JP2002261101A - 半導体素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体素子及びその製造方法

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JP2002261101A
JP2002261101A JP2001058555A JP2001058555A JP2002261101A JP 2002261101 A JP2002261101 A JP 2002261101A JP 2001058555 A JP2001058555 A JP 2001058555A JP 2001058555 A JP2001058555 A JP 2001058555A JP 2002261101 A JP2002261101 A JP 2002261101A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 p型ドーパントの活性化率が向上した低抵抗
のp型III族窒化物半導体層を有する、動作の安定性
と耐久性とに優れた、半導体素子及びその製造方法を低
コストで提供する。 【解決手段】 少なくとも1層のp型ドーパントをドー
プしたIII族窒化物半導体層を有する半導体素子の製
造方法において、前記p型ドーパントをドープしたII
I族窒化物半導体層を600℃以上の温度でアニールし
た後、急冷して、前記p型ドーパントを活性化させる。
前記急冷は、好ましくは、125℃/分以上の冷却速度
で行う。前記アニールされたIII族窒化物半導体層を
サセプター、冷却ガス等を用いて急冷することができ
る。冷却ガスを用いる場合には、好ましくは、III族
窒化物半導体層をアニールする際の雰囲気ガスと急冷す
る際の冷却ガスとが互いに異なるガスである。また、急
冷効果を高めるためにアニールしたIII族窒化物半導
体層の表裏の両面側から急冷することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも1層の
p型ドーパントをドープしたIII族窒化物半導体層を
有する半導体素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスクの大容量化に代表され
る短波長半導体レーザーのニーズの高まりにより、発振
波長635〜650nmの赤色可視光半導体レーザーに
よるDVD規格用光源に続いて、次世代高密度DVD規
格用光源として、GaN系材料による青紫半導体レーザ
ーに期待が寄せられている。このGaN系材料による青
紫半導体レーザーにおいては、n型半導体膜は容易に得
られているが、p型半導体膜は、例えば、Mgをドーパ
ントとしてドープしても、アズグロン(as grown)の状
態(即ち、結晶成長後、アニール等によるp型ドーパン
トの活性化処理を行わない状態)では活性化しないの
で、低抵抗なp型半導体膜は得られていない。現在にお
いても、MO−CVD法により成膜したp型不純物をド
ープしたGaN膜の低抵抗化には、活性化アニールが必
要である。超格子構造を用いた低抵抗化技術において
も、やはりアニール等によるp型ドーパントの活性化が
必要でであり、p型ドーパントの活性化における活性化
率の向上は、依然としてこの分野の課題の一つである。
【0003】p型ドーパントを活性化するために最も一
般的に用いられている技術は、活性化により得られる効
果とコストの観点から、アニールとなっている。アニー
ルに係わる技術は、大まかに分けると、(1) 窒素中で行
うアニール、(2) 紫外線照射下で行うアニール、(3) 窒
素雰囲気以外の雰囲気で行うアニール、(4) 金属膜を介
して行うアニール、及び、(5) アニール後に徐冷によっ
て行う冷却、の5つに分けられる。それらの技術の内容
と問題点をGaN単層膜に適用した場合を例にして以下
にまとめる。
【0004】(1) 窒素中で行うアニール(従来技術1) 特許第2540791号公報には、窒素等の不活性ガス
雰囲気中でのアニールによるアクセプターの活性化に係
わる技術が開示されている。この特許公報によれば、気
相法によりサファイア基板上に成膜した、p型不純物を
ドープした、GaN半導体膜を窒素雰囲気下で400℃
以上でアニールすると、アクセプターが活性化するとさ
れている。
【0005】(2) 紫外線照射下で行うアニール(従来技
術2) 特開平7−97300号公報によれば、バンドギャップ
を越えるエネルギーを持った紫外線の照射下でアニール
を行うと、アニール温度の低下が可能となり、p型ドー
パントの活性化率が向上するとされている。
【0006】(3) 窒素雰囲気以外の雰囲気で行うアニー
ル(従来技術3) 特開平10−209493号公報によれば、酸化雰囲気
中でアニールを行うと、GaN膜中からの水素の引き抜
きが促進されるので、熱処理温度が低減可能であるとさ
れている。
【0007】(4) 金属膜を介して行うアニール(従来技
術4) 特開平11−177134号公報によれば、GaN膜上
にPd膜を蒸着し、これをアニールすると膜中からの水
素の排出が促進され熱処理温度が低減可能であるとされ
ている。
【0008】(5) アニール後に徐冷によって行う冷却
(従来技術5) 特開平8−32113号公報によれば、アニール後の冷
却速度を自然放冷よりもさらに緩やかな徐冷とすると、
p型半導体膜の低抵抗化が可能であるとされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、(1) 従来技術
1においては、アニール後の冷却が自然放冷によるもの
であるので、p型ドーパントと水素との解離が可逆的に
起こる高温域に長く止まり、そのために、GaN半導体
膜中から排出しきれなかった水素の多くはp型ドーパン
トを再び不活性化するという問題があり、(2) 従来技術
2においては、アニール温度が低くなるとGaN半導体
膜中の水素の排出速度も遅くなるので、最終的にGaN
半導体膜中から排出しきれなかった水素によるp型ドー
パントの不活性化の影響は免れないという問題があり、
(3) 従来技術3においては、表面の酸化の影響を受ける
ので、やはり、低抵抗なp型半導体膜を得ることは難し
いという問題があり、(4) 従来技術4においては、この
メカニズムによっても、短時間のアニール時間では排出
される水素量は窒素雰囲気中と大差はないので、やは
り、低抵抗のp型半導体膜を得ることは難しいという問
題があり、そして、(5)従来技術5においては、徐冷に
よりp型半導体膜への応力は少なく、膜質の向上は見込
めるが、高温域には他の方法にもまして長く止まること
となるので、p型半導体膜中から排出しきれなかった水
素によるp型ドーパントの不活性化の影響を受けること
になり、そのために、低抵抗のp型半導体膜を得ること
は難しいという問題があった。
【0010】本発明は、かかる問題を解決することを目
的としている。即ち、本発明は、p型ドーパントの活性
化率が向上した低抵抗のp型III族窒化物半導体層を
有する、動作の安定性と耐久性とに優れた、半導体素子
及びその製造方法を低コストで提供することを目的とし
ている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された発
明は、上記目的を達成するために、少なくとも1層のp
型ドーパントをドープしたIII族窒化物半導体層を有
する半導体素子の製造方法において、前記p型ドーパン
トをドープしたIII族窒化物半導体層を600℃以上
の温度でアニールした後、急冷して、前記p型ドーパン
トを活性化させることを特徴とするものである。
【0012】請求項2に記載された発明は、請求項1に
記載された発明において、アニールしたIII族窒化物
半導体層を125℃/分以上の冷却速度で急冷すること
を特徴とするものである。
【0013】請求項3に記載された発明は、請求項1又
は2に記載された発明において、アニールしたIII族
窒化物半導体層をサセプターを用いて急冷することを特
徴とするものである。
【0014】請求項4に記載された発明は、請求項1又
は2に記載された発明において、アニールしたIII族
窒化物半導体層を冷却ガスを用いて急冷することを特徴
とするものである。
【0015】請求項5に記載された発明は、請求項4に
記載された発明において、アニールしたIII族窒化物
半導体層をアニールする際の雰囲気ガスと急冷する際の
冷却ガスとが互いに異なるガスであることを特徴とする
ものである。
【0016】請求項6に記載された発明は、請求項4又
は5に記載された発明において、アニールしたIII族
窒化物半導体層の表裏の両面側から急冷することを特徴
とするものである。
【0017】請求項7に記載された発明は、請求項4〜
6のいずれかに記載された発明において、冷却ガスがH
eガスであることを特徴とするものである。
【0018】請求項8に記載された発明は、請求項6に
記載された発明において、アニールしたIII族窒化物
半導体層の表側を急冷する冷却ガスがHeガスであり、
そして、前記アニールしたIII族窒化物半導体層の裏
側を急冷する冷却ガスがH2ガスであることを特徴とす
るものである。
【0019】請求項9に記載された発明は、請求項8に
記載された発明において、Heガスの流れとH2 ガスの
流れとを分離することを特徴とするものである。
【0020】請求項10に記載された発明は、少なくと
も1層のp型ドーパントをドープしたIII族窒化物半
導体層を有する半導体素子であって、前記p型ドーパン
トをドープしたIII族窒化物半導体層が600℃以上
の温度でアニールされた後、急冷されて、前記p型ドー
パントが活性化されていることを特徴とする半導体素子
である。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の少なくとも1層のp型ド
ーパントをドープしたIII族窒化物半導体層を有する
半導体素子の製造方法においては、前記p型ドーパント
をドープしたIII族窒化物半導体層を600℃以上の
温度でアニールした後、急冷して、前記p型ドーパント
を活性化させる。
【0022】前記「アニール」においては、p型ドーパ
ントをドープしたIII族窒化物半導体層(膜)中のp
型ドーパントを不活性化している水素とp型ドーパント
との結合が切られて、その水素が膜外に排出される。そ
れ故、前記アニールの雰囲気は、少なくともその水素濃
度が膜中よりも低い雰囲気であり、好ましくは、窒素ガ
ス雰囲気等の不活性ガス雰囲気である。そして、前記ア
ニールの温度は、前記p型ドーパントと水素の結合を切
るための熱的エネルギーを供給するために、600℃以
上、好ましくは、750℃以上であるが、アニールの温
度が900℃以上になると、p型ドーパントの活性化よ
りも結晶の熱分解による窒素空孔の生成の方が優勢とな
り、そのために、低抵抗な膜が得られなくなるので、さ
らに好ましくは、600〜900℃、もっと好ましく
は、750〜900℃である。
【0023】従来においては、アニール後の冷却は、一
般的に自然放冷により行われていたが、p型ドーパント
と水素との解離が可逆的に起きる温度領域に長時間さら
されるので、膜中から雰囲気中に排出しきれなかった水
素の多くは、p型ドーパントを再び不活性化させる。し
かしながら、本発明においては、アニール後、急冷する
ので、p型ドーパントと水素との解離が可逆的に起きる
温度領域にさらされる時間が短かくなり、そのために、
p型ドーパントの不活性化が起きる確率は低くなる。よ
って、本発明によれば、p型ドーパントの活性化率が向
上した低抵抗のp型III族窒化物半導体層を有する、
動作の安定性と耐久性とに優れた、半導体素子を低コス
トで得ることができる。
【0024】本発明における急冷の効果は、高温での急
冷の度合いが大きいほど(短時間で冷却するほど)大き
いが、熱衝撃によるクラックが生じない範囲である必要
がある。それ故、本発明においては、好ましくは、12
5℃/分以上の冷却速度で急冷される。
【0025】本発明においては、このようにp型ドーパ
ントをドープしたIII族窒化物半導体層を600℃以
上の温度でアニールした後、急冷するので、加熱の方法
(熱源の種類)、アニール炉の形式及び急冷の方法にか
かわらず、p型ドーパントを活性化させることができ
る。
【0026】本発明においては、アニールしたIII族
窒化物半導体層をサセプターを用いて急冷することがで
きる。このようなサセプターを用いる冷却は、基板を保
持する機構であるサセプターを介して基板を冷却するこ
とにより行われる。このようなサセプターによる冷却
は、例えば、サセプターを直接水冷することにより、或
いは、冷却ガスにより冷却することにより行われるが、
水冷ブロック等の冷却部材とサセプターを熱結合させる
ことによっても行うことができる。よって、本発明によ
れば、アニールしたIII族窒化物半導体層をサセプタ
ーを用いて急冷するので、アニール後に速やかに急冷す
ることが可能となり、また、サセプターの冷却方法の選
択により冷却速度の選択が可能となる。
【0027】本発明においては、アニールしたIII族
窒化物半導体層を冷却ガスを用いて急冷することができ
る。前記冷却ガスは、試料温度よりも温度の低い気体を
意味する。かかる冷却ガスを用いてIII族窒化物半導
体層を冷却すると、冷却ガスは、III族窒化物半導体
層から直接に熱を奪うこととなるので、アニールしたI
II族窒化物半導体層を急冷させることとなる。このよ
うに、本発明によれば、アニールしたIII族窒化物半
導体層を冷却ガスを用いて急冷するので、冷却ガスの流
量により冷却速度が調節可能であり、そのために、急冷
の効果と急冷時に生じる温度分布のバランスをとり、最
大限のp型ドーパントの活性化率を達成しながら応力に
よる結晶の劣化を最小限とすることができる。また、窒
素雰囲気でのアニール炉を小規模の改造で用いることが
でき、窒素雰囲気でのアニール同様低コストのプロセス
となる。
【0028】本発明においては、アニールの雰囲気は、
少なくともその水素濃度が膜中よりも低い雰囲気であ
り、好ましくは、窒素ガス雰囲気等の不活性ガス雰囲気
であることは、前述のとおりであるが、アニール後の冷
却では、急冷して、即ち、冷却速度を大きくして、p型
ドーパントと水素の解離が可逆的に起きる温度領域に曝
される時間を短くすることにより、p型ドーパントの不
活性化の起きる確率を低くする。それ故、冷却効果の高
いガス、即ち、比熱容量の大きなガスを冷却ガスに用い
ることにより、目的とする「急冷」の効果を得ることが
可能となる。ここでいう比熱容量の大きな冷却ガスは、
例えば、水素、ヘリウム、アンモニア、メタン等の炭化
水素、及び、エチルアルコール、メチルアルコール等の
アルコールの蒸気である。これらの内で、ヘリウム等の
不活性ガスは、直接冷却にも間接冷却にも使用可能であ
るが、水素等の活性ガスは、直接半導体膜の冷却には用
いることはできないので、基板等を通しての間接冷却に
用いられる。
【0029】このように、アニールする際の雰囲気ガス
と急冷する際の冷却ガスとでは求められるガスの特性が
異なるので、本発明においては、III族窒化物半導体
層をアニールする際の雰囲気ガスと急冷する際の冷却ガ
スとは、好ましくは、異にするものとする。III族窒
化物半導体層をアニールする際の雰囲気ガスと急冷する
際の冷却ガスとが互いに異なるガスであるので、アニー
ルでは、結晶中からの水素の排出の効果と結晶の熱分解
による窒素空孔の生成を抑制効果が大きな雰囲気を選ぶ
ことが可能であり、また、急冷では、冷却速度を大きく
するために比熱容量の大きなガス雰囲気を用いることが
可能であり、そのために、p型ドーパントと水素の解離
が可逆的に起きる温度領域に曝される時間を短くするこ
とにより不活性化の起きる確率は低下できる。また、窒
素雰囲気でのアニール炉を小規模の改造で用いることが
でき、窒素雰囲気でのアニール同様低コストのプロセス
となる。
【0030】本発明においては、アニールしたIII族
窒化物半導体層の表裏の両面側から急冷する。このよう
に、アニールしたIII族窒化物半導体層の表裏の両面
側から急冷すると、片面からの冷却に比較して基板を含
めたIII族窒化物半導体積層構造の温度分布を小さく
することができるので、結晶に加わる応力を最小限にす
ることができ、しかも、応力による結晶の劣化を抑える
ことが可能となる。また、窒素雰囲気でのアニール炉を
小規模の改造で用いることができるので、p型III族
窒化物半導体層を有する半導体素子の製造コストを低く
おさえることができる。
【0031】本発明における冷却ガスは、好ましくは、
Heガスである。Heガスは、不活性ガス中で最も冷却
効果の高いガスであるので、本発明のように、冷却ガス
がHeガスであると、成膜面表面の酸化或いは膜中への
水素の再拡散等の悪影響が無い条件で急冷の効果を最大
限に発揮したp型ドーパントの活性化が可能となり、そ
のために、高品位かつ低抵抗なp型III族窒化物半導
体層を有する半導体素子が得られる。また、窒素雰囲気
でのアニール炉を小規模の改造で用いることができるの
で、p型III族窒化物半導体層を有する半導体素子の
製造コストを低くおさえることができる。
【0032】本発明においては、アニールしたIII族
窒化物半導体層の表側を急冷する冷却ガスがHeガスで
あり、そして、前記アニールしたIII族窒化物半導体
層の裏側を急冷する冷却ガスがH2 ガスである。H2
スは、Heガスの3倍の比熱容量をもっているので、冷
却効果は高い。しかも、裏面からの冷却にH2 ガスを用
いることにより基板全体の冷却効果を高め、そして、成
膜面の冷却にはHeガスを用いることにより冷却雰囲気
からのH2 ガスの膜中への拡散を防ぐことが可能とな
る。それ故、アニールしたIII族窒化物半導体層の表
側を急冷する冷却ガスがHeガスであり、そして、前記
アニールしたIII族窒化物半導体層の裏側を急冷する
冷却ガスがH2 ガスであると、高品位かつ低抵抗なp型
III族窒化物半導体層を有する半導体素子が得られ
る。また、窒素雰囲気でのアニール炉を小規模の改造で
用いることができるので、p型III族窒化物半導体層
を有する半導体素子の製造コストを低くおさえることが
できる。
【0033】本発明においては、Heガスの流れとH2
ガスの流れとを分離する。このように、チャンバー内の
半導体層成膜面の冷却ガスであるHeガスの流れと裏面
の冷却ガスであるH2 ガスの流れとを分離すると、基板
周辺へのH2 ガスの巻き込み等の影響がないので、p型
ドーパントの活性化率がいっそう均一な膜が得られ、そ
のために、高品位かつ低抵抗なp型III族窒化物半導
体層を有する半導体素子が得られる。また、窒素雰囲気
でのアニール炉を小規模の改造で用いることができるの
で、p型III族窒化物半導体層を有する半導体素子の
製造コストを低くおさえることができる。
【0034】本発明の半導体素子は、少なくとも1層の
p型ドーパントをドープしたIII族窒化物半導体層を
有する半導体素子であって、前記p型ドーパントをドー
プしたIII族窒化物半導体層が600℃以上の温度で
アニールされた後、急冷されて、前記p型ドーパントが
活性化されたものとなっている。かかる半導体素子は、
p型III族窒化物半導体層が600℃以上の温度でア
ニールされた後、急冷されて、前記p型ドーパントが活
性化されたものとなっているので、低抵抗なオーミック
電極の形成が可能となり、しかも、高効率かつ長寿命と
なる。特に、本発明においては、これまでp型電極付近
で消費されていた電力の削減が可能となり、そのため
に、発熱量が少なくなるので、半導体素子の動作の安定
と長寿命化が可能となる。また、p型ドーパントが低コ
ストで活性化されるので、III族窒化物半導体層を有
する半導体素子の製造コストが低減される。
【0035】
【実施例】(実施例1) (1) 膜の形成 図1は、本発明の一実施例を示すアニールする前の半導
体素子の断面説明図である。図1に示すように、良く洗
浄したサファイア基板101を反応容器(図示せず)内
のサセプターに固定した。この反応容器内を真空排気
後、水素雰囲気中でサーマルクリーニングを行った。次
に、前記反応容器内に固定したサファイア基板101の
温度を500℃とした後、Ga源としてのTMG、N源
としてのアンモニア、並びに、キャリアガスとしてのN
2 ガス及びH2 ガスをそれぞれ反応容器内に供給して、
GaN低温バッファー層102を成膜した。そして、G
a源を停止後、1050℃に昇温し、Ga源としてのT
MG、p型ドーパントのMg源としてEtCp2 Mgを
それぞれ供給して、MgドープGaN単層膜103を形
成させた。このように形成したMgドープGaN単層膜
103を有するサファイア基板101をN2 ガス及びH
2 ガスの混合雰囲気中において自然放冷した。
【0036】(2) アニール 図2は、本発明の一実施例において用いるアニール炉で
あって、(a)は、アニールする状態を示し、そして、
(b)は、急冷する状態を示す。図2に示すように、本
実施例において用いるアニール炉は、アニール雰囲気ガ
ス導入口201、ガス排気口205、試料挿入口207
を備えたアニール用石英チャンバー202、及び、試料
加熱用電気炉204で構成されている。試料の搬送は、
冷却水パイプを組み込んだサセプターを一体化したSU
S製のプッシュロッド206により行われる。先ず、図
2(a)に示すように、ガス導入口201からチャンバ
ー202内に11m/分の流速で窒素ガスを導入してチ
ャンバー202内を窒素パージした後、これを電気炉2
04で加熱して750℃に昇温した。このチャンバー2
02内に試料(前記実施例1と同様に形成したMgドー
プGaN単層膜103を有するサファイア基板101)
を試料挿入口207からプッシュロッド206の先端に
載せてアニール位置203に導入し、さらに、チャンバ
ー202内を窒素パージした後、この試料を窒素雰囲気
下において750℃で15分間保持してアニールした。
前記窒素ガスは、ガス排気口205より排気した。
【0037】(3) 冷却 次に、図2(b)に示すように、前記アニールした試料
を冷却位置208の位置に引き出し、サセプターに組み
込んだ冷却水パイプに冷却水を循環させて、前記アニー
ルした試料を約180℃/分の冷却速度で急冷した。そ
の際、チャンバー202内の雰囲気を構成する窒素ガス
の流量は11m/分とした。このようにして得られたM
gドープGaN単層膜103を有する半導体素子は、ク
ラック等の発生はなく、5×1017cm-3を越えるp型
導電性を示した。なお、本発明では、本実施例1に示す
アニール条件及び冷却条件は、あくまでも本発明の一実
施例を示すものであって、それ以外の温度、雰囲気及び
急冷条件が採用可能である。また、本発明の製造方法に
おいて適用可能な半導体素子は、本実施例1に示すp−
GaN半導体層を有するものに限定されることはなく、
その他のp型III窒化物半導体層を有するものに広く
応用可能であり、さらには、p型III窒化物半導体層
を多層に有するものに広く応用可能である(実施例6参
照)。
【0038】(実施例2) (1) 膜の形成 実施例1と同様にしてMgドープGaN単層膜を形成し
た。 (2) アニール 図3は、本発明の他の一実施例において用いるアニール
炉であって、(a)は、アニールする状態を示し、そし
て、(b)は、急冷する状態を示す。図3に示すよう
に、本実施例において用いるアニール炉は、アニール雰
囲気ガス導入口301、ガス排気口305、冷却ガス導
入口308、試料挿入口307を備えたアニール用石英
チャンバー302、及び、試料加熱用電気炉304で構
成されている。試料の搬送は、冷却水パイプを組み込ん
だサセプターを一体化した石英製のプッシュロッド30
6により行われる。先ず、図3(a)に示すように、ガ
ス導入口301からチャンバー302内に11m/分の
流速で窒素ガスを導入してチャンバー302内を窒素パ
ージした後、これを電気炉304で加熱して750℃に
昇温した。このチャンバー302内に試料(実施例1と
同様にして形成したMgドープGaN単層膜103を有
するサファイア基板101)を挿入口307からプッシ
ュロッド306の先端に載せてアニール位置303に導
入し、さらに、チャンバー302内を窒素パージした
後、この試料を窒素雰囲気下において750℃で15分
間保持してアニールした。前記窒素ガスは、窒素ガス排
気口305より排気した。
【0039】(3) 冷却 次に、図3(b)に示すように、前記アニールした試料
を冷却位置309の位置に引き出し、冷却ガスとしてメ
タンガスをガス導入口308よりチャンバー302内に
1.51m/分の流速で導入して、前記アニールした試
料を約130℃/分の冷却速度で急冷した。このように
して得られたMgドープGaN単層膜103を有する半
導体素子は、クラック等の発生はなく、4×1017cm
-3を越えるp型導電性を示した。なお、本発明では、本
実施例2に示すアニール条件及び冷却条件は、あくまで
も本発明の一実施例を示すものであって、それ以外の温
度、雰囲気及び急冷条件が採用可能である。また、本発
明の製造方法において適用可能な半導体素子は、本実施
例2に示すp−GaN半導体層を有するものに限定され
ることはなく、その他のp型III窒化物半導体層を有
するものに広く応用可能である。
【0040】(実施例3) (1) 膜の形成 実施例1と同様にしてMgドープGaN単層膜を形成し
た。 (2) アニール 図4は、本発明の他の一実施例において用いるアニール
炉であって、(a)は、アニールする状態を示し、そし
て、(b)は、急冷する状態を示す。図4に示すよう
に、本実施例において用いるアニール炉は、アニール雰
囲気ガス導入口401、ガス排気口405、冷却ガス導
入口406,409、試料挿入口408を備えたアニー
ル用石英チャンバー402、及び、試料加熱用電気炉4
04で構成されている。試料の搬送は、冷却水パイプを
組み込んだサセプターを一体化した石英製のプッシュロ
ッド407により行われる。先ず、図4(a)に示すよ
うに、ガス導入口401からチャンバー402内に11
m/分の流速で窒素ガスを導入してチャンバー402内
を窒素パージした後、これを電気炉404で加熱して7
50℃に昇温した。このチャンバー402内に試料(実
施例1と同様にして形成したMgドープGaN単層膜1
03を有するサファイア基板101)を挿入口408か
らプッシュロッド407の先端に載せてアニール位置4
03に導入し、さらに、チャンバー402内を窒素パー
ジした後、この試料を窒素雰囲気下において750℃で
15分間保持してアニールした。前記窒素ガスは、窒素
ガス排気口405より排気した。
【0041】(3) 冷却 次に、図4(b)に示すように、前記アニールした試料
を冷却位置410の位置に引き出し、冷却ガスとしてH
eガスを成膜面側のガス導入口409及びその裏面側の
ガス導入口406よりチャンバー402内に11m/分
の流速で導入して、前記アニールした試料を約160℃
/分の冷却速度で急冷した。このようにして得られたM
gドープGaN単層膜103を有する半導体素子は、ク
ラック等の発生はなく、5×1017cm-3を越えるp型
導電性を示した。なお、本実施例4に示すアニール条件
及び冷却条件は、あくまでも本発明の一実施例を示すも
のであって、それ以外の温度、雰囲気及び急冷条件が採
用可能である。また、本発明の製造方法において適用可
能な半導体素子は、本実施例4に示すp−GaN半導体
層を有するものに限定されることはなく、その他のp型
III窒化物半導体層を有するものに広く応用可能であ
る。
【0042】(実施例4) (1) 膜の形成 実施例1と同様にしてMgドープGaN単層膜を形成し
た。 (2) アニール 実施例1と同様にして形成した試料(MgドープGaN
単層膜103を有するサファイア基板101)を実施例
3と同様にしてアニールした。
【0043】(3) 冷却 次に、図4(b)に示すように、このアニールした試料
を冷却位置410の位置に引き出し、冷却ガスとしてH
eガス及びH2 ガスを、それぞれ、成膜面側のガス導入
口409及びその裏面側のガス導入口406よりチャン
バー402内に11m/分の流速で導入して、前記アニ
ールした試料を約180℃/分の冷却速度で急冷した。
このようにして得られたMgドープGaN単層膜103
を有する半導体素子は、クラック等の発生はなく、5×
1017cm-3を越えるp型導電性を示した。なお、本発
明では、本実施例4に示すアニール条件及び冷却条件
は、あくまでも本発明の一実施例を示すものであって、
それ以外の温度、雰囲気及び急冷条件が採用可能であ
る。また、本発明の製造方法において適用可能な半導体
素子は、本実施例4に示すp−GaN半導体層を有する
ものに限定されることはなく、その他のp型III窒化
物半導体層を有するものに広く応用可能である。
【0044】(実施例5) (1) 膜の形成 実施例1と同様にしてMgドープGaN単層膜を形成し
た。 (2) アニール 図5は、本発明の他の一実施例において用いるアニール
炉であって、(a)は、アニールする状態を示し、
(b)は、急冷する状態を示し、そして、(c)は、基
板ホルダーの一部拡大説明図である。図5(a),
(b)に示すように、本実施例において用いるアニール
炉は、アニール雰囲気ガス導入口501、ガス排気口5
05、冷却ガス導入口506,509、試料挿入口50
8を備えたアニール用石英チャンバー502、及び、試
料加熱用電気炉504で構成されている。試料の搬送
は、冷却水パイプを組み込んだサセプターを一体化した
石英製のプッシュロッド507により行われる。図5
(c)に示すように、基板514は成膜面515を上に
して基板ホルダー513に保持され、そして、基板ホル
ダー513はプッシュロッド507と一体化されてい
る。511は脚である。この基板ホルダー513下部に
は、円錐状の裏面冷却ガスの拡散を防ぐために、スカー
ト512が設けられている。スカート512は、成膜面
515への裏面冷却ガス(本実施例ではH2 ガス)の拡
散を防止している。併せて、成膜面515の冷却ガス流
量を裏面ガス流量の2倍とすることにより成膜面の冷却
ガス流速を高め裏面冷却ガスの拡散を効果的に防いでい
る。先ず、図5(a)に示すように、ガス導入口501
からチャンバー502内に11m/分の流速で窒素ガス
を導入してチャンバー502内を窒素パージした後、こ
れを電気炉504で加熱して750℃に昇温した。この
チャンバー502内に試料(実施例1と同様にして形成
したMgドープGaN単層膜103を有するサファイア
基板101)を挿入口508からプッシュロッド507
の先端に載せてアニール位置503に導入し、さらに、
チャンバー502内を窒素パージした後、この試料を窒
素雰囲気下において750℃で15分間保持してアニー
ルした。前記窒素ガスは、窒素ガス排気口505より排
気した。
【0045】(3) 冷却 次に、図5(b)に示すように、前記アニールした試料
を冷却位置510の位置に引き出し、冷却ガスとしてH
eガス及びH2 ガスを、それぞれ、成膜面側のガス導入
口509及びその裏面側のガス導入口506よりチャン
バー502内に11m/分の流速で導入して、前記アニ
ールした試料を約200℃/分の冷却速度で急冷した。
このようにして得られたMgドープGaN単層膜103
を有する半導体素子は、クラック等の発生はなく、5×
1017cm-3を越えるp型導電性を示した。なお、本発
明では、本実施例5に示すアニール条件及び冷却条件
は、あくまでも本発明の一実施例を示すものであって、
それ以外の温度、雰囲気及び急冷条件が採用可能であ
る。また、本発明の製造方法において適用可能な半導体
素子は、本実施例5に示すp−GaN半導体層を有する
ものに限定されることはなく、その他のp型III窒化
物半導体層を有するものにも広く応用可能である。
【0046】(実施例6)図6は、本発明の他の一実施
例を示す半導体素子の説明図である。図6に示すよう
に、MOCVD法により、サファイア基板601上に低
温GaNバッファー層602、n−GaNバッファー層
603を介して、n−In0.1Ga0.9 Nクラック防止
層604、n−Al0.1 Ga0.9 Nクラッド層605、
n−GaNガイド層606、活性層としてIn0.15Ga
0.85N/In0.05Ga0. 95N 2周期よりなるDQW構
造607、p−GaNガイド層608、p−Al 0.1
0.9 Nクラッド層609、及び、p−GaNコンタク
ト層610を順次成膜した。この積層膜をチャンバー内
で自然放冷した後取り出した。その際、p型ドーパント
の活性化は、実施例3と同様に、窒素雰囲気下において
750℃で15分間アニールした後、積層膜の表裏両面
からHeガスにより急冷することにより行った。このよ
うにして得られた積層膜にリッジ構造を形成するために
ドライエッチングを施した後、電流狭窄用のSiO2
611を成膜した。続いて、電流狭窄用のSiO2 膜6
11上に電極開口部を開口した後、p−電極用メタル膜
613及びn−電極用メタル612を形成して半導体素
子とした。この半導体素子は、p−電極層及びp型クラ
ッド層を含むp型元素のドープされた領域が低抵抗化さ
れており、そのために、低電圧駆動可能かつ低抵抗な青
紫可視光レーザーとすることができる。なお、本実施例
6で得られた半導体素子(青紫可視光レーザー)は、あ
くまでも本発明の一実施例を示すものであって、本発明
では、かかる多層構造のみに限定されるものではなく、
それ以外の多層構造を取ることも可能である。また、本
発明は、本実施例6に示される製造方法に限定されるも
のではない。
【0047】
【発明の効果】(1)請求項1に記載された発明によれ
ば、p型ドーパントをドープしたIII族窒化物半導体
層を600℃以上の温度でアニールした後、急冷して、
前記p型ドーパントを活性化させるので、p型ドーパン
トの活性化率が向上した低抵抗のp型III族窒化物半
導体層を有する、動作の安定性と耐久性とに優れた、半
導体素子を低コストで得ることができる。
【0048】(2)請求項2に記載された発明によれ
ば、アニールしたIII族窒化物半導体層を125℃/
分以上の冷却速度で急冷するので、前記(1)の項で記
載した急冷効果を有すると共に熱衝撃によるクラックが
生じない。
【0049】(3)請求項3に記載された発明によれ
ば、アニールしたIII族窒化物半導体層をサセプター
を用いて急冷するので、アニール後に速やかに急冷する
ことが可能となり、また、サセプターの冷却方法の選択
により冷却速度の選択が可能となる。
【0050】(4)請求項4に記載された発明によれ
ば、アニールしたIII族窒化物半導体層を冷却ガスを
用いて急冷するので、冷却ガスの流量により冷却速度が
調節可能であり、そのために、急冷の効果と急冷時に生
じる温度分布のバランスをとり、最大限のp型ドーパン
トの活性化率を達成しながら応力による結晶の劣化を最
小限とすることができる。また、窒素雰囲気でのアニー
ル炉を小規模の改造で用いることができ、窒素雰囲気で
のアニール同様低コストのプロセスとなる。
【0051】(5)請求項5に記載された発明によれ
ば、III族窒化物半導体層をアニールする際の雰囲気
ガスと急冷する際の冷却ガスとが互いに異なるガスであ
るので、アニールでは、結晶中からの水素の排出の効果
と結晶の熱分解による窒素空孔の生成を抑制効果が大き
な雰囲気を選ぶことが可能であり、また、急冷では、冷
却速度を大きくするために比熱容量の大きなガス雰囲気
を用いることが可能であり、そのために、p型ドーパン
トと水素の解離が可逆的に起きる温度領域に曝される時
間を短くすることにより不活性化の起きる確率は低下で
きる。また、請求項3と同様に、窒素雰囲気でのアニー
ル炉を小規模の改造で用いることができ、窒素雰囲気で
のアニール同様低コストのプロセスとなる。
【0052】(6)請求項6に記載された発明によれ
ば、アニールしたIII族窒化物半導体層の表裏の両面
側から急冷するので、片面からの冷却に比較して基板を
含めたIII族窒化物半導体積層構造の温度分布を小さ
くすることができ、そのために、結晶に加わる応力を最
小限にすることができ、しかも、応力による結晶の劣化
を抑えることが可能となる。また、窒素雰囲気でのアニ
ール炉を小規模の改造で用いることができるので、p型
III族窒化物半導体層を有する半導体素子の製造コス
トを低くおさえることができる。
【0053】(7)請求項7に記載された発明によれ
ば、冷却ガスがHeガスであるので、成膜面表面の酸化
或いは膜中への水素の再拡散等の悪影響が無い条件で急
冷の効果を最大限発揮したp型ドーパントの活性化が可
能となり、そのために、高品位かつ低抵抗なp型III
族窒化物半導体層を有する半導体素子が得られる。ま
た、窒素雰囲気でのアニール炉を小規模の改造で用いる
ことができるので、p型III族窒化物半導体層を有す
る半導体素子の製造コストを低くおさえることができ
る。
【0054】(8)請求項8に記載された発明によれ
ば、アニールしたIII族窒化物半導体層の表側を急冷
する冷却ガスがHeガスであり、そして、前記アニール
したIII族窒化物半導体層の裏側を急冷する冷却ガス
がH2 ガスであるので、高品位かつ低抵抗なp型III
族窒化物半導体層を有する半導体素子が得られ、また、
窒素雰囲気でのアニール炉を小規模の改造で用いること
ができるので、p型III族窒化物半導体層を有する半
導体素子の製造コストを低くおさえることができる。
【0055】(9)請求項9に記載された発明によれ
ば、Heガスの流れとH2 ガスの流れとを分離するの
で、基板周辺へのH2 ガスの巻き込み等の影響がなくな
り、p型ドーパントの活性化率がいっそう均一な膜が得
られる。よって、高品位かつ低抵抗なp型III族窒化
物半導体層を有する半導体素子が得られる。また、窒素
雰囲気でのアニール炉を小規模の改造で用いることがで
きるので、p型III族窒化物半導体層を有する半導体
素子の製造コストを低くおさえることができる。
【0056】(10)請求項10に記載された発明によ
れば、p型ドーパントをドープしたIII族窒化物半導
体層が600℃以上の温度でアニールされた後、急冷さ
れて、前記p型ドーパントが活性化されているので、低
抵抗なオーミック電極の形成が可能となり、しかも、高
効率かつ長寿命となる。また、これまでp型電極付近で
消費されていた電力の削減が可能となるので、発熱量が
少なくなり、半導体素子の動作の安定と長寿命化が可能
となる。さらに、p型ドーパントが低コストで活性化さ
れるので、III族窒化物半導体層を有する半導体素子
の製造コストが低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すアニールする前の半導
体素子の断面説明図である。
【図2】本発明の一実施例において用いるアニール炉で
あって、(a)は、アニールする状態を示し、そして、
(b)は、急冷する状態を示す。
【図3】本発明の他の一実施例において用いるアニール
炉であって、(a)は、アニールする状態を示し、そし
て、(b)は、急冷する状態を示す。
【図4】本発明の他の一実施例において用いるアニール
炉であって、(a)は、アニールする状態を示し、そし
て、(b)は、急冷する状態を示す。
【図5】本発明の他の一実施例において用いるアニール
炉であって、(a)は、アニールする状態を示し、
(b)は、急冷する状態を示し、そして、(c)は、基
板ホルダーの一部拡大説明図である。
【図6】本発明の他の一実施例を示す半導体素子の説明
図である。
【符号の説明】
101 サファイア基板 102 GaN低温バッファー層 103 MgドープGaN単層膜 201,301,401,501 アニール雰囲気ガス
導入口 202,302,402,502 アニール用石英チャ
ンバー 203,303,403,503 アニール時の基板位
置 204,304,404,504 試料加熱用電気炉 205,305,405,505 ガス排気口 206,306,407,507 プッシュロッド 207,307,408,508 試料挿入口 208,309,410,510 冷却時の基板位置 308 冷却ガス導入口 406,506 (裏面)冷却ガス導入口 409,509 (成膜面)冷却ガス導入口 511 脚 512 スカート 513 基板ホルダー 514 基板 515 成膜面 601 サファイア基板 602 低温GaNバッファー層 603 n−GaNバッファー層 604 n−In0.1 Ga0.9 Nクラック防止層 605 n−Al0.1 Ga0.9 Nクラッド層 606 n−GaNガイド層 607 In0.15Ga0.85N/In0.05Ga0.95N 2
周期よりなるDQW構造 608 p−GaNガイド層 609 p−Al0.1 Ga0.9 Nクラッド層 610 p−GaNコンタクト層 611 SiO2 膜 612 n−電極用メタル 613 p−電極用メタル
フロントページの続き Fターム(参考) 5F041 AA41 AA43 AA44 CA22 CA40 CA49 CA57 CA73 CA77 5F073 AA11 AA74 CA07 CB03 CB14 DA05 DA16 EA07 EA27 EA28

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1層のp型ドーパントをドー
    プしたIII族窒化物半導体層を有する半導体素子の製
    造方法において、前記p型ドーパントをドープしたII
    I族窒化物半導体層を600℃以上の温度でアニールし
    た後、急冷して、前記p型ドーパントを活性化させるこ
    とを特徴とする半導体素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 アニールしたIII族窒化物半導体層を
    125℃/分以上の冷却速度で急冷することを特徴とす
    る請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 アニールしたIII族窒化物半導体層を
    サセプターを用いて急冷することを特徴とする請求項1
    又は2に記載の半導体素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 アニールしたIII族窒化物半導体層を
    冷却ガスを用いて急冷することを特徴とする請求項1又
    は2に記載の半導体素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 III族窒化物半導体層をアニールする
    際の雰囲気ガスと急冷する際の冷却ガスとが互いに異な
    るガスであることを特徴とする請求項4に記載の半導体
    素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 アニールしたIII族窒化物半導体層の
    表裏の両面側から急冷することを特徴とする請求項4又
    は5に記載の半導体素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 冷却ガスがHeガスであることを特徴と
    する請求項4〜6のいずれかに記載の半導体素子の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 アニールしたIII族窒化物半導体層の
    表側を急冷する冷却ガスがHeガスであり、そして、前
    記アニールしたIII族窒化物半導体層の裏側を急冷す
    る冷却ガスがH2 ガスであることを特徴とする請求項6
    に記載の半導体素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 Heガスの流れとH2 ガスの流れとを分
    離することを特徴とする請求項8に記載の半導体素子の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 少なくとも1層のp型ドーパントをド
    ープしたIII族窒化物半導体層を有する半導体素子で
    あって、前記p型ドーパントをドープしたIII族窒化
    物半導体層が600℃以上の温度でアニールされた後、
    急冷されて、前記p型ドーパントが活性化されているこ
    とを特徴とする半導体素子。
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