JP2002265505A - 反応性界面活性剤 - Google Patents

反応性界面活性剤

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JP2002265505A JP2001065201A JP2001065201A JP2002265505A JP 2002265505 A JP2002265505 A JP 2002265505A JP 2001065201 A JP2001065201 A JP 2001065201A JP 2001065201 A JP2001065201 A JP 2001065201A JP 2002265505 A JP2002265505 A JP 2002265505A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 環境に対する影響が大きいとされるノニルフ
ェニル基等のフェニルエーテル基を含有せず、フェニル
エーテル基を含有する反応性界面活性剤と同等の性能を
有する界面活性剤を提供すること。 【解決手段】 下記の一般式(1)又は(2) [Rは分岐脂肪族炭化水素基又は2級脂肪族炭化水素
基、Rはアルキレン基、RはHまたはメチル基、A
O及びAO′はC2〜C4のオキシアルキレン基、Mは
H、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウム
(但し、アルカリ土類金属は1/2)、m及びnは0〜
100の数、a及びbは0又は1の数。]で表わされる
反応性界面活性剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分岐の脂肪族炭化
水素基又は2級の脂肪族炭化水素基を有する反応性の界
面活性剤、及びその具体的用途に関する。
【0002】
【従来の技術】界面活性剤とは乳化、分散、洗浄、湿
潤、起泡等の幅広い性能を有している。それらの諸性能
を利用して、従来から繊維をはじめとし、紙、ゴム、プ
ラスチック、金属、塗料、顔料、土木建築等あらゆる分
野に利用されている。特に最近は界面活性剤を使用した
末端商品の高性能化への動きが活発化してきており、そ
れに伴って、界面活性剤が有する副次的な欠点も指摘さ
れている。
【0003】例えば、界面活性剤は塗料、印刷インキ、
接着剤等ではその製品の製造時、或いは製品の安定化、
更には作業性等の点で欠かすことができない成分として
製品中に含有されている。それら界面活性剤を含む製品
が、塗布、印刷、接着或いは粘着等の作業で現実に使用
される場合は、本来界面活性剤は不要であり、むしろ存
在している界面活性剤によって、塗膜、印刷面、接着皮
膜等の耐水性、耐油性等の性能を悪化させる場合が多
い。
【0004】また、乳化重合によってポリマーを製造す
る際に使用される乳化重合用乳化剤は、重合の開始反応
や成長反応に関与するだけでなく、生成したエマルジョ
ンの機械安定性、化学的安定性、凍結安定性及び貯蔵安
定性等にも関与し、更にエマルジョンの粒子径、粘性及
び起泡性等のエマルジョン物性、フィルム化した時の耐
水性、耐候性、接着性、耐熱性等のフィルム物性にも大
きな影響を及ぼすことが知られている。この場合の問題
点として、存在している乳化剤により、乳化重合したエ
マルジョンの泡立ちが多くなること、接着性、耐水性、
耐候性、耐熱性等のフィルム物性の低下等が指摘されて
いる。また、懸濁重合によって製造されたポリマーにお
いても、懸濁重合用分散剤による同様の現象が指摘され
ている。
【0005】これらの問題は、界面活性剤がポリマー中
にフリーで残存することに起因するものである。フリー
の界面活性剤を減らす方法として、重合時又は成形時に
ポリマーと反応して結合してしまいポリマー中にフリー
で残存しないような界面活性剤、いわゆる反応性界面活
性剤(重合性界面活性剤とも言う)が開発されている。
【0006】反応性界面活性剤については多くの構造が
提案されているが、その疎水基に注目すると、例えば、
特公昭49−46291号公報、特開昭58−2039
60号公報では、炭化水素基を有するスルホコハク酸エ
ステル;特開昭62−100502号公報、特開昭63
−23725号公報、特開平4−50202号公報、及
び特開平4−50204号公報等では、アリル基又はプ
ロペニル基を有する炭化水素置換フェノールのアルコキ
シレート;特開昭62−104802号公報等では、炭
化水素基又はアシル基を有するグリセリン誘導体のアル
コキシレート;特開昭62−11534号公報では、ホ
ルムアルデヒドで架橋した(置換)フェノールの誘導
体;特開昭63−319035号公報、特開平4−50
204号公報等では、疎水基としてα−オレフィンオキ
シド由来のアルキル基等が挙げられる。尚、以上の従来
技術では、炭化水素基とは、アルキル基、アルケニル
基、アリール基等を含んでいる。
【0007】こうした反応性界面活性剤の中でも、疎水
基として(置換)フェニルエーテル基を有する反応性界
面活性剤は、乳化性、分散性、重合安定性等が優れてい
るために、多く使用されている。しかし、近年、ノニル
フェノールが生物に対し擬似ホルモン作用を発現し、内
分泌系を撹乱する作用があるのではないかという、いわ
ゆるエンドクリン問題の懸念が浮上し、フェニルエーテ
ル基を有する反応性界面活性剤についても代替品が模索
されている。しかし、フェニルエーテル基以外の疎水
基、例えば、アルキル基、アルケニル基等を有する反応
性界面活性剤は、フェニルエーテル基を有する反応性界
面活性剤よりも乳化性、分散性、重合安定性等の性能が
劣るという欠点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは鋭意
検討し、疎水基として分岐の脂肪族炭化水素基を有する
反応性界面活性剤が、フェニルエーテル基を有する反応
性界面活性剤と同等の性能を有し、しかも環境に対する
悪影響が殆どないことを見い出し本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記の一般式(1)又は(2) {式中、R1は分岐脂肪族炭化水素基又は2級脂肪族炭
化水素基を表わし、R2はアルキレン基を表わし、R3
水素原子はメチル基を表わし、AO及びAO’は炭素数
2〜4のオキシアルキレン基を表わし、Mは水素原子、
アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はアンモニ
ウム(但し、アルカリ土類金属原子は1/2)を表わ
し、m及びnは0〜100の数を表わし、a及びbは0
又は1の数を表わす。}で表わされる反応性界面活性剤
である。また、本発明は、一般式(1)又は(2)で表
わされる反応性界面活性剤からなる乳化重合用乳化剤、
懸濁重合用分散剤又は樹脂改質剤である。
【0009】
【発明の実施の形態】一般式(1)において、R1は分
岐脂肪族炭化水素基又は2級脂肪族炭化水素基を表わ
す。分岐脂肪族炭化水素基又は2級脂肪族炭化水素基
は、対応する分岐アルコールの残基又は2級アルコール
の残基である。このような分岐の脂肪族アルコールとし
ては、例えば、イソブタノール、ターシャリブタノー
ル、イソペンタノール、ネオペンタノール、ターシャリ
ペンタノール、イソヘキサノール、2−メチルペンタノ
ール、イソヘプタノール、イソオクタノール、2−エチ
ルヘキサノール、イソノナノール、3,4,4−トリメ
チルヘキサノール、イソデカノール、2−プロピルヘプ
タノール、イソウンデカノール、イソドデカノール、2
−ブチルオクタノール、イソトリデカノール、イソテト
ラデカノール、イソミリスチルアルコール、2−ペンチ
ルノナノール、イソペンタデカノール、イソヘキサデカ
ノール、イソパルミチルアルコール、2−ヘキシルデカ
ノール、イソヘプタデカノール、イソオクタデカノー
ル、イソステアリルアルコール、2−ヘプチルウンデカ
ノール、イソノナデカノール、イソエイコサノール、2
−オクチルドデカノール、2−ノニルトリデカノール、
2−デシルテトラデカノール、2−ウンデシルペンタデ
カノール、2−ドデシルヘキサデカノール、2−トリデ
シルヘプタデカノール、2−テトラデシルオクタデカノ
ール、2−ペンタデシルノナデカノール、2−ヘキサデ
シルエイコサノール、1,1−ジメチル−2−プロペノ
ール、3−メチル−3−ブテノール、3−メチル−2−
ブテノール、イソヘキセノール、イソヘプテノール、イ
ソオクテノール、イソノネノール、イソデセノール、イ
ソウンデセノール、イソドデセノール、イソトリデセノ
ール、イソテトラデセノール、イソペンタデセノール、
イソヘキサデセノール、イソヘプタデセノール、イソオ
クタデセノール、イソオレイルアルコール、イソノナデ
セノール、イソエイコセノール等が挙げられる。
【0010】また、このような脂肪族2級アルコールと
しては、例えば、イソプロパノール、2−ブタノール、
2−オクタノール、2級デカノール、2級ウンデカノー
ル、2級ドデカノール、2級トリデカノール、イソトリ
デカノール、2級テトラデカノール、2級ペンタデカノ
ール、2級ヘキサデカノール、2級ヘプタデカノール、
2級オクタデカノール等が挙げられる。
【0011】こうした分岐脂肪族炭化水素基又は2級脂
肪族炭化水素基の中でも、炭素数が8〜36のものが好
ましく、10〜28のものがより好ましい。また、分岐
の多いものほど、一般式(1)又は一般式(2)で表わ
される反応性界面活性剤の乳化性、分散性、重合安定性
等が向上するので好ましく、特に、分子内に3個以上の
メチル基を有するものが好ましい。このような多数の分
岐を有する炭化水素基の中には、例えば、市販のイソト
リデカノールのように、多数の構造異性体の混合物の場
合もあり、これらについてはプロトンNMR等の分光化
学的分析方法により、分子内のメチル基の数を測定する
ことができる。
【0012】一般式(1)又は(2)において、下記の
一般式(3) で表わされる部分は反応基を表わし、R2はアルキレン
基を表わし、R3は水素原子又はメチル基を表わす。ア
ルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、プ
ロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、
オクテン、ノネン、デセン等を挙げることができ、原料
の入手の容易さから、メチレン、エチレンが好ましい。
【0013】また、(AO)m及び(AO’)nの部分
は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレン
オキシド、テトラヒドロフラン(1,4−ブチレンオキ
シド)等の炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加重
合する等の方法により得ることができる。(AO)m
び(AO’)nが、アルキレンオキシドの付加重合によ
り形成される場合は、付加させるアルキレンオキシド等
によりAO及びAO’が決定される。付加させるアルキ
レンオキシド等の重合形態は限定されず、1種類のアル
キレンオキシドの単独重合、2種類以上のアルキレンオ
キシドのランダム共重合、ブロック共重合又はランダム
/ブロック共重合等のいかなる形態であってよい。AO
及びAO’としては、オキシエチレン基又はオキシプロ
ピレン基が好ましく、オキシエチレン基が更に好まし
い。(AO)m又は(AO’)nが2種類以上のアルキレ
ンオキシドの共重合により形成される場合は、その一方
はエチレンオキシドであることが好ましい。この場合、
(AO)m又は(AO’)n中のオキシエチレン基の割合
は、50重量%以上であることが更に好ましい。重合度
m及びnは0〜100の範囲の数であり、好ましくは0
〜20、より好ましくは0〜10、更に好ましくは0〜
5である。
【0014】一般式(1)又は(2)において、a及び
bは0又は1の数である。また、Mは水素原子;リチウ
ム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子;マグ
ネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属原子(但
し、アルカリ土類金属原子は通常2価であるから、1/
2)、又はアンモニウムを表わす。アンモニウムとして
は、例えば、アンモニアのアンモニウム;モノメチルア
ミン、ジプロピルアミン等のアルキルアミンのアンモニ
ウム;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン等のアルカノールアミンのアンモニ
ウム等が挙げられる。
【0015】一般式(1)又は(2)で表わされる反応
性界面活性剤の製造方法は、種々の方法があり、特に限
定されないが、副生成物が少なく好ましい製造方法とし
ては、例えば、下記の一般式(4) で表わされるマレイン酸ジエステルを中間体として、そ
れをスルホン化する方法が挙げられる。この方法により
製造する場合は、一般式(1)で表わされる化合物及び
一般式(2)で表わされる化合物の混合物が製造され
る。
【0016】一般式(4)で表わされるマレイン酸ジエ
ステルは、a及びbが0の場合には、例えば、無水マレ
イン酸1モルに対して、HO−(AO)m−R1で表わさ
れるアルコール1モルを反応させてマレイン酸部分エス
テルとした後、下記の一般式(5) で表わされるアルコール1モルを反応させることにより
得ることができる。
【0017】aが0でbが1の場合には、例えば、前記
マレイン酸部分エステル1モルに、下記の一般式(6) で表わされるグリシジルエーテル1モルを反応させるこ
とにより得ることができる。
【0018】また、aが1でbが0の場合には、例え
ば、無水マレイン酸1モルに対して、前記一般式(5)
で表わされるアルコール1モルを反応させてマレイン酸
部分エステルとした後、下記の一般式(7) で表わされるグリシジルエーテル1モルを反応させるこ
とにより得ることができる。
【0019】a及びbが1の場合には、例えば、マレイ
ン酸1モルに対して、一般式(7)で表わされるグリシ
ジルエーテル1モルを反応させてマレイン酸部分エステ
ルとした後、一般式(7)で表わされるグリシジルエー
テル1モルを反応させることにより得ることができる。
【0020】マレイン酸の部分エステル化及びジエステ
ル化の反応において、反応温度は、必要に応じて、50
〜150℃の範囲の適当な温度を選択すればよい。触媒
を用いる場合は、塩基触媒が好ましく、テトラブチルブ
ロマイド、トリエチルベンジルアンモニウムクロラマイ
ド等の4級アンモニウム塩が更に好ましい。
【0021】一般式(4)で表わされるマレイン酸ジエ
ステルのスルホン化剤としては、例えば、酸性亜硫酸ナ
トリウム、酸性亜硫酸カリウム、酸性亜硫酸アンモニウ
ム、酸性亜硫酸カルシウム、酸性亜硫酸マグネシウム、
メタ亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸カリウム、メタ亜硫
酸アンモニウム、メタ亜硫酸カルシウム、メタ亜硫酸マ
グネシウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫
酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸マグネシウ
ム等の亜硫酸塩類の場合に選択的にマレイン酸残基のス
ルホン化が起こるので好ましく、酸性亜硫酸塩類が更に
好ましい。一般式(4)で表わされるマレイン酸ジエス
テルと亜硫酸塩類との反応比は、当量で行なってもよい
が、亜硫酸塩類をやや過剰にして反応した方が、スルホ
ン化生成物の収率が向上する場合もある。
【0022】亜硫酸塩類は一般式(4)で表わされるマ
レイン酸ジエステルに溶解しにくく、反応が遅いため、
溶媒として、水を用いることが好ましい。この場合、更
に、反応時間の短縮と収率の向上を図るために、水に溶
解する有機溶媒を用いてもよい。こうした有機溶媒とし
ては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール等のアルコール類;アセトン、エチルメチルケトン
等のケトン類;ジオキサン、エチレングリコールジメチ
ルエーテル等のエーテル類が挙げられる。スルホン化の
反応温度は、30〜150℃が好ましく、50〜120
℃が更に好ましい。反応は常圧下で行なってもよいが、
0.1〜0.5MPa程度の加圧下で行なってもよい。
【0023】尚、一般式(4)で表わされるマレイン酸
ジエステルを合成する反応、及びそのスルホン化におい
ては、反応性基の重合が起こる場合があることから、重
合を禁止するため公知の重合禁止剤、例えば、ハイドロ
キノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガノ
ール、カテコール、フェノチアジン等の存在下で行うこ
とが好ましい。
【0024】本発明の界面活性剤は、従来、フェニルエ
ーテル基を有する反応性界面活性剤が用いられてきた用
途、即ち、乳化重合用乳化剤、懸濁重合用分散剤、樹脂
用改質(撥水性向上、親水性調節、相溶性向上、帯電防
止性向上、防曇性向上、耐水性向上、接着性向上、染色
性向上、造膜性向上、耐候性向上、耐ブロッキング性向
上等)剤、繊維加工助剤、無滴剤、繊維防汚加工剤等に
使用することができる。また、特開平10−12071
2号公報のような共重合体型界面活性剤の原料、特開平
6−65379号公報のような界面活性剤変性オルガノ
ポリシロキサンの原料等としても使用することができ
る。
【0025】本発明の界面活性剤を乳化重合用乳化剤と
して使用する場合は、従来公知の乳化重合用乳化剤の通
常の使用量の範囲で任意に使用することができるが、概
ね原料モノマーに対して、好ましくは0.1〜20質量
%、更に好ましくは0.2〜10質量%使用することが
できる。また、本発明の乳化重合用乳化剤と他の反応性
又は非反応性乳化剤との併用も可能である。また、乳化
重合するモノマーに特に制限はないが、好ましくはアク
リレート系エマルジョン、スチレン系エマルジョン、酢
酸ビニル系エマルジョン、SBR(スチレン/ブタジエ
ン)エマルジョン、ABS(アクリロニトリル/ブタジ
エン/スチレン)エマルジョン、BR(ブタジエン)エ
マルジョン、IR(イソプレン)エマルジョン、NBR
(アクリロニトリル/ブタジエン)エマルジョン等に使
用することができる。
【0026】アクリレート系エマルジョンとしては、例
えば、(メタ)アクリル酸(エステル)同士、(メタ)
アクリル酸(エステル)/スチレン、(メタ)アクリル
酸(エステル)/酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸(エ
ステル)/アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸(エ
ステル)/ブタジエン、(メタ)アクリル酸(エステ
ル)/塩化ビニリデン、(メタ)アクリル酸(エステ
ル)/アリルアミン、(メタ)アクリル酸(エステル)
/ビニルピリジン、(メタ)アクリル酸(エステル)/
(メタ)アクリル酸アルキロールアミド、(メタ)アク
リル酸(エステル)/N,N−ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸(エステ
ル)/N,N−ジエチルアミノエチルビニルエーテル等
が挙げられる。
【0027】スチレン系エマルジョンとしては、スチレ
ン単独の他、例えば、スチレン/アクリロニトリル、ス
チレン/ブタジエン、スチレン/フマルニトリル、スチ
レン/マレインニトリル、スチレン/シアノアクリル酸
エステル、スチレン/酢酸フェニルビニル、スチレン/
クロロメチルスチレン、スチレン/ジクロロスチレン、
スチレン/ビニルカルバゾール、スチレン/N,N−ジ
フェニルアクリルアミド、スチレン/メチルスチレン、
アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン、スチレン/
アクリロニトリル/メチルスチレン、スチレン/アクリ
ロニトリル/ビニルカルバゾール、スチレン/マレイン
酸等が挙げられる。
【0028】酢酸ビニル系エマルジョンとしては、酢酸
ビニル単独の他、例えば、酢酸ビニル/スチレン、酢酸
ビニル/塩化ビニル、酢酸ビニル/アクリロニトリル、
酢酸ビニル/マレイン酸(エステル)、酢酸ビニル/フ
マル酸(エステル)、酢酸ビニル/エチレン、酢酸ビニ
ル/プロピレン、酢酸ビニル/イソブチレン、酢酸ビニ
ル/塩化ビニリデン、酢酸ビニル/シクロペンタジエ
ン、酢酸ビニル/クロトン酸、酢酸ビニル/アクロレイ
ン、酢酸ビニル/アルキルビニルエーテル等が挙げられ
る。
【0029】本発明の界面活性剤を懸濁重合用分散剤と
して使用する場合は、従来公知の懸濁重合用分散剤の通
常の使用量の範囲で任意に使用することができるが、概
ね原料モノマーに対して、好ましくは0.1〜20質量
%、更に好ましくは0.2〜10質量%使用することが
できる。また、本発明の懸濁重合用分散剤と他の反応性
又は非反応性分散剤、例えば、ポリビニルアルコール等
との併用も可能である。また、懸濁重合するモノマーに
特に制限はなく、上記の重合性炭素−炭素二重結合を有
する単量体の単独重合及び共重合に使用できるが、好ま
しくはハロゲン化オレフィン系、酢酸ビニル系等の重合
に使用することができる。
【0030】ハロゲン化オレフィン系の重合としては、
例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化ビニル/マ
レイン酸(エステル)、塩化ビニル/フマル酸(エステ
ル)、塩化ビニル/酢酸ビニル、塩化ビニル/塩化ビニ
リデン、塩化ビニリデン/酢酸ビニル、塩化ビニリデン
/安息香酸ビニル等が挙げられる。酢酸ビニル系の重合
については上記と同様である。
【0031】本発明の界面活性剤を樹脂改質剤として使
用する場合、改質する樹脂の物性は例えば、親水性の調
節、相溶性の向上、帯電防止性の向上、防曇性の向上、
接着性の向上、染色性の向上、造膜性の向上、耐候性の
向上、耐ブロッキング性の向上等である。改質の対象と
なる樹脂は特に限定されず、前記モノマーの重合によっ
て製造されるあらゆるポリマーに使用可能である。ま
た、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ
イミド樹脂、ポリアリールエーテル樹脂、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂等にも使用することができる。特に好
ましく使用することができる樹脂は、塩化ビニル、塩化
ビニリデン等のポリハロゲン化オレフィン類、エチレ
ン、プロピレン等のポリα−オレフィン類等である。
【0032】本発明の樹脂改質剤は、樹脂表面に塗工し
たり樹脂を加工する際に練りこむ等して樹脂に添加する
ことができる。また、樹脂製造時にモノマー成分の一つ
として他のモノマーと重合させれば、樹脂の分子中に本
発明の樹脂改質剤が組み込まれ、永久帯電防止等の永久
改質効果を得ることができる。本発明の樹脂改質剤は、
その化学構造中にエーテル鎖を有しているため、モノマ
ーに対して優れた相溶性を示す。また、AO及びAO’
を有する場合は、必要に応じて該オキシアルキレン基の
重合度(m及びn)及び構成するオキシアルキレン基の
種類を改質の目的及びモノマーとの相溶性に応じて選択
することにより、親水性を容易に調節することができ
る。このため本発明の樹脂改質剤はモノマーとの相溶性
とポリマーの改質効果を同時に向上させることができ
る。また、本発明の樹脂改質剤を使用することにより、
使用された樹脂に永久帯電防止、防曇性を付与すること
が可能である。
【0033】本発明の樹脂改質剤の使用量は、モノマー
の種類、改質の目的、要求される性能等により、種々変
えることができるが、モノマーに対して好ましくは0.
1〜80質量%使用することができ、特に親水性の不充
分な水溶性樹脂を親水性の高い樹脂にしようとする場合
では、モノマーに対して1〜80質量%使用することが
より好ましい。その他の用途、例えば、耐水性、接着
性、帯電防止性、防曇性、染色性、造膜性、耐候性、耐
ブロッキング性等の向上のため、或いはポリマーアロイ
のためのポリマーに相溶性を付与しようとする場合に
は、モノマーに対して0.1〜60質量%使用すること
が好ましい。
【0034】本発明の樹脂改質剤を使用する場合には、
樹脂物性の改善のためにジビニルベンゼン、エチレング
リコールジメタクリレート、メチレンビスアクリルアミ
ド等の架橋性ジビニル化合物等を通常の使用量の範囲で
任意に使用することができる。更に、乳化重合用乳化
剤、懸濁重合用分散剤、樹脂改質剤として使用する場合
は、例えば、金属酸化剤の存在によって樹脂ポリマーを
架橋させることも可能である。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明する。尚、以下の実施例等において%及び部は特に記
載が無い限り質量基準である。また、EOはオキシエチ
レン基、POはオキシプロピレン基をそれぞれ表わす。
【0036】(製造例1):本発明品1 還流冷却器、攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えた
ガラス製加圧反応装置に無水マレイン酸99g(1モ
ル)、アリルアルコール58gを仕込み、反応装置内の
雰囲気を窒素で置換後、徐々に加熱し60℃にて1時間
攪拌した。続いて、イソトリデカノール(メチル基数
4.3;1H−NMRにより測定した値である。)20
0g(1モル)、触媒としてベンジルトリエチルアンモ
ニウムクロライド2g、ハイドロキノン4gを加えて、
生成する水を系外に除去しながら130℃に加熱し、約
5時間攪拌した。この後、酸性亜硫酸ナトリウム104
g(1モル)、水1,200g、イソプロピルアルコー
ル1,000gを加え、80℃で6時間攪拌を続けた。
この後、イソプロピルアルコールを系外に留去し、水で
濃度を調整して、本発明品1(但し70%水溶液)を得
た。
【0037】(製造例2):本発明品2 イソトリデカノールの代わりにイソステアリルアルコー
ル{5,7,7−トリメチル−2−(1,3,3−トリ
メチルブチル)オクタノールの一般名称、メチル基数
8}、酸性亜硫酸ナトリウムの代わりに酸性亜硫酸カリ
ウムを用いた他は、製造例1と同様にして本発明品2
(但し70%水溶液)を得た。
【0038】(製造例3):本発明品3 イソトリデカノールの代わりにソフタノール30(商品
名、日本乳化剤製、炭素数12〜14の2級アルコール
(メチル基数2)のエチレンオキシド3モル付加物、水
酸基価168mgKOH/g)を用いた他は、製造例1
と同様にして本発明品3(但し70%水溶液)を得た。
【0039】(製造例4):本発明品4 アリルアルコールの代わりにメタリルアルコールのエチ
レンオキシド10モル付加物を用いた他は、製造例1と
同様にして本発明品4(但し70%水溶液)を得た。
【0040】(製造例5):本発明品5 アリルアルコールの代わりにアリルアルコールのプロピ
レンオキシド5モル付加物を用いた他は、製造例1と同
様にして本発明品5(但し70%水溶液)を得た。
【0041】(製造例6):本発明品6 アリルアルコールの代わりにアリルアルコールのブチレ
ンオキシド5モル付加物、イソトリデカノールの代わり
にイソノニルアルコール(3,5,5−トリメチルヘキ
サノールの一般名称、メチル基数4)を用いた他は、製
造例1と同様にして本発明品6(但し70%水溶液)を
得た。
【0042】(製造例7):本発明品7 アリルアルコールの代わりに10−ウンデセノール、イ
ソトリデカノールの代りに2−エチルヘキサノール(メ
チル基数2)を用いた他は、製造例1と同様にして本発
明品7(但し70%水溶液)を得た。
【0043】(製造例8):本発明品8 イソトリデカノールの代わりにイソトリデシルグリシジ
ルエーテル(メチル基数4.3;1H−NMRにより測
定した値である。)を用いて90℃で反応させた他は、
製造例1と同様にして本発明品8(但し70%水溶液)
を得た。
【0044】(製造例9):本発明品9 製造例1と同様の反応容器に、無水マレイン酸99g
(1モル)とイソトリデカノール200g(1モル)を
仕込み、反応装置内の雰囲気を窒素で置換後、90℃で
3時間攪拌した。続いて触媒としてベンジルトリエチル
アンモニウムクロライド2gを添加した後、アリルグリ
シジルエーテル114g(1モル)を90℃でフィード
し、フィード終了後、90℃で5時間攪拌した。以下、
製造例1と同様の方法にて、本発明品9の70%水溶液
を得た。
【0045】(製造例10):本発明品10 イソトリデカノールの代わりにイソステアリルアルコー
ル、酸性亜硫酸ナトリウムの代わりに酸性亜硫酸カリウ
ムを用いた他は、製造例9と同様にして本発明品10
(但し70%水溶液)を得た。
【0046】(製造例11):本発明品11 イソトリデカノールの代わりにソフタノール30(商品
名、日本乳化剤製、炭素数12〜14の2級アルコール
(メチル基数2)のエチレンオキシド3モル付加物、水
酸基価168mgKOH/g)を用いた他は、製造例9
と同様にして本発明品11(但し70%水溶液)を得
た。
【0047】(製造例12):本発明品12 アリルグリシジルエーテルの代わりにメタリルアルコー
ルのエチレンオキシド10モル付加物のグリシジルエー
テルを用いた他は、製造例9と同様にして本発明品12
(但し70%水溶液)を得た。
【0048】(製造例13):本発明品13 アリルグリシジルエーテルの代わりにアリルアルコール
のプロピレンオキシド5モル付加物のグリシジルエーテ
ルを用いた他は、製造例9と同様にして本発明品13
(但し70%水溶液)を得た。
【0049】(製造例14):本発明品14 アリルグリシジルエーテルの代わりにアリルアルコール
のブチレンオキシド5モル付加物のグリシジルエーテ
ル、イソトリデカノールの代わりにイソノニルアルコー
ルを用いた他は、製造例9と同様にして本発明品14
(但し70%水溶液)を得た。
【0050】(製造例15):本発明品15 アリルアルコールのグリシジルエーテルの代わりに10
−ウンデセニルグリシジルエーテル、イソトリデカノー
ルの代わりに2−エチルヘキサノール(メチル基数2)
を用いた他は、製造例9と同様にして本発明品15(但
し70%水溶液)を得た。
【0051】(製造例16):本発明品16 イソトリデカノールの代わりにイソトリデカノールのプ
ロピレンオキシド10モル付加物を用いた他は、製造例
9と同様にして本発明品16(但し70%水溶液)を得
た。以上の製造例1〜16を纏めると下記表1の通りで
ある。
【0052】
【0053】(比較品1)
【0054】(比較品2) (比較品3)
【0055】<<実施例1>>本発明の界面活性剤1〜
16について、それぞれの水溶液の表面張力を、ウィル
ヘルミ法により測定した。結果を表2に示す。尚、試験
条件は以下の通りである。 測定条件:0.1%水溶液 測定温度:25℃
【0056】
【0057】<<実施例2>>本発明の界面活性剤1〜
16及び比較品1〜3について、それぞれのカーボンブ
ラックの分散性能及びトルエンの乳化性能を測定した。
結果を表3に示す。尚、試験方法は以下の通りである。
【0058】<カーボンブラック分散性能試験方法>容
量100mLの共栓付メスシリンダーに、上記界面活性
剤1g、カーボンブラック10gを入れ、水にて溶解分
散させ100mLに調整した。次に、そのメスシリンダ
ーを1分間に100回振盪した後、25℃にて1時間静
置した。その後、液上面から30mLを抜き取り、グラ
スフィルターにて濾過した後、105℃にて、グラスフ
ィルターを乾燥させ、グラスフィルター上の残査の質量
を測定し、次式により分散性を算出した。 分散性能(%)={グラスフィルターの残査質量(g)
/3(g)}×100
【0059】<トルエンの乳化性能試験方法>容量20
mLの共栓付目盛り付き試験管に、上記界面活性剤の
0.5%水溶液5mLとトルエン5mLを加えた。次
に、その試験管を1分間に100回振盪した後、25℃
にて1時間静置した。その後、乳化層の容量(mL)を
測定し、次式により乳化性を算出した。 乳化性能(%)={乳化層の容量(mL)/10(m
L)}×100
【0060】
【0061】<<実施例3>>本発明品3、6、15、
及び比較品1〜3について、JIS−K0102の方法
に従い、生分解性の試験を行った。即ち、BODは生物
化学的酸素消費量であって、水中の好気性微生物によっ
て消費される溶存酸素の量である。ここでは、試料を希
釈水で希釈し、20℃で5日間放置したときに消費され
た溶存酸素の量である。また、TODは各試料の化学構
造から求められる定数である。結果を以下の表4に示
す。
【0062】
【0063】<<実施例4>>本発明の界面活性剤1〜
16及び比較品1〜3について、乳化重合用乳化剤の性
能を評価するために、アクリル酸エチル/アクリル酸ブ
チル/スチレンの混合物をモノマーとして乳化重合を行
なった。得られたポリマーエマルジョンについて、その
粒径、凝集物量、機械安定性、発泡性、及びポリマーエ
マルジョンから得られるフィルムについての耐水性を測
定した。その結果を表5に示す。
【0064】<重合方法>還流冷却器、攪拌機、滴下ロ
ート及び温度計を備えた反応容器に脱イオン水120g
を仕込み、系内を窒素ガスで置換した。別に混合モノマ
ー(アクリル酸エチル/アクリル酸ブチル/スチレン=
40/30/30質量比)100gに本発明の界面活性
剤1〜16又は比較品1〜3を4g溶解し、この内の1
0gと過硫酸アンモニウム0.08gを反応容器に加
え、60℃で重合を開始した。そして残りのモノマーと
界面活性剤の混合物を2時間にわたって反応器内に連続
的に滴下し、滴下終了後2時間熟成しポリマーエマルジ
ョンを得た。
【0065】<粒径>重合後の上記ポリマーエマルジョ
ンの粒径を、電気泳動光散乱光度計(ELS−800、
大塚電子製)を使用し、25℃にて測定した。 <凝集物量>重合後の上記ポリマーエマルジョンを32
5メッシュの金網でろ過し、ろ過残渣を水で洗浄後、1
05℃にて2時間乾燥させ、この質量を測定し固形分に
対する質量%で表した。
【0066】<機械安定性>重合後の上記ポリマーエマ
ルジョンをディスパーにて、2,000rpmで2分間
攪拌した後、上記の方法で凝集物量を測定し、機械安定
性を評価した。 <発泡性>重合後の上記ポリマーエマルジョンを水で2
倍に希釈し、この希釈エマルジョン20mLを100m
Lの目盛り付き試験管に入れ、10秒間上下に激しく振
盪させ、振盪直後及び5分後の泡量を測定した。
【0067】<フィルムの耐水性>重合後の上記ポリマ
ーエマルジョンをガラス板に塗布して厚さ0.2mmの
フィルムを作成し、このフィルムを50℃の水に浸漬
し、白化してフィルムを通して8ポイントの文字が判別
できなくなるまでの時間を測定し、耐水性を評価した。
評価の基準は以下の通りである。 ○:24時間以上経過しても文字が判別できた。 △:1時間以上経過すると文字が判別できなくなった。 ×:1時間未満で文字が判別できなくなった。
【0068】
【0069】<<実施例5>>本発明の界面活性剤1〜
16及び比較品1〜3について、懸濁重合用分散剤とし
ての性能を評価するために、塩化ビニルをモノマーとし
て懸濁重合を行ない、得られた樹脂に対して以下の試験
法により試験を行った。結果を表6に示す。
【0070】<重合方法>実施例4と同様の反応装置に
脱イオン水100g、本発明の界面活性剤1〜16又は
比較品1〜3を2g及びジ−2−エチルヘキシルパーオ
キジカーボネート0.2gを仕込み、反応装置内を7k
Paとなるまで脱気して酸素を除いた後、塩化ビニルモ
ノマーを100g仕込み、回転数500rpmで攪拌下
に57℃に昇温して重合を行った。重合開始時、オート
クレーブ内の圧力は0.8MPaであったが、重合開始
7時間後、0.4MPaとなったので、この時点で重合
を停止し、未反応の塩化ビニルモノマーをパージし、内
容物を取り出し脱水乾燥した。
【0071】<粒径分布>得られた樹脂粒子のうち、2
50メッシュの篩(タイラーメッシュ基準の金網)を通
過しない粒子の質量割合を測定した。 <耐水性試験>以下の配合でゾルを調整し、ゾルを0.
5mm厚として190℃で10分間加熱してシートとし
たものを、23℃の水中に24時間浸漬した後の光透過
率を測定した。 得られた樹脂 50部 フタル酸−ジ−2−エチルヘキシル 30部 Ba/Zn系安定剤 1部
【0072】<熱性安定性試験>耐水性試験に共したも
のと同じゾルをアルミニウム製モールドに注入し、19
0℃の熱風雰囲気下で30分後の色調の変化をA(変化
少)〜E(変化大)の5段階で評価した。
【0073】
【0074】<<実施例6>>本発明の界面活性剤1〜
16及び比較品1〜3について、樹脂改質剤としての性
能を評価するために、スチレンの溶液重合を行ない、得
られた樹脂に対して以下の試験法により試験を行った。
尚、樹脂改質剤未添加のものをブランクとした。結果を
表7に示す。
【0075】<重合方法>実施例4と同様の反応容器に
キシレン100gを仕込み、系内を窒素ガスで置換し
た。別にスチレン150g、本発明の界面活性剤1〜1
6又は比較品1〜3を15g、過酸化ベンゾイル2g、
ジ・ターシャリブチルパーオキサイド1gの混合溶液を
調整し、反応温度130℃で上記混合溶液を2時間にわ
たり反応器内に連続的に滴下した。更に、キシレン10
g、過酸化ベンゾイル0.5g、ジ・ターシャリブチル
パーオキシド0.5gの混合溶液を滴下し、2時間反応
させた。その後冷却して、ポリマー溶液を得た。
【0076】<防曇性>ガラス板状に、上記ポリマー溶
液を塗布して、0.2mm厚のポリマーフィルム作製
し、このポリマーフィルムに対する水の接触角を測定す
ることにより防曇性を評価した。
【0077】<帯電防止性>上記ポリマーフィルムを温
度20℃、湿度50%の雰囲気中に24時間放置後、表
面固有抵抗を測定した。その後、家庭用台所洗剤で洗浄
処理し、イオン交換水で十分に洗った後、表面の水分を
乾燥除去してから温度20℃、湿度50%の雰囲気中に
24時間放置後、表面固有抵抗を測定することにより帯
電防止性を評価した。
【0078】<帯電防止効果及び防曇性の持続性>上記
帯電防止効果及び防曇性の試験をした後のポリマーフィ
ルムを、水を含ませた脱脂綿で50回水拭きした後、温
度20℃、湿度35%の雰囲気中に30分間放置後、表
面固有抵抗値及び水の接触角を測定した。
【0079】
【0080】
【発明の効果】本発明の効果は、環境に対する影響が大
きいとされるノニルフェニル基等のフェニルエーテル基
を含有せず、フェニルエーテル基を含有する反応性界面
活性剤と同等の性能を有する界面活性剤を提供したこと
にある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 65/334 C08G 65/334 (72)発明者 小宮 薫 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 Fターム(参考) 4D077 AA03 AA08 AB14 AB15 AC01 AC05 DD20X DD29X DE29X 4H006 AA01 AB68 TB53 TB55 4J005 AA04 AA08 BD02 BD06 4J011 JA06 KA04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1)又は(2) {式中、R1は分岐脂肪族炭化水素基又は2級脂肪族炭
    化水素基を表わし、R2はアルキレン基を表わし、R3
    水素原子はメチル基を表わし、AO及びAO’は炭素数
    2〜4のオキシアルキレン基を表わし、Mは水素原子、
    アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はアンモニ
    ウム(但し、アルカリ土類金属原子は1/2)を表わ
    し、m及びnは0〜100の数を表わし、a及びbは0
    又は1の数を表わす。}で表わされる反応性界面活性
    剤。
  2. 【請求項2】 一般式(1)又は(2)において、R1
    の炭素数が8〜36である請求項1に記載の反応性界面
    活性剤。
  3. 【請求項3】 一般式(1)又は(2)において、R1
    が3個以上のメチル基を有する分岐炭化水素基である請
    求項1又は2に記載の反応性界面活性剤。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れか1項に記載の反
    応性界面活性剤からなる乳化重合用乳化剤。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3の何れか1項に記載の反
    応性界面活性剤からなる懸濁重合用分散剤。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至3の何れか1項に記載の反
    応性界面活性剤からなる樹脂改質剤。
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