JP2002261431A - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板の製造方法

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JP2002261431A
JP2002261431A JP2001209956A JP2001209956A JP2002261431A JP 2002261431 A JP2002261431 A JP 2002261431A JP 2001209956 A JP2001209956 A JP 2001209956A JP 2001209956 A JP2001209956 A JP 2001209956A JP 2002261431 A JP2002261431 A JP 2002261431A
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Yoshinori Wakihara
義範 脇原
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    • H01L2924/1531Connection portion the connection portion being formed only on the surface of the substrate opposite to the die mounting surface
    • H01L2924/15312Connection portion the connection portion being formed only on the surface of the substrate opposite to the die mounting surface being a pin array, e.g. PGA

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  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 相互間で短絡のない半田バンプを形成し、接
続性および信頼性に優れたプリント配線板を製造する方
法を提供すること。 【解決手段】 少なくとも下記(a)〜(e)の工程を
含む多層プリント配線板の製造方法。(a)ソルダーレ
ジスト層114上に、樹脂組成物を塗布することにより
レジスト用樹脂層111を形成するレジスト用樹脂層形
成工程、(b)上記レジスト用樹脂層に露光・現像処
理、または、レーザ処理を施し、半田バンプ形成用開口
106部分に上記開口と連通した貫通孔113を有する
半田ペースト印刷用レジスト112を形成するレジスト
形成工程、(c)上記半田ペースト印刷用レジストを介
して、半田バンプ形成用開口に半田ペースト115を印
刷する半田ペースト印刷工程、(d)上記(c)の工程
で印刷した半田ペーストにリフロー処理を施し、半田バ
ンプ117を形成する半田バンプ形成工程、および、
(e)半田ペースト印刷用レジストを剥離または除去す
るレジスト除去工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソルダーレジスト
層が有する半田バンプ形成用開口に半田ペーストを印刷
する方法に特徴を有する多層プリント配線板の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】いわゆる多層ビルドアップ配線基板と呼
ばれる多層プリント配線板は、セミアディティブ法等に
より製造されており、コアと呼ばれる0.5〜1.5m
m程度のガラスクロス等で補強された樹脂基板の上に、
銅等による導体回路と層間樹脂絶縁層とを交互に積層す
ることにより作製される。この多層プリント配線板の層
間樹脂絶縁層を介した導体回路間の接続は、バイアホー
ルにより行われている。
【0003】従来、ビルドアップ多層プリント配線板
は、例えば、特開平9−130050号公報等に開示さ
れた方法により製造されている。すなわち、まず、銅箔
が貼り付けられた銅張積層板に貫通孔を形成し、続いて
無電解銅めっき処理を施すことによりスルーホールを形
成する。続いて、基板の表面をフォトリソグラフィーの
手法を用いて導体パターン状にエッチング処理して導体
回路を形成する。次に、形成された導体回路の表面に、
無電解めっきやエッチング等により粗化面を形成し、そ
の粗化面を有する導体回路上に絶縁樹脂層を形成した
後、露光・現像処理を行ってバイアホール用開口を形成
し、その後、UV硬化、本硬化を経て層間樹脂絶縁層を
形成する。
【0004】さらに、層間樹脂絶縁層に酸や酸化剤等に
より粗化形成処理を施した後、薄い無電解めっき膜を形
成し、この無電解めっき膜上にめっきレジストを形成し
た後、電解めっきにより厚付けを行い、めっきレジスト
剥離後にエッチングを行って、下層の導体回路とバイア
ホールにより接続された導体回路を形成する。これを繰
り返した後、最後に導体回路を保護するためのソルダー
レジスト層を形成し、ICチップ等の電子部品やマザー
ボード等との接続のために開口を露出させた部分にめっ
き等を施して半田バンプ形成用パッドとした後、ICチ
ップ等の電子部品実装側に半田ペーストを印刷して半田
バンプを形成することにより、ビルドアップ多層プリン
ト配線板を製造する。また、必要に応じて、マザーボー
ド接続側にも半田バンプを形成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】半田バンプ、特にフリ
ップチップ用半田バンプは、半田バンプ形成用開口に対
向する部分に開口を有するマスクを載置した後、半田ペ
ーストを印刷することにより形成する。
【0006】しかしながら、マスクを用いて半田ペース
トを印刷する方法では、マスクが有する開口の径等によ
っては、半田ペーストの抜け性が悪く、版離れ時に、半
田ペーストがマスクの裏側に回り込み、ソルダーレジス
ト層の表面に滲んでしまうことがあった。この場合、リ
フロー処理時の熱でソルダーレジスト層表面の半田ペー
ストが流動し、近接する半田バンプ形成用開口に充填し
た半田ペーストと繋がり、半田バンプ間の短絡の原因に
なることがあった。また、ソルダーレジスト層表面の半
田ペーストを介して、隣接する半田バンプ形成用開口内
の半田ペースト同士が繋がった場合には、半田バンプ形
成用開口内に充填した半田ペーストがリフロー処理時に
流動して隣の半田バンプ形成用開口内に移動し、その結
果、半田未充填の半田バンプ形成用開口や、半田充填量
が多過ぎる半田バンプ形成用開口が形成されることがあ
った。さらに、多層プリント配線板の高密度化に伴い、
半田バンプ形成用開口間の距離が短くなっているにもか
かわらず、充填する半田ペーストの量はさほど減少して
おらず、半田バンプ形成用開口に半田ペーストを充填す
る際に、より半田ペーストの滲みが発生しやすくなって
いる。
【0007】また、マスクを用いて半田ペーストを印刷
する方法では、基板とマスクとの間で位置合わせを行な
わなければならないが、ソルダーレジスト層の硬化収縮
に起因する半田パッドやターゲットマークの位置ズレに
より、半田バンプ形成用開口とマスクが有する開口部と
の間で位置ズレが発生してしまうことがあった。また、
ソルダーレジスト層上には、通常、若干の凹凸が存在
し、この凹凸によりマスクとソルダーレジスト層との間
に隙間ができるため、ソルダーレジスト層の表面に半田
ペーストが滲んでしまうことがあった。
【0008】さらに、近年の半導体、プリント基板等の
電子部品の高密度化、高集積化に伴い、多層プリント配
線板の半田バンプも狭ピッチ化、ファイン化が進行して
いるため、半田バンプ形成時に用いる印刷用マスクにお
いても、その開口部間のピッチも狭くする必要があっ
た。しかしながら、開口部間のピッチも狭くした場合、
マスクの機械的強度が弱くなり、半田ペーストを印刷す
る際に、マスクの破損や反りが発生するおそれがあっ
た。また、開口部間のピッチが狭い場合には、開口部の
形状をマスクの裏側に向かって拡径する形状のテーパを
有するものとすることができず、半田ペーストの抜け性
が不充分なことに起因して、半田ペースト印刷工程にお
いて不具合が多発していた。
【0009】加えて、高密度化、高集積化した多層プリ
ント配線板では、半田バンプは、平坦な導体回路上のみ
ならず、その少なくとも一部に窪みを有するバイアホー
ル上にも形成されている。このような、導体回路上の半
田バンプとバイアホール上の半田バンプとでは、これら
を形成する際に充填する半田ペーストの量が異なり、バ
イアホール上に半田バンプを形成する場合には、半田ペ
ーストを多量に充填しなければならなかった。そのた
め、マスクを介して、バイアホール上に半田ペーストを
充填する場合には、マスクに設ける開口部の径を大きく
したり、マスク圧(マスクを基板に押しつける圧力)を
変えたりする必要があったが、上述したようなマスクの
機械的強度が弱くなる等の理由により充分に対応するこ
とができなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題に
鑑みて鋭意研究した結果、ソルダーレジスト層上に、半
田バンプ形成用開口と連通した貫通孔を有する半田ペー
スト印刷用レジストを形成し、この半田ペースト印刷用
レジストを介して、半田バンプ形成用開口に半田ペース
トを印刷することにより、相互間で短絡がなく、外部接
続部品との接続信頼性に優れた半田バンプを有する多層
プリント配線板を製造することができることを見いだ
し、以下に示す内容を要旨構成とする発明に到達した。
【0011】即ち、本発明の多層プリント配線板の製造
方法は、導体回路を形成した基板上に、層間樹脂絶縁層
と導体回路とを積層形成した後、最上層の導体回路上
に、複数の半田バンプ形成用開口を有するソルダーレジ
スト層を設け、上記半田バンプ形成用開口に半田バンプ
を形成する多層プリント配線板の製造方法であって、少
なくとも下記(a)〜(e)の工程を含むことを特徴と
する。 (a)ソルダーレジスト層上に、樹脂組成物を塗布する
ことによりレジスト用樹脂層を形成するレジスト用樹脂
層形成工程、(b)上記レジスト用樹脂層に露光・現像
処理、または、レーザ処理を施し、半田バンプ形成用開
口部分に上記開口と連通した貫通孔を有する半田ペース
ト印刷用レジストを形成するレジスト形成工程、(c)
上記半田ペースト印刷用レジストを介して、半田バンプ
形成用開口に半田ペーストを印刷する半田ペースト印刷
工程、(d)上記(c)の工程で印刷した半田ペースト
にリフロー処理を施し、半田バンプを形成する半田バン
プ形成工程、および、(e)半田ペースト印刷用レジス
トを剥離または除去するレジスト除去工程。
【0012】本発明の多層プリント配線板の製造方法に
おいては、上記ソルダーレジスト層は、その底面が平坦
な半田バンプ形成用開口と、その底面の少なくとも一部
が窪んだ半田バンプ形成用開口とを有することが望まし
い。
【0013】また、上記多層プリント配線板の製造方法
においては、上記半田ペースト印刷工程の後、上記半田
ペースト印刷用レジスト上に残留した半田ペーストを除
去する残留ペースト除去工程を行うことが望ましい。
【0014】また、上記多層プリント配線板の製造方法
において、上記半田バンプ形成用開口の底面に露出する
金属層は、貴金属、スズ、または、ニッケルからなるこ
とが望ましい。
【0015】また、上記多層プリント配線板の製造方法
において、上記半田ペースト印刷用レジストは、熱硬化
性樹脂、感光性樹脂、または、これらの複合体からなる
ことが望ましい。
【0016】また、上記多層プリント配線板の製造方法
において、上記半田ペースト印刷用レジストの剥離また
は除去は、酸溶液、アルカリ溶液、または、有機溶媒を
用いて行うことが望ましい。
【0017】なお、特許第2861965号公報におい
ては、突起電極の先端部に第1の膜を形成し、次いで、
突起電極形成面に第2の膜を突起電極の基部が埋没する
ように形成し、この第2の膜が硬化した後に第1の膜を
除去する突起電極の形成方法が開示されている。この方
法は、半導体チップ等と接続するための電極を形成する
という点では共通しているものの、既に形成した電極の
上に樹脂等からなる膜を形成するものであり、樹脂等か
らなる複数の膜(半田ペースト印刷用レジスト)を形成
した後、電極となる半田バンプを形成する本発明の方法
とは、構成が全く異なり、これらの公報の存在により本
発明の新規性または進歩性が何ら阻却されるものではな
い。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の多層プリント配線板の製
造方法は、導体回路を形成した基板上に、層間樹脂絶縁
層と導体回路とを積層形成した後、最上層の導体回路上
に、複数の半田バンプ形成用開口を有するソルダーレジ
スト層を設け、上記半田バンプ形成用開口に半田バンプ
を形成する多層プリント配線板の製造方法であって、少
なくとも下記(a)〜(e)の工程を含むことを特徴と
する。 (a)ソルダーレジスト層上に、樹脂組成物を塗布する
ことによりレジスト用樹脂層を形成するレジスト用樹脂
層形成工程、(b)上記レジスト用樹脂層に露光・現像
処理、または、レーザ処理を施し、半田バンプ形成用開
口部分に上記開口と連通した貫通孔を有する半田ペース
ト印刷用レジストを形成するレジスト形成工程、(c)
上記半田ペースト印刷用レジストを介して、半田バンプ
形成用開口に半田ペーストを印刷する半田ペースト印刷
工程、(d)上記(c)の工程で印刷した半田ペースト
にリフロー処理を施し、半田バンプを形成する半田バン
プ形成工程、および、(e)半田ペースト印刷用レジス
トを剥離または除去するレジスト除去工程。
【0019】上記多層プリント配線板の製造方法では、
樹脂組成物を塗布することによりソルダーレジスト層上
に半田バンプ形成用開口と連通した貫通孔を有する半田
ペースト印刷用レジストを形成し、この半田ペースト印
刷用レジストを介して、半田バンプ形成用開口に半田ペ
ーストを印刷する。このため、充填された半田ペースト
は、半田ペースト印刷用レジストにより隔離された状態
となっており、この状態でリフロー処理を受けるため、
形成された半田バンプの相互間で短絡が発生することは
ない。従って、本発明によると、外部接続部品との接続
信頼性に優れた半田バンプを有する多層プリント配線板
を製造することができる。なお、本発明は、層間樹脂絶
縁層を介した導体回路間の接続をバイアホールによって
行うビルドアップ多層プリント配線板の製造方法のほぼ
最終工程に近い半田バンプの形成方法に特徴を有するも
のであるため、フルアディティブ法、セミアディティブ
法、サブトラ法、RCC法、コンフォーマル法、一括積
層法等の方法を本発明に適用することができる。また、
本発明では、この両主面に半田バンプが形成され、この
半田バンプを介して、他のプリント配線板や半導体チッ
プと接続する構造のBGA(Ball Grid Array )のみな
らず、一方の主面に形成された半田バンプに導電性ピン
を取り付けることにより製造されるPGA(Pin Grid A
rray)も製造の対象とする。ただし、PGAの場合に
は、半田ペーストを塗布した後、この半田ペーストをリ
フローする際に導電性ピンを接続する場合もある。
【0020】以下に、本発明の多層プリント配線板の製
造方法について説明する。なお、本発明の多層プリント
配線板の製造方法は、ソルダーレジスト層が有する半田
バンプ形成用開口内に半田ペーストを印刷する工程、即
ち、上記(a)〜(e)の工程に特徴を有するものであ
る。従って、ここではまず、この(a)〜(e)の工程
について、図面を参照しながら説明し、多層プリント配
線板を製造する全製造工程については、後に説明するこ
ととする。
【0021】図1(a)〜(e)は、本発明の多層プリ
ント配線板の製造方法における製造工程の一部を模式的
に示す部分断面図である。本発明の製造方法では、半田
バンプ形成用開口106を有するソルダーレジスト層1
14を形成した後、上記(a)の工程(レジスト用樹脂
層形成工程)を行い、ソルダーレジスト層114上に、
樹脂組成物を塗布することによりレジスト用樹脂層11
1を形成する(図1(a)参照)。上記樹脂組成物を塗
布する方法としては、例えば、未硬化の樹脂組成物をロ
ールコーター、カーテンコーター等により塗布する方法
等を用いることができる。なお、図中、102は層間樹
脂絶縁層、105は導体回路、107はバイアホール、
116は半田パッドである。
【0022】本発明の多層プリント配線板の製造方法で
は、樹脂組成物を塗布することによりレジスト用樹脂層
111を形成するため、所望の形状の貫通孔を有する半
田ペースト印刷用レジストを形成することができ、後工
程を経て、高さの均一な半田バンプを形成することがで
きる。また、樹脂組成物を塗布することにより形成した
レジスト用樹脂層111は、ソルダーレジスト層114
の表面の凹凸に対する追従性に優れているため、レジス
ト用樹脂層とソルダーレジスト層との間に隙間が形成さ
れることもなく、当然、半田ペーストを印刷した際に、
ソルダーレジスト層の表面に半田ペーストが滲むことも
ない。
【0023】上記樹脂組成物に含まれる樹脂としては特
に限定されないが熱硬化性樹脂、感光性樹脂、または、
これらの複合体であることが望ましい。上記熱硬化性樹
脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等が
挙げられる。
【0024】上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビス
フェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂
等が挙げられる。上記ビスフェノール型エポキシ樹脂
は、A型やF型の樹脂を選択することにより、希釈溶媒
を使用しなくてもその粘度を調整することができ、上記
ノボラック型エポキシ樹脂は、高強度で耐熱性や耐薬品
性に優れ、熱分解もしにくいからである。
【0025】上記ビスフェノール型エポキシ樹脂として
は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノール
F型エポキシ樹脂が望ましく、低粘度でありかつ溶剤を
用いることなく使用することができる点からビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂がより望ましい。
【0026】また、上記ノボラック型エポキシ樹脂とし
ては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂およびクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂から選択される少なく
とも一種が望ましい。後述する工程で形成する、半田バ
ンプ形成用開口と連通した貫通孔の形状保持性がよいか
らである。
【0027】また、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂
と上記ノボラック型エポキシ樹脂とを混合して使用して
もよい。この場合、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂
と上記ノボラック型エポキシ樹脂との混合比は、1:1
〜1:100の範囲であることが望ましい。この範囲で
混合することにより、粘度の上昇を抑えることができる
からである。
【0028】上記感光性樹脂としては、例えば、上記熱
硬化性樹脂を感光化したものが挙げられる。具体的に
は、例えば、メタクリル酸やアクリル酸等を用い、熱硬
化基を(メタ)アクリル化反応させたものが挙げられ
る。これらのなかでは、エポキシ樹脂の(メタ)アクリ
レートが望ましく、1分子中に、2個以上のエポキシ基
を有するエポキシ樹脂がより望ましい。また、上記感光
性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂等も挙げられ
る。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用して
もよい。
【0029】上記複合体としては、上記熱硬化性樹脂と
感光性樹脂とを含むものであれば特に限定されず任意の
組成のものを用いることができる。また、上記複合体に
おいて、上記熱硬化性樹脂と感光性樹脂とは化学的に結
合したものであってもよく、単に上記熱硬化性樹脂と感
光性樹脂とが混在しているものであってもよい。
【0030】上記樹脂組成物は、上記樹脂成分以外に硬
化剤、添加剤、溶剤等が含まれていてもよい。上記硬化
剤としては特に限定されず、一般に使用される硬化剤を
用いることができる。具体的には、例えば、イミダゾー
ル系硬化剤、アミン系硬化剤等が挙げられる。
【0031】上記樹脂組成物は、樹脂粒子やゴム粒子等
の有機粒子、無機粒子、金属粒子等の粒子、光沢剤、反
応安定剤、光重合剤等の添加剤等を含んでいてもよい。
このような添加剤を適宜選択して配合することにより、
形成される半田ペースト印刷用レジストの熱膨張係数、
硬化度、難燃性等を調整することができるからである。
【0032】上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性
樹脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、具体的
には、例えば、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素樹脂、
グアナミン樹脂等)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹
脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ビスマレイミド
−トリアジン樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用
いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0033】上記ゴム粒子としては、例えば、アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム、ポリクロロプレンゴム、ポ
リイソプレンゴム、アクリルゴム、多硫系剛性ゴム、フ
ッ素ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ABS樹
脂、ポリブタジエンゴム、エポキシ変性、ウレタン変
性、(メタ)アクリロニトリル変性等の各種変性ポリブ
タジエンゴム、カルボキシル基を含有した(メタ)アク
リロニトリル・ブタジエンゴム等が挙げられる。これら
は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0034】上記無機粒子としては、例えば、アルミニ
ウム化合物、カルシウム化合物、カリウム化合物、マグ
ネシウム化合物、ケイ素化合物等が挙げられる。これら
は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0035】上記アルミニウム化合物としては、例え
ば、アルミナ、水酸化アルミニウム等が挙げられ、上記
カルシウム化合物としては、例えば、炭酸カルシウム、
水酸化カルシウム等が挙げられ、上記カリウム化合物と
しては、例えば、炭酸カリウム等が挙げられ、上記マグ
ネシウム化合物としては、例えば、マグネシア、ドロマ
イト、塩基性炭酸マグネシウム、タルク等が挙げられ、
上記ケイ素化合物としては、例えば、シリカ、ゼオライ
ト等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2
種以上併用してもよい。
【0036】上記金属粒子としては、例えば、金、銀、
銅、スズ、亜鉛、ステンレス、アルミニウム、ニッケ
ル、鉄、鉛等からなるものが挙げられる。これらは、単
独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0037】また、上記樹脂組成物は、溶剤を含んでい
てもよいが、溶剤を全く含まないものが望ましい。溶剤
を全く含まない樹脂組成物等では、硬化処理後に気泡が
発生しにくいからである。また、溶媒を含んでいる場
合、該溶剤としては、例えば、NMP(ノルマルメチル
ピロリドン)、DMDG(ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル)、グリセリン、シクロヘキサノール、シク
ロヘキサノン、メチルセルソルブ、メチルセルソルブア
セテート、メタノール、エタノール、ブタノール、プロ
パノール等が挙げられる。
【0038】また、この工程では、上記樹脂組成物を塗
布した後、必要に応じて、乾燥処理を施してもよい。上
記乾燥処理は、例えば、温度80〜250℃で、5〜6
0分間加熱することにより行えばよい。また、この工程
で形成するレジスト用樹脂層の厚さは特に限定されない
が、通常、5〜60μm程度である。このような厚さで
あれば、後工程で半田ペースト印刷用レジストとしての
役割を果たすのは勿論のこと、半田ペースト印刷後、剥
離または除去しやすいからである。なお、上記したよう
に樹脂組成物を塗布した後、乾燥処理を施す場合には、
例えば、10〜65μm程度の厚さで樹脂組成物を塗布
すればよい。
【0039】また、レジスト用樹脂層を形成するソルダ
ーレジスト層の半田バンプ形成用開口の底面には、貴金
属、スズ、または、ニッケルからなる金属層が露出して
いることが望ましい。後工程で、半田ペースト印刷用レ
ジストを剥離または除去する際に使用する溶液等による
腐食から導体回路を保護するためである。
【0040】また、上記金属層は、単層であってもよ
く、2層以上からなるものであってもよい。また、上記
金属層の材質としては、例えば、ニッケル−金、ニッケ
ル−銀、ニッケル−パラジウム、ニッケル−パラジウム
−金等が挙げられる。また、上記金属層の形成は、例え
ば、めっき、蒸着、電着等の方法を用いて行うことがで
きる。
【0041】上記半田バンプ形成用開口の底面に露出す
る金属層の厚さは、0.01〜5μmが望ましい。0.
01μm未満では、導体回路の表面に粗化層を設けた場
合に導体回路を完全に被覆することができず、一方、5
μmを超えても、上記した導体回路を保護する効果はほ
とんど変わらないからである。より望ましくは、0.0
5〜3μmである。
【0042】また、上記ソルダーレジスト層は、その底
面が平坦な半田バンプ形成用開口と、その底面の少なく
とも一部が窪んだ半田バンプ形成用開口とを有すること
が望ましい。ここで、その底面が平坦な半田バンプ形成
用開口とは、導体回路上に形成した半田バンプ形成用開
口であり、その底面の少なくとも一部が窪んだ半田バン
プ形成用開口とは、バイアホール上に形成した半田バン
プ形成用開口である。このように、導体回路上のみなら
ず、バイアホール上にも半田バンプ形成用開口を設ける
ことにより、後工程を経て多数の半田バンプを形成する
ことができ、多層プリント配線板の高密度化、高集積化
に対応することができる。
【0043】上記レジスト用樹脂層形成工程終了後、上
記(b)の工程(レジスト形成工程)を行う。この工程
では、上記(a)の工程で形成されたレジスト用樹脂層
に露光・現像処理、または、レーザ処理を施し、上記開
口と連通した貫通孔113を有する半田ペースト印刷用
レジストを形成する(図1(b)参照)。また、貫通孔
113の開口径は、図1に示す実施形態では、半田バン
プ形成用開口の開口径と略同一であるが、本発明の製造
方法で形成する半田バンプ形成用開口と連通した貫通孔
213の開口径は、半田バンプ形成用開口よりも大きく
てもよい(図2参照)。より確実に半田バンプ形成用開
口に半田ペーストを充填することができるからである。
【0044】特に、その底面の少なくとも一部が窪んだ
形状の半田バンプ形成用開口に半田ペーストを充填する
場合には、その底面が平坦な形状の半田バンプ形成用開
口に比べて、多量の半田ペーストを必要とするため、上
記貫通孔の開口径は、半田バンプ形成用開口よりも大き
いことが望ましい。また、本工程で形成する半田ペース
ト印刷用レジストでは、マスクと異なり、貫通孔の径を
大きくすることに伴う機械的強度の低下等の問題は発生
しない。なお、図2は、本発明の多層プリント配線板の
製造方法の製造工程の一部を説明するための部分断面図
である。
【0045】この工程では、露光・現像処理、または、
レーザ処理を施すことにより、貫通孔113を有する半
田ペースト印刷用レジストを形成する。具体的には、レ
ジスト用樹脂層を感光性樹脂を含む樹脂組成物を用いて
形成した場合には、露光・現像処理を施すことができ、
その他の場合には、レーザ処理を施す。勿論、感光性樹
脂を含む樹脂組成物を用いた場合に、レーザ処理を施す
ことにより半田ペースト印刷用レジストを形成してもよ
い。従って、ここでは、露光・現像処理によるレジスト
形成と、レーザ処理によるレジスト形成とを別々に説明
することとする。
【0046】(1)露光・現像処理によるレジスト形成 この場合には、上記(a)の工程で形成されたレジスト
用樹脂層上にマスクを載置した後、露光・現像処理を施
し、半田バンプ形成用開口部分に半田バンプ形成用開口
と連通した貫通孔を形成する。ここで、露光・現像条
件、即ち、露光波長、光量、現像液の種類等は特に限定
されず、レジスト用樹脂層の組成や形状等を考慮して適
宜選択すればよい。例えば、200〜1000mJ/c
2 の条件で紫外線を照射した後、炭酸ナトリウム水溶
液、DMTG(ジエチレングリコールトリメチルエーテ
ル)溶液等の現像液に浸漬するか、現像液をスプレイす
ることにより行う。また、半田バンプ形成用開口部分上
に形成されたレジスト用樹脂層を完全に除去するため、
現像処理を2回に分けて行ったり、現像液に超音波処理
を行いながら現像処理を行ってもよい。
【0047】(2)レーザ処理によるレジスト形成 この場合には、上記(a)の工程で形成されたレジスト
用樹脂層にレーザ処理を施し、半田バンプ形成用開口部
分に半田バンプ形成用開口と連通した貫通孔を形成す
る。このとき、使用するレーザとしては、例えば、炭酸
ガスレーザ、エキシマレーザ、UVレーザ、YAGレー
ザ等が挙げられる。これらのレーザは、形成する半田ペ
ースト印刷用レジストの形状等を考慮して使い分けても
よい。
【0048】上記レーザ処理を施す際に、マスクを介し
て、ホログラム方式のエキシマレーザによるレーザ光照
射することにより、一度に多数の半田ペースト印刷用レ
ジストを形成することができる。同一強度で、かつ、照
射角度が同一のレーザ光を複数の部分に同時に照射する
ことができるからである。
【0049】また、光学系レンズとマスクとを介してレ
ーザ光を照射することによっても、一度に多数の半田ペ
ースト印刷用レジストを形成することができる。光学系
レンズとマスクとを介することにより、同一強度で、か
つ、照射角度が同一のレーザ光を複数の部分に同時に照
射することができるからである。
【0050】上記マスクに形成された貫通孔は、レーザ
光のスポット形状を真円にするために、真円であること
が望ましく、上記貫通孔の径は、0.1〜2mm程度が
望ましい。また、上記炭酸ガスレーザを用いる場合、そ
のパルス間隔は、10-4〜10-8秒であることが望まし
い。また、開口を形成するためのレーザを照射する時間
は、10〜500μ秒であることが望ましい。レーザ光
にて半田バンプ形成用開口部分に半田バンプ形成用開口
と連通した貫通孔を形成した場合、特に炭酸ガスレーザ
を用いて貫通孔を形成した場合には、デスミア処理を行
うことが望ましい。また、上記露光・現像処理やレーザ
処理を施して半田バンプ形成用開口と連通した貫通孔を
形成する前、または、形成した後には、必要に応じて、
硬化処理を施してもよい。
【0051】このような露光・現像処理やレーザ処理に
より形成する半田ペースト印刷用レジストの開口径は、
半田バンプ形成用開口径の1.0〜2.0倍であること
が望ましい。半田バンプ形成用開口から露出した金属層
(半田パッド116)の形状によっては、半田バンプ形
成用開口を完全に充填するために多くの半田ペーストを
必要とする場合があるからである。上述した通り、導体
回路上に半田バンプ形成用開口を形成した場合には、半
田バンプ形成用開口底面に露出した金属層は、平坦であ
るのに対し、バイアホール上に半田バンプ形成用開口を
形成した場合には、半田バンプ形成用開口底面に露出し
た金属層は、その少なくとも一部(中央部)が窪んだ形
状であるため、半田バンプ形成用開口を完全に充填する
ために多くの半田ペーストを必要とする。
【0052】上記レジスト形成工程終了後、上記(c)
の工程(半田ペースト印刷工程)を行う。この工程で
は、上記(b)の工程で形成された半田ペースト印刷用
レジスト112を介して、半田バンプ形成用開口106
に半田ペースト115を印刷する(図1(c)参照)。
従って、この場合には、マスクを用いないで半田ペース
トの印刷を行う。
【0053】上記半田ペーストの印刷は、通常、印刷用
スキージや密閉式のスキージユニットを用いて行う。
【0054】上記印刷用スキージの材質は特に限定され
ず、例えば、ポリエチレン等のゴム;鉄、ステンレス等
の金属;セラミック等の一般に多層プリント配線板を製
造する際に用いられるスキージと同様の材質が挙げられ
る。これらのなかでは、弾力性を有し、基板表面の凹凸
(アンジュレーション)に対する追従性が高いため、よ
り確実に開口内に半田ペーストを印刷することができ、
しかも、半田ペースト印刷用レジスト上に半田ペースト
が残留しにくい点から硬度60°以上のゴムが望まし
い。
【0055】上記印刷用スキージの形状としては、平
型、角型等の種々の形状が挙げられる。上記形状のスキ
ージに、適時切れ込みを入れることにより半田ペースト
の充填性を向上させることもできる。上記スキージの厚
さは特に限定されないが、通常、10〜30mmが望ま
しく、15〜25mmがより望ましい。繰り返し印刷を
行っても、反りやたわみがないからである。また、金属
性のスキージの場合は、その厚さは50〜300μmが
望ましい。
【0056】上記密閉式のスキージユニットとしては、
例えば、エアー圧入型、ローラー圧入型、ピストン圧入
型等が挙げられる。特に隣合う半田バンプ同士の距離が
200μm以下の半田バンプを形成する場合には、密閉
式のスキージユニットを用いることが望ましい。通常の
スキージ印刷では、このような狭い間隔の半田バンプ形
成用開口に半田ペーストを印刷することが困難であるか
らである。また、上記密閉式のスキージユニットのなか
では、印刷圧力の安定性に優れる点からピストン圧入型
が望ましい。
【0057】上記半田ペースト印刷工程で用いる半田ペ
ーストとしては特に限定されず、一般に多層プリント配
線板の製造で使用されるものを用いることができる。具
体的には、例えば、Sn:Pb(重量比)=63:3
7、Sn:Pb:Ag=62:36:2、Sn:Ag=
96.5:3.5、Sn:Sb=95:5等からなるも
のや、SnとSbとPbとからなるもの、SnとAgと
Cuとからなるもの等が挙げられる。また、半田粒子の
粒子径は、2〜40μmが望ましく、5〜20μmがよ
り望ましい。
【0058】上記半田ペーストの融点は、180〜28
0℃の範囲であることが望ましい。上記範囲内であれ
ば、PGAの製造における導電性接続ピンの強度が20
N/pin以上となるからである。一方、融点が180
℃未満では、後工程のリフロー処理を経て形成した半田
バンプの形状保持性が弱く、フリップチップ実装でIC
チップを接続することができない場合があり、一方、2
80℃を超えると、半田ペースト印刷用レジストまたは
ソルダーレジスト層が溶解するおそれがあるからであ
る。より望ましくは200〜260℃である。また、導
電性接続ピンを接続する側の半田の融点は、ICチップ
を接続する側の半田バンプの半田の融点よりも高い方が
望ましい。ICチップをフリップチップに実装する際、
リフロー処理により導電性接続ピンの傾きや脱落を発生
させないからである。具体的には、ICチップを接続す
る側の半田バンプにSnとPbとからなるもの、導電性
接続ピンを接続する側にSnとSbとからなるものを用
いる場合等が挙げられる。
【0059】上記半田ペーストの粘度は、25℃におい
て、100〜300Pa・sであることが望ましい。上
記範囲内であれば、所望の形状に半田ペーストを印刷す
ることができ、形状の均一な半田バンプを形成すること
ができるからである。
【0060】また、この工程で半田ペースト印刷用レジ
スト上に半田ペーストが残留した場合には、該半田ペー
ストを除去する残留ペースト除去工程を行うことが望ま
しい。後工程のリフロー処理時の熱で半田ペースト印刷
用レジスト上に残留した半田ペーストが流動化し、近接
する半田バンプ用開口内に充填された半田ペーストと繋
がることにより、形成した半田バンプ間で短絡が発生す
ることがあるからである。具体的には、スキージやクリ
ーニングペーパ等を用いて半田ペーストを除去すること
ができる。
【0061】半田バンプ形成用開口に半田ペーストを印
刷した後、上記(d)の工程(リフロー工程)で、半田
ペーストにリフロー処理を施し、半田バンプ117を形
成する(図1(d)参照))。
【0062】上記リフローは、例えば、窒素リフロー装
置等を用いて行うことができる。また、リフロー温度
は、180〜280℃の範囲内で行うことが望ましい。
【0063】半田ペーストにリフロー処理を施した後、
上記(e)の工程(レジスト除去工程)で、ソルダーレ
ジスト層上に形成された半田ペースト印刷用レジスト1
12を剥離または除去する(図1(e)参照)。
【0064】半田ペースト印刷用レジスト112の剥離
または除去は、例えば、基板を酸溶液、アルカリ溶液、
または、有機溶媒中に浸漬したり、半田ペースト印刷用
レジスト112に酸溶液、アルカリ溶液、または、有機
溶媒を塗布したり、スプレイすることにより行うことが
望ましい。半田バンプ117に傷をつけずに半田ペース
ト印刷用レジスト112を剥離または除去することがで
き、また、半田ペースト印刷用レジスト112の残渣が
生じることもないからである。
【0065】上記酸溶液としては、例えば、硫酸、硝
酸、塩酸、酢酸、酪酸等が挙げられ、上記アルカリ溶液
としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、アンモニア等が挙げられる。上記酸溶液としては、
弱酸性の溶液が特に望ましく、上記アルカリ溶液として
は、弱塩基性の溶液が特に望ましい。強酸性または強塩
基性の溶液を用いると半田が腐食されることがあるから
である。
【0066】上記有機溶媒としては、例えば、メタノー
ル、エタノール等のアルコール類、アミン類、ケトン、
アセトン等の揮発性有機溶剤等が挙げられる。
【0067】上記(a)〜(e)の工程終了後、必要に
応じて、半田バンプをフラックス洗浄する。また、半田
ペースト印刷工程で形成した半田ペーストにリフロー処
理を施す前に、予め、該半田ペーストに導電性ピンを取
り付けておき、外部端子と接続するためのPGAを形成
してもよい。なお、製品認識文字等を形成するための文
字印刷工程やソルダーレジスト層の改質のために、酸素
や四塩化炭素等のプラズマ処理を適時行ってもよい。
【0068】上記(a)〜(e)の工程では、半田ペー
ストを印刷するために形成する半田ペースト印刷用レジ
ストが樹脂からなるため、半田ペーストとの親和性が低
く、半田ペーストをはじくため、半田ペーストの抜け性
に優れ、確実に半田バンプ形成用開口に半田ペーストを
充填することができ、均一な形状の半田バンプを形成す
ることができる。
【0069】また、上記半田ペースト印刷用レジスト
は、樹脂組成物を塗布することにより、ソルダーレジス
ト層上に直接形成されているため、半田ペースト印刷用
レジストとソルダーレジスト層との間にギャップ(隙
間)が形成されることがなく、半田ペーストがソルダー
レジスト層の表面に滲んでしまうことがない。また、半
田バンプ形成用開口は、半田ペースト印刷用レジストに
より隔離された状態となっており、半田バンプ形成用開
口部以外のソルダーレジスト層上に半田ペーストが付着
することないため、隣接する半田バンプ形成用開口内の
半田ペースト同士が繋がることがなく、相互間で短絡の
発生することのない半田バンプを形成することができ
る。
【0070】さらに、マスクを用いて半田ペーストを印
刷する方法のように、基板とマスクとの位置合わせを必
要としないことから、マスクが位置ズレした際に発生す
る不都合が発生することがない。また、レジスト形成工
程において、半田バンプ形成用開口と半田ペースト印刷
用レジストとの間で位置ズレが発生した場合であって
も、半田ペースト印刷用レジストを容易に剥離または除
去することができるため、半田ペースト印刷用レジスト
を正確な位置に再形成することができる。
【0071】なお、半田ペースト印刷用レジストを樹脂
フィルムを貼りつける工程を経て形成する方法について
も検討したが、以下のような問題点があることが、明ら
かとなった。
【0072】即ち、半田バンプ形成用開口が形成された
ソルダーレジスト層を有する基板に、未硬化の樹脂フィ
ルムを貼りつけることによりレジスト用樹脂層を形成し
た場合には、レジスト用樹脂層の半田バンプ形成用開口
の直上部分に窪みが生じることがあり、この場合、レジ
スト用樹脂層に貫通孔を形成し、半田ペースト印刷用レ
ジストとした際に、貫通孔の壁面がテーパ状となる等、
所望の形状の貫通孔を形成することができないことがあ
り、その結果、後の半田ペースト印刷工程において、半
田ペースト印刷用レジストを介して半田バンプ形成用開
口内に半田ペーストを充填した際に、半田バンプ形成用
開口ごとに半田ペースト量のバラツキが生じ、充填する
半田ペースト量が増減し、これが半田バンプの高さのバ
ラツキに繋がることがあることが明らかとなった。
【0073】また、上述したように、ソルダーレジスト
層上には、通常、若干の凹凸が存在し、マスクを用いて
半田ペーストを充填する際には、この凹凸の存在に起因
して、半田ペーストの裏周りが発生し、ソルダーレジス
ト層の表面に半田ペーストが滲んでしまうことがあった
が、樹脂フィルムを貼りつけてレジスト用樹脂層を形成
する際にもこの問題は完全には解消されず、形成した半
田ペースト印刷用レジストとソルダーレジスト層との間
に僅かな隙間が形成され、その結果、半田ペーストを印
刷した際にソルダーレジスト層の表面に半田ペーストが
滲んでしまうことがあることが明らかとなった。
【0074】次に、本発明の多層プリント配線板の製造
方法の全製造工程について、工程順に説明する。 (1)本発明の多層プリント配線板の製造方法において
は、まず、基板上に導体回路を形成する。具体的には、
例えば、基板の両面に無電解めっき処理等を施すことに
よりベタの導体層を形成した後、該導体層上に導体回路
パターンに対応したエッチングレジストを形成し、その
後、エッチングを行うことにより形成すればよい。な
お、無電解めっき処理を施した後、電解めっきを施すこ
とにより導体層の厚さを厚くしてもよい。上記基板とし
ては、樹脂基板が望ましく、具体的には、例えば、ガラ
スエポキシ基板、ポリイミド基板、ビスマレイミド−ト
リアジン樹脂基板(BT樹脂基板)、フッ素樹脂基板、
FR4、FR5等が挙げられる。また、銅張積層板やR
CC基板等を、ベタの導体層が形成された基板として用
いてもよい。
【0075】また、必要に応じて、上記無電解めっき処
理を施す際に、予め、この絶縁性基板に貫通孔を形成し
ておき、該貫通孔の壁面にも無電解めっき処理を施すこ
とにより、基板を挟んだ導体回路間を電気的に接続する
スルーホールとしてもよい。また、スルーホールを形成
した場合には、該スルーホール内に樹脂充填材を充填す
ることが望ましい。
【0076】上記樹脂充填材としては、例えば、エポキ
シ樹脂と硬化剤と無機粒子とを含む樹脂組成物等が挙げ
られる。上記エポキシ樹脂としては、例えば、半田ペー
スト印刷用レジストを形成する際に用いられるエポキシ
樹脂と同様のものを挙げることができる。
【0077】上記樹脂充填材に含まれる硬化剤は特に限
定されず、従来公知の硬化剤を用いることができるが、
イミダゾール系硬化剤またはアミン系硬化剤が望まし
い。これらの硬化剤を用いた場合には、硬化時の収縮の
程度が小さく、スルーホールと樹脂充填材層との密着性
に特に優れるからである。
【0078】上記樹脂充填材に含まれる無機粒子として
は、例えば、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、
カリウム化合物、マグネシウム化合物、ケイ素化合物等
からなるものが挙げられる。これらは単独でもよいし、
2種以上併用してもよい。
【0079】上記樹脂充填材中の無機粒子の含有比率
は、10〜50重量%である。この範囲であれば層間樹
脂絶縁層との間で、熱膨張係数等を整合できるからであ
る。より望ましい含有比率は、20〜40重量%であ
る。
【0080】上記無機粒子の形状は、球状、楕円球状、
破砕状、多面体状等が挙げられる。これらの中では、球
状、楕円球状が望ましい。粒子の形状に起因したクラッ
ク等の発生を抑制できるからである。また、上記無機粒
子の表面は、シリカカップリング剤等により、コーティ
ングされていてもよい。無機粒子とエポキシ樹脂との密
着性が向上するからである。
【0081】上記樹脂充填材中には、上記エポキシ樹脂
以外に、他の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹
脂、それらの複合体等が含まれてもよい。上記熱硬化性
樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、フェノール樹
脂等が挙げられる。また、上記熱可塑性樹脂としては、
例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、4
フッ化エチレン6フッ化プロピレン共重合体(FE
P)、4フッ化エチレンパーフロロアルコキシ共重合体
(PFA)等のフッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニ
レンスルフォド(PPS)、熱可塑性ポリフェニレンエ
ーテル(PPE)、ポリエーテルスルフォン(PE
S)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレン
スルフォン(PPES)、ポリエチレンナフタレート
(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEE
K)、ポリオレフィン、フェノキシ樹脂等が挙げられ
る。また、上記感光性樹脂としては、例えば、上記熱硬
化性樹脂を感光化したもの、アクリル樹脂等が挙げられ
る。具体的には、例えば、メタクリル酸やアクリル酸等
を用い、熱硬化基を(メタ)アクリル化反応させたもの
等が挙げられる。これらの樹脂を単独でもよいし、2種
以上併用してもよい。なお、エポキシ樹脂に代えて、こ
れらの樹脂やその複合体(熱硬化性樹脂と熱可塑性樹
脂、または、感光性樹脂と熱可塑性樹脂の複合体)を用
いてもよい。
【0082】また、上記樹脂充填材中には、上記無機粒
子以外に、樹脂粒子、金属粒子等が含まれていてもよ
い。上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱
可塑性樹脂等の樹脂を球状に成形したもの等が挙げら
れ、上記金属粒子としては、例えば、金、銀、銅等から
なる導電性を有する粒子が挙げられる。これらは単独で
用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、上記
樹脂粒子等は、上記無機粒子の代わりに用いてもよい。
また、樹脂充填剤として、導電性樹脂や金、銀、銅等の
導電性のある金属フィラーを主とするペーストを用いて
もよい。
【0083】上記樹脂充填材には、NMP(ノルマルメ
チルピロリドン)、DMDG(ジエチレングリコールジ
メチルエーテル)、グリセリン、シクロヘキサノール、
シクロヘキサノン、メチルセルソルブ、メチルセルソル
ブアセテート、メタノール、エタノール、ブタノール、
プロパノール等の溶剤を含んでも(溶剤含浸タイプ)よ
いが、溶剤をまったく含まない(無溶剤タイプ)ものが
より望ましい。溶剤を含むことにより、硬化させた樹脂
充填材に気泡が残り、信頼性や接続性を低下させること
があるからである。
【0084】また、スルーホールを形成した後、樹脂充
填材を充填する前に、該スルーホールの表面の少なくと
も一部には、粗化面を形成することが望ましい。スルー
ホールと樹脂充填材層との密着性が一層高められること
で、熱履歴を受けた際の膨張収縮が抑制され、両者間で
剥離等が発生しにくくなるからである。粗化面の平均粗
度は、0.05〜5μmであることが望ましい。平均粗
度が0.05μm未満では、導体回路の表面を粗化面に
する効果がほとんど得ることができず、一方、5μmを
超えると、信号伝達時の表皮効果に起因して、信号遅延
や信号エラーが発生するおそれがあるからである。
【0085】(2)次に、必要に応じて、導体回路の表
面の粗化処理を行う。粗化処理方法としては、例えば、
エッチング処理、黒化(酸化)−還元処理、Cu−Ni
−P針状合金めっきによる処理等を用いることができ
る。形成される粗化面は、0.1〜5μmであることが
望ましい。上記範囲内であれば、導体回路と層間樹脂絶
縁層との剥離が起こりにくいからである。
【0086】上記エッチング処理の具体例としては、例
えば、有機酸と第二銅錯体とを含むエッチング液をスプ
レイやバブリング等の酸素が共存する条件で作用させ、
導体回路の導体回路の銅導体を溶解し、ボイドを形成す
ることにより、粗化処理を行う方法等を挙げることがで
きる。上記有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、アクリル酸、クロトン
酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレ
イン酸、安息香酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、ス
ルファミン酸等が挙げられる。有機酸の含有量は、0.
1〜30重量%が望ましい。酸化された銅の溶解性を維
持し、かつ溶解安定性を確保するためである。また、発
生した第一銅錯体は、酸の作用で溶解し、酸素と結合し
て第二銅錯体となって、再び銅の酸化に寄与する。
【0087】上記第二銅錯体は、アゾール類の第二銅錯
体が望ましい。金属銅等を酸化する酸化剤として作用す
るからである。上記アゾール類としては、ジアゾール、
トリアゾール、テトラゾールが望ましい。中でも、イミ
ダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダ
ゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フ
ェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール等が
望ましい。また、アゾール類の第二銅錯体の添加量は、
1〜15重量%が望ましい。溶解性および安定性に優れ
るからである。
【0088】また、銅の溶解やアゾール類の酸化作用を
補助するために、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオ
ン等のハロゲンイオンをエッチング液に添加してもよ
い。上記ハロゲンイオンの添加は、塩酸、塩化ナトリウ
ム等をエッチング液に添加することにより行うことがで
きる。ハロゲンイオン量は、0.01〜20重量%が望
ましい。形成された粗化面と層間樹脂絶縁層との密着性
に優れるからである。
【0089】アゾール類の第二銅錯体と有機酸(必要に
応じてハロゲンイオン)を、水に溶解してエッチング液
を調整する。また、市販のエッチング液、例えば、商品
名「メック エッチボンド」(メック社製)を使用し、
粗化面を形成してもよい。
【0090】上記黒化−還元処理の具体的な方法として
は、例えば、NaOH(10g/l)、NaClO2
(40g/l)、Na3 PO4 (6g/l)、を含む水
溶液を黒化浴とする黒化処理、および、NaOH(10
g/l)、NaBH4 (6g/l)を含む水溶液を還元
浴とする還元処理を行う方法等が挙げられる。
【0091】上記Cu−Ni−P針状合金めっき処理の
具体的な方法としては、例えば、硫酸銅(1〜40g/
l)、硫酸ニッケル(0.1〜6.0g/l)、クエン
酸(10〜20g/l)、次亜リン酸ナトリウム(10
〜100g/l)、ホウ酸(10〜40g/l)および
界面活性剤(日信化学工業社製、サーフィノール46
5)(0.01〜10g/l)を含むpH=9の無電解
めっき浴にて無電解めっきを施す方法等が挙げられる。
【0092】(3)次に、導体回路上に熱硬化性樹脂や
樹脂複合体からなる未硬化の樹脂絶縁層を形成するか、
または、熱可塑性樹脂からなる樹脂絶縁層を形成する。
上記未硬化の樹脂絶縁層は、未硬化の樹脂をロールコー
ター、カーテンコーター等により塗布して成形してもよ
く、また、未硬化(半硬化)の樹脂フィルムを熱圧着し
て形成してもよい。さらに、未硬化の樹脂フィルムの片
面に銅箔等の金属層が形成された樹脂フィルムを貼付し
てもよい。また、熱可塑性樹脂からなる樹脂層は、フィ
ルム状に成形した樹脂成形体を熱圧着することにより形
成することが望ましい。
【0093】このような樹脂絶縁層の形成において使用
する熱硬化性樹脂の具体例としては、例えば、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル
樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポ
リフェニレンエーテル樹脂等が挙げられる。
【0094】上記エポキシ樹脂としては、例えば、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジ
エン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸
基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化
物、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ
樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、
2種以上併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れ
るものとなる。
【0095】上記ポリオレフィン系樹脂としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポ
リイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、シ
クロオレフィン系樹脂、これらの樹脂の共重合体等が挙
げられる。これらのなかでは、誘電率および誘電正接が
低く、GHz帯域の高周波信号を用いた場合でも信号遅
延や信号エラーが発生しにくく、さらには、剛性等の機
械的特性にも優れている点からシクロオレフィン系樹脂
が望ましい。
【0096】上記シクロオレフィン系樹脂としては、2
−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンま
たはこれらの誘導体からなる単量体の単独重合体または
共重合体等が望ましい。上記誘導体としては、上記2−
ノルボルネン等のシクロオレフィンに、架橋を形成する
ためのアミノ基や無水マレイン酸残基あるいはマレイン
酸変性したもの等が結合したもの等が挙げられる。上記
共重合体を合成する場合の単量体としては、例えば、エ
チレン、プロピレン等が挙げられる。また、上記ポリオ
レフィン樹脂は、有機フィラーを含むものであってもよ
い。
【0097】上記ポリフェニレンエーテル樹脂として
は、例えば、下記化学式(1)で表される繰り返し単位
を有する熱可塑性ポリフェニレンエーテル樹脂や下記化
学式(2)で表される繰り返し単位を有する熱硬化性ポ
リフェニレンエーテル樹脂等が挙げられる。
【0098】
【化1】
【0099】(式中、nは、2以上の整数を表す。)
【0100】
【化2】
【0101】(式中、mは、2以上の整数を表す。ま
た、R1 、R2 は、メチレン基、エチレン基または−C
2 −O−CH2 −を表し、両者は同一であってもよい
し、異なっていてもよい。)
【0102】また、上記化学式(1)で表される繰り返
し単位を有する熱可塑性ポリフェニレンエーテル樹脂
は、ベンゼン環にメチル基が結合した構造を有している
が、本発明で用いることのできるポリフェニレンエーテ
ル樹脂としては、上記メチル基が、エチル基等の他のア
ルキル基等で置換された誘導体や、メチル基の水素がフ
ッ素で置換された誘導体等であってもよい。
【0103】また、上記熱可塑性樹脂としては、例え
ば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポ
リスルフォン樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂
と熱可塑性樹脂との複合体(樹脂複合体)としては、熱
硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを含むものであれば特に限
定されず、その具体例としては、例えば、粗化面形成用
樹脂組成物等が挙げられる。
【0104】上記粗化面形成用樹脂組成物としては、例
えば、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくと
も1種からなる粗化液に対して難溶性の未硬化の樹脂中
(以下、難溶性樹脂という)に、酸、アルカリおよび酸
化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対し
て可溶性の粒子(以下、可溶性粒子という)が分散され
たもの等が挙げられる。なお、上記「難溶性」および
「可溶性」という語は、同一の粗化液に同一時間浸漬し
た場合に、相対的に溶解速度の早いものを便宜上「可溶
性」といい、相対的に溶解速度の遅いものを便宜上「難
溶性」と呼ぶ。
【0105】上記難溶性樹脂としては、層間樹脂絶縁層
に上記粗化液を用いて粗化面を形成する際に、粗化面の
形状を保持できるものが好ましく、例えば、熱硬化性樹
脂、熱可塑性樹脂、これらの複合体等が挙げられる。ま
た、感光性樹脂であってもよい。後述するバイアホール
用開口を形成する工程において、露光現像処理により開
口を形成することができるからである。これらのなかで
は、熱硬化性樹脂を含有しているものが望ましい。それ
により、めっき液あるいは種々の加熱処理によっても粗
化面の形状を保持することができるからである。
【0106】上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレ
フィン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。また、上記熱
硬化性樹脂を感光化する場合は、メタクリル酸やアクリ
ル酸等を用い、熱硬化基を(メタ)アクリル化反応させ
る。特にエポキシ樹脂の(メタ)アクリレートが望まし
い。さらに、1分子中に、2個以上のエポキシ基を有す
るエポキシ樹脂がより望ましい。上述の粗化面を形成す
ることができるばかりでなく、耐熱性等にも優れている
ため、ヒートサイクル条件下においても、導体回路に応
力の集中が発生せず、導体回路と層間樹脂絶縁層との間
で剥離が発生しにくいからである。
【0107】上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェ
ノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォ
ン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等
が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以
上併用してもよい。
【0108】上記可溶性粒子としては、例えば、酸また
は酸化剤に可溶性の樹脂粒子、無機粒子、金属粒子、ゴ
ム粒子、液相樹脂または液相ゴム等が挙げられる。これ
らは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0109】上記可溶性粒子の形状は特に限定されず、
球状、破砕状等が挙げられる。また、上記可溶性粒子の
形状は、一様な形状であることが望ましい。均一な粗さ
の凹凸を有する粗化面を形成することができるからであ
る。
【0110】上記可溶性粒子の平均粒径としては、0.
1〜10μmが望ましい。この粒径の範囲であれば、2
種類以上の異なる粒径の粒子を含有してもよい。すなわ
ち、平均粒径が0.1〜0.5μmの可溶性粒子と平均
粒径が1〜3μmの可溶性粒子とを含有する場合等であ
る。これにより、複雑な粗化面を形成することができ、
導体回路との密着性にも優れるからである。なお、本明
細書において、可溶性粒子の粒径とは、可溶性粒子の一
番長い部分の長さである。
【0111】上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性
樹脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、酸、ア
ルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からな
る粗化液に浸漬した場合に、上記難溶性樹脂よりも溶解
速度の早いものであれば特に限定されず、具体的には、
例えば、半田ペースト印刷用レジストを形成する際に用
いる樹脂組成物に含まれるものと同様のもの等が挙げら
れる。
【0112】上記樹脂粒子は予め硬化処理されているこ
とが必要である。硬化させておかないと上記樹脂粒子が
難溶性樹脂を溶解させる溶剤に溶解してしまうため、均
一に混合されてしまい、酸や酸化剤で樹脂粒子のみを選
択的に溶解除去することができないからである。
【0113】上記無機粒子としては、例えば、半田ペー
スト印刷用レジストを形成する際に用いる樹脂組成物に
含まれるものと同様のもの等が挙げられる。
【0114】上記金属粒子としては、例えば、半田ペー
スト印刷用レジストを形成する際に用いる樹脂組成物に
含まれるものと同様のもの等が挙げられる。また、上記
金属粒子は、絶縁性を確保するために、表層が樹脂等に
より被覆されていてもよい。
【0115】上記ゴム粒子としては、例えば、アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム、ポリクロロプレンゴム、ポ
リイソプレンゴム、アクリルゴム、多硫系剛性ゴム、フ
ッ素ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ABS樹脂
等が挙げられる。
【0116】また、上記ゴム粒子として、例えば、ポリ
ブタジエンゴム、エポキシ変性、ウレタン変性、(メ
タ)アクリロニトリル変性等の各種変性ポリブタジエン
ゴム、カルボキシル基を含有した(メタ)アクリロニト
リル・ブタジエンゴム等を使用することもできる。これ
らのゴムを使用することにより、上記ゴム粒子が酸ある
いは酸化剤に溶解しやすくなるからである。つまり、酸
を用いてゴム粒子を溶解する際には、強酸以外の酸でも
溶解することができ、酸化剤を用いてゴム粒子を溶解す
る際には、比較的酸化力の弱い過マンガン酸でも溶解す
ることができる。また、クロム酸を用いた場合でも、低
濃度で溶解することができる。そのため、酸や酸化剤が
樹脂表面に残留することがなく、後述するように、粗化
面形成後、塩化パラジウム等の触媒を付与する際に、触
媒が付与されなかったり、触媒が酸化されたりすること
がない。
【0117】上記液相樹脂としては、上記熱硬化性樹脂
の未硬化溶液を使用することができ、このような液相樹
脂の具体例としては、例えば、未硬化のエポキシオリゴ
マーとアミン系硬化剤の混合液等が挙げられる。上記液
相ゴムとしては、例えば、上記したポリブタジエンゴ
ム、エポキシ変性、ウレタン変性、(メタ)アクリロニ
トリル変性等の各種変性ポリブタジエンゴム、カルボキ
シル基を含有した(メタ)アクリロニトリル・ブタジエ
ンゴム等の未硬化溶液等を使用することができる。
【0118】上記液相樹脂や液相ゴムを用いて上記感光
性樹脂組成物を調製する場合には、難溶性樹脂と可溶性
粒子とが均一に相溶しない(つまり相分離するように)
ように、これらの物質を選択する必要がある。上記基準
により選択された難溶性樹脂と可溶性粒子とを混合する
ことにより、上記難溶性樹脂の「海」の中に液相樹脂ま
たは液相ゴムの「島」が分散している状態、または、液
相樹脂または液相ゴムの「海」の中に、難溶性樹脂の
「島」が分散している状態の感光性樹脂組成物を調製す
ることができる。
【0119】上記可溶性粒子を、2種以上混合して用い
る場合、混合する2種の可溶性粒子の組み合わせとして
は、樹脂粒子と無機粒子との組み合わせが望ましい。両
者とも導電性が低くいため上下の導体回路間の絶縁性を
確保することができるとともに、上記難溶性樹脂との間
で熱膨張の調整が図りやすく、樹脂絶縁層にクラックが
発生せず、樹脂絶縁層と導体回路との間で剥離が発生し
ないからである。
【0120】上記可溶性粒子は、上記難溶性樹脂中にほ
ぼ均一に分散されていることが望ましい。これにより、
均一な粗さの凹凸を有する粗化面を形成することがで
き、バイアホールやスルーホールを形成しても、その上
に形成する導体回路の金属層の密着性を確保することが
できるからである。また、粗化面を形成する表層部だけ
に可溶性粒子を含有する樹脂フィルムを用いてもよい。
それによって、樹脂フィルムの表層部以外は酸または酸
化剤にさらされることがないため、層間樹脂絶縁層を介
した導体回路間の絶縁性が確実に保たれる。
【0121】上記難溶性樹脂中に分散している可溶性粒
子の配合量は、3〜40重量%が望ましい。可溶性粒子
の配合量が3重量%未満では、所望の凹凸を有する粗化
面を形成することができない場合があり、40重量%を
超えると、酸または酸化剤を用いて可溶性粒子を溶解し
た際に、層間樹脂絶縁層の深部まで溶解してしまい、層
間樹脂絶縁層を介した導体回路間の絶縁性を維持でき
ず、短絡の原因となる場合がある。
【0122】上記粗化面形成用樹脂組成物としては、上
記難溶性樹脂、上記可溶性粒子以外に、硬化剤、その他
の成分等を含有していることが望ましい。上記硬化剤と
しては、例えば、イミダゾール系硬化剤、アミン系硬化
剤、グアニジン系硬化剤、これらの硬化剤のエポキシア
ダクトやこれらの硬化剤をマイクロカプセル化したも
の、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスフォ
ニウム・テトラフェニルボレート等の有機ホスフィン系
化合物等が挙げられる。
【0123】上記硬化剤の含有量は、上記粗化面形成用
樹脂組成物に対して、0.05〜10重量%であること
が望ましい。0.05重量%未満では、硬化が不十分と
なるため、酸や酸化剤が層間樹脂絶縁層に侵入する度合
いが大きくなり、絶縁性が損なわれることがある。一
方、10重量%を超えると過剰な硬化剤成分が樹脂の組
成を変成させることがあり、信頼性の低下を招いてしま
うことがある。
【0124】上記その他の成分としては、例えば、粗化
面の形成に影響しない無機化合物や樹脂等のフィラーが
挙げられる。上記無機化合物としては、例えば、シリ
カ、アルミナ、ドロマイト等が挙げられ、上記樹脂とし
ては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ポ
リアミドイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、メラニン樹
脂、オレフィン系樹脂等が挙げられる。これらのフィラ
ーを含有させることにより、熱膨張係数の整合や耐熱
性、耐薬品性の向上等を図り、多層プリント配線板の性
能をより向上させることができるからである。
【0125】また、上記粗化面形成用樹脂組成物は、溶
剤を含有していてもよい。上記溶剤としては、例えば、
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等の
ケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテ
ートやトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げ
られる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上併
用してもよい。
【0126】(4)次に、その材料として熱硬化性樹脂
や樹脂複合体を用いた層間樹脂絶縁層を形成する場合に
は、未硬化の樹脂絶縁層に硬化処理を施すとともに、バ
イアホール用開口を形成し、層間樹脂絶縁層とする。上
記バイアホール用開口は、レーザ処理により形成するこ
とが望ましい。上記レーザ処理は、上記硬化処理前に行
ってもよいし、硬化処理後に行ってもよい。また、感光
性樹脂からなる層間樹脂絶縁層を形成する場合には、露
光・現像処理を行うことにより、バイアホール用開口を
設けてもよい。なお、この場合、露光・現像処理は、上
記硬化処理前に行う。
【0127】また、その材料として熱可塑性樹脂を用い
た層間樹脂絶縁層を形成する場合には、熱可塑性樹脂か
らなる樹脂層にレーザ処理によりバイアホール用開口を
形成し、層間樹脂絶縁層とすることができる。
【0128】上記レーザ処理は、例えば、半田ペースト
印刷用レジストを形成する際のレーザ処理と同様の方法
等で行うことができる。
【0129】また、上記した方法で形成する層間樹脂絶
縁層の厚さは特に限定されないが、5〜50μmが望ま
しい。また、上記バイアホール用開口の開口径は特に限
定されないが、通常、40〜200μmが望ましい。
【0130】また、層間樹脂絶縁層を形成した後、必要
に応じて、該層間樹脂絶縁層と基板とを貫通する貫通孔
を形成してもよい。該貫通孔は、ドリル加工やレーザ処
理等を用いて形成することができる。
【0131】このような貫通孔を形成した場合には、後
工程で、層間樹脂絶縁層の表面に薄膜導体層を形成する
際に、該貫通孔の壁面にも薄膜導体層を形成することに
より、基板と層間樹脂絶縁層とを挟んだ2層の導体回路
間は勿論のこと、この2層の導体回路と基板の両面に形
成された2層の導体回路との計4層の導体回路間を電気
的に接続するスルーホールを形成することができる。こ
のようにして導体回路間を接続することにより、信号伝
送距離を短くすることができるため、信号遅延等が発生
しにくくなり、多層プリント配線板の性能の向上に繋が
る。
【0132】(5)次に、バイアホール用開口の内壁を
含む層間樹脂絶縁層の表面と上記工程で貫通孔を形成し
た場合には貫通孔の内壁とに、必要に応じて、酸または
酸化剤を用いて粗化面を形成する。上記酸としては、硫
酸、硝酸、塩酸、リン酸、蟻酸等が挙げられ、上記酸化
剤としては、クロム酸、クロム硫酸、過マンガン酸ナト
リウム等の過マンガン酸塩等が挙げられる。なお、上記
粗化面の形成は、プラズマ処理等を用いて行ってもよ
い。また、上記酸または酸化剤を用いて、貫通孔のデス
ミア処理と層間樹脂絶縁層の表面の粗化処理を同時に行
うことができる場合がある。この場合は、製造工程を簡
略化することができるため、多層プリント配線板を廉価
に製造することができる。
【0133】また、粗化面を形成した後には、アルカリ
等の水溶液や中和液等を用いて、層間樹脂絶縁層の表面
を中和することが望ましい。次工程に、酸や酸化剤の影
響を与えないようにすることができるからである。
【0134】(6)次に、バイアホール用開口の内壁を
含む層間樹脂絶縁層の表面と、上記工程で貫通孔を形成
した場合には貫通孔の内壁とに、必要に応じて、酸や酸
化剤等を用いて粗化面を形成する。なお、この粗化面
は、層間樹脂絶縁層とその上に形成する薄膜導体層との
密着性を高めるために形成するものであり、層間樹脂絶
縁層と薄膜導体層との間に充分な密着性がある場合には
形成しなくてもよい。
【0135】(7)次に、バイアホール用開口を設けた
層間樹脂絶縁層の表面に薄膜導体層を形成する。上記薄
膜導体層は、無電解めっき、スパッタリング、蒸着等の
方法を用いて形成することができる。なお、層間樹脂絶
縁層の表面に粗化面を形成しなかった場合には、上記薄
膜導体層は、スパッタリングにより形成することが望ま
しい。また、上記薄膜導体層の表面にドライ処理とし
て、プラズマ処理、UV処理またはコロナ処理を施し、
表面の改質を行ってもよい。なお、無電解めっきにより
薄膜導体層を形成する場合には、被めっき表面に、予
め、触媒を付与しておく。上記触媒としては、例えば、
塩化パラジウム等が挙げられる。
【0136】上記薄膜導体層の厚さは特に限定されない
が、該薄膜導体層を無電解めっきにより形成した場合に
は、0.6〜1.2μmが望ましく、スパッタリングに
より形成した場合には、0.1〜1.0μmが望まし
い。なお、上記(4)の工程で貫通孔を形成した場合に
は、この工程で貫通孔の内壁面にも金属からなる薄膜導
体層を形成することにより、スルーホールとすることが
できる。
【0137】また、上記したように貫通孔の内壁面に薄
膜導体層を形成し、スルーホールとした場合には、この
後、スルーホール内に樹脂充填材層を形成することが望
ましい。なお、上記スルーホール内と薄膜導体層が形成
されたバイアホール用開口とを同一の充填材で同時に充
填してもよい。これにより、スルーホール内とバイアホ
ール内との強度が均一に保たれるため、多層プリント配
線板の信頼性を高めることができ、かつ、製造工程を簡
略化することができるからである。
【0138】また、上記スルーホール内に樹脂充填材層
を形成した場合には、該スルーホール上に樹脂充填材層
を覆う蓋めっき層を形成してもよい。これにより、該蓋
めっき層の直上に、バイアホールや半田パッドを形成す
ることができ、信号伝送距離を短くすることができるか
らである。また、外部接続端子(半田バンプ、導電性接
続ピン)へ接続されるバイアホールとスルーホールとを
直接接続することができるため、接続信頼性を高めるこ
とができる。なお、上記蓋めっき層を形成する場合は、
スルーホールに充填した樹脂充填材を研磨により平坦に
してから形成することが望ましい。これにより、スルー
ホールとバイアホールとの接続信頼性が高めることがで
きるからである。
【0139】(8)次に、上記薄膜導体層上の一部にド
ライフィルムを用いてめっきレジストを形成し、その
後、上記薄膜導体層をめっきリードとして電気めっきを
行い、上記めっきレジスト非形成部に電気めっき層を形
成する。このとき、バイアホール用開口を電気めっきで
充填してフィールドビア構造としてもよく、バイアホー
ル用開口に導電性ペーストを充填した後、その上に蓋め
っき層を形成してフィールドビア構造としてもよい。
【0140】(9)上記電気めっき層を形成した後、上
記めっきレジストを剥離し、めっきレジストの下に存在
していた金属からなる薄膜導体層をエッチングにより除
去し、独立した導体回路とする。上記エッチング液とし
ては、例えば、硫酸−過酸化水素水溶液、過硫酸アンモ
ニウム等の過硫酸塩水溶液、塩化第二鉄、塩化第二銅、
塩酸等が挙げられる。また、エッチング液として上述し
た第二銅錯体と有機酸とを含む混合溶液を用いてもよ
い。また、必要に応じて、導体回路の表面の粗化処理を
行う。粗化処理方法としては、例えば、Cu−Ni−P
針状合金めっきによる処理、エッチング処理、黒化(酸
化)−還元処理等を用いることができる。
【0141】また、上記(8)および(9)に記載した
方法に代えて、以下の方法を用いることにより導体回路
を形成してもよい。即ち、上記薄膜導体層上の全面に電
気めっき層を形成した後、該電気めっき層上の一部にド
ライフィルムを用いてエッチングレジストを形成し、そ
の後、エッチングレジスト非形成部下の電気めっき層お
よび薄膜導体層をエッチングにより除去し、さらに、エ
ッチングレジストを剥離することにより独立した導体回
路を形成してもよい。
【0142】(10)この後、上記(3)〜(9)の工
程を繰り返すことにより、層間樹脂絶縁層上に最上層の
導体回路が形成された基板を作製する。
【0143】(11)次に、最上層の導体回路を含む基
板上に、複数の半田バンプ形成用開口を有するソルダー
レジスト層を形成する。具体的には、未硬化のソルダー
レジスト組成物をロールコーターやカーテンコーター等
により塗布したり、フィルム状に成形したソルダーレジ
スト組成物を圧着したりした後、レーザ処理や露光・現
像処理により半田バンプ形成用開口を形成し、さらに、
必要に応じて、硬化処理を施すことによりソルダーレジ
スト層を形成する。
【0144】上記ソルダーレジスト層は、例えば、エポ
キシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィ
ン樹脂、フッ素樹脂、熱可塑性エラストマー、ポリイミ
ド樹脂等を含むソルダーレジスト組成物を用いて形成す
ることができ、これらの樹脂の具体例としては、例え
ば、層間樹脂絶縁層に用いた樹脂と同様の樹脂等が挙げ
られる。
【0145】上記以外のソルダーレジスト組成物として
は、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アク
リレート、イミダゾール硬化剤、アミン系硬化剤、2官
能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー、分子量50
0〜5000程度の(メタ)アクリル酸エステルの重合
体、ビスフェノール型エポキシ樹脂等からなる熱硬化性
樹脂、多価アクリル系モノマー等の感光性モノマー、グ
リコールエーテル系溶剤等を含むペースト状の流動体が
挙げられ、その粘度は25℃で1〜10Pa・sに調整
されていることが望ましい。また、後工程でソルダーレ
ジスト層に半田バンプ形成用開口を設けて、半田バンプ
を形成する場合には、ソルダーレジスト組成物に例え
ば、ノボラック型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ
樹脂の(メタ)アクリレート、または、イミダゾール硬
化剤等を含むものを用いることが望ましい。
【0146】上記ノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)
アクリレートとしては、例えば、フェノールノボラック
やクレゾールノボラックのグリシジルエーテルをアクリ
ル酸やメタクリル酸等と反応させたエポキシ樹脂等が挙
げられる。
【0147】上記2官能性(メタ)アクリル酸エステル
モノマーとしては特に限定されず、例えば、各種ジオー
ル類のアクリル酸やメタクリル酸のエステル等が挙げら
れ、その市販品としては、日本化薬社製のR−604、
PM2、PM21等が挙げられる。
【0148】また、上記ソルダーレジスト組成物は、エ
ラストマーや無機フィラーが配合されていてもよい。エ
ラストマーが配合されていることにより、形成されるソ
ルダーレジスト層は、エラストマーの有する柔軟性およ
び反発弾性により、ソルダーレジスト層に応力が作用し
た場合でも、該応力を吸収したり、緩和したりすること
ができ、その結果、多層プリント配線板の製造工程や製
造した多層プリント配線板にICチップ等の電子部品を
搭載した後のソルダーレジスト層にクラックや剥離が発
生することを抑制でき、さらに、クラックが発生した場
合でも該クラックが大きく成長することがほとんどな
い。
【0149】また、上記半田バンプ形成用開口を形成す
る際に用いるレーザとしては、上述した半田ペースト印
刷用レジストを形成する際に用いるレーザと同様のもの
等が挙げられる。
【0150】次に、上記半田バンプ形成用開口の底面に
露出した導体回路の表面に、半田パッドを形成すること
が望ましい。上述したように、上記ソルダーレジスト層
の半田バンプ形成用開口の底面に露出する金属層は、貴
金属等により形成されていることが望ましいからであ
る。また、上記ソルダーレジスト層には、必要に応じ
て、ドライ処理、プラズマ処理、UV処理、または、コ
ロナ処理等の表面処理を行ってもよい。これにより、ア
ンダーフィルの充填性が向上するからである。
【0151】(12)次に、上記半田バンプ形成用開口
を有するソルダーレジスト層に上記した(a)〜(e)
の工程を行うことにより、半田バンプを形成し、多層プ
リント配線板とする。なお、上述したように、基板の一
方に半田バンプを形成し、他方にPGAを形成してもよ
い。
【0152】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 (実施例1) A.層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量46
9、油化シェルエポキシ社製エピコート1001)30
重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキ
シ当量215、大日本インキ化学工業社製 エピクロン
N−673)40重量部、トリアジン構造含有フェノー
ルノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120、大
日本インキ化学工業社製 フェノライトKA−705
2)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重
量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱
溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム
(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)
15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシ
メチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリ
カ2重量部、シリコン系消泡剤0.5重量部を添加しエ
ポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組
成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さ
が50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布し
た後、80〜120℃で10分間乾燥させることによ
り、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
【0153】B.貫通孔充填用樹脂組成物の調製 ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社
製、分子量:310、YL983U)100重量部、表
面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒
径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のS
iO2 球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−
CE)72重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製
ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混
合することにより、その粘度が25±1℃で30〜80
Pa・sの樹脂充填材を調製した。なお、硬化剤とし
て、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−
CN)6.5重量部を用いた。
【0154】C.多層プリント配線板の製造方法 (1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂、または、
BT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる基板1
の両面に18μmの銅箔8がラミネートされている銅張
積層板を出発材料とした(図3(a)参照)。まず、こ
の銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施
し、パターン状にエッチングすることにより、基板1の
両面に下層導体回路4とスルーホール9を形成した。
【0155】(2)スルーホール9および下層導体回路
4を形成した基板を水洗いし、酸性脱脂した後、ソフト
エッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にス
プレイで吹きつけた後、搬送ロールで送ることでそのス
ルーホール9を含む下層導体回路4の表面に粗化面4
a、9aを形成した(図3(b)参照)。エッチング液
として、イミダゾール銅 (II)錯体10重量部、グリコ
ール酸7重量部、塩化カリウム5重量部からなるエッチ
ング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用し
た。
【0156】(3)次に、上記Bに記載した貫通孔充填
用樹脂組成物を調製した後、下記の方法により調整後2
4時間以内に、スルーホール9内、および、基板1の片
面の導体回路非形成部と導体回路4の外縁部とに樹脂充
填材10′の層を形成した。即ち、まず、スキージを用
いてスルーホール内に貫通孔充填用樹脂組成物を押し込
んだ後、100℃、20分の条件で乾燥させた。次に、
導体回路非形成部に相当する部分が開口したマスクを基
板上に載置し、スキージを用いて凹部となっている導体
回路非形成部に樹脂充填材10′の層を形成し、100
℃、20分の条件で乾燥させた(図3(c)参照)。
【0157】(4)上記(3)の処理を終えた基板の片
面を、#600のベルト研磨紙(三共理化学製)を用い
たベルトサンダー研磨により、下層導体回路4の表面や
スルーホール9のランド表面に樹脂充填材10が残らな
いように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨によ
る傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一
連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。次
いで、100℃で1時間、150℃で1時間の加熱処理
を行って樹脂充填材10を硬化させ、樹脂充填剤層10
を形成した。
【0158】このようにして、スルーホール9や導体回
路非形成部に形成された樹脂充填材10の表層部および
下層導体回路4の表面を平坦化し、樹脂充填材層10と
下層導体回路4の側面4aとが粗化面を介して強固に密
着し、またスルーホール9の内壁面9aと樹脂充填材層
10とが粗化面を介して強固に密着した絶縁性基板を得
た(図3(d)参照)。即ち、この工程により、樹脂充
填材層10の表面と下層導体回路4の表面が同一平面と
なる。
【0159】(5)上記基板を水洗、酸性脱脂した後、
ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両
面にスプレイで吹きつけて、下層導体回路4の表面とス
ルーホール9のランド表面と内壁とをエッチングするこ
とにより、下層導体回路4の全表面に粗化面4a、9a
を形成した(図4(a)参照)。なお、エッチング液と
しては、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリ
コール酸7重量部、塩化カリウム5重量部からなるエッ
チング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用し
た。
【0160】(6)基板の両面に、上記Aで作製した基
板より少し大きめの層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基
板上に載置し、圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時
間10秒の条件で仮圧着して裁断した後、さらに、以下
の方法により真空ラミネーター装置を用いて貼り付け、
その後、熱硬化させることにより層間樹脂絶縁層2を形
成した(図4(b)参照)。すなわち、層間樹脂絶縁層
用樹脂フィルムを基板上に、真空度67Pa、圧力0.
4MPa、温度80℃、圧着時間60秒の条件で本圧着
して貼り付け、その後、170℃で30分間熱硬化させ
た。
【0161】(7)次に、層間樹脂絶縁層2上に、厚さ
1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長
10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0
mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マス
クの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間樹
脂絶縁層2に、直径80μmのバイアホール用開口6を
形成した(図4(c)参照)。
【0162】(8)さらに、バイアホール用開口6を形
成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃
の溶液に10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層2の表面に存
在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バ
イアホール用開口6の内壁を含む層間樹脂絶縁層2の表
面を粗面とした(図4(d)参照)。
【0163】(9)次に、上記処理を終えた基板を、中
和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。さ
らに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面
に、パラジウム触媒(アトテック社製)を付与すること
により、層間樹脂絶縁層2の表面およびバイアホール用
開口6の内壁面に触媒核を付着させた。
【0164】(10)次に、以下の組成の無電解銅めっ
き水溶液中に基板を浸漬して、粗面全体に厚さ0.6〜
3.0μmの無電解銅めっき層12を形成した(図5
(a)参照)。 〔無電解めっき水溶液〕 NiSO4 0.003 mol/l 酒石酸 0.200 mol/l 硫酸銅 0.030 mol/l HCHO 0.050 mol/l NaOH 0.100 mol/l α、α′−ビピリジル 40 mg/l ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l 〔無電解めっき条件〕35℃の液温度で40分
【0165】(11)市販の感光性ドライフィルムを無
電解銅めっき層12に貼り付け、マスクを載置して、1
00mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水
溶液で現像処理することにより、厚さ20μmのめっき
レジスト3を設けた(図5(b)参照)。
【0166】(12)ついで、基板を50℃の水で洗浄
して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄し
てから、以下の条件で電解銅めっきを施し、電解銅めっ
き層13を形成した(図5(c)参照)。 〔電解めっき水溶液〕 硫酸 2.24 mol/l 硫酸銅 0.26 mol/l 添加剤 19.5 ml/l (アトテックジャパン社製、カパラシドHL) 〔電解めっき条件〕 電流密度 1 A/dm2 時間 65 分 温度 22±2 ℃
【0167】(13)さらに、めっきレジスト3を5%
NaOH水溶液で剥離除去した後、そのめっきレジスト
3下の無電解めっき膜12を硫酸と過酸化水素の混合液
でエッチング処理して溶解除去し、無電解銅めっき膜1
2と電解めっき膜13からなる厚さ18μmの独立の上
層導体回路5(バイアホール7を含む)とした(図5
(d)参照)。
【0168】(14)上記(5)〜(13)の工程を繰
り返すことにより、さらに、上層の層間樹脂絶縁層2と
上層の導体回路5(バイアホール7を含む)を形成した
(図6(a)〜図7(a)参照)。その後、上記上層の
導体回路5の表面に無電解めっきにより、粗化層(Cu
−Ni−Pからなる合金)を形成した。(図7(b)参
照)。
【0169】(15)次に、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるよ
うに溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した
感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.6
7重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%
のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、
商品名:エピコート1001)15.0重量部、イミダ
ゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−C
N)1.6重量部、感光性モノマーである多価アクリル
モノマー(日本化薬社製、商品名:R604)3.0重
量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商
品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サン
ノプコ社製、S−65)0.71重量部を容器にとり、
攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に
対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社
製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン
(関東化学社製)0.2重量部を加え、粘度を25℃で
2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得
た。なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、D
VL−B型)で60min-1(rpm)の場合はロータ
ーNo.4、6min-1(rpm)の場合はローターN
o.3によった。
【0170】(16)次に、多層配線基板の両面に、上
記ソルダーレジスト組成物を30μmの厚さで塗布し、
70℃で20分間、80℃で30分間の条件で乾燥処理
を行った後、半田パッドのパターンが描画された厚さ5
mmのフォトマスクをソルダーレジスト層に密着させて
500〜1500mJ/cm2 の紫外線で露光し、DM
TG溶液で現像処理し、直径80μmの開口を形成し
た。そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時
間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれ
ぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化させ、
半田バンプ形成用開口を有し、その厚さが20μmのソ
ルダーレジスト層14を形成した。なお、半田バンプ形
成用開口の開口径は200μmである。また、上記ソル
ダーレジスト組成物としては、市販のソルダーレジスト
組成物、LPSR用樹脂等を使用することもできる。
【0171】(17)次に、過硫酸ナトリウムを主成分
とするエッチング液を、そのエッチング能が毎分2μm
程度になるように調製し、このエッチング液中にソルダ
ーレジスト層14が形成された基板を1分間浸漬し、導
体回路表面に平均粗度(Ra)が1μm以下の粗化面を
形成した。さらに、この基板を、塩化ニッケル(2.3
×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8
×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×
10 -1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケ
ルめっき液に20分間浸漬して、開口部に厚さ5μmの
ニッケルめっき層15を形成した。さらに、その基板を
シアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩
化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン
酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン
酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電
解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニ
ッケルめっき層15上に、厚さ0.03μmの金めっき
層16を形成し、半田パッドとした。
【0172】(18)この後、ソルダーレジスト層14
上に、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ
基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー、ポ
リイミド樹脂、イミダゾール硬化剤、光重合開始剤、光
増感剤等からなる樹脂組成物を35μmの厚さで塗布
し、150℃で30分間の条件で乾燥処理を行って、厚
さ30μmのレジスト用樹脂層を形成した。
【0173】(19)次に、上記レジスト用樹脂層に半
田パッドのパターンが描画された厚さ5mmのフォトマ
スクを密着させて1000mJ/cm2 の紫外線で露光
し、DMTG溶液で現像処理を行うことにより、半田バ
ンプ形成用開口部分に半田バンプ形成用開口と連通した
貫通孔(開口径225μm)を有する半田ペースト印刷
用レジストを形成した。
【0174】(20)次に、上記(19)の工程で形成
された半田ペースト印刷用レジストを介して、ピストン
式圧入型印刷機により、半田バンプ形成用開口に半田ペ
ーストを印刷した。なお、ここで充填した半田ペースト
は、Sn:Agを重量比96.5:3.5で配合させた
主として粒径5〜20μmの半田を含むもので、その粘
度を250Pa・sに調整したものである。
【0175】(21)次に、上記(20)の工程で印刷
された半田ペーストを260℃でリフロー処理した。
【0176】(22)次に、半田ペースト印刷用レジス
トを3重量%のNaCO溶液中に浸漬させ、剥離除
去した。
【0177】(23)その後、上記(20)の工程で印
刷した半田バンプをフラックス洗浄することにより、半
田バンプを備えた多層プリント配線板を得た(図7
(c)参照)。
【0178】(実施例2) A.実施例1と同様にして、層間樹脂絶縁層用樹脂フィ
ルムの作製、貫通孔充填用樹脂組成物の作製を行った。
【0179】B.多層プリント配線板の製造 (1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂、FR4、
FR5、または、BT(ビスマレイミドトリアジン)樹
脂からなる絶縁性基板30の両面に18μmの銅箔32
がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした
(図8(a)参照)。まず、この銅張積層板を下層導体
回路パターン状にエッチングすることにより、基板の両
面に下層導体回路34を形成した(図8(b)参照)。
【0180】(2)下層導体回路34を形成した基板3
0を水洗いし、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、
次いで、エッチング液を基板の両面にスプレイで吹きつ
けた後、搬送ロールで送ることで下層導体回路34の表
面に粗化面34aを形成した(図8(c)参照)。エッ
チング液として、イミダゾール銅 (II)錯体10重量
部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部から
なるエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)
を使用した。
【0181】(3)次に、上記Aで作製した層間樹脂絶
縁層用樹脂フィルムを、温度50〜150℃まで昇温し
ながら、0.5MPaでラミネートにより貼り付け、樹
脂フィルム層50αを形成した(図8(d)参照)。さ
らに、樹脂フィルム層50αを貼り付けた基板30に、
ドリル加工により直径300μmの貫通孔35を形成し
た(図8(e)参照)。
【0182】(4)次に、樹脂フィルム層50α上に、
厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、
波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径
4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ
秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件
で樹脂フィルム層50αに、直径80μmのバイアホー
ル用開口52を形成し、層間樹脂絶縁層50とした(図
9(a)参照)。
【0183】(5)バイアホール用開口52を形成した
基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液
に10分間浸漬し、貫通孔35の壁面にデスミア処理を
施すとともに、層間樹脂絶縁層50の表面に存在するエ
ポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホー
ル用開口52の内壁面を含むその表面に粗化面50a、
52aを形成した(図9(b)参照)。
【0184】(6)次に、上記処理を終えた基板を、中
和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。さ
らに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面
に、パラジウム触媒を付与することにより、層間樹脂絶
縁層50の表面(バイアホール用開口52の内壁面を含
む)、および、貫通孔35の壁面に触媒核を付着させた
(図示せず)。即ち、上記基板を塩化パラジウム(Pd
Cl2 )と塩化第一スズ(SnCl2 )とを含む触媒液
中に浸漬し、パラジウム金属を析出させることにより触
媒を付与した。
【0185】(7)次に、以下の組成の無電解銅めっき
水溶液中に、基板を浸漬し、層間樹脂絶縁層50の表面
(バイアホール用開口52の内壁面を含む)、および、
貫通孔35の壁面に厚さ0.6〜3.0μmの無電解銅
めっき膜42を形成した(図9(c)参照)。 〔無電解めっき水溶液〕 NiSO4 0.003 mol/l 酒石酸 0.200 mol/l 硫酸銅 0.030 mol/l HCHO 0.050 mol/l NaOH 0.100 mol/l α、α′−ビピリジル 100 mg/l ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l 〔無電解めっき条件〕 34℃の液温度で40分
【0186】(8)次に、無電解銅めっき膜42が形成
された基板に市販の感光性ドライフィルムを貼り付け、
マスクを載置して、100mJ/cm2 で露光し、0.
8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、
厚さ20μmのめっきレジスト43を設けた(図9
(d)参照)。
【0187】(9)ついで、基板を50℃の水で洗浄し
て脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄して
から、以下の条件で電解めっきを施し、めっきレジスト
43非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜44を
形成した(図9(e)参照)。 〔電解めっき液〕 硫酸 2.24 mol/l 硫酸銅 0.26 mol/l 添加剤 19.5 ml/l (アトテックジャパン社製、カパラシドGL) 〔電解めっき条件〕 電流密度 1 A/dm2 時間 65 分 温度 22±2 ℃
【0188】(10)次に、めっきレジスト43を5%
KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト43下の
無電解めっき膜を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチ
ング処理して溶解除去し、スルーホール36、および、
上層導体回路45(バイアホール46を含む)とした
(図10(a)参照)。
【0189】(11)次に、スルーホール36、およ
び、上層導体回路(バイアホール46を含む)の表面に
無電解めっきにより、粗化層(Cu−Ni−Pからなる
合金)36a、46aを形成した(図10(b)参
照)。
【0190】(12)次に、上記Aに記載した貫通孔充
填用樹脂組成物を調製した後、下記の方法により調製後
24時間以内に、スルーホール36内、および、基板の
片面のバイアホール46内に樹脂充填材40′、54′
の層を形成した。即ち、まず、スキージを用いてスルー
ホール内に貫通孔充填用樹脂組成物を押し込んだ後、1
00℃、20分の条件で乾燥させた。次に、バイアホー
ル46に相当する部分が開口したマスクを基板上に載置
し、スキージを用いてバイアホール46内に貫通孔充填
用樹脂組成物を充填し、100℃、20分の条件で乾燥
を行った。さらに、同様にして、基板の他方の面のバイ
アホール46内にも貫通孔充填用樹脂組成物を充填した
(図10(c)参照)。
【0191】(13)次に、上記(12)の処理を終え
た基板の両面にバフ研磨を施し、スルーホール36およ
びバイアホール46から露出した樹脂充填材40′、5
4′の層の表面を平坦にした。次いで、100℃で1時
間、150℃で1時間の加熱処理を行うことにより、樹
脂充填材40′、54′の層を硬化させ、樹脂充填剤層
40、54とした(図10(d)参照)。
【0192】(14)次に、層間樹脂絶縁層50の表
面、および、樹脂充填材層40、54の露出面に、上記
(6)と同様の処理を行いてパラジウム触媒(図示せ
ず)を付与した。次に、上記(7)と同様の条件で無電
解めっき処理を施し、層間樹脂絶縁層50の表面、およ
び、樹脂充填材40、54の露出面に無電解めっき膜5
6を形成した(図11(a)参照)。
【0193】(15)次に、上記(8)と同様の方法を
用いて、無電解めっき膜56上に、厚さ20μmのめっ
きレジストを設けた(図示せず)。さらに、上記(9)
と同様の条件で電解めっきを施して、めっきレジスト非
形成部に電解めっき膜57を形成した。その後、めっき
レジストと、その下に存在する無電解めっき膜56とを
除去し、スルーホール36上およびバイアホール46上
に、無電解めっき膜56と電解めっき膜57とからなる
蓋めっき層58を形成した(図11(b)参照)。
【0194】(16)次に、蓋めっき層58の表面に上
記(11)で用いたエッチング液(メックエッチボン
ド)を用いて粗化面58aを形成した(図11(c)参
照)。
【0195】(17)次に、上記(3)〜(11)の工
程を繰り返すことにより、さらに上層の層間樹脂絶縁層
60、導体回路(バイアホール66を含む)を形成し、
多層配線板を得た(図11(d)参照)。なお、この工
程では、スルーホールを形成しなかった。
【0196】(18)次に、実施例1の(16)および
(17)と同様にして、半田バンプ形成用開口が形成
し、その底面に、半田パッド66を有するソルダーレジ
スト層60を形成した(図12(a)〜(c)参照)。
なお、半田バンプ形成用開口の開口径は200μmであ
った。
【0197】(19)この後、ソルダーレジスト層14
上に、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ
基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー、ポ
リイミド樹脂、イミダゾール硬化剤、光重合開始剤、光
増感剤等からなる樹脂組成物を35μmの厚さで塗布
し、150℃で30分間の条件で乾燥処理を行って、厚
さ30μmのレジスト用樹脂層を形成した。
【0198】(20)次に、上記レジスト用樹脂層に半
田パッドのパターンが描画された厚さ5mmのフォトマ
スクを密着させて1000mJ/cm2 の紫外線で露光
し、DMTG溶液で現像処理を行うことにより、半田バ
ンプ形成用開口部分に半田バンプ形成用開口と連通した
貫通孔(開口径225μm)を有する半田ペースト印刷
用レジストを形成した。
【0199】(21)次に、上記(20)の工程で形成
された半田ペースト印刷用レジストを介して、ピストン
式圧入型印刷機により、半田バンプ形成用開口に半田ペ
ーストを印刷した。なお、ここで充填した半田ペースト
は、Sn:Pbを重量比63:37で配合させた主とし
て粒径5〜20μmの半田を含むもので、その粘度を2
00Pa・sに調整したものである。また、ソルダーレ
ジスト層14の他の一面には、半田ペーストを印刷した
後、導電性ピン78を取り付けた。
【0200】(22)次に、上記(21)の工程で印刷
した半田ペーストを230℃でリフロー処理した。
【0201】(23)次に、半田ペースト印刷用レジス
トを3重量%のNaCO溶液中に浸漬させ、剥離除
去した。
【0202】(24)その後、上記(21)の工程で印
刷した半田ペーストをフラックス洗浄することにより、
半田バンプとPGAとを備えた多層プリント配線板を得
た(図13参照)。
【0203】(比較例1)実施例1の(18)〜(2
3)の工程に代えて、ソルダーレジスト層上に全ての半
田バンプ形成用開口に対向する部分にマスクを載置し、
半田ぺーストを印刷した以外は、実施例1と同様にして
多層プリント配線板を製造した。具体的には、以下の工
程を行った。
【0204】即ち、半田パッドを形成したソルダーレジ
スト層上に、全ての半田バンプ形成用開口に対向する部
分に直径100μmの開口を有するマスクを載置し、ピ
ストン式圧入型印刷機を用いて、半田バンプ形成用開口
に半田ペーストを印刷し、半田バンプを形成するための
半田ペーストを形成した。その後、半田ペーストを20
0℃でリフローし、さらに、フラックス洗浄を行うこと
により、半田バンプを備えた多層プリント配線板を得
た。なお、半田ペーストとしては、実施例1の(20)
の工程で用いたものと同様のものを使用した。
【0205】(比較例2)実施例2の(19)〜(2
4)の工程に代えて、ソルダーレジスト層上に全ての半
田バンプ形成用開口に対向する部分にマスクを載置し、
半田ぺーストを印刷した以外は、実施例2と同様にして
多層プリント配線板を製造した。具体的には、以下の工
程を行った。
【0206】即ち、半田パッドを形成したソルダーレジ
スト層上に、全ての半田バンプ形成用開口に対向する部
分に直径100μmの開口を有するマスクを載置し、ピ
ストン式圧入型印刷機を用いて、半田バンプ形成用開口
に半田ペーストを印刷し、半田バンプを形成するための
半田ペーストを形成した。その後、基板の片面に導電性
ピンを取り付け、さらに、半田ペーストをリフローした
後、フラックス洗浄を行うことにより、半田バンプとP
GAとを備えた多層プリント配線板を得た。なお、半田
ペーストとしては、実施例2の(21)の工程で用いた
ものと同様のものを使用した。
【0207】(比較例3)実施例1の(18)〜(2
3)の工程に代えて、下記の工程を行った以外は、実施
例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。即
ち、まず、半田バンプ形成用開口が形成されたソルダー
レジスト層上に、市販のエッチングドライフィルムを加
熱圧着し、その後、レーザ加工を施すことにより、半田
バンプ形成用開口部分に半田バンプ形成用開口と連通し
た貫通孔(開口径225μm)を有する半田ペースト印
刷用レジストとした。次に、半田バンプ形成用開口に半
田ペーストを印刷し、この半田ペーストに260℃でリ
フロー処理を施した。さらに、半田ペースト印刷用レジ
ストをNaOH溶液を用いて剥離除去し、ついで、フラ
ックス洗浄を行うことにより、半田バンプを備えた多層
プリント配線板を得た。なお、半田ペーストの印刷は、
実施例1の(20)の工程と同様の方法で行った。
【0208】(比較例4)実施例2の(18)〜(2
3)の工程に代えて、下記の工程を行った以外は、実施
例2と同様にして多層プリント配線板を製造した。即
ち、まず、半田バンプ形成用開口が形成されたソルダー
レジスト層上に、市販のエッチングドライフィルムを加
熱圧着し、その後、レーザ加工を施すことにより、半田
バンプ形成用開口部分に半田バンプ形成用開口と連通し
た貫通孔(開口径225μm)を有する半田ペースト印
刷用レジストとした。次に、半田バンプ形成用開口に半
田ペーストを印刷し、その後、ソルダーレジスト層の一
の面に導電性ピンを取り付け、印刷した半田ペーストに
260℃でリフロー処理を施した。さらに、半田ペース
ト印刷用レジストをNaOH溶液を用いて剥離除去し、
ついで、フラックス洗浄を行うことにより、半田バンプ
とPGAとを備えた多層プリント配線板を得た。なお、
半田ペーストの印刷は、実施例2の(21)の工程と同
様の方法で行った。
【0209】実施例1、2および比較例1〜4で得られ
た多層プリント配線板について、ソルダーレジスト層表
面の汚染の有無、半田バンプの形状の観察、信頼性試験
前後の性能評価を下記の評価方法を用いて行った。
【0210】評価方法 (1)半田バンプの形状 得られた多層プリント配線板をカッターで切断し、その
多層プリント配線板の半田バンプの断面形状を顕微鏡で
観察した。
【0211】(2)信頼性試験 135℃、相対湿度85%の条件下で1000時間放置
した後、下記する導通試験を行い、さらに多層プリント
配線板を半田バンプが形成されている部分で切断して半
田バンプの状態を観察した。
【0212】(3)導通試験 多層プリント配線板を製造した後、上記信頼性試験前後
に導通試験を行い、モニターに表示された結果から導通
状態を評価した。
【0213】実施例1、2の多層プリント配線板では、
半田バンプの形状は略均一であり、半田未充填や半田充
填量が多過ぎることによる半田バンプの形状のバラツキ
は見られなかった。また、ソルダーレジスト層の表面に
は、半田の付着が見られず、半田バンプ間での短絡もな
かった。さらに、信頼性試験および信頼性試験前後に行
った導通試験にも全く問題はなかった。
【0214】一方、比較例1、2の多層プリント配線板
では、半田バンプの形状が一様ではなく、ソルダーレジ
スト層の表面に半田が付着していた。これは、印刷時に
半田ペーストがマスクの裏側に回り込んだためであると
推定された。また、導通試験に関しては、信頼性試験前
後で短絡が発生した。短絡と確認された部分の半田バン
プの断面を観察すると、形成された半田バンプの大きさ
にバラツキが見られた。これは、隣接する半田バンプ同
士が繋がることにより、半田の充填量にバラツキが発生
したためであると推定された。
【0215】また、比較例3、4の多層プリント配線板
では、半田バンプの形状にバラツキがみられ、ソルダー
レジスト層の表面には、比較例1および2の多層プリン
ト配線板ほどではないものの半田が付着していた。これ
は、樹脂フィルムを貼り付ける工程を経て形成した半田
ペースト印刷用レジストとソルダーレジスト層の表面と
の間に隙間が生じている部分があり、ここに半田ペース
トが入り込んだためであると推定された。また、導通試
験に関しては、発生頻度はそれほど高くないものの、信
頼性試験前後で短絡が発生していた。短絡と確認された
部分の半田バンプの断面を観察すると、形成された半田
バンプの大きさにバラツキが見られた。半田ペースト印
刷用レジストに形成した貫通孔の形状が一様でなく、半
田の充填量にバラツキが発生したためであると推定され
た。
【0216】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の多層プリ
ント配線板の製造方法では、ソルダーレジスト層上に、
樹脂組成物を塗布する工程等を経て形成した半田ペース
ト印刷用レジストを介して、半田バンプ形成用開口に半
田ペーストを印刷するため、相互間で短絡のない半田バ
ンプを形成することができ、接続性および信頼性に優れ
た多層プリント配線板を製造することができる。また、
本発明の製造方法では、樹脂組成物を塗布することによ
りレジスト用樹脂層を形成しているため、樹脂フィルム
を張り付けることによりレジスト用樹脂層を形成する場
合と異なり、ソルダーレジスト層との間に隙間が発生せ
ず、所望の形状の貫通孔を有する半田ペースト印刷用レ
ジストを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)は、本発明の多層プリント配線
板の製造方法における(a)〜(e)の工程の一例を模
式的に示す部分断面図である。
【図2】本発明の多層プリント配線板の製造方法の工程
の一部を模式的に示す部分断面図である。
【図3】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配線
板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図4】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配線
板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図5】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配線
板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図6】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線
板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図7】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線
板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図8】(a)〜(e)は、本発明の多層プリント配線
板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図9】(a)〜(e)は、本発明の多層プリント配線
板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図10】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配
線板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図11】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配
線板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図12】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配
線板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図13】本発明の多層プリント配線板の製造方法の工
程の一部を示す断面図である。
【符号の説明】
1、30 基板 8、32 銅箔 4、34 下層導体回路 9、36 スルーホール 6、52 バイアホール用開口 12、42 薄膜導体層(無電解めっき膜) 3、43 めっきレジスト 13、44 電解めっき膜 2、50、102 層間樹脂絶縁層 10、54 樹脂充填材 58 蓋めっき層 14、70、114 ソルダーレジスト層 17、76、117 半田バンプ 78 導電性ピン 105 導体回路 106 半田バンプ形成用開口 107 バイアホール 111 レジスト用樹脂層 112 半田ペースト印刷用レジスト 113、213 貫通孔 115 半田ペースト 116 半田パッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/46 H01L 23/12 N (72)発明者 持田 晶良 岐阜県揖斐郡揖斐川町北方1−1 イビデ ン株式会社大垣北工場内 (72)発明者 脇原 義範 岐阜県揖斐郡揖斐川町北方1−1 イビデ ン株式会社大垣北工場内 Fターム(参考) 5E319 AA03 AA06 AB05 AC01 AC17 BB04 CC33 CD29 GG05 5E346 AA06 AA12 AA15 AA17 AA43 BB01 BB16 CC02 CC08 CC32 CC37 CC38 CC40 CC53 DD02 DD22 DD46 EE31 FF04 FF45 GG15 GG23 GG25 HH22 HH33

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体回路を形成した基板上に、層間樹脂
    絶縁層と導体回路とを積層形成した後、最上層の導体回
    路上に、複数の半田バンプ形成用開口を有するソルダー
    レジスト層を設け、前記半田バンプ形成用開口に半田バ
    ンプを形成する多層プリント配線板の製造方法であっ
    て、少なくとも下記(a)〜(e)の工程を含むことを
    特徴とする多層プリント配線板の製造方法。 (a)ソルダーレジスト層上に、樹脂組成物を塗布する
    ことによりレジスト用樹脂層を形成するレジスト用樹脂
    層形成工程、(b)前記レジスト用樹脂層に露光・現像
    処理、または、レーザ処理を施し、半田バンプ形成用開
    口部分に前記開口と連通した貫通孔を有する半田ペース
    ト印刷用レジストを形成するレジスト形成工程、(c)
    前記半田ペースト印刷用レジストを介して、半田バンプ
    形成用開口に半田ペーストを印刷する半田ペースト印刷
    工程、(d)前記(c)の工程で印刷した半田ペースト
    にリフロー処理を施し、半田バンプを形成する半田バン
    プ形成工程、および、(e)半田ペースト印刷用レジス
    トを剥離または除去するレジスト除去工程。
  2. 【請求項2】 前記ソルダーレジスト層は、その底面が
    平坦な半田バンプ形成用開口と、その底面の少なくとも
    一部が窪んだ半田バンプ形成用開口とを有する請求項1
    に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記半田ペースト印刷工程の後、前記半
    田ペースト印刷用レジスト上に残留した半田ペーストを
    除去する残留ペースト除去工程を行う請求項1または2
    に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記半田バンプ形成用開口の底面に露出
    する金属層は、貴金属、スズ、または、ニッケルからな
    る請求項1〜3のいずれか1に記載の多層プリント配線
    板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記半田ペースト印刷用レジストは、熱
    硬化性樹脂、感光性樹脂、または、これらの複合体から
    なる請求項1〜4のいずれか1に記載の多層プリント配
    線板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記半田ペースト印刷用レジストの剥離
    または除去は、酸溶液、アルカリ溶液、または、有機溶
    媒を用いて行う請求項1〜5のいずれか1に記載の多層
    プリント配線板の製造方法。
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