JP2002261329A - Iii族窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法

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JP2002261329A
JP2002261329A JP2001399152A JP2001399152A JP2002261329A JP 2002261329 A JP2002261329 A JP 2002261329A JP 2001399152 A JP2001399152 A JP 2001399152A JP 2001399152 A JP2001399152 A JP 2001399152A JP 2002261329 A JP2002261329 A JP 2002261329A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エッチングが困難なIII族窒化物系化合物半
導体に対してエッチング技術を用いずにIII族窒化物系
化合物半導体発光素子の素子分離、電極形成、端面反射
鏡作製をする。 【解決手段】 本発明のIII族窒化物系半化合物半導
体発光素子の製造方法は、SiC基板上またはIII族
窒化物系化合物半導体上に誘電体膜をパターン状に形成
する第1工程と、リアクターを水素雰囲気に置換した
後、有機金属化学的気相成長法により上記SiC基板ま
たは上記III族窒化物系化合物半導体の上にIII族
窒化物系半導体層を選択成長する第2工程を含むことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、III族窒化物系化
合物半導体を含む薄膜積層構造を用いた発光ダイオード
(以下LEDという)、半導体レーザなどのIII族窒化
物系化合物半導体発光素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、青色発光デバイスは、II−VI
族のZnSe、IV−IV族のSiC、III−V族のGaNな
どを用いて研究が進められており、最近では、その中で
もIII族窒化物系化合物半導体が常温で、高効率の発光
をすることが示され注目を集めている。
【0003】このように、高効率の発光をするIII族窒
化物系化合物半導体を用いた素子が期待されているにも
かかわらず、その研究が進展しなかった最も大きな原因
としては、III族窒化物系化合物半導体層を成長させる
ための格子定数または熱膨張係数の同じ適当な基板材料
が無いことである。
【0004】近年、有機金属化合物化学的気相成長(M
OCVD法)によってサファイア基板上にIII族窒化物
系化合物半導体層を成長させる方法が報告されている。
つまり、サファイア基板上にIII族窒化物系化合物半導
体層としてのGaN、AlNなどのバッファ層を比較的
低温で成長させ、その上にGaNの成長を行うことによ
って成長層の表面状態、結晶性が著しく向上し、ノンド
ープGaNエピ層でバックグラウンドキャリア濃度の低
い良好な電気特性のものが得られることが報告されてい
る。また、このようにして形成した結晶性の良好なGa
NまたはAlGaNにp型不純物としてMgを添加し、
電子線照射または熱処理を行うことにより低抵抗のP型
層が得られることが報告されている。
【0005】これらの結晶成長技術や価電子制御技術の
進展によりAlGaNとInGaNを用いたダブルへテ
ロ構造を用いた青色LEDで1(cd)を超え、SiC
を用いた青色LEDで商品化されている従来の素子に比
べて100倍程度明るい素子が開発されるようになっ
た。
【0006】上記のようにGaN系化合物半導体を用い
て、屋外での使用にも十分耐えられる、十分な光度を持
った青色LEDが開発され、赤色、緑色のLEDと組み
合わせたフルカラーディスプレイなどへの応用の期待が
高まっている。
【0007】図llに現在作製されているGaN系化合
物半導体を用いた青色LEDの構造を示している。
【0008】図11において、サファイア基板11上
に、GaNバッファ層3、n型GaN成長層4、n型A
lGaNクラッド層5、InGaN発光層6、p型Al
GaNクラッド層7さらにp型GaNコンタクト層8を
順次膜成長させる。このp型GaNコンタクト層8上に
p側電極10を形成し、また、n型GaN成長層4の途
中までの各成長層の両端部をエッチングして、n型Ga
N成長層4上にn側電極13を形成する。以上により、
GaN系化合物半導体を用いた青色LEDが構成され
る。
【0009】このように、GaN系化合物半導体は絶縁
物であるサファイア基板11上に成長しているために、
LEDのp側またはn側の電極10,13を形成するに
は、いずれの電極10,13も成長層の表面側から形成
する必要があるため、例えばn側電極13を形成するの
に、n型GaN成長層4の途中まで各成長層をエッチン
グして除去することが必要になる。また、LEDを個々
のチップに分割する際のダメージをInGaN発光層6
などの活性層に及ぼさないようにするために、接合端面
をエッチングすることが必要である。
【0010】このように、GaN系化合物半導体を用い
た発光デバイスまたは電子素子を作製する場合にそのエ
ッチング技術は必要不可欠なものであった。また、青か
ら紫外域までの短波長半導体レーザが実現できれば、例
えば光ディスクの記憶容量の増大など、今後のマルチメ
ディア時代に向けて大きな用途開発が期待されている。
このような半導体レーザを実現する場合には素子内に共
振器構造を作り込む必要がある。GaAs系のIII−V
族半導体を用いた半導体レーザにおいては基板に用いら
れているGaAs結晶は、特定の結晶面に沿った劈開面
が存在するために、これを利用することにより、基板に
対して垂直の共振器用反射ミラーを容易に形成すること
ができる。しかしながら、GaN系化合物半導体の成長
において一般に用いられているサファイア基板は、上記
GaAs結晶のような劈開面が存在しないために、半導
体レーザを作製するためにはエッチングなどの方法によ
って基板に垂直な鏡面の反射ミラーを形成することが必
要であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記したエッチング技
術は非常に重要なものであるが、III族窒化物系化合物
半導体は非常に化学的に安定な材料であるためにそのエ
ッチングは非常に困難なことが知られている。リン酸な
どを用いたGaNのウェットエッチングの報告例がある
ものの、このウェットエッチング方法では特定の形状に
制御性よくエッチングすることが非常に困難であり、L
EDの作製には歩留まりや信頼性などの点から実用上問
題となっていた。
【0012】また、近年、塩素系のガスを用いたリアク
ティブイオンエッチング(RIE)などのドライエッチ
ングによるIII族窒化物系化合物半導体のエッチングに
関する報告もなされている。しかしこれらはまだ十分に
確立された技術とはいえず、特に、半導体レーザの反射
ミラーに用いられるような垂直な鏡面を得ることができ
ないのが現状であった。このことが、高効率の発光をす
るIII族窒化物系化合物半導体を用いた半導体レーザな
どの発光素子が期待されているにもかかわらず、いまだ
に実現されていないことの大きな原因の一つとなってい
た。
【0013】このようなエッチング技術を用いずに、電
極形成、素子分離を行う技術として「特開昭56−15
0880号公報」には、絶縁性薄膜上に導電性多結晶窒
化ガリウム薄膜を形成することを用いた素子が報告され
ている。
【0014】ところが、図12に示すこの方法では、サ
ファイア基板11上に設けられた単結晶GaN成長層4
の側面にはアルミナ上に形成された多結晶導電性薄膜5
1が存在しているため、MIS型の発光素子にのみ適用
可能であって、近年開発されているpn接合またはDH
構造の高輝度LEDの場合には、pn接合界面にこの導
電性薄膜が接することになり、その適応が不可能であっ
た。
【0015】一方、選択的にGaN薄膜を形成する方法
として、一部をSiOxで覆ったサファイア基板上へA
lNバッファ層を介してGaN成長を行うことにより可
能なことが文献(天野浩:名古屋大学博士過程論文・1
989年)に報告されている。また、一部をSiO2
覆ったn型GaN成長層(基板はサファイア)上にp型
GaN成長層を選択的に成長させることによるpn接合
型LEDの作製も文献(1990年電気学会研究会資料
EFM−90−23p.57)で報告されている。
【0016】しかし、半導体レーザの端面反射鏡に用い
られるような垂直反射鏡を得ることについては何等言及
されておらず、これらの方法では実現不可能であった。
【0017】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、エッチングが困難なIII族窒化物系化合物半導体に
対してエッチング技術を用いずにIII族窒化物系化合物
半導体発光素子の素子分離、電極形成、端面反射鏡作製
をすることができるIII族窒化物系化合物半導体発光素
子およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明のIII族窒化物系
化合物半導体発光素子は、SiC基板上またはIII族
窒化物系化合物半導体上に誘電体膜をパターン状に形成
する第1工程と、リアクターを水素雰囲気に置換した
後、有機金属化学的気相成長法により上記SiC基板ま
たは上記III族窒化物系化合物半導体の上にIII族
窒化物系半導体層を選択成長する第2工程を含むもので
あり、そのことにより上記目的が達成される。
【0019】また、SiC基板上またはIII族窒化物
系化合物半導体上に誘電体膜をパターン状に形成する第
1工程と、有機金属化学的気相成長法により上記SiC
基板または上記III族窒化物系化合物半導体の上にシ
ランを流しn型III族窒化物系半導体層を選択成長す
る第2工程を含むものであり、そのことにより上記目的
が達成される。
【0020】さらに、好ましくは、上記誘電体膜がSi
2膜、またはSiO2膜とSi34膜の積層膜である。
【0021】上記構成により、以下、その作用を説明す
る。
【0022】本発明の素子形成技術は、気相成長法また
は分子線エピタキシー法などによってIII族窒化物系化
合物半導体を成長させる際に、成長用基板、または予め
素子の最下層となるIII族窒化物系化合物半導体を成長
した基板上に誘電体薄膜を予めパターン状に形成した場
合に、この誘電体薄膜上にはIII族窒化物系化合物半導
体単結晶薄膜は膜成長せず、誘電体薄膜のない基板上に
のみIII族窒化物系化合物半導体薄膜が成長することを
利用したものである。
【0023】本発明者らはこのような選択成長技術を応
用して、例えば、予め比較的厚めの誘電体薄膜を部分的
に形成した基板を用いて、誘電体薄膜のない領域にIII
族窒化物系化合物半導体の誘電体薄膜よりは層厚の薄い
層を成長させることにより、この誘電体薄膜とIII族窒
化物系化合物半導体薄膜との界面には電気的に不活性な
非常に安定な界面が形成されることを見いだした。この
ような安定な界面はそのままで素子分離の際の分離層と
して利用することが可能となる。
【0024】また、誘電体薄膜の断面を垂直な鏡面を得
ることは比較的容易な技術であるが、この垂直鏡面誘電
体薄膜を選択成長の際に用いることによって、誘電体薄
膜とIII族窒化物系化合物半導体成長層との界面に半導
体レーザなどの発光素子の反射ミラーに適用可能な垂直
鏡面が得られることも見いだした。この垂直鏡面を用い
ることによって従来は実現されていなかったIII族窒化
物系化合物半導体レーザなどの発光素子が初めて実現で
きた。
【0025】したがって、本発明においては、エッチン
グが困難なIII族窒化物系化合物半導体に対してエッチ
ング技術を用いずにIII族窒化物系化合物半導体素子の
素子分離、電極形成、端面反射鏡作製が可能となるため
に、これら素子の信頼性を大幅に改善することが可能と
なるとともに、製造過程も簡略化可能となり、このため
に、これら素子の実用化が進展することになる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。なお、以下に述べるIII族窒化物系化合物
半導体とは(AlxGa1-xyIn1-yN(0≦x≦1、
0≦y≦1)で表される化合物半導体を示している。 (第1の実施の形態)本実施の形態では、SiC基板上
にAlGaN/InGaNのダブルヘテロ構造を作製し
て青色LEDを作製する場合であり、有機金属化学的気
相成長法(MOCVD法)によってIII族窒化物系化合
物半導体薄膜を成長させた場合である。 図1は本発明
の第1の実施の形態におけるIII族窒化物系化合物半導
体青色LEDの構造を示す断面図である。
【0027】図1において、6H‐SiC基板1上に格
子状に誘電体薄膜としてのSiO2膜2を膜厚約4μm
で設け、SiO2膜2の格子内の6H‐SiC基板1上
に、III族窒化物系化合物半導体薄膜として、膜厚約2
0nmのGaNバッファ層3、膜厚約2.5μmのn型
GaN成長層4、膜厚約200nmのn型Al0.lGa0
.9Nクラッド層5、膜厚50nmのIn0.06Ga0.94
発光層6、膜厚約200nmのAl0.lGa0.9Nクラッ
ド層7、さらに膜厚300nmのGaNコンタクト層8
を順次設けている。このように、III族窒化物系化合物
半導体薄膜をSiO2膜2の格子内に選択成長可能であ
りSiO2膜2上には膜は成長せず、SiO 2膜2の格子
内の6H‐SiC基板1上にのみ合計3.25μmのII
I族窒化物系化合物半導体によるダブルヘテロ積層構造
が構成される。
【0028】さらに、6H‐SiC基板1の裏面側にn
側電極としてのオーム性電極9が設けられ、GaN層8
上にp側電極としてのオーム性電極10が設けられてい
る。以上により、本実施の形態における青色LEDが構
成される。
【0029】この青色LEDは以下のようにして製造す
ることができる。
【0030】まず、表面研磨の後に酸化処理によって表
面のダメージ層を除去したn型(0001)Si面の6
H‐SiC基板1を用いてスパッタ法によりその上にS
iO 2膜2を形成する。このSiO2膜2の膜厚は約4μ
mとした。
【0031】次に、通常のフォトリソグラフィーにより
SiO2膜2に、図2に示すように250μmのSiO2
膜2のない領域21と、50μmの幅の格子状にパター
ン化されたSiO2層(SiO2膜2を残した領域)22
を形成する。このSiO2膜2のエッチングにはバッフ
ァードフッ酸を用いた。このSiO2層22のパターン
を形成した6H‐SiC基板1をMOCVD装置のリア
クターにセットし、リアクターを水素で良く置換した
後、水素を流しながら温度をll00℃まで上昇させて
20分間保持し、SiO2膜2のない領域21の6H‐
SiC基板1表面のクリーニングを行う。
【0032】その後、温度を500℃まで下げ、水素に
加えて、アンモニア(NH3)を毎分5リットル、トリ
メチルガリウム(以下TMGという)を毎分3×10-5
モル流しながら3分間保持してGaNバッファ層3を約
20nmの膜厚で成長させる。その後、このTMGの流
れを止めて温度を1050℃まで上昇させる。その温度
が1050℃に安定したら再びTMG、シラン(SiH
4)を毎分0.3cc流し、1時間の膜成長で約2.5
μmのn型GaN成長層4を成長させる。
【0033】続いて、これらNH3、TMG、トリメチ
ルアルミニウム(以下TMAという)を毎分6×10-6
モル、シラン(SiH4)を毎分0.3cc流し、5分
間の膜成長で約200nmのn型Al0.lGa0.9Nクラ
ッド層5を膜成長させる。このクラッド層の電子濃度は
2×1018cm-3である。
【0034】さらに、これらTMG、TMA、SiH4
の流れを止めて温度を800℃まで下降させる。温度が
800℃に安定したらTMGおよびトリメチルインジウ
ム(以下TMIという)を毎分8×10-5モル、ジエチ
ルジンク(以下DEZという)を毎分1×10-8モル流
し、1分間の成長で50nmのIn0.06Ga0.94N発光
層6を成長させる。ZnはこのIn0.06Ga0.94N発光
層6中で深いアクセプタ準位を形成し、このアクセプタ
準位を発光センターとする活性発光層となる。この活性
発光層からの室温での発光ピーク波長は約450nmで
ある。
【0035】さらに、これらのTMD、TMI、DEZ
の流れを止めて温度を再び1050℃まで上昇させる。
温度が1050℃に安定したらTMG、TMAおよびビ
スシクロペンタジエニル(Cp2Mg)を毎分5×10-
6モル流し、5分間の膜成長で約200nmのAl0.l
0.9Nクラッド層7を成長させる。続いて、TMAの
流れを止めてマグネシウムを添加し、7.5分間の膜成
長で300nmのGaNコンタクト層8を成長させる。
【0036】以上の各層の膜成長により、図3に示すよ
うにSiO2膜2のない領域21の6H−SiC基板1
上に合計3.25μmのIII族窒化物系化合物半導体に
よるダブルヘテロ積層構造が構成できる。この膜成長で
は選択成長が可能であり格子状のSiO2層22上には
膜は成長しない。このようにして得られたウェハを装置
から取り出し、窒素雰囲気中700℃で20分間の熱処
理を行うことにより、マグネシウムを添加したAl0.l
Ga0.9Nクラッド層7およびGaNコンタクト層8の
低抵抗p型化を行う。この処理により両層の正孔濃度は
約1×1018cm -3となった。
【0037】このn型6H‐SiC基板1の裏面を研磨
することにより、基板裏面の成長付着物を除去した後、
n型6H‐SiC基板1へのオーム性電極のn側電極9
としてニッケルを部分的に形成し、また、p型GaNコ
ンタクト層8へのオーム性電極のp側電極10として金
(Au)をそれぞれ真空蒸着により形成し、図3のよう
なLEDチップウェハが形成される。最終的にLEDを
個々のチップに分割するためにIII族窒化物系化合物半
導体成長層のない格子状のSiO2層22上からダイシ
ングして素子分割する。
【0038】以上のようにして得られたLEDチップに
おいては、III族窒化物系化合物半導体成長層とSiO2
層22との間には安定な界面が形成されており、−5V
の印加電圧における漏れ電流は1nA以下であり、DC
20mA駆動による信頼性試験においても1万時間にお
いても30%以下の光出力低下にとどまった。
【0039】(第2の実施の形態)本実施の形態では、
SiC基板1上にAlGaN/InGaNのダブルヘテ
ロ構造を作製して青色LEDを作製する場合であり、第
1の実施の形態と異なるのは、選択成長に用いるSiO
2膜2の膜厚を0.4μmとし、膜成長させるIII族窒化
物系化合物半導体層の全層厚よりも薄くした場合であ
る。
【0040】図4に本発明の第2の実施の形態における
III族窒化物系化合物半導体青色LEDの構造を示す断
面図である。
【0041】図4において、6H‐SiC基板1上に、
第1の実施の形態と同様の誘電体薄膜としてのSiO2
膜2を格子状にパターニングした基板を用いて、有機金
属化学的気相成長法(MOCVD法)によって第1の実
施の形態と全く同様の手順によって、III族窒化物系化
合物半導体薄膜をそれぞれ膜成長させた。本実施の形態
においては、格子状にパターニングされたSiO2層よ
りもIII族窒化物系化合物半導体薄膜層を厚く成長させ
るため、このIII族窒化物系化合物半導体薄膜層はSi
O2層の膜厚以上の領域ではそれぞれ若干広がって膜成
長する。
【0042】以上のようにして得られたLEDチップに
おいても、−5Vの印加電圧における漏れ電流は1nA
以下であり、DC20mA駆動による信頼性試験におい
ても1万時間においても30%以下の光出力低下にとど
まった。
【0043】また、このLEDでは活性発光層の両端部
は完全に平行ではなく斜め角度を持ったものが形成され
ているので、平坦な端面が形成されているにもかかわら
ず共振器構造は形成されない。このことにより、注入電
流を増大させていっても発振が起こらず安定なLEDモ
ードで発光強度のみが増大するスーパールミネッセント
LEDが形成できる。したがって、本実施の形態で得ら
れるLEDはパルス駆動による高駆動電流での使用が有
利である。
【0044】(第3の実施の形態)本実施の形態では、
成長層の表面状態、結晶性が著しく向上するサファイア
基板上にAlGaN/InGaNのダブルヘテロ構造を
作製して青色LEDを作製する場合であり、有機金属化
学的気相成長法(MOCVD法)によってIII族窒化物
系化合物半導体薄膜を成長させた場合である。
【0045】図5は本発明の第3の実施の形態における
III族窒化物系化合物半導体青色LEDの構造を示す断
面図である。
【0046】図5において、サファイア基板ll上に、
III族窒化物系化合物半導体薄膜として、GaNバッフ
ァ層3、n型GaN成長層4、n型AlGaNクラッド
層5、InGaN発光層6、p型AlGaNクラッド層
7さらにp型GaNコンタクト層8を順次設けている。
このInGaN発光層6の両端面側に接するようにSi
34膜12が設けられており、また、n型GaN成長層
4の両端面側に接するように電極層13がサファイア基
板ll上に設けられている。以上のようにして青色LE
Dが構成される。
【0047】この青色LEDは以下のようにして製造す
ることができる。
【0048】まず、サファイアC面基板ll上にスパッ
タ法により誘電対膜としてのSiO 2膜2、さらにSi3
4膜12を連続的に形成する。このSiO2膜2の膜厚
は2μm、Si34膜12の膜厚は2μmとした。次
に、通常のフォトリソグラフィーにより図6bに示す格
子状のパターンに形成する。ここでは、200μmの幅
のSi34/SiO2のない領域31と、150μmの
幅のSi34/SiO2の格子状のパターン領域(Si
2膜2/Si34膜12を残した領域)32を形成し
た。このSi34膜12のエッチングにはリン酸を用
い、また、SiO2膜2のエッチングにはバッファード
フッ酸を用いた。このSi34/SiO2の格子状のパ
ターン領域32を形成したサファイア基板11をMOC
VD装置のリアクターにセットし、このリアクターを水
素で良く置換した後、アンモニアを流しながら温度を1
100℃まで上昇させて20分間保持し、Si34/S
iO2のない領域31のサファイア基板11の表面の窒
化膜の成膜を行う。
【0049】その後、温度を500℃まで下げ、アンモ
ニア(NH3)を毎分5リットル、トリメチルガリウム
(TMG)を毎分3×10-5モル流しながら1分間保持
してGaNバッファ層3を約20nmの膜厚で成長させ
る。その後の膜成長は、第1の実施の形態と全く同様に
行うことにより、図3と同様のn型GaN成長層4、n
型AlGaNクラッド層5、InGaN発光層6、p型
AlGaNクラッド層7、p型GaNコンタクト層8の
成長層が順次得られる。このサファイア基板llは絶縁
性であるためにn型GaN成長層4へのオーム性電極1
3も基板上面側から形成する必要がある。このオーム性
電極13の形成工程を以下に示す。
【0050】図7に示すようにSi34膜12を部分的
にエッチングする。このとき、活性発光層であるInG
aN発光層6に接する部分のSi34膜12は約20μ
mの幅の保護層として残しておく。その下部のSiO2
膜2をバッファードフッ酸を用いたウェットエッチング
によって全て取り除き、その部分にn型GaN成長層4
へのオーム性電極のn側電極13としてアルミニウムを
真空蒸着により形成する。さらに、p型GaN層8への
オーム性電極のp側電極10として金(Au)を真空蒸
着により形成することにより、図5に示すLEDウェハ
が形成される。最終的に、このLEDを個々のチップに
分割するために、アルミニウム電極層13の上からダイ
シングすることによりすべての工程が終了する。
【0051】以上のようにして得られたLEDチップに
おいて、III族窒化物系化合物半導体成長層とSi34
層との間には安定な界面が形成されており、−5Vの印
加電圧における漏れ電流は1nA以下であり、DC20
mA駆動による信頼性試験においても1万時間において
も30%以下の光出力低下にとどまった。
【0052】(第4の実施の形態)本実施の形態は、S
iC基板上にAlGaN/GaNのダブルヘテロ構造を
作製して紫外LDを作製する場合であり、有機金属化学
的気相成長法(MOCVD法)によってIII族窒化物系
化合物半導体薄膜を成長させた場合である。
【0053】図8aは本発明の第4の実施の形態におけ
るIII族窒化物系化合物半導体紫外LDの構造を示す断
面図、図8bはその平面図である。
【0054】図8aおよび図8bにおいて、6H‐Si
C基板1上に、III族窒化物系化合物半導体薄膜とし
て、GaNバッファ層3、n型GaN成長層4、n型A
lGaNクラッド層5、GaN発光層61、p型AlG
aNクラッド層7さらにp型GaNコンタクト層8を順
次設けている。このIII族窒化物系化合物半導体層の両
端面側に接するように誘電体層としてのSiO2膜2よ
りなる格子状パターンのSiO2層22が設けられてい
る。これらp型GaNコンタクト層8およびSiO2層
22上に保護膜としてのAl23膜14が設けられてい
る。このAl23膜14上にAu/Ni積層膜よりなる
p側電極15が設けられており、Au/Ni積層膜より
なるp側電極15は、Al23膜14に形成されたスト
ライプを介してGaNコンタクト層8に直接接触してい
る。また、6H‐SiC基板1の裏面には、オーム性電
極のn側電極9が全面に設けられている。以上のように
して紫外LDが構成される。
【0055】この紫外LDは以下のようにして製造する
ことができる。
【0056】まず、表面研磨の後に酸化処理によって表
面のダメージ層を除去したn型(0001)C面から
〈1120〉方向に5度オフした6H‐SiC基板1を
用い、スパッタ法により6H‐SiC基板1上にSiO
2膜2を形成する。このSiO2膜2の膜厚は約4μmと
した。
【0057】次に、通常のフォトリソグラフィーにより
SiO2膜2に図2に示したのと同じパターンを形成す
る。図2のように250μmのSiO2膜2のない領域
21と、50μmの幅の格子状パターンのSiO2層2
2を形成する。本実施の形態におけるLD作製において
は、選択成長によって形成するIII族窒化物系化合物半
導体層とSiO2層22との界面を反射ミラーとして利
用するために、この界面の基板に対する垂直性、平垣性
が重要である。選択成長に関する種々の実験検討の結果
からSiO2などの誘電体層のエッチング面の方向をIII
族窒化物系化合物半導体結晶の結晶型である六方晶の一
辺である(1100)方向にIII族窒化物系化合物半導
体層と誘電体層との界面が最も平坦な層が得られること
が判明した。したがって、ここでは、6H‐SiC基板
1の(ll00)方向と平行にSiO2膜2のエッチン
グ面が得られるようにした。このSiO2膜2のエッチ
ングにはCF4ガスを用いたRIE法を用い、垂直性に
優れたSiO2のエッチング面を得た。このSiO2膜2
の格子状パターンであるSiO2層22を形成した6H
‐SiC基板1をMOCVD装置のリアクターにセット
し、このリアクターを水素で良く置換した後、水素を流
しながら温度を1300℃まで上昇させて20分間保持
し、SiO2膜2のない領域21の6H‐SiC基板1
表面のクリーニングを行う。
【0058】その後、温度を500℃まで下げ、アンモ
ニア(NH3)を毎分5リットル、トリメチルガリウム
(TMG)を毎分3×10-5モル流しながら3分間保持
してGaNバッファ層3を約20nmの膜厚で成長させ
る。さらに、このTMGの流れを止めて温度を1050
℃まで上昇させる。温度が1050℃に安定したらTM
G、NH3、シラン(SiH4)を毎分0.3cc流し、
1時間の膜成長で約2.5μmのn型GaN成長層4を
成長させる。
【0059】続いて、NH3、TMGに加えてトリメチ
ルアルミニウム(TMA)を毎分6×10-6モル、シラ
ン(SiH4)を毎分0.3cc流し、25分間の膜成
長で約1μmのAl0.15Ga0.85Nクラッド層5を成長
させる。このクラッド層5の電子濃度は2×1018cm
-3である。
【0060】さらに、NH3、SiH4の流れを止め、1
分間の膜成長で50nmのGaN発光層61を膜成長さ
せる。このノンドープGaN発光層6がLDの活性層と
なる。室温での発振波長は約366nmである。
【0061】さらに、TMAおよびCp2Mgを毎分5
×10-6モル流し、25分間の膜成長で約1μmのp型
Al0.15Ga0.85Nクラッド層7を膜成長させる。続い
て、TMAの流れを止め、7.5分間の膜成長で300
nmのGaNコンタクト層8を膜成長させる。
【0062】以上の各膜成長により、図8bのようにS
iO2膜2のない領域21の6H−SiC基板1上に合
計4.85μmのIII族窒化物系化合物半導体によるダ
ブルヘテロ積層構造を構成することができる。この膜成
長では、III族窒化物系化合物半導体の、SiO2膜2の
ない領域21への選択成長が可能であり、格子状パター
ンのSiO2層22上にはIII族窒化物系化合物半導体膜
は成長しない。このようにして得られたウェハを装置か
ら取り出し、窒素雰囲気中700℃の温度で20分間の
熱処理を行うことにより、マグネシウムを添加したAl
0.15Ga0.85Nクラッド層7およびGaNコンタクト層
8の低抵抗p型化を行う。この処理により両層の正孔濃
度は約1×1018cm-3となった。
【0063】さらに、エピ層の上に保護膜としてAl2
3膜14を電子ビーム蒸着により形成し、幅が3μm
の電極ストライプ構造を形成して電極とし、このストラ
イプを介してGaNコンタクト層8に直接接触するよう
にAu/Ni積層膜15を形成する。さらに、(110
0)方向に沿って形成したSiO2膜2とIII族窒化物系
化合物半導体積層膜との界面を反射ミラーとして利用す
るために、この部分のSiO2層22を20μmの幅だ
け残してエッチング除去する。さらに、6H‐SiC基
板1の裏面の成長付着物を研磨除去した後、基板へのオ
ーム性電極のn側電極9としてNiを全面に蒸着するこ
とにより図8に示す半導体レーザ素子が形成できる。
【0064】このようにして形成した半導体レーザ素子
に電流を流したところ、80mA(約l×104A/m2
の電流密度)の電流で366nmの紫外域でのレーザ発
振が観測された。その比較例として同じウェハを用いて
選択成長法を用いずにエッチングにより反射ミラーを形
成した場合は、さらに大電流を加えてもレーザ発振は観
測されなかった。上記のような選択成長による良好な反
射ミラーの形成がレーザ発振が達成できた原因と考えら
れる。
【0065】したがって、予め比較的厚めの誘電体薄膜
を格子状パターンに部分的に形成した基板を用いて、誘
電体薄膜のない領域にIII族窒化物系化合物半導体の誘
電体薄膜よりは層厚の薄い層を成長させることにより、
この誘電体薄膜とIII族窒化物系化合物半導体薄膜との
界面には電気的に不活性な非常に安定な界面が形成され
る。このような安定な界面はそのままで素子分離の際の
分離層として利用することが可能となる。また、誘電体
薄膜の断面を垂直な鏡面を得ることは比較的容易な技術
であるが、この垂直鏡面誘電体薄膜を選択成長の際に用
いることによって、誘電体薄膜とIII族窒化物系化合物
半導体成長層との界面に発光素子の反射ミラーに適用可
能な垂直鏡面が得られる。
【0066】このようにして、本実施の形態において
は、エッチング技術を用いずにIII族窒化物系化合物半
導体素子の素子分離、電極形成、端面反射鏡作製が可能
となるために、これら素子の信頼性を大幅に改善するこ
とが可能となるとともに、製造過程も簡略化可能とな
り、このために、これら素子の実用化が進展する。
【0067】(第5の実施の形態)本実施の形態では、
サファイア基板11上にAlGaN/InGaNのダブ
ルヘテロ構造を作製した青紫色LDの場合であり、有機
金属化学的気相成長法(MOCVD法)によってIII族
窒化物系化合物半導体薄膜を成長した場合である。
【0068】図9aは本発明の第5の実施の形態におけ
るIII族窒化物系化合物半導体青紫色LDの構造を示す
断面図、図9bはその平面図である。
【0069】図9aおよび図9bにおいて、サファイア
基板11上にIII族窒化物系化合物半導体薄膜が設けら
れており、III族窒化物系化合物半導体薄膜下部のn型
GaN成長層4上にn側電極13が設けられている。ま
た、III族窒化物系化合物半導体薄膜上部のGaNコン
タクト層8上に保護膜としてのAl23膜14が設けら
れている。このAl23膜14上にはp側電極10が設
けられており、このp側電極10はAl23膜14のス
トライプを介してGaNコンタクト層8と直接接触して
いる。以上のようにして青紫色LDが構成される。
【0070】この青紫色LDは以下のようにして製造す
ることができる。
【0071】まず、(0001)面のサファイア基板1
1をMOCVD装置のリアクターにセットし、リアクタ
ーを水素で良く置換した後、アンモニアと水素を流しな
がら温度を1200℃まで上昇させて10分間保持し、
サファイア基板ll表面の窒化処理を行う。
【0072】その後、温度を500℃まで下げ、アンモ
ニア(NH3)を毎分5リットル、トリメチルガリウム
(TMG)を毎分3×10-5モル流しながら3分間保持
してGaNバッファ層3を約20nmの膜厚で成長させ
る。さらに、TMGの流れを止めて温度を1050℃ま
で上昇させる。温度が1050℃に安定したら再びTM
Gに加えてシラン(SiH4)を毎分0.3ccを流
し、1時間の膜成長で約2.5μmのn型GaN成長層
4を膜成長させる。
【0073】この後、n型GaN成長層4を2.5μm
成長させたサファイア基板11をMOCVD装置から取
り出して、スパッタ装置に導入し、スパッタ法により
1.5μmの膜厚のSiO2膜2を形成する。このSi
2膜2の1.5μmの膜厚は、続いて成長するIII族窒
化物系化合物半導体多層膜の合計層厚より大きい値であ
る。
【0074】次に、RIE法を用いSiO2膜2に対し
て図2に示すような、250μmの幅のSiO2膜2の
ない領域21と50μmの幅の格子状パターンのSiO
2層22を形成する。この場合、SiO2膜2のエッチン
グ断面は基板面に対して90°±1°に形成することが
できた。
【0075】このSiO2層22の格子状パターンが形
成されたn型GaN成長層4を2.5μm成長したサフ
ァイア基板llをMOCVD装置のリアクターに再び導
入し、リアクターを水素で良く置換した後、NH3、T
MG、トリメチルアルミニウム(TMA)を毎分6×1
-6モル、シラン(SiH4)を毎分0.3cc流し、
12分間の膜成長で約500nmのn型Al0.lGa0.9
Nクラッド属5を成長させる。このクラッド層5の電子
濃度は2×1018cm-3である。
【0076】さらに、これらTMG、TMA、SiH4
の流れを止めて温度を800℃まで下降させる。温度が
800℃に安定したらTMGおよびトリメチルインジウ
ム(TMI)を毎分4×10-4モル流し、12秒間の膜
成長で10nmのIn0.25Ga0.75N発光層6を成長さ
せる。この発光層6からの室温での発光ピーク波長は約
432nmである。さらに、これらのTMG、TMIの
流れを止めて温度を再び1050℃まで上昇させる。温
度が1050℃に安定したらを毎分5×10-6モル流
し、12分間の膜成長で約500nmの膜厚のAl0.l
Ga0.9Nクラッド層7を成長させる。続いて、TMA
の流れを止めてマグネシウムを添加し、7.5分間の膜
成長で300nmのGaNコンタクト層8を成長させ
る。
【0077】以上のIII族窒化物系化合物半導体薄膜の
成長により、図10のようにSiO2膜2のない領域2
1のn型GaN成長層4上に合計1.31μmのIII族
窒化物系化合物半導体によるダブルヘテロ積層構造を成
長させることができる。この膜成長では、選択成長が可
能であり、格子状パターンのSiO2層22上にはIII族
窒化物系化合物半導体膜は成長しない。このようにして
得られたウェハを装置から取り出し、窒素雰囲気中70
0℃で20分間の熱処理を行うことにより、マグネシウ
ムを添加したAl0.lGa0.9Nクラッド層7およびGa
Nコンタクト層8の低抵抗p型化を行う。この処理によ
り両層の正孔濃度は約l×1018cm-3となった。
【0078】その後、バッファードフッ酸によりSiO
2層22を除去した後、n型GaN成長層4へのオーム
性電極のn側電極13としてアルミニウムを、真空蒸着
により形成し、続いて、p型GaNコンタクト層8上に
保護膜としてAl23膜14を電子ビーム蒸着により形
成し、幅が3μmの電極ストライプ構造を形成し、p型
GaNコンタクト層8へのオーム性電極のp側電極10
として金(Au)をそれぞれ真空蒸着により形成し、図
10のようなLDウェハが形成される。最終的に、LD
を個々のチップに分割するためにアルミニウムよりなる
n側電極13の部分またはn型GaN成長層4部分をダ
イシングする。SiO2膜22を除去した後のIII俸窒化
物系化合物半導体層は、そのままで反射ミラーとなるた
め、図9aおよび図9bに示す半導体レーザ素子がIII
族窒化物系化合物半導体層をエッチングすることなしに
形成できる。この半導体レーザ素子に電流を流したとこ
ろ、70mAの電流でレーザ発振が観測された。その発
振波長は約432nmである。
【0079】したがって、基板1上に予め形成され、格
子状にパターン化された誘電体膜としてのSiO2膜2
により、III族窒化物系化合物半導体層の選択成長を行
うことにより、III族窒化物系化合物半導体層に対して
エッチング技術を用いずに素子分離、電極形成、端面反
射鏡が形成できる。
【0080】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、選択成長
によるIII族窒化物系化合物半導体成長を用いることに
より、III族窒化物系化合物半導体に対してエッチング
技術を用いずに発光素子、電子素子における素子分離、
電極形成を行うことができ、歩留まり良く信頼性の高い
発光素子を得ることができる。
【0081】また、エッチングが困難なIII族窒化物系
化合物半導体に対してエッチング技術を用いずに、半導
体レーザ素子に必要な垂直鏡面が得られるため、従来実
現されていなかったIII族窒化物系化合物半導体を用い
た短波長半導体レーザを実用化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるIII族窒化
物系化合物半導体青色LEDの構造を示す断面図であ
る。
【図2】図1の青色LEDの誘電体膜パターン化工程に
おける図であって、aはその断面図、bはその平面図で
ある。
【図3】図1の青色LEDウェハの一作製工程を示す断
面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態におけるIII族窒化
物系化合物半導体青色LEDの構造を示す断面図であ
る。
【図5】本発明の第3の実施の形態におけるIII族窒化
物系化合物半導体青色LEDの構造を示す断面図であ
る。
【図6】図5の青色LEDの誘電体膜パターン化工程に
おける図であって、aはその断面図、bはその平面図で
ある。
【図7】図5の青色LEDウェハの一作製工程を示す断
面図である。
【図8】aは本発明の第4の実施の形態におけるIII族
窒化物系化合物半導体紫外LDの構造を示す断面図、b
はその平面図である。
【図9】aは本発明の第5の実施の形態におけるIII族
窒化物系化合物半導体青紫色LDの構造を示す断面図、
bはその平面図である。
【図10】図9の青紫色LDの一作製工程を示す断面図
である。
【図11】従来のIII族窒化物系化合物半導体DH型青
色LEDの構造を示す断面図である。
【図12】従来のIII族窒化物系化合物半導体MIS型
青色LEDの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 n型SiC基板 2 SiO2膜 3 GaNバッファ層 4 n型GaN成長層 5 n型AlGaNクラッド層 6 InGaN発光層 7 p型AlGaNクラッド層 8 p型GaNコンタクト層 9 n側電極 10 p側電極 11 サファイア基板 12 Si34膜 13 n側電極 14 Al23膜 15 P側電極 21 SiO2膜2を除去した領域 22 SiO2膜2を残した領域(SiO2層) 31 SiO2膜2/Si34膜12を除去した領域 32 SiO2膜2/Si34膜12を残した領域 61 GaN発光層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F041 AA11 AA41 CA04 CA34 CA65 CA74 CA76 5F045 AA04 AB14 AB17 AC01 AC08 AC12 AC19 AD09 AD12 AD14 AD17 AF02 AF09 CA11 CA12 DA53 DB02 HA01 5F073 AA03 AA21 CA07 CB05 CB07 CB10 CB11 CB14 DA05 DA25 DA31 DA34 EA05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiC基板上またはIII族窒化物系化
    合物半導体上に誘電体膜をパターン状に形成する第1工
    程と、 リアクターを水素雰囲気に置換した後、有機金属化学的
    気相成長法により上記SiC基板または上記III族窒
    化物系化合物半導体の上にIII族窒化物系半導体層を
    選択成長する第2工程を含むことを特徴とするIII族
    窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 SiC基板上またはIII族窒化物系化
    合物半導体上に誘電体膜をパターン状に形成する第1工
    程と、有機金属化学的気相成長法により上記SiC基板
    または上記III族窒化物系化合物半導体の上にシラン
    を流しn型III族窒化物系半導体層を選択成長する第
    2工程を含むことを特徴とするIII族窒化物系化合物
    半導体発光素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記誘電体膜がSiO2膜、またはSi
    2膜とSi34膜の積層膜であることを特徴とする請
    求項1または2に記載のIII族窒化物系化合物半導体
    発光素子の製造方法。
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