JP3766155B2 - Fe−Ni系合金およびFe−Ni−Co系合金と、それらを用いた陰極線管用電子銃、リードフレーム、リード線およびシールキャップ部品 - Google Patents
Fe−Ni系合金およびFe−Ni−Co系合金と、それらを用いた陰極線管用電子銃、リードフレーム、リード線およびシールキャップ部品 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、打抜き性および耐熱性に優れるFe−Ni系合金およびFe−Ni−Co系合金と、それらを用いた陰極線管用電子銃、リードフレーム、リード線、および半導体パッケージや水晶振動子用のシールキャップ部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
42wt%Ni−FeのようなFe−Ni系合金や 29wt%Ni− 17wt%Co−FeのようなFe−Ni−Co系合金は、熱膨張率が小さい低熱膨張合金として知られている。これらFe−Ni系合金やFe−Ni−Co系合金(以下、Fe− Ni系合金と総称する)は、半導体パッケージ等の製造に用いられるリードフレームやリードピン、あるいは陰極線管用電子銃部品等の低熱膨張特性が必要とされる用途に使用されている。
【0003】
例えば、カラー受像管等に使用される陰極線管用電子銃は、陰極部から放出された電子ビームを収束もしくは偏向する、電子ビーム通過孔を有する複数の電極を有している。これら電極の構成材料は、陰極線管の動作中に熱膨張して電子ビームの飛翔に乱れを生じさせないように、熱膨張率が小さいことが必須条件となる。そこで、上述したようなFe−Ni系合金が使用されている。また、リードフレーム、リードピン、シールキャップ部品等は、熱膨張係数が小さい半導体素子やセラミックス製パッケージ基体等との接合が必要であること等から、低熱膨張係数を有するFe−Ni系合金が使用されている。
【0004】
また、陰極線管用電子銃やリードフレーム、リードピン、シールキャップ部品等に対する要求特性の向上に伴って、上述したようなFe−Ni系合金に少量のNb等を配合した合金が使用されはじめている。すなわち、例えばFe−Ni系合金に配合されたNbは粒状の炭化物等として析出する。この粒状析出物はプレス打抜き性を向上させ、例えば打抜きバリの低減に効果を発揮する。Fe−Ni系合金を陰極線管用電子銃部品に使用する場合、バリの低減は電子ビーム特性の安定化を図る上で重要である。また、リードフレームにおいても、近年の半導体素子の高集積化等への対応を図る上で、微細パターンの再現性向上に繋がるプレス打抜き性の向上が重要となってきている。
【0005】
さらに、粒状析出物はFe−Ni系合金を分散強化し、耐熱性の向上に大きく貢献する。これによって、高温熱処理に伴うFe−Ni系合金の軟化等を抑制することができる。半導体パッケージ等の製造工程においては、ろう付けやガラス封着等を行う際にリードフレームやリードピン等が高温に晒されるため、耐熱性の向上、具体的には高温熱処理時の軟化の抑制等が重要となる。また、陰極線管用電子銃部品においても、熱処理に伴う軟化は取扱い性の低下や組み立て時の変形等に繋がるため、耐熱性の向上を図ることは重要である。
【0006】
ただし、Nb等を配合したFe−Ni系合金を用いても、打抜きバリが完全になくなるわけではないと共に、最近の陰極線管用電子銃部品やリードフレーム等に対する要求特性は年々厳しくなっていることから、陰極線管用電子銃の電極やリードフレーム等をプレス打抜きで作製した後、化学研磨を施して打抜きバリを除去し、表面状態を平滑にして使用することも多くなってきている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、Nb等を配合したFe−Ni系合金の場合、プレス打抜き加工後の部品表面は冷間圧延後の金属材料の表面状態がほぼそのまま保たれている。このような状態を維持している電子銃用電極やリードフレーム等に対して、上述したような化学研磨を施すと、打抜きバリ等は除去されて滑らかになるものの、合金中に存在する粒状析出物が部品表面に現れ、以下に示すような問題を生じさせている。
【0008】
例えば、粒状析出物が表出した電極を使用した陰極線管用電子銃をカラーブラウン管に組み込み、動作時に高電圧が印加されると、電極表面の粒状析出物がスパーク放電を起し、カラーブラウン管の耐電圧特性を悪化させてしまう。また、リードフレーム、リードピン、シールキャップ部品等の場合には、例えば曲げ加工時に曲げ部に粒状析出物が突出して、メッキの付着性を低下させたり、あるいは曲げ回数が低下する等の問題がある。この曲げ部での粒状析出物の突出は、化学研磨の有無にかかわらず生じている。
【0009】
このようなことから、陰極線管用電子銃の電極部品、リードフレーム、リード線、シールキャップ部品等に用いられる、Nb等を配合したFe−Ni系合金やFe−Ni−Co系合金においては、化学研磨後や曲げ加工後に表面に粒状析出物が突出することを防止することが課題とされている。
【0010】
本発明は、このような課題に対処するためになされたもので、プレス打抜き性や耐熱性等を維持した上で、化学研磨後や曲げ加工後の粒状析出物の突出を防止することを可能にしたFe−Ni系合金およびFe−Ni−Co系合金を提供することを目的としており、さらにはそのようなFe−Ni系合金やFe−Ni−Co系合金を用いることによって、スパーク放電の発生を抑制することを可能にした陰極線管用電子銃、および粒状析出物の突出に伴うメッキ付着性の低下等を抑制したリードフレーム、リード線およびシールキャップ部品を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために検討を進めたところ、以下に示すような知見を得た。すなわち、Nb炭化物等からなる粒状析出物は耐薬品性が高いことから、例えば化学研磨時に合金表面層は溶解されて取り除かれても、大きい粒状析出物は除去されずに残ってしまう。この大きな粒状析出物がスパーク放電等の発生原因となる。一方、粒状析出物を微粒子化した場合、その多くは化学研磨時に合金表面層と共に取り除かれ、また表面に残ったとしてもスパーク放電等の発生原因とはならないことを見出した。同様に、粒状析出物を含有するFe−Ni系合金やFe−Ni−Co系合金に折曲げ加工を施した場合にも、粒状析出物の大きさが小さいと、折曲げ部に突出してメッキ付着性や折曲げ回数等を低下させることがないことを見出した。
【0012】
本発明はこのような知見に基いてなされたもので、本発明のFe−Ni系合金は、Niを25〜55質量%、Cを0.001〜0.3質量%、4A族元素および5A族元素から選ばれる少なくとも1種を0.01〜6質量%含み、残部がFeからなるFe−Ni系合金であって、前記4A族元素および5A族元素から選ばれる少なくとも1種の元素の炭化物を含む粒状析出物を含有すると共に、前記粒状析出物の大きさが最大15μm未満であることを特徴としている。
【0013】
また、本発明のFe−Ni−Co系合金は、Niを28〜32質量%、Coを15〜18.5質量%、Cを0.001〜0.3質量%、4A族元素および5A族元素から選ばれる少なくとも1種を0.01〜6質量%含み、残部がFeからなるFe−Ni−Co系合金であって、前記4A族元素および5A族元素から選ばれる少なくとも1種の元素の炭化物を含む粒状析出物を含有すると共に、前記粒状析出物の大きさが最大15μm未満であることを特徴としている。
【0014】
本発明の陰極線管用電子銃は、電子ビームを放出する陰極部と、前記電子ビームの通過孔を有し、前記電子ビームの制御を行う複数の電極とを具備する陰極線管用電子銃において、前記複数の電極の少なくとも一部は、上述した本発明のFe−Ni系合金またはFe−Ni−Co系合金からなることを特徴としている。
【0015】
さらに、本発明のリードフレーム、リード線、半導体パッケージ用および水晶振動子用のシールキャップ部品は、上述した本発明のFe−Ni系合金またはFe−Ni−Co系合金からなることを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0017】
本発明のFe−Ni系合金およびFe−Ni−Co系合金は、4A族元素および5A族元素から選ばれる少なくとも 1種の元素を含む粒状析出物を含有している。ここで4A族元素および5A族元素から選ばれる少なくとも 1種の元素は、単体、炭化物や窒化物等の化合物、Feとの金属間化合物等として析出し、粒状析出物として合金組織内に存在する。このような4A族元素や5A族元素を含む粒状析出物は、Fe−Ni系合金およびFe−Ni−Co系合金の機械的強度や耐熱性等の向上に寄与する。
【0018】
上述したような粒状析出物のうち、特に4A族元素や5A族元素の炭化物は、例えばプレス打抜き加工の際に破断の起点として作用するため、打抜きバリの低減に大きな効果を発揮する。さらに、4A族元素や5A族元素の炭化物からなる粒状析出物は、Fe−Ni系合金およびFe−Ni−Co系合金に対する分散強化効果に優れることから、耐熱性の向上に大きく貢献する。これによって、高温熱処理に伴うFe−Ni系合金およびFe−Ni−Co系合金の軟化等を抑制することが可能となる。また、溶存ガス成分が4A族元素や5A族元素の炭化物として固定化されることから、真空中でのガス放出量を減少させることができる。Ti、Zr、Hfの4A族元素およびV、Nb、Taの5A族元素は、特に炭化物や窒化物として析出しやすい元素であり、これらの内でも特にNbおよびTaを用いた場合に、上述した効果が顕著に得られるため好ましく用いられる。このような4A族元素および5A族元素から選ばれる少なくとも1種の元素は、合金中に0.01〜6質量%の範囲で含有させる。これら元素の含有量が0.01質量%未満では、これら添加元素が母相中に固溶してしまい、炭化物等からなる粒状析出物の量が不足するため、機械的強度、プレス打抜き性、耐熱性の向上効果が十分に得られないおそれがある。一方、6質量%を超えると加工性が低下すると共に、機械的強度が高くなりすぎるために、各種部品形状へのプレス加工性が悪化する。4A族元素および5A族元素のより好ましい含有量は0.5〜4質量%の範囲である。
【0019】
本発明のFe−Ni系合金およびFe−Ni−Co系合金中に分散含有される粒状析出物としては、上述したように特に炭化物が好ましいことから、合金中に0.001〜0.3質量%の範囲で炭素(C)を含有させる。このように、合金中に意図的に炭素を含有させることによって、4A族元素や5A族元素の炭化物からなる粒状析出物を均一分散させることができる。その結果、上述した機械的強度、プレス打抜き性、耐熱性の向上効果を安定して得ることが可能となる。
【0020】
このような炭素の含有量は、上記したように0.001〜0.3質量%の範囲とする。炭素の含有量が0.001質量%未満では、機械的強度、プレス打抜き性、耐熱性の向上効果が十分に得られないおそれがある。一方、0.3質量%を超えると加工性が低下すると共に、機械的強度が高くなりすぎるために、各種部品形状へのプレス加工性が悪化する。炭素のより好ましい含有量は0.01〜0.2質量%の範囲である。
【0021】
本発明のFe−Ni系合金の基本成分であるニッケル(Ni)は、熱膨張率を低下させる元素であり、その含有量が25質量%未満であっても、また55質量%を超えてもいずれも熱膨張率が大きくなり、低熱膨張合金としての効果が損われてしまう。よって、Niの含有量は25〜55質量%の範囲とすることが好ましく、さらに好ましくは36〜50質量%の範囲である。
【0022】
本発明のFe−Ni−Co系合金の基本成分であるニッケル(Ni)は、Fe−Ni系合金と同様に熱膨張率を低下させる元素であり、Fe−Ni−Co系合金におけるNi含有量は28〜32質量%の範囲とする。限定理由は上述した通りである。より好ましいNi含有量は28〜30質量%の範囲である。また、コバルト(Co)も同様に熱膨張率を低下させる元素であり、その含有量が15質量%未満であっても、また18.5質量%を超えても、いずれも熱膨張率が大きくなり、低熱膨張合金としての効果が損われてしまう。よって、Coの含有量は15〜18.5質量%の範囲とすることが好ましく、さらに好ましくは16〜18.5質量%の範囲である。
【0023】
また、本発明のFe−Ni系合金およびFe−Ni−Co系合金は、上述した元素の他に、プレス打抜き性の向上に寄与する硫黄(S)を0.002〜0.05質量%の範囲で含有させてもよい。Sは単体またはS化合物として粒界または粒内の合金組織内に存在して、Fe−Ni系合金およびFe−Ni−Co系合金に適度なもろさを付与する。これによって、プレス打抜き加工に際して打抜き性のみが向上し、バリの発生を有効に防止することが可能となる。ただし、S含有量が0.05質量%を超えると逆にもろくなりすぎて、熱間加工等に際して割れ発生等の問題が生じる。
【0024】
なお、本発明の合金は脱酸剤として添加した例えば2質量%以下のMn、およびP、Si等の他の不純物を0.1質量%以下程度の範囲で含有していても、本発明の効果を損うものではない。
【0025】
本発明のFe−Ni系合金およびFe−Ni−Co系合金は、4A族元素や5A族元素の炭化物等からなる粒状析出物を含有しており、この粒状析出物はその大きさが最大でも15μm 未満と微粒子化されている。粒状析出物の大きさは最大10μm 以下とすることがより好ましく、さらには 5μm 以下とすることが望ましい。なお、ここで言う粒状析出物の大きさとは、それを含む最小円の直径を指すものとする。
【0026】
このように、粒状析出物を微粒子化することによって、例えばFe−Ni系合金やFe−Ni−Co系合金に化学研磨を施す際に、合金成分の溶解と共に取り除くことができる。また、新たに現れた表面には小さな粒状析出物が存在するが、その大きさが小さいために、例えば陰極線管用電子銃の電極材料として用いた場合に、スパーク放電の発生原因となることはなく、よってカラーブラウン管等の耐電圧特性を悪化させることがない。また、リードフレームやリードピンとして用いた際に折曲げ加工を行っても、折曲げ部に粒状析出物が大きく突出することがなくなるため、メッキの付着性や折曲げ回数の低下等を抑制することが可能となる。
【0027】
上述したような最大でも15μm 未満の粒状析出物を微細分散させた状態は、 Fe−Ni系合金およびFe−Ni−Co系合金の製造工程において、冷間圧延工程より前の工程で適切な条件で均熱処理を施すことによって得られる。すなわち、Fe−Ni系合金やFe−Ni−Co系合金を製造する場合、通常、上述したような組成を満たす合金成分を1673〜 1873K程度の温度で溶解・鋳造した後、約1273〜 1473K程度の温度範囲で熱間鍛造および熱間圧延のいずれか、またはその両方を行い、その後冷間加工および焼鈍を行う。そして、最終的に冷間圧延を行って所望の寸法(例えば板厚)のFe−Ni系合金材やFe−Ni−Co系合金材を得る。
【0028】
このようなFe−Ni系合金やFe−Ni−Co系合金の製造工程において、冷間圧延工程より前の工程で適切な条件下で均熱処理を施す。均熱処理は冷間圧延以前に行えばよいが、具体的には熱間鍛造前または熱間鍛造後に行うことが好ましい。また、線材等を作製する場合には、最終冷間加工を行う以前に均熱処理を行う。
【0029】
ここで、金属材料の均熱処理とは、通常、融点よりやや低い温度で数時間から数十時間の熱処理を鍛造前または後に、偏析化学成分の拡散を目的として行うものである。粒状析出物を含有するFe−Ni系合金およびFe−Ni−Co系合金においては、均熱処理を施すことで大きな粒状析出物を細かく分散させることができる。すなわち、4A族元素や5A族元素の炭化物等の含有割合を変えることなく、小さな粒状析出物を多量に微細分散させることができる。例えば、最大でも15μm 未満と小さい粒状析出物を、合金組織中に10〜1000個/mm2 程度分散させた状態を得ることができる。
【0030】
上述したような粒状析出物の微細分散状態を得る上で、均熱処理の条件が重要となる。以下に、「Nbを含むFe−Ni系合金完成材料におけるNbCからなる粒状析出物の形成状態」および「化学研磨後のNbCからなる粒状析出物の状態」と均熱処理条件との関係を調べた実験結果について述べる。この実験結果から後述する均熱処理条件を設定した。
【0031】
まず、 42.1wt%Ni−2.0wt%Nb− 0.04wt%C− balFeの組成を有するFe−Ni−Nb系合金を用いて、鍛造前または後に 1173K、 1373K、 1573K、1623K のそれぞれの温度で 1時間、 3時間、25時間、50時間の均熱処理を行って、完成材料(板材、板厚=0.25mmn)とした。また、均熱処理を行わないFe−Ni−Nb系合金の完成材料も同様に作製した。これら「完成材料のNbCからなる粒状析出物の形成状態」については、材料圧延方向に対して垂直に切断し、この垂直断面を研磨した後、その切断面中から任意の領域(0.2×0.2mm)を選び、金属顕微鏡を用いて倍率 400倍で、その領域(0.04mm2 )内に存在する最も大きいNbCの大きさと、大きさが15μm 以上のNbCの個数を測定した。
【0032】
次に、上記した各Fe−Ni−Nb系合金の完成材料に、プレス打抜き加工を行った後に化学研磨を施して、それぞれ電極部品(形状は図1に示す通りである)を作製し、これら電極部品表面に存在する最も大きいNbCの大きさと、大きさが15μm 以上のNbCの個数を、同様にして測定した。それらの結果を表1に併せて示す。
【0033】
【表1】
表1から、まず完成材料において粒状析出物であるNbCの大きさが小さければ、化学研磨後に表面(電極部品表面)に新たに出現するNbCも小さく、大きなNbCが残留することはないことが分かる。
【0034】
均熱処理条件に関しては、処理温度が 1173Kでは均熱処理の効果は不十分であり、 1373K以上であれば十分に均熱処理効果が得られることが分かる。ただし、 1623KではFe−Ni−Nb系合金の融点に近いために、均熱処理中に若干の溶融と軟化が認められた。これらから、均熱処理温度は1373〜 1573Kの範囲とすることが好ましいことが分かる。また、均熱処理時間は 3時間でほぼ効果が得られることが確認され、一方25時間を超えてもそれ以上の効果は得られていないため、均熱処理時間は 3〜25時間程度が好ましいことが分かる。
【0035】
上記したような条件下で均熱処理を施すことによって、NbC等からなる微粒子化した粒状析出物を再現性よく微細分散させることが可能となる。なお、Nb以外の元素を用いた場合についても同様であった。また、Fe−Ni−Co− Nb系合金についても同様な実験を行ったところ、均熱処理条件は処理温度1373〜 1573K、処理時間 3〜25時間程度とすることが好ましいことを確認した。
【0036】
次に、本発明の陰極線管用電子銃、リードフレーム、リード線およびシールキャップ部品の実施形態について説明する。
【0037】
図1は、本発明の一実施形態による陰極線管用電子銃の電極部品を示す図であり、(a)はその平面図、(b)はそのA−A′線に沿った断面図である。図1に示す電極部品1は、前述した本発明のFe−Ni系合金またはFe−Ni− Co系合金からなるものである。すなわち、プレス打抜き性や耐熱性等の向上に寄与する4A族元素や5A族元素の炭化物等からなる粒状析出物を含有し、かつこの粒状析出物の大きさが最大でも15μm 未満と微粒子化されたFe−Ni系合金またはFe−Ni−Co系合金からなる。
【0038】
図1に示す電極部品1は、複数の電子ビーム通過孔2a、2b、2cを有しており、その周囲には電子ビーム通過孔2a、2b、2c周辺を補強する環状のビード3a、3b、3cがそれぞれ形成されている。また、その内側には板厚が他の部分より薄いコイン状の部分4a、4b、4cが設けられている。
【0039】
このような電極部品1において、その外形および電子ビーム通過孔2a、2b、2c等はプレス加工により形成される。この際、4A族元素や5A族元素の炭化物等からなる粒状析出物によって、良好なプレス加工性(プレス打抜き加工性)が得られるものの、電子ビーム通過孔2a、2b、2cの周辺には、図2に示すように、僅かであってもバリ5が生じる。電極部品1の外周部についても同様である。従って、このようなバリ5を化学研磨によって除去して、電極部品1が完成する。
【0040】
このように、化学研磨によりバリ5を除去しても、前述した本発明のFe− Ni系合金およびFe−Ni−Co系合金は粒状析出物の大きさが最大15μm 未満と微粒子化されているため、表面に存在する粒状析出物を化学研磨時に合金成分の溶解と共に取り除くことができる。また、新たに現れた表面にも小さな粒状析出物しか存在しない。従って、このような電極部品1を使用した陰極線管用電子銃においては、実動作時に高電圧が印加されてもスパーク放電等を生じることがない。また、電極部品1は耐熱性に優れることから、焼鈍等の熱処理後に取扱い性の低下や組み立て時の変形等を招くことがない。
【0041】
上述した電極部品1は、例えば図3に模式的に示す陰極線管用電子銃11の第1グリッドディスク(以下、第1グリッドと記す)G1 や第2グリッドディスク(以下、第2グリッドと記す)G2 として用いられる。そして、これら第1グリッドG1 および第2グリッドG2 と、第3グリッドG3 、第4グリッドG4 、および電子ビームを放出するカソード(陰極部)Kとを組合せて、陰極線管用電子銃11が構成される。第1〜第4グリッドG1 〜G4 によりカソードKから放出された電子ビームが制御され、例えばカラー受像管の蛍光面に電子ビームが照射される。このような陰極線管用電子銃11を組込んだカラーブラウン管等においては、第1および第2グリッド(電極)G1 、G2 等からスパーク放電を生じることがないため、良好な耐電圧特性を維持することが可能となる。
【0042】
図4は、本発明の一実施形態によるリードフレームを示す平面図であり、このリードフレーム12は、前述した電極部品1と同様に、プレス打抜き性や耐熱性等の向上に寄与する4A族元素や5A族元素の炭化物等からなる粒状析出物を含有し、かつこの粒状析出物の大きさが最大15μm 未満と微粒子化された、本発明のFe−Ni系合金またはFe−Ni−Co系合金からなるものである。
【0043】
このようなリードフレーム12において、その外形および各リード形状等はプレス加工により形成される。この際、4A族元素や5A族元素の炭化物等からなる粒状析出物によって、良好なプレス加工性(プレス打抜き加工性)を得ているため、微細パターンを再現性よく形成することができる。ただし、各リードの周辺には僅かであってもバリが生じるおそれがある。このようなバリは必要に応じて化学研磨により除去する。
【0044】
上述したように、リードフレーム12のバリを化学研磨により除去しても、前述した本発明のFe−Ni系合金およびFe−Ni−Co系合金は粒状析出物の大きさが最大15μm 未満と微粒子化されているため、表面に存在する粒状析出物を化学研磨時に合金成分の溶解と共に取り除くことができる。また、新たに現れた表面にも小さな粒状析出物しか存在しない。さらに、リードフレーム12に折曲げ加工を施しても、折曲げ部に粒状析出物が突出するようなことはない。
【0045】
従って、メッキ付着性や折曲げ回数等を低下させることがない健全なリードフレーム12が得られる。また、本発明のFe−Ni系合金およびFe−Ni− Co系合金は耐熱性に優れているため、リードフレーム12を半導体パッケージ等にろう付けやガラス封着等で接合する際に高温熱処理を経ても、熱変形等を生じるおそれがない。
【0046】
本発明のFe−Ni系合金またはFe−Ni−Co系合金からなるリード線は、上述したリードフレーム12と同様に、折曲げ加工を施しても折曲げ部に粒状析出物が突出するようなことがないため、メッキ付着性や折曲げ回数等を低下させることがない。また耐熱性に優れていることから、リードピン等をろう付けやガラス封着等で接合する際に高温熱処理を経ても、熱変形等を生じるおそれがない。本発明のリード線は、半導体パッケージや水晶振動子等のハーメチックシールパッケージのリードピン等として好適である。
【0047】
図5は、本発明の一実施形態の半導体パッケージ用シールキャップ部品を用いたピングリッドアレイ(PGA)21の一例を示す断面図である。このPGA21は、複数のセラミックス層22a、22b、22c、22d、22eを多層一体化したセラミックス多層基板22から主として構成されている。各セラミックス層の上部および内部(スルーホール)には、所定の配線パターンを有する内部配線23が設けられている。
【0048】
最上層のセラミックス層22a上には、接合材層24と表面配線25が設けられており、接合材層24上には半導体チップ26が搭載されている。この半導体チップ26と表面配線25とは、リード線(ボンディングワイヤ)27で電気的に接続されている。表面配線25は、スルーホールを含む内部配線23とランド28を介してリードピン29に電気的に接続されている。そして、半導体チップ26は、上述した電極部品1やリードフレーム12と同様に、プレス加工性や耐熱性等の向上に寄与する4A族元素や5A族元素の炭化物等からなる粒状析出物を含有し、かつこの粒状析出物の大きさが最大15μm 未満と微粒子化された、本発明のFe−Ni系合金またはFe−Ni−Co系合金からシールキャップ30によって封止されている。
【0049】
また図6は、本発明の一実施形態の水晶振動子用シールキャップ部品を用いたハーメチックシール(水晶振動子)31の一例を示す断面図である。このハーメチックシール31においては、スプリング32を備えた水晶33がベース34とシールキャップ35とにより構成されたケーシング内に配置されており、合金材料等からなるリード部36が水晶33に接続されている。リード部36はベース34の貫通部においてガラスシールされている。そして、上記シールキャップ35は、上述した半導体パッケージ用のシールキャップ30と同様に、本発明の Fe−Ni系合金またはFe−Ni−Co系合金からなるものである。
【0050】
上述した半導体パッケージ用のシールキャップ30、および水晶振動子用のシールキャップ35は、プレス加工や曲げ加工等を施しても、角部等に粒状析出物が突出するようなことがないため、メッキ付着性等を低下させることがない。また耐熱性に優れていることから、シールキャップ30、35を接合する際に高温熱処理を経ても、熱変形等を生じるおそれがない。
【0051】
【実施例】
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0052】
まず、本発明のFe−Ni系合金およびFe−Ni−Co系合金を用いて作製した陰極線管の実施例について述べる。
【0053】
実施例1
表2に示す組成を有する各Fe−Ni系合金成分を、それぞれ溶解してインゴットを鋳造した後、それぞれの均熱処理場件にて熱処理を行った。その後、鍛造および熱間圧延を行い、冷間加工および中間熱処理を繰り返し、それぞれ厚さ 0.5mmのFe−Ni系合金板を得た。
【0054】
これら各電極用Fe−Ni系合金板を用いて、図1に示した電極部品1形状にプレス加工で成形した後、これらに化学研磨を施してプレス加工時のバリを除去し、それぞれ第1および第2グリッドG1 、G2 を作製した。化学研磨後の表面に存在する粒状析出物(NbC) の最大大きさおよび大きさ15μm 以上の個数を表2に示す。
【0055】
また、本発明との比較例1として、均熱処理を施していないFe−Ni系合金板材を用いて、同様にして第1および第2グリッドG1 、G2 を作製した。
【0056】
このようにして得た各第1および第2グリッドG1 、G2 を用いて、図3に示した電子銃をそれぞれ作製し、これらをカラーブラウン管に組込んで耐電圧特性を評価した。耐電圧特性は、第1グリッドストレイエミッション(G1 S.E.)発生電圧を測定して評価した。その結果を表2に併せて示す。
【0057】
なお、第1グリッドストレイエミッションとは、第1グリッドG1 とカソードKには電圧を供給せず、それら以外の電極にカラーブラウン管動作時とほぼ同じ電圧を供給した状態で、第2グリッドG2 への印加電圧を強制的に上げていくと、第1グリッドG1 表面等にゴミ、異物等が存在している場合にそれらから放出される余計なエミッションのことである。その時の第2グリッドG2 に印加した電圧を第1グリッドストレイエミッション発生電圧と呼んでいる。規定電圧未満でストレイエミッションが発生するものを、第1グリッドストレイエミッション不良と呼んでおり、その電圧はおおよそ 1000Vである。カラーブラウン管の耐電圧特性は、ストレイエミッション発生電圧が高いほど良好といえる。
【0058】
【表2】
表2から明らかなように、実施例1による各Fe−Ni系合金板からなる電極を用いた電子銃は、いずれも電極表面に15μm以上のNbC粒状析出物が存在していないため、第1グリッドストレイエミッション発生電圧が大きく向上していることが分かる。従って、このような陰極線管用電子銃を用いることによって、耐電圧特性に優れたカラーブラウン管等を提供することが可能となる。
【0059】
また、図7にFe−Ni系合金中のS量とプレス打抜き時のバリ高さとの関係を示す。同図からSは0.002質量%以上添加することが効果的であることが分かる。さらに、図8にFe−Ni系合金中のS量と電子銃の寿命試験終了後のエミッション残存率との関係を示す。このエミッション残存率は大きい方がよい。図8から、S含有量が0.013質量%を超えたあたりからエミッション残存率が急激に低下していることが分かる。従って、Fe−Ni系合金を陰極線管用電子銃の電極部品として用いる場合には、S含有量は0.013質量%以下とすることが好ましい。なお、Fe−Ni−Co系合金についても同様であった。
【0060】
実施例2
表3に示す組成を有する各Fe−Ni−Co系合金成分を、それぞれ溶解してインゴットを鋳造した後、それぞれの均熱処理条件にて熱処理を行った。その後、鍛造および熱間圧延を行い、冷間加工および中間熱処理を繰り返し、それぞれ厚さ 0.5mmのFe−Ni−Co系合金板を得た。
【0061】
これら各電極用Fe−Ni−Co系合金板を用いて、図1に示した電極部品1形状にプレス加工で成形した後、これらに化学研磨を施してプレス加工時のバリを除去し、それぞれ第1および第2グリッドG1 、G2 を作製した。化学研磨後の表面に存在する粒状析出物(NbC) の最大大きさおよび大きさ15μm 以上の個数を表3に示す。
【0062】
また、本発明との比較例2として、均熱処理を施していないFe−Ni−Co系合金板を用いて、同様にして第1および第2グリッドG1 、G2 を作製した。
このようにして得た各第1および第2グリッドG1 、G2 を用いて、図3に示した電子銃をそれぞれ作製し、これらをカラーブラウン管に組込んで耐電圧特性を評価した。耐電圧特性は実施例1と同様に、第1グリッドストレイエミッション(G1 S.E.)発生電圧を測定して評価した。その結果を表3に併せて示す。
【0063】
【表3】
表3から明らかなように、実施例2による各Fe−Ni−Co系合金板からなる電極を用いた電子銃は、いずれも電極表面に15μm以上のNbC粒状析出物が存在していないため、第1グリッドストレイエミッション発生電圧が大きく向上していることが分かる。従って、このような陰極線管用電子銃を用いることによって、耐電圧特性に優れたカラーブラウン管等を提供することが可能となる。
【0064】
次に、本発明のFe−Ni系合金およびFe−Ni−Co系合金を用いた作製したリードフレーム、リード線の実施例について述べる。
【0065】
実施例3、4
まず、表4および表5に示すように、上記した実施例1と同様なFe−Ni系合金(実施例3)、および実施例2と同様なFe−Ni−Co系合金(実施例4)を用いて、図4に示したリードフレーム12をそれぞれ作製した。これらリードフレーム12は、いずれも実施例1および実施例2と同一条件で均熱処理を施した板材を、リードフレーム形状にプレス加工で打抜いて作製した。これら以外の製造条件も、最終線径を 0.4mmとする以外は実施例1および実施例2と同様とした。
【0066】
また、本発明との比較例として、均熱処理を施していないFe−Ni系合金板およびFe−Ni−Co系合金板を用いて、それぞれ同様にしてリードフレームを作製した。
【0067】
このようにして得た各リードフレーム表面に存在する粒状析出物(NbC)の最大大きさ、15μm 以上の粒子の個数およびメッキテストの結果を表4および表5に示す。
【0068】
【表4】
【表5】
表4および表5から明らかなように、実施例3および実施例4による各リードフレームは、メッキ不良が発生することがなかった。
【0069】
実施例5、6
表6および表7に示すように、上記した実施例1と同様なFe−Ni系合金(実施例5)、および実施例2と同様なFe−Ni−Co系合金(実施例6)を用いて、直径 0.4mmのリード線を作製した。
【0070】
また、本発明との比較例として、均熱処理を施していないFe−Ni系合金材およびFe−Ni−Co系合金材を用いて、それぞれ同様にしてリード線を作製した。
【0071】
このようにして得た各リード線の断面に存在する粒状析出物(NbC)の最大大きさ、15μm 以上の粒子の個数およびメッキテストの結果を表6および表7に示す。
【0072】
【表6】
【表7】
表6および表7から明らかなように、実施例5および実施例6による各リードフレームは、メッキ不良が発生することがなかった。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のFe−Ni系合金およびFe−Ni−Co系合金によれば、良好なプレス打抜き性、プレス加工性、耐熱性等を得た上で、化学研磨後や曲げ加工後の粒状析出物の突出を防止することができる。従って、このようなFe−Ni系合金やFe−Ni−Co系合金を電極材料として用いた本発明の陰極線管用電子銃によれば、スパーク放電の発生を抑制することができ、カラーブラウン管等の耐電圧特性の向上に大きく寄与する。また、本発明のリードフレーム、リード線、シールキャップ部品によれば、耐熱性等を維持した上でメッキ付着性や折曲げ回数の低下等を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による陰極線管用電子銃の電極部品を示す図であって、(a)はその平面図、(b)はそのA−A′線に沿った断面図である。
【図2】 図1に示す電極部品の化学研磨後の電子ビーム通過孔周辺を拡大して示す断面図である。
【図3】 本発明の一実施形態による陰極線管用電子銃を模式的に示す図である。
【図4】 本発明の一実施形態によるリードフレームを示す平面図である。
【図5】 本発明の一実施形態によるシールキャップ部品を使用した半導体パッケージの一例を模式的に示す断面図である。
【図6】 本発明の一実施形態によるシールキャップ部品を使用した水晶振動子の一例を模式的に示す断面図である。
【図7】 Fe−Ni系合金中のS量とプレス打抜き時のバリ高さとの関係を示す図である。
【図8】 Fe−Ni系合金中のS量と電子銃の寿命試験終了後のエミッション残存率との関係を示す図である。
【符号の説明】
1………電極部品
2a、2b、2c……電子ビーム通過孔
11……陰極線管用電子銃
12……リードフレーム
30……半導体パッケージ用シールキャップ
35……水晶振動子用シールキャップ
Claims (9)
- Niを25〜55質量%、Cを0.001〜0.3質量%、4A族元素および5A族元素から選ばれる少なくとも1種を0.01〜6質量%含み、残部がFeからなるFe−Ni系合金であって、
前記4A族元素および5A族元素から選ばれる少なくとも1種の元素の炭化物を含む粒状析出物を含有すると共に、前記粒状析出物の大きさが最大15μm未満であることを特徴とするFe−Ni系合金。 - 請求項1記載のFe−Ni系合金において、
さらに、Sを0.002〜0.05質量%含むことを特徴とするFe−Ni系合金。 - Niを28〜32質量%、Coを15〜18.5質量%、Cを0.001〜0.3質量%、4A族元素および5A族元素から選ばれる少なくとも1種を0.01〜6質量%含み、残部がFeからなるFe−Ni−Co系合金であって、
前記4A族元素および5A族元素から選ばれる少なくとも1種の元素の炭化物を含む粒状析出物を含有すると共に、前記粒状析出物の大きさが最大15μm未満であることを特徴とするFe−Ni−Co系合金。 - 請求項3記載のFe−Ni−Co系合金において、
さらに、Sを0.002〜0.05質量%含むことを特徴とするFe−Ni−Co系合金。 - 電子ビームを放出する陰極部と、前記電子ビームの通過孔を有し、前記電子ビームの制御を行う複数の電極とを具備する陰極線管用電子銃において、
前記複数の電極の少なくとも一部は、請求項1または請求項2記載のFe−Ni系合金、もしくは請求項3または請求項4記載のFe−Ni−Co系合金からなることを特徴とする陰極線管用電子銃。 - 請求項1または請求項2記載のFe−Ni系合金、もしくは請求項3または請求項4記載のFe−Ni−Co系合金からなることを特徴とするリードフレーム。
- 請求項1または請求項2記載のFe−Ni系合金、もしくは請求項3または請求項4記載のFe−Ni−Co系合金からなることを特徴とするリード線。
- 請求項1または請求項2記載のFe−Ni系合金、もしくは請求項3または請求項4記載のFe−Ni−Co系合金からなることを特徴とする半導体パッケージ用のシールキャップ部品。
- 請求項1または請求項2記載のFe−Ni系合金、もしくは請求項3または請求項4記載のFe−Ni−Co系合金からなることを特徴とする水晶振動子用のシールキャップ部品。
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