JP2002260552A - 電子銃構体及び陰極線管 - Google Patents

電子銃構体及び陰極線管

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JP2002260552A
JP2002260552A JP2001358334A JP2001358334A JP2002260552A JP 2002260552 A JP2002260552 A JP 2002260552A JP 2001358334 A JP2001358334 A JP 2001358334A JP 2001358334 A JP2001358334 A JP 2001358334A JP 2002260552 A JP2002260552 A JP 2002260552A
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grid electrode
electrode
electron
grid
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Noriyuki Miyamoto
紀幸 宮本
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Toshiba Corp
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    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J29/00Details of cathode-ray tubes or of electron-beam tubes of the types covered by group H01J31/00
    • H01J29/46Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the ray or beam, e.g. electron-optical arrangement
    • H01J29/48Electron guns
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    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
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    • H01J2229/48Electron guns
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    • H01J2229/502Three beam guns, e.g. for colour CRTs

Abstract

(57)【要約】 【課題】物理特性等の所定の特性を保持しながら、高い
加工精度で成形可能な電極を備えた電子銃構体及び陰極
線管を提供することを目的とする。 【解決手段】電子銃構体20は、電子ビームを放出する
カソードK(R、G、B)と、このカソードから放出さ
れた電子ビームを通過させる電子ビーム通過孔24,2
5を有し電子ビームを制御する少なくとも第1グリッド
電極G1及び第2グリッド電極G2と、を備えている。
第1グリッド電極G1及び第2グリッド電極G2の少な
くとも一方は、電子ビーム進行方向Zに異なる種類の金
属材料30及び32を重畳させた重畳体によって形成さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子銃構体及び
陰極線管に係り、特に、少なくとも第1グリッド電極ま
たは第2グリッド電極のいずれか一方のグリッド電極
を、所定の特性を保持しながらプレス成形性を向上させ
た電子銃構体及びこの電子銃構体を使用した陰極線管に
関する。
【0002】
【従来の技術】現在、カラーテレビジョン受像機やカラ
ー端末ディスプレイ等に使用されているカラー陰極線管
は、一列に配列された3電子ビームを放出するインライ
ン型電子銃構体を備えている。このようなインライン型
電子銃構体、例えばBPF(Bi−Potential
Focus)型の電子銃構体は、図8に示すように、
3個のカソードKと、4個のグリッド電極G1乃至G4
とを備えている。第1グリッド電極G1及び第2グリッ
ド電極G2は、電子ビームを制御するための板状電極に
よって構成されている。第3グリッド電極G3及び第4
グリッドG4は、カップ状電極によって構成されてい
る。
【0003】これら各グリッド電極G1乃至G4は、そ
れぞれ3電子ビームを通過させるための3個の電子ビー
ム通過孔81〜86を備えている。また、これら各グリ
ッド電極G1乃至G4は、図示しないガラス材からなる
一対の絶縁支持体によって、所定の位置に固定保持され
ている。
【0004】このような各グリッド電極G1乃至G4
は、例えば陰極線管の動作中に発生する熱や磁界の影響
を考慮して、電子銃特性を安定化させるように構成する
必要がある。例えば、陰極線管動作開始時におけるカソ
ードKから発生する熱は、輻射によって第1グリッド電
極G1を構成する構成物体に熱膨張を発生させる。この
結果、各グリッド電極G1乃至G4のそれぞれの間隔
が、カソードKの加熱時間と共に変化する。このため、
電子銃構体から発生される電子ビームの安定供給が行え
なくなる。一方、カソードKから発生した電子ビーム
は、陰極線管の外部に装着された偏向ヨーク、あるいは
ピュリティ及びコンバーゼンスを補正するための補正磁
石等の外部磁界によってその軌道が制御される。各グリ
ッド電極G1乃至G4が磁性材料で構成された場合、こ
れら外部磁界による電子ビーム軌道の制御が困難とな
る。
【0005】したがって、各グリッド電極G1乃至G4
を構成する材料は、それぞれ、低熱膨張特性を有するF
e−Ni系合金やFe−Ni−Co系合金、非磁性特性
を有するFe−Ni−Cr系合金等の金属材料の中から
選択し、適当に組合せて使用しているのが現状である。
このグリッド電極用金属材料は、鋳造、鍛造、熱間加
工、冷間加工等により所定の厚さの帯板に形成された後
に、絞り、孔明け、張出し形成等のプレス加工によって
所定の電極形状に形成される。
【0006】ところで近年、市場ではカラー陰極線管の
大画面化、高精細化の要求が強くなってきている。これ
に伴って、電子ビームの発生源及び制御源である電子銃
構体への要求も厳しさが求められている。これらの要求
を満足させるために、各グリッド電極G1乃至G4の組
合せで形成される電子レンズが複雑化する傾向にある。
その結果、電子銃構体を構成する各グリッド電極の形状
が複雑化する傾向にある。特に、小さい孔径の電子ビー
ム通過孔を有する第1グリッド電極G1や第2グリッド
電極G2では、それぞれの電子ビーム通過孔81,82
周辺の形状が複雑化し、精密な加工精度が要求される。
【0007】このため、従来の熱特性や磁気特性等の特
性面を優先して選択していた金属材料では、充分な加工
精度を得られない場合がある。したがって、この電子ビ
ーム通過孔81,82の形状によっては、グリッド電極
を所定形状に形成することが困難となる。
【0008】一般に、金属の成形性は、加工硬化係数と
呼ばれる個々の金属が有する指数で表される。この加工
硬化係数は、合金を形成する元素の特性や添加量等によ
って異なっている。この加工硬化係数が低いものほど成
形し易いとされているが、元素の添加量は、同時に熱膨
張特性をはじめとする物理特性や化学特性にも深く関与
しているために、必要な特性とプレス成形性との両立が
困難である。このため、最近では、複雑な加工を必要と
する第1グリッド電極G1や第2グリッド電極G2は、
全てプレス成形性の優れた材料を選択して形成せざるを
得なくなっている。
【0009】図8に示した電子銃構体の各グリッド電極
G1乃至G4を構成する金属材料は、前述のような各種
合金が使用されているが、これらの合金の中ではFe−
Ni−Co系合金が最も加工硬化係数が低く、次いでF
e−Ni系合金、Fe−Ni−Cr系合金の順番でプレ
ス成形性が悪化する。このため、現状では、電子ビーム
通過孔81,82周辺に複雑な成形を伴う第1グリッド
電極G1や第2グリッド電極G2は、全体をFe−Ni
−Co系合金で形成している。
【0010】このFe−Ni−Co系合金は、熱膨張特
性等の物理特性、機械特性、化学特性などに劣る。この
ため、このFe−Ni−Co系合金を使用した電極の設
計自由度が制限されてしまう。さらに、このFe−Ni
−Co系合金は、レアメタルである高価なCo元素を含
有している。このため、電極全体をこのFe−Ni−C
o系合金で形成した場合、材料コストが非常に高価なも
のとなってしまう問題もある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の電
子銃構体及びカラー陰極線管においては、特に電子ビー
ム通過孔周辺に複雑な成形を伴う第1グリッド電極G1
や第2グリッド電極G2は、プレス成形性の優れたFe
−Ni−Co系合金で形成することが望まれている。し
かしながら、このFe−Ni−Co系合金の使用に伴っ
て、電極の熱膨張特性等の物理特性、機械特性、化学特
性などが自動的に決定されてしまうため、グリッド電極
の設計自由度に制約を受けたり、あるいは電極自体が高
価となる等の問題点がある。
【0012】この発明は、これらの課題に対処してなさ
れたものであって、物理特性等の所定の特性を保持しな
がら、高い加工精度で成形可能な電極を備えた電子銃構
体及び陰極線管を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の様態に
よる電子銃構体は、電子ビームを放出するカソードと、
このカソードから放出された電子ビームを通過させる電
子ビーム通過孔を有し電子ビームを制御する少なくとも
第1グリッド電極及び第2グリッド電極と、を備えた電
子銃構体において、前記第1グリッド電極及び前記第2
グリッド電極の少なくとも一方は、電子ビーム進行方向
に異なる種類の金属材料を重畳させた重畳体によって形
成され、その電子ビーム通過孔周辺に配設されたFe−
Ni−Co系合金を備えたことを特徴とする。
【0014】この発明の第2の様態による陰極線管は、
略矩形状のフェースパネルと、このフェースパネルに連
接するファンネルと、このファンネルのネック内に配置
され、電子ビームを制御する複数のグリッド電極を備え
た電子銃構体と、前記フェースパネル内面に形成された
蛍光体スクリーンと、を有する陰極線管において、前記
電子銃構体の複数のグリッド電極のうち、第1グリッド
電極及び第2グリッド電極の少なくとも一方は、電子ビ
ーム進行方向に異なる種類の金属材料を重畳させた重畳
体によって形成され、その電子ビーム通過孔周辺に配設
されたFe−Ni−Co系合金を備えたことを特徴とす
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態に
ついて、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】図1に示すように、カラー陰極線管装置1
は、略矩形状のフェースパネル11と、このフェースパ
ネル11に一体的に接合されたファンネル12とを有す
る外囲器を備えている。蛍光体スクリーン13は、フェ
ースパネル11の内面に配置されている。この蛍光体ス
クリーン13は、ストライプ状(またはマトリクス状)
の光吸収層14を有するとともに、これら光吸収層14
の間隙部に埋め込まれた青、緑、赤にそれぞれ発光する
3色蛍光体層15を有している。これにより、ブラック
ストライプ型(またはブラックマトリクス型)の蛍光体
スクリーン13が構成される。
【0017】色選別機能を有するシャドウマスク17
は、外囲器内において、蛍光体スクリーン13に対向し
て配置されている。このシャドウマスク17は、センタ
ービーム16G及び一対のサイドビーム16B,16R
からなる3電子ビーム16を通過する多数のアパーチャ
を有している。このシャドウマスク17は、フェースパ
ネル11の内面側に取着されたマスクフレーム18に固
定されている。
【0018】インライン型電子銃構体20は、ファンネ
ル12のネック19の内部に配設されている。この電子
銃構体20は、水平方向Xに一列に配列された3電子ビ
ームを放出する。偏向ヨーク21は、ファンネル12の
径大部からネック19にかけて装着されている。この偏
向ヨーク21は、電子銃構体20から放出された3電子
ビーム16B,16G,16Rを水平方向X及び垂直方
向Yに偏向する非斉一な偏向磁界を発生する。この非斉
一偏向磁界は、水平偏向コイルによって形成されるピン
クッション型水平偏向磁界と、垂直偏向コイルによって
形成されるバレル型垂直偏向磁界とによって形成され
る。なお、必要に応じて偏向ヨーク21の後段のネック
19外周には、ピュリティマグネット等が装着される。
【0019】電子銃構体20から放出された3電子ビー
ム16B、16G、16Rは、セルフコンバージェンス
されつつ、偏向ヨーク21の発生する非斉一磁界により
偏向され、シャドウマスク9を介して蛍光体スクリーン
6を水平方向X及び垂直方向Yに走査する。これによ
り、カラー画像が蛍光体スクリーン13上に表示され
る。このため、ダイナミックコンバージェンス回路を使
用することなくコンバージェンスを合わせることができ
るために、消費電力を少なくすることが可能となってい
る。
【0020】このインライン型電子銃構体20は、例え
ばBPF型の電子銃構体20であり、図2に示すように
構成されている。すなわち、この電子銃構体20は、3
個のカソードKR、KG、KBと、4個のグリッド電極
G1乃至G4を備えている。3個のカソードKR、K
G、KBは、互いに独立して同一平面上に一列に配置さ
れている。各カソードKは、電子ビームを放出するカソ
ードディスク23を備えている。4個のグリッド電極G
1乃至G4は、電子ビームの進行方向に沿ってカソード
Kから蛍光体スクリーンに向かって順に配置されてい
る。
【0021】第1グリッド電極G1は、3個のカソード
Kから所定間隔離れて配置されている。第2グリッド電
極G2は、第1グリッド電極G1から所定間隔離れて配
置されている。これら第1グリッド電極G1及び第2グ
リッド電極G2は、電子ビームを制御するための板状電
極によって構成されている。第1グリッド電極G1は、
その板面に、3電子ビーム16R、16G、16Bを通
過させるための電子ビーム通過孔24を備えている。第
2グリッド電極G2は、その板面に、3電子ビーム16
R、16G、16Bを通過させるための電子ビーム通過
孔25を備えている。
【0022】第3グリッド電極G3は、第2グリッド電
極G2から所定間隔離れて配置されている。この第3グ
リッド電極G3は、電子ビームをフォーカスするための
複数のカップ状電極によって構成されている。すなわ
ち、第3グリッド電極G3の第2グリッド電極G2側に
配置された筒状電極G3Aは、2つのカップ状電極によ
って構成されている。この筒状電極G3Aは、第2グリ
ッド電極G2に対向する端面に、3電子ビーム16R、
16G、16Bを通過させるための電子ビーム通過孔2
6を備えている。また、この筒状電極G3Aは、第4グ
リッド電極G4側の端面に、3電子ビーム16R、16
G、16Bを通過させるための電子ビーム通過孔27A
を備えている。第3グリッド電極G3の第4グリッド電
極G4側に配置された筒状電極G3Bは、2つのカップ
状電極によって構成されている。この筒状電極G3B
は、第2グリッド電極G2側の端面に、3電子ビーム1
6R、16G、16Bを通過させるための電子ビーム通
過孔27Bを備えている。また、この筒状電極G3B
は、第4グリッド電極G4に対向する端面に、3電子ビ
ーム16R、16G、16Bを通過させるための電子ビ
ーム通過孔28を備えている。
【0023】第4グリッド電極G4は、第3グリッド電
極G3から所定間隔離れて配置されている。この第4グ
リッド電極G4は、電子ビームを加速するためのカップ
状電極によって構成されている。この第4グリッド電極
G4の第3グリッド電極G3に対向する端面に、3電子
ビーム16R、16G、16Bを通過させるための電子
ビーム通過孔29を備えている。
【0024】これら各グリッド電極G1乃至G4は、ガ
ラス材によって構成された一対の絶縁支持体によって所
定の位置に固定保持されている。
【0025】この実施の形態では、第1グリッド電極G
1は、図3の(a)及び図3の(b)に示すように、電
子ビーム進行方向Zに異なる種類の金属材料を重畳させ
た重畳体によって形成されている。すなわち、第1グリ
ッド電極G1は、電極基板30と、電極基板30の第2
グリッド電極G2側に配置された重畳電極板32とによ
って構成されている。
【0026】これら電極基板30及び重畳電極板32
は、一列配置の3個のカソードKに対応して形成された
3個の電子ビーム通過孔24を備えている。また、これ
ら電極基板30及び重畳電極板32は、第2グリッド電
極G2と対向する表面に形成された、電子レンズを形成
するためのスリット31を備えている。この実施の形態
では、電子ビーム通過孔24は、ほぼ円形状に形成され
ているとともに、スリット31は、垂直方向Yに長辺を
有する長方形状に形成されている。換言すると、電極基
板30は、スリット31を含む電子ビーム通過孔24周
辺の表面上に重畳された、電極基板30の素材とは異な
る素材からなる重畳電極板32を備えている。
【0027】この第1グリッド電極G1を構成する電極
基板30は、例えばNi(ニッケル)を42%含有する
とともに、残部がFe(鉄)からなるFe−Ni系合金
によって構成されている。重畳電極板32は、Fe−N
i−Co系合金の中から選ばれた少なくとも1種類の金
属材料によって構成されている。この実施の形態では、
重畳電極板32は、例えばNiを29%含有し、Co
(コバルト)を17%含有し、さらに残部がFeからな
るFe−Ni−Co系合金、通称コバールと称されてい
る金属材料によって構成されている。
【0028】この重畳電極板32は、電子ビーム通過孔
24を中心として、電子ビーム通過孔24の孔面積の1
5乃至650倍の大きさの領域に配設されている。この
実施の形態では、電子ビーム通過孔24の孔径を0.6
2mmに設定し、電子ビーム通過孔24の孔面積を約
0.97mmとした場合に、重畳電極板32は、水平
方向Xに4.00mm、垂直方向Yに13.50mmの
大きさの領域(電子ビーム通過孔面積の約56倍の領
域)に配設されている。
【0029】また、この重畳電極板32は、第1グリッ
ド電極G1を構成する重畳体全体の板厚の40%以上の
板厚を有している。この実施の形態では、例えば、重畳
体全体の板厚を0.25mmに設定した場合に、重畳電
極板32の板厚は、全体の50%に相当する0.125
mmに設定している。この重畳電極板32は、電子ビー
ム通過孔24の夫々の周囲にスリット31を含む部分に
配置されている。このとき、第1グリッド電極G1で
は、電子ビーム通過孔24周辺部を含む電極全体は、所
定の板厚に維持されている。
【0030】第1グリッド電極G1を構成する電極基板
30と重畳電極板32とは、クラッド材を形成するため
に使用されている既知の機械的な圧延による圧着方法の
クラッド方式の中で、部分的に異種金属を合わせるイン
レイクラッド方式等の方法によって圧着される。
【0031】このように、電極基板30を構成する材料
として、本来成形性に劣る金属材料であったとしても熱
膨張特性などの物理特性、機械特性、化学特性等の所定
の特性が優れた金属材料を優先的に選定して使用してい
る。また、複雑な成形を施す部分、例えば電子ビーム通
過孔24の周囲部分だけに重畳電極板32を配置し、こ
の重畳電極板32を構成する材料として、成形性の優れ
た金属材料を選定して使用している。電子ビーム通過孔
24は、重畳電極板32を配置した部分をプレス成形す
ることで形成する。これにより、所定の特性を優先して
保持しながら、高い加工精度で複雑な成形をを必要とす
る電極を形成することが可能となる。
【0032】このような構造の第1グリッド電極G1に
おいて、重畳電極板32の配設条件を種々変更して、熱
膨張係数、及び、複雑な形状に加工するプレス加工性
(例えば孔径の小さい電子ビーム通過孔の加工精度)に
ついて測定を行った。図7にその測定結果を示す。な
お、図7において、熱膨張係数については、30℃〜3
00℃における測定値を示し、またプレス加工性につい
ては、加工が困難なものには×印を、加工性が良好なも
のには○印を、そして加工性が極めて良好なものには◎
印を付けて示している。
【0033】ここで、測定項目No.1乃至21では、
電極基板30を構成する金属材料は、Niを42%含有
するとともに残部がFe(鉄)からなるFe−Ni系合
金を使用している。また、重畳電極板32を構成する金
属材料は、Niを29%含有し、Coを17%含有し、
さらに残部がFeからなるFe−Ni−Co系合金(コ
バール)を使用している。これにより、第1グリッド電
極G1は、これら電極基板30及び重畳電極板32を重
ね合わせてプレス成形することによって形成される。測
定項目No.22では、電極全体を、Niを42%含有
するとともに残部がFe(鉄)からなるFe−Ni系合
金で構成し、プレス成形することによって第1グリッド
電極G1を形成している。測定項目No.23では、電
極全体をコバールで構成し、プレス成形することによっ
て第1グリッド電極G1を形成している。
【0034】配設条件としては、第1条件:電子ビーム
通過孔の孔面積に対する重畳電極板32の配設領域の面
積の倍率、及び、第2条件:グリッド電極全体の厚さに
対する重畳電極板32の厚さの比率を変更している。測
定項目No.1乃至9では、第1条件を15倍とし、第
2条件を10%乃至90%に設定している。測定項目N
o.10乃至15では、第1条件を300倍とし、第2
条件を40%乃至90%に設定している。測定項目No.
16乃至21では、第1条件を650倍とし、第2条件
を40%乃至90%に設定している。
【0035】図7に示したように、グリッド電極の熱膨
張係数は、重畳電極板32の配設条件、すなわち第1条
件及び第2条件によって変化している。このとき、測定
項目No.4乃至21に該当する条件の時、良好なプレ
ス加工性が得られることが判明した。つまり、重畳電極
板32の配設条件は、第1条件すなわち重畳電極板32
の配設領域が電子ビーム通過孔面積の15倍以上で、且
つ、第2条件すなわち電極全体の厚さに対する重畳電極
板32の厚さが40%以上であることが望ましい。
【0036】ただし、第1条件が650倍を超えると、
電極基板30と重畳電極板32との熱膨張係数の差が拡
大する。このため、温度上昇とともにバイメタル効果が
発生してしまい、電極自体に変形が生じることが判明し
た。このため、第1条件は、650倍以下に設定するこ
とが望ましい。上述したような第1条件で重畳電極板3
2を電極基板30に配設することにより、所定の熱膨張
特性を保持しつつ高いプレス成形性を得ることが可能で
ある。
【0037】また、第2条件については、重畳電極板3
2の厚さの比率が小さいすなわち厚さが薄い場合、プレ
ス加工性が劣る。このため、良好なプレス加工を得るた
めには、少なくとも40%以上であることが望ましく、
好ましくは50%以上であることが望ましい。
【0038】また、重畳電極板32を全く使用しない電
極基板30単体だけで電極を構成した場合、熱膨張特性
とプレス加工性とを両立することが困難であることが判
明した。例えば、測定項目No.22のように、電極基
板30をFe−Ni系合金だけで構成した場合には、熱
膨張特性に優れているものの、プレス加工性が劣る。ま
た、測定項目No.23のように、電極基板30をコバ
ール材だけで構成した場合には、プレス加工性に優れて
いるものの、熱膨張特性に劣る。
【0039】上述したように、この実施の形態では、第
1グリッド電極G1は、異なる種類の金属材料を電子ビ
ーム進行方向に沿って重畳した重畳体によって構成して
いる。特に、このグリッド電極G1は、電子ビーム通過
孔24周辺部分に配設されたFe−Ni−Co系合金に
よって構成された重畳電極板32を備えている。この重
畳電極板32は、電子ビーム通過孔24を中心として孔
面積の15倍乃至650倍の範囲に配設されている。ま
た、重畳電極板32は、電極全体の厚さに対して40%
以上100%未満の比率で重畳されている。
【0040】このように、グリッド電極は、物理特性、
機械特性、化学特性など必要な所定の特性を優先して選
定した第1の金属材料と、加工精度を優先して選定した
第2の金属材料とで構成している。すなわち、電極基板
を、熱膨張特性などの所定の特性に優れた金属材料(例
えば、Fe−Ni系合金)によって形成する。また、電
子ビーム通過孔を含む複雑な成形を施す必要がある部分
に、成形性の優れた金属材料(例えば、Fe−Ni−C
o系合金)を重畳してプレス成形する。これにより、必
要な所定の特性を満足させつつ、高いプレス成形性を得
ることができる。その結果、カラー陰極線管としてのサ
ーマル特性やフライング特性等の諸特性を改善すること
が可能となる。
【0041】なお、この電極基板30の材質として、F
e−Ni系合金を使用した場合について説明したが、こ
れをFe−Ni−Cr系合金に変更した場合についても
同様の測定を行った結果、同様な傾向を示すことが判明
した。したがって、グリッド電極は、Fe−Ni−Cr
系合金で電極基板30を構成し、Fe−Ni−Co系合
金で重畳電極板32を構成しても良い。
【0042】なお、この発明は、上述した実施の形態に
限定されるものではなく、種々変更可能である。たとえ
ば、上述した実施の形態では、第1グリッド電極G1を
重畳体によって構成した場合について説明したが、第2
グリッド電極G2を重畳体によって構成してもよい。す
なわち、第2グリッド電極G2に、必要な所定の特性を
満足させつつ、高いプレス成形性が要求される場合、図
4に示すように、第2グリッド電極G2は、電子ビーム
進行方向に異なる種類の金属材料を重畳して構成しても
よい。
【0043】すなわち、第2グリッド電極G2は、電極
基板30と、電極基板30の第3グリッド電極G3側に
配置された重畳電極板32とによって構成される。この
場合、電極基板30は、例えばFe−Ni系合金など所
定の特性を優先して選定した金属材料によって構成され
る。また、重畳電極板32は、例えばFe−Ni−Co
系合金など加工精度を優先して選定した金属材料によっ
て構成される。この重畳電極板32は、主に、電子ビー
ム通過孔を含むその周辺部など高い加工精度を要求され
る領域に前述した配設条件(第1条件及び第2条件)を
満足するように配設される。これにより、上述した実施
の形態と同様の効果が得られる。
【0044】また、複雑な形状を高い加工精度で成形す
る必要があるグリッド電極(例えば第1グリッド電極及
び第2グリッド電極)については、重畳電極板32は、
図5の(a)及び図5の(b)に示すように、3個の電
子ビーム通過孔24に跨って一体的に構成してもよい。
【0045】さらに、図6に示すように、第1グリッド
電極G1及び第2グリッド電極G2ともに、電極基板3
0に重畳電極板32を重畳した重畳体によって構成して
もよい。
【0046】また、グリッド電極は、電極基板30を挟
み込むように電極基板30の両面に重畳電極板32を配
置した3層構造の重畳体によって構成してもよい。さら
に、カラー陰極線管の電子銃構体としてバイポテンシャ
ル型構成の場合について説明したが、ユニポテンシャル
型電子銃構体、バイポテンシャルとユニポテンシャルの
複合型電子銃構体、ハイユニポテンシャル型電子銃構体
等の各種電子銃構体、あるいは白黒用の陰極線管の電子
銃構体にも適用することが可能であり、その他種々の応
用や変形が可能なことは言うまでもない。
【0047】上述したように、この実施の形態に係る電
子銃構体及び陰極線管によれば、本来電極素材としてプ
レス成形性が劣る金属材料であっても、少なくとも電子
ビーム通過孔周辺の複雑な成形を施す部分に成形性の優
れた金属材料を重ねて使用することにより、物理特性、
機械特性等の陰極線管としての必要な特性を優先して電
極を形成することができる。このため、電極としての諸
特性を満足させつつプレス成形性を向上させることがで
きる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、物理特性等の所定の特性を保持しながら、高い加工
精度で成形可能な電極を備えた電子銃構体及び陰極線管
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施の形態に係るカラー
陰極線管の主要な構成部分を概略的に示す一部切欠斜視
図である。
【図2】図2は、図1に示したカラー陰極線管に適用可
能な電子銃構体の主要な構成部分を概略的に示す水平断
面図である。
【図3】図3の(a)は、図2に示した第1グリッド電
極の構造を概略的に示す平面図であり、図3の(b)
は、図3の(a)に示した第1グリッド電極のA−A’
線に沿った断面構造を概略的に示す断面図である。
【図4】図4は、図1に示したカラー陰極線管に適用可
能な他の電子銃構体の主要な構成部分を概略的に示す水
平断面図である。
【図5】図5の(a)は、図1に示したカラー陰極線管
に適用可能な電子銃構体におけるグリッド電極の他の構
造を概略的に示す平面図であり、図5の(b)は、図5
の(a)に示したグリッド電極のA−A’線に沿った断
面構造を概略的に示す断面図である。
【図6】図6は、図1に示したカラー陰極線管に適用可
能なさらに他の電子銃構体の主要な構成部分を概略的に
示す水平断面図である。
【図7】図7は、従来のカラー陰極線管を示す断面図。
【図8】図8は、従来の電子銃構体の主要な構成部分を
示す水平断面図である。
【符号の説明】
11…フェースプレート 12…ファンネル 13…蛍光体スクリーン 16(R、G、B)…電子ビーム 19…ネック 20…電子銃構体 21…偏向ヨーク 24、25…電子ビーム通過孔 30…電極基板 31…スリット 32…重畳電極板 K…カソード G1…第1グリッド電極 G2…第2グリッド電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子ビームを放出するカソードと、このカ
    ソードから放出された電子ビームを通過させる電子ビー
    ム通過孔を有し電子ビームを制御する少なくとも第1グ
    リッド電極及び第2グリッド電極と、を備えた電子銃構
    体において、 前記第1グリッド電極及び前記第2グリッド電極の少な
    くとも一方は、電子ビーム進行方向に異なる種類の金属
    材料を重畳させた重畳体によって形成され、その電子ビ
    ーム通過孔周辺に配設されたFe−Ni−Co系合金を
    備えたことを特徴とする電子銃構体。
  2. 【請求項2】前記Fe−Ni−Co系合金は、電子ビー
    ム通過孔を中心として、電子ビーム通過孔面積の15〜
    650倍の大きさの領域に配設され、且つ前記重畳体の
    全板厚の40%以上の板厚を有するように設定されたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電子銃構体。
  3. 【請求項3】略矩形状のフェースパネルと、 このフェースパネルに連接するファンネルと、 このファンネルのネック内に配置され、電子ビームを制
    御する複数のグリッド電極を備えた電子銃構体と、 前記フェースパネル内面に形成された蛍光体スクリーン
    と、 を有する陰極線管において、 前記電子銃構体の複数のグリッド電極のうち、第1グリ
    ッド電極及び第2グリッド電極の少なくとも一方は、電
    子ビーム進行方向に異なる種類の金属材料を重畳させた
    重畳体によって形成され、その電子ビーム通過孔周辺に
    配設されたFe−Ni−Co系合金を備えたことを特徴
    とする陰極線管。
  4. 【請求項4】前記Fe−Ni−Co系合金は、電子ビー
    ム通過孔を中心として、電子ビーム通過孔面積の15〜
    650倍の大きさの領域に配設され、且つ前記重畳体の
    全板厚の40%以上の板厚を有するように設定されたこ
    とを特徴とする請求項3に記載の陰極線管。
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