JP3356993B2 - 打抜き加工性に優れるFe−Ni系リードフレーム用合金およびFe−Ni系プレス打抜き品 - Google Patents

打抜き加工性に優れるFe−Ni系リードフレーム用合金およびFe−Ni系プレス打抜き品

Info

Publication number
JP3356993B2
JP3356993B2 JP18749698A JP18749698A JP3356993B2 JP 3356993 B2 JP3356993 B2 JP 3356993B2 JP 18749698 A JP18749698 A JP 18749698A JP 18749698 A JP18749698 A JP 18749698A JP 3356993 B2 JP3356993 B2 JP 3356993B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fracture surface
lead frame
alloy
mns
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP18749698A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000017400A (ja
Inventor
昆 王
純 渡辺
康英 黒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Yakin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nippon Yakin Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=16207089&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3356993(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Nippon Yakin Kogyo Co Ltd filed Critical Nippon Yakin Kogyo Co Ltd
Priority to JP18749698A priority Critical patent/JP3356993B2/ja
Publication of JP2000017400A publication Critical patent/JP2000017400A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3356993B2 publication Critical patent/JP3356993B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Punching Or Piercing (AREA)
  • Lead Frames For Integrated Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、良好な打抜き特性
を有するFe−Ni系リードフレーム用合金と、この合
金から製造されたFe−Ni系プレス打抜き品に係り、
打抜き時の剪断特性を改善するよう介在物の大きさ制御
することにより、良好な打抜き特性を得る技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、フラットパッケージに代表される
ようにリードフレームの多ピン化が進んでおり、微細化
加工における要求水準がますます高まっている。一般
に、リードフレーム用材料には、リードパターンが打抜
き加工で形成される打抜き用途と、リードパターンが塩
化第二鉄溶液によるエッチングで形成されるエッチング
用途に分けられ、後者のほうがより微細なリードパター
ンの形成に向いている。一般的に、リードフレーム用材
料に要求される特性としては、打抜き特性に優れるこ
と、プレス加工時における加工性に優れること、良
好なはんだ性、メッキ性を有し半導体素子とのボンディ
ング時に支障がないこと、加工後の強度が高く変形し
にくいこと、電気伝導性が高く、実作動温度である2
00℃以下での熱膨張係数が低いことなどがあげられ
る。打抜きリードフレームを用いたIC半導体パッケー
ジの製造工程は、大まかには以下のように分けることが
できる。
【0003】(1)素材(リードフレーム材)の打抜き
加工 (2)リードフレームを樹脂モールドにマウントするマ
ウント工程 (3)リードフレームと半導体素子を導線で接続するた
めのボンディング工程
【0004】ここで、工程1では打抜き性が、工程2で
はプレス成形性が要求され、工程3ではメッキ性、はん
だ性がそれぞれ要求される。加工後の強度が必要なのは
ボンディング時に反りや曲がりなどの変形が起きにくい
ことが必要なためと、取り扱い時の変形による不良発生
で歩留まり低下を防ぐためである。また電気伝導性は、
リードに流れる電流による発熱を左右し、半導体素子の
動作の安定性に影響する。リードフレーム用材料には、
加熱による組立工程中の熱膨脹差による歪みに起因する
半導体素子の特性変動や、モールドレジンとの密着性の
劣化を防止するために、半導体素子またはモールドレジ
ンとの熱膨張係数が近いことが必要とされている。その
ような要求を満たす従来より代表的な金属材料として、
Fe−42Ni合金、Fe−45Ni合金、Fe−50
Ni合金等の材料が用いられている。
【0005】熱伝導の点では、銅合金がFe−Ni合金
に比べてより有利であるが、最近では半導体素子の安定
性向上、放熱性の改善、リードの形状改善(薄肉化)に
よる実効比抵抗の減少などの個々の改善がなされている
ため、Fe−Ni合金の熱伝導特性は技術的なネックに
はなっていない。一方、打抜き性については、この工程
において品質のばらつきが製品の歩留まりに大きく影響
し、また、今後の高精細化、多ピン化の動向と併せて重
要な工程と考えられることから、従来から壮んに検討さ
れている。これまでの打抜き性改善の試みとしては、例
えば特開昭61−44156に見られるように、圧延方
向平行断面の介在物の大きさを5μm以下とし、A系、
B系介在物の総数を1mmあたり20個以上としたも
のや、特開昭60−255953に見られるように、粒
径3μm以下の微細非金属介在物を組織内に均一分散さ
せたものがある。さらに、特開平9−87808、24
9943に見られるように、圧延および板圧方向に平行
な断面積1mmあたりの10μm以上の大きさのA系
介在物またはB系介在物を10〜1000個、5μm以
下のC系介在物を100〜50000個に制限し、エッ
チング後の硫化物系介在物痕の個数を1000〜200
0個としているなど、打抜き性改善に介在物を積極的に
利用している例が多く見られる。また特開昭63−24
010に見られるように炉外精練温度を1700℃以下
で行うことにより、打抜き性に対して有害な10μmを
越える大きさのMgO−Alなどのスピネル系酸
化物の介在物の生成を抑制する技術も提案されている。
これらのことから打抜き性に対して介在物の制御がいか
に重要かが判る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】リードフレーム材で
は、プレス打抜きの際に生じるバリやカスにより製品の
性能を劣化させるだけでなく、金型に疵を付けたり残留
応力により反りや曲がりが生じてハンドリングに不具合
が起こる。このため、半導体の製造工程において安定し
た製造に支障を来したり歩留りの低下をもたらし、重大
なトラブルの原因となることもある。特に、大きな介在
物の存在は、破面における剪断面と破断面の境界を大き
く乱し、リードフレーム材の打抜き性にとって致命的と
なる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者の検討によれ
ば、マトリクス中に5〜10μmの介在物が存在してい
ると、剪断面と破断面の境界の直線性(以下、破断面の
均一性と称する)に大きな乱れが生じることが判明して
いる。図1および図2は打ち抜いた破面のSEM写真で
あり、5〜10μmの介在物が存在している部分では、
剪断面から介在物が引きずられて破断面に達しているこ
とが判る。そして、この部分では大きなバリが発生する
とともに、残留応力が不均一で加工後の経時変形が生じ
やすいことも確認されている。
【0008】また、図1及び図2から観察される破断面
は多数のディンプルからなっているが、個々のディンプ
ルを詳細に観察すると、中に微細なMnSが残っている
ことが判明した。このことから、MnSは破断の起点に
なっているものと推定され、微細なMnSを分散させる
ことにより、破断面の均一性が確保されるとの推論に達
した。
【0009】本発明の第1のFe−Ni系リードフレー
ム用合金は、上記推論に基づいてMnSの打抜き性に及
ぼす影響を定量的に解析してなされたもので、Niを3
0〜50重量%含有したFe−Ni系リードフレーム用
合金において、粒径が3μm以下のMnSを1000〜
60000個/mmの割合で分散させたことを特徴と
している。上記数値限定の根拠は以下のとおりである。
【0010】まず、MnSの粒径が3μmを上回ると、
上述のように破断面の均一性を悪化させる。また、Mn
Sが破断の起点に確実になるためには、MnSの粒径は
0.2μm以上であることが望ましい。破断面の均一性
を確実に確保するために、MnSの粒径は2μm以下が
好ましく、1μm以下であればさらに好適である。ま
た、MnSの個数は、1000個/mm未満であると
破断の起点が少ないために破断面の均一性に寄与しなく
なる。MnSの個数は、2000個/mm以上である
ことが好ましく、5000個/mm2以上であればより
好適であり、10000個/mm以上であればさらに
好適である。一方、MnSの個数が60000個/mm
を上回ると、熱間加工性と靭性を著しく劣化させ、メ
ッキ性も損なわれる。MnSの個数は、50000個/
mm以下が好ましく、40000個/mm2以下であ
ればより好ましく、30000個/mm以下であれば
さらに好適である。
【0011】特公幣−43980号では、介在物の個数
及び大きさと合金の清浄度には相関関係があることを提
示している。本発明者の検討によっても、清浄度が大き
い(悪い)程、大きな介在物が多く生成されることが確
認されている。一方、清浄度が小さい(良い)と、図3
に示すように破断面の割合が少なすぎてバリが生じるこ
とも確認されている。本発明者は、清浄度と微細なMn
Sの生成との関係についてさらに検討を行った結果、以
下のような知見を得るに至った。すなわち、微細なMn
Sを生成させるためには、ある程度の量の微細な酸化物
系介在物の存在が必要である。この理由は定かではない
が、微細な酸化物系介在物をコアとしてMnSが析出す
るか、あるいは、酸化物系介在物の一部としてMnSが
析出するためと推測される。
【0012】本発明の第2のFe−Ni系リードフレー
ム用合金は、上記知見に基づいて清浄度を定量的に解析
してなされたもので、Niを30〜50重量%含有した
Fe−Ni系リードフレーム用合金において、Mn:
0.1〜1.5重量%、S:1〜500ppmを含有
し、さらに、JIS0555に規定する清浄度が0.0
06〜0.03であることを特徴としている。上記数値
限定の根拠は以下のとおりである。
【0013】まず、清浄度が0.006未満であると、
破断面の均一性は確保されるものの、破断面の割合が少
なすぎてバリが発生するようになる。また、清浄度が
0.03を上回ると、大きな介在物の存在により破断面
の均一性が低下し、部分的なバリの発生や残留応力の不
均一が生じる。清浄度は0.007以上が好ましく、
0.008以上であればより好適である。また、清浄度
は、0.025以下が好ましく、0.02以下であれば
より好ましく、0.08〜0.017以下であればさら
に好適である。
【0014】また、Mnは脱酸成分の一つであるが、熱
間加工性に有害なSと結合してMnSを形成することか
ら、熱間加工性の改善に有効である。また、Siと同様
に、Mn酸化物は組織中に不均一核生成により発生する
MnS等の硫化物の析出起点となるため、適当な量の添
加が望ましい。一方、Mnの添加量が多すぎると熱膨張
係数が高くなり、半導体素子との熱膨張係数との差が大
きくなって基盤材として不適当になる。以上の観点から
Mnの含有量は0.1〜1.5重量%とした。Mnの含
有量は0.2〜1.0重量%が好適である。
【0015】次に、Sは熱間加工性に対して有害な成分
であるが、打抜き性に対して有用なMnS等の硫化物を
生成するのに必要な成分であるため、適量の添加が必要
である。このような観点から、Sの含有量は1〜500
ppmとした。Sの含有量は5〜200ppmが好まし
く、7〜100ppmがより好ましく、10〜100p
pmであればさらに好適である。
【0016】本発明の第3のFe−Ni系リードフレー
ム用合金は、上記した第1、第2の発明の特徴を兼ね備
えたものであり、Niを30〜50重量%含有したFe
−Ni系リードフレーム用合金において、粒径が5μm
以下のMnSを1000〜20000個/mmの割合
で分散させるとともに、JIS0555に規定する清浄
度が0.006〜0.03であることを特徴としてい
る。そして、このようなFe−Ni系リードフレーム用
合金においても、破断面の均一性を向上させることがで
き、これにより、バリの発生を抑制するとともに内部応
力の均一性を向上させることができる。
【0017】なお、上記Fe−Ni系リードフレーム用
合金においても、清浄度は0.007〜0.025が好
ましく、より好ましくは0.008〜0.02、さらに
好ましい範囲は0.08〜0.017である。また、M
nSの粒径は0.05〜3μmが望ましい。さらに、M
nSの個数は、1500〜15000個/mmである
ことが望ましく、2000〜10000個/mmであ
ればさらに好適である。
【0018】次に、本発明の好適な成分組成について説
明する。本発明のFe−Ni系リードフレーム用合金の
好ましい成分組成は、重量%で、C:0.003〜0.
02%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.1〜
1.5%、Ni:30〜50%、S:0.0005〜
0.02%、N:0.001〜0.02%、残部:Fe
および不可避的不純物からなる。以下、上記数値限定の
根拠を説明する。なお、以下の説明で「%」は「重量
%」を意味する。
【0019】C:Cは、固溶強化および加工硬化による
材質強化に寄与する元素であるため、0.003%以上
の添加を必要とする。一方、C含有量が多すぎると、電
気抵抗の増大を招いて導電性を悪化させるとともに、炭
化物が多く析出して熱間加工性、靭性(繰り返し曲げ性
等)および打抜き性を劣化させ、さらに、Fe−Ni系
合金本来の低熱膨張特性をも損なうことになる。そのた
め、Cは、0.003〜0.02wt%に規定した。以
上の理由から、Cの含有量は0.003〜0.02%と
した。
【0020】Si:Siは、脱酸剤として添加される
が、その含有量が多すぎるとCと同様に低熱膨張特性を
損ない、打抜き性を低下させる。一方、Siの酸化物は
組織中に不均一核生成により発生するMnS等の硫化物
の析出起点となるため、適当な量の添加が望ましい。こ
のような観点から、Siの含有量は0.05〜1.0%
とした。
【0021】N:Nも熱間加工性に対して有害な成分で
あるが、Cと同様に固溶強化および加工硬化による材質
強化に寄与する元素であるため、適量の添加が必要であ
る。このような観点から、Nの含有量は0.001〜
0.02%とした。
【0022】Ni:Niは、30%未満であると焼鈍状
態でもマルテンサイトが形成され、磁気特性、熱膨張、
強度、その他の物理的特性が損なわれるので30wt%
以上の添加が必要である。しかしながら、Niを50w
t%を超えて含有させると電気抵抗や飽和磁束密度が減
少し、熱膨張係数を増大させる、その上、コスト的にも
不利になるので、上限は50wt%とした。このような
観点から、Niの含有量は30〜50%とした。
【0023】また、Ti、Zr、MgおよびCaのうち
少なくとも1種以上を総量で0.0001〜0.01重
量%含有することが望ましい。これらはいずれも凝固時
にMnSが析出する核サイトとなる酸化物を形成する元
素であり、MnSの形態を球状にし、微細に分散させる
ために必要な元素である。これら元素の総量は、0.0
001重量%未満では上記した効果が期待できず、ま
た、0.01重量%を上回ると、熱膨張係数が大きくな
るとともにメッキ性を阻害する。
【0024】次に、本発明者は、打ち抜いた破面におけ
る破断面の均一性を以下の方法で定量的に解析した。ま
ず、プレスで打ち抜いた破面を光学顕微鏡で観察し、5
μm間隔で破断面高さを50点測定して破断面高さh
の平均値sを求めた。そして、hおよびsを式1に代
入して標準偏差を算出した。
【数2】
【0025】本発明者の検討によれば、破断面高さの標
準偏差が15以下であると、打抜き後の材料の変形は殆
ど生じないことが判明した。また、平均値sを板厚で除
算して破断面の割合を算出したところ、破断面割合が1
0%を下回ると残留応力が高く打抜き後の経時変形が生
じ易いことが判明した。また、破断面割合が60%を上
回ると、材料が脆化することが判明した。この材料の脆
化の原因の一つに、破断面に形成されたディンプルのノ
ッチ効果があると考えられる。本発明のFe−Ni系プ
レス打抜き品は、このような知見に基づいてなされたも
ので、上記のようなFe−Ni系リードフレーム用合金
から製造されたプレス打抜き品であって、打ち抜いた破
面を光学顕微鏡で観察して5μm間隔で破断面幅を50
点測定して得た標準偏差が15以下であり、かつ、打ち
抜いた破面における破断面の割合が10〜60%である
ことを特徴としている。
【0026】この場合において、上記標準偏差は、10
以下であることが好ましく、5以下であればさらに好適
である。また、破断面割合は、15%以上が好ましく、
20%以上であればさらに好適である。また、破断面割
合は、50%以下が好ましい。そして、このようなFe
−Ni系プレス打抜き品から高品質なリードフレームを
製造することができ、そのようなリードフレームも本発
明の特徴の一つである。
【0027】
【実施例】以下、具体的な実施例により本発明をより詳
細に説明する。Fe−42%Niを主成分とするFe−
Ni系合金を、真空溶解炉にて鋼塊に溶製した。その
際、酸化物系介在物とMnSの形態および大きさ並びに
個数を変化させるために、溶製条件、造塊条件及び脱酸
剤の添加時期、添加量を適宜選定した。その後、各鋼塊
に対して鍛造を行い、通常の熱間圧延、冷間圧延及び焼
鈍を行って板厚0.15mmの冷延板を得た。この冷延
板の表面をSPEED法でエッチングしてマトリクスを選択
的に除去した。その面をSEM(7000倍、17μm
×11μmの範囲)で10視野観察し、1視野内のMn
Sの個数を計数してその平均を1mm当たりの個数に
換算した。図9は、そのSEM写真の例であり、(a)
では7個、(b)では2個確認されている。また、JI
S0555に基づいて各冷延板の清浄度を測定した。M
nSの個数と清浄度を図10に示すとともに、各冷延板
の成分組成とともに表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】次に、各冷延板について以下の方法で打抜
き試験を行った。まず、10トンプレスを230spm
の条件で使用し、冷延板を12mm角の正方形に打ち抜
いた。その際の破面を光学顕微鏡で観察し、破断面比率
と破断面の均一性を求めた。破断面比率(%)は、破面
に対して5μm間隔で破断面高さhを50点測定し、
その平均値sを板厚で除算して算出した。また、破断面
の均一性は、破断面高さhとその平均値sを前記数1
に代入して標準偏差を算出し、その値で評価した。
【0030】清浄度が0.006未満でMnSの個数が
1000個/mm未満の合金C(図3参照)では、破
断面割合がわずか8%で大きなバリが発生していた。一
方、清浄度が0.03を上回る合金Dでは、図4に示す
ように不均一な破断面となった。合金Dの破断面の均一
性を示す標準偏差は20であり、部分的に大きなバリが
発生した。また、清浄度が0.03を上回る合金Eで
も、図5に示すように破断面割合が44%で大きいが不
均一な破断面となり、標準偏差は19で部分的に大きな
バリが発生した。なお、図1及び図2は、それぞれ表1
における合金A及びBである。これに対して、本発明例
の合金F〜Hでは、図6〜8に示すように破断面の均一
性は非常に良好であり、標準偏差も全て10以下でバリ
は発生していなかった。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、破断面の
均一性を向上させることができるので、リードフレーム
材の打抜き工程でのバリ発生による材料不具合や、ハン
ドリングによる不具合がなくなるとともに、金型の寿命
を大幅に向上することが期待でき、近年のICパッケー
ジ用リードフレーム材の高精細化、高信頼性化および生
産効率の向上に対して優れた部品を供給することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 比較合金Aの破面のSEM写真である。
【図2】 比較合金Bの破面のSEM写真である。
【図3】 比較合金Cの破面の光学顕微鏡写真である。
【図4】 比較合金Dの破面の光学顕微鏡写真である。
【図5】 比較合金Eの破面の光学顕微鏡写真である。
【図6】 本発明合金Fの破面の光学顕微鏡写真であ
る。
【図7】 本発明合金Gの破面の光学顕微鏡写真であ
る。
【図8】 本発明合金Hの破面の光学顕微鏡写真であ
る。
【図9】 本発明合金IのSEM写真である。
【図10】 実施例における清浄度とMnSの個数との
関係を示す線図であり、線で囲んだ矩形の範囲が本発明
の範囲である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒田 康英 神奈川県川崎市川崎区小島町4番2号 日本冶金工業株式会社 研究開発本部 技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−255953(JP,A) 特開 平9−249943(JP,A) 特開 平9−118963(JP,A) 特開 平9−235656(JP,A) 特開2000−17399(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.003〜0.02
    %、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.1〜1.5
    %、Ni:30〜50%、S:0.0005〜0.02
    %、N:0.001〜0.02%、残部Feからなり、
    粒径0.2〜3μmのMnSを1000〜60000個
    /mmの割合で分散させ、JIS0555に規定する
    清浄度が0.006〜0.03のFe−Ni系リードフ
    レーム用合金から製造されるプレス打抜きリードフレー
    ムにおいて、打ち抜いた破面を光学顕微鏡で観察し、5
    μm間隔で破断面高さを50点測定して、破断面高さh
    の平均値sを求め、h およびsを式1に代入して算
    出される標準偏差が15以下であり、かつ、打ち抜いた
    破面における破断面の割合が10〜60%であることを
    特徴とするリードフレーム。 【数1】
JP18749698A 1998-07-02 1998-07-02 打抜き加工性に優れるFe−Ni系リードフレーム用合金およびFe−Ni系プレス打抜き品 Expired - Fee Related JP3356993B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18749698A JP3356993B2 (ja) 1998-07-02 1998-07-02 打抜き加工性に優れるFe−Ni系リードフレーム用合金およびFe−Ni系プレス打抜き品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18749698A JP3356993B2 (ja) 1998-07-02 1998-07-02 打抜き加工性に優れるFe−Ni系リードフレーム用合金およびFe−Ni系プレス打抜き品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000017400A JP2000017400A (ja) 2000-01-18
JP3356993B2 true JP3356993B2 (ja) 2002-12-16

Family

ID=16207089

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18749698A Expired - Fee Related JP3356993B2 (ja) 1998-07-02 1998-07-02 打抜き加工性に優れるFe−Ni系リードフレーム用合金およびFe−Ni系プレス打抜き品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3356993B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3881493B2 (ja) * 2000-04-19 2007-02-14 日鉱金属株式会社 エッチング穿孔性に優れたFe−Ni系合金シャドウマスク用素材およびその製造方法
JP3422773B2 (ja) * 2000-04-21 2003-06-30 日本冶金工業株式会社 Fe−Ni合金の精錬方法
JP5135535B2 (ja) * 2007-05-11 2013-02-06 新日鐵住金株式会社 耐水素割れ特性の簡易評価方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000017400A (ja) 2000-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5312920B2 (ja) 電子材料用銅合金板又は条
US8715431B2 (en) Copper alloy plate for electric and electronic parts having bending workability
TWI387657B (zh) Cu-Ni-Si-Co based copper alloy for electronic materials and method of manufacturing the same
JP5225787B2 (ja) 電子材料用Cu−Ni−Si系合金板又は条
JP3962751B2 (ja) 曲げ加工性を備えた電気電子部品用銅合金板
JP5140045B2 (ja) 電子材料用Cu−Ni−Si系合金板又は条
TWI429768B (zh) Cu-Co-Si based copper alloy for electronic materials and method for producing the same
JP4168077B2 (ja) 酸化膜密着性に優れた電気電子部品用銅合金板
CN103443309B (zh) 铜合金板材及其制造方法
EP1862560A1 (en) Copper alloy and method for production thereof
JP2000119779A (ja) エッチング加工性に優れたリードフレーム用銅合金とその製造方法
JP4459067B2 (ja) 高強度高導電性銅合金
JP5291494B2 (ja) 高強度高耐熱性銅合金板
JP4177221B2 (ja) 電子機器用銅合金
JP3356993B2 (ja) 打抜き加工性に優れるFe−Ni系リードフレーム用合金およびFe−Ni系プレス打抜き品
JP2019157153A (ja) Cu−Ni−Si系銅合金
JP3344700B2 (ja) プレス打ち抜き加工時の熱処理性に優れる高強度、高導電性リードフレーム用銅合金板
JP3374037B2 (ja) 半導体リードフレーム用銅合金
JP3356992B2 (ja) 打抜き加工性に優れるFe−Ni系リードフレーム用材料およびFe−Ni系プレス打抜き品ならびにFe−Ni系材料の打抜き方法
JP2011246740A (ja) 電子材料用Cu−Co−Si系合金板又は条
JP2007100136A (ja) 均一めっき性に優れたリードフレーム用銅合金
JP5748945B2 (ja) 銅合金材の製造方法とそれにより得られる銅合金材
JP3450711B2 (ja) 打抜き特性に優れるFe−Ni系リードフレーム用合金
JPH0978162A (ja) 電子機器用銅合金およびその製造方法
JP3299227B2 (ja) エッチング加工性に優れたFe−Ni系リードフレーム用材料

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071004

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081004

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091004

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101004

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111004

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121004

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121004

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131004

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees