JP2002264899A - 微小重力環境振動吸収リンク機構 - Google Patents

微小重力環境振動吸収リンク機構

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JP2002264899A
JP2002264899A JP2001065481A JP2001065481A JP2002264899A JP 2002264899 A JP2002264899 A JP 2002264899A JP 2001065481 A JP2001065481 A JP 2001065481A JP 2001065481 A JP2001065481 A JP 2001065481A JP 2002264899 A JP2002264899 A JP 2002264899A
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arm
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Shuichi Kawasaki
秀一 川崎
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微小重力環境振動吸収リンク機構に関し、宇
宙空間での振動体から電線や配管を伝わって外部環境に
伝播する振動を吸収する。 【解決手段】 ケーシング10内には弾性軸受10,1
1を介して回転軸30の両端が支持される。回転軸30
には水平に伸びる4本のアーム44〜47が取付けら
れ、各アームの先端にはボックス等容器40〜43が取
付けられ回転する。回転軸30の途中にはマルチスリッ
プジョイント13が4本のフレキシブルパイプ14a〜
14dが接続され、その他端は4個のコネクタ34a〜
34dへ接続される。コネクタは軸対称に4個配置さ
れ、それぞれ4本のリンク機構(L)が接続される。リ
ンク機構(L)はジョイント1,2,3、リンクアーム
4,5,6からなり、ジョイント1はY軸、2はZ軸、
3はX軸廻りに回動自在であり、任意方向の振動が吸収
される。電線や配管はリンク機構(L)内より回転軸3
0へ接続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微小重力環境振動吸
収リンク機構に関し、宇宙空間のような微小重力空間に
おいて振動体と周囲の機器との間で配線や配管を行なう
場合に適用される配線や配管を導くためのリンク機構で
あり振動体から周囲へ伝播する振動を最小にするもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図14は宇宙空間で行なわれている回転
式実験装置の一例を示す図で(a)は側面図、(b)は
(a)におけるC−C矢視図である。図において密閉さ
れたケーシング10内には中央部に凹部10a,10b
が形成され、回転軸30が配設され、回転軸30は上下
両端部が凹部10a,10b内で弾性部材からなる弾性
軸受11,12で支持されている。又、回転軸30の一
端は凹部10b内でモータ31に接続され、回転可能と
なっている。回転軸30には4本のアーム44,45,
46,47の一端が固定され、アームは水平に伸び、先
端にはそれぞれボックス等容器40,41,42,43
が取付けられている。
【0003】回転軸の途中にはスリップジョイント32
が接続され、スリップジョイント32には1本のフレキ
シブルパイプ33の一端が接続され、フレキシブルパイ
プ33の他端はケーシング10にコネクタ34を介して
接続している。コネクタ34にはフレキシブルパイプ3
5によりケーシング10外部の電源や水源に接続されて
いる。フレキシブルパイプ33及び35内には電線と水
供給配管が挿通されており、回転する回転軸30と摺動
して接続し、スリップジョイント32を介して回転する
回転軸30内へ電力線を接続し、水を供給している。回
転軸30へ供給された電力や水は回転軸30内から各ア
ーム44〜47内を通り、各ボックス等容器40〜43
内へ供給される。各ボックス等容器40〜43の中には
実験対象物、即ち、植物や動物が入れられ、ボックス等
容器を44〜47回転することにより宇宙での各種実験
が行なわれる。
【0004】上記のような回転式実験装置では、アーム
44〜47の先端にボックス等容器40〜43が取付け
られており、先端部が大きな形状である。又、ボックス
等容器40〜43内には種類の異なる対象物が収納さ
れ、実験物の大きさも種々異なり、装置全体は回転軸中
心に対称な配置ではあるが、収納される対象物はアンバ
ランスである。従って、回転によりアーム44〜47及
びボックス等容器40〜43には振動が発生し、回転軸
30が横揺れしたり、又、横スベリしたりする。このよ
うな振動が発生すると対象物を変動させたり、悪影響を
及ぼすことになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように従来の宇
宙での回転式実験装置は、回転中に振動が発生し、回転
体を構成するアームやボックス等容器に振動を与え、対
象物に悪影響を及ぼしていた。又、これらの振動は、回
転軸やフレキシブルパイプを介して周囲環境へ伝播し、
周囲の宇宙機器へも影響を及ぼし、機器の制御、等に影
響を与えることになる。このような振動は予め予知され
る定常的な振動に対しては装置の構造的な面で解消でき
るが、任意に発生する振動モードの変化に対しては対応
し難く、制御には限界があり、何らかの対策が望まれて
いた。特に、図14に示すような構造においては、回転
軸30が振動するとスリップジョイント32からパイプ
33,35を介して周囲の機器へ振動が伝播され、微小
重力環境において他の実験装置や機器へ振動を与え悪影
響を与えるのでその対応に迫られていた。
【0006】そこで本発明の出願人は上記の問題を解決
すべく、種々の研究を重ね、回転式実験装置へ水等の流
体を供給するパイプや電線等を伝わって微小重力空間の
周囲環境へ伝播される振動を最小限に抑える振動吸収機
構を提案し、特許出願も行なっており、次にその一例の
概要を説明する。
【0007】図13は、図14で説明した回転式実験装
置の振動を吸収するために、リンク機構(L)を接続し
た例である。リンク機構(L)はジョイント1,2,3
及びリンクアーム4,5,6から構成されている。ジョ
イント1はコネクタ34に接続され、Y軸廻りに回転自
在であり、リンクアーム4の一端が接続される。リンク
アーム4の他端にはジョイント2が接続される。又、ジ
ョイントには電気接続用のスリップリングと水導通穴が
設けられ、アームには内部にスリップリングと接続する
電線が配設されると共に、内部に水が流通する溝であ
る。
【0008】ジョイント2はZ軸廻りに回転自在であ
り、ジョイント2にはリンクアーム5の一端が接続され
る。リンクアーム5の他端にはジョイント3が接続され
る。ジョイント3はX軸廻りに回転自在である。ジョイ
ント3にはリンクアーム6の一端が接続される。このよ
うにリンク機構(L)はジョイント1、リンクアーム
4、ジョイント2、リンクアーム5、ジョイント3、リ
ンクアーム6を接続して構成される。又、リンクアーム
6の他端には同じ構造のリンク機構(L)のジョイント
1が接続される。
【0009】このようにして、必要に応じて複数のリン
ク機構(L)を順次接続することにより、必要な長さで
任意の方向に回動自在なアームを連接することができ
る。又、最終端のリンクアーム6の他端には水供給源2
1から内部へ水が供給され、更に電源22へ内部の電線
が接続される。なお、リンクアーム6の端部には図示し
てないが、コネクタ34と同様なコネクタが接続され
る。
【0010】上記に説明したリンク機構(L)を回転式
実験装置に接続することにより、従来、水や電線を接続
するパイプを介して周囲の機器へ伝播する振動を吸収
し、微小重力空間での他の実験装置や機器への悪影響を
大幅に改善することが可能となったが、すべての非動モ
ードに対してすべての振動を吸収するには未だ充分では
なかった。特に、回転軸に対して非対称に発生する振動
に対しては、上記のリンク機構(L)では完全に振動を
吸収することができず、何らかの改善が望まれていた。
【0011】そこで本発明では、宇宙空間での回転式実
験装置へ水や電気を供給するパイプを接続する場合に、
複数のリンク機構を回転軸中心に対称となるように配置
し、リンク機構同志の引張力の偏芯を最小として振動を
伝播しないような構成とした微小重力環境振動吸収リン
ク機構を提供することを課題としてなされたものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決するために次の(1)〜(17)の手段を提供する。
【0013】(1)ケーシング内で回転する回転軸の周
囲に取付けられ重力を付加する対象物を入れて回転する
ボックス等容器を有する微小重力環境回転体において、
前記ケーシングにコネクタを介して接続され外部から前
記ボックス等容器へ水や薬品等の供給流体を供給する経
路となると共に振動吸収も行うリンク機構であって、前
記コネクタは前記回転軸に対して軸対称に複数個が配置
され、前記リンク機構は前記複数のコネクタにそれぞれ
接続され、前記コネクタに接続された第1のジョイント
と、同第1ジョイントに一端が接続された中空状の第1
のアームと、同第1アームの他端に接続された第2のジ
ョイントと、同第2ジョイントに一端が接続された中空
状の第2のアームと、同第2アームの他端に接続された
第3のジョイントと、同第3ジョイントに一端が接続さ
れた中空状の第3のアームとからなり、前記第1,第
2,第3のジョイントは、それぞれ互いに直交する軸を
中心に回転可能とすると共に、前記供給流体の導通穴を
有し、前記第3アームの他端から前記第1ジョイントを
通り、前記コネクタを介して前記供給流体を供給するこ
とを特徴とする微小重力環境振動吸収リンク機構。
【0014】(2)前記複数のリンク機構は、3個以上
の複数のジョイントとアームからなり、同ジョイントと
アームとを交互に複数個連接し、同リンク機構の先端に
もコネクタを接続し前記コネクタを介して前記供給流体
を供給、返送可能とすることを特徴とする(1)記載の
微小重力環境振動吸収リンク機構。
【0015】(3)前記各ジョイントは屈曲自在な柔軟
材料からなることを特徴とする(1)又は(2)記載の
微小重力環境振動吸収リンク機構。
【0016】(4)前記各ジョイントは前記直交する3
軸で回動可能なジョイントに加え、屈曲自在な柔軟材料
のジョイントも組み合わせて1本のリンク機構を構成
し、同1本のリンク機構の両端には前記機器側のコネク
タと他端にもコネクタを設けたことを特徴とする(1)
又は(2)記載の微小重力環境振動吸収リンク機構。
【0017】(5)前記ジョイント間には前記アームを
接続せずに複数のジョイント同志を直接連接したことを
特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の微小重
力環境振動吸収リンク機構。
【0018】(6)ケーシング内で回転する回転軸の周
囲に取付けられ重力を付加する対象物を入れて回転する
ボックス等容器を有する微小重力環境回転体において、
前記ケーシングにコネクタを介して接続され外部から前
記ボックス等容器へ水や薬品等の供給流体を供給する経
路となると共に振動吸収も行うリンク機構であって、前
記コネクタは前記回転軸に対して軸対称に複数個が配置
され、前記リンク機構は前記複数のコネクタにそれぞれ
接続され、前記コネクタに接続された第1のジョイント
と、同第1ジョイントに一端が接続された中空状の第1
のアームと、同第1アームの他端に接続された第2のジ
ョイントと、同第2ジョイントに一端が接続された中空
状の第2のアームと、同第2アームの他端に接続された
第3のジョイントと、同第3ジョイントに一端が接続さ
れた中空状の第3のアームとからなり、前記第1,第
2,第3のジョイントは、それぞれ互いに直交する軸を
中心に回転可能とし、それぞれ電気接続を行なうスリッ
プリングを有し、前記第1,第2,第3のアーム内には
それぞれ電線が配線され、同電線は前記各スリップリン
グを介して接続されてリンク機構を構成し、前記第3ア
ームの他端から前記第1ジョイントを通り、前記コネク
タを介して電気の接続を行い、電線の剛性が変動しても
振動、荷重の伝達を吸収することを特徴とする微小重力
環境振動吸収リンク機構。
【0019】(7)前記複数のリンク機構は、3個以上
の複数のジョイントとアームからなり、同ジョイントと
アームとを交互に複数個連接し、同リンク機構の先端に
もコネクタを接続し前記両コネクタを介して前記電気接
続を行ない、電線の剛性が変動しても振動、荷重の伝達
を吸収することを特徴とする(6)記載の微小重力環境
振動吸収リンク機構。
【0020】(8)前記ジョイントは屈曲自在な柔軟材
料からなることを特徴とする(6)又は(7)記載の微
小重力環境振動吸収リンク機構。
【0021】(9)前記各ジョイントは前記直交する3
軸で回動可能なジョイントに加え、屈曲自在な柔軟材料
のジョイントも組み合わせ、前記直交する3軸で回動可
能なジョイントには前記スリップリングを、前記屈曲自
在な柔軟材料のジョイントには配線を直接挿通して1本
のリンク機構を構成し、同リンク機構の両端には前記機
器側のコネクタと他端にもコネクタを設け、前記両コネ
クタを介して電気接続を行ない、配線の剛性が変動して
も振動、荷重を吸収することを特徴とする(6)又は
(7)記載の微小重力環境振動吸収リンク機構。
【0022】(10)前記スリップリングに代えて電気
導電性を有するベアリングを用いることを特徴とする請
求項(6)又は(7)記載の微小重力環境振動吸収リン
ク機構。
【0023】(11)前記導電性ベアリングの代わり
に、変形自在なチューブを用い、同チューブ内に導電性
を有する液体、流体、水銀等の液性の金属を封入したこ
とを特徴とする(10)記載の微小重力環境振動吸収リ
ンク機構。
【0024】(12)前記各ジョイント間には前記アー
ムも用いることなく前記複数のジョイント同志を連接す
ることを特徴とする(6)から(11)のいずれかに記
載の微小重力環境振動吸収リンク機構。
【0025】(13)(2),(3)記載のリンク機構
の中から複数個のリンク機構を選び同複数個のリンク機
構を接続して1本のリンク機構とするか、又は(7),
(8),(10),(11),(12)記載のリンク機
構の中から複数個のリンク機構を選び同複数個のリンク
機構を接続して1本のリンク機構とすることを特徴とす
る微小重力環境振動吸収リンク機構。
【0026】(14)(2),(3)のいずれかに記載
のリンク機構に用いられる流体用のジョイントと、
(7),(8),(10),(11),(12)のいず
れかに記載のリンク機構に用いられる電気用のジョイン
トとを並設して1つのジョイントを構成し、同並設した
ジョイントの前記流体用ジョイント同志及び前記電気用
ジョイント同志を、それぞれ複数個連接することを特徴
とする微小重力環境振動吸収リンク機構。
【0027】(15)前記各流体用ジョイント間及び電
気用ジョイント間には、それぞれ中空状のアームを介し
てそれぞれ接続することを特徴とする(14)記載の微
小重力環境振動吸収リンク機構。
【0028】(16)ケーシング内で回転する回転軸の
周囲に取付けられ重力を付加する対象物を入れて回転す
るボックス等容器を有する微小重力環境回転体におい
て、前記ケーシングに流体接合部を介して接続され外部
から前記ボックス等容器へ水や薬品等の供給流体を供給
する経路となると共に振動吸収も行うリンク機構であっ
て、前記流体接合部は前記回転軸に対して軸対称に複数
個が配置され、前記リンク機構は前記複数のコネクタに
それぞれ接続され、前記流体接合部は中空状のバネ体で
あり、同中空状バネ体は前記供給流体の導通路を有し、
前記バネ体を介して前記供給流体を供給、返送すること
により内部の前記供給流体の圧力が変動しても振動、荷
重の伝達を吸収することを特徴とする微小重力環境振動
吸収リンク機構。
【0029】(17)ケーシング内で回転する回転軸の
周囲に取付けられ重力を付加する対象物を入れて回転す
るボックス等容器を有する微小重力環境回転体におい
て、前記ケーシングにコネクタを介して接続され外部か
ら前記ボックス等容器へ水や薬品等の供給流体を供給す
る経路となると共に振動吸収も行うリンク機構であっ
て、前記コネクタは前記回転軸に対して軸対称に複数個
が配置され、前記リンク機構は前記複数のコネクタにそ
れぞれ接続され、前記コネクタは中空状のバネ体であ
り、同中空状バネ体は前記電線の導通路を有し、前記バ
ネ体を介して前記電線を前記機器内部へ挿通することに
より前記電線の振動、荷重の伝達を吸収することを特徴
とする微小重力環境振動吸収リンク機構。
【0030】本発明の(1)においては、ケーシング内
で回転する回転体が実験物のアンバランス等により振動
すると、宇宙等の微小重力空間では、この振動体に接続
する水等流体供給用の配管を通すパイプを伝わり、ケー
シングの外部へ振動が伝播され、外部の機器へ伝え実験
環境を破壊する恐れがある。そこで本発明の(1)で
は、ケーシングの流体供給系統を任意の3次元方向の振
動に対してもその変位を吸収できるリンク機構を用いて
供給する構成とする。リンク機構は回転軸に対して軸対
称となるように複数本が配置される。即ち、水等の流体
は中空状のアーム内を通り、ジョイントでは導通穴を通
すことにより第3のアーム端からコネクタへ接続させる
ことができる。
【0031】回転体からの振動がコネクタからケーシン
グ外側へ伝播されると、リンク機構の第1〜第3ジョイ
ントは、それぞれ直交する3軸廻りに回動可能である。
例えば、第1ジョイントではY軸廻りに第2ジョイント
と共に第1アーム回動可能とし、第2ジョイントはZ軸
廻りに第3ジョイントと共に第2アームを回動可能と
し、第3ジョイントは第3アームをX軸廻りに回動可能
とする。このようなリンク機構によりコネクタを介して
アームに振動が加わったとしても、3次元方向のいかな
る振動の変位も第1〜第3ジョイントの総合的な動きに
より吸収することができる。更に、リンク機構は軸に対
して対称配置であるため、互いの引張力が均一に作用
し、リンクの引張力による偏芯も最小に抑えられ、振動
を効果的に吸収できる。更に、又、ジョイントを組み合
わせて自由度の高いリンク機構の数値モデルを構築する
のが容易となり、制御装置の設計も簡素化される。
【0032】本発明の(2)では、3個以上の複数のジ
ョイントが直交する3軸で回転可能であり、又、本発明
の(3)では、ジョイントが3次元方向に回動可能な屈
曲自在な柔軟材料からなり、かつ、ジョイントとアーム
は3個以上の複数からなるので、上記(1)の発明と同
様に、振動を吸収すると共に、離れた場所からケーシン
グ内へ水等の流体の供給を行なうことができる。
【0033】本発明の(4)では、ジョイントが互いに
直交する3軸で回転可能な構成のものと、屈曲自在な柔
軟材料からなるものとを、複数個組合せて構成するの
で、より柔軟性と融通性のあるリンク機構が構成でき
る。又、本発明の(5)では、ジョイント間にアームを
接続しないでジョイントのみ複数個接続するので、水等
の流体の供給経路が短い場所にも適用でき、アームがな
い分動きがより自由となり振動の吸収も効果的になされ
る。
【0034】本発明の(6)では、ジョイントを直交す
る軸に回動可能として、更にスリップリングを設け、ア
ーム内の電線とスリップリングとを接続するので、ジョ
イントとアームを複数連接してリンク機構を構成し、同
リンク機構の両端のコネクタを介して電気接続を可能と
し、内部の電線の剛性が変化しても、振動、荷重の伝達
を吸収することができる。
【0035】本発明の(7)では、3個以上の複数のジ
ョイントが直交する3軸で回動自在な構成であり、又、
本発明の(8)では、屈曲自在な柔軟材料からなり、ス
リップリングを設けてジョイントとアームが複数個接続
されるので、アーム内の電線とジョイントのスリップリ
ングとを介してリンク機構の内部の導通を可能とし、内
部の電線の剛性が変動しても、振動、荷重の伝達を効果
的に吸収できる。
【0036】本発明の(9)では、ジョイントは、直交
3軸で回動可能なものと、屈曲自在な柔軟材料からなる
ものととを組み合わせるので、場所や経路に応じて屈曲
自在なジョイントでは電線をそのまま挿通でき、配線が
容易となる。
【0037】本発明の(10)では、各ジョイントとア
ームとは導電性のベアリングを介して接続され、又は本
発明の(11)では変形自在なチューブ内へ液体金属が
封入された構成であるので、電線による接続を不要と
し、リンク機構そのものが制振機能を有すると共に、電
気的導通路となり、機構がより簡素化される。
【0038】本発明の(12)では、ジョイント間にア
ームを接続しないでジョイントのみ複数個接続するの
で、水の供給経路が短い場所にも適用でき、アームがな
い分動きがより自由となり振動の吸収も効果的になされ
る。
【0039】本発明の(13)では、リンク機構の流体
経路又は電気経路は、それぞれ3軸で回動可能なジョイ
ントと屈曲自在な材料からなるジョイントを用いたリン
ク機構であり、経路長さや場所の状態に応じて、それぞ
れ選択して用いることができるので、融通性のあるリン
ク機構が構成できる。
【0040】本発明の(14)では、リンク機構には流
体用の導通穴を有するジョイントと、電気用のスリップ
リングを有するジョイントを並設して1つのジョイント
とし、この並設したジョイントを複数個直接接続してリ
ンク機構を構成し、又、本発明の(15)では、ジョイ
ント間にアームを用いる構成であるので、水の供給と電
気接続の両機能を有するリンク機構が1本のリンク機構
で実現できる。
【0041】本発明の(16)では、中空状のバネ体の
中に流体の流路を、又、本発明の(17)ではバネ体の
中に配線を挿通するので、バネ体により、流体流路や電
線の振動が効果的に吸収できる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明の実
施の第1形態に係る微小重力環境振動吸収リンク機構を
適用した回転式実験装置の側面図である。図において、
密閉ケーシング10内には回転軸30が凹部10a,1
0b内に配設され、その両端部は弾性軸受11,12で
支持されている。弾性軸受としては、磁気軸受、バネ、
弾性部材のいずれかが用いられる。
【0043】回転軸30には4本のアーム44〜47の
一端が取付けられ、アームの他端にはボックス等容器4
0〜43が取付けられている。回転軸30の途中には、
マルチスリップジョイント13が取付けられ、後述する
ように4本のフレキシブルパイプ14a,14b,14
c,14dの一端が接続され、フレキシブルパイプの他
端はケーシング10に取付けられた4個のコネクタ34
a,34b,34c,34dに接続されている。
【0044】本発明においては、回転軸30にマルチス
リップジョイント13を挿通し、マルチスリップジョイ
ント13は支持部材15でケーシング10に取付けられ
ている。マルチスリップジョイント13は回転軸30が
回転自在となるように挿通されており、後述するように
4本のフレキシブルパイプ14a,14b,14c,1
4dが周囲に接続している。フレキシブルパイプ14a
〜14dの内部は水の通路となり、又、電線が挿入され
ており、スリップリング13を介して回転軸30へ水を
供給し、又、電気の導通を行なって回転軸30内を通っ
て各アーム44〜47を通り、各ボックス等容器40,
41,42,43へ水や電気が供給される構成である。
【0045】各フレキシブルパイプ14a〜14dは、
それぞれケーシング10に取付けられた4個のコネクタ
34a〜34dに接続され、コネクタ34a〜34dを
経由してケーシング10外部へ接続される。各コネクタ
34a,34b,34c,34dには、それぞれリンク
機構(L)が接続される。リンク機構(L)は、ジョイ
ント1,2,3及びリンクアーム4,5,6から構成さ
れている。ジョイント1はコネクタ34に接続され、Y
軸廻りに回転自在であり、リンクアーム4の一端が接続
される。リンクアーム4の他端にはジョイント2が接続
される。又、ジョイントには電気接続用のスリップリン
グと水導通穴が設けられ、アームには内部にスリップリ
ングと接続する電線が配設されると共に、内部に水が流
通する溝である。
【0046】ジョイント2はZ軸廻りに回転自在であ
り、ジョイント2にはリンクアーム5の一端が接続され
る。リンクアーム5の他端にはジョイント3が接続され
る。ジョイント3はX軸廻りに回転自在である。ジョイ
ント3にはリンクアーム6の一端が接続される。このよ
うにリンク機構(L)はジョイント1、リンクアーム
4、ジョイント2、リンクアーム5、ジョイント3、リ
ンクアーム6を接続して構成される。又、リンクアーム
6の他端には同じ構造のリンク機構(L)のジョイント
1が接続される。
【0047】このようにして、必要に応じて複数のリン
ク機構(L)を順次接続することにより、必要な長さで
任意の方向に回動自在なアームを連接することができ
る。又、最終端のリンクアーム6の他端には水供給源2
1から内部へ水が供給され、更に電源22へ内部の電線
が接続される。なお、リンクアーム6の端部には図示し
てないが、コネクタ34と同様なコネクタが接続され
る。
【0048】図2は図1におけるA−A矢視図であり、
図において、回転軸30にはマルチスリップジョイント
13が挿通されており、マルチスリップジョイント13
には4本のフレキシブルパイプ14a,14b,14
c,14dが接続されている。4本のフレキシブルパイ
プ14a〜14dは、それぞれケーシング10の底面に
回転軸30を中心として対称に配置された4個のコネク
タ34a,34b,34c,34dを介してケーシング
10の外へ接続されており、これらパイプ14a〜14
dは回転軸30に対して軸対称に配管されてマルチスリ
ップジョイント13へ接続されている。
【0049】図3は上記に説明したマルチスリップジョ
イント13の拡大断面図であり、マルチスリップジョイ
ント13には回転軸30が回転自在に挿通され、ケーシ
ング10に支持部材15で支持されている。図示の例で
はパイプ14a,14b内を通って挿通されている電線
はジョイント3内側の摺動部16aに接続され、回転軸
30の電気接続部16と接触し、回転軸30が回転して
も、摺動して電気的な導通が確保される。
【0050】又、パイプ14a,14b内の水の通路も
ジョイント3の内側の摺動部17aと回転軸30側の水
連通口17とが回転軸30が回転すると摺動して連通
し、水を回転軸30側へ供給することができる。
【0051】図4は上記に説明の1本のリンク機構
(L)の詳細を示し、(a)はリンク機構の座標軸を、
(b)はリンク機構の側面図を、それぞれ示す。図
(b)において、ジョイント1には連結部7を有し、コ
ネクタ7は別のリンク機構(L)のリンクアーム6と連
結するものである。連結部7には電線との導通がなさ
れ、又、内部に水の導通穴が設けられている。ジョイン
ト1は、(a)図に示す座標軸でのY軸廻りの回転θY
が回動自在な構造である。ジョイント1にはリンクアー
ム4の一端が接続され、リンクアーム4をθY 方向に回
動自在としている。
【0052】リンクアーム4の他端にはジョイント2が
接続され、ジョイント2は図(a)における座標軸のθ
Z 方向に回転自在な構造である。ジョイント2にはリン
クアーム5の一端が接続され、リンクアーム5をθZ
向に回動自在としている。又、リンクアーム5の他端に
はジョイント3が接続され、ジョイント3は図(a)に
示すθX 方向に回転自在な構造であり、ジョイント3に
はリンクアーム6の一端が取付けられ、リンクアーム6
をθX 方向に回動自在としている。
【0053】図5はリンクアームの回動の一例を示し、
ジョイント1においてリンクアーム4がθY 方向に回動
した場合の例を示すが、同様にリンクアーム5はジョイ
ント2を介してθZ 方向に、リンクアーム6はジョイン
ト3を介してθX 方向に回動可能である。
【0054】図6はリンク機構(L)の斜視図であり、
各リンクアーム4,5,6には、それぞれ内部に電線2
4又は導板が取付けられ、各電線24の両端部は図示し
ていないジョイント内のスリップリングへ摺動して接続
している。又、リンクアーム6の開口部23からは水が
供給され、各アーム内を流れ、アームの内部は図示省略
のジョイント内部に設けられた水導通穴に摺動しながら
連通する構成である。従って、リンク機構(L)が自在
に屈曲しても水はリンクアーム他端から矢印wで図示の
ように、又、電気は電線24と各ジョイントのスリップ
リングを介して、それぞれジョイント1側へ接続され
る。
【0055】図7は実施の第1形態のリンク機構のジョ
イント部の構造を示す斜視図であり、アーム4,5につ
いて示している。ジョイント2はリンクアーム4に取付
けられたジョイント2aとアーム5に取付けられたジョ
イント2bとからなり、2aと2bとは軸2cを中心と
して回転可能であり、アーム4と5が回転できる構成で
ある。
【0056】このような構成のリンク機構が本発明では
4本が軸対称に配設されケーシング10内部へコネクタ
34a〜34dを介して水又は電気を供給することがで
きる。
【0057】なお、上記に説明の実施の第1形態におい
て、リンクアーム4,5,6を省略し、ジョイント1,
2,3又は、複数のジョイントを直接接続し、ジョイン
トのみでリンク機構を構成しても良い。
【0058】上記に説明の実施の第1形態においては、
ケーシング10に軸対称に4ヶ所の位置に取付けられた
コネクタ35a,35b,35c,35dにそれぞれ図
4〜図7で説明したリンク機構(L)が取付けられる。
このような構成において、ケーシング10が振動したと
しても、マルチスリップジョイント13に軸対称にフレ
キシブルパイプ14a,14b,14c,14dが取付
けられており、回転軸30が偏芯しようとしても、4本
のパイプの均一な引張力により偏芯が最小となるように
抑えられ外部へ伝わる振動を吸収することができる。
【0059】又、更に、コネクタ35a,35b,35
c,35dには3次元方向に移動自在なリンク機構
(L)が取付けられているので、外部へフレキシブルパ
イプを伝わって伝播しようとする振動も、軸対称に配置
されたリンク機構(L)により、3次元方向に自由に回
転して任意の方向の振動を吸収すると共に、4本のリン
ク機構の対称配置によっても互いに引張力により偏芯を
最小にするように吸収することができる。
【0060】上記のようにケーシング10に接続した4
本のリンク機構(L)をコネクタ34に接続し、リンク
機構(L)を介して内部に電線22を通し、又、水の共
通通路として活用することにより、従来のパイプの代わ
りに活用することができる。このようなリンク機構
(L)において、回転軸30に生じた振動がコネクタ3
4を介してリンク機構(L)に伝播したとしても、リン
ク機構(L)のジョイント1はθY 方向へ、ジョイント
2はθZ 方向へ、ジョイント3はθX 方向へ、それぞれ
自在に回動し、リンク機構(L)全体として微小な振動
が任意の方向へ加わっても、これを吸収することができ
る。
【0061】又、このようなリンク機構(L)を、図1
に示すように必要に応じて複数個接続して用いれば、電
線や配管を距離にかかわりなく接続することができ、任
意の振動に対してこれを吸収することができる。接続の
際には、連結部7,8を相手方へ差し込むのみで容易に
接続可能である。
【0062】なお、上記に説明のリンク機構(L)の各
ジョイント及びリンクアームには水の通路と電線配線の
両方を並設しても良いし、いずれか一方のみを設けても
良く、又、リンク機構(L)は4本を用いる例で説明し
たが、4本に限定せず、3本あるいは4本以上をコネク
タを回転軸に対して対称に配置することにより複数本の
リンク機構を必要に応じて使用することができる。
【0063】又、ジョイント1,2,3とアームとの接
続は導電性の良好な材料からなるベアリングを用いて接
続し、アーム自体を電気導電路として電線を省略するこ
ともできる。
【0064】図8は本発明の実施の第2形態に係る微小
重力環境振動吸収リンク機構の斜視図であり、ジョイン
ト部の構造を示している。図において、リンクアーム
4,5には、それぞれ支持材51,52が2本取付けら
れ、リンクアーム4の支持材51,52にはジョイント
50のアーム53aと53cとが回転自在に取付けら
れ、リンクアーム5の支持材51,52にはアーム53
b,53dとが回転自在に取付けられている。アーム5
3aと53c及び53bと53dとは、それぞれ直線状
であり、十字形のアームを構成しジョイント50を支持
している。またジョイント50の中心部には流体導通路
又は電線の通路用の穴50aが設けられている。
【0065】上記構成において、リンクアーム4はアー
ム53a及び53cを中心に回動すると共に、リンクア
ーム5もアーム53b及び53dを中心に回動し、更
に、リンクアーム4と5とはジョイント50を中心とし
て自由に移動可能としている。従って、本実施の第2形
態のリンク機構では、アーム同志は3次元方向に回動、
屈曲可能となっている。その他の構成は実施の第1形態
と同じであり、より高精度に制振効果が得られる。
【0066】図9は本発明の実施の第3形態に係る微小
重力環境振動吸収リンク機構の斜視図であり、ジョイン
ト部を示している。図において、リンクアーム4と5は
屈曲自在な柔軟材料のジョイント54からなり、任意の
3次元方向に変形自在であり、アーム4,5は互いに任
意の3次元方向へ回動自在となっている。なお、ジョイ
ント54内部には流体の導通路、又は電線の通路となる
穴が設けられている。その他の構成は実施の第1形態と
おなじである。このような構成の実施の第3形態におい
ても実施の第1形態と同様の効果を奏し、高精度の制振
効果が得られるものである。
【0067】図10は本発明の実施の第4形態に係る微
小重力環境振動吸収リンク機構の斜視図であり、図にお
いて、リンクアーム4,5,6は、それぞれジョイント
55で接続されている。ジョイント55は円筒状又は袋
状で内部が空洞であり、内部には導電性を有する液体、
流体、水銀等の液性の金属が封入されている。従って、
リンクアーム4,5,6、はこれらジョイント55内の
液性金属を介して導通が得られ、リンクアーム機構が電
線の役割をし、電線が不要となり電気系の構成が簡素化
される。
【0068】図11は本発明の実施の第5形態に係る微
小重力環境振動吸収リンク機構の斜視図であり、図にお
いて、20はケーシングであり、内外を貫通して中空状
のバネ体61が取付けられ、バネ体61内には流体供給
用のパイプ又は電線62が挿通されている。バネ体61
はバネ、弾性力を有する材料、伸縮自在のフレキシブル
チューブ、変形自在のチューブ表面に弾性力を付加した
スパイラル状コイルを埋め込んだもの、等いずれでも適
用される。このようなバネ体61を用いてもチューブ又
は電線62からの振動や荷重を吸収できる。
【0069】図12は本発明の実施の第6形態に係る微
小重力環境振動吸収リンク機構を示し、(a)は斜視
図、(b)は(a)におけるB−B断面図である。図に
おいて、リンクアーム56,57,58は(b)に示す
ように、内部に流体用導通路60aと電線配線用の通路
60bとを有しており、その他の構成は実施の第1形態
と同じである。このような実施の第6形態においては、
水等の流体の供給、排出と電線の配線が1本のリンクア
ームで構成され、かつ、より効果的な制振効果が得られ
るものである。
【0070】なお、図7,8,9,10,12に示すジ
ョイント同志を複数個リンクアームを省略して直接接続
してリンク機構を構成しても良く、短い距離のリンク機
構として用いると、より自由度の高いアームが構成でき
る。
【0071】
【発明の効果】本発明の微小重力環境振動吸収リンク機
構は、請求項1から請求項17の発明から構成される。
【0072】上記の構成により、ケーシング内で回転す
る回転体が実験物のアンバランス等により振動すると、
宇宙等の微小重力空間では、この振動体に接続する水等
の流体供給用の配管を通すパイプを伝わり、ケーシング
の外部へ振動が伝播され、外部の機器へ伝え実験環境を
破壊する恐れがある。そこで本発明の(1)では、ケー
シングの流体供給系統を任意の3次元方向の振動に対し
てもその変位を吸収できるリンク機構を用いて供給する
構成とし、かつ、このリンク機構は、複数のコネクタを
回転軸に対して軸対称に配置することにより複数本を対
称に取付ける構成としている。回転体からの振動がコネ
クタからケーシング外側へ伝播されると、リンク機構の
第1〜第3ジョイントは、それぞれ直交する3軸廻りに
回動し、コネクタを介してアームに振動が加わったとし
ても、3次元方向のいかなる振動の変位も第1〜第3ジ
ョイントの総合的な動きにより吸収することができる。
更に、リンク機構が対称配置されたコネクタに接続され
ているので、互いに引張力が作用し、リンクの引張力に
よる偏芯も最小に抑えられ、振動を効果的に吸収でき
る。更に、又、ジョイントを組み合わせて自由度の高い
リンク機構の数値モデルを構築するのが容易となり、制
御装置の設計も簡素化される。
【0073】本発明の(2)では、ジョイントが直交す
る3軸で回転可能であり、又、本発明の(3)では、ジ
ョイントが3次元方向に回動可能な屈曲自在な柔軟材料
からなり、かつ、ジョイントとアームは3個以上の複数
からなるので、上記(1)の発明と同様に、振動を吸収
すると共に、離れた場所からケーシング内へ水等の流体
の供給を行なうことができる。
【0074】本発明の(4)では、ジョイントが互いに
直交する3軸で回転可能な構成のものと、屈曲自在な柔
軟材料からなるものとを、複数個組み合わせて構成する
ので、より柔軟性と融通性のあるリンク機構が構成でき
る。又、本発明の(5)では、ジョイント間にアームを
接続しないでジョイントのみ複数個接続するので、水等
の流体の供給経路が短い場所にも適用でき、アームがな
い分動きがより自由となり振動の吸収も効果的になされ
る。
【0075】本発明の(6)では、ジョイントを直交す
る軸に回動可能として、更にスリップリングを設け、ア
ーム内の電線とスリップリングとを接続するので、ジョ
イントとアームを複数個連接してリンク機構を構成し、
同リンク機構の両端のコネクタを介して電気接続を可能
とし、内部の電線の剛性が変化しても、振動、荷重を吸
収することができる。
【0076】本発明の(7)では、3個以上の複数のジ
ョイントが直交する3軸で回動自在な構成であり、又、
本発明の(8)では、屈曲自在な柔軟材料からなり、ス
リップリングを設けてジョイントとアームが複数個接続
されるので、アーム内の電線とジョイントのスリップリ
ングとを介してリンク機構の内部の導通を可能とし、内
部の電線の剛性が変動しても、振動、荷重の伝達を効果
的に吸収できる。
【0077】本発明の(9)では、ジョイントは、直交
3軸で回動可能なものと、屈曲自在な柔軟材料からなる
ものとを組み合わせるので、場所や経路に応じて屈曲自
在なジョイントでは電線をそのまま挿通でき、配線が容
易となる。
【0078】本発明の(10)では、各ジョイントとア
ームとは導電性のベアリングを介して接続され、又は本
発明の(11)では変形自在なチューブ内へ液体金属が
封入された構成であるので、電線による接続を不要と
し、リンク機構そのものが制振機能を有すると共に、電
気的導通路となり、機構がより簡素化される。
【0079】本発明の(12)では、ジョイント間にア
ームを接続しないでジョイントのみ複数個接続するの
で、水の供給経路が短い場所にも適用でき、アームがな
い分動きがより自由となり振動の吸収も効果的になされ
る。
【0080】本発明の(13)では、リンク機構の流体
経路又は電気経路は、それぞれ3軸で回動可能なジョイ
ントと屈曲自在な材料からなるジョイントを用いたリン
ク機構であり、経路長さや場所の状態に応じて、それぞ
れ選択して用いることができるので、融通性のあるリン
ク機構が構成できる。
【0081】本発明の(14)では、リンク機構には流
体用の導通穴を有するジョイントと、電気用のスリップ
リングを有するジョイントを並設して1つのジョイント
とし、この並設したジョイントを複数個直接接続してリ
ンク機構を構成し、又、本発明の(15)では、ジョイ
ント間にアームを用いる構成であるので、水の供給と電
気接続の両機能を有するリンク機構が1本のリンク機構
で実現できる。
【0082】本発明の(16)では、中空状のバネ体の
中に流体の流路を、又、本発明の(17)ではバネ体の
中に配線を挿通するので、バネ体により、流体流路や電
線の振動が効果的に吸収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態に係る微小重力環境振
動吸収リンク機構を適用した回転式実験装置の側面図で
ある。
【図2】図1におけるA−A矢視図である。
【図3】本発明の実施の第1形態に係るマルチスリップ
リングの断面図である。
【図4】本発明の実施の第1形態に係るリンク機構を示
し、(a)はリンク機構の3次元座標を、(b)はリン
ク機構の詳細な側面図を、それぞれ示す。
【図5】本発明の実施の第1形態に係るリンク機構の側
面図で、リンク機構の回動例を示す。
【図6】本発明の実施の第1形態に係るリンク機構の斜
視図を示す。
【図7】本発明の実施の第1形態に係る微小重力環境振
動吸収リンク機構のジョイント部を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施の第2形態に係る微小重力環境振
動吸収リンク機構のジョイント部を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施の第3形態に係る微小重力環境振
動吸収リンク機構のジョイント部を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施の第4形態に係る微小重力環境
振動吸収リンク機構のジョイント部を示す斜視図であ
る。
【図11】本発明の実施の第5形態に係る微小重力環境
振動吸収リンク機構のジョイント部を示す側面図であ
る。
【図12】本発明の実施の第6形態に微小重力環境振動
吸収リンク機構のジョイント部を示し、(a)は斜視
図、(b)は(a)におけるB−B断面図である。
【図13】先行技術に係る微小重力環境振動吸収リンク
機構を適用した回転式実験装置の側面図である。
【図14】従来の計画されている宇宙での回転式実験装
置を示し、(a)は側面図、(b)は(a)におけるC
−C矢視図である。
【符号の説明】
1,2,3 ジョイント 4,5,6 リンクアーム 7,8 連結部 10 ケーシング 11,12 弾性軸受 13 マルチスリップジョイント 14a,14b,14c,14d パイプ 15 支持部材 16 電気接続部 16a,17a 摺動部 17 水連通口 30 回転軸 34a,34b,34c,34d コネクタ 50,54,55 ジョイント 51,52 支持材 53a〜53d アーム 61 バネ体 56,57,58 リンクアーム

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング内で回転する回転軸の周囲に
    取付けられ重力を付加する対象物を入れて回転するボッ
    クス等容器を有する微小重力環境回転体において、前記
    ケーシングにコネクタを介して接続され外部から前記ボ
    ックス等容器へ水や薬品等の供給流体を供給する経路と
    なると共に振動吸収も行うリンク機構であって、前記コ
    ネクタは前記回転軸に対して軸対称に複数個が配置さ
    れ、前記リンク機構は前記複数のコネクタにそれぞれ接
    続され、前記コネクタに接続された第1のジョイント
    と、同第1ジョイントに一端が接続された中空状の第1
    のアームと、同第1アームの他端に接続された第2のジ
    ョイントと、同第2ジョイントに一端が接続された中空
    状の第2のアームと、同第2アームの他端に接続された
    第3のジョイントと、同第3ジョイントに一端が接続さ
    れた中空状の第3のアームとからなり、前記第1,第
    2,第3のジョイントは、それぞれ互いに直交する軸を
    中心に回転可能とすると共に、前記供給流体の導通穴を
    有し、前記第3アームの他端から前記第1ジョイントを
    通り、前記コネクタを介して前記供給流体を供給するこ
    とを特徴とする微小重力環境振動吸収リンク機構。
  2. 【請求項2】 前記複数のリンク機構は、3個以上の複
    数のジョイントとアームからなり、同ジョイントとアー
    ムとを交互に複数個連接し、同リンク機構の先端にもコ
    ネクタを接続し前記コネクタを介して前記供給流体を供
    給、返送可能とすることを特徴とする請求項1記載の微
    小重力環境振動吸収リンク機構。
  3. 【請求項3】 前記各ジョイントは屈曲自在な柔軟材料
    からなることを特徴とする請求項1又は2記載の微小重
    力環境振動吸収リンク機構。
  4. 【請求項4】 前記各ジョイントは前記直交する3軸で
    回動可能なジョイントに加え、屈曲自在な柔軟材料のジ
    ョイントも組み合わせて1本のリンク機構を構成し、同
    1本のリンク機構の両端には前記機器側のコネクタと他
    端にもコネクタを設けたことを特徴とする請求項1又は
    2記載の微小重力環境振動吸収リンク機構。
  5. 【請求項5】 前記ジョイント間には前記アームを接続
    せずに複数のジョイント同志を直接連接したことを特徴
    とする請求項1から4のいずれかに記載の微小重力環境
    振動吸収リンク機構。
  6. 【請求項6】 ケーシング内で回転する回転軸の周囲に
    取付けられ重力を付加する対象物を入れて回転するボッ
    クス等容器を有する微小重力環境回転体において、前記
    ケーシングにコネクタを介して接続され外部から前記ボ
    ックス等容器へ水や薬品等の供給流体を供給する経路と
    なると共に振動吸収も行うリンク機構であって、前記コ
    ネクタは前記回転軸に対して軸対称に複数個が配置さ
    れ、前記リンク機構は前記複数のコネクタにそれぞれ接
    続され、前記コネクタに接続された第1のジョイント
    と、同第1ジョイントに一端が接続された中空状の第1
    のアームと、同第1アームの他端に接続された第2のジ
    ョイントと、同第2ジョイントに一端が接続された中空
    状の第2のアームと、同第2アームの他端に接続された
    第3のジョイントと、同第3ジョイントに一端が接続さ
    れた中空状の第3のアームとからなり、前記第1,第
    2,第3のジョイントは、それぞれ互いに直交する軸を
    中心に回転可能とし、それぞれ電気接続を行なうスリッ
    プリングを有し、前記第1,第2,第3のアーム内には
    それぞれ電線が配線され、同電線は前記各スリップリン
    グを介して接続されてリンク機構を構成し、前記第3ア
    ームの他端から前記第1ジョイントを通り、前記コネク
    タを介して電気の接続を行い、電線の剛性が変動しても
    振動、荷重の伝達を吸収することを特徴とする微小重力
    環境振動吸収リンク機構。
  7. 【請求項7】 前記複数のリンク機構は、3個以上の複
    数のジョイントとアームからなり、同ジョイントとアー
    ムとを交互に複数個連接し、同リンク機構の先端にもコ
    ネクタを接続し前記両コネクタを介して前記電気接続を
    行ない、電線の剛性が変動しても振動、荷重の伝達を吸
    収することを特徴とする請求項6記載の微小重力環境振
    動吸収リンク機構。
  8. 【請求項8】 前記ジョイントは屈曲自在な柔軟材料か
    らなることを特徴とする請求項6又は7記載の微小重力
    環境振動吸収リンク機構。
  9. 【請求項9】 前記各ジョイントは前記直交する3軸で
    回動可能なジョイントに加え、屈曲自在な柔軟材料のジ
    ョイントも組み合わせ、前記直交する3軸で回動可能な
    ジョイントには前記スリップリングを、前記屈曲自在な
    柔軟材料のジョイントには配線を直接挿通して1本のリ
    ンク機構を構成し、同リンク機構の両端には前記機器側
    のコネクタと他端にもコネクタを設け、前記両コネクタ
    を介して電気接続を行ない、配線の剛性が変動しても振
    動、荷重の伝達を吸収することを特徴とする請求項6又
    は7記載の微小重力環境振動吸収リンク機構。
  10. 【請求項10】前記スリップリングに代えて電気導電性
    を有するベアリングを用いることを特徴とする請求項6
    又は7記載の微小重力環境振動吸収リンク機構。
  11. 【請求項11】前記導電性ベアリングの代わりに、変形
    自在なチューブを用い、同チューブ内に導電性を有する
    液体、流体、水銀等の液性の金属を封入したことを特徴
    とする請求項10記載の微小重力環境振動吸収リンク機
    構。
  12. 【請求項12】前記各ジョイント間には前記アームを用
    いることなく前記複数のジョイント同志を連接すること
    を特徴とする請求項6から11のいずれかに記載の微小
    重力環境振動吸収リンク機構。
  13. 【請求項13】請求項2,3記載のリンク機構の中から
    複数個のリンク機構を選び同複数個のリンク機構を接続
    して1本のリンク機構とするか、又は請求項7,8,1
    0,11,12記載のリンク機構の中から複数個のリン
    ク機構を選び同複数個のリンク機構を接続して1本のリ
    ンク機構とすることを特徴とする微小重力環境振動吸収
    リンク機構。
  14. 【請求項14】請求項2,3のいずれかに記載のリンク
    機構に用いられる流体用のジョイントと、請求項7,
    8,10,11,12のいずれかに記載のリンク機構に
    用いられる電気用のジョイントとを並設して1つのジョ
    イントを構成し、同並設したジョイントの前記流体用ジ
    ョイント同志及び前記電気用ジョイント同志を、それぞ
    れ複数個連接することを特徴とする微小重力環境振動吸
    収リンク機構。
  15. 【請求項15】前記各流体用ジョイント間及び各電気用
    ジョイント間には、それぞれ中空状のアームを介してそ
    れぞれ接続することを特徴とする請求項14記載の微小
    重力環境振動吸収リンク機構。
  16. 【請求項16】ケーシング内で回転する回転軸の周囲に
    取付けられ重力を付加する対象物を入れて回転するボッ
    クス等容器を有する微小重力環境回転体において、前記
    ケーシングに流体接合部を介して接続され外部から前記
    ボックス等容器へ水や薬品等の供給流体を供給する経路
    となると共に振動吸収も行うリンク機構であって、前記
    流体接合部は前記回転軸に対して軸対称に複数個が配置
    され、前記リンク機構は前記複数のコネクタにそれぞれ
    接続され、前記流体接合部は中空状のバネ体であり、同
    中空状バネ体は前記供給流体の導通路を有し、前記バネ
    体を介して前記供給流体を供給、返送することにより内
    部の前記供給流体の圧力が変動しても振動、荷重を吸収
    することを特徴とする微小重力環境振動吸収リンク機
    構。
  17. 【請求項17】ケーシング内で回転する回転軸の周囲に
    取付けられ重力を付加する対象物を入れて回転するボッ
    クス等容器を有する微小重力環境回転体において、前記
    ケーシングにコネクタを介して接続され外部から前記ボ
    ックス等容器へ水や薬品等の供給流体を供給する経路と
    なると共に振動吸収も行うリンク機構であって、前記コ
    ネクタは前記回転軸に対して軸対称に複数個が配置さ
    れ、前記リンク機構は前記複数のコネクタにそれぞれ接
    続され、前記コネクタは中空状のバネ体であり、同中空
    状バネ体は前記電線の導通路を有し、前記バネ体を介し
    て前記電線を前記ケーシング内部へ挿通することにより
    前記電線の振動、荷重の伝達を吸収することを特徴とす
    る微小重力環境振動吸収リンク機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019182228A (ja) * 2018-04-11 2019-10-24 株式会社荏原製作所 有線ドローンシステム
JP2020082935A (ja) * 2018-11-21 2020-06-04 株式会社荏原製作所 水素搬送装置、および水素搬送方法

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