JP2002264253A - ガスケット用表面処理ステンレス鋼板およびガスケット - Google Patents

ガスケット用表面処理ステンレス鋼板およびガスケット

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JP2002264253A JP2001068189A JP2001068189A JP2002264253A JP 2002264253 A JP2002264253 A JP 2002264253A JP 2001068189 A JP2001068189 A JP 2001068189A JP 2001068189 A JP2001068189 A JP 2001068189A JP 2002264253 A JP2002264253 A JP 2002264253A
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Shingo Yonezawa
信吾 米澤
Toshie Taomoto
敏江 垰本
Hiroshi Tsuburaya
浩 圓谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クロムフリーの有機−無機処理皮膜を基材表
面に形成し、長期にわたってステンレス鋼/ゴム被覆層
の密着性低下を抑制することができ、ゴム被覆ガスケッ
トとして使用してもシール性、耐久性に優れたステンレ
ス鋼板製ガスケットを提供する。 【構成】 ステンレス鋼基材のステンレス鋼基材の少な
くともガスケット用ゴム被覆層が形成される部分の表面
にチタン化合物とフッ化物を含む有機−無機複合皮膜を
形成した。有機−無機複合皮膜はさらにジルコニウム化
合物を含んだものものでもよく、また、この有機−無機
複合皮膜を10〜200mg/m2の乾燥付着量で形成
することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車エンジンのシリ
ンダーヘッドガスケット等に組み込まれ、ゴム被覆に対
して優れた密着性を呈するクロムフリー表面処理のステ
ンレス鋼板およびこの鋼板にゴム被覆したガスケットに
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンのガスケット材料として
は、一般的にゴム被覆金属板が使用されている。シリン
ダーヘッド用ガスケットのゴム被覆金属板は、高温・高
圧でかつ過酷な腐食雰囲気に曝されることから、耐熱・
耐食性、機械的強度に優れたステンレス鋼が基材に使用
されている。シリンダーヘッド用のガスケットとしての
用途からシール性、耐久性もガスケット材に要求される
重要な特性である。シール性を改善するためにゴム被覆
層をガスケット基材に設けているが、単純にゴム被覆層
を設けただけではガスケット基材との間に界面剥離が生
じ、シール性が低下する。そこで、ゴム被覆層の形成に
先立って、ガスケット基材に粗面化、亜鉛めっき、クロ
メート処理等の表面処理が施されている。表面処理の中
でも塗布型クロメート処理は、反応型クロメート処理や
電解処理に比較して操業性に優れており、特開平3−2
27622号公報、特公平7−92149号公報等でも
クロメート被覆を介してゴム被覆層を設けたガスケット
材が紹介されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように塗布型クロ
メート処理を施すことによってゴム密着性に優れたステ
ンレス鋼板が得られるものの、昨今、環境への配慮から
クロム、特に六価のクロムを含まない材料の要求が強く
なってきている。ガスケット製品の前処理についても同
様な動きがあり、早急な対応が求められているが、ガス
ケット用途のステンレス鋼板に対するクロムフリーの表
面処理方法についての具体的方法は、いまだ確立されて
いない。
【0004】本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、表面処理においてCrイオンを一
切使用することなく、クロムフリーの有機−無機処理皮
膜を基材表面に形成し、長期にわたってステンレス鋼/
ゴム被覆層の密着性低下を抑制することができるガスケ
ット用ステンレス鋼板および処理皮膜を介してゴム被覆
層をステンレス鋼表面に形成したシール性、耐久性に優
れたステンレス鋼板製ガスケットを提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のガスケット用表
面処理ステンレス鋼板は、その目的を達成するため、ス
テンレス鋼基材の少なくともガスケット用ゴム被覆層が
形成される部分の表面にチタン化合物とフッ化物を含む
有機−無機複合皮膜を形成した。有機−無機複合皮膜は
さらにジルコニウム化合物を含んだものでもよい。ま
た、この有機−無機複合皮膜を10〜200mg/m2
の乾燥付着量で形成することが好ましい。さらに、ステ
ンレス基材表面に、当該有機−無機複合皮膜を介してゴ
ム被覆層を形成してガスケットを得る。なお、「少なく
ともガスケット用ゴム被覆層が形成される部分」とは、
その上にガスケット用のゴム被覆を行うことにしている
部分のことを意味する。
【0006】
【作用】ガスケットの使用環境を考慮すると、ゴム被覆
層の密着性低下は、エンジン冷却水に含まれるエチレン
グリコールの影響が大きい。エチレングリコールの影響
は、溶解性パラメータを用いて説明できる。例えば、ガ
スケット用ゴムに使用されているNBRの溶解性パラメ
ータは8.7〜10.3であり、フッ素ゴムの溶解性パ
ラメータは、8〜10である。他方、エチレングリコー
ルの溶解性パラメータは、14.2、水の溶解性パラメ
ータは23.4である。ゴム成分の溶解性パラメータが
溶液の溶解性パラメータに近いほど相溶性が大きくな
る。エチレングリコールを含む環境では、水単独の環境
に比較して溶解性パラメータがゴム成分の溶解性パラメ
ータに接近することから、ゴム被覆層へのエチレングリ
コールの浸透、ゴム被覆層の湿潤、水分の浸透が生じや
すいといえる。
【0007】他方、エンジン運転中にゴム被覆の表面は
120〜150℃程度に加熱される。加熱されたゴム被
覆層は、エチレングリコールによる湿潤作用を一層受け
やすくなる。このような状況では、水分がゴム被覆層に
浸透・透過しやすくなっている。浸透水との水和反応お
よび浸透水の吸着が生じやすい表面処理皮膜を形成した
場合、ゴム/ステンレス鋼界面の浸透圧が上昇し、微小
な浸透圧フクレが発生しやすくなると推測される。浸透
圧フクレは剥離の起点として作用し、ゴム被覆層の剥離
を進行させる。
【0008】このようにゴム密着性の劣化にはエンジン
冷却液に含まれるエチレングリコールがゴム被覆層の密
着性低下に影響を及ぼしている、との前提に立って、浸
透水との水和反応および浸透水の吸着が生じにくく、ク
ロメートに代わる密着性低下の影響が少ない表面処理を
種々検討した。その結果、本発明者等は、ステンレス鋼
板へのチタン化合物およびフッ素化合物を含む難溶性の
有機−無機複合皮膜の形成が有効であることを見出し、
これを用いた時ゴム密着性および耐久性に優れたステン
レス鋼製ガスケットが得られることに到達した。
【0009】すなわち、本発明においては、ゴム/ステ
ンレス鋼界面に2種類の難溶性生成物を含む皮膜を形成
させることが重要である。一つは処理液中のチタン化合
物および/またはジルコニウム化合物が有機樹脂に対し
て架橋作用を及ぼし、複合化して生成する有機−無機複
合化合物であり、もう一つはステンレス鋼表面素地から
処理液中の酸性分により溶出するFeイオンやCrイオ
ンと、フッ素化合物から隔離したフッ化物イオンから生
成するフッ化物である。これら生成物はゴム被覆層から
の浸透水に対して水和作用を示し難いため、ステンレス
鋼/ゴム被覆層の密着性低下が抑制される。
【0010】
【実施の態様】有機−無機複合皮膜は、有機樹脂成分と
チタン化合物およびフッ素化合物を含むクロムフリーの
表面処理液を、好ましくは乾燥皮膜量10〜200mg
/m2の有機−無機複合皮膜が得られるように金属板に
塗布、乾燥することにより形成される。乾燥皮膜量10
mg/m2未満の塗布量では有機−無機複合皮膜の保護
作用が十分に発現されないことがあり、逆に乾燥皮膜量
が200mg/m2を超える塗布量では加工性が低下す
る傾向がある。本発明では、有機−無機複合皮膜にチタ
ン化合物およびフッ素化合物を含むことが必要であり、
さらにジルコニウム化合物を含むことが好ましい。
【0011】本発明を得るために使用されるクロムフリ
ーの化成処理液のチタン化合物は、酸化チタン、チタン
酸、チタン酸ナトリウム等のチタン酸塩、フッ化チタン
酸、フッ化チタン酸ナトリウム等のフッ化チタン酸塩等
の化合物により導入される。フッ素化合物は、HFやH
2TiF6、H2ZrF6、H2HfF6、H2SiF6、H 2
GeF6、H2SnF6、HBF4等のフルオロアシッドを
単独あるいは2種以上の混合物として導入することがで
きる。ジルコニウム化合物は酸化ジルコニウム、ジルコ
ニウム酸、ジルコニウム酸ナトリウム等のジルコニウム
酸塩、フッ化ジルコニウム酸、フッ化ジルコニウム酸ナ
トリウム等のフッ化ジルコニウム酸塩等の化合物により
導入される。処理液の塗布方法はロールコート、スプレ
ー、浸漬等の公知の方法でよい。必要に応じて、80〜
200℃程度の加熱によって乾燥を行ってもよい。ま
た、処理液の添加剤として、コロイダルシリカ、シラン
カップリング剤、化成処理に常用される消泡剤、界面活
性剤等を適宜添加することもできる。
【0012】チタン化合物は、有機樹脂との反応によ
り、ステンレス鋼素地に対して密着性を有する難溶性の
有機−無機複合皮膜を形成する。皮膜中の量はチタン換
算付着量で3〜30mg/m2とするのが好ましい。3
mg/m2より少ないと有機−無機複合皮膜に対して架
橋効果が不足して、ゴム密着耐久性および加工性が得ら
れにくくなる。一方、30mg/m2より多くても効果
が飽和し、逆に塗装後の加工性が低下するとともにコス
トが高くなり経済的に無駄となるので上限は30mg/
2程度とすることが好ましい。
【0013】フッ素化合物は、処理液中でフッ化物イオ
ンに解離し、処理液中の酸成分とともに、ステンレス鋼
素地をエッチングする効果がある。皮膜中の量はフッ素
換算付着量で7〜70mg/m2であることが好ましい
が、少ないとフッ化物イオンによる金属のエッチングが
乏しくなり、ステンレス鋼素地との密着力が不足する場
合もある。一方、多いとエッチングによる溶出金属が皮
膜中に増加して有機−無機複合皮膜を弱くするととも
に、ステンレス鋼素地との密着性が不足する傾向があ
る。さらに、フッ化物イオンは、界面のpHが上昇する
と、ステンレス鋼素地から溶出した金属イオンと難溶性
のフッ化クロムやフッ化鉄等のフッ化物を形成し、有機
−無機複合皮膜の形成に寄与する。
【0014】チタン化合物とフッ素化合物が共存する
と、チタンのフッ化物錯体となって、フッ化物イオンの
解離を抑制するため、金属材料との過剰の反応や、処理
液の急激な劣化を少なくする。上述したH2TiF6を使
用する場合には、処理液中にチタン成分とフッ素化合物
の両方を同時に導入できるので都合がよい。
【0015】有機−無機複合皮膜には、さらにジルコニ
ウム換算付着量で8mg/m2までのジルコニウム化合
物を含ませることが好ましい。ジルコニウム化合物によ
りチタン化合物と同様の効果が得られ、有機樹脂との反
応により難溶性の有機−無機複合皮膜を形成する。ジル
コニウム化合物の添加によりゴム密着耐久性、加工性が
よくなるという効果が得られるが、多いと効果が飽和
し、逆に塗装前の加工性が低下する傾向がありコストも
高くなって経済的に無駄となるので、添加する場合は8
mg/m2程度を上限とすることが好ましい。
【0016】有機樹脂成分については、上述した複合皮
膜を形成すると同時に、塗装されるゴムとの密着性を保
持する作用がある。ゴムとの密着性は、主として水素結
合に起因していると考えられるため、水酸基、アミノ基
を多く含む方が結合を強固なものとするため好都合であ
る。また、ゴムと加硫接着させるためメルカプト基を多
く含む有機樹脂を用いてもよい。
【0017】適用される有機樹脂の例としては、アミノ
メチル置換ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコー
ルやタンニン酸、澱粉、コーンスターチ、アクリル樹脂
のような水溶性あるいは水分散性ポリマー、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシブ
チル、アクリル酸−2,2−ビス(ヒドロキシメチル)
エチル、(メタ)アクリル酸−2,3−ジヒドロキシプ
ロピル、(メタ)アクリル酸−3−クロル−2−ヒドロ
キシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシエステ
ル類、アリルアリコール類およびN−メチロールアクリ
ルアミド、N−ブトキシメチロール(メタ)アクリルア
ミド等のアルコールアミド類の還元性水酸基を含有する
モノマーおよび酸性液中で水酸基と同様な反応性を期待
できるグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシ
ジルエーテル、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレ
ート、3,4−エポキシシクロへキシジル(メタ)アク
リレート等のグリシジル基を有するモノマー、アクロレ
イン等のアルデヒド基を有するモノマーが使用できる。
特に好ましくはアミノメチル置換ポリビニルフェノー
ル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸
−2−ヒドロキシエチルである。なお(メタ)アクリル
酸〜は、メタアクリル酸および/またはアクリル酸〜を
表している。
【0018】なお、本発明に使用されるステンレス鋼板
は、ガスケット成形後に要求される機械的特性、例えば
バネ性、に優れたものであれば適宜選択できる。また、
有機−無機複合皮膜の形成に先立って、必要に応じて洗
浄をすることが好ましい。洗浄方法としては、アルカリ
系洗浄剤によるアルカリ脱脂、および/または塩酸、硫
酸、リン酸、フッ酸、硝酸等の酸性水溶液による酸洗、
および/またはリン酸塩処理がある。これら洗浄によっ
て、ステンレス鋼表面に付着している油や表面酸化物が
除去され、処理液との親和性が高い表面に調質される。
したがって、洗浄されたステンレス鋼を処理すると、均
一な処理皮膜が被覆されたガスケット基材が得られる。
ゴム被覆層としては、通常使用されているNBR、水添
加NBR、EPDM,塩素化ゴム、クロロスルホン化ポ
リエチレン等が使用される。ゴム被覆に先立って、必要
に応じてプライマーを塗装する。プライマーの成分とし
てはシランカップリング剤があげられる。
【0019】
【実施例】(本発明例1〜5)板厚0.2mmのSUS
301Hステンレス鋼板の圧延ままの表面をリン酸塩処
理した後、H2TiF6、H2ZrF6、HF、コロイダル
シリカ、アミノメチル置換ポリビニルフェノール、脱イ
オン水を表1に示す割合で配合したクロムフリーの表面
処理液を25℃で塗布し、100℃で1分乾燥して、表
2のそれぞれに示す成分の有機−無機複合皮膜を形成し
た。なお、アミノメチル置換ポリビニルフェノールは有
機樹脂成分であって、特開平4−263083号公報に
詳細に記載され、4−ビニルポリマーをホルムアルデヒ
ドとメチルエタノールアミンとに反応させて得られるも
のである。
【0020】
【0021】
【0022】(比較例1)板厚0.2mmのSUS30
1Hステンレス鋼板を脱脂したままの状態で使用した。 (比較例2)板厚0.2mmのSUS301Hステンレ
ス鋼板の圧延ままの表面を脱脂しリン酸塩処理液で処理
した後、塗布型クロメート処理を行い、100℃で乾燥
してCr付着量40mg/m2の皮膜を形成した。
【0023】続いて、シランカップリング剤を含む接着
剤を塗布し、180℃で10分間の熱処理を施した後、
ゴム被覆層を設けた。ゴム被覆層の形成には、フッ化ビ
ニリデン−フルオロプロペン共重合体を溶液化したポリ
オール加硫型の塗料(ダイエルDPA−351 ダイキ
ン工業株式会社製)を使用し、加硫後の塗膜厚が20μ
mとなるように塗布し、200℃で1時間の加硫処理に
よりフッ素ゴム被覆を形成した。以上のゴム被覆ステン
レス鋼板を120℃に加熱した自動車エンジン用不凍液
(トヨタ純正ロングライフクーラント)を50%含有す
る水溶液に浸漬した。浸漬時間が500時間に達した時
点で水溶液から、ゴム被覆ステンレス鋼板を引き上げ、
24時間後にゴム被覆層の密着性試験を実施した。
【0024】密着性試験ではカッターナイフにより下地
鋼に達する間隔1mm、桝目100個の碁盤目状切り込
みを入れ、感圧接着テープを貼り付けた後、感圧接着テ
ープを強制的に剥離した。感圧接着テープ剥離後にゴム
被覆層の剥離状態を観察し、剥離個数を剥離度(%)と
してカウントした。
【0025】加工性試験では、発明例1と同様の手順で
クロメート皮膜を形成した後加硫後の膜厚が、5μmと
なるようフッ素ゴム皮膜を形成した試験片を用いた。ま
た、フッ素ゴムで被覆されたクロメート皮膜の外観を直
接観察できないため、密着曲げ加工した際に皮膜に発生
するクラックに起因するゴムとの密着性低下現象を指標
とした。ゴム被覆層が外側になるように試験片を0T密
着曲げ加工し、加工部に感圧接着テープを貼り付けた
後、感圧接着テープを強制的に剥離した。感圧接着テー
プ剥離後にゴム被覆層の剥離の有無を確認し、ゴム被覆
層に隔離が観察されなかったものを○、剥離面積が20
%未満のものを△、20%以上のものを×として加工性
を評価した。
【0026】
【0027】試験結果を表3に示す。この結果から、本
発明による表面処理ステンレス鋼板は、比較例1に比較
して剥離部が非常に少なくなり、有機−無機複合皮膜に
よる処理の効果が見られる。また、比較例2に示したク
ロメート処理を施したものと同等もしくはそれに準ずる
ゴム密着性を有していることがわかる。特に、乾燥皮膜
量を10〜200mg/m2にした本発明例2〜4のも
のは優れた密着性を示している。加工性についても、皮
膜量が多い場合は低下する傾向が見られたものの、概ね
クロメート処理したものと同等の良好な結果であった。
【0028】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、基材であるステンレス鋼板の表面にクロムフリーの
有機−無機複合皮膜を形成しているため、その上にゴム
被覆層を形成して使用してもクロムの溶出はなく、長期
にわたってステンレス鋼/ゴム被覆層の密着性を低下さ
せることなく、クロメート処理材と同等のシール性、耐
久性に優れたステンレス鋼板製ガスケットを製造するこ
とができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02F 11/00 F02F 11/00 N B F16J 15/08 F16J 15/08 Q (72)発明者 圓谷 浩 千葉県市川市高谷新町7番1号 日新製鋼 株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 3J040 AA01 AA11 EA46 FA02 FA06 HA17 4D075 BB24Z CA13 CA18 CA33 CA47 DA06 DA23 DB02 DC13 EA06 EA19 EB07 EB22 EB32 EB39 EB55 EB56 EC02 4F100 AA05B AA20 AB04A AN00C BA02 BA03 BA07 BA10B BA10C GB90 JL00 JL11 4K026 AA04 AA22 BA01 BA03 BA12 BB06 BB09 BB10 CA16 CA28 CA37 CA39 CA41 DA16 EB07 EB08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼基材の少なくともガスケッ
    ト用ゴム被覆層が形成される部分の表面にチタン化合物
    とフッ化物を含む有機−無機複合皮膜が形成されている
    ことを特徴とするガスケット用表面処理ステンレス鋼
    板。
  2. 【請求項2】 有機−無機複合皮膜がさらにジルコニウ
    ム化合物を含んだものである請求項1に記載のガスケッ
    ト用表面処理ステンレス鋼板。
  3. 【請求項3】 有機−無機複合皮膜が10〜200mg
    /m2の乾燥付着量で形成されている請求項1または2
    に記載のガスケット用表面処理ステンレス鋼板。
  4. 【請求項4】 ステンレス鋼基材表面に、請求項1〜3
    のいずれか1に記載の有機−無機複合皮膜を介してゴム
    被覆層が形成されていることを特徴とするステンレス鋼
    製ガスケット。
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