JP4604959B2 - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料を噴射するためのインジェクタを駆動する装置に関し、特に、コンデンサに充電した高電圧のエネルギーをインジェクタの電磁コイルに放電してインジェクタを開弁させる燃料噴射制御装置に関する。
従来より、例えば車両に搭載された内燃機関の各気筒にそれぞれ燃料を噴射供給するインジェクタとしては、電磁コイルへの通電により開弁するインジェクタが使用されている。
そして、このようなインジェクタを駆動して燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置としては、電源電圧よりも高い昇圧電圧をコンデンサに発生させる昇圧回路を備え、電磁コイルに通電すべき通電期間の開始時に、コンデンサから電磁コイルへ昇圧電圧による大きなピーク電流が流れるようにしてインジェクタの噴射ノズルを速やかに開弁させ、その後は、通電期間が終了するまで、電磁コイルに一定電流を流して、インジェクタを開弁状態に保持するようなものが知られている。
そして特に、近年では、燃費の向上、排気ガスの低減、及び騒音の低減等を目的として、各気筒について、燃料の吸入、圧縮、爆発、排気という一回の燃焼行程にて複数回の燃料噴射を行うこと(いわゆる多段噴射を行うこと)が主流になっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−14046号公報
ところで、前述したように一回の燃焼行程にて複数回の燃料噴射を行う場合、より大容量のコンデンサが必要とされる。これは、各噴射間の時間間隔が短いことからコンデンサを充電する期間を確保できない場合があり、コンデンサはより多くの電荷を蓄えておく必要があるためである。
そして例えば、コンデンサについて、劣化等によりその静電容量が減少し、複数回の燃料噴射を行うために必要とされる十分な電荷を蓄えることができなくなるという問題が生じることが考えられる。この場合、複数回の燃料噴射のうち、内燃機関の作動自体には関係ない燃料噴射(例えば、排気ガスの低減や騒音の低減を目的とする噴射)が実施される一方、内燃機関を作動させるためのメインの燃料噴射が実施されなくなるという事態が生じるおそれがある。このことは内燃機関を継続的に作動する上で好ましくない。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、多段噴射を行う燃料噴射制御装置において、インジェクタを開弁させるピーク電流を供給するためのコンデンサの異常の有無を正確に検出するとともに、コンデンサに異常が生じた場合でも、内燃機関の作動を有効に継続させるようにする燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本願発明の燃料噴射制御装置では、コンデンサを有し、該コンデンサを充電することにより電源電圧よりも高い所定電圧値の高電圧を生成する高電圧生成手段と、コンデンサから放電されることにより開弁して、内燃機関へ燃料を噴射するインジェクタと、が設けられている。そして、放電手段が、コンデンサからインジェクタへ放電させるようになっている。
また、この装置では、インジェクタに対応する内燃機関の気筒について、燃料の吸入から排気までの燃焼の一行程内に複数回の燃料噴射を実施する。具体的には、内燃機関を作動させるための主噴射と、該作動時の燃費向上、排ガス低減、及び騒音低減のための副噴射を行うようになっている。
そして、異常検出手段が、高電圧生成手段によりコンデンサへの充電が開始された際、そのコンデンサの充電電圧が一定電圧値分だけ上昇する充電時間を計測し、その充電時間が、所定時間範囲内にない場合には、そのコンデンサについて、複数回の燃料噴射の実施を可能にするために必要な電荷を蓄積できない異常が生じていると判定する。
ここで例えば、そのような異常が生じている場合としては、(1)劣化等により静電容量が減少している場合や、(2)リークが増大しているような場合がある。そして、上記(1)の場合には、より短い時間で充電が完了することとなり、上記(2)の場合には、充電エネルギーの一部が漏れ電流として消失し、充電に要する時間が長くなることから、上記各場合における充電時間は、所定時間範囲内に収まらなくなることが考えられる。このため、充電時間が所定時間範囲内にない場合には、前述したような異常が生じていると判定するのである。
そして更に、この装置では、異常検出手段によりコンデンサの異常が検出された場合に、噴射制限手段が、内燃機関への複数回の燃料噴射のうち、噴射の実施を制限する。これはつまり、コンデンサに前述したような異常が生じた場合、例えば1回或いは2回程度の燃料噴射を実施することはできるが、それ以上の複数回の燃料噴射全てを実施することは難しいと考えられるため、噴射については、その実施を制限するのである。
このため、本発明の燃料噴射制御装置によれば、インジェクタを開弁するためのピーク電流供給用のコンデンサが、複数回の燃料噴射の実施を可能にするために必要な電荷を蓄積できない状態となった場合でも、噴射の実施を制限することで、そのコンデンサの充電エネルギーを特に必要な燃料噴射のために利用することができるようになる。より具体的には、コンデンサの充電エネルギーを主噴射のために利用することができるようになる。このため、内燃機関を確実に作動させることができるようになる。
た、高電圧生成手段と、インジェクタと、放電手段と、を備え、インジェクタに対応する内燃機関の気筒について、燃料の吸入から排気までの燃焼の一行程内に複数回の燃料噴射が実施される燃料噴射制御装置にて、次のように構成し得る。
具体的には、異常検出手段が、コンデンサの放電前の電圧と放電後の電圧との差を、そのコンデンサの放電電圧値として測定し、その放電電圧値が、所定電圧範囲内にない場合には、そのコンデンサについて、複数回の燃料噴射の実施を可能にするために必要な電荷を蓄積できない異常が生じていると判定する。
これは、例えば劣化等が原因でコンデンサの静電容量が減少している場合には、静電容量、言い換えると蓄積された電荷量に対する放電電荷量の割合は増加することとなる。このため、電圧の低下幅は大きくなると考えられる。また、リークが生じている場合にも、そのリークによりコンデンサのエネルギーが消失し、電圧の低下幅は大きくなる。
また、例えば、コンデンサに充放電しにくくなるような異常が生じた場合には、放電時の電圧の低下幅は小さくなる。
以上より、コンデンサの放電電圧値が所定電圧範囲内にない場合には、そのコンデンサについて、前述したような異常が生じていると判定するものである。
そして、このような燃料噴射制御装置においても、異常検出手段によりコンデンサの異常が検出された場合には、噴射制限手段が、内燃機関への複数回の燃料噴射のうち、噴射の実施を制限する。
このため、この燃料噴射制御装置によれば、前述した効果と同様の効果を得ることができる。
また、本願発明の燃料噴射制御装置においては、コンデンサの周囲温度を検出する温度検出手段を備え、異常検出手段は、温度検出手段により検出されるコンデンサの周囲温度が、該コンデンサが正常に動作できないような異常温度領域にある場合には、コンデンサの異常の有無を判定しないようになっていることが好ましい。
これは、コンデンサの特性を考慮すると、コンデンサの周囲温度が例えば極端に低い場合に、そのコンデンサの静電容量が減少する場合も考えられるためであり、このような場合にまで異常と判定されることは好ましくない。本願発明によれば、そのような問題を解決することができる。
ところで、例えば、コンデンサを含む回路部分が、エンジンルーム内において、特に内燃機関の冷却水温とコンデンサの周囲温度とがほぼ同一温度になると考えられるようなエンジンブロックの近傍に設けられる場合には、のように構成することが好ましい。即ち、コンデンサの周囲温度として冷却水温を検出するようにすれば、コンデンサの周囲温度を検出するための構成を特に新たに設けなくてもよく、構成を簡単にできるとともに、コストの増加を抑制することができる。
また、本願発明では、副噴射を複数回行うようになっており、噴射制限手段は、異常検出手段によりコンデンサの異常が検出された場合に、複数回の副噴射のうちの少なくとも1つの実施を制限するようになっている。
この燃料噴射制御装置においても、インジェクタを開弁するための電流供給用のコンデンサが、複数回の燃料噴射の実施を可能にするために必要な電荷を蓄積できない状態となった場合、そのコンデンサの充電エネルギーを主噴射のために利用することができ、内燃機関を確実に作動させることができるようになる。
一方、この種の燃料噴射制御装置としては、内燃機関がディーゼルエンジンの場合、燃焼により生成される粒子状物質を捕集するフィルタに堆積したその粒子状物質の量を検出するとともに、その検出した粒子状物質量が規定量よりも多い場合には、副噴射として、その粒子状物質を燃焼させるための噴射を実施するものが知られている。そして、そのような粒子状物質燃焼用の副噴射を制限すると、環境面において好ましくない。
そこで、本願発明では、前述したフィルタに堆積した粒子状物質量を検出するPM量検出手段を備え、そのPM量検出手段により検出される粒子状物質量が規定量より大きいと判定すると、複数回の副噴射のうちの少なくとも1つとして、粒子状物質を燃焼させるための副噴射を実施するようになっている。そして、噴射制限手段は、その粒子状物質を燃焼させるための副噴射の実施を制限しないようになっている。
このような本願発明によれば、排出される粒子状物質の抑制機能を確保することができる。
以下に、本発明が適用された実施形態の燃料噴射制御装置について、図面に基づき説明する。本実施形態の燃料噴射制御装置は、車両に搭載された多気筒(この例では4気筒)ディーゼルエンジンの各気筒#1〜#4(図1参照)に燃料を噴射供給する4個の電磁コイル式ユニットインジェクタ(以下、単に電磁弁と言う)101,102,103,104(図1参照)と、その各電磁弁101〜104のコイル101a,102a,103a,104a(図1参照)への通電時間及び通電タイミングを制御することにより、ディーゼルエンジンの各気筒#1〜#4への燃料噴射量及び燃料噴射時期を制御する電子制御装置(以下、ECUと言う)100と、から構成されている。
また、本実施形態においては、各気筒についていわゆる燃料の多段噴射を行うようになっている。具体的には、一回の燃焼行程において、気筒内の活性化を目的とするプレ噴射、騒音,振動及びNOxの低減を目的とするパイロット噴射、ピストンの駆動を目的とするメイン噴射、燃焼により生じたすす(粒子状物質)の再燃焼を目的とするアフター噴射及びポスト噴射、を行うようになっている。
尚、本装置が用いられるディーゼルエンジンの排気経路には、図示はしないが、燃料ガスに含まれる粒子状物質を捕集するフィルタと、粒子状物質を焼却させるための熱源を発生させる酸化触媒と、フィルタの前後(上流側と下流側)の圧力差を計測する差圧センサと、が設けられており、酸化触媒の温度が上げられることでフィルタに堆積した粒子状物質が強制燃焼されるようになっているが、ポスト噴射とは、その強制燃焼を促進させるために行われるものである。また、差圧センサにより計測されるフィルタの前後の圧力差に基づき、フィルタに堆積した粒子状物質量を推定して検出できるようになっている。
また、本装置では、同時に2つの電磁弁を駆動させて各々燃料噴射を行わせる多重噴射を実施するようになっている。また更に、本実施形態において、スイッチング素子として使用しているトランジスタは、MOSFETである。
[実施形態1]
まず、図1は、第1実施形態の燃料噴射制御装置を示す構成図である。この図1において、エンジンの各気筒に対して燃料噴射を行う電磁弁101,102,103,104はそれぞれ、コイル101a,102a,103a,104aを有した常閉式の電磁弁であり、その各コイル101a〜104aに通電されると、図示しない弁体がリターンスプリングの付勢力に抗して開弁位置に移動し、燃料噴射が行われる。
また、コイル101a〜104aの通電が遮断されると、弁体が元の閉弁位置に戻り、燃料噴射が停止される。
そして、本実施形態では、全4気筒の電磁弁101〜104を2気筒ずつ2つのグループに分け、電磁弁101,103を同じ噴射グループとして、そのコイル101a,103aの上流側の一端をECU100が備える端子COM1に接続し、電磁弁102,104を同じ噴射グループとして、そのコイル102a,104aの上流側の一端をECU100が備える端子COM2に接続している。尚、各噴射グループは、同時に駆動されることがない電磁弁同士で構成されるが、そのグループ分けは、どの気筒間で多重噴射を実施させるか等のエンジンの設計仕様によって決定される。また、以下の説明において、〈〉内の符号の構成要素は、電磁弁102,104を駆動させるためのものである。
ECU100は、前述した端子COM1〈COM2〉の他、コイル101a,103a〈102a,104a〉の下流側の一端がそれぞれ接続される端子INJ1,INJ3〈INJ2,INJ4〉と、その端子INJ1,INJ3〈INJ2,INJ4〉に一方の出力端子が接続されたトランジスタT10,T30〈T20,T40〉と、トランジスタT10,T30〈T20,T40〉の他方の出力端子とグランドラインとの間に接続された電流検出用の抵抗R10〈R20〉と、電源電圧としての車載バッテリの電圧(以下、バッテリ電圧と言う)VBが供給される電源ラインLpに一方の出力端子が接続されたトランジスタT11〈T21〉と、そのトランジスタT11〈T21〉の他方の出力端子にアノードが接続され、カソードが上記端子COM1〈COM2〉に接続された逆流防止用のダイオードD11〈D21〉と、電磁弁101,103〈102,104〉を速やかに開弁作動させるためのピーク電流をコイル101a,103a〈102a,104a〉に流すためのコンデンサC10〈C20〉と、バッテリ電圧VBを昇圧して、そのバッテリ電圧VBよりも高い電圧を生成し、コンデンサC10〈C20〉を充電する昇圧回路50と、を備えている。
また、コンデンサC10〈C20〉の充電電圧を検出する検出回路60a〈60b〉と、コンデンサC10〈C20〉の正極側を端子COM1〈COM2〉に接続させる放電用のトランジスタT12〈T22〉と、アノードがグランドラインに接続されるとともに、カソードが端子COM1〈COM2〉に接続され、トランジスタT10,T30〈T20,T40〉がオンされている状態でトランジスタT11〈T21〉がオンからオフされた時に、コイル101a,103a〈102a,104a〉に電流を還流させるダイオードD12〈D22〉と、トランジスタT10,T30〈T20,T40〉、T11〈T21〉、T12〈T22〉、及び昇圧回路50を制御する駆動制御回路120と、CPU,ROM,RAMなどからなる周知のマイクロコンピュータ(以下、単にマイコンと言う)130と、このECU100の内部温度を検出する温度センサH01と、が備えられている。
尚、本実施形態においては、コンデンサC10〈C20〉としては、アルミ電解コンデンサが用いられる。アルミ電解コンデンサは、例えば従来用いられていたフィルムコンデンサと比較して、静電容量に対する体積比が小さい。そのため、多段噴射を行う場合など高容量のコンデンサが必要とされる時の使用に適している。
ここで、マイコン130は、エンジン回転数Ne、アクセル開度ACC、エンジンの冷却水温THWなど、各種センサにて検出されるエンジンの運転情報に基づいて、気筒#1〜#4毎に噴射指令信号S#1〜S#4を生成して駆動制御回路120に出力する。また、マイコン130には、温度センサH01により検出されるECU100の内部温度が入力される。尚、噴射指令信号S#1〜S#4は、その信号のレベルがハイの間だけ電磁弁101〜104のコイル101a〜104aに通電する(つまり、電磁弁101〜104を開弁させる)、という意味を持っている。このため、マイコン130は、エンジンの運転情報に基づいて、各気筒#1〜#4毎に、電磁弁101〜104のコイル101a〜104aへの通電期間を設定し、その通電期間だけ、該当する気筒の噴射指令信号をハイにしていると言える。
また、昇圧回路50は、インダクタL00と、トランジスタT00と、トランジスタT00を駆動する充電制御回路110とを備えている。そして、インダクタL00は一端が電源ラインLpに接続され、他端がトランジスタT00の一方の出力端子に接続されている。
また、トランジスタT00の他方の出力端子とグランドラインとの間には、電流検出用の抵抗R00が接続されている。そして、トランジスタT00のゲート端子には充電制御回路110が接続され、この充電制御回路110の出力に応じてトランジスタT00がオン/オフされる。尚、充電制御回路110としては、詳しくは自励式の発振回路が使用されている。
更に、インダクタL00とトランジスタT00との接続点に、逆流防止用のダイオードD13〈D23〉を介して、コンデンサC10〈C20〉の正極側の一端が接続されている。そして、コンデンサC10〈C20〉の負極側の一端は、トランジスタT00と抵抗R00との接続点に接続されている。
このような昇圧回路50においては、トランジスタT00がオン/オフされると、インダクタL00とトランジスタT00との接続点に、バッテリ電圧VBよりも高いフライバック電圧(逆起電圧)が発生し、そのフライバック電圧によりダイオードD13〈D23〉を通じてコンデンサC10〈C20〉が充電される。これにより、コンデンサC10〈C20〉がバッテリ電圧VBよりも高い電圧に充電される。
そして、充電制御回路110は、駆動制御回路120からの充電許可信号がアクティブレベル(例えばハイレベル)になると、トランジスタT00をオン/オフさせるが、その際に、コンデンサC10〈C20〉の正極側の電圧VCをモニタすると共に、コンデンサC10〈C20〉の充電電流を抵抗R00に生じる電圧によりモニタして、コンデンサC10〈C20〉が効率の良い周期で充電されるようにトランジスタT00をオン/オフさせ、電圧VCが予め設定された目標値Vm(図4参照、またVm>VBである)になるか、駆動制御回路120からの充電許可信号が非アクティブレベルになると、トランジスタT00をオフのままにして、コンデンサC10〈C20〉の充電を止める。
次に、検出回路60a〈60b〉について、図2を用いて説明する。なお、ここでは、検出回路60aについて説明するが、検出回路60bも同様である。図2に示すように、検出回路60aは、コンデンサC10の電圧VCを分圧する抵抗R01,R02からなる分圧回路61と、2つのコンパレータ16,17とから構成されている。コンパレータ16は、分圧回路61から入力された電圧と基準電圧vaとの大小を比較し、コンパレータ17は、分圧回路61から入力された電圧と基準電圧vbとの大小を比較する。そして、コンパレータ16,17はそれぞれ、分圧回路61から入力される電圧のほうが大きいと、ロー信号をマイコン130に出力し、基準電圧va或いは基準電圧vbのほうが大きいと、ハイ信号をマイコン130に出力するようになっている。なお、vb<vaである。また、図2において、INaはコンパレータ16から出力される信号を表し、INbは、コンパレータ17から出力される信号を表している。
また、本実施形態において、コンパレータ16,17の出力信号INa,INbは、マイコン130のエッジ入力ラッチポートに入力されるようになっている。このエッジ入力ラッチポートは、入力信号に立ち下がりエッジ(即ち、ハイからローへのレベル変化)が生じると、そのこと(つまり、立ち下がりエッジが生じたこと)を示す履歴であるパルス信号情報がマイコン130内のレジスタ(以下、ラッチポートレジスタという)に記憶される、といったエッジ自動監視機能のためにマイコン130に備えられたポートである。そして、マイコン130は、ラッチポートレジスタに記憶されたパルス信号情報に基づき、コンパレータ17からのロー信号が入力されてからコンパレータ16からのロー信号が入力されるまでの時間を計測する時間計測処理を実施するようになっている。つま
り、分圧回路により分圧された電圧がvaと一致する時の電圧VCをVaとし、vbと一致する時の電圧VCをVbとすると、マイコン130は、コンデンサC10の電圧VCがVbからVaに至るまでの充電時間(図4のta及びtb、或いはtc)を時間計測処理にて計測することとなる。そして、この計測した充電時間は、RAMに記憶される。なお、図4については後述する
次に、上記のように構成された燃料噴射制御装置の作用を、図3のタイムチャートを用いて説明する。尚、前述したように、駆動制御回路120には、マイコン130から各気筒#1〜#4の噴射指令信号S#1〜S#4がそれぞれ入力されるが、ここでは、第1気筒#1及び第2気筒#2について説明する。また、図3には、多段噴射と多重噴射との動作例を示している。多段噴射としては、前述したように、プレ噴射、パイロット噴射、メイン噴射、アフター噴射及びポスト噴射があり、これら各噴射は、エンジンの運転情報等に応じて適宜実施されるものである。
図3中、「S#1」は第1気筒#1の噴射指令信号を、「S#2」は第2気筒#2の噴射指令信号を示している。また、噴射指令信号S#1がオンになると、T10もオンされ、S#1がオフになると、T10もオフされるようになっている。S#2とT20についても同様である。そして、第1気筒#1における多段噴射として、期間t1ではパイロット噴射が、期間t2ではメイン噴射がそれぞれ実施され、多重噴射として、期間t3では、第1気筒#1のメイン噴射に重複して、第2気筒#2に対しポスト噴射が実施されるようになっている。
まず、期間t1のパイロット噴射の開始前において、駆動制御回路120は、上記充電制御回路110への充電許可信号をアクティブレベルにして昇圧回路50を作動させ、コンデンサC10,C20を、その電圧VCが目標値Vm(図4参照)になるまで充電させている。
そして、図3に示すように、マイコン130から駆動制御回路120への第1気筒#1の噴射指令信号S#1が、コイル101aへの通電オフ(噴射停止)を示すローから通電オン(噴射実施)を示すハイになると、駆動制御回路120は、トランジスタT10をオンし、それと同時にトランジスタT12もオンさせる。
すると、コンデンサC10の電圧VCが、コイル101aへの通電経路をなす端子COM1に印加されて、そのコンデンサC10に充電されていたエネルギーがコイル101aに放出され、これにより、そのコイル101aへの通電が開始される。そして、このとき、コイル101aには、コンデンサC10の放電により、電磁弁101を速やかに開弁させるための大電流(ピーク電流)が流れる。また、このようなコンデンサC10の放電に際し、高電位となる端子COM1側から電源ラインLp側への回り込みは、ダイオードD11によって防止される。尚、図3において、「INJ1電流I」とは、コイル101aに流れる電流(以下、単に電流Iと言う)である。
そして、駆動制御回路120は、コイル101aに流れる電流Iを抵抗R10に生じる電圧により検出し、トランジスタT12をオンした後において、その電流Iがピーク電流の目標電流値Ipになると、トランジスタT12をオフする。尚、電流Iの検出値の代わりに、コンデンサC10の電圧VCを検出し、その電圧VCに基づいてトランジスタT12のオン/オフを制御してもよい。
このようにして、コイル101aへの通電期間の開始時には、トランジスタT12がオンされて、コンデンサC10に充電されたエネルギーがコイル101aに放出され、これにより、そのコイル101aに大電流(ピーク電流)が流れて、電磁弁101の開弁応答が早まる。
また、駆動制御回路120は、トランジスタT12をオンさせている間は、コンデンサ
C10からの放電電流を安定させるために、上記充電制御回路110への充電許可信号を非アクティブレベルにして、昇圧回路50によるコンデンサC10の充電動作(即ち、トランジスタT00のオン/オフ)を禁止する。
そして、駆動制御回路120は、トランジスタT12をオフした後は、抵抗R10に生じる電圧により検出されるコイル101aの電流Iが、上記Ipよりも小さい一定電流となるように、トランジスタT11のオン/オフ制御を行う。
具体的に説明すると、駆動制御回路120は、噴射指令信号S#1がハイになっている間、コイル101aに一定電流を流すための定電流制御として、コイル101aの電流Iが下側閾値IL以下になるとトランジスタT11をオンさせ、コイル101aの電流Iが上側閾値IH以上になるとトランジスタT11をオフさせる、という制御を行う。尚、下側閾値ILと、上側閾値IHと、ピーク電流の目標電流値Ipとの関係は、「IL<IH<Ip」である。また、こうした定電流制御を行うための回路部分は、抵抗R10に生じる電圧を入力としたウィンドウコンパレータによって構成することができる。
このため、コイル101aの電流Iがピーク電流の目標電流値Ipから低下して下側閾値IL以下になると、以後は、トランジスタT11のオン/オフが繰り返されて、コイル101aの電流Iの平均値が、上側閾値IHと下側閾値ILとのほぼ中間の一定電流に制御されることとなる。
このような定電流制御により、トランジスタT12のオフ後は、電源ラインLpから、トランジスタT11及びダイオードD11を介して、コイル101aに一定電流を流し、その一定電流により、電磁弁101を開弁状態に保持するのである。尚、ダイオードD12は、このような定電流制御のための還流用ダイオードであり、トランジスタT11のオフ時にコイル101aに流れる電流は、そのダイオードD12を介して還流される。
その後、マイコン130からの噴射指令信号S#1がハイからローになると、駆動制御回路120は、トランジスタT10をオフすると共に、トランジスタT11のオン/オフ制御(即ち、定電流制御)を終了して、そのトランジスタT11もオフ状態に保持する。すると、コイル101aへの通電が停止して電磁弁101が閉弁し、その電磁弁101による燃料噴射が終了される。
尚、噴射指令信号S#1がローになって、トランジスタT10及びトランジスタT11がオフされた時、4段目に示すように、コイル101aにはフライバックエネルギーが発生する。
また、駆動制御回路120は、トランジスタT12をオフした後、上記充電制御回路110への充電許可信号をアクティブレベルに戻して、昇圧回路50によるコンデンサC10の充電動作(トランジスタT00のオン/オフ)を再開させる。これは、次回の電磁弁駆動に備えるためである。
また、図3では、第1気筒#1におけるメイン噴射の噴射指令信号(期間t2)に、第2気筒#2におけるポスト噴射の噴射指令信号(期間t3)が重複しており、電磁弁101,102が同時に駆動される。つまり、多重噴射が実施される。このとき、電磁弁101,102は別々の噴射グループに属するため、それらは互いに無関係で制御され、仮に、この図3に示すように噴射時期が重複しても互いの影響を受けることなく燃料噴射が実施される。
詳しくは、期間t3で第2気筒#2の噴射指令信号S#2がオンに立ち上げられると、トランジスタT20がオンすると共に、それと同時にトランジスタT22がオンし、電磁弁102によるポスト噴射が開始される。つまり、トランジスタT22のオンに伴いコンデンサC20に充電されたエネルギーが電磁弁102に放出される。これにより、電磁弁102のコイル102aに大電流(ピーク電流)が流れ、電磁弁102の開弁応答が早まる。コンデンサC20のエネルギー放出後は、それに引き続き、電流検出用の抵抗R20により検出した駆動電流(INJ2電流i)に応じてトランジスタT21がオン/オフ制御され、ダイオードD21を介して電磁弁102に定電流が供給される。これにより、電磁弁102は開弁状態で保持される。
その後、第2気筒#2の噴射指令信号S#2がオフされると、トランジスタT20がオフして電磁弁102が閉弁し、同電磁弁102によるポスト噴射が終了される。
なお、T22のオフ後、充電許可信号がオンになって、トランジスタT00がオン/オフを開始すると、昇圧回路50によるコンデンサC20の充電が開始される。
そして、本実施形態においては、マイコン130は前述のように、コンデンサC10,C20について、その電圧VCがVbからVaに至るまでの充電時間を時間計測処理にて計測するが、さらにその計測した充電時間から、コンデンサC10,C20の異常の有無を判定するようになっている。以下、この点について、図4〜図6を用いて説明する。尚、ここでは、コンデンサC10の場合について説明するが、C20についても同様である。
図4は、コンデンサC10の電圧VCと充電時間との関係を表すグラフである。なお、ここでは、所定の電圧値Vs(0<=Vs<Vb)から充電が開始されるものとして説明する。
図4において、曲線aは、コンデンサC10が正常な時のものであり、曲線bは、コンデンサC10に劣化が生じて静電容量が減少している時のものであり、曲線cは、コンデンサC10の漏れ電流(リーク)が増大している時のものである。なお、何れの場合も充電の際の印加電圧は同じである。
コンデンサC10が正常であれば、図4の曲線aに示すように、そのコンデンサC10の電圧VCが、VbからVaに至るまでの充電時間としての時間taは、予め定められた正常範囲内に収まる。つまり、tmin<ta<tmaxである。ここで、tminは、その正常範囲における下限値であり、tmaxは上限値である。また、Vmは、コンデンサC10についての充電目標値である。
また、コンデンサC10が劣化し、コンデンサC10の静電容量が減少している、つまり、蓄えられる電荷が減少している場合には、そのコンデンサC10の電圧VCがVbからVaに至るまでの充電時間は、図4の時間tbのように短くなる。詳しくは、曲線bに示すように、電圧VCの立ち上がりはより急なものとなるから、この場合の充電時間としての時間tbは、tminよりも小さくなると考えられる。
また、コンデンサC10のリークが増大している場合には、充電エネルギーの一部が消失するため、曲線cに示すように、コンデンサC10の電圧VCがVaまで達しないことが考えられる。また、達したとしても、非常に時間がかかることとなってしまう。つまり、コンデンサC10のリークが増大している場合(曲線cの場合)における充電時間としての時間tcについては、tmax<tcとなると考えられる。なお、INa,INbは、コンデンサC10が正常な場合(曲線aの場合)にコンパレータ16,17(図2参照)から出力される信号の一例を示している。
このようにして、本実施形態においては、コンデンサC10の電圧VCが、一定値分(ここでは、VbからVa)だけ上昇するまでの充電時間を計測することで、コンデンサC10の異常の有無を判定できるようになっている。
ところで、コンデンサC10(本実施形態においては、アルミ電解コンデンサ)は、周囲温度によってその特性が大きく変化することが考えられる。具体的には、コンデンサC10が動作する周囲温度が、規定温度よりも低い低温領域にある場合に、そのコンデンサC10の静電容量は大きく減少する場合がある。そのため、コンデンサC10が正常なものであっても、電圧VCと充電時間との関係は、図4の曲線bで表される関係と同様になるため、コンデンサC10の異常の有無は判断できない、或いは判断すべきでないと言える。そこで、本実施形態においては、コンデンサC10の異常の有無を判定する際、図5に示すような判定テーブルを用いている。
図5は、コンデンサC10の電圧VCがVbからVaに至るまでの充電時間(以下、昇圧時間tchgと言う)と、ECU100の内部温度(以下、単にECU内部温度と言う)Tecuと、を基準とした判定テーブルである。図5に示すように、昇圧時間tchgが正常範囲内(tmin<tchg<tmax)にあれば(E1)、コンデンサC10は、ECU内部温度Tecu、つまり、コンデンサC10の周囲温度に関係なく、正常であるということが言える。また、昇圧時間tchgがtmax以上であれば(E2)、コンデンサC10はECU内部温度Tecuに関係なく異常であると言える。そして、昇圧時間tchgがtmin以下である場合であって、ECU内部温度Tecuが規定温度Tcont以上であれば(E3)、コンデンサC10は異常であると判断できるが、ECU内部温度Tecuが規定温度Tcontより小さければ(E4)、コンデンサC10の異常の有無は判断できない(判断すべきでない)。これは、異常(この場合は、静電容量の減少)の原因が、コンデンサC10の劣化であるか、或いは周囲温度が低いことによるコンデンサC10の一時的な特性の変化であるかが分からないためである。
次に、マイコン130にて実施される処理であって、コンデンサC10の異常の有無を昇圧時間tchgに基づき検出する時間異常検出処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。この時間異常検出処理は、マイコン130に備えられたCPU又は専用の論理回路によって実施される。
この時間異常検出処理において、マイコン130は、まず、コンデンサC10の昇圧時間tchgを計測する(S110)。具体的には、前述した時間計測処理にて計側した充電時間を、昇圧時間tchgとしてRAMから読み込む。そして、その昇圧時間tchgが正常範囲内(tmin<tchg<tmax)にあるか否かを判定し(S120)、正常範囲内にないと判定すると(S120:NO)、次に、昇圧時間tchgがtmin以下であるか否かを判定する(S130)。そして、昇圧時間tchgがtmin以下でないと判定すると(S130:NO)、昇圧時間tchgはtmax以上であると判断するとともにコンデンサC10は異常であると判断して(図5のE2)、コンデンサC10が異常であることを表す異常情報を、RAMにおける所定の格納領域に格納する(S160)。
一方、昇圧時間tchgがtmin以下であると判定すると(S130:YES)、次に、ECU内部温度Tecuを検出する。このECU内部温度Tecuは、ECU100に設けられた温度センサH01(図1参照)により検出され、マイコン130に出力される。なお、ECU内部温度Tecuは、前述したように、コンデンサC10の周囲温度として検出されるものである。
そして、ECU内部温度Tecuが、コンデンサC10が正常動作可能な温度領域の下限温度であるTcontよりも小さいか否かを判定し(S150)、小さいと判定すると(S150:YES、図5のE4)、コンデンサC10の正常或いは異常を判断しないこととし、そのまま規定の処理へ移行する。つまり、この場合のS140及びS150では、コンデンサC10の昇圧時間tchgが正常範囲内にないのは、コンデンサC10の劣化等の異常が原因ではなく、コンデンサC10の周囲温度が低いためにコンデンサC10の特性が変化したことが原因であると判断し、この場合には、コンデンサC10について、正常であるか異常であるかは判断しないこととしている。
一方、S150の処理にてECU内部温度Tecuが下限温度Tcont以上であると判定すると(S150:NO、図5のE3)、コンデンサC10の周囲温度はコンデンサC10が正常動作可能な温度領域のものであると判断するとともに、コンデンサC10は異常であると判断して、その旨を表す異常情報をRAMの所定の格納領域に格納する(S160)。
また、S120にて昇圧時間tchgが正常範囲内(tmin<tchg<tmax)にあると判定すると(S120:YES、図5のE1)、コンデンサC10は正常であると判断し、RAMの所定の格納領域をクリアする(S170)。
さらに、本実施形態においては、コンデンサC10の異常が検出されると、各気筒における燃料噴射の実施を制限するようになっている。以下、この点について、図7のフローチャートを用いて説明する。
図7は、マイコン130にて実施される噴射制限処理の流れを表すフローチャートである。
この噴射制限処理においては、まずエンジン回転数Ne、アクセル開度ACC、エンジンの冷却水温THWなど、各種センサにて検出されるエンジンの運転情報に基づいて、燃料の噴射量及び噴射段数を設定する処理を行う(S210)。噴射段数について、具体的には、メイン噴射に加え、プレ噴射、パイロット噴射、アフター噴射、ポスト噴射の実施を適宜設定する。
そして、次に、図6のS160の処理にてRAMに記憶された異常情報に基づき、コンデンサC10に異常があるか否かを判定する(S220)。つまり、RAMに異常である旨の情報が記憶されていれば、コンデンサC10は異常であると判定し、逆に、異常である旨の情報が記憶されていなければ、コンデンサC10は異常でないと判定する。
そして、コンデンサC10は異常でないと判定すると(S220:NO)、噴射量及び噴射段数は、S210において設定した設定値とする(S230)。
一方、コンデンサC10は異常であると判定すると(S220:YES)、噴射段数に関して、燃料噴射をメイン噴射に限定する処理を行う(S240)。
また、燃料噴射をメイン噴射に限定した後、燃焼ガスに含まれる粒子状物質を捕集する前述のフィルタに堆積したその粒子状物質の量(以下、PM堆積量と言う)を検出するとともに、その検出したPM堆積量が規定量より大きいか否かを判定する(S250)。PM堆積量の検出について、具体的には、前述したように、差圧センサにより検出されるフィルタの前後の圧力差から、PM堆積量を検出する。そして、PM堆積量が規定量より大きいと判定すると(S250:YES)、その粒子状物質を強制燃焼させるためのポスト噴射を実施するよう設定する(S260)。
そして、次に、車両の運転手に対して、コンデンサC10に異常が生じた旨(実際には、燃料噴射動作、或いはエンジンに異常が生じた旨)の警告を表示する(S270)。これにより、運転手は徐行運転をしたり運転を中止したりするなどの対応をとることができるので、交通の混乱を未然に防止することができる。
なお、PM堆積量が規定量以下であると判定された場合には(S250:NO)、そのまま前述した警告を表示する処理(S270)へ進む。
なお、本実施形態においては、昇圧回路50が高電圧生成手段に相当し、電磁弁101〜104がインジェクタに相当し、トランジスタT10〜T40,トランジスタT12,T22及び駆動制御回路120が放電手段に相当し、検出回路60a,60b及びマイコン130における時間異常検出処理が異常検出手段に相当し、噴射制限処理におけるS220〜S260の処理が噴射制限手段に相当し、温度センサH01が温度検出手段に相当し、S250の処理がPM量検出手段に相当している。
以上説明したように、本実施形態の燃料噴射制御装置によれば、エンジンに燃料を供給する電磁弁101〜104に対し開弁のためのピーク電流を供給するコンデンサC10,C20について、劣化やリークの増大といったような、複数回の燃料噴射の実施を可能とするのに必要とされる十分な電荷を蓄積できなくなる異常を検出することができる。しかも、コンデンサC10,C20の性能が低下する特定の低温領域においては、そのコンデンサC10,C20の異常の有無は判定しないため、より正確に前述したような異常を検出できるようになっている。
そして、コンデンサC10,C20の異常が検出された場合には、多段噴射(ここでは、プレ噴射、パイロット噴射、メイン噴射、アフター噴射、及びポスト噴射)のうち、基本的には、エンジンを作動させるためメイン噴射以外の燃料噴射を制限するようになっている。これは、上記各噴射のうち、少なくともエンジンを作動させるメイン噴射は、車両の運行に必要なためである。よって、コンデンサC10,C20に前述したような異常が生じた場合でも、エンジンの作動、つまり車両の運行を継続させることができる。
そして更に、燃焼後に生成され、フィルタに堆積する粒子状物質の量(PM堆積量)を検出し、そのPM堆積量が規定量より大きい場合には、その粒子状物質を強制燃焼させるためのポスト噴射について、その実施を制限しないようになっている。これは、フィルタにおけるPM堆積量が大きくなると、エンジンの作動に支障をきたすだけでなく、環境にも悪影響を及ぼすことになるためである。よって、ポスト噴射の実施を制限しないことにより、エンジンの作動が継続されることをより確実にし、環境にも配慮したものとなる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の燃料噴射制御装置について説明する。この第2実施形態の燃料噴射制御装置は、第1実施形態の燃料噴射制御装置と比較して、図1における検出回路60a,60bの構成が異なっている。なお、検出回路60a,60b以外のハードの構成は同じであり、以下、同じ記号を用いるものとする。また、本第2実施形態においては、コンデンサC10,C20のピーク電流供給時における放電電圧値から、そのコンデンサC10,C20の異常の有無を判定するようになっている。以下、異なる部分についてのみ説明する。
まず、検出回路60a,60bについて、図8を用いて説明する。図8に示すように、本第2実施形態の検出回路60a,60bは、第1実施形態の検出回路60a,60bと比較して、分圧回路61のみから構成されている。そして、分圧回路61により分圧されたコンデンサC10,C20の電圧VCは、マイコン130が備えるADポートに出力される。
次に、本第2実施形態におけるコンデンサC10,C20の異常の有無を検出する処理について、図9を用いて説明する。なお、ここでの異常とは、第1実施形態と同様、複数回の燃料噴射の実施を可能とするのに必要とされる十分電荷を蓄積できなくなる異常のことである。また、ここでは、コンデンサC10についてのみ説明するが、C20についても同様である。
図9において、前述したように、マイコン130から駆動制御回路120への第1気筒#1の噴射指令信号S#1が、コイル101aへの通電オフ(噴射停止)を示すローから通電オン(噴射実施)を示すハイになると、駆動制御回路120は、トランジスタT10をオンし、それと同時にトランジスタT12もオンさせる。
すると、コイル101aには、コンデンサC10の放電により、電磁弁101を速やかに開弁させるための大電流(ピーク電流)が流れる。そして、ピーク電流がその目標電流値Ipになるまで、コンデンサC10が放電される。また、このIpは予め定められた一定の値である。そのため、ピーク電流Ipをコイル101aに流すためにコンデンサC10から放電される電荷量は、ほぼ一定である。
そして、本第2実施形態においては、マイコン130は、コンデンサC10について、放電前(T12がオンされる直前)の電圧と、放電後(T12がオフされた直後)の電圧とを検出回路60aを介して検出し、その差を、電圧低下量ΔVとして計測する電圧差計測処理を実施するようになっている。尚、実際には、検出回路60aの分圧回路61により分圧された電圧を検出し、その差を計測する。そして、その計測した電圧低下量ΔVはRAMに記憶される。
ここで、例えば、コンデンサC10が劣化してその静電容量が減少している、つまり、蓄積できる電荷量が減少している場合、その蓄積可能な電荷量に対する放電電荷量の割合は大きくなることになる。そしてこの場合には、電圧低下量ΔVは大きくなると考えられる。また、リークが生じている場合においても、そのリークによりコンデンサC10のエネルギーが消失するため、電圧低下量ΔVは大きくなる。
また、例えば、コンデンサC10に充放電しにくくなるような異常が生じた場合には、放電時の電圧低下量ΔVは小さくなる。
本第2実施形態においては、このようなコンデンサC10の特性を利用して、そのコンデンサC10の異常の有無を判定できるようになっている。なお、図9において、V1は、コンデンサC10の正常時における電圧低下量ΔVを表し、V2は、コンデンサC10の異常時における電圧低下量ΔVを表している。
ところで、コンデンサC10(本実施形態においては、アルミ電解コンデンサ)は、周囲温度によってその特性が大きく変化することが考えられる。具体的には、コンデンサC10が動作する周囲温度が、規定温度よりも低い低温領域にある場合に、そのコンデンサC10の静電容量は大きく減少する場合がある。そのため、コンデンサC10が正常なものであっても、放電時の電圧低下量ΔVは、図9のV2で表される電圧低下量ΔVとなることが考えられるため、コンデンサC10の異常の有無は判断できない、或いは判断すべきでないと言える。そこで、本第2実施形態においては、コンデンサC10の異常の有無を判定する際、図10に示すような判定テーブルを用いている。
図10は、電圧低下量ΔVとECU内部温度Tecuとを基準とした判定テーブルである。図10に示すように、電圧低下量ΔVが予め定められた正常範囲内(Vmin<ΔV<Vmax)にあれば(E5)、コンデンサC10は、ECU内部温度Tecu、つまり、コンデンサC10の周囲温度に関係なく、正常であるということが言える。ここで、Vminは正常範囲における下限値であり、Vmaxは上限値である。また、電圧低下量ΔVがVmin以下であれば(E6)、コンデンサC10はECU内部温度Tecuに関係なく異常(断線異常の場合もある)であると言える。そして、電圧低下量ΔVがVmax以上である場合であって、ECU内部温度Tecuが規定温度Tcont以上であれば(E7)、コンデンサC10は異常であると判断できるが、ECU内部温度Tecuが規定温度Tcontより小さければ(E8)、コンデンサC10の異常の有無は判断できない(判断すべきでない)。これは、異常(ここでは、静電容量の減少)の原因が、コンデンサC10の劣化であるか、或いは周囲温度が低いことによるコンデンサC10の一時的な特性の変化であるかが分からないためである。
次に、マイコン130にて実施される処理であって、コンデンサC10の異常の有無を電圧低下量ΔVに基づき検出する電圧異常検出処理について、図11のフローチャートを用いて説明する。この電圧異常検出処理は、マイコン130に備えられたCPU又は専用の論理回路によって実施される。
図11に示す電圧異常検出処理は、図6に示す時間異常検出処理と比較して、図6におけるS110,S120及びS130の処理が異なっている。以下、異なる部分についてのみ説明する。
図11に示す電圧異常検出処理では、マイコン130は、まず、コンデンサC10について、放電前の電圧値と放電後の電圧値との差である電圧低下量ΔVを計測する(S310)。具体的には、前述した電圧差計測処理にて計測してRAMに記憶した電圧低下量ΔVを、そのRAMから読み出す。
そして、その電圧低下量ΔVが正常範囲内(Vmin<VΔ<Vmax)にあるか否かを判定する(S320)。正常範囲内にないと判定すると(S320:NO)、次に、電圧低下量ΔVがVmax以上であるか否かを判定し(S330)、Vmax以上でないと判定すると(S330:NO)、電圧低下量ΔVはVmin以下と判断するとともに、コンデンサC10は異常であると判断することとなる(S160、図10のE6)。
また、S330にて電圧低下量ΔVがVmax以上であると判定すると(S330:YES)、次にS140へ移行することとなる。そして、その後は、図6における処理と同様、ECU内部温度Tecuを測定し(S140)、TecuがTcontよりも小さければ(S150:YES、図10のE8)、コンデンサC10の異常の有無は判断しないこととし、そのまま規定の処理へ移行する。また、TecuがTcont以上であれば(S150:NO、図10のE7)、コンデンサC10は異常であると判断する(S160)。
一方、電圧低下量ΔVが正常範囲内(Vmin<VΔ<Vmax)にあると判定すると(S320:YES、図10のE5)、次にS170へ移行する。
なお、本第2実施形態においては、検出回路60a,60b及びマイコン130にて実施される電圧異常検出処理が異常検出手段に相当している。
本第2実施形態の燃料噴射制御装置によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができるが、コンデンサC10,C20の電圧を検出する検出回路60a,60bにコンパレータを用いないため、その検出回路60a,60bの構成を簡単にできるとともに、コストを抑えることができる。また、マイコン130が備えるADポートを利用するような形態となっており、汎用性が広くなっている。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の燃料噴射制御装置について説明する。この第3実施形態の燃料噴射制御装置は、第1実施形態の燃料噴射制御装置と比較して、図示はしないが、コンデンサC10,C20の周囲温度としてのECU内部温度を検出する温度センサH01が設けられていない点が異なっている。そして、その他のハードの構成は同じであり、以下、同じ記号を用いるものとする。そして本第3実施形態の燃料噴射制御装置においては、ECU100が、車両のエンジンルーム内において、エンジンブロックの近傍に設けられている。そして、マイコン130は、コンデンサC10の周囲温度として、エンジンの冷却水温THWを検出するようになっている。これは、コンデンサC10がエンジンの近傍に設けられている場合、コンデンサC10の周囲温度は、エンジンの冷却水温とほぼ同一と見ることができるためである。
そして、エンジンの冷却水温THWは、そのエンジンの運転情報としてもともとマイコン130に入力されるものであり、本第3実施形態の燃料噴射制御装置によれば、コンデンサC10の周囲温度を検出する温度センサH01のような構成を設けなくてもよく、コストを抑えることができる。
なお、本第3実施形態において、マイコン130における冷却水温THWを検出する処理が温度検出手段に相当している。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態の燃料噴射制御装置について説明する。
図12は、本第4実施形態の燃料噴射制御装置の構成図である。本第4実施形態においては、電磁弁101〜104の代わりに、ピエゾインジェクタP101,P102,P103,P104が設けられている。このピエゾインジェクタP101〜P104は、コンデンサC10,C20が放電されることにより充電されるとともに、充電電圧が規定値に達すると、図示しないピストンが駆動するものである。
そして、コンデンサC10,C20の放電時に過電流が流れることを防止するために、トランジスタT12と端子COM1との間の通電経路にインダクタL13が接続され、トランジスタT22と端子COM2との間の通電経路にはインダクタL23が接続されている。
さらに、本装置では、ピエゾインジェクタP101〜P104の放電用のトランジスタT13,T23が設けられている。トランジスタT13は、一方の出力端子がトランジスタT12と端子COM1との間の通電経路に接続され、他方の出力端子がグランドラインに接続されている。そして、トランジスタT23は、一方の出力端子がトランジスタT22と端子COM2との間の通電経路に接続され、他方の出力端子がグランドラインに接続されている。
以下、本装置の作用について簡単に説明する。なお、ここでは、ピエゾインジェクタP101について説明するが、他のピエゾインジェクタP102〜P104についても同様である。
まず、コンデンサC10には、予め所定のエネルギーが蓄積されている。そして、ピエゾインジェクタP101についての噴射指令信号がオンされると、トランジスタT10がオンされ、さらに、トランジスタT12がオン/オフされる。すると、コンデンサC10が放電され、その放電エネルギーがピエゾインジェクタP101に蓄えられる。
そして、ピエゾインジェクタP101にはピストンを駆動させるための圧電素子が設けられており、そのピエゾインジェクタP101において充電電圧が規定値に達すると、圧電素子が変形してピストンが駆動される。これにより、エンジンに燃料が噴射される。
そして、所定の噴射期間が経過して噴射指令信号がオフされると、トランジスタT10がオフされるとともに、トランジスタT12もオフされる。さらに、トランジスタT13がオン/オフされ、ピエゾインジェクタP101が放電される。すると、圧電素子の変形状態が解除され、ピストンが元の位置に戻り、燃料噴射が停止される。
そして、このような本第4実施形態においても、第1実施形態から第3実施形態と同様の手法を用いて、コンデンサC10,C20の異常の有無を判定し、異常が生じていると判定された場合でも、車両の運行を継続させるようにすることができる。
まず、本第4実施形態において、第1及び第3実施形態と同じ図6の時間異常検出処理を実施して、コンデンサC10,C20の異常の有無を判定するようにできる。また、図7の噴射制限処理を実施して、車両が確実に運行されるようにすることができる。さらに、本第4実施形態の燃料噴射制御装置は、第3実施形態の如く、車両のエンジンルーム内において、エンジンブロックの近傍に設けられてもよい。そして、この場合に、エンジンの冷却水温THWをコンデンサC10,C20の周囲温度として用いることができる。
また、第2実施形態の適用について、ピエゾインジェクタP101〜P104は、開弁に必要な電圧値まで充電されるようになっており、その充電電圧値は、駆動制御回路120がトランジスタT12,T22のオン/オフ回数を制御することで制御される。つまり、コンデンサC10,C20の放電エネルギーは概ね一定であり、コンデンサC10,C20の放電前の電圧と放電後の電圧との差をとった電圧低下量ΔVは概ね一定値となる。
ここで、例えば、コンデンサC10,C20が劣化してその静電容量が減少している、つまり、蓄積できる電荷量が減少している場合、その蓄積可能な電荷量に対する放電電荷量の割合は大きくなることになる。そしてこの場合には、電圧低下量ΔVは大きくなると考えられる。また、リークが生じている場合においても、そのリークによりコンデンサC10,C20のエネルギーが消失するため、電圧低下量ΔVは大きくなる。
また、例えば、コンデンサC10,C20に充放電しにくくなるような異常が生じた場合には、放電時の電圧低下量ΔVは小さくなる。
よって、本第4実施形態においても、第2実施形態と同じ図11の電圧異常検出処理を実施して、電圧低下量ΔVが予め定められた正常範囲内にない場合には、コンデンサC10,C20について、複数回の燃料噴射の実施を可能とするのに必要とされる十分は電荷を蓄積できなくなる異常が生じていると判定することができる。加えて、図7の噴射制限処理を実施して、車両が確実に運行されるようにすることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術範囲内において種々の形態をとることができる。
例えば、上記実施形態においては、ディーゼルエンジンの燃料噴射の制御システムについて説明したが、ガソリンエンジンの燃料噴射の制御システムに適用しても良い。
また、上記実施形態においては、メイン噴射以外の燃料噴射のうち、ポスト噴射の実施は制限しないようになっているが、コンデンサC10,C20の異常の程度、つまり蓄積可能な電荷の減少の程度や運転状況により、プレ噴射、パイロット噴射或いはアフター噴射についても、適宜その実施が制限されないようになる構成としても良い。
また、上記第3実施形態においては、エンジンの冷却水温THWをコンデンサC10,C20の周囲温度としてそのまま利用しているが、冷却水温THWに補正を加えたものを周囲温度としても良い。
実施形態の燃料噴射制御装置の構成図である。 検出回路の構成図である。 燃料噴射制御装置の作用を表すタイムチャートである。 充電電圧と充電時間との関係を表すグラフである。 異常判定の判定テーブルである。 時間異常検出処理の流れを表すフローチャートである。 噴射制限処理の流れを表すフローチャートである。 検出回路の構成図である。 燃料噴射制御装置の作用を表すタイムチャートである。 異常判定の判定テーブルである。 電圧異常検出処理の流れを表すフローチャートである。 実施形態の燃料噴射制御装置の構成図である。
符号の説明
16,17…コンパレータ、50…昇圧回路、60a,60b…検出回路、61…分圧回路、100…電子制御装置(ECU)、101〜104…電磁弁、101a〜104a…コイル、110…充電制御回路、120…駆動制御回路、130…マイコン、C10,C20…コンデンサ、COM1,COM2…端子、D11,D21,D13,D23,D31,D32…ダイオード、H01…温度センサ、INJ1〜INJ4…端子、L00,L13,L23…インダクタ、Lp…電源ライン、R00,R01,R02,R10,R20…抵抗、S#1〜S#4…噴射指令信号、T10〜T40,T11,T21,T12,T22,T13,T23…トランジスタ、VB…バッテリ電圧。

Claims (6)

  1. コンデンサを有し、該コンデンサを充電することにより電源電圧よりも高い所定電圧値の高電圧を生成する高電圧生成手段と、
    前記コンデンサから放電されることにより開弁して、内燃機関へ燃料を噴射するインジェクタと、
    前記コンデンサから前記インジェクタへ放電させる放電手段と、
    を備え、前記インジェクタに対応する内燃機関の気筒について、燃料の吸入から排気までの燃焼の一行程内に複数回の燃料噴射として、前記内燃機関を作動させるための主噴射と、該作動時の燃費向上、排ガス低減、及び騒音低減のための副噴射を実施する燃料噴射制御装置において、
    前記高電圧生成手段により前記コンデンサへの充電が開始された際、該コンデンサの充電電圧が一定電圧値分だけ上昇する充電時間を計測し、該充電時間が、所定時間範囲内にない場合には、そのコンデンサについて、複数回の燃料噴射の実施を可能にするために必要な電荷を蓄積できない異常が生じていると判定する異常検出手段と、
    前記異常検出手段により前記コンデンサの異常が検出されると、前記内燃機関への複数回の燃料噴射のうち副噴射の実施を制限する噴射制限手段と、
    を備えていることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. コンデンサを有し、該コンデンサを充電することにより電源電圧よりも高い所定電圧値の高電圧を生成する高電圧生成手段と、
    前記コンデンサから放電されることにより開弁して、内燃機関へ燃料を噴射するインジェクタと、
    前記コンデンサから前記インジェクタへ放電させる放電手段と、
    を備え、前記インジェクタに対応する内燃機関の気筒について、燃料の吸入から排気までの燃焼の一行程内に複数回の燃料噴射として、前記内燃機関を作動させるための主噴射と、該作動時の燃費向上、排ガス低減、及び騒音低減のための副噴射を実施する燃料噴射制御装置において、
    前記コンデンサの放電前の電圧と放電後の電圧との差を、該コンデンサの放電電圧値として計測し、該放電電圧値が、所定電圧範囲内にない場合には、そのコンデンサについて、複数回の燃料噴射の実施を可能にするために必要な電荷を蓄積できない異常が生じていると判定する異常検出手段と、
    前記異常検出手段により前記コンデンサの異常が検出されると、前記内燃機関への複数回の燃料噴射のうち副噴射の実施を制限する噴射制限手段と、
    を備えていることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の燃料噴射制御装置において、
    前記コンデンサの周囲温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記異常検出手段は、前記温度検出手段により検出される前記コンデンサの周囲温度が、該コンデンサが正常に動作できないような異常温度領域にある場合には、前記コンデンサの異常の有無を判定しないようになっていることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  4. 請求項3に記載の燃料噴射制御装置において、
    前記コンデンサは、前記内燃機関の近傍に設けられ、
    前記温度検出手段は、前記コンデンサの周囲温度として、前記内燃機関の冷却水温を検出するようになっていることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の燃料噴射制御装置において、
    当該燃料噴射制御装置は、前記副噴射を複数回行うようになっており、
    前記噴射制限手段は、前記異常検出手段により前記コンデンサの異常が検出された場合に、前記複数回の副噴射のうちの少なくとも1つの実施を制限するようになっていることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  6. 請求項5に記載の燃料噴射制御装置において、
    前記内燃機関の作動時に燃焼により生成される粒子状物質を捕集するフィルタに堆積した該粒子状物質量を検出するPM量検出手段を備え、
    当該燃料噴射制御装置は、前記PM量検出手段により検出される前記粒子状物質量が規定量より大きいと判定すると、前記複数回の副噴射のうちの少なくとも1つとして、粒子状物質を燃焼させるための副噴射を実施するようになっており、
    前記噴射制限手段は、前記PM量検出手段により検出される前記粒子状物質量が前記所定量以上であると判定すると、前記複数回の副噴射のうち、前記粒子状物質を燃焼させるための副噴射の実施は制限しないようになっていることを特徴とする燃料噴射制御装置。
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