JP2968903B2 - 有機皮膜処理鋼板の製造方法 - Google Patents
有機皮膜処理鋼板の製造方法Info
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C22/00—Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
- C23C22/82—After-treatment
- C23C22/83—Chemical after-treatment
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- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クロメート処理が施さ
れためつき鋼板のクロメート皮膜表面に、水分散性の有
機樹脂エマルジョンを処理液として、ロールコーテイン
グにより有機樹脂皮膜を形成する有機皮膜処理鋼板の製
造方法に関する。
れためつき鋼板のクロメート皮膜表面に、水分散性の有
機樹脂エマルジョンを処理液として、ロールコーテイン
グにより有機樹脂皮膜を形成する有機皮膜処理鋼板の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】亜鉛めつき鋼板、アルミめつき鋼板等の
めつき鋼板の耐食性を高めるための表面処理として、無
水クロム酸(CrO3 、NaCr2 O7.・2H2 O等)
および無機酸(硫酸等)を主成分として調製されるクロ
メート処理液を、めつき鋼板表面に塗布し、6価クロム
と3価のクロムを含む不溶性水和酸化物の皮膜(クロメ
ート皮膜)をめつき表面に積層形成したクロメート処理
鋼板は、自動車、家電製品、その他の高耐食性を要求さ
れる種々の用途に広く使用されている。また、そのクロ
メート処理鋼板をプレス加工等に付して所望の形状に成
形する際の成形加工性を高め、成形型と鋼板表面との摩
擦による皮膜の疵付き、剥離、かじり等を防止するため
の表面処理として、ポリウレタン樹脂等の有機樹脂エマ
ルジョンを、ロールコーテイングやスプレイ方式等によ
り塗布して、クロメート皮膜を潤滑性の有機樹脂皮膜で
被覆することも行われている。その有機樹脂皮膜を形成
するための処理液として、皮膜成分である樹脂粒子を、
シンナー等の有機系分散媒に懸濁させた樹脂エマルジョ
ンが従来より使用されてきたが、有機溶剤の蒸発ガスに
よる作業環境の汚染や、公害対策等の困難な問題を伴う
ため、近時はその処理液として有機溶剤分散系に代え、
水分散性の有機エマルジョンが開発され市販されてい
る。
めつき鋼板の耐食性を高めるための表面処理として、無
水クロム酸(CrO3 、NaCr2 O7.・2H2 O等)
および無機酸(硫酸等)を主成分として調製されるクロ
メート処理液を、めつき鋼板表面に塗布し、6価クロム
と3価のクロムを含む不溶性水和酸化物の皮膜(クロメ
ート皮膜)をめつき表面に積層形成したクロメート処理
鋼板は、自動車、家電製品、その他の高耐食性を要求さ
れる種々の用途に広く使用されている。また、そのクロ
メート処理鋼板をプレス加工等に付して所望の形状に成
形する際の成形加工性を高め、成形型と鋼板表面との摩
擦による皮膜の疵付き、剥離、かじり等を防止するため
の表面処理として、ポリウレタン樹脂等の有機樹脂エマ
ルジョンを、ロールコーテイングやスプレイ方式等によ
り塗布して、クロメート皮膜を潤滑性の有機樹脂皮膜で
被覆することも行われている。その有機樹脂皮膜を形成
するための処理液として、皮膜成分である樹脂粒子を、
シンナー等の有機系分散媒に懸濁させた樹脂エマルジョ
ンが従来より使用されてきたが、有機溶剤の蒸発ガスに
よる作業環境の汚染や、公害対策等の困難な問題を伴う
ため、近時はその処理液として有機溶剤分散系に代え、
水分散性の有機エマルジョンが開発され市販されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、有機皮膜処
理液として、水分散性エマルジョンを使用し、これをロ
ールコーテイング方式により、クロメート皮膜の表面に
塗布すると、ロール表面上に処理液のゲル化ないし固化
した残滓の生成付着を生じ、鋼板表面への塗布作業が妨
げられると共に、そのロール表面の肌荒れが鋼板表面に
転写され、健全な処理鋼板を得ることができない。その
コーテイングロール表面の処理液のゲル化ないし固化し
た残滓の生成とそれによる鋼板の表面品質の劣化は、従
来の有機分散系処理液を使用する場合にはみられない現
象である。本発明は、水分散性の樹脂エマルジョンを使
用して行う有機皮膜処理における上記問題を解決し、ロ
ール表面の処理液のゲル化ないし固化の残滓生成を防止
し、クロメート皮膜の表面に健全な有機皮膜を形成する
ことを可能とするものである。
理液として、水分散性エマルジョンを使用し、これをロ
ールコーテイング方式により、クロメート皮膜の表面に
塗布すると、ロール表面上に処理液のゲル化ないし固化
した残滓の生成付着を生じ、鋼板表面への塗布作業が妨
げられると共に、そのロール表面の肌荒れが鋼板表面に
転写され、健全な処理鋼板を得ることができない。その
コーテイングロール表面の処理液のゲル化ないし固化し
た残滓の生成とそれによる鋼板の表面品質の劣化は、従
来の有機分散系処理液を使用する場合にはみられない現
象である。本発明は、水分散性の樹脂エマルジョンを使
用して行う有機皮膜処理における上記問題を解決し、ロ
ール表面の処理液のゲル化ないし固化の残滓生成を防止
し、クロメート皮膜の表面に健全な有機皮膜を形成する
ことを可能とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、めっき鋼板に
クロメート処理を施した後、水分散性樹脂エマルジョン
を有機皮膜処理液とし、ロールコーティングによりクロ
メート皮膜の表面に塗布して有機皮膜を積層形成する方
法において、クロメート処理後、少なくとも8時間の経
過によりクロメート皮膜中の6価クロムが脱水縮合反応
により膜中に固定された後、クロメート皮膜の表面に水
分散性有機皮膜処理液を塗布することを特徴としてい
る。
クロメート処理を施した後、水分散性樹脂エマルジョン
を有機皮膜処理液とし、ロールコーティングによりクロ
メート皮膜の表面に塗布して有機皮膜を積層形成する方
法において、クロメート処理後、少なくとも8時間の経
過によりクロメート皮膜中の6価クロムが脱水縮合反応
により膜中に固定された後、クロメート皮膜の表面に水
分散性有機皮膜処理液を塗布することを特徴としてい
る。
【0005】
【作用】有機溶剤を分散媒とするエマルジョンを使用す
る場合と異なって、水分散性のエマルジョンを処理液と
してロールコーティング方式によりクロメート皮膜の表
面に塗布する有機皮膜処理において、コーティングロー
ルの表面に処理液のゲル化ないし固化による残滓の生成
付着を生じるのは、クロメート皮膜中に含まれる6価ク
ロム(このものは水溶性である)が、その表面に塗布さ
れた水分散性有機皮膜処理液中に溶出することに起因し
ている。すなわち、有機溶剤を分散媒とする樹脂エマル
ジョンを使用する場合は、クロメート皮膜から樹脂エマ
ルジョンへの6価クロムの溶出は殆どないので、コーテ
ィングロール表面の処理液のゲル化ないし固化現象を生
じないのに対し、水分散系の樹脂エマルジョンを塗布す
る場合は、6価クロムの溶出を生じ、このものは極めて
反応性が高いため、そのエマルジョン中の樹脂の粒子表
面のアニオン(乳化剤)との化学反応を起こし、乳化剤
が分解され、均一な乳化状態が破壊され、固化またはゲ
ル化状態を生じるのである。本発明方法により、クロメ
ート処理後、少なくとも8時間の時間経過を待って、水
分散性の樹脂エマルジョンを塗布する場合は、クロメー
ト皮膜中の6価クロムが脱水縮合反応により皮膜中に安
定に固定された状態となっているので、その膜面に水分
散性の樹脂エマルジョンを塗布しても、6価クロムの溶
出は実質的に抑制防止され、ロール表面の処理液のゲル
化ないし固化は生じない。
る場合と異なって、水分散性のエマルジョンを処理液と
してロールコーティング方式によりクロメート皮膜の表
面に塗布する有機皮膜処理において、コーティングロー
ルの表面に処理液のゲル化ないし固化による残滓の生成
付着を生じるのは、クロメート皮膜中に含まれる6価ク
ロム(このものは水溶性である)が、その表面に塗布さ
れた水分散性有機皮膜処理液中に溶出することに起因し
ている。すなわち、有機溶剤を分散媒とする樹脂エマル
ジョンを使用する場合は、クロメート皮膜から樹脂エマ
ルジョンへの6価クロムの溶出は殆どないので、コーテ
ィングロール表面の処理液のゲル化ないし固化現象を生
じないのに対し、水分散系の樹脂エマルジョンを塗布す
る場合は、6価クロムの溶出を生じ、このものは極めて
反応性が高いため、そのエマルジョン中の樹脂の粒子表
面のアニオン(乳化剤)との化学反応を起こし、乳化剤
が分解され、均一な乳化状態が破壊され、固化またはゲ
ル化状態を生じるのである。本発明方法により、クロメ
ート処理後、少なくとも8時間の時間経過を待って、水
分散性の樹脂エマルジョンを塗布する場合は、クロメー
ト皮膜中の6価クロムが脱水縮合反応により皮膜中に安
定に固定された状態となっているので、その膜面に水分
散性の樹脂エマルジョンを塗布しても、6価クロムの溶
出は実質的に抑制防止され、ロール表面の処理液のゲル
化ないし固化は生じない。
【0006】以下、本発明について詳しく説明する。本
発明の処理対象とするめつき鋼板は、亜鉛めつき鋼板、
アルミニウムめつき鋼板、錫めつき鋼板等、めつき金属
の材種を問わず、またそのめつきは溶融めつき、電気め
つき、蒸着めつき等、いずれの方法によるものであつて
もよい。めつき鋼板のめつき表面に対するロメート処理
は、反応型クロメート処理、電解クロメート処理、塗布
型クロメート処理等の公知のクロメート処理方法を適用
して行われる。塗布型クロメート処理や、反応型クロメ
ート処理では、浸漬法、ロールコーテイング法、スプレ
イ法等が適宜採用される。クロメート処理液は、クロム
酸(CrO3 )、無機酸(硫酸等)を主成分とし、次亜
りん酸、亜りん酸、ないし有機還元剤(例えば蔗糖、ア
ルコール)等の添加によりクロム酸を還元して6価クロ
ムと3価クロムを所望の比率、例えばCr+3/トータル
クロム(Cr+3+Cr+6)の比(モル比)を0〜0.6
の範囲に調整し、その他適宜の添加剤、例えば、硼酸、
マロン酸、あるいは耐食性等の改善を目的として、水分
散性のシリカ(シリカゲル、コロイダルシリカ)、アル
ミナゾル、無機コロイダル、無機粉末等を常法に従つて
適量配合することにより調製すればよい。クロメート皮
膜の付着量は、クロメート処理法や、鋼板の用途、耐食
性等の要求特性等に応じて適宜決めればよい。その付着
量は、トータルクロム量で例えば10〜150mg/m
2 である。
発明の処理対象とするめつき鋼板は、亜鉛めつき鋼板、
アルミニウムめつき鋼板、錫めつき鋼板等、めつき金属
の材種を問わず、またそのめつきは溶融めつき、電気め
つき、蒸着めつき等、いずれの方法によるものであつて
もよい。めつき鋼板のめつき表面に対するロメート処理
は、反応型クロメート処理、電解クロメート処理、塗布
型クロメート処理等の公知のクロメート処理方法を適用
して行われる。塗布型クロメート処理や、反応型クロメ
ート処理では、浸漬法、ロールコーテイング法、スプレ
イ法等が適宜採用される。クロメート処理液は、クロム
酸(CrO3 )、無機酸(硫酸等)を主成分とし、次亜
りん酸、亜りん酸、ないし有機還元剤(例えば蔗糖、ア
ルコール)等の添加によりクロム酸を還元して6価クロ
ムと3価クロムを所望の比率、例えばCr+3/トータル
クロム(Cr+3+Cr+6)の比(モル比)を0〜0.6
の範囲に調整し、その他適宜の添加剤、例えば、硼酸、
マロン酸、あるいは耐食性等の改善を目的として、水分
散性のシリカ(シリカゲル、コロイダルシリカ)、アル
ミナゾル、無機コロイダル、無機粉末等を常法に従つて
適量配合することにより調製すればよい。クロメート皮
膜の付着量は、クロメート処理法や、鋼板の用途、耐食
性等の要求特性等に応じて適宜決めればよい。その付着
量は、トータルクロム量で例えば10〜150mg/m
2 である。
【0007】上記クロメート皮膜処理の後、水分散性の
有機樹脂エマルジョンを処理液として、クロメート皮膜
表面にロールコーティングによる有機皮膜処理を行う。
本発明方法は、その有機皮膜処理を、クロメート処理
後、少なくとも8時間の時間経過を待って行う。これに
より、クロメート皮膜中の6価クロムは膜中に固定さ
れ、水分散性有機エマルジョンへの溶出が防止される。
すなわち、クロメート処理の塗膜は、時間経過と共に、
塗膜組成物中の脱水縮合反応が進行してCrイオンが固
定される。有機皮膜処理液の塗布を開始するまでの待機
時間を8時間以上としたのは、それにより、6価クロム
の脱水縮合反応が十分に進み、水分散性の有機樹脂エマ
ルジョン中への溶出とそれに起因して生じるロール表面
の処理液のゲル化・固化を実質的に完全に回避すること
が可能となるからである。
有機樹脂エマルジョンを処理液として、クロメート皮膜
表面にロールコーティングによる有機皮膜処理を行う。
本発明方法は、その有機皮膜処理を、クロメート処理
後、少なくとも8時間の時間経過を待って行う。これに
より、クロメート皮膜中の6価クロムは膜中に固定さ
れ、水分散性有機エマルジョンへの溶出が防止される。
すなわち、クロメート処理の塗膜は、時間経過と共に、
塗膜組成物中の脱水縮合反応が進行してCrイオンが固
定される。有機皮膜処理液の塗布を開始するまでの待機
時間を8時間以上としたのは、それにより、6価クロム
の脱水縮合反応が十分に進み、水分散性の有機樹脂エマ
ルジョン中への溶出とそれに起因して生じるロール表面
の処理液のゲル化・固化を実質的に完全に回避すること
が可能となるからである。
【0008】
【0009】水分散性の有機樹脂エマルジョンを処理液
としてロールコーテイングによりクロメート皮膜に塗布
する有機皮膜処理は、有機系分散媒の樹脂エマルジョン
を使用する場合と同様の処理条件により、円滑に遂行す
ることができる。その水分散性の有機樹脂エマルジョン
は、皮膜成分としての樹脂粒子(例えば、ポリウレタン
樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリアクリル酸樹脂
等)と、乳化剤を分散媒(水)に添加懸濁し、必要に応
じて配合される各種添加剤、例えば、皮膜の潤滑性を高
めるためのワックス、硬化剤、消泡剤等を配合して調製
されたものが適宜使用される。その有機皮膜処理液は、
市販品として種々のものが入手される。
としてロールコーテイングによりクロメート皮膜に塗布
する有機皮膜処理は、有機系分散媒の樹脂エマルジョン
を使用する場合と同様の処理条件により、円滑に遂行す
ることができる。その水分散性の有機樹脂エマルジョン
は、皮膜成分としての樹脂粒子(例えば、ポリウレタン
樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリアクリル酸樹脂
等)と、乳化剤を分散媒(水)に添加懸濁し、必要に応
じて配合される各種添加剤、例えば、皮膜の潤滑性を高
めるためのワックス、硬化剤、消泡剤等を配合して調製
されたものが適宜使用される。その有機皮膜処理液は、
市販品として種々のものが入手される。
【0010】上記水分散性の有機樹脂エマルジョンの塗
布操作は常法に従って行えばよく、処理液の塗布につづ
いて、後処理として、膜組成に応じた適宜加熱処理を施
して樹脂膜の形成を完成する。有機樹脂皮膜の膜厚は、
樹脂の材種や、所望の塗膜性能等により異なるが、余り
薄い膜厚では、膜の均一性に欠け、安定な潤滑効果を得
ることが困難であり、逆に厚過ぎると膜厚の割りに効果
は少なく、経済性を損なうので、概ね0.5〜5μmで
あるのが適当である。
布操作は常法に従って行えばよく、処理液の塗布につづ
いて、後処理として、膜組成に応じた適宜加熱処理を施
して樹脂膜の形成を完成する。有機樹脂皮膜の膜厚は、
樹脂の材種や、所望の塗膜性能等により異なるが、余り
薄い膜厚では、膜の均一性に欠け、安定な潤滑効果を得
ることが困難であり、逆に厚過ぎると膜厚の割りに効果
は少なく、経済性を損なうので、概ね0.5〜5μmで
あるのが適当である。
【0011】
【実施例】実施例1(第1の発明の方法) クロメート処理の後、一定の時間経過をおいて有機皮膜
処理を行う。 〔1〕被処理めつき鋼板 溶融亜鉛めつき鋼板、めつき目付け量:45g/m2 ・
片面 〔2〕クロメート皮膜処理 下記組成を有する塗布型クロメート処理液をロールコー
テイングにより、めつき表面に塗布し、ついで温度18
0℃での焼付処理を施して、目付け量50mg/m
2 (片面当り)のクロメート皮膜を形成。処理液組成 Cr+3/トータルクロム(モル比):0.
4、 トータルクロム量:15g/l、 コロイダルシリカ:50g/l: 〔3〕有機皮膜処理 上記クロメート皮膜処理の後、一定の時間経過を待つて
下記の水分散性有機エマルジョン(皮膜成分樹脂:ポリ
ウレタン樹脂、加熱残分25%)を処理液とし、ロール
コーテイングにより、クロメート皮膜面に塗布し、つい
で加熱処理(処理温度:200℃、処理時間:20秒)
を加えて有機皮膜を形成した。有機皮膜の膜厚:1μm
・片面。
処理を行う。 〔1〕被処理めつき鋼板 溶融亜鉛めつき鋼板、めつき目付け量:45g/m2 ・
片面 〔2〕クロメート皮膜処理 下記組成を有する塗布型クロメート処理液をロールコー
テイングにより、めつき表面に塗布し、ついで温度18
0℃での焼付処理を施して、目付け量50mg/m
2 (片面当り)のクロメート皮膜を形成。処理液組成 Cr+3/トータルクロム(モル比):0.
4、 トータルクロム量:15g/l、 コロイダルシリカ:50g/l: 〔3〕有機皮膜処理 上記クロメート皮膜処理の後、一定の時間経過を待つて
下記の水分散性有機エマルジョン(皮膜成分樹脂:ポリ
ウレタン樹脂、加熱残分25%)を処理液とし、ロール
コーテイングにより、クロメート皮膜面に塗布し、つい
で加熱処理(処理温度:200℃、処理時間:20秒)
を加えて有機皮膜を形成した。有機皮膜の膜厚:1μm
・片面。
【0012】〔4〕結果 (i) クロメート皮膜処理の後、有機皮膜処理を行うまで
の経過時間と、そのクロメート皮膜表面に塗布した有機
皮膜処理液塗膜中への6価クロムの溶出量(化学分析
値)の関係を図1に示す。 (ii)製品鋼板表面の品質を目視判定して、下記表1に示
す結果を得た。 表中、×マーク:処理液の樹脂のゲル化によりロール表
面に凹凸を生じ、製品鋼板表面に肌荒れが発生 ○マーク:コーテイングロール表面の処理液の樹脂のゲ
ル化はなく、製品表面は健全な平滑面を有している。 表1に示したとおり、クロメート処理から8時間経過し
た後、有機皮膜処理を行うことにより、ロール表面の処
理液のゲル化を生じさせず、正常なロール表面状態を維
持しながら、健全な表面品質を有する製品鋼板が得られ
ることが分かる。
の経過時間と、そのクロメート皮膜表面に塗布した有機
皮膜処理液塗膜中への6価クロムの溶出量(化学分析
値)の関係を図1に示す。 (ii)製品鋼板表面の品質を目視判定して、下記表1に示
す結果を得た。 表中、×マーク:処理液の樹脂のゲル化によりロール表
面に凹凸を生じ、製品鋼板表面に肌荒れが発生 ○マーク:コーテイングロール表面の処理液の樹脂のゲ
ル化はなく、製品表面は健全な平滑面を有している。 表1に示したとおり、クロメート処理から8時間経過し
た後、有機皮膜処理を行うことにより、ロール表面の処
理液のゲル化を生じさせず、正常なロール表面状態を維
持しながら、健全な表面品質を有する製品鋼板が得られ
ることが分かる。
【0013】
【表1】 経過時間(Hr) 0 8 20 Cr+6溶出量(%) 88 21 10 製品表面品質 × ○ ○
【0014】
【00015】
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、めつき鋼板のクロメー
ト皮膜表面に、有機皮膜処理液として水分散性の樹脂エ
マルジョンを使用して、コーテイングロールの表面に処
理液のゲル化や固化およびそれによるロール表面の凹凸
等を生じさせずに、円滑な有機皮膜処理を遂行し、健全
な表面品質を有する有機皮膜処理鋼板をを製造すること
ができる。
ト皮膜表面に、有機皮膜処理液として水分散性の樹脂エ
マルジョンを使用して、コーテイングロールの表面に処
理液のゲル化や固化およびそれによるロール表面の凹凸
等を生じさせずに、円滑な有機皮膜処理を遂行し、健全
な表面品質を有する有機皮膜処理鋼板をを製造すること
ができる。
【図1】クロメート処理から有機皮膜処理するまでの経
過時間と、そのクロメート皮膜に積層形成された有機樹
脂皮膜中の6価クロム溶出量の関係を示すグラフであ
る。
過時間と、そのクロメート皮膜に積層形成された有機樹
脂皮膜中の6価クロム溶出量の関係を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B05D 7/24 301 B05D 7/24 301F B32B 15/08 B32B 15/08 G C23C 2/06 C23C 2/06 (72)発明者 荒谷 泰 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株 式会社 堺製造所内 (56)参考文献 特開 平4−289179(JP,A) 特開 平4−333576(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 28/00
Claims (1)
- 【請求項1】 めっき鋼板にクロメート処理を施した
後、水分散性樹脂エマルジョンを有機皮膜処理液とし、
ロールコーティングによりクロメート皮膜の表面に塗布
して有機皮膜を積層形成する方法において、クロメート処理後、少なくとも8時間の経過によりクロ
メート皮膜中の6価クロムが脱水縮合反応により膜中に
固定された後、クロメート皮膜に水分散性有機皮膜処理
液を塗布する ことを特徴とする有機皮膜処理鋼板の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5066198A JP2968903B2 (ja) | 1993-03-01 | 1993-03-01 | 有機皮膜処理鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5066198A JP2968903B2 (ja) | 1993-03-01 | 1993-03-01 | 有機皮膜処理鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06256970A JPH06256970A (ja) | 1994-09-13 |
JP2968903B2 true JP2968903B2 (ja) | 1999-11-02 |
Family
ID=13308917
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5066198A Expired - Fee Related JP2968903B2 (ja) | 1993-03-01 | 1993-03-01 | 有機皮膜処理鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2968903B2 (ja) |
-
1993
- 1993-03-01 JP JP5066198A patent/JP2968903B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06256970A (ja) | 1994-09-13 |
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