本発明は、光ノードへの光スイッチ切替指示を待機時間を待つことなく送信することによって、パス開通時間を短縮する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の光ネットワークを示す説明図である。
図1に示す光ネットワークは、マルチリング型ネットワークであり、複数の光ノードを有する。具体的には、図1に示す光ネットワークは、OXC装置103、及び、複数のOADM装置102(102A、102B、102D〜102G)を有する。OXC装置103、及び、各OADM装置102は、伝送路101によって相互に接続される。
本実施形態において、図1に示す光ネットワークにおける、OXC装置103をC局、OADM装置102AをA局、OADM装置102BをB局、OADM装置102DをD局、OADM装置102EをE局、OADM装置102FをF局、OADM装置102GをG局と記載する。
図1に示すOXC装置103は、四つの方路(方路1〜方路4)に接続され、各方路は、伝送路101に接続される。OADM装置102は、二つの方路(方路1及び方路2)に接続される。各方路は、伝送路101に接続される。伝送路101は、光ファイバ等の、光信号を送受信するための伝送路である。
なお、図1のOXC装置103は四つの方路に接続されたが、本実施形態のOXC装置103は、三つ以上であれば、いくつの方路に接続されてもよい。
図1のOXC装置103及びOADM装置102は、OSS(Operations Support Systems)114に、DCN(Data Communication Network)115を介して接続される。図1に示す光ネットワークの管理者等は、光信号のパスを開通させるため、OSS114を介して光信号のパスを切替える指示(以下、光スイッチ切替指示と記載)を、OXC装置103及びOADM装置102に送信する。
以下の説明において、A局、B局、C局、D局及びE局の順に光信号を送信するための光スイッチ切替指示を、OSS114がA局、B局、C局、D局及びE局に送信する場合の処理を示す。
図2は、本発明の第1の実施形態のOXC装置103−1の基本的な物理構成を示すブロック図である。
図2に示すOXC装置103−1は、光信号の送信を遮断する後述の機能を保持せず、光信号を送受信する基本的なOXC装置103の機能のみを保持する。図2に示すOXC装置103−1は、N個の方路に接続される。N個の方路は、伝送路101に接続され、伝送路101を介して、他のOXC装置103又はOADM装置102に接続される。
OXC装置103−1は、DCN115に接続され、DCN115を介してOSS114に接続される。OSS114は、プロセッサ及びメモリを有し、OXC装置103及びOADM装置102に光スイッチ切替指示を送信するための計算機システムである。DCN115は、OSS114とOADM装置102又はOXC装置103を接続するためのネットワークである。
管理者等は、OSS114を介してOXC装置103−1を含む光ネットワークに、光信号のパスを開通する。OSS114は、管理者等によって入力された各波長の光信号のパスを示す情報に従って、いずれのOADM装置102又はOXC装置103に光スイッチ切替指示を送信するか、及び、OADM装置102又はOXC装置103にどのようにパスを切替えさせるかを決定する。
そして、OSS114は、決定された結果を含む、光波長パス設定を生成する。そして、生成された光波長パス設定を含む光スイッチ切替指示を、各OADM装置102又はOXC装置103のノード監視制御機能部116に送信する。
図2に示すOXC装置103−1は、ノード監視制御機能部116とN個のNx1WSS機能部123(123−1〜123−N)とを有する。ノード監視制御機能部116は、光スイッチ切替指示をOSS114から送信された場合、受信した光スイッチ切替指示に含まれる光波長パス設定が示す、特定の波長の光信号のパスの切替えをNx1WSS機能部123に指示するための指示内容を生成する。
ノード監視制御機能部116は、通信制御部117−1、プロセッサ118−1、構成管理情報格納部119、及び、波長パス情報格納部120を有する。プロセッサ118−1は、CPU等の演算装置である。構成管理情報格納部119、及び、波長パス情報格納部120は、メモリ等の記憶部に接続される。
構成管理情報格納部119は、OXC装置103−1が有する物理的な構成情報、即ち、OXC装置103−1が有する各処理部等の構成情報を保持する。構成管理情報格納部119は、例えば、OXC装置103−1にNx1WSS機能部123が何方路分実装されているか、トランスポンダ112が何波長分実装されているか等を示す情報を保持する。
波長パス情報格納部120は、各方路の光波長パス設定を保持する。構成管理情報格納部119、及び、波長パス情報格納部120は、プロセッサ118−1と、通信線によって接続される。プロセッサ118−1は、波長パス情報格納部120及び構成管理情報格納部119に格納される情報と、受信した光スイッチ切替指示とに基づいて、光波長パス設定に、各Nx1WSS機能部123への指示を含める。
具体的には、プロセッサ118−1は、光スイッチ切替指示に含まれる光信号の波長とその波長の光信号の送信元の宛先及び送信先の宛先(すなわち、送信元の方路と送信先の方路を示す情報)とを、パスを切替える波長の光信号の情報として取得する。また、波長パス情報格納部120に含まれる光波長パス設定から、パスを切替える波長がいずれの方路から送信されていたか、又は、いずれの方路からも送信されていないかを示す情報を取得する。また、構成管理情報格納部119から、いずれのNx1WSS機能部123がどの方路に光信号を送信しているかを示す情報を取得する。
そして、プロセッサ118−1は、取得された各情報から、いずれのNx1WSS126に、いずれのポート(各方路又はトランスポンダに接続される)からの光信号を、Add(挿入)、Through(通過)、又は、Drop(分岐)させるかを決定する。そして、決定された結果を、光波長パス設定に含める。
Nx1WSS機能部123は、OXC装置103−1が接続される各方路に対応して配置される。Nx1WSS機能部123は、各方路から入力される光信号を、他の方路へ出力されるよう切替えるための装置である。
Nx1WSS機能部123は、受信光増幅器105、送信光増幅器106、光カプラ113、通信制御部117−2、プロセッサ118−2、WSS損失値情報格納部124、1xN光カプラ125、Nx1WSS126、光インタフェース機能部128、光チャネルモニタ(Optical Channel Monitor;OCM)129、Nx1WSS切替制御部130、及び、光レベル一定制御部131を有する。
受信光増幅器105は、方路から入力された光信号の光レベルを増幅する。送信光増幅器106は、方路へ出力される光信号の光レベルを増幅する。
光カプラ113は、入力された一つの光信号を二つの光信号に分岐する。通信制御部117−2は、ノード監視制御機能部116の通信制御部117−1と通信し、通信制御部117−1から光波長パス設定を受信する。
プロセッサ118−2は、CPU等の演算装置であり、Nx1WSS機能部123が有する装置に光波長パス設定を送信する。WSS損失値情報格納部124は、Nx1WSS126における光信号の損失値を保持する。1xN光カプラ125は、一つの光信号をN個の光信号に分岐する。
Nx1WSS126は、各Nx1WSS機能部123の1xN光カプラ125から送信された(N−1)個の光信号と、光インタフェース機能部128から送信された一つの光信号とを、一つの光信号に合波する。また、Nx1WSS126は、光スイッチである。
なお、本実施形態における光スイッチは、WSSであるが、光スイッチであればいかなる光スイッチでもよい。
光インタフェース機能部128は、トランスポンダを有する。光インタフェース機能部128が有するトランスポンダは、OXC装置103−1において分岐される光信号を受信する。また、ノード監視制御機能部116から送信された発光指示に従って、光信号を発光する。すなわち、光インタフェース機能部128が有するトランスポンダは、光ネットワークにおいて開通されるパスの始点又は終点である。
OCM129は、光カプラ113から送信される光信号を受信し、受信した光信号の光レベルを、波長ごとに測定する。Nx1WSS切替制御部130は、Nx1WSS126のポートの切替えを制御することによって、光信号のパスをNx1WSS126に切替えさせる。
光レベル一定制御部131は、安定した光レベルの光信号を他の光ノードに送信できるようにNx1WSS126を制御する。光レベル一定制御部131に制御されることによって、Nx1WSS機能部123から出力される光信号の光レベルは、一定値に安定する。
Nx1WSS機能部123が有するプロセッサ118−2とノード監視制御機能部116が有するプロセッサ118−1とは、通信制御部117−1及び通信制御部117−2を介して接続される。これによって、ノード監視制御機能部116は、Nx1WSS機能部123及び光インタフェース機能部128と通信する。
ノード監視制御機能部116は、各Nx1WSS機能部123に光波長パス設定等の指示を送信する。また、ノード監視制御機能部116は、各波長の光信号のパスを開通する際、開通されるパスの始点となるNx1WSS機能部123が有する各光インタフェース機能部128のトランスポンダに各波長の光信号を発光するよう、指示する。
Nx1WSS機能部123のプロセッサ118−2は、光波長パス設定をノード監視制御機能部116から送信された場合、送信された光波長パス設定を、Nx1WSS切替制御部130に送信する。Nx1WSS切替制御部130は、プロセッサ118−2から送信される光波長パス設定に従って、Nx1WSS126を制御する。
ノード監視制御機能部116から各Nx1WSS機能部123へ送信される光波長パス設定には、いずれの波長の光信号が挿入されるか、いずれの波長の光信号が通過するかを示す情報が含まれる。また、通過する波長は、ポート1〜ポートN−1のいずれのポートからの入力が通過するかという光信号の挿入情報が含まれる。
なお、OSS114は、OXC装置103−1に光信号を分岐させる場合、いずれのNx1WSS126にも光信号を、挿入又は通過させる指示を送信しないことによって、光信号を分岐させてもよい。すなわち、OSS114は、光波長パス設定に、分岐させる指示を含めなくてもよい。
なお、本実施形態における挿入とは、光インタフェース機能部128のトランスポンダから発光された光信号が、Nx1WSS126において他の光信号に加わることを示す。また、本実施形態における通過とは、Nx1WSS126が、1xN光カプラ125から送信された光信号、すなわち、方路から受信した光信号を受信し、いずれかの方路へ送信することを示す。
また、本実施形態における分岐とは、Nx1WSS126が、1xN光カプラ125から送信された光信号を、光ネットワークの方路に送信しないことを示す。すなわち、分岐とは、光インタフェース機能部128のトランスポンダが、1xN光カプラ125から送信された光信号を受信することを示す。
方路2から方路1へ光信号が送信される場合の、Nx1WSS機能部123−1及びNx1WSS機能部123−2における具体的な処理について、以下に説明する。
方路2から送信された光信号は、伝送路101−2における損失を補うべく、Nx1WSS機能部123−2の受信光増幅器105によって増幅される。増幅された光信号は、Nx1WSS機能部123−2の1xN光カプラ125によってN方路分に分岐される。
1xN光カプラ125が有するN方路分の出力ポートのうち、(N−1)ポート分の出力ポートは、方路2(すなわち、Nx1WSS機能部123−2)以外のNx1WSS機能部123のNx1WSS126に接続される。このため、一つの1xN光カプラ125は、同じ光信号を方路2以外の全ての方路に送信する。
1xN光カプラ125のN番目の出力ポートは、受信した光信号を、方路2(すなわち、Nx1WSS機能部123−2)に接続される光インタフェース機能部128へ送信する。光インタフェース機能部128は、光信号を受信した場合、受信した光信号を分岐する。
Nx1WSS機能部123−1のNx1WSS126は、Nx1WSS機能部123−2の1xN光カプラ125から送信された光信号を受信した場合、あらかじめNx1WSS切替制御部130から送信された光波長パス設定に従って、Nx1WSS機能部123−2の1xN光カプラ125から送信された光信号を出力する。
具体的には、Nx1WSS機能部123−1のNx1WSS126は、光波長パス設定によって指定された波長の光信号を、方路1へ送信する。Nx1WSS126から送信された光信号は、送信光増幅器106によって増幅された後、方路1に接続される伝送路101−1に送信される。
Nx1WSS機能部123のプロセッサ118−2は、光波長パス設定をノード監視制御機能部116から送信された場合、Nx1WSS切替制御部130にNx1WSS126のパスの切替えを指示し、さらに、光波長パス設定によって指定された波長の光レベル一定制御を、光レベル一定制御部131に指示する。Nx1WSS機能部123は、光レベル一定制御を行うことによって、一定の光レベルの光信号を、他の光ノードへ送信できる。
光レベル一定制御部131は、光波長パス設定情報受信ブロック132、光レベルモニタ結果受信ブロック133、Nx1WSS減衰量演算ブロック134、及び、Nx1WSS減衰量設定ブロック135を有する。
光波長パス設定情報受信ブロック132は、ノード監視制御機能部116から送信される光波長パス設定を、プロセッサ118−2を介して受信し、受信した光波長パス設定をNx1WSS減衰量演算ブロック134に送信する。光レベルモニタ結果受信ブロック133は、OCM129によって測定された全波長分の光レベル(光レベルモニタ結果)を取得し、取得された光レベルモニタ結果をNx1WSS減衰量演算ブロック134に送信する。
Nx1WSS減衰量演算ブロック134は、光波長パス設定によって切替えが指示される波長について、取得された光レベルモニタ結果と、光レベル一定制御の目標光レベルとを比較し、光レベルモニタ結果と目標光レベルとの差分を算出する。そして、算出された差分と、後述の式1とによって、Nx1WSS126における光レベルの減衰量を算出する。なお、目標光レベルは、あらかじめ管理者等によって指定され、Nx1WSS減衰量演算ブロック134によって保持される値である。
光レベルの減衰量を算出するために、Nx1WSS減衰量演算ブロック134は、WSS損失値情報格納部124が保持するNx1WSS126のポート毎又は波長毎の減衰量最小時の損失値を用いる。Nx1WSS減衰量演算ブロック134は、各ポート、及び、各波長に対応する減衰量最小時の損失値を、光波長パス設定情報受信ブロック132を介してWSS損失値情報格納部124から取得する。
例えば、光波長パス設定が、波長Aの光信号がポート1から入力される光信号を通過させることを示す場合、Nx1WSS減衰量演算ブロック134は、ポート1を通過する波長Aの光信号の光レベルの減衰量を、以下の式によって算出する。
ポート1を通過する波長Aの光信号の光レベルの減衰量=(波長Aの光レベルモニタ結果)−(光レベル一定制御の目標光レベル)−(ポート1における波長Aの減衰量最小時の損失値) (式1)
式1によって算出された減衰量は、Nx1WSS減衰量設定ブロック135に送信される。Nx1WSS減衰量設定ブロック135は、Nx1WSS減衰量演算ブロック134から送信された減衰量によって、ポート1を通過する波長Aの光信号の光レベルを、Nx1WSS126に制御させる。
光インタフェース機能部128は、1xN光カプラ125から送信される光信号が波長多重されている場合、光信号を波長毎に分波する光分波器と、各波長の光信号を合波する光合波器とを含む。
また、光インタフェース機能部128は、光信号を波長毎に分波するために、一つの入力ポート及びN個の出力ポートを有する1xNWSSを有してもよく、各波長の光信号を合波するために、N個の出力ポート及び一つの入力ポートを有するNx1WSSを有してもよい。光インタフェース機能部128が有するトランスポンダは、光分波器及び光合波器、又は、1xNWSS及びNx1WSSと接続され、光信号を送受信する。
なお、OADM装置102は、図1に示すOXC装置103−1がポート数N=2である場合の装置と同じである。以降においても、OXC装置103の説明をするが、OADM装置102は、ポート数N=2である場合のOXC装置103と同じである。
図3は、本発明の第1の実施形態のOSS114が待機時間を待機してから各光ノードに光スイッチ切替指示を送信する処理を示すシーケンス図である。
図3は、パス開通処理が開始されてからパス開通処理が終了するまでの時間に、OSS114からA局〜D局へ送信される光スイッチ切替指示を示す。パス開通処理は、OSS114が光波長パス設定を含む光スイッチ切替指示を、各光ノードに送信することによって開始される。
図3におけるA〜E局は、図1に示す光ネットワークに備わる。また、A局、B局、D局及びE局は、ポート数N=2であるOXC装置103−1と同じであり、C局は、ポート数N=4であるOXC装置103−1である。
図3において、A局が光信号の光スイッチ切替指示を受信してから、A局のトランスポンダから発光される光信号の光レベルが安定するまで、待機時間1が必要である。また、A局〜D局が光スイッチ切替指示を受信してから、各局のNx1WSS126から出力される光信号の光レベルが安定するまで、待機時間2が必要である。
OSS114は、パス開通処理を開始した場合、A局の光インタフェース機能部128が有するトランスポンダに発光を指示する。そして、トランスポンダが安定するまでの待機時間1を待機した後、A局に光スイッチ切替指示を送信する。ここで、A局に送信される光スイッチ切替指示には、A局のNx1WSS126にトランスポンダから発光された光信号を挿入させる指示が含まれる。
そして、OSS114は、A局のNx1WSS126から出力される光信号の光レベルが安定するまでの待機時間2を待機した後、B局に光スイッチ切替指示を送信する。ここで、B局に送信される光スイッチ切替指示には、B局のNx1WSS126にA局から送信された光信号を通過させる指示が含まれる。
OSS114は、待機時間2を待機した後、C局に光スイッチ切替指示を送信する。そして、待機時間2を待機した後、D局に光スイッチ切替指示を送信する。そして、待機時間2を経過した後、A局のトランスポンダが発光した光信号は、E局のトランスポンダによって安定して受信される。
このように、OSS114が、各光ノードへの光スイッチ切替指示の送信と、待機時間の待機とを交互に繰り返す場合、E局のトランスポンダが安定した光信号を受信するまで、待機時間1+4×待機時間2のパス開通時間が必要である。
このため、図2に示す基本的な光ノードを備える光ネットワークにおいて、パス開通時間は、光ノードの数及び待機時間2の長さに従って長くなる。
また、本実施形態におけるWSSは、光スイッチ機能、光減衰器機能、及び、波長多重機能を有し、全波長の光スイッチ機能及び光減衰器機能を一つの装置によって実装する。このため、一つの波長の光スイッチ機能及び光減衰器機能を有する装置よりも、特に、WSSを有する光ノードは、図3に示す待機時間2が長い。
すなわち、図2に示すNx1WSS126のようなWSSを有する光ノードは、待機時間2が長い。また、図2に示すOCM129のような、波長多重光の個別チャネルの光レベルをすべてモニタする光チャネルモニタを使用する光ノードも、待機時間Bが長くなる。
図4は、本発明の第1の実施形態の光信号を遮断するOXC装置103−2の物理的構成を示すブロック図である。
図4に示すOXC装置103−2は、Nx1WSS126において、光信号を遮断する機能を有する。図4に示すOXC装置103−2と図2に示すOXC装置103−1との相違点は、OXC装置103−1が有する光レベル一定制御部131の代わりに、OXC装置103−2が光レベル一定制御部138を有する点である。
光レベル一定制御部138は、光レベルモニタ結果受信ブロック133、Nx1WSS減衰量設定ブロック135、Nx1WSSパス設定受信ブロック139、Nx1WSS減衰量演算ブロック140、及び、光レベル収束判定ブロック141を有する。
光レベル収束判定ブロック141は、Nx1WSS126に本実施形態の損失一定制御において、光レベルが一定値に収束したか否かを判定する。なお、本実施形態の損失一定制御とは、光信号を遮断するため、WSS(第1〜第3の実施形態においてNx1WSS126)において光信号に損失を与えることである。
Nx1WSSパス設定受信ブロック139は、ノード監視制御機能部116から送信された光波長パス設定と光ゲート処理実行フラグとを受信し、受信した情報をNx1WSS減衰量演算ブロック140に送信する。光レベルモニタ結果受信ブロック133は、OCM129によって測定された全波長分の光レベルモニタ結果を受信する。
光レベル収束判定ブロック141は、光レベルモニタ結果と損失一定制御における目標光レベルとの差分を算出し、算出された差分が一定の範囲内に入っているか否かを判定する。そして、光レベル収束判定ブロック141は、算出された差分が一定の範囲内に入っている場合、光レベルが一定値に収束していると判定する。そして、判定結果を、Nx1WSS減衰量演算ブロック140に送信する。
損失一定制御における目標光レベルは、管理者等によってあらかじめ指定され、光レベル収束判定ブロック141に保持される。
なお、光レベル収束判定ブロック141は、Nx1WSSパス設定受信ブロック139から、光波長パス設定と光ゲート処理実行フラグとを受信し、光波長パス設定に含まれる波長の光レベルの光信号が、光ゲート処理実行フラグを保持している間、一定値に収束しているか否かを判定してもよい。この場合、光レベル収束判定ブロック141は、Nx1WSS減衰量演算ブロック140が光ゲート処理実行フラグを削除する際に、光レベル収束判定ブロック141に送信された光ゲート処理実行フラグも削除する。
Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、図2に示すNx1WSS減衰量演算ブロック134と同じく、光波長パス設定に含まれる波長の光信号であり、かつ、安定した光レベルによって送信が可能な光信号の、光レベルモニタ結果と光レベル一定制御の目標光レベルとを比較する。そして、比較結果から、光レベルモニタ結果と光レベル一定制御の目標光レベルとの差分を算出する。
そして、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、算出された差分と、前述の式1とによって、Nx1WSS126における光レベル一定制御によるWSS損失値を算出し、算出されたWSS損失値をNx1WSS減衰量設定ブロック135に送信する。Nx1WSS減衰量設定ブロック135は、送信されたWSS損失値によって、Nx1WSS126に光信号の光レベルを制御させる。
図4に示すNx1WSS減衰量演算ブロック140は、光ゲート処理実行フラグを受信した場合、光ゲート処理実行フラグがONであることを示す情報を保持する。
以下において、Nx1WSS減衰量演算ブロック140が光ゲート処理実行フラグがONであることを示す情報を保持する場合、光ゲート処理実行フラグがONであると記載する。また、Nx1WSS減衰量演算ブロック140が光ゲート処理実行フラグを削除し、光ゲート処理実行フラグがOFFであることを示す情報を保持する場合、光ゲート処理実行フラグがOFFであると記載する。
光ゲート処理実行フラグがONである間、送信された光波長パス設定に含まれた、パスを切替える波長の光信号を遮断するため、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、WSS損失値を算出する。指定された待機時間光信号を遮断する場合、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、光ゲート処理実行フラグがONである間、光信号の光レベルを最小にするために、WSS損失値を設定可能な範囲内で最大値に設定する。
また、Nx1WSS減衰量演算ブロック140が、後述する損失一定制御によって光信号を遮断する場合、損失一定制御によるWSS損失値を算出する。そして、算出されたWSS損失値をNx1WSS減衰量設定ブロック135に送信する。
Nx1WSS減衰量設定ブロック135は、Nx1WSS減衰量演算ブロック140から送信されたWSS損失値によって、Nx1WSS126に、パスを切替える波長の光信号の光レベルを低減させる。
また、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、損失一定制御を行う場合、光信号の光レベルが、OCM129が光信号を測定できる程度のレベルになり、かつ、他の光ノードに送信されない程度に低いレベルになるように、WSS損失値を算出する。これによって、損失一定制御を実行している際、他の光ノードはNx1WSS126から出力される光信号を受信せず、一方で、OCM129は光信号の光レベルを測定できる。
図5は、本発明の第1の実施形態のOSS114が待機時間を待つことなく各光ノードに光スイッチ切替指示を送信する処理を示すシーケンス図である。
図5におけるOSS114は、図1に示す光ネットワークの光信号のパスにおいて、C局に光ゲート処理実行フラグを送信する。また、パス開通処理が開始された後、A局〜D局へ光スイッチ切替指示を送信する。
図5におけるA局〜E局は、図1に示す光ネットワークに備わる。また、A局、B局、D局、及び、E局は、ポート数N=2のOXC装置103−1、又は、OXC装置103−2である。C局は、ポート数N=4のOXC装置103−2である。
OSS114は、パス開通処理を開始した場合、A局のノード監視制御機能部116を介して、A局の光インタフェース機能部128が有するトランスポンダに発光を指示する。そして、A局のトランスポンダが安定するまでの待機時間1を待機した後、A局〜D局に光スイッチ切替指示を送信する。
ここで、OSS114は、前述の待機時間2を待機することなく、A局〜D局に光スイッチ切替指示を送信する。図5のOSS114は、1回の処理によって同時に光スイッチ切替指示をA局〜D局へ送信するが、A局〜D局への送信が待機時間を待つことなく行われれば、いかなる処理によって光スイッチ切替指示を送信してもよい。例えば、複数の処理によって、各局に並行に光スイッチ切替指示を送信してもよい。
OSS114が、待機時間を待つことなく、A局〜D局に光スイッチ切替指示を送信することによって、前述の待機時間2を待つ必要がないため、OSS114は、パス開通時間を短縮することができる。
OSS114から各局に送信される光スイッチ切替指示には、特定の波長の光信号を、A局に挿入させ、B〜D局に通過させる指示が含まれる。また、OSS114は、光ゲート処理実行フラグを付加された光スイッチ切替指示を、C局に送信する。
なお、OSS114は、光ネットワークにおけるすべての光ノードの構成情報をあらかじめ保持し、光ゲート処理実行フラグを送信する光ノードを示す情報をあらかじめ保持する。そして、保持された情報から光ゲート処理実行フラグを送信する光ノードを取得し、取得された光ノードに送信する光スイッチ切替指示に光ゲート処理実行フラグを付加する。
A局〜D局が光スイッチ切替指示を受信した場合、A局〜D局のNx1WSS126は、光スイッチ切替指示に従って、パスを切り替える。A局〜D局によるパスの切替えの処理は、並行して行われる。また、C局のNx1WSS126は、C局が光スイッチ切替指示に付加された光ゲート処理実行フラグを受信した場合、待機時間3の間、光信号のパスを切替えるが、Nx1WSS126の減衰量制御により光信号を遮断する。
待機時間3は、C局のNx1WSS126の入力信号が安定し、結果としてC局のNx1WSS126が安定した光信号を送信できるようになるまでの時間であり、あらかじめ管理者等によって定められた所定の時間である。すなわち、待機時間3は、A局〜B局のNx1WSS126がパスを切り替え、安定した光信号を出力できるようになるまでの時間である。
待機時間3は、光ゲート処理実行フラグに含まれてもよく、C局は、光ゲート処理実行フラグに含まれた待機時間3の間、光信号を遮断してもよい。
C局が損失一定制御を行わない場合、Nx1WSS126は、待機時間3の間、Nx1WSS減衰量演算ブロック140においてWSS損失値を設定可能な範囲で最大値に設定することによって、受信した光信号の光レベルを最小にする。これによって、C局のNx1WSS126は、待機時間3の間、光スイッチ切替指示によって指定された波長の光信号を遮断する。
待機時間3において、A局及びB局を通過した光信号の光レベルが不安定であっても、C局によって光信号が遮断されるため、D局に不安定な光レベルの光信号が送信されない。このため、D局及びE局のトランスポンダにおけるオーバーシュートの発生を未然に防ぐことができる。
C局のNx1WSS減衰量演算ブロック140は、待機時間3を経過後に、光レベル一定制御によってNx1WSS126を制御する。これによって、安定した光レベルの光信号をD局に送信する。
また、待機時間3の後、C局のNx1WSS減衰量演算ブロック140は、光ゲート処理実行フラグを削除し、光ゲート処理実行フラグをOFFにする。これによって、光信号が開通し、パス開通時間が終了する。
A局〜C局の各Nx1WSS126は、待機時間3における並行処理によってパスを切り替える。このため、図5に示すパス開通時間は、図3に示すパス開通時間よりも短い。これによって、第1の実施形態の光ネットワークシステムは、パス開通時間を低減することができる。
なお、OSS114は、A局又はB局に光ゲート処理実行フラグを送信してもよい。そして、光ゲート処理実行フラグを送信されたA局又はB局は、前述のC局と同じく、指定された待機時間の間、光信号を遮断してもよい。A局又はB局に光ゲート処理実行フラグが送信される場合、光ゲート処理実行フラグが送信されたA局又はB局は、ポート数Nが2であるOXC装置103−2である。
また、C局は、光ゲート処理実行フラグを受信した後、本実施形態の損失一定制御を行うことによって、待機時間3を待たずに光信号を通過させてもよい。すなわち、待機時間3の途中において、光信号の光レベルが一定値に収束したか、すなわち安定したか否かを判定し、光レベルが安定した場合、光信号のD局への送信を開始してもよい。これによって、光信号を後続の光ノード(D局)に送信するまでの時間を短縮することができる。
図6は、本発明の第1の実施形態の損失一定制御の処理を示すフローチャートである。
図6は、損失一定制御において、OXC装置103−2が光信号の光レベルが一定値に収束しているか否かを判定し、光信号の光レベルが収束した後に光信号を通過させる処理を示す。
図6における引数sは、波長番号のカウンタを示す。図4に示すOXC装置103−2のNx1WSS減衰量演算ブロック140は、光波長パス設定及び光ゲート処理実行フラグを受信した場合、図6に示す処理を開始する(ステップ200)。ここで、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、光ゲート処理実行フラグがONであることを示す情報を保持する。
ステップ200の後、OXC装置103−2のNx1WSS減衰量演算ブロック140は、引数sに初期値を格納する(ステップ201)。本実施形態における初期値は、0である。
ステップ201の後、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、光信号の波長毎に図6に示す処理を実行するため、引数sに1を加算する(ステップ202)。ステップ202の後、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、ノード監視制御機能部116から送信された光波長パス設定に、s番目の波長がパスを切替えるべき光信号の波長として含まれているか否かを判定する(ステップ203)。
ノード監視制御機能部116から送信された光波長パス設定に、s番目の波長がパスを切替えるべき光信号の波長としてとして含まれている場合、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、光信号の光レベルを制御するため、ステップ204に移行する。
ノード監視制御機能部116から送信された光波長パス設定に、s番目の波長パスがパスを切替えるべき光信号の波長として含まれていない場合、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、s番目の波長の光信号の光レベルを制御しないため、ステップ211に移行する。
ステップ203の後、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、光ゲート処理実行フラグがONであるか否かを判定する(ステップ204)。光ゲート処理実行フラグがONである場合、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、光信号の光レベルが一定になっているか否かを判定するため、ステップ205に移行する。
なお、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、受信した光ゲート処理実行フラグを、光波長パス設定によって指定されたパスを切替える波長の光信号と対応させて保持してもよい。これによって、複数の光波長パス設定及び光ゲート処理実行フラグを送信された場合、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、パスを切替える波長ごとにステップ204における処理を実行することができる。
ステップ204において、光ゲート処理実行フラグがONではないと判定された場合、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、s番目の波長の光信号を、損失一定制御によって遮断する必要がない。このため、s番目の波長の光信号を通過させるための光レベル一定制御を行うため、ステップ206に移行する。
ステップ204の後、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、光波長パス設定によって指定された光信号が、自らが属するOXC装置103−2において、パスを切替えるべき光信号であるか否かを判定する(ステップ205)。光波長パス設定によって指定された光信号が、自らが属するOXC装置103−2において、パスを切替えるべき光信号である場合、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、光信号の光レベルが一定値に収束したか否かを判定するため、ステップ208に移行する。
光波長パス設定によって指定された光信号が、自らが属するOXC装置103−2において、パスを切替えるべき光信号でない場合、損失一定制御によって光信号を遮断する必要がないため、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、光レベル一定制御を行うため、ステップ206に移行する。
ステップ205の後、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、s番目の波長の光信号を通過させるため、Nx1WSS126におけるWSS損失値を算出する(ステップ206)。ステップ206の後、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、ステップ205において算出されたWSS損失値を、Nx1WSS減衰量設定ブロック135に送信する(ステップ207)。
そして、Nx1WSS減衰量設定ブロック135は、算出されたWSS損失値によって、Nx1WSS126に光信号の光レベルを制御させる。これによって、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、パスが切替わることなく通過する光信号に、光レベル一定制御を行う。
ステップ205の後、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、光レベル収束判定ブロック141によって取得された光レベルが収束しているか否かを判定する(ステップ208)。ここで、光レベル収束判定ブロック141は、s番目の波長の光信号が他の光ノードへ送信されないように、Nx1WSS126がs番目の波長の光信号を遮断している状態において、s番目の波長の光信号の光レベルを取得する。
具体的には、Nx1WSS126は、光ゲート処理実行フラグがONである場合、Nx1WSS減衰量演算ブロック140によって算出されたWSS損失値によって、s番目の波長の光信号の光レベルを低減する。ここで、Nx1WSS126は、OCM129が最小限の光レベルを測定できる程度の光レベルであり、かつ、他の光ノードが受信しない程度の光レベルに、s番目の波長の光信号の光レベルを低減する。
この時、s番目の波長の光信号が不安定な光レベルである場合、Nx1WSS126から出力される低レベルの光信号も不安定である。このため、OCM129がNx1WSS126から送信された低レベルの光信号を測定し、測定された光レベルと損失一定制御における目標光レベルとを比較することによって、光レベル収束判定ブロック141は、s番目の波長の光信号が一定値に収束したか否かを判定できる。
ステップ208において、光レベル収束判定ブロック141によって取得された光レベルが、損失一定制御における一定値に収束したと判定された場合、s番目の光信号に光レベル一定制御を行うため、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、自らが保持する光ゲート処理実行フラグを削除し、光ゲート処理実行フラグをOFFにする(ステップ209)。
ステップ208において、光レベル収束判定ブロック141によって取得された光レベルが、損失一定制御における目標光レベルに収束していないと判定された場合、前述の損失一定制御を継続するため、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、s番目の波長の光信号の光レベルのNx1WSS126におけるWSS損失値を算出する。そして、算出されたWSS損失値をNx1WSS減衰量設定ブロック135に送信する(ステップ210)。
ステップ207、ステップ209、又は、ステップ210の後、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、引数sの値が光信号の最大波長多重数と一致しているか否かを判定する(ステップ211)。Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、光信号の最大波長多重数を、管理者等によってあらかじめ指定される。
引数sの値が光信号の最大波長多重数と一致しない場合、光信号の波長のうち、s番目以外の波長の光信号にもステップ203〜ステップ210の処理を実行するため、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、ステップ202に戻る。
引数sの値が光信号の最大波長多重数と一致する場合、光信号のすべての波長にステップ203〜ステップ210の処理を実行したため、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、ステップ201に戻る。これによって、Nx1WSS減衰量演算ブロック140は、光信号のすべての波長に、繰り返しステップ203〜ステップ210の処理を実行する。
前述の処理によってNx1WSS減衰量演算ブロック140は、各波長の光信号が安定した場合、ステップ208及びステップ209において、光ゲート処理実行フラグをOFFにするため、待機時間3を待機することなく、光信号を通過させることができる。
第1の実施形態によれば、光スイッチ切替指示を、待機時間を待つことなく送信するため、パス開通時間を短縮できる。また、光ノードに並行にパスを切替えさせるため、光信号が通過するまでの待機時間を短縮できる。また、パスが開通する光ノードのうちの一つにおいて、光信号を遮断するため、パスの終点となるトランスポンダにおけるオーバーシュートを未然に防ぐことができる。
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態のOSS114が待機時間を待つことなく各光ノードに光スイッチ切替指示を送信する処理を示すシーケンス図である。
図7におけるOSS114は、図1に示す光ネットワークの光信号のパスにおいて、光信号が最後に通過する光スイッチ(本実施形態におけるWSS)を有する光ノードに光ゲート処理実行フラグを送信する。また、パス開通処理が開始された後、A局〜D局へ光スイッチ切替指示を送信する。
図7におけるA局〜E局は、図1に示す光ネットワークに備わる。また、A局、B局、及び、E局は、ポート数N=2のOXC装置103−1、又は、OXC装置103−2である。C局は、ポート数N=4のOXC装置103−1、又は、OXC装置103−2である。D局は、ポート数N=2のOXC装置103−2である。
図7に示す処理と図5に示す処理とは、以下に示す相違点以外、同じ処理である。
図7に示す処理と図5に示す処理との相違点は、D局に光ゲート処理実行フラグを送信する点である。光ゲート処理実行フラグが送信された場合、D局は、待機時間4の間、光信号を遮断する。待機時間4は、A局〜C局のNx1WSS126のパスが切り替わり、安定した光信号を出力できるようになり、D局のNx1WSS126の入力光信号が安定するまでの時間である。
第2の実施形態のように、光信号が通過するパスのうち、光信号が最後に通過する光スイッチを有する光ノードに、光ゲート処理実行フラグを送信した場合、光ゲート処理実行フラグが送信された光ノードは、後続の光ノード(E局)のトランスポンダにおけるオーバーシュートの発生を、未然に防ぐことができる。
すなわち、光信号は、E局において光スイッチを通過せずに分岐されるため、光ゲート処理実行フラグが送信された光ノードは、E局のトランスポンダに第1の実施形態よりも安定した光信号を送信することができる。
なお、第2の実施形態のD局は、待機時間4の経過後に光信号を通過させたが、図6に示す損失一定制御を行うことによって、待機時間4を経過する前に光信号を通過させてもよい。
(第3の実施形態)
図8は、本発明の第3の実施形態のOSS114が待機時間を待つことなく各光ノードに光スイッチ切替指示を送信する処理を示すシーケンス図である。
図8におけるOSS114は、図1に示す光ネットワークの光信号のパスにおいて、複数の光ノードに光ゲート処理実行フラグを送信する。また、パス開通処理が開始された後、A局〜D局へ光スイッチ切替指示を送信する。
図8におけるA局、B局、及びE局は、ポート数N=2のOXC装置103−1、又は、OXC装置103−2である。また、図8におけるC局は、ポート数Nが4であるOXC装置103−2であり、D局は、ポート数Nが2であるOXC装置103−2である。
図8に示す処理と図5に示す処理とは、以下に示す相違点以外、同じ処理である。
図8に示す処理と図5に示す処理との相違点は、C局及びD局に光ゲート処理実行フラグを送信する点である。光ゲート処理実行フラグを送信された場合、C局は、待機時間5の間、光信号を遮断する。待機時間5は、A局〜B局のNx1WSS126のパスが切り替わり、安定した光信号を出力できるようになり、C局のNx1WSS126の入力光信号が安定するまでの時間である。
また、D局は、光ゲート処理実行フラグを受信した場合、C局のNx1WSS126が安定した光信号を送信するまでの待機時間5と、C局のNx1WSS126から出力される光信号が安定し、D局のNx1WSS126の入力光信号が安定するまでの待機時間6とを加算した時間、光信号を遮断する。待機時間5及び待機時間6は、あらかじめ管理者等によって定められた所定の時間でもよい。
これによって、A局及びB局を通過した光信号が不安定であっても、C局及びD局によって光信号が遮断されるため、E局に不安定な光信号が送信されない。すなわち、光信号が送信されるパスの末端のトランスポンダにおけるオーバーシュートの発生を未然に防ぎ、かつ、光信号が通過する光ノードにおけるオーバーシュートも未然に防ぐことができる。
第3の実施形態において、D局が光信号を遮断する時間は、C局のNx1WSS126から出力される光信号が安定する待機時間5と、D局のNx1WSS126から出力される光信号が安定する待機時間6との合計値である。このため、第3の実施形態における光信号を遮断する時間は、第1及び第2の実施形態における光信号を遮断する時間よりも長い。しかし、複数の光ノードに光ゲート処理実行フラグを送信することによって、光信号のパスの途中において発生するオーバーシュートを、未然に防ぐことができる。
このため、光信号のパスの途中において発生するオーバーシュートが、光ネットワークの伝送品質に影響を及ぼすような場合、第3の実施形態を用いることによって、伝送品質の劣化を防ぐことができる。
なお、図8において、OSS114は、C局及びD局の二つの光ノードに、光ゲート処理実行フラグを送信したが、例えば、B局及びD局の二つの光ノード、又は、B局、C局及びD局の三つの光ノードに、光ゲート処理実行フラグを送信してもよい。
また、OSS114は、例えば、光信号が通過する光ノードが多数である場合、五つ毎など、定められた個数毎の光ノードに光ゲート処理実行フラグを送信してもよい。これによって、光ゲート処理実行フラグが送信された光ノードは、安定した光信号を後続の光ノードに送信することができる。そして、各光ノードにおける光信号のオーバーシュートを未然に防ぐことができる。
第3の実施形態によれば、光信号のパスの途中に配置された光ノードにおいても、オーバーシュートの発生を防ぐことができる。
(第4の実施形態)
図9は、本発明の第4の実施形態の光信号を遮断するOXC装置103−2の物理的構成を示すブロック図である。
図9に示すOXC装置103−3は、光信号を分岐する直前に、光信号を遮断する機能を有する。
図9に示すOXC装置103−3と図2に示すOXC装置103−1との相違点は、OXC装置103−1が有する1xN光カプラ125の代わりに、OXC装置103−3が1xNWSS127を有する点である。また、OXC装置103−3が1xNWSS127を制御するための1xNWSS切替制御部143を有する点である。また、OXC装置103−3が、1xNWSS127の入力ポート側に、光カプラ113とOCM129とを有する点である。
1xNWSS127は、入力ポートが一つであり、出力ポートがN個である光スイッチである。1xNWSS127の入力ポート側に配置される光カプラ113及びOCM129は、Nx1WSS126の出力ポート側に配置される光カプラ113及びOCMと同じである。また、1xNWSS切替制御部143が有する光レベルモニタ結果受信ブロック133は、光レベル一定制御部131が有する光レベルモニタ結果受信ブロック133と同じである。
OXC装置103−3のプロセッサ118−2は、ノード監視制御機能部116から光スイッチ切替指示を受信した場合、光レベル一定制御部131、及び、1xNWSS切替制御部143に受信した光波長パス設定を送信する。また、ノード監視制御機能部116から光ゲート処理実行フラグを受信した場合、1xNWSS切替制御部143に受信した光ゲート処理実行フラグを送信する。
1xNWSS切替制御部143は、光レベルモニタ結果受信ブロック133、1xNWSSパス設定受信ブロック144、光レベル収束判定ブロック145、及び、1xNWSS切替制御ブロック146を有する。
1xNWSSパス設定受信ブロック144は、プロセッサ118−2を介して、ノード監視制御機能部116から光波長パス設定と光ゲート処理実行フラグとを受信した場合、受信した光波長パス設定と光ゲート処理実行フラグとを、1xNWSS切替制御ブロック146に送信する。光レベルモニタ結果受信ブロック133は、OCM129によって取得された全波長分の光レベルモニタ結果を受信する。
光レベル収束判定ブロック145は、光レベルモニタ結果受信ブロック133から受信した光レベルモニタ結果と、1xNWSS127へ入力される光信号の目標光レベルとの差分を算出する。そして、算出された差分が一定の範囲内に入っているか否かを判定し、算出された差分が一定の範囲内に入っている場合、光レベルが一定値に収束していると判定する。そして、判定結果を、1xNWSS切替制御ブロック146に送信する。
1xNWSS127へ入力される光信号の目標光レベルは、管理者等によってあらかじめ指定され、光レベル収束判定ブロック145に保持される。
なお、光レベル収束判定ブロック145は、1xNWSSパス設定受信ブロック144から、光波長パス設定と光ゲート処理実行フラグとを受信し、光波長パス設定に含まれる波長の光レベルの光信号が、光ゲート処理実行フラグを保持している間、一定値に収束しているか否かを判定してもよい。この場合、光レベル収束判定ブロック145は、1xNWSS切替制御ブロック146が光ゲート処理実行フラグを削除する際に、光レベル収束判定ブロック145に送信された光ゲート処理実行フラグも削除する。
1xNWSS切替制御ブロック146は、受信した光波長パス設定に従って、1xNWSS127にパスを切替えさせる。また、1xNWSS切替制御ブロック146は、光ゲート処理実行フラグを受信した場合、1xNWSS127の直前における光レベルが一定値に収束するまで、光波長パス設定によって指定された、パスが切り替わる波長の光信号を、1xNWSS127に遮断させる機能を有する。
1xNWSS切替制御ブロック146は、例えば、光ゲート処理実行フラグを受信した場合、1xNWSS127の直前における光レベルが一定値に収束するまで1xNWSS127へのパスの切替指示を停止し、光信号の光レベルを最小にするなどによって、1xNWSS127に光信号を遮断させてもよい。
また、図9に示す1xNWSS切替制御ブロック146は、光ゲート処理実行フラグを受信した場合、光ゲート処理実行フラグがONであることを示す情報を保持する。
以下において、1xNWSS切替制御ブロック146において光ゲート処理実行フラグがONであることを示す情報を保持する場合、光ゲート処理実行フラグがONであると記載する。また、1xNWSS切替制御ブロック146が光ゲート処理実行フラグを削除し、光ゲート処理実行フラグがOFFであることを示す情報を保持する場合、光ゲート処理実行フラグがOFFであると記載する。
なお、1xNWSS切替制御部143に送信される光波長パス設定は、光信号を通過又は分岐させる指示が含まれてもよい。また、1xNWSS切替制御部143は、図2に示す光レベル一定制御部131と同じ装置であっても、本実施形態の処理を実行可能である。
図10は、本発明の第4の実施形態のOSS114が待機時間を待つことなく各光ノードに光スイッチ切替指示を送信する処理を示すシーケンス図である。
図10におけるOSS114は、図1に示す光ネットワークの光信号のパスにおいて、C局に光ゲート処理実行フラグを送信する。また、パス開通処理が開始された後、A局〜E局へ光スイッチ切替指示を送信する。
図10におけるA局〜E局は、図1に示す光ネットワークに備わる。また、A局、B局、D局、及び、E局は、ポート数N=2のOXC装置103−3である。C局は、ポート数N=4のOXC装置103−3である。
なお、A局、B局、D局及びE局は、第1の実施形態のOXC装置103−1、又は、OXC装置103−2でもよい。A局、B局、D局及びE局が第1の実施形態のOXC装置103−1、又は、OXC装置103−2である場合、光波長パス設定には、1xNWSS127のパスの切替えを示す情報は含まれない。
各局のOXC装置103−3は、二つのWSS(1xNWSS127及びNx1WSS126)を有する。このため、光波長パス設定には、1xNWSS127及びNx1WSS126への指示が含まれる
OSS114は、パス開通処理を開始した場合、A局のノード監視制御機能部116を介して、A局の光インタフェース機能部128が有するトランスポンダに発光を指示する。そして、A局のトランスポンダが安定するまでの待機時間1を待機した後、A局〜E局に光スイッチ切替指示を送信する。
ここで、OSS114は、前述の待機時間2を待機することなく、A局〜E局に光スイッチ切替指示を送信する。図10のOSS114は、図9のOSS114と同じく、A局〜E局への送信が待機時間を待つことなく行われれば、いかなる処理によって光スイッチ切替指示を送信してもよい。
OSS114が、待機時間を待つことなく、A局〜E局に光スイッチ切替指示を送信することによって、前述の待機時間2を待つ必要がないため、OSS114は、パス開通時間を短縮することができる。
OSS114から各局に送信される光スイッチ切替指示には、特定の波長の光信号を、A局のNx1WSS126に挿入させ、B局〜D局の1xNWSS127及びNx1WSS126に通過させ、E局の1xNWSS127に分岐させる指示が含まれる。また、OSS114は、光ゲート処理実行フラグを付加された光スイッチ切替指示を、C局に送信する。
なお、OSS114は、光ネットワークにおけるすべての光ノードの構成情報をあらかじめ保持し、第1の実施形態と同じく、光スイッチ切替指示に光ゲート処理実行フラグを付加する。
A局〜E局が光スイッチ切替指示を受信した場合、A局〜D局のNx1WSS126及びB局〜E局の1xNWSS127は、光スイッチ切替指示に従って、パスを切り替える。A局〜E局によるパスの切替えの処理は、並行して行われる。また、C局の1xNWSS127及びNx1WSS126は、C局が光スイッチ切替指示に付加された光ゲート処理実行フラグを受信した場合、待機時間7の間、光信号のパスを切替える。
また、C局の1xNWSS切替制御ブロック146は、待機時間7の間、1xNWSS127に光信号を遮断させる。そして、待機時間7の経過後、光ゲート処理実行フラグを削除し、光信号を通過させる。
待機時間7は、C局の1xNWSS127の入力光信号が安定することにより、結果としてC局の1xNWSS127が安定した光信号を送信できるようになるまでの時間であり、あらかじめ管理者等によって定められた所定の時間である。すなわち、待機時間7は、A局〜B局の光スイッチがパスを切り替え、安定した光信号を出力できるようになるまでの時間である。
待機時間7は、光ゲート処理実行フラグに含まれてもよく、C局の1xNWSS切替制御ブロック146は、光ゲート処理実行フラグに含まれた待機時間7の間、1xNWSS127に光信号を遮断させてもよい。
なお、C局は、待機時間7の途中において、光信号の光レベルが一定値に収束したか、すなわち安定したか否かを判定し、光レベルが安定した場合、光信号のD局への送信を開始してもよい。これによって、光信号を後続の光ノード(D局)に送信するまでの時間を短縮することができる。
図11は、本発明の第4の実施形態の1xNWSS切替制御部143が光信号を遮断する処理を示すフローチャートである。
図11は、1xNWSS127が光信号の光レベルが安定するまで光信号を遮断し、光信号の光レベルが一定になった後に、パスを切替え、光信号を通過させる処理を示す。
図11における引数sは、波長番号のカウンタを示す。図9に示す光ノードの1xNWSS切替制御ブロック146は、光波長パス設定及び光ゲート処理実行フラグを受信した場合、図11に示す処理を開始する(ステップ220)。ここで、1xNWSS切替制御ブロック146は、光ゲート処理実行フラグがONであることを示す情報を保持する。
ステップ220の後、OXC装置103−3の1xNWSS切替制御ブロック146は、引数sに初期値を格納する(ステップ221)。本実施形態における初期値は、0である。
ステップ221の後、1xNWSS切替制御ブロック146は、光信号の波長毎に図11に示す処理を実行するため、引数sに1を加算する(ステップ222)。ステップ222の後、1xNWSS切替制御ブロック146は、ノード監視制御機能部116から送信された光波長パス設定に、s番目の波長がパスを切替えるべき光信号の波長として含まれているか否かを判定する(ステップ223)。
ノード監視制御機能部116から送信された光波長パス設定に、s番目の波長がパスを切替えるべき光信号の波長として含まれている場合、1xNWSS切替制御ブロック146は、自らのOXC装置103−3において光信号を遮断する必要があるか否かを判定するため、ステップ224に移行する。
ノード監視制御機能部116から送信された光波長パス設定に、s番目の波長がパスを切替えるべき光信号の波長として含まれていない場合、1xNWSS切替制御ブロック146は、s番目の波長の光信号を遮断しないため、ステップ228に移行する。
ステップ223の後、1xNWSS切替制御ブロック146は、光ゲート処理実行フラグがONであるか否かを判定する(ステップ224)。
光ゲート処理実行フラグがONである場合、1xNWSS切替制御ブロック146は、光信号の光レベルが一定になっているか否かを判定するため、ステップ226に移行する。光ゲート処理実行フラグがONである場合に、ステップ226に移行することによって、1xNWSS切替制御ブロック146は、光信号を1xNWSS127に遮断させることができる。
光ゲート処理実行フラグがONではない場合、すなわち、光ゲート処理実行フラグがOFFである場合、1xNWSS切替制御ブロック146は、光信号を遮断する必要がない。このため、1xNWSS切替制御ブロック146は、光波長パス設定によって指定された波長の光信号が通過できるようするため、1xNWSS127にパスの切替えを指示する(ステップ225)。
ステップ224の後、1xNWSS切替制御ブロック146は、光レベル収束判定ブロック145から送信された情報に基づいて、光レベルモニタ結果受信ブロック133によって取得された、s番目の波長の光信号の光レベルが一定値に収束したか否かを判定する(ステップ226)。光レベルモニタ結果受信ブロック133によって取得された光レベルが一定値に収束した場合、1xNWSS切替制御ブロック146は、光ゲート処理実行フラグを削除し、光ゲート処理実行フラグがOFFであることを示す情報を保持する(ステップ227)。
これによって、1xNWSS切替制御ブロック146は、1xNWSS127に送信される光信号が不安定である場合、1xNWSS127にパスを切替える指示を送信しないことによって、1xNWSS127において、s番目の波長の光信号を遮断する。一方で、1xNWSS127に送信される光信号が安定している場合、1xNWSS127にパスを切替える指示を送信し、1xNWSS127にs番目の波長の光信号を通過させる。
ステップ226において、光レベルが一定値に収束していないと判定された場合、1xNWSS切替制御ブロック146は、s番目の波長の光信号の遮断を1xNWSS127に継続させるため、ステップ228に移行する。
ステップ225、ステップ227、又は、ステップ226の後、1xNWSS切替制御ブロック146は、引数sの値が光信号の最大波長多重数と一致しているか否かを判定する(ステップ228)。1xNWSS切替制御ブロック146は、光信号の最大波長多重数を、管理者等によってあらかじめ指定される。
引数sの値が光信号の最大波長多重数と一致していない場合、光信号の波長のうち、s番目以外の波長の光信号にもステップ223〜ステップ227の処理を実行するため、1xNWSS切替制御ブロック146は、ステップ222に戻る。
引数sの値が光信号の最大波長多重数と一致している場合、光信号のすべての波長にステップ223〜ステップ227の処理を実行したため、1xNWSS切替制御ブロック146は、ステップ221に戻る。これによって、1xNWSS切替制御ブロック146は、光信号のすべての波長に、繰り返しステップ223〜ステップ227の処理を実行できる。
前述の処理によって1xNWSS切替制御ブロック146は、各波長の光信号が安定した場合、ステップ226及びステップ227において、光ゲート処理実行フラグをOFFにすることができるため、待機時間7を待機することなく、光信号を通過させることができる。
(第5の実施形態)
第4の実施形態におけるOXC装置103−3は、1xNWSS127の入力ポート側に1xNWSS切替制御部143を有するため、パスの末端の光ノードに配置されることによって、光信号がトランスポンダに送信される直前に光信号を遮断することができる。
図12は、本発明の第5の実施形態のOSS114が待機時間を待つことなく各光ノードに光スイッチ切替指示を送信する処理を示すシーケンス図である。
図12におけるOSS114は、図1に示す光ネットワークの光信号のパスにおいて、光信号が最後に通過する光スイッチを有する光ノードに光ゲート処理実行フラグを送信する。すなわち、E局に光ゲート処理実行フラグを送信する。また、パス開通処理が開始された後、A局〜E局へ光スイッチ切替指示を送信する。
図12におけるA局〜E局は、図1に示す光ネットワークに備わる。また、A局、B局、D局及びE局は、ポート数N=2のOXC装置103−3である。C局は、ポート数N=4のOXC装置103−3である。
なお、A局〜D局は、第1の実施形態のOXC装置103−1、又は、OXC装置103−2でもよい。A局〜D局が第1の実施形態のOXC装置103−1、又は、OXC装置103−2である場合、A局〜D局に送信される光波長パス設定には、1xNWSS127のパスの切替えを示す情報は含まれない。
図12に示す処理と図10に示す処理とは、以下に示す相違点以外、同じ処理である。
図12に示す処理と図10に示す処理との相違点は、E局に光ゲート処理実行フラグを送信する点である。光ゲート処理実行フラグが送信された場合、E局は、待機時間8の間、光信号を遮断する。待機時間8は、A局〜D局のNx1WSS126及びB局〜D局の1xNWSS127のパスが切り替わり、E局の1xNWSS127の入力光信号が安定するまでの時間である。
第5の実施形態によれば、光信号が通過するパスのうち、光信号が最後に通過する光スイッチを有する光ノードに光ゲート処理実行フラグを送信することによって、光信号を受信するトランスポンダにおけるオーバーシュートの発生を、未然に防ぐことができる。
すなわち、光信号が分岐される直前に、安定した光信号が送信されるまで光信号が遮断されるため、光ゲート処理実行フラグが送信された光ノードは、E局のトランスポンダに第4の実施形態よりも安定した光信号を送信することができる。
なお、第5の実施形態のE局は、待機時間8の経過後に光信号を分岐させたが、図11に示す処理を行うことによって、待機時間8を経過する前に光信号を分岐させてもよい。
(第6の実施形態)
図13は、本発明の第6の実施形態のOSS114が待機時間を待つことなく各光ノードに光スイッチ切替指示を送信する処理を示すシーケンス図である。
図13におけるOSS114は、図1に示す光ネットワークの光信号のパスにおいて、複数の光ノードに光ゲート処理実行フラグを送信する。また、パス開通処理が開始された後、A局〜E局へ光スイッチ切替指示を送信する。
図13におけるA局〜E局は、図1に示す光ネットワークに備わる。また、A局、B局、D局及びE局は、ポート数N=2のOXC装置103−3である。C局は、ポート数N=4のOXC装置103−3である
なお、A局、B局及びD局は、第1の実施形態のOXC装置103−1、又は、OXC装置103−2でもよい。A局、B局及びD局が第1の実施形態のOXC装置103−1、又は、OXC装置103−2である場合、A局、B局及びD局に送信される光波長パス設定には、1xNWSS127のパスの切替えを示す情報は含まれない。
図13に示す処理と図10に示す処理とは、以下に示す相違点以外、同じ処理である。
図13に示す処理と図10に示す処理との相違点は、C局及びE局に光ゲート処理実行フラグを送信する点である。光ゲート処理実行フラグを送信された場合、C局は、待機時間9の間、光信号を遮断する。待機時間9は、A局〜B局のNx1WSS126、並びに、B局の1xNWSS127のパスが切り替わり、C局の1xNWSS127の入力光信号が安定するまでの時間である。
また、E局は、光ゲート処理実行フラグを受信した場合、C局の1xNWSS127の入力光信号が安定するまでの待機時間9と、C局、D局のNx1WSS126、並びに、C局及びD局の1xNWSS127から出力される光信号が安定し、E局の1xNWSS127の入力光信号が安定するまでの待機時間10とを加算した時間、光信号を遮断する。待機時間9及び待機時間10は、あらかじめ管理者等によって定められた所定の時間である。
これによって、A局及びB局を通過した光信号が不安定であっても、C局及びE局によって光信号が遮断されるため、E局のトランスポンダに不安定な光信号が送信されない。すなわち、光信号が送信されるパスの末端のトランスポンダにおけるオーバーシュートの発生を未然に防ぎ、かつ、光信号が通過する光ノードにおけるオーバーシュートも未然に防ぐことができる。
第6の実施形態において、E局が光信号を遮断する時間は、C局の1xNWSS127から出力される光信号が安定する待機時間9と、E局の1xNWSS127から出力される光信号が安定する待機時間10との合計値である。このため、第6の実施形態における光信号を遮断する時間は、第4及び第5の実施形態における光信号を遮断する時間よりも長い。しかし、複数の光ノードに光ゲート処理実行フラグを送信することによって、光信号のパスの途中において発生するオーバーシュートを、未然に防ぐことができる。
このため、光信号のパスの途中において発生するオーバーシュートが、光ネットワークの伝送品質に影響を及ぼすような場合、第6の実施形態を用いることによって、伝送品質の劣化を防ぐことができる。
なお、図13において、OSS114は、C局及びE局の二つの光ノードに光ゲート処理実行フラグを送信したが、例えば、B局及びE局、又は、B局及びD局の二つの光ノードに光ゲート処理実行フラグを送信してもよい。
また、第1〜第6の実施形態は、一つの光ネットワークにおいて実施されてもよい。例えば、E局が第1の実施形態のOXC装置103−2であり、D局が第4の実施形態のOXC装置103−3であり、OSS114が光ゲート処理実行フラグをD局に送信してもよい。また、光ゲート処理実行フラグが送信される複数の光ノードに、第1の実施形態のOXC装置103−2、及び、第4の実施形態のOXC装置103−3が含まれてもよい。
本実施形態によれば、光スイッチ切替指示を、待機時間を待つことなく送信するため、パス開通時間を短縮できる。また、光ノードに並行にパスを切替えさせるため、光信号が通過するまでの待機時間を短縮できる。また、パスが開通する光ノードのうちの一つにおいて、光信号を遮断するため、パスの終点となるトランスポンダにおけるオーバーシュートを未然に防ぐことができる。