JP2002263636A - 水中燐酸イオンの除去方法 - Google Patents

水中燐酸イオンの除去方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストが低く、水中の燐酸イオンを効率的に
除去する方法を提供すること。 【解決手段】 吸着材を用いて水中の燐酸イオンを除去
する方法において、前記吸着材は硫酸アルミニウムを粒
子の表面から内部に至るまで均一な濃度分布となるよう
に被着させた活性アルミナ粒子であり、前記吸着材をp
H5〜8に調整した水と接触させることを特徴とする水
中の燐酸イオンの除去方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中燐酸イオンの
除去方法に関する。更に詳細には、活性アルミナ粒子を
吸着材として使用する水中燐酸イオンの除去方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年の都市化や産業活動の活発化によ
り、水質汚染が問題となっている。特に、燐は、湖沼や
閉鎖性海域での富栄養化の主要因と重要視され、富栄養
化によるアオコや赤潮の発生等に伴う被害が毎年のよう
に生じている。この対策として、燐に関する環境基準や
排出基準が厳しくなっており、安価で効率的な燐の除去
剤や除去方法が望まれている。
【0003】燐酸イオン態の燐の除去方法の1つとし
て、活性アルミナ粒子による吸着法が注目されている。
安価で大量供給が可能なバイヤー法由来の活性アルミナ
粒子は、微量のNa2 Oを不純物として含有するため、
水中でアルカリ性を示す。そのため、活性アルミナ粒子
表面の酸素が水酸化イオンを吸着して負に荷電すると、
活性アルミナ粒子の燐酸イオンに対する吸着容量が低下
する。これを改善するため、前記活性アルミナ粒子に酸
成分を被着させて燐酸イオンに対する活性アルミナ粒子
の吸着容量を向上させる試みがなされている。
【0004】特開昭61−64388号広報並びに浦野
紘平、亀屋隆志、高梨啓和等[月間地球環境 p56−
59No.10(1998)及び第33回日本水環境学
会年会講演集P50−51(1999)]は、活性アル
ミナ粒子に硫酸アルミニウムを被着させると燐酸イオン
に対する吸着容量が顕著に向上することを報告してい
る。
【0005】浦野と立川[用水と廃水Vol.29N
o.5 p3−12(1987)]によれば、硫酸アル
ミニウム被着活性アルミナ粒子の燐酸イオン吸着機構
は、アルミナ表面のOH基及び硫酸基と燐酸イオンとの
イオン交換反応である。
【0006】Al23 ・3H2 O+2H2 PO4 -
2AlPO4 +2OH- +4H2 O(水和したアルミナ
表面) Al4 (OH)6 (SO43 +4H2 PO4 - →4A
lPO4 +3SO4 2-+2H+ +6H2 O(アルミナ表
面に被着した硫酸アルミニウム) 前記硫酸アルミニウム被着活性アルミナ粒子を水中燐酸
イオンの吸着除去に適用するに際しては、燐酸イオンに
対する吸着容量及び吸着速度が水処理費に大きな影響を
与える重要因子である。
【0007】公知の硫酸アルミニウムの被着方法は、成
形した活性アルミナ粒子を硫酸アルミニウム溶液に浸漬
し、粒子内部に酸成分を浸透拡散させることにより被着
させる方法(以下、浸漬法と記す)であり、被着による
細孔容積の減少や粒子表面の細孔の閉塞が生じる。得ら
れた粒子は、酸成分の粒子内濃度分布が不均一となっ
て、粒子表面が高く粒子内部が低いM型分布になる。
【0008】浦野と立川[Ind.Eng.Chem.
Res.,Vol.30 1893−1896(199
1)]によれば、硫酸アルミニウム被着量を増加させる
と粒子の細孔容積が減少(有効吸着面積の減少)するた
め、酸被着量が活性アルミナ1g当たり0.2mmol
に達すると吸着容量は上限に達し、0.6mmol以上
になると吸着容量が減少する。すなわち、0.2mmo
l/gを超えて硫酸アルミニウム被着させても吸着容量
が増加せず、細孔容積の減少が生じるので、吸着速度を
向上させることが困難であるという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、コストが低く、水中の燐酸イオンを効率的に除去す
る方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、再水和性
を有する粉末活性アルミナに硫酸アルミニウム溶液を添
加して成形するという酸処理操作と成形操作との一体化
により、燐酸イオンに対する吸着性能が向上した活性ア
ルミナ粒子が得られることを発見し、本発明を完成する
に至った。
【0011】すなわち、本発明は、吸着材を用いて水中
の燐酸イオンを除去する方法において、前記吸着材は硫
酸アルミニウムを粒子の表面から内部に至るまで均一な
濃度分布となるように被着させた活性アルミナ粒子であ
り、前記吸着材をpH5〜8に調整した水と接触させる
ことを特徴とする水中の燐酸イオンの除去方法に関す
る。
【0012】本発明の除去方法に用いられる吸着材は、
硫酸アルミニウムを粒子の表面から内部に至るまで均一
な濃度分布となるように被着させた活性アルミナ粒子で
ある。
【0013】ここで、「粒子の表面から内部に至るまで
均一な濃度分布となるように被着させた」とは、硫酸ア
ルミニウムを被着させた活性アルミナ粒子の表面から内
部まで硫黄濃度を測定し、硫黄濃度分布が均一であるこ
とを指標にする。硫黄濃度は、例えば実施例に記載のよ
うに測定することができ、硫黄濃度分布が均一であるこ
とは、例えば図1に記載のような方形型分布により示さ
れる。
【0014】前記活性アルミナ粒子の粒子径は特に制限
がないが、粒子径を小さくすると吸着速度が速くなる利
点並びに活性アルミナ粒子を固定床に充填して用いた場
合、固定床の通水抵抗が高くなる欠点及び原水中の濁質
により固定床の目詰まりが生じ易くなるという欠点など
が現れるので、吸着材用途に応じて利害得失を勘案し、
適した粒子径を選ぶ。活性アルミナ粒子は、通常、平均
粒子径0.3mm〜8mmの球状であることが好まし
く、0.5m〜2mmの球状であることがより好まし
い。
【0015】また、前記活性アルミナ粒子において、水
銀圧入法で測定した細孔半径1.8nm〜100μm間
の粒子の細孔容積は、燐酸イオンの吸着性能を高めると
いう観点から、0.15cm3 /g以上であることが好
ましく、0.2cm3 /g以上がより好ましい。
【0016】前記水銀圧入法による測定方法は、実施例
に記載されている。
【0017】さらに、前記活性アルミナ粒子において、
硫黄含有量は、1.9重量%以上であることが好まし
く、2.5重量%〜4重量%であることがより好まし
い。
【0018】本発明の燐酸イオンの除去方法は、前記活
性アルミナ粒子を吸着材として使用し、該吸着材をpH
5〜8に調整した水と接触させることを特徴とする。本
発明における活性アルミナ粒子の燐酸イオン吸着機構
は、アルミナ表面のOH基及び硫酸基と燐酸イオンとの
イオン交換反応であると考えられ、活性アルミナの燐酸
イオン等に対する吸着容量はpH4〜6の時が最大とな
る。また、燐酸イオンの吸着を妨害する原水中の炭酸イ
オン、珪酸イオンの影響はpHを7以下に調整すること
により妨害を小さくできる。さらに、水質基準が設定さ
れている場合には、処理水のpHを基準内に設定するこ
とが好ましい。これらの要素を考慮するとpH5〜8、
好ましくはpH5.5〜7に調整した水と接触させる。
【0019】[作用効果]本発明の燐酸イオンの除去方
法によると、硫酸アルミニウムが粒子の表面から内部ま
で均一に被着して細孔容積の減少や粒子表面の細孔閉塞
がほとんどない活性アルミナ粒子を吸着材として用いる
ことにより、水中の燐酸イオンを効率的に除去すること
ができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施する際の詳細
条件を説明する。
【0021】本発明の燐酸イオンの除去方法に用いられ
る吸着材は以下のようにして製造することができる。す
なわち、再水和性を有する粉末活性アルミナに硫酸アル
ミニウム溶液を添加し、続いて活性アルミナ粒子に成形
するという酸処理と粒子成形を同一工程で行う。
【0022】前記再水和性を有する粉末活性アルミナと
は、バイヤー法から得られた活性アルミナ又は市販の粉
末水酸化アルミニウムを仮焼したものをいう。
【0023】仮焼は、例えば、粉末水酸化アルミニウム
を約500℃〜約700℃の熱ガス中に投入し、瞬間的
に活性アルミナへ相転移させた後、回収する方法で行う
ことができる。
【0024】前記再水和性を有する粉末活性アルミナの
平均粒子径は、特に制限されるものではないが、造粒の
容易さという観点から0.3〜200μmが好ましく、
1〜20μmがより好ましい。平均粒子径を所望の範囲
にするために、仮焼後の活性アルミナを粉砕してもよ
い。
【0025】前記酸処理と粒子成形を同一工程で行う方
法は、後述のように通常の造粒機を用いて行うことがで
きる。本発明においては、再水和性を有する粉末状の活
性アルミナが硫酸アルミニウム溶液により再水和して硬
化することを利用する。すなわち、粉末活性アルミナと
硫酸アルミニウム溶液との量比を、硫酸アルミニウム溶
液の蒸発乾涸を必要とせず、混練後そのまま造粒ができ
るような範囲とする。
【0026】所定重量比の再水和性を有する粉末活性ア
ルミナと硫酸アルミニウム溶液とを造粒機に仕込み、常
法で造粒して活性アルミナ粒子に成形する。造粒時に硫
酸アルミニウム溶液と再水和性を有する粉末活性アルミ
ナが均一に混合するように、造粒操作を行う。造粒機の
機種は特に制限を設けないが、球状の成形粒子を安価に
製造したい場合は皿型造粒機又は撹拌造粒機が好まし
い。
【0027】撹拌造粒機のように一挙に粒子形成が行わ
れるタイプの造粒機では、造粒機に仕込んだ硫酸アルミ
ニウム溶液と再水和性を有する粉末活性アルミナを低速
撹拌で数分間混錬して両者を均一に混合し、かつ粉末微
粒子に酸成分を被着させた後、撹拌速度を変化させて所
定径の粒子に一挙に造粒するという手法を用いるのが好
ましい。
【0028】皿型造粒機のように核の表面に順次成形層
を積み重ねて粒子を徐々に成長させるタイプの造粒機で
は、所定重量比の再水和性を有する粉末活性アルミナと
硫酸アルミニウム溶液とを造粒機に同時供給し、粉末活
性アルミナに酸成分を被着させる操作と造粒操作を同時
に行わせる。粉末と酸溶液の同時供給により核表面に形
成される成形層の酸成分濃度は、皿型造粒期間中のどの
時点でも同じとなり、方形の粒子内濃度分布を示す酸成
分被着活性アルミナ粒子が得られる。
【0029】粉末活性アルミナ単位重量当たりに被着す
る硫酸アルミニウム量は、得られる活性アルミナ粒子の
硫黄含有量が1. 9重量%以上となる量に設定する。
【0030】再水和性を有する粉末活性アルミナと硫酸
アルミニウム溶液との重量比は、造粒成形が容易に行え
る重量比の範囲を選ぶ必要がある。
【0031】造粒に適する前記重量比は、通常の場合、
粉末重量100部に対し硫酸アルミニウム溶液重量30
〜80部の範囲である。
【0032】造粒機に仕込む際の硫酸アルミニウム溶液
の濃度は、活性アルミナ粉末単位重量当たりに被着する
酸成分量の設定値と、造粒成形が容易に行える活性アル
ミナ粉末重量/硫酸アルミニウム溶液重量比の範囲から
計算で求める。
【0033】本発明においては、粉末活性アルミナは硫
酸アルミニウム溶液と再水和反応して硬化するので成形
用のバインダーを特に必要としない。粒子の強度を更に
高くしたい場合は、有機又は無機のバインダー又は無機
繊維体等を添加してもよい。
【0034】本発明における酸成分被着量の定量的制御
は、硫酸アルミニウム溶液量を粉末活性アルミナの吸水
率の範囲内に設定し、仕込んだ酸成分を全量被着させる
ことにより行う。蒸発乾涸操作を要する浸漬法と比較し
て、定量的制御が容易である。また、活性アルミナ粒子
のBET比表面積の低下という問題も生じない。
【0035】このようにして得られた活性アルミナ粒子
は、加熱乾燥をしない状態でも粒子は濡れておらず、外
観は乾燥品と同等である。
【0036】成形した粒子の耐圧強度を向上させる目的
で、加熱熟成工程を付加して再水和反応を完結させた
り、焼成工程を付加することもできる。
【0037】多孔質の成形粒子を得る目的で、粒度分布
の狭い粒の揃った再水和性を有する粉末活性アルミナを
原料として用いたり、成形時に気孔材を添加することも
できる。したがって、成形条件を最適化すれば浸漬法よ
り大きい細孔容積が得られる。
【0038】水中燐酸イオンを除去するに際しては、p
Hを調整した水と硫酸アルミニウムを被着した活性アル
ミナ粒子を接触させる。接触方法としては特に制限され
ないが、前記活性アルミナ粒子を固定床に充填し、この
固定床にpH5〜8に調整した燐酸イオンを含有する原
水を通水して接触させる方法が推奨される。
【0039】
【実施例】以下実施例により更に詳細に説明するが、本
発明はかかる実施例によりその範囲を制限されるもので
はない。
【0040】[実施例] (1)再水和性粉末活性アルミナの調製 バイヤー法により得られたNa2 O含有量0.16重量
%のギブサイト(アルミナ3水和物)を、約700℃の
熱ガス中に投入して瞬間仮焼した。その結果、灼熱減量
は5%、平均粒子径15μmの主としてχ及びρの結晶
形態よりなる再水和性粉末アルミナを得た。
【0041】(2)硫酸アルミニウム被着球状活性アル
ミナ粒子の調製 前記(1)で得た再水和性粉末活性アルミナを撹拌造粒
機(カワタ製スーパーミキサー20L−TO−75型)
に仕込み、前記粉末活性アルミナ1g当たり0.3mm
olに相当する硫酸アルミニウム溶液を添加した後、低
速撹拌(180rpm)を行って、粉末活性アルミナと
硫酸アルミニウム溶液を均一に混錬してから撹拌速度を
高速に変えて造粒し(360〜1050rpm)、球状
粒子に成形した。
【0042】次に、撹拌造粒機から球状粒子を取出し、
8mesh及び14meshの篩で篩別し、直径1〜2
mmの球状粒子を得た。次いで、前記球状粒子を105
℃で4時間加熱して再水和せしめ、平均粒子径1.8m
mの硫酸アルミニウム被着活性アルミナ粒子を得た。
【0043】得られた活性アルミナ粒子の物性を、表1
に示す。
【0044】BET比表面積(BET・Sw)は、直読
式比表面積測定装置(カンタクローム製モノソーブ)を
用い、窒素吸着法により測定した。
【0045】硫黄含有量は、後述の粒子内硫黄濃度分布
の結果から求めた。
【0046】細孔容積は、水銀圧入式細孔計(マイクロ
メトリックス製オートポア・III 9420)を用いて測
定した。
【0047】(3)粒子内硫黄濃度分布の測定 前記(2)で得られた活性アルミナ粒子の被着硫酸アル
ミニウムの粒子内濃度分布は、粒子内の硫黄元素の濃度
分布を測定することにより調べた。
【0048】すなわち、前記活性アルミナ粒子を樹脂に
埋め込み、1500番のサンドペーパーで乾式研磨して
粒子断面を露出させ、線分析用試料を作成した。波長分
散型電子線マイクロアナライザー(島津製EPM−81
0、PET分光結晶使用)の電子線を、加速電圧20K
V,吸収電流0.05μA、ビーム径100μmφの条
件で前記試料の粒子断面端部から中心部を経て他端部ま
で照射し、硫黄濃度の線分析を行った。
【0049】得られた結果を図1に示す。硫酸アルミニ
ウム被着活性アルミナ粒子の硫黄濃度分布は、粒子表面
から粒子中心部まで濃度の均一な方形型分布であった。
【0050】(4)燐酸イオン吸着速度の測定 回分式振とう実験による水中燐酸イオン吸着速度の測定
を行った。2L三角フラスコに、pH7に調整した燐濃
度0.50mg/lの燐酸水溶液1Lと前記(2)で得
られた硫酸アルミニウム被着活性アルミナ粒子(有姿
品)0.25gを入れ、25℃の恒温振とう器内で所定
時間(24〜246時間)振とうした。次いで、吸着処
理液を0.45μmメンブレンフィルターで濾過し、濾
液の燐濃度をJIS K 0102モリブデンブルー吸
光光度法により分析した。各吸着時間に対応する液中燐
濃度の値を表1に示す。
【0051】(5)平衡燐吸着量の測定 前記(2)で得られた硫酸アルミニウム被着活性アルミ
ナ粒子を粉砕し、80mesh(0.18mm)以下に
篩い、イオン交換水で白濁しなくなるまで洗浄して微粉
を除いた後、105℃で恒量化するまで乾燥して平衡燐
吸着用試料を調製した。300ml三角フラスコに、p
H7に調整した所定濃度の燐酸水溶液100mlと所定
量の試料(−80mesh試料)を入れ、25℃の恒温
振とう器内で168時間振とうして吸着平衡とした。吸
着終了液を0.45μmメンブレンフィルターで濾過
し、濾液の燐濃度をJIS K 0102モリブデンブ
ルー吸光光度法により分析して平衡吸着量を算出した。
【0052】平衡濃度と平衡吸着量のグラフを作成し、
平衡燐濃度1mg/lに対応する平衡吸着量をグラフよ
り求めた結果を表1に示す。
【0053】[比較例] (6)浸漬法による硫酸アルミニウム被着球状活性アル
ミナ粒子の調製 バイヤー法由来の市販球状活性アルミナ粒子(住友化学
工業株式会社製、KHD−12:平均粒子径は1.8m
m、Na2 O含有量は0.26%、、BET比表面積は
270m2 /g、細孔容積は0.37cm3 /g)に、
活性アルミナ1g当たりの硫酸アルミニウム被着量が
0.23mmolとなるように硫酸アルミニウム被着を
行い、M型分布の試料を調製した。
【0054】すなわち、KHD−12の粒子300gを
樹脂製網に入れ、pH2の硫酸2500gを張った酸浸
漬槽中に浸潰し、液を撹拌させながら2時間接触させた
後、槽から球状活性アルミナ粒子の入った樹脂製網を引
上げた。次いで、酸浸漬槽中の硫酸を排出し、濃度0.
14mol/lの硫酸アルミニウム溶液500mlに入
れ替えた。前記硫酸アルミニウム溶液の入った槽中に、
前記球状活性アルミナ粒子入りの樹脂製網を入れ、液を
撹拌させながら25℃で24時間接触させた後、槽から
樹脂製網を引上げて液切りした。球状活性アルミナ粒子
を乾燥機に入れ、110℃で約1日乾燥し、硫酸アルミ
ニウム被着球状活性アルミナ粒子337gを得た。
【0055】前記浸漬法による硫酸アルミニウム被着活
性アルミナ粒子の物性を表1に示す。各測定値は、実施
例と同様に測定した値である。
【0056】粒子内の硫黄濃度分布を実施例と同様の方
法で測定し、結果を図1に示す。粒子内硫黄濃度分布
は、粒子表面が高く粒子中心部が低いM形分布であっ
た。
【0057】また、実施例と同様の方法で燐酸イオン吸
着速度と平衡燐吸着量を測定した結果を表1に示す。
【0058】
【表1】 表1より、実施例で得られた硫酸アルミニウム被着球状
活性アルミナ粒子(実施例品)は、硫黄含有量が仕込み
硫黄量にほぼ等しい0.29mmolの硫酸アルミニウ
ムに該当する値(2.9%)を示した。一方、比較例で
得られた硫酸アルミニウム被着球状活性アルミナ粒子
(比較例品)は、実施例品よりも硫酸アルミニウムの被
着量が23%少なかった。また、実施例品は、BET比
表面積や細孔容積も比較例品より大きい値を示した。燐
酸イオンの吸着速度については、実施例品は比較例品よ
りも大きい吸着速度を示し、平衡吸着量については同等
以上であった。
【0059】実施例品を用いる本発明の水中燐酸イオン
の除去方法は、比較例品を用いる従来法よりも燐酸イオ
ンに対する吸着速度が速く且つ平衡吸着量も同等以上で
あるので、水中の燐を効率的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】硫酸アルミニウム被着活性アルミナ粒子断面の
硫黄濃度分布を示すグラフ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸着材を用いて水中の燐酸イオンを除去
    する方法において、前記吸着材は硫酸アルミニウムを粒
    子の表面から内部に至るまで均一な濃度分布となるよう
    に被着させた活性アルミナ粒子であり、前記吸着材をp
    H5〜8に調整した水と接触させることを特徴とする水
    中の燐酸イオンの除去方法。
  2. 【請求項2】 前記活性アルミナが硫黄含有量1.9重
    量%以上である請求項1に記載の除去方法。
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