JP2002265706A - 樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

樹脂組成物及びその製造方法

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JP2002265706A
JP2002265706A JP2001062058A JP2001062058A JP2002265706A JP 2002265706 A JP2002265706 A JP 2002265706A JP 2001062058 A JP2001062058 A JP 2001062058A JP 2001062058 A JP2001062058 A JP 2001062058A JP 2002265706 A JP2002265706 A JP 2002265706A
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ethylene
vinyl ester
alkaline earth
ester copolymer
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JP2001062058A
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Minoru Fujita
稔 藤田
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化ビニル樹脂を使用することがなく、成形
物や接着剤として有用な、耐ブロッキング性に優れた樹
脂組成物及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 エチレン−ビニルエステル共重合体
(A)、周期律表の第2族又は第3族の金属を有する炭
酸塩、酸化物、水酸化物から選ばれる少なくとも1種の
無機物微粒子(B)、高級脂肪酸塩(C)、及びアルカ
リ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩(D)(但し、
アルカリ土類金属の炭酸塩、酸化物、水酸化物は除く)
からなる樹脂組成物及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン−ビニル
エステル共重合体、特定の無機物微粒子、高級脂肪酸
塩、及び特定のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類
金属塩からなる樹脂組成物及びその製造方法に関し、更
に詳しくは、塩化ビニル樹脂を使用せずに、耐ブロッキ
ング性に優れる、成形物や接着剤等として有用な樹脂組
成物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、酢酸ビニル等の低級脂肪族カ
ルボン酸ビニルエステルとエチレンとの共重合体、ある
いは更にこれらと少量の塩化ビニルやアクリル酸エステ
ル等の他種モノマーとからなる共重合体は、塩化ビニル
樹脂成形物等の耐衝撃性を改善するための配合剤として
用いられている。
【0003】しかし、かかるエチレン−ビニルエステル
共重合体は、高度の粘着性を有するために、例えば懸濁
重合法によって得られる水性分散液又はそれをろ過して
得られる粒子共重合体も水又はメタノール等の非溶媒液
体で湿潤されている間は非膠着性の粒子状態を保ってい
るが、これをそのまま乾燥するときは容易に相互に膠着
してブロック状となり、該ブロック状はもはや粉砕不可
能となってしまう。
【0004】かかる対策として、ブロッキング防止剤が
用いられ、特公昭44−23623号公報では、エチレ
ン−ビニルエステル共重合体に、ブロッキング防止剤と
して塩基性鉱酸鉛塩、有機錫脂肪酸塩、脂肪酸金属塩又
は脂肪酸アマイドの群から選ばれた1種又は2種以上の
微粉末及びポリ塩化ビニル樹脂の微粉末を混合すること
が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、上記
開示技術では、ブロッキング防止剤としてポリ塩化ビニ
ル樹脂を使用しているため、ポリ塩化ビニル樹脂以外の
分野への展開上ポリ塩化ビニル樹脂の耐熱性が問題とな
り、又、成形物中にポリ塩化ビニル樹脂が含有されるこ
とにより、廃棄処理時に問題が発生する恐れがあり、更
なる改良が求められている。
【0006】そこで、本発明ではこのような背景下にお
いて、塩化ビニル樹脂を使用することなく、耐ブロッキ
ング性に優れた樹脂組成物、及びその製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0007】
【問題点を解決するための手段】しかるに本発明者は、
上記の事情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、エチレン−
ビニルエステル共重合体(A)、周期律表の第2族又は
第3族の金属を有する炭酸塩、酸化物、水酸化物から選
ばれる少なくとも1種の無機物微粒子(B)、高級脂肪
酸塩(C)、及びアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土
類金属塩(D)(但し、アルカリ土類金属の炭酸塩、酸
化物、水酸化物は除く)からなる樹脂組成物が、上記目
的に合致することを見出し、本発明を完成した。
【0008】本発明では、特にエチレン−ビニルエステ
ル共重合体(A)のビニルエステルが酢酸ビニルであっ
て、該共重合体中の酢酸ビニルの含有量が40〜95重
量%で、かつ該共重合体のメルトインデックス(MI)
が0.05〜300g/10分(190℃、2160g
荷重)であることが好ましい。尚、本発明におけるメル
トインデックス(MI)とは、190℃における荷重2
160gの条件で測定される溶融指数(g/10分)の
ことである。
【0009】又、本発明においては、特に湿潤状態のエ
チレン−ビニルエステル共重合体(A)粒子に、無機物
微粒子(B)、高級脂肪酸塩(C)、及びアルカリ金属
塩及び/又はアルカリ土類金属塩(D)(但し、アルカ
リ土類金属の炭酸塩、酸化物、水酸化物は除く)を含有
させる樹脂組成物の製造方法が特に好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明において、エチレン−ビニルエステル共重合
体(A)としては、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、酪酸ビニル等の低級脂肪族カルボン酸ビニ
ルエステルとエチレンとの共重合体、あるいはこれらと
更に少量のアクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、スチレン、ステアリン酸ビニル、炭
素数3以上のα−オレフィン等の他種モノマーが共重合
した共重合体、等が挙げられるが、これらの中でもビニ
ルエステルとして酢酸ビニルを用いることが特に好まし
い。
【0011】かかるエチレン−ビニルエステル共重合体
(A)が、エチレン−酢酸ビニル共重合体である場合、
該共重合体中の酢酸ビニルの含有量が40〜95重量%
であることが好ましく、より好ましくは50〜90重量
%、特に好ましくは50〜85重量%である。かかる酢
酸ビニルの含有量が40重量%未満では結晶性となり、
他樹脂との相溶性が低下し、95重量%を越えると耐水
性、耐熱性が低下し好ましくない。
【0012】又、エチレン−酢酸ビニル共重合体のメル
トインデックス(MI)としては、0.05〜300g
/10分(190℃、2160g荷重)であることが好
ましく、より好ましくは0.05〜250g/10分で
ある。かかるメルトインデックス(MI)が0.05g
/10分未満では流動性の低下を招き、300g/10
分を越えると他の樹脂とブレンドしたときにベタツキが
あり好ましくない。
【0013】本発明においては、上記エチレン−ビニル
エステル共重合体(A)に、無機物微粒子(B)、高級
脂肪酸塩(C)、及びアルカリ金属塩及び/又はアルカ
リ土類金属塩(D)が含有される。かかる無機物微粒子
(B)としては、周期律表の第2族又は第3族の金属を
有する炭酸塩、酸化物、水酸化物から選ばれる少なくと
も1種であればよく、具体例として、Ca、Mg、Z
n、Al、Baの炭酸塩、酸化物、水酸化物等が挙げら
れ、中でも、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸
化マグネシウム、酸化亜鉛、タルク等が好ましく、特に
は炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、タルク等が好
ましく用いられる。
【0014】又、かかる無機物微粒子(B)の平均粒子
径については10μm以下であることが好ましく、より
好ましくは5μm以下である。平均粒子径が10μmを
越えるとブロッキングの防止効果が得難く好ましくな
い。
【0015】かかる無機物微粒子(B)の含有量は、エ
チレン−ビニルエステル共重合体(A)100重量部に
対して、5〜100重量部であることが好ましく、より
好ましくは5〜50重量部、特に好ましくは10〜50
重量部である。かかる含有量が5重量部未満ではブロッ
キング防止効果が得難く、100重量部を越えると過剰
となり取り扱い時に粉塵がたち好ましくない。
【0016】高級脂肪酸塩(C)としては、特に限定さ
れないが、炭素数8〜22の高級脂肪酸塩のCa、M
g、Zn、Al、Baの塩から選ばれる少なくとも1種
であることが好ましく、具体例として、ステアリン酸、
ラウリン酸、リシノール酸のCa塩、Mg塩、Zn塩、
Al塩、Ba塩等が挙げられ、中でも、ステアリン酸カ
ルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウ
ムが安価に入手できる点で好ましく用いられる。
【0017】又、かかる高級脂肪酸塩(C)の平均粒子
径については10μm以下であることが好ましく、より
好ましくは5μm以下である。平均粒子径が10μmを
越えるとブロッキングの防止効果が得難く好ましくな
い。
【0018】かかる高級脂肪酸塩(C)の含有量は、エ
チレン−ビニルエステル共重合体(A)100重量部に
対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、よ
り好ましくは0.1〜5重量部である。かかる含有量が
0.1重量部未満ではブロッキング防止効果が得難く、
10重量部を越えると他樹脂とブレンドしたときブリー
ドアウトし好ましくない。
【0019】アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金
属塩(D)(但し、アルカリ土類金属の炭酸塩、酸化
物、水酸化物は除く)としては、例えば、硫酸塩、亜硫
酸塩、硝酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、炭酸塩、酸化
物、塩化物から選ばれる少なくとも1種であることが好
ましく、中でも、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、
リン酸ナトリウム、リン酸1水素ナトリウム、リン酸2
水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫
酸亜鉛、亜硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、リン酸亜鉛、硫酸水素
カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸水素2カリウム、
亜リン酸水素2カリウム、硝酸カルシウム、リン酸水素
カルシウム、塩化カルシウム等が好ましく、特には硫酸
ナトリウム、リン酸亜鉛、硝酸カルシウム、リン酸水素
カルシウム、塩化カルシウムが好ましく用いられる。
【0020】かかるアルカリ金属塩及び/又はアルカリ
土類金属塩(D)の含有量については、エチレン−ビニ
ルエステル共重合体(A)に対して金属換算で200〜
5000ppmであることが好ましく、より好ましくは
300〜3000ppmである。
【0021】これらアルカリ金属塩及び/又はアルカリ
土類金属塩(D)をエチレン−ビニルエステル共重合体
(A)に含有させるに当たっては、水溶液として含浸さ
せることが好ましく、又、2種以上の金属塩(D)を使
用するに当たっては予め混合した水溶液にして使用する
こともできるが、水に難溶性の塩が析出する場合もある
ため、各々の水溶液として使用することが好ましい。含
浸させるに当たっては、エチレン−ビニルエステル共重
合体(A)を上記水溶液に浸漬したり、エチレン−ビニ
ルエステル共重合体(A)に上記水溶液を噴霧したりす
るなどの方法が用いられる。
【0022】本発明では、無機物微粒子(B)と高級脂
肪酸塩(C)、及びアルカリ金属塩及び/又はアルカリ
土類金属塩(D)をそれぞれ一定の割合で併用すること
により、少量の添加量で効果が得られるものであり、各
々単独では効果が得られない。
【0023】本発明の樹脂組成物は、上記の如きエチレ
ン−ビニルエステル共重合体(A)、無機物微粒子
(B)、高級脂肪酸塩(C)、及びアルカリ金属塩及び
/又はアルカリ土類金属塩(D)から得られるが、かか
る樹脂組成物の製造方法としては、特に限定されない。
中でも特には、湿潤状態のエチレン−ビニルエステル共
重合体(A)粒子に、無機物微粒子(B)、高級脂肪酸
塩(C)、及びアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類
金属塩(D)を含有させることが作業性の点で好まし
い。
【0024】湿潤状態のエチレン−ビニルエステル共重
合体(A)粒子に、無機物微粒子(B)、高級脂肪酸塩
(C)、及びアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金
属塩(D)を含有させる方法としては、特に限定されな
いが、湿潤状態のエチレン−ビニルエステル共重合体
(A)粒子に、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類
金属塩(D)の水溶液を含浸させた後、無機物微粒子
(B)と高級脂肪酸塩(C)を均一に混合した後乾燥す
る方法、湿潤状態のエチレン−ビニルエステル共重合
体(A)粒子と、無機物微粒子(B)と高級脂肪酸塩
(C)を均一に混合し、乾燥した後、アルカリ金属塩及
び/又はアルカリ土類金属塩(D)の水溶液を含浸させ
乾燥する方法、等が好ましく用いられる。
【0025】湿潤状態のエチレン−ビニルエステル共重
合体(A)粒子としては、エチレン−ビニルエステル共
重合体(A)の非溶媒分散液から該共重合体粒子をろ別
する前又はろ別した後の、乾燥前の非溶媒液体によって
湿潤させることが好ましい。
【0026】湿潤状態のエチレン−ビニルエステル共重
合体(A)粒子は、非溶媒液体をエチレン−ビニルエス
テル共重合体(A)に対して3〜30重量%含有してい
ることが好ましく、かかる含有量が3重量%未満ではエ
チレン−ビニルエステル共重合体(A)粒子が膠着し、
30重量%を超えると乾燥が困難となり好ましくない。
【0027】上記の製造方法におけるエチレン−ビニル
エステル共重合体(A)の分散液としては、低級脂肪酸
ビニルエステルとエチレン、あるいは更にこれらと共重
合可能な少量のエチレン性不飽和モノマーとを懸濁重合
法又は乳化重合法によって共重合させて得られる水性分
散液、あるいは溶液重合法によって得られる共重合体の
溶液又は他の任意の方法で得られたブロック状あるいは
ペレット状等の共重合体を有機溶剤に溶解して得られる
溶液を該共重合体の非溶剤媒体中に乳化又は懸濁分散し
て得られる分散液等の何れであってもよい。
【0028】上記の製造方法を実施するに当たっては、
前記の如くして得られるエチレン−ビニルエステル共重
合体(A)の非溶媒分散液に対して直接、又は該分散液
から共重合体微細粒子をろ別した粒子を乾燥する以前の
間、即ち該共重合体(A)粒子がまだその非溶媒液体に
よって充分湿潤している間において、上記の方法では
アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩(D)の
水溶液を含浸させた後、無機物微粒子(B)と高級脂肪
酸塩(C)を均一に混合し、乾燥することが好ましく、
上記の方法では無機物微粒子(B)と高級脂肪酸塩
(C)を均一に混合し、乾燥した後、アルカリ金属塩及
び/又はアルカリ土類金属塩(D)の水溶液を含浸させ
乾燥することが好ましい。
【0029】即ち、上記の製造方法は、前記エチレン−
ビニルエステル共重合体(A)粒子が、水、メタノール
の如き非溶媒液体によって湿潤している間は相互に膠着
することがないという性質を利用して、かかる湿潤状態
下に添加物質を混合した後乾燥することによって、乾燥
粉末を容易に得ることができるのであって、共重合体
(A)粒子を乾燥した後に添加物質を混合するのでは乾
燥時に共重合体(A)粒子が膠着を起こすので粉末にす
ることは困難である。
【0030】以上の如くして、無機物微粒子(B)、高
級脂肪酸塩(C)、及びアルカリ金属塩及び/又はアル
カリ土類金属塩(D)が含有されたエチレン−ビニルエ
ステル共重合体(A)からなる樹脂組成物が得られる
が、かかる樹脂組成物は、乾燥後も軽度の加熱程度では
膠着を起こすことはないが、万一の場合を考慮してその
乾燥に当たってはなるべく高温を避けて常温付近で行う
ことが好ましい。
【0031】かくして本発明の樹脂組成物の粉末、特に
湿潤状態のエチレン−ビニルエステル共重合体(A)粒
子に、周期律表の第2族又は第3族の金属を有する炭酸
塩、酸化物、水酸化物から選ばれる少なくとも1種の無
機物微粒子(B)、高級脂肪酸塩(C)、及びアルカリ
金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩(D)を含有させ
乾燥することによって得られる樹脂組成物の粉末は、塩
化ビニル樹脂を使用することなく、耐ブロッキング性に
優れた効果を示すものであり、各種成形物、接着剤等の
用途に非常に有用なものである。
【0032】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明する。尚、実施例中、「%」とあるのは、特に断わり
のない限り、重量基準を意味する。
【0033】実施例1 [エチレン−ビニルエステル共重合体(A−1)の調
製]内容積10リットルの撹拌式オートクレーブ中に酢
酸ビニルを2000g、イオン交換水4000g、アゾ
ビスイソブチロニトリル(重合触媒)20g、ポリビニ
ルアルコール(重合度2000、ケン化度80モル%)
(分散剤)5g、ポリアクリル酸ナトリウム(分散剤)
5g、四塩化炭素(連鎖移動剤)25gを仕込み、次い
でオートクレーブ中の空気を窒素及びエチレンで置換し
た後、内温を65℃に昇温させ、エチレンを100kg
/cm2まで圧入して10時間懸濁重合を行い、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(A−1)3500gを得、こ
のサスペンジョンをろ過して浴比5のイオン交換水で5
回洗浄、ろ過を繰り返した。得られたエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(A−1)の酢酸ビニル含有量は60.2
%で、メルトインデックス(MI)は124g/10分
(190℃、2160g荷重)であった。
【0034】[樹脂組成物の製造]上記で得られた含水
率8.5%の湿潤状態のエチレン−酢酸ビニル共重合体
(A−1)粒子100gに、1%硫酸ナトリウム水溶液
をエチレン−酢酸ビニル共重合体に対してナトリウム換
算で500ppmになるようにスプレーして含浸させた
後、更に平均粒子径が3.0μmの炭酸カルシウム28
g、平均粒子径6.0μmのステアリン酸カルシウム
0.9gを充分に撹拌混合した後、風乾し、樹脂組成物
を得た。得られた樹脂組成物は白色微粉末であった。
又、耐ブロッキング性を下記の如く評価した。
【0035】(耐ブロッキング性)100ccのメスシ
リンダーに得られた樹脂組成物60gを自然落下させて
充填し、100℃、110℃、120℃で1時間放置し
た後、取り出し室温にて冷却し、その後のブロッキング
状態を観察し、下記の基準で評価した。 ○・・・ブロッキングしない ×・・・ブロッキングする
【0036】実施例2 実施例1において、平均粒子径が3.0μmの炭酸カル
シウム28g、平均粒子径6.0μmのステアリン酸亜
鉛0.9gに変更した以外は同様に行い、樹脂組成物を
得た。得られた樹脂組成物は白色微粉末であった。又、
実施例1と同様に耐ブロッキング性を評価した。
【0037】比較例1 実施例1において、炭酸カルシウムを混合しなかった以
外は同様に行い樹脂組成物を得、実施例1と同様の評価
を行った。
【0038】比較例2 実施例1において、ステアリン酸カルシウムを混合しな
かった以外は同様に行い樹脂組成物を得、実施例1と同
様の評価を行った。
【0039】実施例3 [エチレン−ビニルエステル共重合体(A−2)の調
製]内容積10lの撹拌式オートクレーブ中に酢酸ビニ
ルを2000g、イオン交換水4000g、アゾビスイ
ソブチロニトリル(重合触媒)15g、ポリビニルアル
コール(重合度2000、ケン化度80モル%)(分散
剤)4.8g、ポリアクリル酸ナトリウム(分散剤)
4.8gを仕込み、次いでオートクレーブ中の空気を窒
素及びエチレンで置換した後、内温を65℃に昇温さ
せ、エチレンを94kg/cm2まで圧入して10時間
懸濁重合を行い、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A−
2)3550gを得、このサスペンジョンをろ過して浴
比5のイオン交換水で5回洗浄、ろ過を繰り返した。得
られたエチレン−酢酸ビニル共重合体(A−2)の酢酸
ビニル含有量は59.4%で、メルトインデックス(M
I)は0.1g/10分(190℃、2160g荷重)
であった。
【0040】[樹脂組成物の製造]上記で得られた含水
率7.2%の湿潤状態のエチレン−酢酸ビニル共重合体
(A−2)粒子100g、平均粒子径が3.0μmの炭
酸カルシウム23g、平均粒子径6.0μmのステアリ
ン酸カルシウム0.8gを充分に撹拌混合した後、風乾
し、更に5%硫酸ナトリウム水溶液をエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体に対してナトリウム換算で500ppmに
なるようにスプレーして含浸させた後、風乾して樹脂組
成物を得た。得られた樹脂組成物は白色微粉末であっ
た。又、実施例1と同様に耐ブロッキング性を評価し
た。
【0041】比較例3 実施例3において、炭酸カルシウムを混合しなかった以
外は同様に行い樹脂組成物を得、実施例1と同様の評価
を行った。
【0042】比較例4 実施例3において、ステアリン酸カルシウムを混合しな
かった以外は同様に行い樹脂組成物を得、実施例1と同
様の評価を行った。実施例、比較例の評価結果を表1に
示す。
【0043】 注)比較例において、100℃でもブロッキングするた
め、110℃、120℃での評価は特にしなかった。
【0044】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、エチレン−ビニ
ルエステル共重合体(A)、周期律表の第2族又は第3
族の金属を有する炭酸塩、酸化物、水酸化物から選ばれ
る少なくとも1種の無機物微粒子(B)、高級脂肪酸塩
(C)、及びアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金
属塩(D)(但し、アルカリ土類金属の炭酸塩、酸化
物、水酸化物は除く)からなるため、耐ブロッキング性
に優れた効果を示し、各種成形物、接着剤等の用途に非
常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/098 C08K 5/098 C08L 31/04 C08L 31/04

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−ビニルエステル共重合体
    (A)、周期律表の第2族又は第3族の金属を有する炭
    酸塩、酸化物、水酸化物から選ばれる少なくとも1種の
    無機物微粒子(B)、高級脂肪酸塩(C)、及びアルカ
    リ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩(D)(但し、
    アルカリ土類金属の炭酸塩、酸化物、水酸化物は除く)
    からなることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 エチレン−ビニルエステル共重合体
    (A)のビニルエステルが酢酸ビニルであって、該共重
    合体中の酢酸ビニルの含有量が40〜95重量%で、か
    つ該共重合体のメルトインデックス(MI)が0.05
    〜300g/10分(190℃、2160g荷重)であ
    ることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 無機物微粒子(B)がCa、Mg、Z
    n、Al、Baの炭酸塩、酸化物、水酸化物から選ばれ
    る少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は
    2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 無機物微粒子(B)の含有量が、エチレ
    ン−ビニルエステル共重合体(A)100重量部に対し
    て、5〜100重量部であることを特徴とする請求項1
    〜3いずれか記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 高級脂肪酸塩(C)が、炭素数8〜22
    の高級脂肪酸塩のCa、Mg、Zn、Al、Baの塩か
    ら選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求
    項1〜4いずれか記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 高級脂肪酸塩(C)の含有量が、エチレ
    ン−ビニルエステル共重合体(A)100重量部に対し
    て、0.1〜10重量部であることを特徴とする請求項
    1〜5いずれか記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 無機物微粒子(B)の平均粒子径が10
    μm以下、高級脂肪酸塩(C)の平均粒子径が10μm
    以下であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載
    の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類
    金属塩(D)(但し、アルカリ土類金属の炭酸塩、酸化
    物、水酸化物は除く)が、硫酸塩、亜硫酸塩、硝酸塩、
    リン酸塩、亜リン酸塩、炭酸塩、酸化物、塩化物から選
    ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1
    〜7いずれか記載の樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類
    金属塩(D)(但し、アルカリ土類金属の炭酸塩、酸化
    物、水酸化物は除く)の含有量が、エチレン−ビニルエ
    ステル共重合体(A)に対して、金属換算で200〜5
    000ppmであることを特徴とする請求項1〜8いず
    れか記載の樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9いずれか記載の樹脂組成
    物を製造するにあたり、湿潤状態のエチレン−ビニルエ
    ステル共重合体(A)粒子に、無機物微粒子(B)、高
    級脂肪酸塩(C)、及びアルカリ金属塩及び/又はアル
    カリ土類金属塩(D)(但し、アルカリ土類金属の炭酸
    塩、酸化物、水酸化物は除く)を含有させることを特徴
    とする樹脂組成物の製造方法。
  11. 【請求項11】 湿潤状態のエチレン−ビニルエステル
    共重合体(A)粒子に、アルカリ金属塩及び/又はアル
    カリ土類金属塩(D)(但し、アルカリ土類金属の炭酸
    塩、酸化物、水酸化物は除く)の水溶液を含浸させた
    後、無機物微粒子(B)と高級脂肪酸塩(C)を均一に
    混合した後乾燥することを特徴とする請求項10記載の
    樹脂組成物の製造方法。
  12. 【請求項12】 湿潤状態のエチレン−ビニルエステル
    共重合体(A)粒子に、無機物微粒子(B)と高級脂肪
    酸塩(C)を均一に混合し、乾燥した後、アルカリ金属
    塩及び/又はアルカリ土類金属塩(D)(但し、アルカ
    リ土類金属の炭酸塩、酸化物、水酸化物は除く)の水溶
    液を含浸させ乾燥することを特徴とする請求項10記載
    の樹脂組成物の製造方法。
  13. 【請求項13】 エチレン−ビニルエステル共重合体
    (A)の非溶媒分散液から該共重合体粒子をろ別する前
    又はろ別した後の、乾燥前の非溶媒液体によって湿潤状
    態にさせたエチレン−ビニルエステル共重合体(A)粒
    子を用いることを特徴とする請求項10〜12いずれか
    記載の樹脂組成物の製造方法。
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KR102606493B1 (ko) * 2015-09-17 2023-11-28 다우 글로벌 테크놀로지스 엘엘씨 감소된 발화 민감도를 가진 폴리머 코팅물 조성물

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