JP2002264525A - 二色印字が可能な複合感熱記録媒体およびこれを用いた記録方法 - Google Patents
二色印字が可能な複合感熱記録媒体およびこれを用いた記録方法Info
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Abstract
しながらも、記録時に、上層からの熱が下層に伝わる際
に、周囲に熱が伝わって下層の発色層が発色する際に、
周囲に、にじみやかぶりを生じることを解消することを
課題とする。 【解決手段】 基材2上に、着色層3、感熱破壊記録層
4、近赤外吸収性層5、感熱発色層6、および必要に応
じ保護層7を順に積層して複合感熱記録媒体1を構成
し、近赤外吸収性層5に、比較的低出力の近赤外レーザ
ー光を照射して、感熱発色層6に記録し、比較的高出力
の近赤外レーザー光を照射して、感熱破壊記録層4に記
録することにより課題を解決することができた。
Description
した非接触方式により、二色印字が可能な感熱記録媒体
に関するものである。また、本発明は、そのような記録
媒体を用いて行なう記録方法に関するものでもある。
層を積層しておき、サーマルヘッドで情報を印字するよ
う構成したカード、シート、もしくはラベル等はよく行
なわれている。一例を挙げれば、交通機関を利用する際
の料金を、一定額を前払いして購入した、いわゆるプリ
ペイドカードの裏面には、上記のような感熱発色層が積
層されており、自動改札を通過する都度、月日、乗車区
間、料金等を印字して、利用者が確認できるようにして
いる。
用途では、記録材料には一色の記録しか行なわれてな
く、二色以上の多色で記録がなされることはなかった。
二色以上の多色の記録は、転写リボンを用いた転写や電
子写真方式等によって行なうことが可能ではあるが、同
じ個所に、異なる色の印字を二回行なわなければなら
ず、上記の例のような改札口を通過する際の印字等には
時間的に間に合わないからである。
高温発色層の二種類の感熱発色層を順次積層し、記録を
行なう試みが特開平9−267557号公報に記載され
ており、いずれの層の発色温度も常温より高くし、かつ
両層において異なる発色温度とする制約はあるものの、
一応の二色印字が可能になる。
層と高温発色層とは直接に積層しており、下層となる低
温発色層への印字の際には、上層の高温発色層を介して
サーマルヘッドの熱が伝わるため、サーマルヘッドの直
下以外の周囲に伝わった熱により、低温発色層が発色
し、にじみやかぶりを生じることがあった。
ては、それぞれ異なる発色が可能な層を重ねて積層しな
がらも、記録時に、上層からの熱が下層に伝わる際に、
周囲に熱が伝わって下層の発色層が発色する際に、周囲
に、にじみやかぶりを生じることを解消することを課題
とする。
金属薄膜等の感熱破壊記録層、および感熱発色層の二種
類とし、二層の間に近赤外吸収性層を介在させることに
より隔離し、記録時には、比較的低いエネルギーのレー
ザー光で感熱発色層に記録を行ない、かつ、比較的高い
エネルギーで感熱破壊記録層に記録を施すことにより、
解消することが見出され、本発明に到った。
に、下側から着色層、感熱破壊記録層、近赤外吸収性
層、および感熱発色層が順に積層されたことを特徴とす
る複合感熱記録媒体に関するものである。第2の発明
は、前記感熱発色層上には保護層が積層されたことを特
徴とする請求項1記載の複合感熱記録媒体に関するもの
である。第3の発明は、第1または第2の発明の複合感
熱記録媒体の近赤外吸収性層に、比較的低出力の近赤外
レーザー光を照射して、前記感熱発色層に記録するこ
と、および比較的高出力の近赤外レーザー光を照射し
て、前記感熱破壊記録層に記録することとを行なうこと
を特徴とする記録方法に関するものである。第4の発明
は、第3の発明において、前記感熱発色層への記録を全
面に高密度で行なうか、もしくは全面に均一に発色させ
ることを行なうことを特徴とする記録方法に関するもの
である。
感熱記録媒体の基本的な構造を示す断面図で、複合感熱
記録媒体1は、基材2上に、着色層3、感熱破壊記録層
4、近赤外吸収性層5、感熱発色層6、および保護層7
が順に積層された構成からなるものである。即ち、着色
シート3および感熱破壊記録層4とからなる第1の感熱
記録層と、感熱発色層からなる第2の感熱記録層とが近
赤外吸収性層を介して積層した構造の記録層を有するも
のである。
しくは化学的性状を向上させる目的で、形成してあった
方がよいが、用途によっては省略し得る。また、図示は
しないが、各層間には、接着性を向上させる目的で、プ
ライマー層もしくはアンカー層を介在させてもよい。さ
らに、図1において、基材2上の各層3〜7は、基材2
と同じ大きさであるように描いてあるが、基材2上に余
白を残して積層してあってもよい。
織布、もしくは金属箔、またはそれらの複合体で構成す
ることができる。これらのうち、引張り強度、フレキシ
ビリティー、平滑性等の点で、ポリエステル樹脂フィル
ムやポリ塩化ビニル樹脂フィルム等のプラスチックフィ
ルムが適している。厚みのあるカード、例えば、一般的
なクレジットカードもしくは銀行の預貯金用カードの基
材の場合、透明なオーバーシート、2枚の不透明なコア
シート、および透明なオーバーシートの4枚のシートの
積層体で基材2を構成してもよい。基材2は、移行に述
べる第1および第2の感熱記録層に加え、磁気記録層、
もしくはICモジュール等の電磁気的な情報の記憶手段
を、転写層3〜保護層7の各層とは別に備えているもの
であってよい。
録を視覚的に明瞭化するために積層された層で、一般的
には、顔料もしくは染料等の着色剤で着色された樹脂層
から構成される。
エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロー
ス、セルロースアセテートプロピオネート、もしくは酢
酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポ
リ−α−メチルスチレン等のスチレン樹脂もしくはスチ
レン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリ
ル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、もしくはポリアク
リル酸ブチル等のアクリル樹脂単独もしくはメタクリル
樹脂単独、またはこれら共重合樹脂、ロジン、ロジン変
成マレイン酸、ロジン変性フェノール、もしくは重合ロ
ジン等のロジンエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル、クマロ
ン、ビニルトルエン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、
ポリウレタン、ポリビニルブチラール等の樹脂の中から
一種、もしくは二種以上を選択して使用する。
料もしくは染料からなる着色剤を配合し、さらに必要に
応じて、可塑剤、安定剤、ワックス、グリース、乾燥
剤、乾燥補助剤、硬化剤、増粘剤、分散剤も配合して、
溶剤もしくは希釈剤と共に混練して得られるインキ組成
物もしくは塗料組成物を用いて、基材2上にグラビア方
式、ロール方式、ナイフエッジ方式、もしくはオフセッ
ト方式等の印刷方法もしくはコーティング方法により、
着色層を形成する。
の多い磁気記録層を、着色層とみなして利用することも
できる。磁気記録層は、従来公知の磁性材料、即ち、γ
−Fe2O3、Co被着のγ−Fe2O3、CrO2、F
e、Fe−Cr、Fe−Co、Co−Cr、Co−N
i、Mn−Al、Baフェライト、Srフェライト等
を、適宜な樹脂もしくはインキビヒクル中に分散させた
ものを、グラビア方式、ロール方式、、もしくはナイフ
エッジ方式等により、基材2上に形成する。コーティン
グ方法によって磁気記録層を形成する際には、磁気記録
層の膜厚は、1〜100μm、より好ましくは5〜20
μmである。
はインキビヒクルとしては、ブチラール樹脂、塩化ビニ
ル/酢酸ビニル共重合体樹脂、ウレタン樹脂、ポリエス
テル樹脂、セルロース樹脂、アクリル樹脂、スチレン/
マレイン酸共重合体樹脂等を用いる事ができ、必要に応
じて、ニトリルゴム等のゴム系樹脂、もしくはウレタン
エラストマー等が添加される。また、磁性材料を分散さ
せる上で、必要に応じて、界面活性剤、シランカップリ
ング剤、可塑剤、ワックス、シリコーンオイル、カーボ
ン等を配合することができる。
より溶融もしくは蒸発する等により照射部分が除去され
る性質を有するものである。具体的には、感熱破壊記録
層4は、比較的低融点の金属もしくは金属化合物の薄膜
からなるものであり、真空蒸着法、スパッタリング法、
もしくはメッキ法等の公知の薄膜形成法により形成す
る。
金属化合物としては、Te、Sn、In、Bi、Pb、
Zn、もしくはAl等の金属、これら金属の合金、もし
くはこれら金属の化合物、例えば、TeC等が挙げられ
る。
照射により、適宜な時間内に薄膜が破壊される程度の厚
みとし、素材にもよるが、100Å〜1μm、より好ま
しくは500Å〜1000Å程度である。
間、または/および感熱破壊記録層4と次記近赤外吸収
性層5との間には、各層間の密着力の向上の目的で、も
しくは金属薄膜層形成時の下地層を形成する目的で、ア
ンカー層を介在させることが好ましい。アンカー層を介
在させると、金属薄膜層の溶融破壊が円滑に行なわれ、
印字感度が向上する効果があり、感度よく鮮明な印字が
可能になる利点も生じる。なお、アンカー層は透明性を
維持した上で、任意の色に着色してもよい。
ル系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル系樹脂等の熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂等の硬化性樹
脂等の樹脂の一種もしくは二種以上を使用して、溶剤も
しくは希釈剤と共に溶解もしくは分散して得られる組成
物を用い、公知のグラビアコーティング法もしくはグラ
ビア印刷法により行ない、厚みとしては1μm程度が好
ましい。
近赤外レーザー光を熱に変換するための近赤外吸収剤が
分散したものである。近赤外吸収剤としては、例えば、
フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、ビスチオウレ
ア系化合物、スクアリリウム系、アズレニウム系、トリ
フェニルアミン系、トリスアゾ系、ジフェニルメタン
系、トリフェニルメタン系、キノン系、ナフトキノン
系、アントラキノン系、アゾ系、インモニウム系、ジイ
ンモニウム系、金属錯体系、金属硫化物とチオウレア系
化合物、もしくはリン化合物と銅化合物等が挙げられ、
これらのうちから一種または二種以上を使用する。近赤
外吸収剤としては、感熱発色層4の発色を妨げず、地色
を抑える意味で、できるだけ、無色または淡色のものを
選択し、使用するとよい。
ンダとしては、例えば、エチルセルロース、ゼラチン、
カゼイン、アルキレン/無水マレイン酸共重合体、ポリ
ビニルピロリドン、アクリルアミド系水溶性樹脂、スチ
レン/ブタジエン共重合体エマルジョン、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、アミド樹脂、もしくはポリウレタン樹脂等
が挙げられる。
て反応し、発色する、電子供与性染料前駆体、および電
子受容性化合物を主成分とし、これらが樹脂バインダ中
に分散したものである。以下に挙げるような種々の成分
を適宜に混合して塗料組成物惜しくはインキ組成物と
し、グラビア、ロールコート、スプレーコート、もしく
はディップコート等の印刷法またはコーティング法によ
り層6を形成する。
料としてこの種の感熱記録材料に使用されているものが
利用でき、具体的には、トリフェニルメタン系、フルオ
ラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラ
ン系、もしくはインドリノフタリド系等の染料のロイコ
化合物が好ましく用いられる。
与性染料前駆体と組合わせて顕色剤として用いられ、加
熱加圧により基材上に貼る等の際の熱に耐えられる程度
の耐熱性を有し、感熱記録の際に、感度よく反応するも
のが選ばれる。
ール性物質、オクチルスルホン酸、ノニルホスホン酸、
デシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、テトラデシル
ホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホ
スホン酸、もしくはエイコシルホスホン酸、α−ヒドロ
キシオクタノイック酸、α−ヒドロキシデカノイック
酸、α−ヒドロキシテトラデカノイック酸、もしくはα
−ヒドロキシオクタデカノイック酸、α−チオジフェニ
ル酸、またはキノン類等が好ましく用いられる。
受容性化合物を分散させる樹脂バインダとしては、ポリ
ビニルアルコール、でんぷん、変性でんぷん、メチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、カ
ゼイン、アルキレン/無水マレイン酸共重合体、ポリビ
ニルピロリドン、アクリルアミド系水溶性樹脂、スチレ
ン/ブタジエン共重合体エマルジョン、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂、アミド樹脂、もしくはポリウレタン樹脂の主
に水溶性樹脂が挙げられる。
加剤を添加することができ、添加剤としては、増感剤、
退色防止剤、顔料、もしくは分散剤が挙げられる。増感
剤としては、例えば、1−ヒドロキシ−2−ナフト酸フ
ェニル、p−ベンジルビフェニル、ステアリン酸アミ
ド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミ
ド、シュウ酸ジベンジル、トリルビフェニルエーテル、
もしくは脂肪族アミド類が挙げられる。
た顕色剤の類似物、亜鉛塩等の有機金属塩、ヒンダード
フェノール等が挙げられる。顔料としては、隠蔽性が無
い、吸油量が高い、pHが高い、染料に対し活性が無い
ものが求められる。白色顔料であれば、可視光、近赤外
光を周囲に散乱させる効果があり、近赤外吸収剤への近
赤外光吸収を促進し、発熱効果を上昇させる。具体的な
顔料としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、
珪酸塩、ゼオライト、シリカ、カオリン、クレー、もし
くは尿素ホルマリン樹脂等が挙げられる。
で、保護層7が最表面に積層されていることにより、複
合感熱記録媒体1の最表面が、携帯時や使用時に摩擦さ
れて摩耗したり、熱を受けて、変形するのを防ぐもの
で、耐薬品性、耐水性、および耐摩耗性等の耐久性を有
し、かつ、下層を透視可能とするための透視性を有する
ものであることが好ましい。
するためのものとして挙げたバインダ樹脂と同様のもの
を用いて構成するほか、表面の耐摩耗性、耐薬品性、も
しくは耐汚染性等を高度にする目的で、熱硬化性樹脂、
または電離放射栓硬化性樹脂(紫外線硬化性磁気記録層
もしくは電子線硬化性樹脂)を用いて構成してもよく、
厚みとしては0.1〜10μm程度である。なお、保護
層7と下層の感熱発色層6との密着性を高めると共に、
保護層形成の際の保護層形成用組成物中の溶剤の感熱発
色層6への移行を防止する目的で、保護層7と感熱発色
層6との間にアンカー層を介在させてもよい。
は、図2に示すような方法により行なう。まず、図2
(a)に示すように、複合感熱感熱記録媒体1の感熱発
色層6のある側(図1で言えば、保護層のある側)よ
り、比較的低出力の近赤外レーザー光12を、レンズ1
1を使用し、近赤外吸収性層5に焦点を合わせて照射す
る。この照射により、近赤外吸収性層5の照射された部
分において熱が発生し、発生した熱が上下の各層に伝わ
る。これにより、上層の感熱発色層6の該当部分におい
て、層内にある電子供与性染料前駆体、および電子受容
性化合物が融解して反応し、発色して発色部6aを生じ
ることにより感熱発色層6に記録が行なわれる。近赤外
吸収性層5で発生した熱は、下層の感熱破壊記録層4に
も伝わるが、感破壊記録層4を構成する金属、合金、も
しくは金属化合物の薄膜は、もたらされた熱が少ないた
め、記録には至らない。
(b)に示すように、比較的高出力の近赤外レーザー光
12を、やはり、レンズ11を使用し、近赤外吸収性層
5に焦点を合わせて照射する。この照射により、近赤外
吸収性層5には、上記の感熱発色層6に記録を行なった
ときよりも多い熱が発生し、発生した熱が上下の各層に
伝わり、下層の感熱破壊記録層4の該当部分が溶融もし
くは蒸発により除去されて孔状の記録部4aを生じ、記
録部4aの部分において、下層の着色層3が透視可能な
状態となることにより、記録が行なわれる。
用いて行なわれる記録時に発生した熱は、上層にも伝わ
るので、感熱発色層6の該当部分も発色する。従って、
感熱破壊記録層4の記録部4aの孔の上から見たときに
は、着色層3の色と感熱発色層6の発色した色が重なり
あって混色となって見える。一方、感熱発色層6のみが
発色するときは、任意に設定した色相が観察される。両
方の色相差を大きくして、認識しやすいものとするに
は、感熱発色層6の発色部6aの色相と、着色層3の色
相とを互いに補色の関係になるようにし、記録部4aに
孔の上から見ると、黒色に見えるようにするか、もしく
は、着色層3を黒色に形成しておくことが好ましい。
のものと低出力のものを使い分ける必要があり、レーザ
ー光源としては、同一のものを使用しても、個別のもの
を使用してもよい。「高出力」とは、感熱破壊記録層4
に充分に記録が行なえる出力であり、「低出力」とは、
感熱発色層6の記録が充分行なえ、しかも、感熱破壊記
録層4には何ら影響のない出力を指す。感熱破壊記録層
4および感熱発色層6を形成する素材によっても、「高
出力」および「低出力」の数値は異なるが、一般的に言
って、感熱発色層6の記録に必要な最小限の出力レベル
は、10mW〜300mW程度であり、感熱破壊記録層
4の記録に必要な最小限の出力レベルは100mW〜1
000mW程度であるので、区分けが可能である。実際
に円滑な記録を行なう際の「低出力」は「高出力」の3
0%〜70%に設定することにより、感熱発色層6およ
び感熱破壊記録層4への記録を行なうことができる。
6に記録する際には、下層の感熱破壊記録層4には影響
を与えないで記録を行なうことが可能であるので、感熱
破壊記録層4に記録を行なった後、感熱破壊記録層4の
記録部分に合わせて、感熱発色層6に記録を行なった
り、ある部分を均一に発色させて装飾する等の応用が可
能である。例えば、感熱破壊記録層4に記録された文字
の縁取りを、感熱発色層6への記録により行なったり、
感熱破壊記録層4に記録された特定の字句や行の上を、
感熱発色層6の記録により着色したり、もしくはアンダ
ーラインや罫線を形成する等である。
熱発色層6に記録することの応用の一つとして、感熱発
色層6の全面への高密度な記録、例えば、全面に地紋を
高密度に形成したり、感熱発色層6の全面を均一一様に
(=ベタ状に)発色させることにより、感熱破壊記録層
4への記録を隠蔽することもできる。例えば、図3
(a)に示すように、まず、比較的高出力の近赤外レー
ザー光12を用いて、感熱破壊記録層4に記録を行な
い、記録部4aを形成しておき、次に、比較的低出力の
近赤外レーザー光12を用いて、感熱発色層6に、均一
一様に(=ベタ状に)発色したベタ状の発色部6aを形
成すれば、ベタ状の発色部6aにより、感熱破壊記録層
4の記録部4aを隠蔽することができる。
て、発色後に近赤外線を吸収しないものを選択してお
き、かつ、着色層が、少なくとも記録後の状態で近赤外
線吸収性であるような材料を選定しておくことにより、
上記のような隠蔽により、感熱破壊記録層4の記録部4
aを、目視では判別できない状態としながらも、近赤外
線の照射により、感熱破壊記録層4への記録部4aに記
録された内容を読み取ることができる。
記録が可能であるので、適宜な個所の記録部の色相を変
えて二色での記録を行なう、例えば、特定の字句を異な
る色相で記録する、文字に異なる色相で縁取りを行な
う、特定個所の着色を行なう、もしくは文字とは異なる
色相でアンダーラインや罫線の形成を等する等の応用が
可能である。また、上記したように、下層の記録の隠蔽
を行ない、かつ近赤外線での読取りを可能にする場合に
は、感熱破壊記録層4に微細なバーコード、パスワー
ド、もしくはIDナンバー等を形成して、記録内容を目
視不能に隠蔽しておき、しかも機械読み取りを可能にし
ておく等の応用が可能である。
録媒体1を、以下のようにして作製した。厚み188μ
mのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(東レ
(株)製、E−20)を準備し、基材2とし、各層の形
成を、感熱破壊記録層4を除き、いずれもグラビア印刷
法によって行なった。各層の厚みは、乾燥後の厚みであ
る。
て含有するポリエステル系樹脂をバインダーとする黒色
インキを用いて、2μmの厚みに形成し、着色層3上
に、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂をバインダー
とするインキを用いて、0.5μmの厚みに形成した。
上記のアンカー層上に、真空蒸着法により、厚み800
ÅのSnの薄膜を形成し、感熱破壊記録層4とした。
(ICI社製、品番;S110510)をポリビニルア
ルコール樹脂10%水溶液、およびイソシアネート系硬
化剤と混合した組成物を用いてグラビア印刷法によって
形成し、乾燥後の厚み2μmとした。感熱発色層6は、
赤色発色用染料である3−ジエチルアミノ−7−クロロ
フルオラン)と顕色剤である3,3−ジクロロフェニチ
オ尿素を用い、ポリビニルアルコール樹脂の10%水溶
液に分散して形成し、厚み5μmとした。組成物の調製
はサンドミルを使用して行ない、染料および顕色剤の平
均粒径が、0.3μmとなるようにし、可視光および近
赤外光の透過率を妨げないようにした。感熱発色層6上
には、ウレタンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂を用
いて、厚み3μmの保護層7を形成した。
体1に、波長780nm、出力500mWの半導体レー
ザー光を用い、近赤外吸収性層5に焦点を絞って書込み
を行ない、感熱破壊記録層4への印字を行なったとこ
ろ、黒色の印字を行なうことができた。また、同じ半導
体レーザー光を出力300mWで使用したところ、感熱
発色層6に赤色の印字を行なうことができた。
イコ染料として、黒色発色用染料である3−(N−エチ
ル−N−アシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン)を、また、顕色剤として、ビスフェノール
A)を用いた以外、実施例1と同様にして複合感熱記録
媒体1を得た。
におけるのと同じ条件で、ただし、感熱破壊記録層4へ
の記録によりバーコードを形成し、感熱発色層6への記
録はベタ状に行なった結果、感熱破壊記録層4への記録
により、黒色のバーコードが得られ、この黒色のバーコ
ードは感熱発色層6への黒色ベタ状の記録により隠蔽す
ることができた。上記の記録を行なった後の複合感熱記
録媒体1を、近赤外線バーコードリーダーを用いて読取
りを行なったところ、隠蔽されたバーコードを支障無く
読み取ることができた。
層と感熱発色層とが、近赤外吸収性層を介して積層され
ており、近赤外レーザー光を近赤外吸収性層に焦点を当
てて照射することにより、近赤外吸収性層で発生した熱
が、隣接する感熱破壊記録層と感熱発色層とに伝わるこ
とにより各々の層での記録が行なわれ、にじみやかぶり
を生じにくい複合感熱記録媒体を提供することができ
る。請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に
加え、最表面に保護層が積層されているので、表面の物
理的、化学的性状が優れた複合感熱記録媒体を提供する
ことができる。請求項3の発明によれば、近赤外吸収性
層に対し、高出力のレーザー光を照射することにより、
感熱破壊記録層への記録が行なえ、また、低出力のレー
ザー光を照射することにより、感熱発色層への記録が行
なえるので、これらを利用して二色の感熱記録行なうこ
とが可能な記録方法を提供することができる。請求項4
の発明によれば、請求項3の発明の効果に加え、感熱発
色層への記録を全面に高密度で行なうか、もしくは全面
に均一に発色させることにより行なうので、感熱破壊記
録層への記録を隠蔽することが可能な記録方法を提供す
ることができる。
ある。
図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 基材上の少なくとも一部に、下側から着
色層、感熱破壊記録層、近赤外吸収性層、および感熱発
色層が順に積層されたことを特徴とする複合感熱記録媒
体。 - 【請求項2】 前記感熱発色層上には保護層が積層され
たことを特徴とする請求項1記載の複合感熱記録媒体。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の複合感熱
記録媒体の近赤外吸収性層に、比較的低出力の近赤外レ
ーザー光を照射して、前記感熱発色層に記録すること、
および比較的高出力の近赤外レーザー光を照射して、前
記感熱破壊記録層に記録することとを行なうことを特徴
とする記録方法。 - 【請求項4】 前記感熱発色層への記録を全面に高密度
で行なうか、もしくは全面に均一に発色させることを行
なうことを特徴とする請求項3記載の記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001073397A JP4522602B2 (ja) | 2001-03-15 | 2001-03-15 | 二色印字が可能な複合感熱記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001073397A JP4522602B2 (ja) | 2001-03-15 | 2001-03-15 | 二色印字が可能な複合感熱記録媒体 |
Publications (2)
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