JP2002262318A - 光スイッチ - Google Patents

光スイッチ

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JP2002262318A JP2001060184A JP2001060184A JP2002262318A JP 2002262318 A JP2002262318 A JP 2002262318A JP 2001060184 A JP2001060184 A JP 2001060184A JP 2001060184 A JP2001060184 A JP 2001060184A JP 2002262318 A JP2002262318 A JP 2002262318A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数の入力ポート3及び複数の出力ポート4を備
え、該入力ポート3及び該出力ポート4間のパス設定を行
う光スイッチ20に関し、パス設定時又はパス切替時に発
生するクロストークを無くす。 【解決手段】遮断手段が、パス切替期間中、光スイッチ
20に入力する光信号を遮断状態にする。又は、光スイッ
チの制御部40が、パス切替期間中、可動ミラーで偏向さ
れた光信号が、新たなパス設定を行う出力ポート4以外
の全ての出力ポート4から出力されないように、例え
ば、パス切替期間中、入力側可動ミラー24で反射された
光信号が、新たなパス設定に必要な出力側可動ミラー25
以外の出力側可動ミラー25に入射しないように該入力側
可動ミラー24を制御する。又は、光スイッチ20の出力側
可動ミラー25を、複数のエリア29に分けて配置すると共
に、各エリア29内において、2つの出力側可動ミラー25
間を、他の出力側可動ミラー25を光信号が横切らずにパ
ス切替できるように配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光スイッチに関し、
特に複数の入力ポート及び複数の出力ポートを備え、該
入力ポート及び該出力ポート間のパス設定を行う光スイ
ッチに関するものである。
【0002】近年、トラヒックの増大に伴い、ネットワ
ークの大容量化が要求されている。そこで基幹ネットワ
ークでは、波長多重(WDM:Wavelength Division Multipl
exing)技術をベースとした光ネットワークの構築が必要
とされている。WDM技術は、1本の光伝送路で波長の異
なる複数の光信号を送信することにより、ポイント・ツ
ー・ポイントの伝送容量を増大する技術である。また、
このWDM技術の応用例として、特定の波長の情報を分岐/
挿入する分岐/挿入装置(add-drop multiplexer)や、光
の波長単位で伝送路を切り替える光クロスコネクト(cro
ss connect)等の光スイッチ装置がある。
【0003】このような光スイッチ装置においては、光
信号を波長単位でパス切替えする光スイッチが重要であ
る。
【0004】
【従来の技術】図13は、一般的な光スイッチ(ルーティ
ング部)20を含む光スイッチ装置(光クロスコネクト)
100の構成例(1)を示している。光スイッチ装置100は、
複数の入力側光伝送路1_1〜1_m(以後、符号1で総称す
ることがある。)及び出力側光伝送路2_1〜2_m(以後、
符号2で総称することがある。)を収容し、入力側光伝
送路1から入って来る波長多重光信号を、波長毎に所望
の出力側光伝送路2にルーティングするものである。ま
た、同図に示されたオペレーションシステム41は、光ス
イッチ装置100を監視・制御して、パスの設定、切替な
どを行う。
【0005】この光スイッチ装置100は、それぞれ、入
力側光伝送路1_1〜1_mから入って来る波長多重光信号
(波長:λ1,λ2,…,λn)を分波する分波部10_1〜1
0_m(以後、符号10で総称することがある。)、入力ポ
ートから入力した光信号を所望の出力ポートにルーティ
ングする光スイッチ(ルーティング部)20、入力される
光信号の波長を所望の波長に変換する波長変換部31_11
〜31_1n,〜,31_m1〜31_mn(以後、符号31で総称する
ことがある。)、及び波長変換された光信号を再び合波
する合波部30_1〜30_m(以後、符号30で総称することが
ある。)で構成されている。
【0006】波長変換部31の一例としては、光半導体ア
ンプ(SOA:Semiconductor Optical Amplifier)を利用し
て光のまま変換する方式、光電気変換器と電気光変換器
を用いて変換する方式等がある。また分波部10や合波部
30としては、アレイ導波路回折格子(AWG:Arrayed Waveg
uide Grating)や誘電体多層膜などを用いた素子で構成
できる。
【0007】図14は、光スイッチを含む光スイッチ装置
(光クロスコネクト)100の構成例(2)を示している。こ
の構成例(2)では、図13に示した光スイッチ装置100の光
スイッチ20の前段に光再生部11_11〜11_1n,〜,11_m1
〜11_mnが挿入され、後段の波長変換部31の代わりに波
長変換部を兼ねた光再生部32_11〜32_1n,〜,32_m1〜3
2_mnが配置されている。
【0008】このように、光再生部11_11〜11_1n,〜,
11_m1〜11_mnが設けられているのは、一般に、光クロス
コネクト100は、長距離ネットワークに配備されること
が多く、光クロスコネクト100に入力される光信号波形
は、光アンプによる増幅だけでは元の品質の信号に再生
できない程度まで劣化していることがあるためである。
【0009】また、図13及び図14に示した光スイッチ20
としては、例えば、熱光学効果を利用した導波路型スイ
ッチやモータを利用したメカニカル型スイッチ等があ
る。図15は、導波路型スイッチであるマッハツェンダー
(Mach-Zehnder)干渉型のスイッチエレメント21_1〜21_1
6(以後、符号21で総称することがある。)を用いた光
スイッチ20の構成例を示している。
【0010】光スイッチエレメント21は、入力端子5_
1,5_2及び出力端子6_1,6_2を有する2入力2出力型の
スイッチであり、オン状態で、それぞれ、入力端子5_1
及び出力端子6_1、並びに入力端子5_2及び出力端子6_2
が接続され、オフ状態で、それぞれ、入力端子5_1及び
出力端子6_2、並びに入力端子5_2及び出力端子6_1が接
続される。
【0011】同図(1)の光スイッチ20と同図(2)の光スイ
ッチ20とは、光スイッチエレメント21の接続方式が異な
っているが、共に、入力ポート3_1〜3_4と出力ポート4_
1〜4_4を1:1で接続する4入力4出力光スイッチ20を
構成している。例えば、入力ポート3_1と出力ポート4_2
との間でパスを設定する場合、同図(1)の光スイッチ20
は、光スイッチエレメント21_4,21_3,21_6,21_10,2
1_14をオフに設定し、光スイッチエレメント21_2のみを
オンに設定する。この光スイッチ20においては、パスが
通過する光スイッチエレメント数は同一ではない。
【0012】一方、同図(2)の光スイッチ20は、光スイ
ッチエレメント21_1,21_6,21_14をオフに設定し、光
スイッチエレメント21_11のみをオンに設定する。この
光スイッチ20は、PI-LOSS構成と呼ばれるものであり、
各パスが通過する光スイッチエレメント21の数が共に4
つであり、原理的には各パスの光損失が等しい。
【0013】これらの光スイッチ20には、次のような問
題がある。 (1)光スイッチ20には、漏洩クロストークが発生し、こ
の漏洩クロストーク信号が光信号に悪影響を及ぼす。 (2)光スイッチ20が必要とする光スイッチエレメント数
が入出力ポート数の2乗に比例して増加し、挿入損失も
増えるため大規模化が難しい。
【0014】まず、問題(1)について説明する。図16
は、上述した4入力4出力の光スイッチ20において発生
する漏洩クロストークを説明したものである。入力ポー
ト3_1と出力ポート4_2との間にパスが設定され、このパ
スに光信号Sが送信された場合、光信号Sは、出力ポート
4_1,4_3,4_4にも同時に漏れてクロストークC1,C2,C
3が発生する。
【0015】これらのクロストークC1〜C3は、他のパス
の光信号に起因するクロストークも出力ポート4_1〜4_4
に発生する。これら全てのクロストークを各出力ポート
毎に重畳したものが各出力ポートのクロストークとな
る。この問題(1)の解決策として特開平11-41636号公報
に記載のクロストークシャットダウン装置では、入力ポ
ート及び出力ポートの双方又はいずれか一方に、入力ポ
ート及び出力ポートを伝搬するクロストーク及び光信号
の内の漏洩クロストークを検出して遮断し以て光信号の
みを通過させるように構成している。
【0016】次に、問題(2)について説明する。この問
題(2)の解決策として、図17に示すような2N(同図にお
いてN=16)個の可動ミラーを用いたN入力×N出力光スイ
ッチ20が提案されている。この光スイッチ20では入出力
ポート数に比例してミラー数が増加する。従って、図15
に示した光スイッチ20と比較して、ミラー数(スイッチ
エレメント数)は増加せず、挿入損失も増えないため大
規模化に適していると考えられる。
【0017】この可動ミラー型の光スイッチ20は、入力
光ファイバ22_1〜22_16(以後、符号22で総称すること
がある。)、各入力光ファイバ22に対応した入力側可動
ミラー24_1〜24_16(以後、符号24で総称することがあ
る。)、出力光ファイバ27_1〜27_16(以後、符号27で
総称することがある。)、及び各出力光ファイバ27に対
応した出力側可動ミラー25_1〜25_16(以後、符号25で
総称することがある。)で構成されている。
【0018】例えば、入力光ファイバ22_3から入力され
た光信号は、可動ミラー24_3及び可動ミラー25_14で偏
向(反射)されて出力光ファイバ27_14に送信される。
光スイッチ20は、各入力光ファイバ22と各出力光ファイ
バ27との間に任意にパスを設定するために、可動ミラー
24及び可動ミラー25の角度を制御する制御部(図示せ
ず)を備えている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】このような光スイッチ
20においては、図16で説明した漏洩クロストークは、他
のパスからの漏れ光の積算値となるが、通常時は所望の
可動ミラーの向きをフィードバック制御すれば無視でき
る。
【0020】しかしながら、例えば、パス設定時、又は
伝送路障害発生時等に、入力光ファイバ22_3からの光信
号を出力光ファイバ27_14から出力光ファイバ27_1に切
り替えるとき、切替中に光信号が他のパスが使用してい
る出力側可動ミラー25を通過する場合があり、このとき
クロストーク(切替時クロストーク)が発生し信号品質
に悪影響を与えてしまう。
【0021】図18は、このとき発生する切替時クロスト
ークの状態を示している。光スイッチ20には、入力光フ
ァイバ22_1と出力光ファイバ27_kとの間にパスP1が設定
され、入力光ファイバ22_16と出力光ファイバ27_16との
間にパスP2が設定されている。
【0022】パスP2を、例えば、入力光ファイバ22_16
と出力光ファイバ27_1と間のパスP3に切り替えるとき、
この切替中に光ファイバ27_kにクロストークCが発生
し、パスP1の光信号の品質に悪影響を与える。特にパス
P1の波長とパスP2の波長が共に例えば等しい波長λnの
場合、出力光ファイバ27_kに発生するクロストークCが
光信号の品質に与える悪影響は大きい。
【0023】さらに、光スイッチ20が、光クロスコネク
トである場合、伝送路波長数分のパスが同時に切替動作
(又は設定動作)を行う可能性があり、クロストークC
が発生する可能性が増大する。図19は、入力側可動ミラ
ー24に隣接する入力側可動ミラー24からのクロストーク
が最も大きくなることを示している。
【0024】同図(1)において、入力光ファイバ22_1と
出力光ファイバ27_1との間に可動ミラー24_1及び可動ミ
ラー25_1を経由したパスP1が設定され、入力光ファイバ
22_2と出力光ファイバ27_2との間に可動ミラー24_2及び
可動ミラー25_2を経由したパスP2が設定されている。
【0025】同図(2)において、パスP1を、入力光ファ
イバ22_1と出力光ファイバ27_3との間のパスP3(同図
(3)参照)に切り替える場合、切替中に入力光ファイバ2
2_1からの光信号は、出力側可動ミラー25_2で偏向され
出力光ファイバ27_2にクロストーク光として出力され
る。
【0026】このクロストーク光は、入力側可動ミラー
24_2に隣接する入力側可動ミラー24_1(又は24_3)から
偏向された光信号のクロストークが最も大きくなる。こ
れは、信号光とクロストーク光の角度差が最小になるた
めである。このような切替時(又は設定時)に発生した
クロストークが、出力光ファイバ(出力ポート)側の光
信号に発生した場合、上述したクロストークシャットダ
ウン装置は、該クロストークを遮断できない。
【0027】従って本発明は、複数の入力ポート及び複
数の出力ポートを備え、該入力ポート及び該出力ポート
間のパス設定を行う光スイッチにおいて、パス設定時又
はパス切替時に発生するクロストークを低減することを
課題とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1に係る本発明の光スイッチは、複数の入力
ポート及び複数の出力ポートを備え、パス切替期間中
に、該入力ポートの前段で光信号を遮断する遮断手段を
付加したことを特徴としている。
【0029】すなわち、光スイッチは、例えば、パス設
定、パス切替、故障時の接続切替等の場合、各入力ポー
トから入力された光信号を該出力ポートのいずれかに出
力するようにパス切替を行う。遮断手段は、パス切替開
始から終了までのパス切替期間中に光スイッチに入力さ
れる光信号を遮断する。これにより、パス切替期間に
は、光スイッチ内で該光信号に起因するクロストークは
発生しないことになる。
【0030】遮断手段として、光スイッチと光信号の光
源との間に設けられた光スイッチエレメントを用いるこ
とが可能である(付記2)。また、遮断手段として、光
スイッチと光信号の光源との間に設けられた光アンプを
用いて、例えば、この光アンプの利得を、パス切替期間
に低下させることによって光信号を遮断することも可能
である(付記3)。
【0031】また、遮断手段として、該光信号の光源を
オン/オフする制御部を用いて、光源をオフにすること
により、光信号は無出力とし、遮断された状態にするこ
とも可能である(付記4)。また、遮断手段として、該
光信号を光変調する光変調器を用いて、例えば、変調用
ドライバをオフにすることにより、出力される該光信号
を遮断状態にしてもよい(付記5)。
【0032】また、遮断手段として、入力ポート側に配
置されたコリメータの焦点をずらすコリメータ制御部を
用いて、該光スイッチに入力される光信号の焦点が合わ
なくして、光信号は散乱し、遮断状態と同じ程度にする
こともできる(付記6)。なお、該光スイッチは、可動
ミラーにより該パス切替を行う可動ミラー型光スイッチ
であってもよい。
【0033】さらに、請求項2に係る本発明は、複数の
入力ポート及び複数の出力ポートと、該入力ポート及び
該出力ポート間の各パスを設定するための可動ミラーと
を備え、パス切替期間中、該可動ミラーで偏向された光
信号が、新たなパス設定を行う出力ポート以外の全ての
出力ポートに出力されないように該可動ミラーを制御す
る制御部を付加したことを特徴としている。
【0034】また、請求項3に係る本発明は、上記の本
発明において、該制御部は、パス切替期間中、第1の可
動ミラーで反射された光信号が、新たなパス設定に必要
な第2の可動ミラー以外の可動ミラーに入射しないよう
に該第1の可動ミラーを制御することが可能である。
【0035】すなわち、光スイッチは、入力ポートから
入力した光信号を、順次、第1の可動ミラー及び第2の
可動ミラーで反射させて所定の出力ポートに出力する。
そこで、制御部は、パス切替期間中、第1の可動ミラー
で反射された光信号を新たなパス設定に必要な第2の可
動ミラー以外の可動ミラーに入射しないように制御す
る。
【0036】これにより、光信号は、パス切替期間中、
新たにパスを設定する所定の出力ポート以外の出力ポー
トから出力されないことになり、クロストークは発生し
ない。また、上記の本発明において、該第2の可動ミラ
ー以外の可動ミラーに該光信号が入射しない経路上に配
置された受光素子を備え、該制御部は、パス切替期間
中、該受光素子が受光した該光信号に基づき該光信号が
該第2の可動ミラー以外の可動ミラーに入射しないよう
に制御してもよい。
【0037】これによれば、制御部は、第1の可動ミラ
ーの角度制御をより高精度に行うことが可能になる(付
記10)。また、請求項4に係る本発明は、複数の入力
ポート及び複数の出力ポートと、該入力ポート及び該出
力ポート間のパス設定をするために、各入力ポートから
の光信号をそれぞれ受光する入力側可動ミラーと、該入
力側可動ミラーを経由した該光信号を該出力ポートに送
る出力側可動ミラーとを備え、各入力側可動ミラーに入
射される光信号の波長が、隣接する該入力側可動ミラー
に入射される光信号の波長と異なるようにすることが可
能である。
【0038】図19で、述べたように、隣接する入力ファ
イバからのクロストークが最大になる。特に、同一波長
で位相が一致するとコヒーレントクロストークとなり光
信号に多大な影響を与える。本発明によれば、コヒーレ
ントクロストークを避けることができる。
【0039】また、上記の本発明において、該入力側可
動ミラーに入射される光信号の波長が、さらに、該隣接
する入力側可動ミラーに隣接する入力側可動ミラーに入
射される光信号の波長が異なるようにすることも可能で
ある。これにより、隣接パス及びこれに隣接するパスか
らのコヒーレントクロストークを避けることができる
(付記12)。
【0040】請求項5に係る本発明は、複数の入力ポー
ト及び複数の出力ポートと、該入力ポート及び該出力ポ
ート間のパス設定をするために、各入力ポートからの光
信号を受光する入力側可動ミラーと、該入力側可動ミラ
ーからの該光信号を各出力ポートにそれぞれ出力する出
力側可動ミラーとを備え、該出力側可動ミラーを複数の
エリアに分けて配置し、さらに、各エリア内において、
2つの出力側可動ミラー間を、他の出力側可動ミラーを
該光信号が横切らずにパス切替できるように配置するこ
とが可能である。
【0041】すなわち、各出力側可動ミラーは、入力ポ
ート側からの光信号をそれぞれ出力ポートに出力する。
そして、各出力側可動ミラーは、複数のエリアに分けて
配置され、各エリアに属する任意の2つの出力側可動ミ
ラー間は、該光信号が他の出力側可動ミラーを横切らず
にパス切替えるように配置されている。
【0042】これによれば、同一エリア内の出力側可動
ミラーに変更するようなパス切替を行う場合、光信号が
他の出力側可動ミラーを横切らないようパス切替を行う
ことが可能になり、クロストークが発生しない。また、
上記の本発明において、さらに、該出力ポートに対応し
ていない出力側可動ミラーを含んでもよい。
【0043】例えば、N×Nに配置された既存の出力側可
動ミラーを用いる場合、各エリアに属する任意の2つの
出力側可動ミラー間は、他の出力側可動ミラーを横切ら
ずに移動することができない場合ある。そこで、或る出
力側可動ミラーを横切ることによって、任意の2つの出
力側可動ミラー間を移動することができる場合、その出
力側可動ミラーを出力ポートに対応させずに使用しな
い。これにより、既存のN×N配置の出力側可動ミラーを
用いることが可能になる(付記14)。
【0044】
【発明の実施の形態】実施例(1) 図1は、本発明の光スイッチ20の実施例(1)を示してい
る。同図(1)に示すように実施例(1)では、光スイッチエ
レメント13_1〜13_64(以後、符号13で総称することが
ある。)が、それぞれ、光スイッチ20の前段、すなわ
ち、光スイッチ20と光源を含む光送信部12_1〜12_64と
の間に挿入され、制御部40が、光スイッチエレメント1
3、及び光スイッチ20を制御している。
【0045】光スイッチエレメント13及び制御部40の内
の光スイッチエレメント13を制御する部分が光信号を遮
断する遮断手段を構成している。従来の技術では光スイ
ッチ20に光信号を挿入したままパス切替を行っていたた
め、他のパスへのクロストークが問題になった。そこで
パスの切替中は、光スイッチ20への光信号を光スイッチ
エレメント13で遮断することによってクロストークを削
減する。
【0046】以下に、同図(1)に示すように、入力ポー
ト3_64と出力ポート4_64との間に設定されているパスP2
を、入力ポート3_64と出力ポート4_1との間のパスP3に
切り替える動作手順を同図(2)に基づき説明する。ステップS10,S11 :制御部40は、オペレーションシステ
ム41(図13参照)よりパス切替要求信号80を受信したと
き、制御信号82で光スイッチエレメント13_64をオフ状
態にして通過する光信号を遮断する。
【0047】ステップS12:その後、制御部40は、切替
制御信号81で光スイッチ20に対して、入力ポート3_64と
出力ポート4_64との間に設定されたパスを入力ポート3_
64と出力ポート4_1との間のパスに切り替えるように要
求する。光スイッチ20は、入力ポート3_64からの光信号
が、例えば、入力側可動ミラー24_64及び出力側可動ミ
ラー25_1(共に図示せず)を経由して出力ポート4_1に
送信されるように入力側可動ミラー24_64及び出力側可
動ミラー25_1の向きを制御する。
【0048】ステップS13:制御部40は、可動ミラーの
動作が完了するために必要な所定の時間経過後、制御信
号82で光スイッチエレメント13_64をオン状態にして光
信号を通過させ、パス切替を完了する。これによれば、
各可動ミラーを所望の方向に向くように動かしていると
きに入力光信号を遮断し、各可動ミラーが所望の方向に
向いた後に光信号を入力することで、パス切替中のクロ
ストークを無くすことができる。
【0049】実施例(2) 図2は、本発明の光スイッチ20の実施例(2)を示してお
り、同図(1)に示すようにこの実施例(2)では、光アンプ
14_1〜14_64(以後、符号14で総称することがある。)
が、それぞれ、光スイッチ20と光源を含む光送信部12_1
〜12_64との間に挿入され、この光アンプ14と制御部40
で遮断手段を構成している。
【0050】同図(2)は、光アンプ14の構成例を示して
いる。この光アンプ14は、光信号を増幅する増幅媒体5
2、この増幅媒体52の入力側及び出力側の光信号をそれ
ぞれ検出するホトダイオード(PD)51,53、増幅媒体52
を駆動するドライバ54、PD51及びPD53からの信号及び制
御信号83に基づきドライバ54を制御するコントローラ55
で構成されている。
【0051】以下に、実施例(1)と同様に、入力ポート3
_64からの光信号を出力ポート4_64から出力ポート4_1に
切り替える場合の動作手順を同図(2)及び同図(3)のシー
ケンス図を参照して説明する。ステップS20,S21(同図(3)) :制御部40は、オペレー
ションシステム41よりパス切替要求信号80を受信したと
き、光アンプ励起オン/オフ制御信号83で光アンプ14_64
に対して、光信号を遮断するように要求する。
【0052】同図(2)において、光アンプ14_64のコント
ローラ55は、制御信号83aでドライバ54をオフ状態にし
て増幅媒体52の利得を実質的にゼロにし、光信号を遮断
する。ステップS22 :実施例(1)のステップS12と同様に、制御
部40が、切替制御信号81でパス切替を要求し、光スイッ
チ20は、パス切替制御を行う。
【0053】ステップS23:制御部40は、所定の時間経
過後、光アンプ励起オン/オフ制御信号83で光アンプ14_
64に対して光信号を増幅するように要求する。光アンプ
14_64のコントローラ55は、制御信号83aでドライバ54を
オン状態にして増幅媒体52の利得を元に戻し光信号を通
過させる。
【0054】これにより、パス切替中のクロストークを
抑圧することができる。なお、光アンプ14の利得は上記
のように必ずしもゼロにする必要はなく、光アンプ14か
ら出力された光信号が他のパスに対してクロストークに
なった場合においても、該他のパスの光信号の品質に影
響を与えないレベルまで光アンプ14の利得を下げればよ
い。
【0055】実施例(3) 図3は、本発明の光スイッチ20の実施例(3)を示してお
り、同図(1)に示すように、光源を含む光送信部12_1〜1
2_64(以後、符号12で総称することがある。)は、それ
ぞれ、光スイッチ20に接続されている。実施例(3)で
は、光送信部12の光源を制御する制御部40と光送信部12
とで遮断手段を構成している。
【0056】同図(2)に示すように光送信部12は、光源
であるレーザダイオード(LD:Laser Diode)61、そのドラ
イバ64、LD61からの光を変調する変調器(MOD)62、その
ドライバ65、及び制御信号84に基づきドライバ64,65を
制御するコントローラ66で構成されている。
【0057】以下に、実施例(1)と同様に、入力ポート3
_64からの光信号を出力ポート4_64から出力ポート4_1に
切り替える場合の動作手順を同図(3)に基づいて説明す
る。ステップS30,S31 :制御部40は、オペレーションシステ
ム41よりパス切替要求信号80を受信したとき、LDオン/
オフ制御信号84で光送信部12_64に対して、LD61をオフ
状態にするように要求する。
【0058】光送信部12_64のコントローラ66は、制御
信号84aでドライバ64をオフ状態にしてLD61の発光を停
止させる。これにより、光送信部12から出力される光信
号は遮断されたことになる。ステップS32 :実施例(1)のステップS12と同様に、制御
部40が、切替制御信号81でパス切替を要求し、光スイッ
チ20は、パス切替制御を行う。
【0059】ステップS33:制御部40は、所定の時間経
過後、LDオン/オフ制御信号84で光送信部12_64に対して
LD61をオン状態にするように要求する。コントローラ66
は、制御信号84aでドライバ64をオン状態にすることでL
D61の発光を開始させる。これにより、光送信部12から
光信号が出力されることになる。
【0060】なお、本実施例(3)は、LD61自身の駆動電
流に変調をかける直接変調方式の光送信部にも適用する
ことが可能である。実施例(4) 図4は、本発明の光スイッチ20の実施例(4)を示してい
る。この実施例(4)では、実施例(3)と異なり光送信部12
のLD61の代わりにMOD62を制御対象とする。同図(1)、
(2)、(3)の基本的な構成は、それぞれ、図3(1)、(2)、
(3)と同様である。
【0061】以下に、実施例(3)と同様に、入力ポート3
_64からの光信号を出力ポート4_64から出力ポート4_1に
切り替える場合の動作手順を同図(3)に基づいて説明す
る。ステップS40,S41 :制御部40は、オペレーションシステ
ム41よりパス切替要求信号80を受信したとき、MODオン/
オフ制御信号85で光送信部12_64に対してMOD62の変調動
作をオフ状態にするように要求する。
【0062】光送信部12_64のコントローラ66は、制御
信号85aでドライバ65をオフ状態にしてMOD62の変調動作
を停止させ、出力光信号のレベルをゼロの状態にする。
これにより、光送信部12から出力される光信号は遮断さ
れたことになる。ステップS42 :実施例(3)のステップS32と同様に、制御
部40が、切替制御信号81でパス切替を要求し、光スイッ
チ20は、パス切替制御を行う。
【0063】ステップS43:制御部40は、所定の時間経
過後、MODオン/オフ制御信号85で光送信部12_64に対し
てMOD62をオン状態にするように要求する。コントロー
ラ66は、制御信号85aでドライバ65をオン状態にするこ
とでMOD62の変調動作を再開する。これにより、光送信
部12から光信号が出力されることになる。
【0064】本実施例(4)は、変調器で光に変調をかけ
る外部変調方式の場合に適用される。なお、実施例(2)
の光アンプ14の場合と同様に、光送信部12から出力され
た光信号が他のパスに対してクロストークになった場合
においても、該他のパスの光信号の品質に影響を与えな
いレベルまでコントローラ66によって光信号のレベルを
下げればよい。
【0065】実施例(5) 図5は、本発明の光スイッチ20の実施例(5)を示してい
る。実施例(1)〜(4)の図1(1)〜4(1)では便宜的に図示
しなかったが、同図(1)に示した光スイッチ20の入力ポ
ート及び出力ポートには、それぞれ、コリメータ23_1〜
23_64、及びコリメータ26_1〜26_64が配置されている。
【0066】本実施例(5)では、制御部40に含まれるコ
リメータ制御部(=遮断手段、図示せず)が、これらの
コリメータの位置を制御して焦点をずらし、光スイッチ
20内における光信号を散乱させ、実質的に光信号を遮断
する。以下に、実施例(1)と同様に、入力ポート3_64か
らの光信号を出力ポート4_64から出力ポート4_1に切り
替える場合の動作手順を同図(2)、(3)に基づいて説明す
る。
【0067】ステップS50,S51:制御部40は、オペレー
ションシステム41よりパス切替要求信号80を受信したと
き、制御信号86で光送信部12_64に対応するコリメータ2
3_64の位置を静電アクチュエータ等(図示せず)によっ
て所定の位置からずらして光を散乱させ(同図(2)参
照)、実質的に光送信部12_64からの光信号を遮断状態
にする。
【0068】ステップS52:実施例(1)のステップS12と
同様に、制御部40は切替制御信号81でパス切替を要求
し、光スイッチ20はパス切替制御を行う。ステップS53 :制御部40は、所定の時間経過後、制御信
号86でコリメータ23_64の位置を元に戻し、パス切替を
完了する。
【0069】実施例(6) 図6は、本発明の光スイッチ20の実施例(6)を示してい
る。この実施例(6)では、パス切替中にその光信号を遮
断せずに、光信号を出力側可動ミラーに照射しないよう
にスキャンする。
【0070】同図(1)に示すように本発明の光スイッチ
を含む光スイッチ装置100の構成は従来の光スイッチ装
置100と同様であるが、制御部40は、パス切替中、制御
信号81で入力側可動ミラー24(図17参照)に反射した光
信号を出力側可動ミラー25に照射しないように制御す
る。
【0071】以下に、実施例(1)と同様に、入力ポート3
_64からの光信号を出力ポート4_64から出力ポート4_1に
切り替える場合の動作手順を同図(2)に基づいて説明す
る。まず、パス切替前、光送信部12_64からの光信号
は、入力側可動ミラー24_64を経由して出力側可動ミラ
ー25_64に偏向(反射)している。
【0072】制御部40は、オペレーションシステム41よ
りパス切替要求信号80を受信したとき、偏向先を出力側
可動ミラー25_64から出力側可動ミラーの隙間(同図(2)
の太線の矢印)を移動し、最終的に出力側可動ミラー25
_1に偏向させてパス切替を完了する。
【0073】これにより、パス切替中、入力側可動ミラ
ー24_64で偏向された光信号は、出力側可動ミラーに偏
向されることが無くなり、パス設定時又はパス切替時に
発生するクロストークを無くすことができる。実施例(7) 図7は、本発明の光スイッチ20の実施例(7)を示してい
る。この実施例(7)は、実施例(6)と同様に、パス切替中
にその光信号を遮断せずに、光信号を出力側可動ミラー
に照射しないようにスキャンする。
【0074】本実施例(7)が、実施例(6)と異なる点は、
同図(2)に示すよう受光素子(PD)28_1〜28_49が出力側可
動ミラー25_1〜25_64間に配置され、PD28_1〜28_49が受
信した光パワー量が、PDモニタ光量信号87で制御部40に
与えられていることである。以下に、実施例(6)と同様
に、入力ポート3_64からの光信号を出力ポート4_64から
出力ポート4_1に切り替える場合の動作手順を同図(2)に
基づき説明する。
【0075】まず、切替前、光送信部12_64からの光信
号は、入力側可動ミラー24_64で出力側可動ミラー25_64
に偏向している。制御部40は、オペレーションシステム
41よりパス切替要求信号80を受信したとき、偏向先を出
力側可動ミラー25_64から出力側可動ミラーの隙間(同
図(2)の太線の矢印)を移動し、最終的に出力側可動ミ
ラー25_1に偏向させてパス切替を完了する。
【0076】パス切替中、制御部40は、PD28_1〜28_49
による光信号をモニタして出力側可動ミラー25の隙間か
らずれないようにフィードバック制御する。実施例(8) 図8は、本発明の光スイッチ20の実施例(8)を示してい
る。この実施例(7)は、隣接パスからのコヒーレントク
ロストークを抑圧する例である。
【0077】図19の説明で述べたように、クロストーク
は、ミラーが隣接したパスから受ける場合に最大とな
る。また、特に同一波長で位相も一致するとコヒーレン
トクロストークとなり、信号に多大な影響を与えるた
め、これを避けることが重要である。
【0078】図14に示した光再生を行う光クロスコネク
トにおいて、ルーティング部20に含まれる各入力側可動
ミラー24(図示せず)は、光再生部11_11〜11_mnにそれ
ぞれ含まれる光源光送信部12(図示せず)と1:1に対
応している。そこで、図8(1)に示すように、例えば、入
力側可動ミラー24_1及びこれに隣接する入力側可動ミラ
ー24_2にそれぞれ対応する光送信部12_1及び光送信部12
_2の波長を異なる波長λ1,λ2に設定する。
【0079】同図(2)は、64入力×64出力光スイッチ20
における光送信部12に設定された波長例を示す。光送信
部12_1,12_2,12_3,…,12_64には、それぞれ、波長
λ1,λ2,λ3,…,λ2がそれぞれ設定されている。同
図(2)によれば、波長λ1の光送信部12に隣接する光送信
部12の波長は、λ2,λ3,λ4のみであり、波長λ1が隣
接することはない。
【0080】波長λ2,λ3,λ4に設定された光送信部1
2も、波長λ1の光送信部12と同様の配置パターンである
ので隣接することはない。従って、最低4種類の波長の
異なる光源が必要となる。これにより、隣接パスからの
コヒーレントクロストークを避けることができる。
【0081】実施例(9) 図9は、本発明の光スイッチ20の実施例(9)を示してい
る。この実施例(9)は、隣接パスに加えて、この隣接パ
スにさらに隣接するパスからのコヒーレントクロストー
クを抑圧する例である。
【0082】同図(1)では、例えば、光送信部12_1に隣
接する光送信部12_2の波長λ2、及び光送信部12_2に隣
接する光送信部12_3の波長λ3は、光送信部12_1の波長
λ1と異なるように設定されている。同図(2)は、64入力
×64出力光スイッチ20に対応する光送信部12_1〜12_64
に設定された波長例を示す。光送信部12_1,12_2,12_
3,…,12_64には、それぞれ、波長λ1,λ2,λ3,
…,λ64がそれぞれ設定されている。
【0083】同図(2)によれば、波長λ1の光送信部12に
隣接する光送信部12の波長、及びこの光送信部12に隣接
する光送信部12の波長は、λ2〜λ9のみであり、波長λ
1は無い。波長λ2〜λ9に設定された光送信部12も、波
長λ1の光送信部12と同様の配置パターンであるので隣
接する同じ波長の光送信部12及びこの光送信部12に隣接
する同じ波長の光送信部12は無い。
【0084】従って、最低9種類の波長の異なる光源が
必要となる。これにより、隣接パス及びこれにさらに隣
接するパスからのコヒーレントクロストークを避けるこ
とができる。上記の各実施例の場合には、パス切替に係
る2つの出力側可動ミラー間の距離を特に考慮していな
い。例えば図7の実施例(7)の場合には、可動ミラー25_6
4と可動ミラー24_1との間には多くの可動ミラーが介在
し、切替時クロストークの可能性を増大させる。
【0085】そこで、このような場合を更に考慮して、
切替時クロストークを減少させることが可能な光スイッ
チ20を含む光スイッチ装置のパス切替例を図10で説明す
る。同図は、図13で示した光スイッチ装置100におい
て、出力側光伝送路2_3に障害が発生した場合の一般的
なパス切替例を示している。
【0086】図10(1)は、障害発生前のパス設定状態を
示しており、入力側光伝送路1_1の波長λ1の光信号、入
力側光伝送路1_3の波長λ1の光信号、及び入力側光伝送
路1_4の波長λ4の光信号が、それぞれ、波長変換部31_1
0,31_12,31_9で、波長λ2,λ4,λ1に波長変換され
て出力側光伝送路2_3に出力され、入力側光伝送路1_3の
波長λ3の光信号は、波長が変更されずに出力側光伝送
路2_3に出力されている。
【0087】この時、出力側光伝送路2_3に障害が発生
した場合のパス切替後の状態が同図(2)に示されてい
る。すなわち、各光信号は、他の出力側光伝送路2_1,2
_2,2_4に迂回している。このパス切替例では、入力側
光伝送路1_1の波長λ1の光信号、入力側光伝送路1_3の
波長λ1の光信号、及び入力側光伝送路1_4の波長λ4の
光信号は、それぞれ、波長変換部31_6,31_4,31_13
で、波長λ2,λ4,λ1に波長変換されて出力側光伝送
路2_2,2_1,2_4に出力され、入力側光伝送路1_3の波長
λ3の光信号は、波長が変更されずに出力側光伝送路2_4
に出力されている。
【0088】すなわち、出力側光伝送路の障害発生後の
各出力光信号の波長は、障害発生前の出力光信号の波長
と同じになるように波長変換部31、従って出力側光伝送
路2が選択されている。上記のようなパス切替を行った
場合において、パス切替中に発生するクロストークを無
くす実施例が次の実施例(10)、(11)である。
【0089】実施例(10) 図11は、本発明の光スイッチ20の実施例(10)を示してい
る。この実施例(10)では、可動ミラーの配置を工夫して
クロストークを減少させるものである。同図(1)は、図1
0に示した16入力×16出力光スイッチ20を本実施例に適
用した場合を示しており、例えば、出力光ファイバ27_
1,27_5,27_9,27_13(図10参照)は、1つのエリア29
_1に纏められている。従って、これらの出力光ファイバ
27_1,27_5,27_9,27_13に対応する各出力側可動ミラ
ー25_1,25_5,25_9,25_13も1つのエリアに纏められ
ている。
【0090】このエリア29_1の出力光ファイバ27_1,27
_5,27_9,27_13を通過した光信号は、後段の波長変換
部31_1,31_5,31_9,31_13で同じ波長λ1に変換される
(同図参照)。同様に、後段の波長変換部で、それぞ
れ、波長λ2〜λ4に変換される光信号が通過する出力光
ファイバ27(従って、これに対応する各出力側可動ミラ
ー25)を、それぞれエリア29_2〜29_4に纏めて配置す
る。
【0091】この様にして配置した出力光ファイバ27の
配置例が同図(2)に示されている。同図中の符号2_1〜2_
4は出力側光伝送路2の符号を示している。図11(1)にお
いて、図10(1)で示したように、例えば、出力側光伝送
路2_3の障害発生前、入力光ファイバ22_16から入力した
光信号は、入力側可動ミラー24_16、出力側可動ミラー2
5_9、出力光ファイバ27_9を経由して波長変換部31_9で
波長λ1に変換される。
【0092】出力側光伝送路2_3の障害発生後、該光信
号は、入力側可動ミラー24_16、出力側可動ミラー25_1
3、出力光ファイバ27_13を経由して波長変換部31_13で
同じ波長λ1に変換される。このとき、同図に示すよう
に、可動ミラー24_16で偏向された光信号は、同一エリ
ア29_1内の可動ミラー25_9から可動ミラー25_13に移動
するが、他の可動ミラー25を横切らない(同図(2)の矢
印参照)。すなわち、クロストークを発生せずにパス切
替が可能である。
【0093】同様に、同図(2)に示すように、他の光信
号も各エリア29_2〜29_4内で他の可動ミラーを横切らず
に(矢印参照)、パス切替が可能である。従って、各出
力側光伝送路2に対応するポート(光ファイバ)数が4
以下である場合、パス切替中のクロストークを抑圧する
ためには、各エリア29_1〜29_4内の光信号の移動だけを
考えればよいことが分かる。
【0094】実施例(11) 図12は、本発明の光スイッチ20の実施例(11)を示してい
る。この実施例(11)では、実施例(10)と同様に、出力波
長毎に各出力側可動ミラー25をエリア分割してクロスト
ークを減少させるものである。
【0095】ただし、実施例(10)では各出力側光伝送路
2に対応する出力ポート(光ファイバ)数が4以下でな
ければならなかったが、実施例(11)では、5出力ポート
以上に拡張する場合を示している。なお、同図(1)〜(4)
に示された矢印は、出力側光伝送路2_1に対応する出力
ポートから出力側光伝送路2_4に対応する出力ポートに
切り替える場合を示している。
【0096】各出力側光伝送路2に対応する出力ポート
数が5〜8個の場合、同図(1)に示すように中央のミラー
1つを空ポート用にする。隣接パス以外に切り替えると
きは、一旦中央のミラーに偏向し、その後所望のミラー
に偏向する。各出力側光伝送路2に対応する出力ポート
数が9〜12個の場合、同図(2)に示すように中央のミラー
4つを空ポート用にする。隣接パス以外に切り替えると
きは、一旦最寄の空ミラーに偏向し、その後所望のミラ
ーに偏向する。
【0097】各出力側光伝送路2に対応する出力ポート
数が13〜20個の場合、同図(3)に示すように中央のミラ
ー1つとそれから斜めに隣接する4つのミラーを空ポー
ト用にする。隣接パス以外に切り替えるときは、一旦最
寄の空ミラーに偏向し、その後、直接又はさらに空ミラ
ーに偏向した後、所望のミラーに偏向する。
【0098】各出力側光伝送路に対応する出力ポート数
が21〜28個の場合、同図(4)に示すように中央のミラー
4つとそれらから斜めに隣接する内の4つのミラーを空
ポート用にする。隣接パス以外に切り替えるときは、一
旦最寄の空ミラーに偏向し、その後、直接又はさらに一
つ以上の空ミラーに偏向して所望のミラーに偏向する。
【0099】このように伝送路障害発生時の切替におい
て、エリア内の他のパスのミラーを横切らないため、ク
ロストークを抑圧することができる。また、空ミラーで
偏向した光信号が、出力ポートに照射されないように予
め該空きミラーの向きを固定しておく。
【0100】(付記1)複数の入力ポート及び複数の出
力ポートを備え、パス切替期間中に、該入力ポートの前
段で光信号を遮断する遮断手段を付加したことを特徴と
する光スイッチ。
【0101】(付記2)付記1において該遮断手段が、
該光スイッチと該光信号の光源との間に設けられた光ス
イッチエレメントであることを特徴とした光スイッチ。 (付記3)付記1において、該遮断手段が、該光スイッ
チと該光信号の光源との間に設けられた光アンプである
ことを特徴とした光スイッチ。
【0102】(付記4)付記1において、該遮断手段
が、該光信号の光源をオン/オフする制御部であること
を特徴とした光スイッチ。 (付記5)付記1において、該遮断手段が、該光信号を
光変調する光変調器であることを特徴とした光スイッ
チ。
【0103】(付記6)付記1において、該遮断手段
が、入力ポート側に配置されたコリメータの焦点をずら
すコリメータ制御部であることを特徴とした光スイッ
チ。 (付記7)付記1において、該光スイッチが、可動ミラ
ーにより該パス切替を行う可動ミラー型光スイッチであ
ることを特徴とした光スイッチ。本発明においては、 (付記8)複数の入力ポート及び複数の出力ポートと、
該入力ポート及び該出力ポート間の各パスを設定するた
めの可動ミラーとを備え、パス切替期間中、該可動ミラ
ーで偏向された光信号が、新たなパス設定を行う出力ポ
ート以外の全ての出力ポートに出力されないように該可
動ミラーを制御する制御部を付加したことを特徴とする
光スイッチ。
【0104】(付記9)付記8において、該制御部は、
パス切替期間中、第1の可動ミラーで反射された光信号
が、新たなパス設定に必要な第2の可動ミラー以外の可
動ミラーに入射しないように該第1の可動ミラーを制御
することを特徴とした光スイッチ。
【0105】(付記10)付記9において、該第2の可
動ミラー以外の可動ミラーに該光信号が入射しない経路
上に配置された受光素子を備え、該制御部は、パス切替
期間中、該受光素子が受光した該光信号に基づき該光信
号が該第2の可動ミラー以外の可動ミラーに入射しない
ように制御することを特徴とした光スイッチ。
【0106】(付記11)複数の入力ポート及び複数の
出力ポートと、該入力ポート及び該出力ポート間のパス
設定をするために、各入力ポートからの光信号をそれぞ
れ受光する入力側可動ミラーと、該入力側可動ミラーを
経由した該光信号を該出力ポートに送る出力側可動ミラ
ーとを備え、各入力側可動ミラーに入射される光信号の
波長が、隣接する該入力側可動ミラーに入射される光信
号の波長と異なることを特徴とした光スイッチ。
【0107】(付記12)付記11において、該入力側
可動ミラーに入射される光信号の波長が、さらに、該隣
接する入力側可動ミラーに隣接する入力側可動ミラーに
入射される光信号の波長が異なることを特徴とした光ス
イッチ。
【0108】(付記13)請求項2に係る本発明におい
ては、複数の入力ポート及び複数の出力ポートと、該入
力ポート及び該出力ポート間のパス設定をするために、
各入力ポートからの光信号を受光する入力側可動ミラー
と、該入力側可動ミラーからの該光信号を各出力ポート
にそれぞれ出力する出力側可動ミラーとを備え、該出力
側可動ミラーは、複数のエリアに分けて配置されてお
り、さらに、各エリア内において、2つの出力側可動ミ
ラー間を、他の出力側可動ミラーを該光信号が横切らず
にパス切替できるように配置されていることを特徴とし
た光スイッチ。
【0109】(付記14)付記13において、さらに、
該出力ポートに対応していない出力側可動ミラーを含ん
でいることを特徴とした光スイッチ。
【0110】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る光ス
イッチによれば、光スイッチエレメント、光アンプ、光
信号の光源をオン/オフする制御部、光変調器、又はコ
リメータ制御部等の遮断手段が、パス切替期間中、光ス
イッチに入力する光信号を遮断状態にするように構成し
たので、パス設定時又はパス切替時に該光信号に起因し
て発生するクロストークを無くすことが可能になる。
【0111】また、パス切替期間中、該可動ミラーで偏
向された光信号が、新たなパス設定を行う出力ポート以
外の全ての出力ポートから出力されないように、例え
ば、可動ミラー型の光スイッチの該制御部が、パス切替
期間中、入力側可動ミラーで反射された光信号が、新た
なパス設定に必要な出力側可動ミラー以外の出力側可動
ミラーに入射しないように該入力側可動ミラーを制御す
るように構成したので、同様に、パス設定時又はパス切
替時に該光信号に起因するクロストークが無くなる。
【0112】また、可動ミラー型の光スイッチの各入力
側可動ミラーに入射される光信号の波長が、隣接する該
入力側可動ミラーに入射される光信号の波長と異なるよ
うに構成したこと、又は、さらに、該隣接する入力側可
動ミラーに隣接する入力側可動ミラーに入射される光信
号の波長も異なるように構成したことで、コヒーレント
クロストークを避けることが可能になる。
【0113】また、光スイッチの出力側可動ミラーを、
複数のエリアに分けて配置し、さらに、各エリア内にお
いて、2つの出力側可動ミラー間を、他の出力側可動ミ
ラーを光信号が横切らずにパス切替できるように配置し
たので、クロストークを発生せずにパス切替が可能にな
る。
【0114】このように本発明の光スイッチによれば、
パス設定時またはパス切替時に発生する可能性のあるク
ロストークを無くすることが可能であり、光信号の品質
を劣化させることが無くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光スイッチの実施例(1)を示した
ブロック図である。
【図2】本発明に係る光スイッチの実施例(2)を示した
ブロック図である。
【図3】本発明に係る光スイッチの実施例(3)を示した
ブロック図である。
【図4】本発明に係る光スイッチの実施例(4)を示した
ブロック図である。
【図5】本発明に係る光スイッチの実施例(5)を示した
ブロック図である。
【図6】本発明に係る光スイッチの実施例(6)を示した
ブロック図である。
【図7】本発明に係る光スイッチの実施例(7)を示した
ブロック図である。
【図8】本発明に係る光スイッチの実施例(8)を示した
ブロック図である。
【図9】本発明に係る光スイッチの実施例(9)を示した
ブロック図である。
【図10】一般的な光スイッチを含む光スイッチ装置に
おけるパス切替例を示したブロック図である。
【図11】本発明に係る光スイッチの実施例(10)を示し
たブロック図である。
【図12】本発明に係る光スイッチの実施例(11)を示し
たブロック図である。
【図13】一般的な光スイッチを含む光スイッチ装置の
構成例(1)を示したブロック図である。
【図14】一般的な光スイッチを含む光スイッチ装置の
構成例(2)を示したブロック図である。
【図15】一般的な光スイッチの構成例を示したブロッ
ク図である。
【図16】一般的な光スイッチにおけるクロストーク例
(1)を示したブロック図である。
【図17】一般的な3次元ミラー型光スイッチの構成を
示したブロック図である。
【図18】一般的な光スイッチにおけるパス切替時に発
生するクロストーク例(2)を示したブロック図である。
【図19】一般的な3次元ミラー光スイッチにおけるパ
ス切替時の最大クロストークを示したブロック図であ
る。
【符号の説明】
100 光スイッチ装置、光クロスコネクト 1,1_1〜1_m 入力側光伝送路 2,2_1〜2_m 出
力側光伝送路 3,3_1〜3_64 入力ポート 4,4_1〜4_64 出
力ポート 5_1,5_2 入力端子 6_1,6_2 出力端
子 10,10_1〜10_m 分波部 11,11_11〜11_mn
光再生部 12,12_1〜12_64 光送信部 13,13_1〜13_64 光スイッチエレメント 14,14_1〜14_64 光アンプ 20 光スイッチ、
ルーティング部 21,21_1〜21_16 光スイッチエレメント 22,22_1〜22_64 入力光ファイバ 23,23_1〜23_64
コリメータ 24,24_1〜24_64 入力側可動ミラー 25,25_1〜25_64
出力側可動ミラー 26,26_1〜26_64 コリメータ 27,27_1〜27_64
出力光ファイバ 28,28_1〜28_49 PD 29_1〜29_4 エリ
ア 30,30_1〜30_m 合波部 31,31_1〜31_11
〜31_mn 波長変換部 32,32_11〜32_mn 光再生部 33,33_1〜33_64
光受信部 40 制御部 41 オペレーショ
ンシステム 51,53 PD 52 増幅媒体 54,64,65 ドライバ 55,66 コントロ
ーラ 61 レーザダイオード、LD 62 変調器、MOD 63 光ファイバ 80 パス切替要求
信号 81 切替制御信号 82 光オン/オフ
制御信号 83 光アンプ励起オン/オフ制御信号 83a 制御信号 84 LDオン/オフ制御信号 84a 制御信号 85 MODオン/オフ制御信号 85a 制御信号 86 コリメータ制御信号 87 PDモニタ光量
信号 λ1〜λn 波長 P1〜P3 パス S 光信号 C,C1〜C3 クロ
ストーク 図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H041 AA16 AB14 AC04 AZ01 AZ05 5K002 BA05 BA06 BA21 CA02 DA02 5K069 AA02 DB33 EA23 EA27

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の入力ポート及び複数の出力ポートを
    備え、 パス切替期間中に該入力ポートの前段で光信号を遮断す
    る遮断手段を付加したことを特徴とする光スイッチ。
  2. 【請求項2】複数の入力ポート及び複数の出力ポート
    と、 該入力ポート及び該出力ポート間の各パスを設定するた
    めの可動ミラーとを備え、 パス切替期間中、該可動ミラーで偏向された光信号が、
    新たなパス設定を行う出力ポート以外の全ての出力ポー
    トに出力されないように該可動ミラーを制御する制御部
    を付加したことを特徴とする光スイッチ。
  3. 【請求項3】請求項2において、 該制御部は、パス切替期間中、第1の可動ミラーで反射
    された光信号が、新たなパス設定に必要な第2の可動ミ
    ラー以外の可動ミラーに入射しないように該第1の可動
    ミラーを制御することを特徴とした光スイッチ。
  4. 【請求項4】複数の入力ポート及び複数の出力ポート
    と、 該入力ポート及び該出力ポート間のパス設定をするため
    に、各入力ポートからの光信号をそれぞれ受光する入力
    側可動ミラーと、 該入力側可動ミラーを経由した該光信号を該出力ポート
    に送る出力側可動ミラーとを備え、 各入力側可動ミラーに入射される光信号の波長が、隣接
    する該入力側可動ミラーに入射される光信号の波長と異
    なることを特徴とした光スイッチ。
  5. 【請求項5】複数の入力ポート及び複数の出力ポート
    と、 該入力ポート及び該出力ポート間のパス設定をするため
    に、各入力ポートからの光信号を受光する入力側可動ミ
    ラーと、 該入力側可動ミラーからの該光信号を各出力ポートにそ
    れぞれ出力する出力側可動ミラーとを備え、 該出力側可動ミラーは、複数のエリアに分けて配置され
    ており、さらに、各エリア内において、2つの出力側可
    動ミラー間を、他の出力側可動ミラーを該光信号が横切
    らずにパス切替できるように配置されていることを特徴
    とした光スイッチ。
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