30は電子制御装置20と接
続されており、検出値が電子制御装置20へ伝達される
ようにしている。また、蓄圧室31には、安全弁24が
設けられており、蓄圧室内の圧力が一定圧以上となった
場合には、圧力をドレン回路100へ逃すようにしてい
る。なお、ドレン回路100は燃料タンク2と接続され
ており、安全弁24等より排出された余剰の燃料が、再
び燃料タンク2へ戻るようにしている。
【0020】噴射制御部105は、噴射制御弁26・1
26、該噴射制御弁26・126の開閉の制御を行うパ
イロットバルブ25・125等により構成されている。
そして、該噴射制御弁26・126とパイロットバルブ
25・125とから、噴射制御弁仕組22・122を構
成する。即ち、2つの噴射制御弁仕組22・122が、
噴射制御部105内に構成されているのである。そし
て、各噴射制御弁仕組22・122は、それぞれ蓄圧室
31と接続されている。
【0021】次に、噴射制御弁仕組22・122の構成
について説明する。尚、2つの噴射制御弁仕組22・1
22は、同様の構成とするものである。また、噴射制御
弁26・126及びパイロットバルブ25・125に構
成される各部位名・符号については、共通のものを使用
するものとし、説明の便宜のため、噴射制御弁仕組22
を例にとって説明する。噴射制御弁26は、燃料導入口
26a、燃料導出口26b、ドレンポート26c、パイ
ロットポート26dのポートを備えており、内部にはピ
ストン36dおよび上部バルブ36c、下部バルブ36
aとが摺動自在に備えられている。また、下部バルブ3
6aは、スプリング36bにより燃料導入口26a側に
付勢されている。そして、下部バルブ36aが燃料導入
口26aを塞ぐように構成されている。
【0022】蓄圧室31の燃料送り下流側には、噴射制
御弁26とパイロットバルブ25とが設けられている。
そして、蓄圧室31と噴射制御弁26とが、燃料導入口
26aを通過する主通路32aを介して、連通可能に接
続されている。主通路32aにはバイパス路33が形成
されている。そして、該バイパス路33を、パイロット
ポート26dに接続することで、蓄圧室31と、噴射制
御弁26とを、連通可能に接続をしている。また、バイ
パス路33上には、絞り33aが設けられており、主通
路32a(32b)よりバイパス路33を通過する燃料
のほうが少量となるようにしている。
【0023】噴射制御弁26は、接続路34を介して、
パイロットバルブ25と連通可能に接続されている。該
接続路34には、バイパス路33が接続されている。ま
た、パイロットバルブ25は、アウトポート25b側か
ら調圧弁46を介して、前記ドレン回路100に接続さ
れている。
【0024】パイロットバルブ25はソレノイドを備え
た電磁弁に構成され、電子制御装置20と接続されてい
る。そして該電子制御装置20による制御により、パイ
ロットバルブ25はオン・オフ状態が切換えられる。
【0025】パイロットバルブ25がオン状態のときに
は、弁体25aが開弁し、パイロットポート26dとア
ウトポート25bとが連通する。そして、接続路34か
らバイパス路33の燃料が絞り33aを通過し、パイロ
ットバルブ25を介して、ドレン回路100へ逃される
ようにしている。このとき、バイパス路33に設けた絞
り33aの影響で、接続路34の油圧が主通路32に比
べて低下する。それにより、噴射制御弁26の下部バル
ブ36aが開弁し、更に上部へ移動するのに伴い上部バ
ルブ36cがシートに着座し、ドレンポート26cへの
燃料流出が止まり、燃料が燃料導入口26aから燃料導
出口26bより出るようになる。燃料導出口26bを出
た燃料は、逆止弁47を介して分配軸9へ供給される。
また、パイロットバルブ25がオフ状態のときには、弁
体25aがパイロットバルブ25に内蔵のスプリング2
5cの付勢力によりシートに着座し、接続路34とドレ
ン回路100とが分断される。このとき、油圧は、接続
路34側のピストン36d室と燃料導出口26b室とが
同じ圧力となる。このため、ピストン36dは燃料導入
口26a側に付勢されて移動し、噴射制御弁26内部の
上部バルブ36cと下部バルブ36aもピストン36d
に押されて移動して、上部バルブ36cが開弁しドレン
回路100と連通する。そして、分配軸9側への燃料供
給が停止される。さらに、ピストン36dが燃料導入口
26a側に移動すると、下部バルブ36aがシートに着
座してドレン回路100への燃料流出が止まる。
【0026】前記分配部106は、分配軸9等により構
成されている。該分配軸9は、エンジンの各気筒へ燃料
を分配して供給する分配手段である。噴射制御弁26・
126により、それぞれ決められたタイミングと噴射率
で、各気筒の噴射ノズル29より燃料が噴射されるよう
に、燃料は逆止弁47・47を介して分配軸9に供給さ
れる。そして分配軸9より、各気筒毎に設けられる噴射
ノズル29・29・・・へ、吐出弁18・18・・・を
介して分配して供給される。そして各気筒内において、
噴射ノズル29より燃料が噴射されることになる。
【0027】以下に、2つの噴射制御弁仕組を作動させ
てのパイロット噴射・メイン噴射・ポスト噴射の制御の
実施例を、4気筒エンジンで使用される燃料噴射ポンプ
1を例にとって説明する。尚、図6乃至図8において
は、各気筒に備える噴射ノズル29a・29b・29c
・29dにおけるカム5の回転角度に対応する噴射量状
態を示すものである。
【0028】(1)2つの噴射制御弁仕組を交互に作動
させる制御 本制御の実施例においては、電子制御装置20により、
図6に示すごとく、2つの噴射制御弁仕組22・122
を交互に作動させて、噴射の1サイクルであるパイロッ
ト噴射PI・メイン噴射MA・ポスト噴射POを行う。
具体的には、噴射ノズル29aにおける噴射の1サイク
ルを、噴射制御弁仕組22によるパイロット噴射PI→
噴射制御弁仕組122によるメイン噴射MA→噴射制御
弁仕組22によるポスト噴射PO、とする。そして、こ
の次の噴射ノズル29bにおける噴射の1サイクルを、
噴射制御弁仕組122によるパイロット噴射PI→噴射
制御弁仕組22によるメイン噴射MA→噴射制御弁仕組
122によるポスト噴射PO、とする。また、噴射ノズ
ル29c及び噴射ノズル29dにおいても同様である。
以上の繰り返しにより、2つの噴射制御弁仕組22・1
22は、同回数のパイロット噴射PI・メイン噴射MA
・ポスト噴射POを行うことになる。
【0029】このようにして、従来は1つの噴射制御弁
仕組で負担していたパイロット噴射・メイン噴射・ポス
ト噴射を、2つの噴射制御弁仕組22・122で分担し
て行うことにより、各噴射制御弁仕組22・122の作
動回数が半減する。該作動回数の半減により、噴射制御
弁仕組22・122のメンテナンスの間隔を長くするこ
とが可能となる。理論的には、従来のメンテナンスの間
隔を二倍にすることが可能となる。また、作動回数の低
減により、故障発生の頻度を少なくすることができ、高
精度の安定した燃料噴射が長期間に渡って可能となる。
【0030】(2)2つの噴射制御弁仕組で低噴射率・
高噴射率を分担させる制御 本制御の実施例においては、図7に示すごとく、電子制
御装置20により、2つの噴射制御弁仕組22・122
に、低噴射率であるパイロット噴射PI・ポスト噴射P
Oと、高噴射率であるメイン噴射MAとに分担させて行
う。具体的には、噴射ノズル29a(29b・29c・
29d)における噴射の1サイクルを、噴射制御弁仕組
22によるパイロット噴射PI→噴射制御弁仕組122
によるメイン噴射MA→噴射制御弁仕組22によるポス
ト噴射PO、とする。このように、2つの噴射制御弁仕
組22・122は、低噴射率と高噴射率を分担して行
う。
【0031】このようにして、従来は1つの噴射制御弁
仕組で負担していたパイロット噴射・メイン噴射・ポス
ト噴射を、パイロット噴射・メイン噴射・ポスト噴射の
頻度に応じて切換え、2つの噴射制御弁仕組22・12
2で分担して行うことにより、各噴射制御弁仕組22・
122の負担が軽減される。該作動回数の低減により、
噴射制御弁仕組22・122のメンテナンスの間隔を長
くすることが可能となる。また、作動回数の低減によ
り、故障発生の頻度を少なくすることが出来ることか
ら、高精度の安定した燃料噴射が長期間に渡って可能と
なる。
【0032】尚、低噴射率を担う噴射制御弁仕組22に
は、高噴射率を担う噴射制御弁仕組122と比較して、
より高速な応答が必要とされる。この理由は、低噴射率
においては、パイロットバルブ25の開弁時間を短くし
て、分配軸9への燃料圧送を少なくする必要があるから
である。このことから、低噴射率を行う噴射制御弁仕組
22には、より高速な応答が強いられることとなり、パ
イロットバルブ25を高速動作させなければならないと
いう負担がかかることとなる。そこで、以上のような低
噴射率・高噴射率を分担させる制御を行う場合は、電子
制御装置20により、各噴射制御弁仕組22・122の
噴射の累積回数をカウントし、両噴射制御弁仕組22・
122の負担が均一となる(平準化する)ように、図7
に示すごとく、一定期間毎に、噴射制御弁仕組22・1
22の低噴射率・高噴射率の分担を切換える(図7に示
す「切換え制御C」)ことが望ましい。
【0033】(3)1つの噴射制御弁仕組を低噴射率専
用とした構成した場合の制御 本制御を適用する蓄圧式分配型燃料噴射ポンプ1には、
図9に示すごとく、噴射制御弁仕組22へ燃料を供給す
る主通路32aに、絞り弁38を備えることにより、噴
射制御弁仕組22への燃料の供給量を減少させる。こう
して、噴射制御弁26内の燃料の圧力を減少させ、噴射
制御弁仕組22からの燃料圧送量のコントロールを行い
易くし、より高精度な燃料の供給を行うのである。これ
は、圧力が低ければ、パイロットバルブ25の弁体25
aの作動に要する時間に余裕を持たせることが出来るか
らである。そして、図8に示すごとく、該噴射制御弁仕
組22から分配軸9への燃料の圧送を少量とすること
で、噴射ノズル29a(29b・29c・29d)にて
低圧噴射であるパイロット噴射PI・ポスト噴射POを
行わせるのである。他方の噴射制御弁仕組122へ燃料
を供給する主通路32bには、絞り弁を備えることな
く、蓄圧室31と噴射制御弁仕組122を直接に連通さ
せ、噴射ノズル29a(29b・29c・29d)にて
高圧噴射であるメイン噴射MAを行わせるのである。
【0034】こうして、2つの噴射制御弁仕組22・1
22の内、1つの噴射制御弁仕組22を、低圧燃料を圧
送させる構成とする。即ち、低噴射率専用とすることに
より、絞り弁38を備えない場合と比較して、さらに高
精度の噴射量・噴射圧噴射時間・噴射期間等の制御が可
能となる。たとえば、該制御においては、パイロット噴
射・ポスト噴射が高精度に行われるため、より高いレベ
ルでの騒音の低減、排気ガス中のNOxの低減及びDP
F等の再生が可能となるのである。
【0035】(4)フェールセーフ機能を持たせた制御 本制御は、2つの噴射制御弁仕組22・122の内、一
方が故障した場合に、故障していない側の噴射制御弁仕
組22・122のみで、燃料噴射をさせる制御(制御シ
ステム)である。即ち、2仕組に構成しているので、一
方が故障した場合でも、正常時とは同等ではないが、機
械の最低限の動作性能が確保されるといった、フェール
セーフ機能を持たせることが可能となる。例えば、電子
制御装置20により噴射制御弁仕組22・122の故障
を診断し、噴射制御弁仕組22が故障したと診断した際
には、正常に機能する側の噴射制御弁仕組122に、燃
料噴射を行わせるのである。こうして、2つのうちの1
つが故障した場合においても、他方が該故障を補って、
噴射ノズル29a・29b・29c・29dでの燃料噴
射が可能となる。
【0036】次に、上述した回路・部材を適用する蓄圧
式分配型燃料噴射ポンプ1の各構成部材の配置・構造に
ついて、図2乃至図5を用いて説明する。尚、以下の説
明において、噴射制御系機能部材とは、圧力制御弁2
7、噴射制御弁仕組22・122等をいうものとする。
蓄圧式分配型燃料噴射ポンプ1の下部には、カム5が固
設されるカム軸4が横設され、該カム軸4の一端部は、
カム軸受12を介してカム軸ハウジングHに回転自在に
軸支されている。カム軸ハウジングHの上方には、圧送
プランジャ7、蓄圧室31・31、分配軸9等の各構成
部材のハウジングである、ブロック状部材のハイドロリ
ックベースHbが設けられている。
【0037】カム5の上方には、カム軸4の軸方向と略
直交する方向にプランジャユニット17が配設されてい
る。プランジャユニット17の圧送プランジャ7は、ハ
イドロリックベースHbに嵌め込んで設けられるプラン
ジャバレル8に、上下摺動自在に嵌め込まれている。該
圧送プランジャ7の下端にはタペット11が付設されて
いる。圧送プランジャ7及びタペット11はスプリング
16等の付勢手段により下方へ付勢され、該タペット1
1がカム5に当接しており、該カム5の回転により圧送
プランジャ7が上下往復動するように構成している。
【0038】また、圧送プランジャ7の上端部には、該
圧送プランジャ7による燃料圧送の制御用電磁弁である
前記圧力制御弁27が配設されている。該圧力制御弁2
7は、弁体27aがカム軸4の軸方向と略直交する方
向、即ち上下方向に摺動するように配置されている。こ
のように、圧送プランジャ7の上端部に前記圧力制御弁
27を設置することで、蓄圧式分配型燃料噴射ポンプ1
のカム軸4の軸方向の寸法を小さくすることができ、蓄
圧式分配型燃料噴射ポンプ1を全体的に小型化すること
が可能となっている。なお、圧力制御弁27を、弁体2
7aがカム軸4の軸方向と略直交する方向に摺動するよ
うに配置することで、高速作動や多数回の作動によって
も摺動部に偏摩耗が発生することを防止でき、耐久性・
信頼性の向上を図ることができる。
【0039】また、圧送プランジャ7の側方には、分配
軸9が該圧送プランジャ7と軸心を平行に配設されてい
る。該分配軸9は、分配軸スリーブ10に回転自在に嵌
め込まれており、該分配軸スリーブ10はハイドロリッ
クベースHbに嵌め込んで設けられている。そして分配
軸9は、該分配軸9の下端部に連結した分配駆動軸39
により回転駆動される。分配駆動軸39及び分配軸9
は、カム軸4の軸方向と略直交する方向に配置されてお
り、分配駆動軸39とカム軸4とを傘歯車19により接
続している。これにより、分配軸9を傘歯車19を介し
てカム軸4により回転駆動可能としている。このような
配置・構成とすることで、カム軸4により駆動される圧
送プランジャ7等のプランジャユニット17から、分配
軸9を通じて吐出弁18へ至るまでの燃料通路(後述の
油路r7・r8等)を短縮化して、該燃料通路内の燃料
容積を減少することができ、パイロットバルブ25や圧
力制御弁27等の電磁弁による、微量のパイロット噴射
やポスト噴射、及び初期噴射率制御等の噴射率制御、並
びに噴射時期制御等といった、噴射の高性能で且つ高精
度化を図ることが可能となる。なお、ハイドロリックベ
ースHbにおける分配軸9の周囲には、気筒数分の吐出
弁18が嵌め込んで設けられている。また、カム軸4と
分配軸9とは、直交方向に配置されていなくても、ある
程度の角度をもって配置されていれば、前述の効果を奏
することが可能である。
【0040】分配軸9の反圧送プランジャ7側の側方部
分には、前記2つの噴射制御弁仕組22・122がそれ
ぞれ、ハイドロリックベースHbに嵌め込んで設けられ
ている。噴射制御弁仕組22・122は、カム軸4の軸
方向と略直交する方向に配置されており、噴射制御弁仕
組22・122同士は隣接して配置されている。噴射制
御弁仕組22は、下部に噴射制御弁26が配置され、上
部にパイロットバルブ25が配置されている。そして、
噴射制御弁26のピストン36dおよび下部バルブ36
aが上下に摺動するようにしている。また、パイロット
バルブ25の弁体25aが、上下方向に摺動するように
している。
【0041】このように、噴射制御弁26(噴射制御弁
126)の上端部にパイロットバルブ25(パイロット
バルブ125)を配置して噴射制御弁仕組22(噴射制
御弁仕組122)を構成し、噴射制御弁仕組22・12
2同士を隣接して配置することで、蓄圧式分配型燃料噴
射ポンプ1内の回路の無駄容積を減少させることができ
る。このため、燃料の通過する経路が短縮され、燃料の
粘性による圧力低下等の影響を小さくすることができ、
燃料噴射の制御精度を向上させることができる。
【0042】また、噴射制御弁26(126)及びパイ
ロットバルブ25(125)は、前述の圧力制御弁27
と同様に、内部のピストン36d、下部バルブ36a、
弁体25a等が上下に摺動するように構成されているの
で、高速作動や多数回の作動によっても摺動部に偏摩耗
が発生することを防止して、耐久性・信頼性の向上を図
ることができる。
【0043】また、蓄圧式分配型燃料噴射ポンプ1の制
御系機能部材である、前記圧送プランジャ7、分配軸
9、及び噴射制御弁26は、カム軸4の軸方向に、ハイ
ドロリックベースHbの一端部側から圧送プランジャ
7、分配軸9、及び噴射制御弁26の順に、直列配置さ
れている。そして、蓄圧室31内の圧力を検出する圧力
センサ30は、ハイドロリックベースHbの一側面に取
り付けられている。また、圧送プランジャ7、分配軸
9、及び噴射制御弁26は、完全な直列配置とされてい
なくてもよい。例えば圧送プランジャ7、分配軸9、及
び噴射制御弁26の何れか一つが直列位置からずれてい
たとしても、それらの機能部材が略直列状態で配置され
ていればよい。
【0044】また、ハイドロリックベースHbには、カ
ム軸4の長手方向(軸方向)と略平行に、軸方向に長い
穴が穿設され、蓄圧室31・31を構成している。ま
た、これらの蓄圧室は、前記噴射制御弁仕組22・12
2の両側に配置されている。これらの蓄圧室は、1又は
複数構成され、互いにハイドロリックベースHbに形成
される油路によって連通されている。これらの蓄圧室を
構成するハイドロリックベースHbの穴の一端部は外部
に開口しており、この開口部は、プラグ35又は前記安
全弁24により閉塞されている。例えば、複数の蓄圧室
31・31・・・の内、一つの蓄圧室を構成する穴の開
口部は安全弁24により閉塞し、残りの蓄圧室を構成す
る穴の開口部は、1又は複数のプラグ35により閉塞し
ている。これら複数の蓄圧室は、互いに並列配置され、
前記圧送プランジャ7、分配軸9、及び噴射制御弁26
等の制御系機能部材の近傍に配置されている。
【0045】また、ハイドロリックベースHbには、カ
ム軸4の軸方向と略平行に、軸方向に長い穴が穿設さ
れ、蓄圧室31を構成している。該蓄圧室31は、1又
は複数構成され、互いにハイドロリックベースHbに形
成される油路によって連通されている。蓄圧室31を構
成するハイドロリックベースHbの穴の一端部は外部に
開口しており、この開口部は、プラグ35又は前記安全
弁24により閉塞されている。例えば、複数の蓄圧室3
1の内、一つの蓄圧室31を構成する穴の開口部を安全
弁24により閉塞し、他の蓄圧室31を構成する穴の開
口部をプラグ35により閉塞している。該複数の蓄圧室
31は、互いに並列配置され、前記圧送プランジャ7、
分配軸9、及び噴射制御弁仕組22・122等の制御系
機能部材の近傍に配置されている。
【0046】このように、複数の蓄圧室31を併設する
とともに、制御系機能部材の近傍に配置することで、該
蓄圧室31とプランジャ室7aとの間を連結する油路
(後述の油路r3・r4)を短く形成することができ、
燃料通路の無駄な容積を減少することができて、燃料圧
送時間の短縮化及び馬力ロスの減少を図ることが可能と
なっている。尚、蓄圧室31は、カム軸4の軸方向に対
して略直交方向に配置することも可能であり、また、直
線状に形成するだけでなく途中部で屈曲させてもよい。
また、平行配置される複数の蓄圧室31は、完全な平行
状態に配置されていなくても、ある一方向からみて平行
であればよく、他の方向からみた場合には、互いにある
程度角度をもって配置されていればよい。さらに、ある
一方向からみた場合の平行状態も、完全な平行でなくて
も略平行であればよい。
【0047】前記カム軸ハウジングHの一端面には、カ
ム軸4の回転により駆動され燃料を圧送するためのフィ
ードポンプ6が付設されている。該フィードポンプ6
は、本実施例ではトロコイドポンプである。フィードポ
ンプ6により燃料タンク2に貯溜される燃料が、カム軸
ハウジングHに穿設形成される油路r1及びハイドロリ
ックベースHbに穿設形成される油路r2を通じて、燃
料供給室27bからプランジャ室7aへ圧送される。即
ち、フィードポンプ6の吐出口6aから燃料供給室27
bに至り、さらに圧力制御弁27の弁体27aを結ぶプ
ランジャユニット17のプランジャ室7aまでが、油路
r1及び油路r2により連通されている。そして、プラ
ンジャ室7aへ圧送された燃料は、油路r3を通じて逆
止弁28へ導入され、該逆止弁28から油路r4を通じ
てそれぞれ、蓄圧室31へ導出される。
【0048】このように、フィードポンプ6をカム軸ハ
ウジングHの一端面に装着して、カム軸4により駆動可
能とすることで、フィードポンプ6を駆動するための駆
動軸を別個に設ける必要がなくなり、部品点数を削減し
て、構造の簡易化及び低コスト化を図ることができ、蓄
圧式分配型燃料噴射ポンプ1を全体的に小型化すること
もできる。また、フィードポンプ6の吐出口6aからプ
ランジャユニット17のプランジャ室7aまでを、油路
r1及び油路r2により連通することで、該フィードポ
ンプ6からパイプ部材を用いることなくプランジャユニ
ット17まで燃料を圧送することが可能となり、構造の
簡易化及び低コスト化を図るとともに、パイプの破損や
燃料漏れ等を防止することができる。なお、燃料圧送用
のフィードポンプ6は、トロコイドポンプ以外の回転形
式の歯車ポンプやベーンポンプ等としてもよい。
【0049】逆止弁28は、ハイドロリックベースHb
に形成される嵌装孔haに嵌め込んで設けられている。
両側の嵌装孔haにおいて、該嵌装孔ha内の該逆止弁
28の下方には、燃料通路片51が嵌め込まれている。
燃料通路片51には、前記油路r3及び油路r4が形成
されている。燃料通路片51に形成される油路r3の一
端部は、ハイドロリックベースHbに形成される油路r
3と接続され、他端部は、逆止弁28の燃料導入口28
aに接続されている。また、燃料通路片51に形成され
る油路r4の一端部は、逆止弁28の燃料導出口28b
に接続され、他端部は、ハイドロリックベースHbに形
成される油路r4と接続されている。即ち、逆止弁28
は、ハイドロリックベースHbに形成される油路r3及
びr4と、それぞれ燃料通路片51に形成される油路r
3及び油路r4を介して接続されている。
【0050】このように、ハイドロリックベースHb内
に設けられる逆止弁28の燃料導入口28aと接続され
る油路r3、及び燃料導出口28bと接続される油路r
4を、ハイドロリックベースHbとは別体に形成される
燃料通路片51に形成している。これにより、高圧燃料
が通過する油路r3及び油路r4を、ハイドロリックベ
ースHbとは別体の燃料通路片51単体に加工・形成す
ることが可能なり、該油路r3・r4の加工を容易にし
て加工工数の低減を図ることができる。また、燃料通路
片51単体に加工を行う場合は、複雑な形状且つ大型の
部材であるハイドロリックベースHbよりも高精度な加
工を施すことができるため、燃料通路片51における、
逆止弁28の燃料導入口28a及び燃料導出口28bの
形成面との合わせ面も、高精度且つ容易に加工すること
ができ、高圧燃料が通過する油路r3・r4と燃料導入
口28a、燃料導出口28bとの接続部のシールを確実
に行うことができて、燃料漏れ等を防止することができ
る。
【0051】蓄圧室31内へ送出され蓄圧された高圧燃
料は、パイロットバルブ25の制御状態によっては(パ
イロットバルブ25がオンされているときには)、油路
r5・r50を通じて噴射制御弁26・126導入さ
れ、該噴射制御弁26・126から油路r6・r60、
そしてハイドロリックベースHbに構成する油路r7を
通じて分配軸9へ導出される。
【0052】噴射制御弁26・126は、ハイドロリッ
クベースHbに形成される嵌装孔hb・hbにそれぞれ
嵌め込まれている。そして、嵌装孔hb内の噴射制御弁
26・126の下方には、燃料通路片52・520が嵌
装されている。燃料通路片52・520には、それぞれ
前記油路r5・r50及び油路r6・r60が形成され
ている。燃料通路片52・520に形成される油路r5
・r50の一端部は、ハイドロリックベースHbに形成
される油路r51・r510と接続され、他端部はそれ
ぞれ、噴射制御弁26・126の燃料導入口26a・2
6aに接続されている。また、燃料通路片52・520
に形成される油路r6・r60の一端部は、噴射制御弁
26・126の燃料導出口26b・26bに接続され、
他端部は、ハイドロリックベースHbに形成される油路
r7と接続されている。以上構成は、どちらの噴射制御
弁26・126においても同様である。即ち、噴射制御
弁26・126はいずれも、ハイドロリックベースHb
に形成される油路r5及びr7と、それぞれ燃料通路片
52・520に形成される油路r5及び油路r6・r6
0を介して接続されている。
【0053】このように、ハイドロリックベースHb内
に設けられる噴射制御弁26・126の燃料導入口26
a・26aと接続される油路r5・r50、及び燃料導
出口26b・26bと接続される油路r6・r60を、
ハイドロリックベースHbとは別体に形成される燃料通
路片52・520に形成している。これにより、高圧燃
料が通過する油路r5・r50及び油路r6・r60
を、ハイドロリックベースHbとは別体の燃料通路片5
2・520単体に加工・形成することが可能となり、該
油路r5・r50・r6・r60の加工を容易にして加
工工数の低減を図ることができる。また、燃料通路片5
2・520単体に加工を行う場合は、複雑な形状且つ大
型の部材であるハイドロリックベースHbよりも高精度
な加工を施すことができるため、燃料通路片52・52
0における、噴射制御弁26・126の燃料導入口26
a及び燃料導出口26bの形成面との合わせ面も、高精
度且つ容易に加工することができ、高圧燃料が通過する
油路r5・r50・r6・r60と燃料導入出口(燃料
導入口26a・燃料導出口26b)との接続部のシール
を確実に行うことができて、燃料漏れ等を防止すること
ができる。
【0054】そして、分配軸9へ送出された燃料は、各
気筒に対応する油路r8・r8・・・を通じて吐出弁1
8・18・・・へ案内され、各気筒の噴射ノズル29・
29・・・から噴射される。
【0055】以上のように、本蓄圧式分配型燃料噴射ポ
ンプ1における燃料の高圧経路を構成する、圧送プラン
ジャ7、分配軸9、圧力制御弁27、逆止弁28、噴射
制御弁26・126、圧力センサ30、安全弁24、吐
出弁18、パイロットバルブ25・125、及び蓄圧室
31・31・・・等といった機能部材は全て、一つのブ
ロック状部材にて構成されるハイドロリックベースHb
に纏めて配設されている。このように構成することで、
常時高い圧力がかかるこれらの構成部材が一つのブロッ
ク状部材内に配設されることとなり、高圧経路の強度を
十分に確保することができる。また、各構成部材間の接
続はハイドロリックベースHbに形成したキリ孔等で構
成される油路r1・r2・・・で行うことができ、継手
部品等を用いることがないので油漏れや配管の損傷等が
発生することもなく、信頼性向上を図ることができる。
なお、機能部材(プランジャバレル8、分配軸スリーブ
10)及び燃料通路片51・52・520等は高圧通路
を形成しており、ハイドロリックベースHbに焼き嵌め
や冷し嵌め等によって油密に嵌合している。
【0056】次に、本蓄圧式分配型燃料噴射ポンプ1を
搭載したエンジンシステムについて概説する。図10に
示すように、蓄圧式分配型燃料噴射ポンプ1はエンジン
Eに装着されている。該システムにおける前記電子制御
装置20には、前述の圧力センサ30、噴射制御弁仕組
22・122(図示しない)のパイロットバルブ25・
125、及び圧力制御弁27の他に、前記気筒判別用セ
ンサ62が接続されている。また、電子制御装置20に
は、エンジンEの冷却水温度を検出する水温センサ66
や、クランク軸と一体的に回転する回転検出用パルサ6
3によりエンジン回転数を検出する回転数センサ64が
接続され、各気筒の噴射ノズル29のリフト量を検出す
るリフトセンサ65も接続されている。さらに、電子制
御装置20には、アクセルセンサ67や、その他のブー
スト圧や吸気流量や吸気温度等を検出するセンサ群69
が接続されている。
【0057】そして、アクセルセンサ67によるアクセ
ル開度の検出値や、回転数センサ64によるエンジン回
転数の検出値や、圧力センサ30による蓄圧室31(図
示しない)内の圧力の検出値等に基づいて、電子制御装
置20によりパイロットバルブ25・125や圧力制御
弁27等の作動を電気的に制御して、適切な噴射量や噴
射時期等で噴射ノズル29から燃料を噴射するようにし
ている。前述したように、高圧側と低圧側の燃料を必要
に応じて使い分けたり、混合比を変更して混合したりで
きるため、蓄圧式分配型燃料噴射ポンプ1では、高精度
の噴射制御を行うことができる。この際、気筒判別用セ
ンサ62により燃料噴射をおこなうべき噴射ノズル29
を判別し、その他の燃料温度センサ68、水温センサ6
6、リフトセンサ65、及びセンサ群69による検出値
により、燃料噴射条件を適宜調節している。さらに、電
子制御装置20においては、各種センサの検出値等に異
常があった場合に、エンジンEや蓄圧式分配型燃料噴射
ポンプ1に故障が発生したかどうかの判断を行う故障診
断機能も備えられている。なお、前記気筒判別用パルサ
61の代わりに、傘歯車19等のカム軸4と連動する歯
車等を用いて気筒の判別を行うことも可能である。
【0058】
【発明の効果】請求項1記載の如く、蓄圧室に蓄圧した
高圧燃料を、分配手段により各気筒へ分配して供給する
蓄圧式分配型燃料噴射ポンプにおいて、パイロット噴射
・メイン噴射・ポスト噴射を、それぞれ2つの噴射制御
弁仕組で制御するように構成したので、パイロット噴射
・メイン噴射・ポスト噴射を、2つの噴射制御弁仕組で
分担させて行うことが可能となり、作動回数の低減によ
り、噴射制御弁仕組のメンテナンスの間隔を長くするこ
とが可能となる。また、作動回数の低減により、噴射制
御弁仕組の構成部材の消耗が少なくなり、故障発生の頻
度を少なくすることが出来ることから、高精度の安定し
た燃料噴射が長期間に渡って可能となる。特に、気筒数
の多いエンジンについては、各気筒の噴射ノズルに燃料
を正確に圧送することが可能となることから、大きな効
果を得ることが出来る。
【0059】請求項2記載の如く、前記噴射制御弁仕組
等の噴射制御機能部材、及び分配手段部材である分配軸
等を、一つのハイドロリックベース内に配設し、前記噴
射制御弁仕組は、カム軸に対して垂直方向にかつ隣接し
て配設したので、常時高い圧力が加わる機能部材や分配
手段等の各構成部材が一つのブロック部材であるハイド
ロリックベース内に配設されることとなり、高圧経路の
強度を十分に確保することができる。また、2つの噴射
制御弁仕組を、カム軸に対して垂直方向に、且つ隣接し
て配設したので、蓄圧式分配型燃料噴射ポンプ内の回路
の無駄容積を減少させることができる。このことから、
燃料の通過する経路が短縮され、燃料の粘性による圧力
低下等の影響を小さくすることができ、燃料噴射の制御
精度を向上させることができる。
【0060】請求項3記載の如く、前記2つの噴射制御
弁仕組の燃料噴射の制御パターンは、パイロット噴射・
メイン噴射・ポスト噴射の頻度に応じて切換え可能とし
たので、2つの噴射制御弁仕組の間で作動回数が平準化
さることから、制御精度の向上を図ることが出来る。
【0061】請求項4記載の如く、前記2つの噴射制御
弁仕組において、該噴射制御弁仕組の故障診断を行い、
1つの噴射制御弁仕組が故障の際は、他方の噴射制御弁
仕組にて運転を継続可能とする制御システムとしたの
で、1つの噴射制御弁仕組が故障した際にも、他方の噴
射制御弁仕組にてエンジンの運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】蓄圧式分配型燃料噴射ポンプのシステム図であ
る。
【図2】同じく正面断面図である。
【図3】同じく側面断面図である。
【図4】同じく平面一部断面図である。
【図5】同じく油路を示す平面一部断面図である。
【図6】2つの噴射制御弁仕組を交互に作動させる制御
の形態を示す図である。
【図7】2つの噴射制御弁仕組で低噴射率・高噴射率を
分担させる制御の形態を示す図である。
【図8】1つの噴射制御弁仕組を低噴射率専用とした構
成した場合の制御の形態を示す図である。
【図9】同じく本制御での蓄圧式分配型燃料噴射ポンプ
のシステム図である。
【図10】本発明の蓄圧式分配型燃料噴射ポンプを搭載
したエンジンシステムを示す図である。
【図11】従来の噴射制御弁仕組による噴射制御を示し
た図である。
【符号の説明】
1 蓄圧式分配型燃料噴射ポンプ 24 噴射制御弁仕組 124 噴射制御弁仕組 PI パイロット噴射 MA メイン噴射 PO ポスト噴射
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 47/00 F02M 47/00 E 65/00 305 65/00 305Z Fターム(参考) 3G066 AA07 AB02 AC02 AC09 AD12 BA13 BA19 BA22 BA24 BA25 BA29 BA46 BA51 BA55 BA61 BA67 BA69 CA01S CA04U CA08 CA09 CA29 CA32U CA38 CB07U CC01 CD26 CE02 CE22 DA08 DA09 DC03 DC05 DC09 DC18 3G301 HA02 HA04 HA06 JA03 JA15 JA24 JA25 JB08 JB09 LB11 LB13 LC01 MA11 MA23 MA27 PB08Z PE01Z PE03Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄圧室に蓄圧した高圧燃料を、分配手段
    により各気筒へ分配して供給する蓄圧式分配型燃料噴射
    ポンプにおいて、パイロット噴射・メイン噴射・ポスト
    噴射を、それぞれ2つの噴射制御弁仕組で制御するよう
    に構成したことを特徴とする蓄圧式分配型燃料噴射ポン
    プ。
  2. 【請求項2】 前記噴射制御弁仕組等の噴射制御機能部
    材、及び分配手段部材である分配軸等を、一つのハイド
    ロリックベース内に配設し、前記噴射制御弁仕組は、カ
    ム軸に対して垂直方向にかつ隣接して配設したことを特
    徴とする請求項1に記載の蓄圧式分配型燃料噴射ポン
    プ。
  3. 【請求項3】 前記2つの噴射制御弁仕組の燃料噴射の
    制御パターンは、パイロット噴射・メイン噴射・ポスト
    噴射の頻度に応じて切換え可能としたことを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載の蓄圧式分配型燃料噴射ポ
    ンプ。
  4. 【請求項4】 前記2つの噴射制御弁仕組において、該
    噴射制御弁仕組の故障診断を行い、1つの噴射制御弁仕
    組が故障の際は、他方の噴射制御弁仕組にて運転を継続
    可能とする制御システムとしたことを特徴とする請求項
    1から請求項3のいずれかに記載の蓄圧式分配型燃料噴
    射ポンプ。
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