JP2002258039A - 散乱偏光部材、光制御方法並びに面光源装置 - Google Patents

散乱偏光部材、光制御方法並びに面光源装置

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JP2002258039A
JP2002258039A JP2001052145A JP2001052145A JP2002258039A JP 2002258039 A JP2002258039 A JP 2002258039A JP 2001052145 A JP2001052145 A JP 2001052145A JP 2001052145 A JP2001052145 A JP 2001052145A JP 2002258039 A JP2002258039 A JP 2002258039A
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Yasuhiro Koike
康博 小池
Akihiro Takaya
明広 多加谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏光成分に対して選択的に透過と散乱の答性
を示す散乱偏光部材とそれを用いた光の制御。 【解決手段】 散乱偏光部材のマトリックス用のポリマ
ーを揮発性の溶媒に溶かし、アラゴナイト系炭酸カルシ
ウムのような棒状微粒子を添加する。均一に撹拌した
後、基板上に展開し、溶媒を蒸発させる。残ったフィル
ムをガラス転移温度以上で一方向に延伸し、内部の棒状
微粒子を延伸方向に沿って配向させる。ポリマーには、
棒状微粒子との界面において偏光成分に応じた屈折率の
整合性と不整合性が併存するような屈折率を持つものを
選択する。多数の棒状微粒子の配向により、それら微粒
子の複屈折性の方向性に関する配向も実現する。界面で
は偏光成分に応じて透過光と散乱光が生じる。配向は延
伸以外の方法でも実現可能である。散乱偏光部材はバル
ク状の形態とすることも出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、一般の光学分野
向けの散乱偏光部材、同部材を用いて光を制御方法、並
びにそれらを適用した面光源装置に関する。更に詳しく
言えば、本願発明は、入力光に含まれる特定の偏光成分
を実質的な散乱なしに透過光として取り出すとともに、
他の成分については散乱光に変換することが出来る散乱
偏光部材、並びに、同部材を用いて特定の偏光成分の光
を透過させ、他の偏光成分の光を散乱させる態様で光の
制御を行う方法、及びその面光源装置への応用に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば自然光のように、種々の偏光成分
を含む光から特定の偏光成分を抽出して取り出すこと
は、従来よりいわゆる偏光板や偏光分離板などの光学部
材を用いて行なわれている。これらの光学部材を利用す
れば、特定の偏光成分の光を透過光として取り出すこと
が出来る。他の偏光成分については、吸収あるいは反射
される。
【0003】ここで反射は正反射であり、散乱光への変
換は行なわれない。もちろん、例えば偏光板の光入力面
を粗面化すれば散乱光が得られるが、本来透過すべき偏
光成分の光の一部も散乱されてしまう。即ち、入力光中
の特定の偏光成分の光を透過光させ、残りを散乱光に変
換するという本質的な選択応答性を示す光学部材は、知
られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本願発明の1
つの目的は、入力光中の特定の偏光成分の光を透過さ
せ、残りの成分は散乱する態様で本質的な選択応答性を
示す新規な光学部材を提供することにある。このような
光学部材を散乱偏光部材と呼ぶことにする。
【0005】また、本願発明のもう1つの目的は、同散
乱偏光部材を用いて、入力光が偏光成分に応じて透過光
と散乱光に変換されるように制御する方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明は、複屈折性を
有する微粒子をその複屈折性に関して特定方向に配向し
た状態で透光性のマトリックス中に分散させた材料を利
用して上記課題を解決する。ここで、微粒子とマトリッ
クスの材料には、前者の屈折率(複数)と後者の屈折率
(1個または複数)との間に、偏光成分に応じた屈折率
の整合性と不整合性が併存するようなものが選択され
る。
【0007】即ち、本願発明に従った散乱偏光部材は、
透光性のマトリックスと、複屈折性を有する多数の微粒
子とを含む光学材料から構成された領域を持ち、微粒子
は、同微粒子の複屈折性に関して特定方向に配向した状
態で分散しており、マトリックスとの界面において、偏
光成分に応じた屈折率の整合性と不整合性が併存してい
る。
【0008】マトリックスは複屈折性を有していても良
い。また、散乱偏光部材の代表的な形態はシート状であ
る。更に、散乱偏光部材は他の形態、例えばバルク状の
形態をとっても良い。
【0009】本願発明は更に、このような新規な散乱偏
光部材に光を入力し、入力された光の偏光状態に応じて
散乱光及び透過光の内の少なくとも1方を生じせしめる
ようにした光の制御方法を提案するものである。
【0010】同方法で使用される散乱偏光部材のマトリ
ックスは、複屈折性を有していても良い。また、散乱偏
光部材の代表的な形態はシート状である。そして、通常
の場合、一方のメジャー面から光が入力され、他方のメ
ジャー面からの出力光に偏光した光が含まれるように制
御装置が行なわれる。
【0011】他の形態の散乱偏光部材、例えばバルク状
の散乱偏光部材を使用して透過光と散乱光の少なくとも
一方を生じさせるような制御を行なっても良い。
【0012】このような散乱偏光部材乃至それを用いた
光制御技術は、いわゆる面光源装置、特に液晶表示パネ
ルに光供給を行なう面光源装置において活用され得る。
【0013】即ち、本願発明は、出射面を提供するメジ
ャー面及び入射面を提供するマイナー面を有する導光板
と、前記入射面を通して前記導光板に光供給を行なう一
次光源と、前記出射面に沿って配置される少なくとも1
つのシート状の付加部材とを含む面光源装置に適用され
得る。
【0014】ここで、本願発明の技術思想が面光源装置
に取り入れられており、前記少なくとも1つのシート状
の付加部材には、透光性のマトリックスと、複屈折性を
有する多数の微粒子とを含む光学材料から構成された領
域を持つ散乱偏光部材が含まれており、前記微粒子は、
前記微粒子の複屈折性に関して特定方向に配向した状態
で分散しており、前記微粒子と前記マトリックスとの界
面において、偏光成分に応じた屈折率の整合性と不整合
性が併存している。
【0015】これにより、少なくとも1つのシート状の
付加部材を介して出力される面光源装置の出力照明光
は、上記特定方向で規定される偏光成分に富んだものと
なる。このような偏光成分に富んだ照明光は、液晶表示
パネルの照明に適している。マトリックスと複屈折性微
粒子との界面における屈折率不整合によって生じる散乱
光の多くは、導光板等に戻されて、散乱偏光部材を透過
し得る偏光成分を含んだ光に変換される(光のリサイク
ル利用;詳細は後述)。
【0016】なお、本願発明における屈折率整合と屈折
率不整合の併存は、前者による「特定の偏光成分の透
過」と後者による「それ以外の偏光成分の散乱」という
選択的な応答を目指すものであり、界面に存在する最小
及び最大の屈折率差、ΔnminとΔnmax について、Δ
nmin <Δnmax /2、且つ、Δnmin <0.1が成立
することが好ましく、更に好ましくは、Δnmin <Δn
max /5、且つ、Δnmin <0.05である。
【0017】
【発明の実施の形態】上述したように、本願発明では
「複屈折性を有する微粒子」が利用され、透光性のマト
リックス中で重要な役割を果たす。そこで、先ず「複屈
折性を有するの微粒子」について、代表例を挙げて説明
する。
【0018】周知のように、一般の結晶はそれを構成す
る単位格子の対称性に応じて正方晶系、斜方晶系などの
結晶系に分類することが出来る。広く知られている物質
については、結晶系毎に慣用名が与えられているものも
ある。
【0019】ある程度の単位数の結晶が集合することで
微粒子が構成される。ここで注意すべきことは、実際に
結晶が集合して微粒子を構成した時にどのような外形形
態をとるかは、結晶系から一意的に決まる訳ではないと
いうことである。即ち、結晶を構成する単位が積み重な
り成長する過程の環境条件に依存して、種々の外形形態
が出現する。但し、多くの物質には、通常の結晶成長条
件下でとり易い形態があり、「結晶癖」と呼ばれてい
る。
【0020】例えば炭酸カルシウムについて言えば、取
り得る結晶系はカルサイト、パテライト、アラゴナイト
の3つである。これらの内、常温、常圧下で通常得られ
るのはカルサイトであるが、ある種の不純物(あるいは
触媒)の存在下で結晶を成長させた場合、アラゴナイト
が優先的に得られることが知られている。
【0021】アラゴナイトは、棒状の形態をとる結晶癖
を有しており、図1の顕微鏡写真に示したような棒状の
微粒子群が得られる。この形態は、「針状」、あるいは
「ウィスカー状」とも呼ばれこともある。特許第268
4112号公報等に記載されている通り、棒状アラゴナ
イト系炭酸カルシウム微粒子は、工業的に大量生産可能
である。このように棒状微粒子を形成する結晶癖を有す
る物質は、炭酸カノレシウムの他にも存在するが、以
下、棒状アラゴナイド系炭酸カノレシウム微粒子を、そ
の代表例として実施形態を説明する。
【0022】図2は、図1中に示した棒状微粒子の1つ
を模式化して描いた図である。実際に製品化されている
粒子のサイズは、長さ10μm〜30μm、太さ0.1
μm〜2μm程度である。棒の長軸方向はほぼ結晶系の
c軸と一致している。a軸及びb軸はいずれもc軸に直
交する短軸方向となる。
【0023】アラゴナイトは複屈折性の結晶であり、そ
の複屈折性は図3(a)、(b)、(c)に示したよう
な屈折率楕円体で表わすことが出来る。周知のように、
複屈折性を有するということは屈折率に異方性があるこ
とを意味し、屈折率楕円体はその異方性を3次元的に表
現している。図3(a)、(b)、(c)の各図におい
て、符号na 、nb 、nc を付した矢印(座標軸)はそ
れぞれ結晶のa軸、b軸、c軸方向に対応している。
【0024】屈折率楕円体(3次元)が各軸と交わる点
(計3個)と原点との間の距離が屈折率の各軸成分を表
わしている。便宜上、na 、nb 、nc はそれらの値を
表わす記号としても兼用される。アラゴナイトの場合、
na =1.681、nb =1.685、nc =1.53
0 である。
【0025】図3(a)、(b)、(c)は、光の伝搬
方向別に有効に作用する屈折率を楕円(楕円体の断面)
で示したものである。先ず、光が図中で左方から右方
へ、即ち、nc 軸(c軸方向に対応)に沿って+方向へ
伝搬するケースを表わした図3(a)では、楕円体の中
心(na 軸、nb 軸、nc 軸が交わる原点)を通り、伝
搬方向に垂直な面で楕円体を切った時の断面(陰を付け
て描示;以下、楕円ab)が、その光にとって有効な屈
折率を表わしている。
【0026】言うまでもなく光は横波であり、伝搬方向
に垂直な方向に電界の振動成分を持つ。従って、図3
(a)の条件(+nc 軸方向への伝搬)下では、電界の
振動成分は楕円abが表わす面と平行である。直線偏光
を考えれば、(11)na 方向に電界が振動する偏光、(12)
nb 方向に電界が振動する偏光、(13)na 方向とnb 方
向の間の方向に電界が振動する偏光があるが、(13)につ
いては(11)と(12)の重ね合わせと考えることが出来る。
いわゆる自然光では、(11)、(12)、(13)が混在してい
る。
【0027】同様に、光がna 軸(a軸方向に対応)に
沿って+方向へ伝搬するケースを表わした図3(b)で
は、楕円体の中心(原点)を通り、na 軸に垂直な面で
楕円体を切った時の断面(以下、楕円bc)が、その光
にとって有効な屈折率を表わしている。
【0028】図3(b)の条件(+na 軸方向への伝
搬)下では、電界の振動成分は楕円bcが表わす面と平
行である。直線偏光を考えれば、(21)nb 方向に電界が
振動する偏光、(22)nc 方向に電界が振動する偏光、(2
3)nb 方向とnc 方向の間の方向に電界が振動する偏光
があるが、(23)については(21)と(22)の重ね合わせと考
えることが出来る。いわゆる自然光では、(21)、(22)、
(23)が混在している。
【0029】更に、光がnb 軸(b軸方向に対応)に沿
って+方向へ伝搬するケースを表わした図3(c)で
は、楕円体の中心(原点)を通り、nb 軸に垂直な面で
楕円体を切った時の断面(以下、楕円ca)が、その光
にとって有効な屈折率を表わしている。
【0030】図3(c)の条件(+nb 軸方向への伝
搬)下では、電界の振動成分は楕円caが表わす面と平
行である。直線偏光を考えれば、(31)nc 方向に電界が
振動する偏光、(32)na 方向に電界が振動する偏光、(3
3)nc 方向とna 方向の間の方向に電界が振動する偏光
があるが、(33)については(31)と(32)の重ね合わせと考
えることが出来る。いわゆる自然光では、(31)、(32)、
(33)が混在している。
【0031】ここで、図3(a)、(b)、(c)の各
ケースについて、自然光で代表される一般の光、即ち、
上記(11)、(12)、(13)、または(21)、(22)、(23)あるい
は(31)、(32)、(33)が混在した光が、複屈折媒体に入射
した時のことを考えてみる。
【0032】本例のように、3つの屈折率na 、nb 、
nc の内、2つna 、nb がほぼ等しく(相対差数%以
下)、残りの1つnc が他の2つna 、nb と明瞭に異
なっている場合、図3(b)、(c)のケースでは図3
(a)のケースと本質的に異なる現象が起る。
【0033】即ち、図3(b)、(c)のケースでは、
短軸方向(図2におけるb軸方向あるいはa軸方向に対
応)の偏波成分と長軸方向(図2におけるc軸方向に対
応)の偏波成分に対する屈折率の明瞭な差に対応して、
伝播速度に明瞭な差が生じる。その結果、複屈折物質特
有の性質として良く知られているように、入射光が短軸
方向(b軸方向あるいはa軸方向)の偏波成分からなる
偏光と長軸方向(c軸方向)の偏波成分からなる偏光と
にスプリットする。前者は正常光線、後者は異常光線と
呼ばれ、両者は伝播速度と進行方向のいずれについても
異なっている。
【0034】これに対して図3(a)のケースでは、短
軸方向(b軸方向あるいはa軸方向)の偏波成分のみ考
えれば良く、長軸方向(c軸方向)の偏波成分は存在し
ない。従って、偏波方向に依存した屈折率率の明瞭な差
が存在しないことになり、伝播速度に明瞭な差が生じな
い。そのため、異常光線は実質的に発生しないとみなし
て良く、光のスプリットも実質的に起らない。
【0035】但し、厳密に言えば、図3(a)のケース
でも、na 軸方向(図1のa軸方向に対応)とnb 軸方
向(図1のb軸方向に対応)に電界の振動成分を有する
2つの偏光に分かれる現象が起きている。換言すれば、
図3(b)、(c)のケースでは光線のスプリットが顕
著に現れるが、図3(a)のケースではそれが顕著には
現れないと言うことである。
【0036】棒状の微粒子では、上記のような偏光成分
(偏波方向)に対する選択的乃至分離的な応答が微粒子
全体のスケールで起ることになる。このことから、本願
発明者は、多数の棒状の微粒子が特定方向に配向した状
態で存在すれば、そのような応答が巨視的なスケールで
起ることに先ず着目した。
【0037】一方、一般的な光散乱の知見から、マトリ
ックス中に同マトリックスと屈折率が明瞭に異なる透光
性微粒子(非複屈折性)を分散させた場合、両者の界面
では屈折率の不整合性が存在することになり、光散乱が
生じる。これに対して、もし、同マトリックスと屈折率
がほぼ等しい透光性微粒子(非複屈折性)を分散させた
場合には、両者の界面では屈折率の整合性が存在するこ
とになり、光散乱は実質的に起らず、マトリックスと微
粒子を含む材料全体は透明な媒体として機能する。
【0038】ここで、本願発明では、界面において屈折
率の整合と不整合とを併存させるための一般的な条件の
定量的な目安を考えるために、最小界面屈折差Δnmin
と最大界面屈折差Δnmax とを次のように定義する。 ・Δnmin =マトリックスと複屈折率性微粒子との界面
において存在する最小の屈折率差。 ・Δnnmax =マトリックスと複屈折率性微粒子との界
面において存在する最大の屈折率差。例えば、マトリッ
クスの屈折率をnp =1.51(後述実施例参照)、複
屈折率を表現する屈折率をぞれぞれna =1.681、
nb =1.685、nc =1.530 (アラゴナイト
の値)とした場合、Δnmin =0.02、Δnmax =
0.175である。
【0039】ここで、本願発明では屈折率整合による
「特定の偏光成分の透過」と屈折率不整合による「それ
以外の偏光成分の散乱」という選択的な応答を目指すも
のであることを考慮すると、Δnmin とΔnmax の相対
的な大小関係は明瞭でなけらばならない。本願発明はそ
の目安として、次の関係を採用する。 Δnmin <Δnmax /2 なお、現実に入手可能な材料の組合せでは、Δnmax は
高々0.5程度であるから、この条件だけで結果的にΔ
nmin <約0.25となる。また、Δnmax が小さけれ
ば、上記関係を満たすΔnmin も小さくなる。例えばΔ
nmax =0.1なら、Δnmin <約0.05となる。
【0040】このように上記条件ではΔnmin の値にか
なりの幅が生じるが、ここで実際的な見地から考えてΔ
nmin の値(絶対値)が「十分な小ささ」を持つことが
望ましいのは当然である。
【0041】即ち、Δnmin の値について、Δnmax と
の相対的関係とは別に、「屈折率整合性」を確保し、所
定の偏光成分に対する十分な透過率を実際的なレベルで
確保するために、Δnmin の値は十分な小さいことが望
まれる。本願発明では、その具体的な目安(上限)を、
Δnmin =0.1とする。
【0042】本願発明者は、この屈折率の不整合で誘起
される散乱現象の性質と、上記の着目事実(偏光成分に
対する選択的な応答)を併せて利用し、透光性のマトリ
ックス中に複屈折性を有する多数の微粒子を複屈折性に
関して特定方向に配向した状態で分散させ、且つ、マト
リックスと微粒子の界面に屈折率の整合性と不整合性を
併存させることにより、巨視的なスケールで偏光成分に
応じて「透過」と「散乱」という2種類の応答を同時的
に行なう散乱偏光部材を得ることに成功した。
【0043】以下、具体例について説明する。なお、諸
図において図示の都合上、マトリックスに多数分散され
る棒状微粒子は、その極く一部のみ誇張されたサイズで
描示される。
【0044】先ず、図4(a)、(b)は薄いシート状
(即ち、フィルム状)の散乱偏光部材の例を斜視図
(a)及び平面図(b)で示したものである。ここで
は、複屈折性を有する棒状微粒子はアラゴナイト系炭酸
カルシウムである。それらの微粒子は、ポリマーマトリ
ックス中に極めて多数含有されており、且つ、フィルム
のメジャー面(即ち、端面ではない面)にほぼ平行な1
つの方向に配向した状態で分散されている。
【0045】即ち、アラゴナイト系炭酸カルシウム微粒
子のほぼ全数について、図4(b)に示したように、c
軸(図2参照)がフィルムのメジャー面に平行となって
いる。なお、本例ではc軸は更に矩形状のフィルムの一
辺とも平行となっているが、これは、そのように矩形フ
ィルム片を切り取って例示したためである。
【0046】以下に詳しく説明するように、これら棒状
微粒子の配向は、同時に「複屈折性に関する配向」を意
味してしており、その光学的な本質は後者にあるという
ことである。従って、後述するように、万一、散乱偏光
部材の製造工程で「棒状」という外形上の特徴が実質的
に失われたとしても、それが「配向」後であれば「複屈
折性に関する配向」は残り得る。
【0047】シート状の部材である本例の場合、図4
(b)から理解されるように、c軸にポリマーフィルム
内で1つの方向にほぼ向くという条件が付けられている
ことで、a軸とb軸はフィルムの厚さ方向に沿った面内
(以下ab面内にほぼ拘束される。しかし、ab面内で
いずれの方向を向くかという自由度が残されており、a
b面内で種々の方向をランダムにとっている。
【0048】ここで、このようなフィルムにほぼ垂直に
光を入射させたケースを考える。先ず、複屈折媒体(個
々のアラゴナイト系炭酸カルシウム微粒子)への入射状
況としては、図3(b)、(c)あるいはこれらの中間
の状況となる。図3(a)の状況は無視出来る程度にし
か起らないと考えて良い。
【0049】前述したように、c軸方向の屈折率はnc
=1.530であり、na との差は0.151、nb と
の差は0.155である。これに対して、a軸とb軸方
向の屈折率はna =1.681、nb =1.685と非
常に近く、両者の差はわずか0.004であり、nc n
a 間の差0.151やnc nb 間の差0.155との差
は0.155に比べて無視出来る程度でしかない。
【0050】これは、図3(a)における楕円abはほ
ぼ円となり、図3(b)、(c)における楕円bc、楕
円caはほぼ同一の偏心率を持つ楕円となることを意味
している。つまり、図3(b)と(c)はほぼ等価な状
況を表わしていることになる。
【0051】これらのことから、図4に示したフィルム
にほぼ垂直に光を入射させた場合には、c軸方向の偏光
成分に対する屈折率としてはnc を考え、それに垂直な
方向の偏光成分に対する屈折率の2つとしてはna 、n
b を共通的に代表する値nab=(na +nb )/2を考
えて良いことが判る。数値としては、nc =1.53
0、nab=1.683である。
【0052】さて、このような複屈折性媒体(棒状微粒
子)への入射は、当然、マトリックスとの間に形成され
る界面で起る。そこで、各微粒子を取り囲むマトリック
ス(ポリマー)の屈折率との関係が重要になる。本願発
明では、棒状微粒子とマトリックスとの界面において、
偏光成分に応じた屈折率の整合性と不整合性とを併存さ
せるようにする。この条件は、マトリックスの屈折率と
の関係を選択することで、種々の態様で満たすことが出
来る。先ず以下の2つのケースを考える。
【0053】(1)ポリマーマトリックスの屈折率np
が屈折率nc と実質的に等しいケース。 (2)ポリマーマトリックスの屈折率np が屈折率nab
と実質的に等しい場合(当然、屈折率np は屈折率na
、nb とも実質的に等しい)。 [ケース(1)について]マトリックスとして、屈折率
がほぼ1.530のポリマーを用いることでこの条件が
満たされる。フィルム面に垂直入射する光として自然光
を仮定すると、ほぼ全微粒子に共通なc軸方向(棒状微
粒子の長軸方向)の偏光成分に対しては、炭酸カルシウ
ム微粒子とマトリックスとの間の界面で屈折率が整合し
た関係にある。同偏光成分に関しては、界面の両側で有
効に作用する屈折率がほぼ同一である。
【0054】換言すれば、図4に示したフィルムは、実
質的に均一な媒体となり、フィルムの厚さ方向に沿って
単純な透過が起るだけである。炭酸カルシウム微粒子と
マトリックスとの間の界面で、実質的な散乱が生じるこ
とはない。つまり、棒状粒子の配向方向に対応した偏光
成分に対しては、フィルムは「透明媒体」として機能す
る。
【0055】一方、c軸(棒状微粒子の配向方向)に直
交する成分については、nabとの間に0.153もの屈
折率差が存在するため、ポリマーマトリックスと微粒子
との界面には、屈折率の不整合状態が存在することにな
る。即ち、c軸平行方向以外の偏光成分に関しては、界
面の両側で有効に作用する屈折率が実質的に異なること
になる。多数の微粒子とそれらをそれぞれ取り囲むマト
リックスの間に屈折率の不整合状態が存在すれば、当
然、そこに光の散乱が起る。従って、棒状粒子の配向方
向と直交する偏光成分に対しては、フィルムは「散乱媒
体」として機能する。このようにして、フィルムはその
まま、あるいは適当な付属物(フィルムを支持するフレ
ームなど)を付けて「散乱偏光部材」として使用するこ
とが出来る。
【0056】なお、このフィルムは、完全な垂直入射で
はなく、少角度で傾斜した入射光に対しても同様の透過
−散乱機能を果たす。これを図5を参照して説明する。
図5において、陰を付した楕円は、c軸に垂直な軸に関
して小さな角度α傾いて入射した場合に有効な屈折率応
答を示している。この場合、c軸方向の偏波成分に有効
な屈折率はnc と少し異なった値nc'となる。従って、
垂直入射の場合には散乱しなかったこの偏光が若干散乱
されるようになる。しかし、角度αが小さければ、nc'
とnp との間の屈折率差(|nc'−np |)は、nab
とnp との間の屈折率差(|np −nab|)に比べれば
十分小さいので、散乱は僅かしか起らず、ほぼ透明であ
る。
【0057】棒状アラゴナイト系炭酸カルシウム微粒子
が、フィルム面に対して完全に平行ではなく、わずかに
傾いている場合にも同様なことが言える。
【0058】[ケース(2)について]マトリックスと
して、屈折率がほぼ1.683のポリマーを用いること
でこの条件が満たされる。フィルム面に垂直入射する光
として自然光を仮定すると、ほぼ全微粒子に共通なc軸
方向(棒状微粒子の長軸方向)の偏光成分に対しては、
炭酸カルシウム微粒子とマトリックスとの間の界面で屈
折率不整合状態が生じる。そのため、光の散乱が起る。
従って、棒状粒子の配向方向と平行な偏光成分に対して
は、フィルムは「散乱媒体」として機能する。
【0059】一方、c軸(棒状微粒子の配向方向)に直
交する成分については、nabとの間に屈折率差が実質的
に存在しないため、ポリマーマトリックスと微粒子との
界面には、屈折率の整合状態が存在することになる。即
ち、c軸平行方向以外の偏光成分に関しては、界面の両
側で有効に作用する屈折率が実質的に等しくなり、フィ
ルムは「透明媒体」として機能する。このようにして、
フィルムはそのまま、あるいは適当な付属物(フィルム
を支持するフレームなど)を付けて「散乱偏光部材」と
して使用することが出来る。
【0060】なお、このフィルムも、完全な垂直入射で
はなく、少角度で傾斜した入射光に対しても同様の透過
−散乱機能を果たす。その理由は、ケース(1)の場合
と同様(c軸とab軸の関係が入れ替わるだけ)である
から、詳しい説明は省略する。棒状アラゴナイト系炭酸
カルシウム微粒子が、フィルム面に対して完全に平行で
はなく、わずかに傾いている場合についても同様であ
る。
【0061】このように、上述の2つのケースのいずれ
においても、一方の偏光成分は透過させ、他方の偏光成
分のみ選択的に散乱させることが出来る。透過する光量
に対する散乱させる光量の比率は、棒状アラゴナイト系
炭酸カルシウム微粒子の光学濃度(濃度×光路長)が大
きくなるほど増大する。また、微粒子の大きさにも依存
する。
【0062】実際の使用にあたっては、フィルムの厚
さ、微粒子の濃度等を調整して、用途に応じた望ましい
散乱比率が得られるようにすれば良い。
【0063】以上、本実施形態では棒状アラゴナイト系
炭酸カルシウム微粒子を例に説明したが、当然、他の複
屈折微粒子でも同様なことが可能である。その場合、長
軸方向の屈折率(炭酸カルシウム微粒子の場合のnc に
相当)とそれと垂直な方向の屈折率(炭酸カルシウム微
粒子の場合のnabに相当)との差、つまり複屈折率が大
きいほど、透過する光量に対する散乱させる光量の比率
は大きくなる。
【0064】また、na とnb との差|na −nb |が
小さいほど望ましい。用途や用いるポリマーに対して、
適した物質が異なる。
【0065】ところで、上記の例の説明では、ポリマー
マトリックスの屈折率を単一の値np で表わしている
が、これはポリマーマトリックスに実質的に複屈折性が
無いことを前提としていることを意味している。
【0066】しかし、実際の応用にあたっては、ポリマ
ーフィルムは、いわゆる1軸延伸、2軸延伸などの製造
工程を経ることで、複屈折性を有するケースが珍しくな
い。そこで、マトリックスが複屈折性を有するケースに
ついて説明を加える。
【0067】ポリマーフィルムが1軸延伸、2軸延伸な
どの工程を経ることで複屈折性を帯びるのは、それらの
工程でポリマーフィルム内のポリマー鎖が一定方向に配
向する現象が起るからである。複屈折性は、ポリマー鎖
が配向した方向とそれに垂直な方向の偏光に対する屈折
率が異なるという現象となって現れる。その配向方向の
偏光に対する屈折率と配向方向に垂直な方向の偏光に対
する屈折率をそれぞれnp1、np2とする。
【0068】この様子を図6に示す。このポリマーフィ
ルム中では、n1 とnc 、及びn2とnabの関係につい
て、屈折率の整合性と不整合性を併存させれば良い。即
ち、実質的にn1 =nc あるいはn2 =nabの一方の関
係が成立するようにすれば良い。
【0069】以上、薄いシート状(フィルム状)の形態
をとる例について述べてきたが、同様なことは、それよ
りも厚いシート状の、例えばポリマープレートについて
も言える。なぜならば、上述の説明で、シート状の散乱
偏光部材の厚さに本質的な制限は無いからである。更
に、図7に示すように、複屈折に関して一走方向に微粒
子を配向させたポリマーバルクに対しても、長軸(アラ
ゴナイトの場合、屈折率楕円体の短軸nc 方向に対応)
にほぼ垂直に光を入射させれば同様な作用が得られる。
【0070】なお、アラゴナイトの場合屈折率楕円体の
短軸方向は、散乱偏光部材の製造に用いる棒状微粒子の
長軸方向と一致しているが、シート状部材の例でも言及
したように、最終的な製品のマトリックス中では、「微
粒子の棒状外形」は必ずしも残っていなくても良い。
「棒状外形」が喪失される可能性がある理由について
は、後述する。
【0071】次に、棒状微粒子を特定方向に配向させた
シート及びバルクの作製方法についていくつかの例を説
明する。例1、例2ではシート状の部材、例3、例4で
はバルク状の部材が得られる。なお、準備として、複屈
折性の棒状微粒子とポリマーの材料の組合せを、上述し
た屈折率の整合/不整合併存の条件を満たすように決め
る(組合せの具体的例は後述)。
【0072】(例1):マトリックス用に選ばれたポリ
マーを揮発性の溶媒に溶かし、棒状微粒子を添加する。
均一に撹拌した後、適当な基板上に展開し、溶媒を蒸発
させる。やがて溶媒が取り除かれ、基板上にフィルムが
残る。これを同フィルムのガラス転移温度(ポリマーの
ガラス転移温度とほぼ同じ)以上で一方向に延伸するこ
とにより、内部の棒状微粒子をその延伸方向に沿って配
向させる。その様子を図8に示す。
【0073】(例2):マトリックス用に選ばれたポリ
マーを溶融させ、そこに棒状微粒子を添加して撹拌す
る。押出成形機等を利用し、棒状微粒子を含有する溶融
状態のポリマーをシート状に成形し、フィルム化する。
ここで、棒状微粒子を含む溶融状態のポリマーを一旦固
化し、ポリマーペレットを作製しておき、そのポリマー
ペレットを再度溶融して加工しても良い。
【0074】また、ポリマーペレットを作製せず、溶融
状態のポリマーに微粒子を添加しながら成形を行っても
良い。いずれにしても、棒状微粒子を含有する溶融ポリ
マーの流動に伴い、微粒子がその流動方向に沿うように
配向する。
【0075】(例3):マトリックス用に選ばれたポリ
マーを溶融させ、そこに棒状微粒子を添加して撹拌す
る。押出成形機等を利用し、棒状微粒子を含有する溶融
状態のポリマーを成形し、バルク化する。ここで、棒状
微粒子を含む溶融状態のポリマーを一旦固化し、ポリマ
ーペレットを作製しておき、そのポリマーペレットを再
度溶融して加工しても良い。また、ポリマーペレットを
作製せず、溶融状態のポリマーに微粒子を添加しながら
成形を行っても良い。いずれにしても、棒状微粒子を含
有する溶融ポリマーの流動に伴い、微粒子がその流動方
向に沿うように配向する。
【0076】(例4):マトリックス用に選ばれたポリ
マーに対応するモノマーに棒状微粒子を添加し、それを
容器中で重合することにより所定形状に成形する。重合
過程である方向から超音波を照射することにより、棒状
微粒子の方向を所定の方向に揃えることが出来る。
【0077】これらの作製方法により棒状微粒子を配向
させるには、図2に示した長さと太さの比率が、(長さ
/太さ)≧(5/4)であれば十分である。この比率は
アスペクト比とも呼ばれ、一般に、その値が大きい程配
向が容易となる。
【0078】なお、成形方法によっては、配向させる工
程でへき開等により複屈折性粒子が折れたり、割れたり
する場合がある。その種の現象は、微粒子に応力がかか
りやすい状態、例えばフィルムを延伸する場合や、粘性
の高い溶融ポリマー中などで起こることが多い。このよ
うな条件下では、微粒子自身も動きにくいため、得られ
た成形品の内部でアスペクト比が微粒子添加時の値より
も小さくなることが有り得る。
【0079】その場合でも、添加当初の棒状形状に対応
した一定方向に屈折率楕円体が全体的乃至統計的に配向
していれば、最終的に得られた成形品内部でアスペクト
比が上記の条件(5/4以上)を満たさなったとして
も、本質的に問題はない。その意味で、本願発明におけ
る「微粒子」は、殆どの場合は「棒状微粒子」であるも
のの、最終的なマトリックス中での分散分散状態で見た
時、必ずしも「棒状」でない微粒子が多数含まれる可能
性もある。
【0080】即ち、本願発明にとって本質的なのは、
「棒状形状を基準にした微粒子の配向」ではなく、「複
屈折の方向性を基準にした微粒子の配向」である。「棒
状形状を基準にした微粒子の配向」は、「複屈折の方向
性を基準にした微粒子の配向」を実際の製造工程で利用
されているに過ぎず、最終製品で「棒状形状」が残って
いない場合もあり得ることに注意されたい。ここで、本
願発明に従ったシート状の散乱偏光部材の応用例につい
て説明しておく。
【0081】[応用例]比較的複屈折値(屈折率楕円体
の長軸方向とそれに直交する方向の偏光成分に対する屈
折率の差の絶対値)の大きな結晶からなる棒状微粒子
と、同棒状微粒子に対して前述の屈折率整合/不整合の
併存条件を満たすポリマーを用意し、上述の方法(例え
ば例1)に従って、比較的厚みのある散乱偏光シート
(散乱偏光板)を作製する。
【0082】添加する微粒子のサイズと添加濃度、散乱
偏光板の厚さ等を選択、調整することで、入射光の内、
特定の偏光成分のみを優先的に透過させ、それ以外の偏
光成分の大部分を入射側に戻すことが可能になる。即
ち、散乱偏光板内で発生する散乱光が入射面(一方のメ
ジャー面)の反対側の面(他方のメジャー面)から出射
される割合を低く抑えることが可能になる。一般的に言
えば、比較的小サイズの微粒子を比較的高い光学濃度
(添加濃度×板厚にほぼ比例)で添加すれば、この条件
が満たされる。
【0083】図9は、液晶表示パネルのバックライティ
ングに用いる面光源装置に付設した場合の作用を説明す
る図である。同図に示したように、面光源装置は楔形状
の断面を持つ導光板と、同導光板に光を供給する一次光
源(棒状蛍光ランプ、LEDアレイなど)、プリズムシ
ート等のおわゆる付加シート部材を備える。一次光源か
ら供給された光は、導光板のマイナー面が提供する入射
面を通して導光板内に導入され、周知のプロセスによ
り、導光板を介して方向転換され、導光板のメジャー面
が提供する出射面から出射される。出射光はプリズムシ
ートで方向修正され、液晶表示パネル(図示せず)に供
給される。
【0084】本例では、上記の散乱偏光板をプリズムシ
ートの外側に、付加シート部材の1つとして配置する。
すると、散乱偏光板の機能により、特定の偏光成分が優
先的に同板を透過し、液晶表示パネルへ供給される。こ
こで、この「特定の偏光成分」の方向を液晶表示パネル
の入力側に配置される偏光板の透過軸の方向とマッチン
グさせておけば、同偏光板をロス無く透過し、表示に寄
与する。場合によっては、同偏光板に代えて本散乱偏光
板を採用しても良い。
【0085】一方、「特定の偏光成分」以外の光は散乱
され、その多くがプリズムシート側乃至導光板側へ戻さ
れる。この戻り光は、導光板内あるいはプリズムシート
内を再伝播し、多様な光路履歴を経て散乱偏光板に再入
射するチャンスが与えられる。ここで戻り光は、光路履
歴、特に導光板内での再度散乱を経験することで偏光方
向が最初の散乱偏光板入射時と比べて多様に変化してい
る。従って、散乱偏光板に再入射する光の一部は、上記
の「特定の偏光成分」となっており、同散乱偏光板を通
過し、液晶表示パネルへ供給される。
【0086】この再入射で同散乱偏光板を通過出来なか
った光は同様のリサイクルプロセスで、3度目の入射の
チャンスを与えられる。以下、同様のリサイクル効果に
より、結局、多くの光が「特定の偏光成分」となって散
乱偏光板を通過し、液晶表示パネルの表示に貢献する。
【0087】なお、粒子のサイズ、濃度等を変えて、あ
る程度の量の散乱光をそのまま透過偏光成分と同じ側か
ら出射させることも出来る。この場合は、ディフューザ
ー効果を兼ね備えた偏光板とすることも出来る。
【0088】次に、散乱偏光部材の作成方法の詳細と確
認された性能の例を説明する。 [散乱偏光部材の作成例]ガラス製のサンプル管にテト
ラヒドロフラン(純正化学(株)製)と炭酸カルシウム
の棒状微粒子(丸尾カルシウム(株)製)を入れ、超音
波を約10分間照射することにより均一に分散させた。
ここに、マトリックス用のポリマーとして用意したペレ
ット状のARTON(JSR(株)の製品名;登録商
標)を加え、約24時間振とうし、溶解させた。ART
ONの屈折率は、np =約1.51であり、棒状炭酸カ
ルシウム微粒子の前述の屈折率nc =1.53にほぼ等
しい(屈折率差0.02)。
【0089】棒状微粒子をより均一に分散させるため、
更に超音波を約10分間照射した後、撹拌器 HYBR
ID MIXER HM−500(キーエンス(株)
製)により撹拌及び脱泡を行った。材料の混合比は、テ
トラヒドロフランのARTON(溶媒)に対する重量比
は4倍、炭酸カルシウムはARTONに対し5wt%と
した。
【0090】このようにして得られたポリマー溶液はあ
る程度の粘りけがある。これをガラス板上にナイフコー
ターを用いて展開し、気密性の低い容器中で放置するこ
とで、穏やかに溶媒(テトラヒドロフラン)を蒸発させ
た。ガラス板よりフイルム状の試料(厚さ約50μm)
をはがし、更にデシケーター中で約50時間減圧乾燥処
理を施した。
【0091】乾燥後の試料をテンシロン万能試験機(O
RIENTEC(株)製;登録商標)にかけ、一軸延伸
を行った。延伸温度は280℃、延伸速度は4mm/m
in、延伸倍率は2.0倍とした。延伸前と延伸後の試
料を偏光顕微鏡で観察したところ、図8で示したような
変化が確認された。即ち、棒状粒子の大部分がほぼ延伸
方向へ配向していることが確かめられた。
【0092】このポリマーフィルムについて、図10に
示した配置で光学特性の測定を行なった。即ち、レーザ
ー光を偏光子を用いて直線偏光とし、上記の試料に対し
て先ず垂直に(回転角θ=0度)直線偏光を入射させ
た。直線偏光の偏波方向は試料作成時の延伸方向と一致
させた(回転角θ=0度)。透過光の強度はフォトダイ
オードで測定した。
【0093】次に、他の条件は変えずに回転角θ=0度
を小角度づつ変化させ、透過光の強度を測定した。結果
を図12のグラフ中に実線プロットで示した。同グラフ
において、横軸は試料の回転角θであり、縦軸はフォト
ダイオードで測定した光強度を規格化した値を表わして
いる。規格化は、「θ=0度の時の光強度=1」として
行なった。
【0094】図12には、比較の為に、同じ試料につい
て延伸前に予め同条件で測定した結果を破線プロットで
示してある。この場合、回転角θは延伸予定方向(後に
実際に延伸される際の延伸方向)をθ=0度とした。規
格化は、「延伸前のサンプルについて、θ=0度の条件
で測定した光強度=1」として行なった。
【0095】図12のグラフから判るように、延伸前
(破線プロット)の試料では、回転角度θを変えても光
強度が変わらない。これは、延伸前の試料では棒状微粒
子がポリマーマトリックス中でばらばらの方向を向いて
おり、巨視的なスケールで偏光成分に対する選択透過性
が現れなていないことを物語っている。
【0096】これに対して、延伸後(実線プロット)の
試料では、回転角度θ=0度で光強度は最高値を示し、
回転角度θを90度へ向けて変化させると光強度は単調
減少している。
【0097】既述の通り、マトリックスを構成するAR
TONの屈折率は、np =約1.51であり、棒状炭酸
カルシウム微粒子の屈折率nc =1.53にほぼ等し
い。このことと、前出の図3(b)あるいは(c)にお
いてnc 軸方向の電界の振動を持つ偏波(偏光成分)に
関して屈折率整合が存在していることを意味する。この
ことと、延伸方向=棒状炭酸カルシウム微粒子の外形の
長軸方向=棒状炭酸カルシウム微粒子の屈折率楕円体の
短軸方向という関係を併せて考えると、延伸方向に対応
した偏光成分が最もθ=0度で最も透過し易く、θ=9
0度で最も透過し難いという結果が得られる筈でる。図
12の実線プロットはこの推察が正しいことを裏付けて
いる。
【0098】以上、複屈折微粒子として炭酸カルシウム
を例にとって実施形態を説明してきたが、他の複屈折微
粒子が使用されても良いことはこれまでの記述から容易
に理解されるであろう。複屈折性を有する他の棒状微粒
子としては、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、炭酸
コバルト、炭酸マンガン、炭酸マグネシウムなどの炭酸
塩の他、ケイ酸カルシウム、酸化チタンなどが知られて
いる。
【0099】また、ポリマーとして、実施例ではART
ONについて述べたが、それ以外のポリマーに対しても
適切な微粒子との組合わせが得られれば、適用出来る。
更に、ポリマーに添加物を加え、屈折率を微調整するこ
とにより、微粒子との界面における屈折率整合性を高め
ることも可能である。
【0100】
【発明の効果】本願発明によれば、入力光中の特定の偏
光成分の光を透過させ、残りの成分は散乱する態様で本
質的な選択応答性を示す新規な光学部材が提供される。
また、それを用いて、入力光が偏光成分に応じて透過光
と散乱光に変換されるように制御する方法を提供するこ
とが出来る。また、マトリックスにポリマーが使用可能
なので、安価に大量生産を行なうことも容易である。ま
た、面光源装置に適用することで、リサイクリック効果
に基づて、特定の偏光成分に富んだ照明出力を提供する
面光源装置が得られ、これは例えば液晶表示パネルの照
明手段として適合性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】棒状微粒子の外形形態をとるアラゴナイトの顕
微鏡写真を示したものである。
【図2】図1中に示した棒状微粒子の1つを模式化して
描いた図である。
【図3】アラゴナイト結晶の複屈折性を説明する図で、
(a)はc軸方向に沿った入射光に対して有効な屈折
率、(b)はa軸方向に沿った入射光に対して有効な屈
折率、(c)はb軸方向に沿った入射光に対して有効な
屈折率、をそれぞれ屈折率楕円体の断面で示している。
【図4】薄いシート状(フィルム状)の散乱偏光部材の
例を斜視図(a)及び平面図(b)で示したものであ
る。
【図5】散乱偏光シートに対して斜めに光が入射したケ
ースについて説明するための図である。
【図6】ポリマーマトリックスに複屈折性があるケース
について説明するための図である。
【図7】複屈折に関して一走方向に微粒子を配向させた
バルク状の散乱偏光部材について説明するための図であ
る。
【図8】延伸によってマトリックス内の棒状微粒子が配
向する様子を示した図である。
【図9】液晶表示パネルのバックライティングに用いる
面光源装置に付設した場合の作用を説明する図である。
【図10】延伸前及び延伸後の試料について、光学特性
の測定を行なう際の配置を示した図である。
【図11】延伸前及び延伸後の試料について、光学特性
の測定を行なった結果を表わしたグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // F21Y 103:00 F21Y 103:00 Fターム(参考) 2H042 BA02 BA13 BA15 BA16 BA20 2H049 BA05 BA23 BA25 BA42 BB63 BC03 BC21 BC22 5G435 AA17 BB12 BB15 EE27 FF05 GG24 KK05 KK07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性のマトリックスと、複屈折性を有
    する多数の微粒子とを含む光学材料から構成された領域
    を持つ散乱偏光部材であって:前記微粒子は、前記微粒
    子の複屈折性に関して特定方向に配向した状態で分散し
    ており;前記微粒子と前記マトリックスとの界面におい
    て、偏光成分に応じた屈折率の整合性と不整合性が併存
    している、前記散乱偏光部材。
  2. 【請求項2】 前記マトリックスが複屈折性を有してい
    る、請求項1に記載された散乱偏光部材。
  3. 【請求項3】 シート状の散乱偏光部材である、請求項
    1または請求項2に記載された散乱偏光部材。
  4. 【請求項4】 バルク状の散乱偏光部材である、請求項
    1または請求項2に記載された散乱偏光部材。
  5. 【請求項5】 散乱偏光部材に光を入力し、前記入力さ
    れた光の偏光状態に応じて散乱光及び透過光の内の少な
    くとも1方を生じせしめるようにした光の制御方法であ
    って:前記散乱偏光部材は、透光性のマトリックスと、
    複屈折性を有する多数の微粒子とを含む光学材料から構
    成された領域を有し;前記微粒子は、前記複屈折性に関
    して特定方向に配向した状態で分散しており;前記微粒
    子と前記マトリックスとの界面において、偏光成分に応
    じた屈折率の整合性と不整合性が併存している、前記光
    の制御方法。
  6. 【請求項6】 前記マトリックスが複屈折性を有してい
    る、請求項5に記載された光の制御方法。
  7. 【請求項7】 前記散乱偏光部材はシート状の散乱偏光
    部材であって、前記散乱偏光部材の一方のメジャー面か
    ら光が入力され、他方のメジャー面からの出力光に偏光
    した光が含まれる、請求項5または請求項6に記載され
    た光の制御方法。
  8. 【請求項8】 前記散乱偏光部材はバルク状の散乱偏光
    部材である、請求項5または請求項6に記載された光の
    制御方法。
  9. 【請求項9】 出射面を提供するメジャー面及び入射面
    を提供するマイナー面を有する導光板と、前記入射面を
    通して前記導光板に光供給を行なう一次光源と、前記出
    射面に沿って配置される少なくとも1つのシート状の付
    加部材とを含む面光源装置であって:前記少なくとも1
    つのシート状の付加部材には、透光性のマトリックス
    と、複屈折性を有する多数の微粒子とを含む光学材料か
    ら構成された領域を持つ散乱偏光部材が含まれており;
    前記微粒子は、前記微粒子の複屈折性に関して特定方向
    に配向した状態で分散しており;前記微粒子と前記マト
    リックスとの界面において、偏光成分に応じた屈折率の
    整合性と不整合性が併存している、前記面光源装置。
  10. 【請求項10】 前記少なくとも1つのシート状の付加
    部材を通して出力される照明光が液晶表示パネルに供給
    される、請求項9に記載された面光源装置。
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