JPH0159356B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0159356B2
JPH0159356B2 JP20640184A JP20640184A JPH0159356B2 JP H0159356 B2 JPH0159356 B2 JP H0159356B2 JP 20640184 A JP20640184 A JP 20640184A JP 20640184 A JP20640184 A JP 20640184A JP H0159356 B2 JPH0159356 B2 JP H0159356B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
silica
chromium
amount
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP20640184A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6187878A (ja
Inventor
Tooru Ishii
Masashi Isobe
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Light Metal Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Light Metal Co Ltd filed Critical Nippon Light Metal Co Ltd
Priority to JP20640184A priority Critical patent/JPS6187878A/ja
Publication of JPS6187878A publication Critical patent/JPS6187878A/ja
Publication of JPH0159356B2 publication Critical patent/JPH0159356B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C22/00Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C22/73Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals characterised by the process
    • C23C22/74Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals characterised by the process for obtaining burned-in conversion coatings

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、金属基材の表面に親水性を与えると
ともに耐食性にすぐれた皮膜を形成し得る親水性
耐食皮膜を形成する方法に関するものである。 〔従来の技術及びその問題点〕 金属基材は、種々の用途に多用されているが、
用途によつてはその表面が水によく濡れるいわゆ
る親水性であることが望まれる。すなわち、金属
基材をたとえば熱交換器用フインとして使用する
場合、熱交換器が高性能化、小型化されるに伴な
つて、フイン間隔も狭められ、白錆防止、エネル
ギー消費効率向上、騒音低下などに対する要望が
多くなつている。しかして熱交換器においては、
フイン表面において大気との間に熱交換が行なわ
れ、フイン表面に冷房時には大気中の水分が凝縮
するが、フイン間隔が3〜4mm以下のように狭い
場合には、凝縮した水分が球状となつてフイン間
にいわゆるブリツジを形成するために通風抵抗が
増加し、騒音の発生やエネルギー消費効率を低下
させる因となるものである。したがつて、フイン
表面が親水性化されて凝縮した水分がブリツジを
形成することなく直ちに流去することが望まれて
いる。 しかして、金属基材がたとえばアルミニウムア
ルミニウム及びその合金のようなアルミニウム材
の場合、その表面を親水性化する方法としては、
(1)ベーマイト処理法、(2)クロメート皮膜の中でも
比較的親水性のよいとされるリン酸クロメート処
理法、あるいは、(3)親水性塗料を塗布する方法な
どが知られている。しかしながら、これらの方法
は、第1表に表示するように、いずれも十分な性
能を有する方法とはいえないものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、金属材表面に耐食性を有し、し
かも親水性において優れた皮膜を形成させる方法
を得べく種々研究を重ねた結果、3価及び6価の
クロム化合物、アクリル酸ポリマーの混合水溶液
に適量の微細シリカを添加した処理液を使用する
ことによつて、金属基材面に、耐食性を有し、し
かも、著しく改善された皮膜を形成させ得ること
をみいだした。しかしながら、この方法によつて
も、なお、次のような問題点があることが判つ
た。すなわち、このようにクロム化合物とアクリ
ル酸ポリマーの混合液に、単に微細シリカを添加
混合した処理液を使用して、たとえば熱交換器の
フイン材に耐食性保護皮膜を形成したような場
合、使用初期における皮膜面はきわめて良好な親
水性を示すのであるが、長時間の継続使用によつ
て、しだいに親水性が低下し、また、樹脂皮膜中
に含有される人体に有害な6価クロム成分が序々
にドレン中に浸出され長期間にわたつて周辺を汚
染するなどの問題を残すものであつた。 そこで発明者らは、さらに研究を重ねた結果、
3価及び6価のクロム化合物、アクリル酸ポリマ
ーの混合液に適量の微細シリカを添加し、さらに
この混合液に少量のリン酸およびフツ化物を添加
し、かつ、液中の6価クロム化合物の濃度を2
g/以下に保つことによつて、長期間にわたつ
て良好な親水性を維持し、しかも熱交換器のフイ
ン材などに適用して実質的に6価クロム化合物の
溶出のない、耐食性皮膜を形成し得ることをみい
だした。 本発明は、上記したような一連の発見に基づい
たものである。 すなわち、本発明は3価及び6価のクロム化合
物をCrO3換算で1〜20g/、かつ6価クロム
化合物をCrO3換算で0.05〜2g/、アクリル
酸ポリマーを固形分で1〜20g/、フツ化物を
F-として0.1〜5g/、リン酸をPO-3 4として
0.1〜100g/、シリカと〔アクリル酸ポリマー
+クロム化合物(CrO3換算)+シリカ〕との比で
0.3〜0.8となるようにそれぞれを配合してなる親
水性耐食皮膜形成剤を金属基材の表面に0.03〜2
g/m2(70℃、10分間乾燥後の固形分として)被
着させた後、100〜250℃において10秒〜30分間加
熱焼き付け処理する熱交換器用金属材の表面に親
水性耐食皮膜を形成する方法である。 以下、本発明の方法について、さらに具体的に
述べる。 本発明において使用する金属基材としては、亜
鉛鉄板、アルミニウム及びその合金、銅及びその
合金その他亜鉛及びその合金などがあげられる。 次に、本発明において使用する皮膜形成剤は、
前記のような組成を有するものであつて、皮膜形
成剤を構成する各組成物の供給源は、3価のクロ
ム化合物としては、たとえば水酸化クロム、硝酸
クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、マレイン酸ク
ロムなどがあげられ、単独又は2種以上を混合し
て使用する。又、6価のクロム化合物としては、
たとえばクロム酸(CrO3)クロム酸アンモニウ
ムのようなクロム酸塩、あるいは、重クロム酸ア
ンモニウムのような重クロム酸塩などがあげられ
る。なお、3価のクロムは、前記のような化合物
の形で添加する以外に、6価のクロム化合物、た
とえばCrO3を使用し、この一部をホルマリン、
フエノールあるいは多価アルコールのような有機
還元剤で還元することによつて3価の化合物とし
て混在させることも可能であり支障がない。しか
しながら、3価のクロム化合物と6価のクロム化
合物とを混合して使用する場合に較べて3価クロ
ムの低濃度側で使用することが好ましい。 アクリル酸ポリマーとしては、水溶性のもの
(以下、樹脂と称す)が使用され、たとえば、ア
クリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸2−エチル、メタクリル酸、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸イソブチル、マレイン酸、イタコン
酸のような化合物の重合あるいは共重合によつて
得られた水溶性のものを使用する。なお、比較的
低温、短時間の加熱処理工程中に皮膜形成剤中に
共存するクロムイオンとキレート化反応をおこし
水に不溶性となる必要があり、分子量としては、
平均分子量が10000〜300000のものであることが
望ましい。このような樹脂としては、たとえば、
プライマルA−1、A−3、A−5(商品名、ロ
ーム&ハース社)が市販されている。 次に、フツ化物としては、たとえばフツ酸、フ
ツ化ケイ素、フツ化ホウ素、フツ化チタニウム、
フツ化ジルコニウム、フツ化亜鉛などのようなフ
ツ酸の可溶性塩が使用される。なお、フツ化物と
してフツ酸を使用することがもつとも好ましい
が、その添加効果の発現機構は確言できないが、
クロム化合物と協動的に金属基材に作用するとと
もに、シリカに対して軽度の溶解作用を与えシリ
カ粒子を樹脂中に微細に分散させ、緻密で堅牢か
つ親水性、耐食防錆性に富んだ皮膜を形成させる
ものと思われる。 又、シリカは、シリカ粉末又はシリカゾルの形
で使用し、シリカとしては、たとえば、ヒユーム
ドシリカあるいは湿式法による含水無晶形のケイ
酸を使用し得、市販品としては、たとえば、カボ
シル(商品名、カボツト社)、カープレツクス
(商品名、塩野義製薬社)などがある。なお、こ
れらの粒子の大きさは、均一水濡れ性、成形性、
さらには皮膜の耐食性の面から小さい方が好まし
く、平均粒径が1μm以下、とくに1次粒子の大き
さは、少なくとも50%以上が1μm以下であること
が好ましい。 さらに、リン酸としては、正リン酸、ピロリン
酸、ポリリン酸、メタリン酸、亜リン酸などが使
用される。なお、使用量が少ない場合には、上記
の各種リン酸のアルカリ塩を使用し得る。(後述
する第3表、第4表参照) しかして、このような諸組成物の配合割合は、
全クロム濃度(3価クロム−6価クロム)は、
CrO3換算で1〜20g/、好ましくは2.5〜12
g/の範囲であることが必要であつて、1g/
以下では、十分な耐食性が得られず、また樹脂
の架橋反応も十分満足する程度に行なわれず、20
g/以上では、金属表面着色、クロムの局部的
濃縮をおこし、皮膜の不均一化がおこり易く、さ
らには必要以上の皮膜を形成し経済的にも不利で
ある。なお、皮膜の耐食性を向上させるために6
価のクロム化合物をCrO3換算で0.05〜2g/
含有させることが必要であつて、0.05g/以下
では、防食効果が十分でなく、2g/以上で
は、皮膜からのクロムが溶出し易く、公害上に問
題が生じるし、結果的に皮膜の耐食性を低下させ
る。 樹脂の添加量としては、固形分で1〜20g/
、好ましくは、4〜14g/の範囲であり、1
g/以下では皮膜形成量が不十分となり、20
g/以上では皮膜形成剤の安定性が減少する傾
向がある。しかして、本発明における皮膜形成剤
の樹脂の不溶化は、前述のように共存するクロム
化合物との架橋反応による難溶性の有機クロメー
ト化合物の生成によるものであつて、架橋に必要
なクロム量は、Cr()又はCr()をCrO3換算
で樹脂に対して0.2%以上添加すればよく、本発
明において使用する皮膜形成剤のクロム化合物含
有量であれば樹脂の量は実質的に任意に変えるこ
とができる。なお、熱硬化型の水溶性樹脂を少量
加えることによつて皮膜の耐食性を向上させるこ
とは勿論可能である。 次に、フツ化物の添加量は、F-として、0.1〜
5g/、好ましくは、0.3〜3.5g/の範囲で
配合する。F-が0.1g/以下では、金属基材と
クロム化合物との反応生成物を主体とする皮膜の
良好な耐食性が得られず、5g/以上では、処
理時に金属基材の溶出やシリカとの反応がいちじ
るしくなることによつて皮膜形成剤浴の管理が困
難であり、所望特性の皮膜を得ることが困難とな
る。 又、シリカの添加量は、クロム化合物及び樹脂
の使用量によつて変り、シリカと〔樹脂+クロム
化合物(CrO3換算)+シリカ〕との重量比(シリ
カ比と称す)が0.3〜0.8、好ましくは、0.35〜
0.65の範囲で添加する。シリカ比が0.3以下では、
持続力のある親水性皮膜が得られず、0.8以上で
は、皮膜表面が粉吹き状になり好ましくない。な
お、シリカ成分は、樹脂で被覆した状態で添加す
ることが好ましく、シリカ粒子は均一に分散し、
かつ、フツ酸との反応も適当に制御し得る。又、
皮膜の形成に当つて表層部に優先的に集まるもの
である。 さらに、リン酸の添加量は、PO-3 4として、0.1
〜100g/、好ましくは、0.5〜10g/の範囲
で配合する。0.1g/以下では、水濡れ性に制
限を生じ、使用条件が緩い場合には効果があつて
も厳しい使用条件では長期親水性に問題が生じ
る。又、10g/以上では、水濡れ性は問題ない
が、耐食性がやや悪くなり、とくに100g/以
上ではその傾向が大きくなる。これらの状況を示
す試験結果を第2表に示す。すなわち、クロム
(CrO3換算)をCr()2.69g/、Cr()1.15
g/、樹脂(固形分)8g/、F-を1g/
、シリカを20g/(シリカ比0.63)を一定と
して、リン酸として正リン酸を使用し添加量を第
2表に示すように変えた皮膜形成剤を調製し、ア
ルミニウム材(AA3102)に約25ml/m2になるよ
うに塗布し、130℃に10分間加熱焼き付け処理を
行ない、得られた試料の親水性(テスト前)を水
浸清法により、親水性の長期耐久性(16時間後、
96時間後)を冷熱サイクルを用いて測定し、耐食
性を湿潤試験(250時間、500時間)によつて測定
した。これらの結果を第2表に示す。
【表】 同様にして、リン酸以外の他成分は、前述の第
2表の試験時と同様な組成割合とし、リン酸の種
類及び添加量を変えて同様に行なつた結果を第3
表に、又、リン酸として各種リン酸ナトリウムを
使用し同様に行なつた結果を第4表に示す。
【表】
【表】 本発明に用いる皮膜形成剤の調製方法として
は、前記各成分を所定添加割合になるように、た
とえば、樹脂液中にシリカ粉末を均一に分散させ
たA液と、クロム化合物、フツ化物及びリン酸を
水に混合溶解させたB液とを別個に調製しておい
て、使用直前に両浴を混合して使用する方法、又
は、樹脂液中にシリカ粉末を均一に分散させて3
価のクロム化合物液中に添加したA′浴と、フツ
化物、6価のクロム化合物、リン酸とを混合して
調製したB′浴とを使用直前に混合して使用する
方法、あるいは、使用直前にすべての成分化合物
を所定割合に混合して使用する方法など適宜の方
法をとり得るものである。 しかして、本発明の親水性耐食皮膜の形成は、
前記のように調製した皮膜形成剤を金属基材表面
に被着させて加熱焼き付け処理を行なうことによ
つてなされる。すなわち、皮膜形成剤を液温20〜
40℃で通常のように、ロール塗り、はけ塗り、浸
漬法あるいはスプレー法など適宜の方法によつて
金属基材の塗布面に、塗布量が70℃、10分間乾燥
後の固形分として0.03〜2g/m2となるように、
皮膜形成剤の粘度によつて変わるが、20〜40ml/
m2の割合で被着させる。塗布量が20ml/m2以下で
は皮膜が薄くて効果が少なく、40ml/m2以上では
皮膜形成剤が流れ落ち経済的でない。ついで、
100〜250℃で10秒〜30分間加熱し焼き付け処理を
行なう。ここに加熱温度、加熱時間は、それぞれ
の下限値以下では、焼き付けが不十分であつて皮
膜の密着性が低く、それぞれの上限値以上では、
成分樹脂の熱分解がおこり変質するおそれがある
ものである。このようにして樹脂の不溶化が行な
われ、金属基材表面に親水性と耐食防錆性とに富
んだ皮膜を形成することができる。 なお、たとえば金属基材の熱処理後の冷却を兼
ねて本発明における皮膜形成剤を被着させれば、
余熱を利用することができ、エネルギーコストを
下げ得る。さらに、皮膜の不溶化を行なう以前な
らば、皮膜形成剤を多数回に亘つて繰返し被着し
皮膜厚を厚くすることができる。又、前記の組成
範囲内においてクロム化合物及びフツ化物の浴
と、樹脂、シリカ、リン酸との浴を調製し、これ
らの浴をたとえばスプレー法などで同時に吹き付
け金属基材面上で混合するようにしてもよい。
又、皮膜形成剤の被着は、金属基材を成形加工し
た後に行なうばかりでなく、生成皮膜がプレス成
形性にもすぐれているので、皮膜形成後に成形加
工を行なうこともできる。 皮膜厚は、前記範囲内において必要度に応じて
適宜の皮膜厚とすることができるが、たとえば、
0.1μm(乾燥後)程度であつても熱交換器のフイ
ン材に要求される高度の親水性と耐食性を十分に
満足し得るものである。しかして、とくに耐食性
が要求される場合には、クロム化合物の多い浴と
し、又とくに親水性が要求される場合には、リン
酸の添加とともにシリカの多い浴を使用すること
により、同じ皮膜厚でもその皮膜特性を調整し得
るものである。 このようにして皮膜形成剤を焼き付けて得た皮
膜は、たとえば、アルミニウム及びその合金のよ
うなアルミニウム材の表面を処理した場合、皮膜
とアルミニウム材との境界にフツ化アルミニウ
ム、ケイフツ化アルミニウムなどのごく薄い層
(第一層)を生成し、ついでクロム化合物及びシ
リカを含む無機質層(第二層)が比較的厚く生成
し、さらに最表層(第三層)として、シリカ及び
リン酸を含有する樹脂層を形成し、全体として三
層をなし、最表層は、第二層の無機成分とくにク
ロム化合物の溶出を抑えている。 なお、皮膜の耐食性は、従来の親水性塗料が、
塗膜の種類、厚さ、樹脂に対する添加物の種類あ
るいは量に影響されるのと異なつて、本発明にお
いては、ほぼ無機質皮膜によつて一義的に決定さ
れるため少なくとも耐食性の面からは樹脂層の厚
さあるいはシリカの添加量に対する制約はあまり
ない。このため親水化処理に対する自由度も高
く、結果として従来の親水性塗料に較べて親水性
の高い皮膜を賦与し得るものである。このこと
は、フツ化物を添加することによつて前述のよう
に金属基材との境界層として金属基材とのフツ化
物生成、あるいは、シリカもフツ化物により粒子
表面が活性化され樹脂との結合性が高められるこ
と、さらに、リン酸を添加することにより、リン
酸が最表層を中心に第二層まで分布し、とくに最
表層において樹脂の−COOH基に作用すること
が相俟つて最表層皮膜の特性が改善され、皮膜全
体の特性がいちじるしく改善され、親水性の長期
持続性を保持するものと思われ、湿潤試験にも何
ら欠陥が認められず、耐食性とプレス成形性にも
すぐれた皮膜の生成が認められる。次に、本発明
と従来の親水性塗料を使用した場合との比較を第
5表に示す。
〔発明の効果〕
本発明は、クロム化合物、アクリル酸ポリマ
ー、フツ化物、リン酸及びシリカを構成成分と
し、これらをそれぞれ所定量配合したノンリンス
型の親水性耐食皮膜形成剤を使用し、これを金属
基体の表面に被着させ、所定条件にしたがつて加
熱焼き付け処理を行なつて皮膜を形成させるもの
であるから、通常の被着操作が行ない得、きわめ
て親水性に富みかつ耐食性にすぐれ、プレス加工
にもすぐれた親水性耐食皮膜を得ることができ、
皮膜中の6価のクロムの溶出も防止し得るなどす
ぐれた効果が認められる。 次に、本発明の実施例を述べる。 実施例 1〜8 3価クロム化合物として硝酸クロム(CR
(NO33・9H2O)を、6価クロム化合物として三
酸化クロムをフツ素化合物としてフツ酸(46%
HF)を、リン酸として正リン酸(100%H3PO4
を使用してそれぞれを混合した水溶液(A浴)、
及び、樹脂としてポリアクリル酸の25重量%水溶
液(商品名プライマールA−1、分子量約50000
以下、ローム&ハース社製)に一次粒子の平均粒
径0.01μmのシリカ粉末(商品名カボシルM−5、
カボツト社製)を均一分散させた液(B浴)とを
それぞれ第6表に示すような配合割合であらかじ
め調製した。 金属基材としてアルミニウム材(AA3102、
0.15mm厚×100mm×100mm)を通常の通り脱脂洗浄
する前処理を行ない、この表面に前記のように調
製しておいたA浴及びB浴を混合して調製した皮
膜形成剤をロール塗布法によつて25ml/m2の割合
で塗布し被着させ、ついで温風加熱炉を使用して
130℃で10分間加熱焼き付け処理を行ない皮膜を
不溶性化させた。 得られた試料の親水性(テスト前)を、試料を
脱イオン水中に一旦浸漬後、引き上げて約30秒間
放置したときの水濡れ面積率で水濡れ性を判定す
る水浸漬法によつて調べるとともに、親水性の長
期耐久性を冷熱サイクル法を用い、16時間、96時
間放置し、その後取り出して水浸漬法によつて水
濡れ面積率を求めて調べた。又、耐食性を湿潤試
験(相対湿度100%、温度50℃)による250時間及
び500時間放置後の腐食面積率によつて調べた。
その結果は、いずれも満足するものであり、熱交
換器用フイン用としても好適なものであつた。な
お、得られた皮膜の厚さは、実施例4で約
0.5μm、実施例2で約0.3μm、実施例3で約
0.8μmその他は、0.4〜0.6μm程度であつた。これ
らの結果を第6表に示す。 比較例 1〜8 実施例と同様にして、第6表中に示すような配
合割合でA浴及びB浴を調製し、実施例と同様に
してアルミニウム材表面に皮膜を形成させて、実
施例と同様にして諸試験を行なつた。これらの結
果を第6表に示す。なお、得られた皮膜の厚さ
は、比較例7及び比較例8が約0.8μmであり、そ
の他は、0.4〜0.6μm程度であつた。 第6表に示されているように、比較例6は、
F-の添加がない場合であつて、全面に腐食を生
じ、水濡れの試験もできなかつた。 又、比較例1は、Cr+6がない場合であつて、
Cr+6による腐食抑制効果がないため若干腐食が生
じ、比較例2、3、8では、Cr+6の添加量が多い
ために皮膜からCr+6の溶出が認められ、公害上問
題となるものである。 比較例4は、全クロム化合物量が少ないので耐
食性が劣るものである。 実施例 9 金属基材として亜鉛鋼板を用い、実施例4と同
様にして皮膜を形成し、同様に諸試験を行なつた
結果、水濡れ性は、テスト前、16時間、96時間後
ともに100%であり、湿潤試験も250時間、500時
間とも0%であつた。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 3価及び6価のクロム化合物をCrO3換算で
    1〜20g/かつ6価クロム化合物をCrO3換算
    で0.05〜2g/、アクリル酸ポリマーを固形分
    で1〜20g/、フツ化物をF2として0.1〜5
    g/、リン酸をPO4 -3として0.1〜10.0g/、
    シリカをシリカと〔アクリル酸ポリマー+クロム
    化合物(CrO3換算)+シリカ〕との比で0.3〜0.8
    となるようにそれぞれ配合してなる親水性耐食皮
    膜形成剤を金属基材の表面に0.03〜2g/m2(70
    ℃、10分間乾燥後の固形分として)被着させた
    後、100〜250℃において10秒〜30分間加熱焼付け
    処理することを特徴とする熱交換器用金属材の表
    面に親水性耐食皮膜を形成する方法。
JP20640184A 1984-10-03 1984-10-03 親水性耐食皮膜を形成する方法 Granted JPS6187878A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20640184A JPS6187878A (ja) 1984-10-03 1984-10-03 親水性耐食皮膜を形成する方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20640184A JPS6187878A (ja) 1984-10-03 1984-10-03 親水性耐食皮膜を形成する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6187878A JPS6187878A (ja) 1986-05-06
JPH0159356B2 true JPH0159356B2 (ja) 1989-12-15

Family

ID=16522743

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20640184A Granted JPS6187878A (ja) 1984-10-03 1984-10-03 親水性耐食皮膜を形成する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6187878A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61136685A (ja) * 1984-12-07 1986-06-24 Nippon Light Metal Co Ltd 親水性耐食皮膜を形成する方法
CN103194743B (zh) * 2013-03-13 2014-12-24 华东理工大学 一种用于锂离子电池负极极耳的镍金属条的表面处理方法
FR3013437B1 (fr) * 2013-11-20 2015-12-18 Valeo Systemes Thermiques Revetement pour echangeur de chaleur

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6187878A (ja) 1986-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4407899A (en) Surface treated steel sheets for paint coating
JP3548979B2 (ja) 塗膜に非クロム化合物防錆顔料を使用した塗装金属板
JPS6140305B2 (ja)
JPH0348272B2 (ja)
JPH0360919B2 (ja)
JPS60174879A (ja) 下塗り塗装がカチオン電着塗装である多層塗装用防錆鋼板の製造方法
JPH0159356B2 (ja)
JPS60219265A (ja) 金属表面処理方法
JP3373801B2 (ja) アルミニウム材の下地処理方法及び下地処理剤
JPH0348273B2 (ja)
JPS63270480A (ja) メツキ鋼板の有機複合クロメ−ト処理方法
JPS61136685A (ja) 親水性耐食皮膜を形成する方法
JP3615781B2 (ja) 3価クロム化合物ゾルの製造方法、並びに前記ゾルを含む金属材料用表面処理剤及び表面処理方法
JPH0571382B2 (ja)
JPS63178873A (ja) 耐食性および塗装性に優れたクロメ−ト処理メツキ鋼板の製造方法
JPH04235287A (ja) 電磁鋼板の絶縁被膜形成方法
JPH01123081A (ja) 耐スクラッチ性に優れた化成皮膜付プレコート金属板の製造方法
JPS60138078A (ja) 金属塗装前処理剤
JP2000178759A (ja) 金属材料用水系表面処理組成物
JP2579487B2 (ja) 表面特性の優れた白色クロメ−ト処理方法
JPH07300683A (ja) 低温焼付性に優れたクロメート処理方法
JPH0432576A (ja) リン酸亜鉛化成処理液
JP3282498B2 (ja) ロールフォーミング加工性に優れた表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板及びその製造方法
JPH0348271B2 (ja)
JP2004344779A (ja) Crフリー顔料を用いた塗装金属板及びその製造方法