JPH0810699A - ゴムコーティングステンレス鋼板 - Google Patents

ゴムコーティングステンレス鋼板

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JPH0810699A
JPH0810699A JP15204594A JP15204594A JPH0810699A JP H0810699 A JPH0810699 A JP H0810699A JP 15204594 A JP15204594 A JP 15204594A JP 15204594 A JP15204594 A JP 15204594A JP H0810699 A JPH0810699 A JP H0810699A
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JP
Japan
Prior art keywords
stainless steel
steel plate
rubber
chemical conversion
phosphoric acid
Prior art date
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Pending
Application number
JP15204594A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhide Yoshida
安秀 吉田
Toshihiko Okada
敏彦 岡田
Kenji Osawa
健次 大沢
Hiroshi Hatano
浩 秦野
Masaki Omura
雅紀 大村
Saburo Ito
三郎 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP15204594A priority Critical patent/JPH0810699A/ja
Publication of JPH0810699A publication Critical patent/JPH0810699A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低コストで環境を汚染せず、しかもステンレ
ス鋼板とゴム層の密着性に優れたゴムコーティングステ
ンレス鋼板を提供する。 【構成】 表面にリン酸とシリカからなる化成処理液を
塗布、乾燥し化成処理被膜を形成後、その上に耐熱性ゴ
ム層を設けたゴムコーティングステンレス鋼板。なお前
記化成処理液中のリン酸とシリカの重量比が1/5以上
5以下であり、かつ前記化成処理被膜の付着量が2mg
/m2 以上200mg/m2 以下であることがより望ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車エンジン
などのシリンダーガスケットに使用されるゴムコーティ
ングステンレス鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車エンジンなどのシリン
ダーガスケット材としては、アスベストをニトリルゴム
やフェノール樹脂などで固めた積層板が用いられていた
が、アスベスト公害が明らかになるにつれて、金属を素
材としたガスケットに置き換えられるようになってき
た。金属素材としては主にステンレス鋼板が使用されて
いるが、ステンレス鋼板をそのままガスケットに用いる
とシリンダーヘッドやシリンダーブロックとの気密性が
確保できないため、その表面を耐熱性ゴムで被覆したゴ
ムコーティングステンレス鋼板が使用されている。
【0003】一般にステンレス鋼板と耐熱性ゴムとの密
着性はよくないが、シリンダーガスケットに使用される
場合は、200〜300℃に加熱されたり冷却水(不凍
液)に曝されることから、その密着性の劣化が著しくシ
リンダーガスケット用ゴムコーティングステンレス鋼板
の大きな問題となっている。
【0004】そこで、その密着性を改善するために以下
に示すような技術が提案されている。
【0005】従来技術1:ステンレス鋼板表面に機械的
に凹凸を形成する方法。(特開昭63ー264201号
公報など) 従来技術2:ステンレス鋼板表面に薄い硅酸塩の被覆を
形成する方法。(特開平1ー120483号公報) 従来技術3:ステンレス鋼板表面に亜鉛メッキ層を設け
る方法。(特開平1ー182669号公報) 従来技術4:ステンレス鋼板表面に亜鉛メッキ層および
リン酸亜鉛結晶被膜を順次形成する方法。(特開平1ー
203763号公報) 従来技術5:ステンレス鋼板表面にクロメート被膜を形
成する方法。(特開平3ー227622号公報、特開平
3ー265764号公報など)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術1の方法では、塗装後にも凹凸が残存しシリンダー内
の気密性が保ち難いことや凹凸の深さや大きさの制御が
難しいという問題がある。従来技術2の方法では、ステ
ンレス鋼板と硅酸塩被膜との間で密着不良が生じる。従
来技術3、4の方法では、メッキ工程が必要なため製造
コストが著しく高くなる。従来技術5の方法では、密着
性は改善されるが、クロメートが不凍液などに溶出した
り、排気ガスとして大気中に飛散して環境上の問題とな
る。
【0007】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、低コストで環境を汚染せず、しかもス
テンレス鋼板とゴム層の密着性に優れたゴムコーティン
グステンレス鋼板を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、表面にリン
酸とシリカからなる化成処理液を塗布、乾燥し化成処理
被膜を形成後、その上に耐熱性ゴム層を設けたゴムコー
ティングステンレス鋼板によって解決される。また前記
化成処理液中のリン酸とシリカの重量比が1/5以上5
以下であり、かつ前記化成処理被膜の付着量が2mg/
2 以上200mg/m2 以下である場合は、より優れ
たステンレス鋼板とゴム層の密着性が得られる。
【0009】
【作用】ステンレス鋼板と耐熱性ゴム層の間にリン酸と
シリカからなる化成処理液を塗布、乾燥し化成処理被膜
を形成させるとステンレス鋼板とゴム層の密着性が向上
するのは以下のように考えられる。すなわちリン酸によ
りステンレス鋼板表面がエッチングされ微細な凹凸が生
じることによるアンカー効果と、析出するリン酸塩とス
テンレス鋼板表面との間に結合が生じる化学的効果の両
方の効果により化成処理被膜とステンレス鋼板の密着性
が向上する。さらに化成処理被膜に含まれるシリカは化
成処理被膜を強化するとともに、シリカ中のシラノール
基(SiーOH)はステンレス鋼板とゴム層の両方に化
学結合するため、ステンレス鋼板とゴム層の密着性をよ
り向上させる。
【0010】化成処理液中のリン酸とシリカの重量比
は、1/5未満でリン酸の比率が少ないと化成処理被膜
とステンレス鋼板の密着性を確保できない場合があり、
5を越えてリン酸の比率が多いと安定した化成処理被膜
ができ難くなるので、1/5以上5以下の範囲内である
ことが望ましい。
【0011】また化成処理被膜の付着量は、2mg/m
2 未満であると被膜が不均一になりやすいため被膜が付
着しない部分が生じる場合があり、また200mg/m
2 を越えると被膜内部で凝集破壊が起こりやすくなり密
着性を損なう場合もあるので、2mg/m2 以上200
mg/m2 以下の範囲内であることが望ましい。
【0012】
【実施例】厚さ0.25mmのSUS301ステンレス
鋼板表面に、表1に示す被膜付着量になるようにリン酸
とシリカからなる化成処理液を、表1に示すようにその
リン酸/シリカの重量比を変えて塗布し、板温が80℃
になる条件で乾燥した。その上にフッ素ゴム(大平化成
( 株) 製エイトシールFー20ーN)層を10μmの厚
さで塗装し、180℃で30分間の条件で焼付を行い、
本発明例であるゴムコーティングステンレス鋼板の試料
を作成した。また比較例としてステンレス鋼板表面に、
表2に示すような、硅酸ナトリウムとリン酸カルシウム
からなる(重量比20:7)水溶液を塗布し220℃で
焼成して塗布量500mg/m2 の硅酸塩被膜を設けた
試料、およびクロメート、クロメート+リン酸(重量比
3:1)、クロメート+シリカ(重量比1:2)、クロ
メート+リン酸+シリカ(重量比3:1:8)のクロメ
ート系化成処理液をその被膜付着量が50mg/m2
なるように塗布し80℃で乾燥した4種類の試料に、上
記の本発明例と同様な方法でフッ素ゴムを塗装、焼付し
た試料を作成した。
【0013】これらの試料についてゴム密着性と加工部
密着性について調査した。それらの試験条件は以下の通
りである。 (1)ゴム密着性 各試料について、鋭利なカッターでゴム層にステンレス
鋼板表面まで達する1mm角10×10マスの碁盤目傷
をつけ、130℃に加熱した自動車ラジエーター用クー
ラント液(トヨタ純正ロングライフクーラント)に72
時間浸漬した後、前記傷部に粘着テープで強制剥離を行
い、ゴム層の剥離の程度で評価した。評価基準は、碁盤
目部の残存数が100の時◎、90から99を○、60
〜89を△、59以下を×とした。 (2)加工部密着性 各試料について、密着曲げ(0T曲げ、ただしTは試料
の板厚)を行い、曲げ加工部に粘着テープで強制剥離を
行い、ゴム層の剥離の程度で評価した。評価基準は、ゴ
ム層の残存面積率100%の時◎、90〜99%を○、
60〜89%を△、59%以下を×とした。
【0014】調査の結果を本発明例については表1 に、
また比較例については表2に示す。表1に示すように、
本発明例であるリン酸とシリカからなる化成処理液を塗
布して形成させた被膜を有する試料No.1〜18にお
いては、ステンレス鋼板とゴム層の間で良好な密着性が
得られることがわかる。特に、化成処理液中のリン酸と
シリカの重量比が1/5以上5以下の範囲内にあり、か
つ被膜付着量が2mg/m2 以上200mg/m2 以下
の範囲内にある試料No.2〜6、8〜14、16およ
び17は極めて優れた密着性を示す。
【0015】一方、表2に示すように硅酸塩やクロメー
トを含んだ化成処理液を用いた比較例では全体に密着性
が悪く、比較的良好な密着性を示すのはクロメート+リ
ン酸+シリカからなる化成処理液を用いた試料No.2
3のみである。しかし、試料No.23および他のクロ
メート系の試料いずれにおいても、高温の純水中や食塩
水中でクロメートの溶出が起こり環境上の問題が生じ
る。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】なお化成処理液中のリン酸は、正リン酸、
無水リン酸あるいはこれらの水溶液のいずれでもよい。
またシリカは市販されているものでよく、好ましくは平
均粒径5〜100nmのシリカゾルが適当で、その製法
は乾式法でも湿式法でもよい。化成処理液は、化成処理
被膜の付着量に応じて濃度を調整されたリン酸水溶液と
所定量のシリカとを混合、攪拌し、均一な溶液とするこ
とにより調整することができる。化成処理に際しては、
アルカリや溶剤による原板表面の脱脂後、必要に応じて
アルカリや酸によるエッチングなどの前処理を施せばよ
い。化成処理液の塗布には、スプレーの他にロールコー
ト、カーテンフローコート、浸漬、静電塗布などのいず
れの方法を用いてもよい。その乾燥は水分を蒸発させれ
ばよく、その温度は50〜150℃が適当である。
【0019】ゴム層を構成する主成分としては、フッ素
ゴム、シリコンゴムさらにはアクリロニトリルブタジエ
ンゴムなどを用いることができる。フッ素ゴムとは、含
フッ素オレフィンを単独または共重合させて得られるゴ
ム状物質であり、耐熱性、耐薬品性、耐寒性に優れ、
油、燃料等に強い抵抗力を有する特殊用途のゴムであ
る。具体的には、含フッ素アクリル酸エステル重合体、
フッ化ビニリデン共重合体、含フッ素ケイ素ゴム、含フ
ッ素ポリエステルゴム、含フッ素ジエン共重合体などで
ある。コーティング法は、何ら制限を要するものではな
く、例えばラテックス化して塗布する方法や高極性溶媒
に溶解した塗料として塗布する方法などを用いることが
できる。
【0020】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、低コストで環境を汚染せず、しかもステンレ
ス鋼板とゴム層の密着性に優れたゴムコーティングステ
ンレス鋼板を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秦野 浩 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 大村 雅紀 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 伊藤 三郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にリン酸とシリカからなる化成処理
    液を塗布、乾燥し化成処理被膜を形成後、その上に耐熱
    性ゴム層を設けたことを特徴とするゴムコーティングス
    テンレス鋼板。
  2. 【請求項2】 前記化成処理液中のリン酸とシリカの重
    量比が1/5以上5以下であり、かつ前記化成処理被膜
    の塗布量が2mg/m2 以上200mg/m 2 以下であ
    る請求項1に記載のゴムコーティングステンレス鋼板。
JP15204594A 1994-07-04 1994-07-04 ゴムコーティングステンレス鋼板 Pending JPH0810699A (ja)

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JP15204594A JPH0810699A (ja) 1994-07-04 1994-07-04 ゴムコーティングステンレス鋼板

Applications Claiming Priority (1)

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JP15204594A JPH0810699A (ja) 1994-07-04 1994-07-04 ゴムコーティングステンレス鋼板

Publications (1)

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JPH0810699A true JPH0810699A (ja) 1996-01-16

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ID=15531855

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JP15204594A Pending JPH0810699A (ja) 1994-07-04 1994-07-04 ゴムコーティングステンレス鋼板

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JP (1) JPH0810699A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002264253A (ja) * 2001-03-12 2002-09-18 Nisshin Steel Co Ltd ガスケット用表面処理ステンレス鋼板およびガスケット
JP2006265708A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Nichias Corp 化成処理膜被覆鋼板及びその製造方法

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