JP2008158462A - 拡散偏光子及びそれを含む光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 偏光と拡散機能を同時に果たす光学フィルムを、安価な材料を使用して、小さな設備投資により、容易に製造でき、更に別の光学素子の上に直接形成できる手段の提供。
【解決手段】 透明樹脂と、短径方向の屈折率と長径方向の屈折率とのいずれか一方が前記透明樹脂マトリックスの屈折率と実質的に一致している複屈折性の無機針状フィラーとを含む塗料を、前記透明樹脂マトリックス内で前記無機フィラーが一定方向に配向して分散するように塗工することにより得られる、等方性透明樹脂マトリックス内で無機針状フィラーが一定方向に配向して分散している拡散偏光子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶表示装置等に用いられる簡便な工程から得られる偏光子に関し、特に一方の偏光成分を透過し、それと直交する偏光成分については拡散する拡散偏光子と、それを用いた光学部材に関するものである。
自然光から偏光を得る方法としては、非常に多くの方式が考案されてきたが、その代表的なものを以下に紹介する。なお、本発明において偏光は直線偏光を意味するものとする。
(1)最初に量産された偏光板は、ポラロイド社のJ−Sheetである。これは、2色性のヘラパタイト(ヨードキニーネ硫酸塩)の針状微結晶をニトロセルロースフィルム中に分散して、延伸や電磁波を印加することによりこの針状微結晶を配向したもので、結晶配向に平行な偏光成分を透過し、結晶配向と垂直な偏光成分は吸収する性質を有していた。参照特許:特許文献1
(2)その後ポラロイド社はH−Sheetという名称の偏光板を発明し、これが現在主流となっている。この偏光板は、延伸された高分子フィルムにヨウ素や二色性染料を吸着させたもので、ヨウ素や二色性染料は延伸方向に配向して吸着されるため、延伸方向と平行な偏光成分はこれらの化合物に吸収され、延伸方向と直交する偏光成分だけが透過する、いわゆる吸収型の偏光子である。
(3)赤外領域の光に対しては、ワイヤーグリッド偏光子が古くから知られている偏光子である。これは細い金属線を平行に格子状に並べたもので、金属線に垂直に振動する電気ベクトルを持つ偏光を透過し、金属に平行に振動する電気ベクトルを持つ偏光を吸収するものである。ここで金属格子の間隔は対象となる光の波長の1/2以下にする必要があり、可視光を対象とするとその間隔は200nm以下と極めて狭いものになる。参考特許:特許文献2〜4
(4)一方の偏光成分を透過し、これと直交する偏光成分を反射するという反射偏光子がスリーエム社で開発され、DBEFの商品名で大量に使用されている。これは、非常に薄い2種類のポリマー層(複屈折性を有する第1のポリマー層と、複屈折性を有しない第2のポリマー層)が交互に数百層以上積層した構成になっており、第1のポリマー層が示す複屈折の一方の屈折率が第2のポリマー層の屈折率と一致し、これと直交する方向の屈折率については不一致を示すことで、一方の偏光成分を透過し、これと直交する偏光成分を反射する仕組みになっている。参考特許:特許文献5
(5)別の反射偏光子としては、コレステリック液晶層と(1/4)λ板とを積層したものが挙げられる。コレステリック液晶は、その液晶のピッチと同一の波長を有する光であってその液晶と同一の回転方向の円偏光を反射し、その他の光を透過する円偏光二色性を示す。この円偏光を(1/4)λ板により直線偏光に変換するもので、日東電工がNIPOCSの商品名で上市している。参考特許:特許文献6及び7
(6)(4)の考え方の延長で開発されたのが、複屈折連続ポリマー相と該連続相中に分散された実質的に非複屈折の分散相を含んでなる拡散反射フィルムである。連続相及び分散相の屈折率は、3つの互いに直交する軸のうちの第1の軸に沿って実質的に不一致であり(屈折率差が0.05以上)、3つの互いに直交する軸のうちの第2の軸に沿って実質的に一致する。不一致軸に沿って、すなわちその軸に平行に偏光された入射光は散乱されて、顕著な拡散反射を生じる。一致軸に沿って偏光された入射光の散乱はかなり少なく、実質的にスペクトルに応じて透過される。参考特許:特許文献8及び9
(7)また、(1)と(6)を組み合わせたような考えで、複屈折性の微粒子を透光性マトリックス中に特定方向に配向した状態で分散させたものが特許文献10に提案されている。ここでは、複屈折性の微粒子としてアラゴナイト系炭酸カルシウムの針状結晶を使用した例が紹介されている。
USP1,918,848 特開平9−90122号 特開昭56−19140号 特開2001−74935号 特表平9−506985号(WO95/17692号) 特開平9−189811 特開平11−125717 特表2002−502503 特表2000−506989 特開2002−258039
上記(1)〜(3)の吸収型の偏光子では、入射する自然光の約50%が偏光子に吸収されてしまい、光の利用効率が悪いという問題があった。一方、(4)の反射偏光子は、現在液晶表示装置の輝度向上フィルムとしてバックライト側に多く使用されているが、特殊な積層技術により作製されるため極めて高価なものになっている。(5)についても、高価な液晶材料を使用することや、そのコレステリック液晶塗工や(1/4)λ板の製造には高度の技術を必要とするため、高価なものになっている。また、(6)(7)についても、製造には高度の延伸技術が必要であることに加え、フィラーを分散したフィルムを延伸する場合、フィラーとマトリックス樹脂との境界に隙間が発生するという問題が生じる。
更にこれらの非吸収型の偏光子は、基本的に延伸技術により作製されるため、使用するポリマーに異方性を生じ易いものであった。また、これらの偏光子を他の光学部材と一体化するためには粘着層を介して貼着する必要があった。更に、その製造には巨額の設備投資が必要になるものである。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、使用するポリマーに異方性を生じさせないことに加え、偏光と拡散機能を同時に果たす光学フィルムを、安価な材料を使用して、小さな設備投資により、容易に製造でき、更に別の光学素子の上に直接形成できる手段を提供することである。
本発明(1)は、等方性透明樹脂マトリックスと、前記等方性樹脂マトリックス内で一定方向に配向して分散している、短径方向の屈折率と長径方向の屈折率とのいずれか一方が前記等方性透明樹脂マトリックスの屈折率と実質的に一致している複屈折性の無機針状フィラーとを含む、拡散偏光子である。
本発明(2)は、透明樹脂と、短径方向の屈折率と長径方向の屈折率とのいずれか一方が前記透明樹脂マトリックスの屈折率と実質的に一致している複屈折性の無機針状フィラーとを含む塗料を、前記透明樹脂マトリックス内で前記無機フィラーが一定方向に配向して分散するように塗工することにより得られる拡散偏光子である。
本発明(3)は、透明樹脂と、短径方向の屈折率と長径方向の屈折率とのいずれか一方が前記透明樹脂マトリックスの屈折率と実質的に一致している複屈折性の無機針状フィラーとを含む塗料を、前記透明樹脂マトリックス内で前記無機フィラーが一定方向に配向して分散するように塗工することにより得られる、等方性透明樹脂マトリックス内で無機針状フィラーが一定方向に配向して分散している拡散偏光子である。
本発明(4)は、前記無機針状フィラーは、長径が2〜50μm、短径が0.1〜5μm、アスペクト比が5以上のものである、前記発明(1)〜(3)のいずれか一つの拡散偏光子である。
本発明(5)は、前記無機針状フィラーは、その長軸方向の屈折率が前記透明樹脂の屈折率と実質的に一致する、前記発明(1)〜(4)のいずれか一つの拡散偏光子である。
本発明(6)は、前記無機針状フィラーは、アラゴナイト系炭酸カルシウムである、前記発明(1)〜(5)のいずれか一つの拡散偏光子である。
本発明(7)は、前記透明樹脂が、溶剤可溶の熱可塑性樹脂である、前記発明(1)〜(6)のいずれか一つの拡散偏光子である。
本発明(8)は、前記熱可塑性樹脂が、環状ポリオレフィンを主成分とする、前記発明(7)の拡散偏光子である。
本発明(9)は、前記熱可塑性樹脂が、スチレンアクリル共重合体を主成分とする、前記発明(7)の拡散偏光子である。
本発明(10)は、前記熱可塑性樹脂が、粘着剤である、前記発明(7)の拡散偏光子である。
本発明(11)は、前記透明樹脂が、硬化前は溶剤可溶又は無溶剤の熱硬化性樹脂である、前記発明(1)〜(6)のいずれか一つの拡散偏光子である。
本発明(12)は、前記透明樹脂が、硬化前は溶剤可溶又は無溶剤のUV硬化型樹脂である、前記発明(1)〜(6)のいずれか一つの拡散偏光子である。
本発明(13)は、前記UV硬化型樹脂が、硬化により粘着剤として機能するものである、前記発明(12)の拡散偏光子である。
本発明(14)は、前記透明樹脂は、その屈折率が1.48〜1.58である、前記発明(1)〜(13)のいずれか一つの拡散偏光子である。
本発明(15)は、前記発明(1)〜(14)のいずれか一つの拡散偏光子が透明基材上に積層されている拡散偏光子積層フィルムである。
本発明(16)は、前記拡散偏光子は、塗工方法により前記透明基材上に直接的に積層されているものである、前記発明(15)の拡散偏光子積層フィルムである。
本発明(17)は、前記発明(1)〜(14)のいずれか一つの拡散偏光子或いは前記発明(15)又は(16)の拡散偏光子積層フィルムが、透過、反射、偏光、屈折及び拡散のいずれかの機能を持つ光学素子上に積層されている光学部材である。
本発明(18)は、透過機能を示す光学素子が、透明ガラス板、透明樹脂フィルム、透明樹脂板のいずれかである、前記発明(17)の光学部材である。
本発明(19)は、前記透明樹脂板が、導光板である、前記発明(18)の光学部材である。
本発明(20)は、反射機能を示す光学素子が、反射板である、前記発明(17)の光学部材である。
本発明(21)は、偏光機能を示す光学素子が、吸収型の偏光子である、前記発明(17)の光学部材である。
本発明(22)は、偏光機能を示す光学素子が、反射型の偏光子である、前記発明(17)の光学部材である。
本発明(23)は、屈折機能を示す光学素子が、プリズムシートである、前記発明(17)の光学部材である。
本発明(24)は、拡散機能を示す光学素子が、粒子分散型の拡散フィルムである、前記発明(17)の光学部材である。
本発明(25)は、拡散機能を示す光学素子が、拡散要素を含む導光板である、前記発明(17)の光学部材である。
本発明(26)は、前記拡散偏光子は、塗工方法により前記光学素子上に直接的に積層されているものである、前記発明(17)〜(25)のいずれか一つの光学部材である。
本発明(27)は、前記発明(1)〜(14)のいずれか一つの拡散偏光子或いは前記発明(15)又は(16)の拡散偏光子積層フィルムが前記光学素子上に粘着剤又は接着剤を介して積層されているものである、前記発明(17)〜(25)のいずれか一つの光学部材である。
以下、本発明について詳述する。
本発明の拡散偏光子は、等方性透明樹脂マトリックス中に、複屈折性の無機針状フィラーが一方方向に分散・配向しており、その針状フィラーの短径方向の屈折率と長径方向の屈折率のいずれか一方が前記等方性透明樹脂マトリックスの屈折率と実質的に一致していることを特徴とするものであり、これにより入射光のうちの一方向の偏光成分を透過し、それと直交する偏光成分を強く拡散する特性を示すことが出来る。図1に基づいて、この拡散偏光発現の機構について簡単に説明する。図1は、本発明の拡散偏光子、及びこれに細い直線光を垂直入射させた時の透過光の拡散状態を模式的に示す図であり、便宜上、針状フィラーの長軸方向をx軸、拡散偏光子の面をxy平面、拡散偏光子の厚さ方向をz軸としてある。この拡散偏光子中に含まれる複屈折性の針状フィラーの屈折率は、各光学軸に沿った方向の屈折率をn、n、n、更に透明樹脂マトリックスの屈折率をnとする。ここで、例えば透明樹脂マトリックスの屈折率nと針状フィラーの長軸方向の屈折率nが実質的に一致し、かつ透明樹脂マトリックスの屈折率nと針状フィラーの短軸方向の屈折率n、nとは、一定の差がある場合、このフィルムに入射する光のx軸方向の偏光成分はフィルムを透過し、短軸方向y軸方向の偏光成分は針状フィラーと透明樹脂マトリックスとの界面により拡散されることになる。
このフィルムを透過拡散した光は、図1の下方に示されるように針状フィラーの配向方向と直交する方向に延びた長円形や直線状を示すが、その中心部においてはx軸方向の偏光成分が多く、それを中心に両端に伸びる拡散光部分にはy軸方向の偏光成分が多いことになる。
なお、ここで針状フィラーの屈折率のうち、短軸方向のnとnは透明マトリックス中でその向きを制御することも区別することも出来ないため、実質的にはその平均値であるn=(n+n)/2を短軸方向の屈折率とすべきである。また、針状フィラーの長軸方向の屈折率をn=nと再定義すると、この拡散偏光子の光学特性は、n、n、nの3つの屈折率の関係で表現することが出来る。すなわち、|n−n|<|n−n|の場合、針状フィラーの配向方向と一致する偏光成分が拡散されずに透過する割合が多く、不等号の向きが逆の場合は針状フィラーの配向方向と直交する偏光成分の直線透過量が大きいことになる。本発明では、例えば針状フィラーのいずれかの方向の屈折率と透明樹脂マトリックスの屈折率が実質的に同じであることを必須条件として挙げているが、その実質的に同じとは両者の屈折率差が0.05以下、好ましくは0.03以下、より好ましくは0.01以下であることを意味し、逆に針状フィラーの他方の屈折率と透明樹脂マトリックスの屈折率との差は0.05以上、好ましくは0.1以上であることが必要である。式で表現すれば、
|n−n|<0.05<|n−n
となる。なお、ここでは、針状フィラーの長軸方向をx軸とし、針状フィラーの屈折率を(n,n,n)と表しているが、一般には、針状フィラーの長軸方向をcとして(n,n,n)と表される場合もある。このときの各々の関係は(n,n,n)=(n,n,n)である。また、本明細書において、フィラーの屈折率は、偏光顕微鏡を用いた浸液法に基づいて測定されるものとする。尚、当該浸液法の測定方法は、当該分野の教科書的文献、例えば、岩石学I 偏光顕微鏡と造岩鉱物(共立出版株式会社発行、都城秋穂、久城育夫著)の「第7章 屈折率の測定法」の「7・5 主屈折率の決定 A.一軸性正の鉱物」に記載されている。
(透明樹脂マトリックス)
本発明の拡散偏光子に使用される透明樹脂マトリックス材料は、光学的透明性が高く、拡散偏光子としての物理的強度を有する高分子樹脂が使用可能である。また、この拡散偏光子を透明基材や光学素子上に直接積層する場合は、この高分子樹脂には透明基材や光学素子との高い密着性が求められる。使用可能な高分子樹脂の具体例としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩ビ−酢ビ共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、シクロオレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられ、これらの単独もしくは混合物を使用することが出来る。更に、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂も使用可能であり、更にゾル−ゲル法等の技術を活用して作製される有機と無機のハイブリッド系樹脂も使用できる。更にガラス転移点(Tg)の低い粘着剤(主にアクリル系粘着剤)でも屈折率の条件を満たせば使用できる。
(針状フィラー)
本発明で使用される複屈折性のフィラーは、針状、棒状、繊維状の高アスペクト比を有し、無色又は白色の無機の針状結晶であり、ウイスカーと呼ばれるものが好ましい。この針状結晶の短径方向の2つの結晶軸方向の屈折率差は小さく、長径方向の屈折率と短径方向の屈折率の差が大きいものが好ましい。なお、先に述べたように短径方向の屈折率は実質的に2つの結晶軸方向の屈折率の平均値として働くことになる。具体的な複屈折結晶の種類としては、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸マグネシウム、炭酸マンガン、炭酸コバルト、炭酸亜鉛、炭酸バリウム等の炭酸塩、酸化チタン、塩基性硫酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム等の針状結晶が使用可能である。
好ましい複屈折結晶として、炭酸カルシウム(鉱物名:アラゴナイト)と炭酸ストロンチウム(鉱物名:ストロンチアナイト)を例に挙げると、前者の屈折率は(n,n,n)=(1.681,1.685,1.530)、後者は(n,n,n)=(1.520,1.666,1.669)である。針状結晶の長径は結晶系のc軸と一致するため、先述のn,nを使って表現すれば、炭酸カルシウムの場合(n,n)=(1.530,1.683)、炭酸ストロンチウムの場合(n,n)=(1.669,1.593)となり、かなり大きな複屈折率を示していることが分かる。
針状フィラーと透明樹脂マトリックスの組み合わせとしては、例えば、針状フィラーとして炭酸カルシウム(鉱物名:アラゴナイト)を選定した場合、これを分散させる透明樹脂としては通常n又はnのいずれかと実質的に一致している屈折率nを有するものを選定することが好ましく、使用可能で取り扱いの容易な透明樹脂としては、具体的には、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ノルボルネン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
針状フィラーのサイズとしては、長径が2〜5000μm、短径が0.1〜30μmであることが好ましく、長径が10〜300μm、短径が0.3〜5μmであることが特に好ましい。長径が2μm未満或いは5000μm超では、透明樹脂マトリックス中に針状フィラーを良好に分散・配向させることが困難となり、拡散偏光特性を発現させることが出来なくなる恐れがあるため、好ましくない。一方、短径が0.1μm未満では、針状フィラーを良好に分散・配向させることが困難であると共に、拡散偏光特性が低下する恐れがあり、短径が30μm超では、拡散光がぎらぎらの強いものとなるため、好ましくない。
また、針状フィラーのアスペクト比としては、2〜1000の範囲が好ましく、より好ましくは10〜300である。アスペクト比が2未満では針状フィラーの配向性が不十分になり、また1000以上では分散時に絡み合いが多くこれが凝集欠点となるため好ましくない。
なお、本発明では、針状フィラーとして上述の複屈折性の針状結晶が使用されるが、本発明の拡散偏光子の特性を大きく損なわない範囲で、この他に複屈折性を示さない針状フィラーや、球状フィラー、不定形フィラーを添加することが出来る。針状フィラーとしてはガラス繊維が、球状フィラーとしてはアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂等の樹脂微粒子が、不定形フィラーとしてはシリカ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク、二酸化チタン等の無機系白色顔料が挙げられる。なお、本発明でいう不定形フィラーとは、明らかな針状や球状を示さないという意味であり、一定の結晶系を有していても実質的に透明樹脂マトリックス中に配向することが出来ず、そのため拡散偏光に寄与しないものを指す。なお、これらのフィラーのサイズは、針状フィラーでは前述の範囲が好ましく、一方球状や不定形のフィラーについては、0.1〜20μm、好ましくは1〜10μmの範囲が望ましい。
(透明基材)
本発明の拡散偏光子は、透明基材上に直接積層することが出来るが、ここで使用可能な透明基材としては、透明性は高いもの程良好であって、全光線透過率(JIS K7361−1)が80%以上、より好ましくは85%以上、最も好ましくは90%以上のもの、また、ヘイズ値(JIS K7136)が3.0以下、より好ましくは1.0以下、最も好ましくは0.5以下のものが好適に使用できる。透明なプラスチックフィルムやガラス板等が使用可能であるが、薄く、軽く、割れ難く、生産性に優れる点でプラスチックフィルムが好適である。具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリイミド(PI)、芳香族ポリアミド、ポリスルホン(PS)、ポリエーテルスルホン(PES)、セロファン、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、シクロオレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂等が挙げられ、これらの単独又は混合、更には積層したものを用いることが出来る。また基材の厚さは、用途や生産性を考慮すると1μm〜5mm、好ましくは10〜500μm、より好ましくは、50〜200μmである。
本発明の拡散偏光子中におけるフィラーの含有量は特に限定されず、所望の光学特性や、フィラーのサイズや比重、透明樹脂マトリックスとフィラーとの屈折率差等に応じて適宜設計されるが、拡散偏光子の全質量に対して、10〜80質量%であることが好ましく、20〜50質量%であることが特に好ましい。フィラーの含有量が10質量%未満では拡散偏光特性が不十分となる恐れがあり、80.0質量%超では結着力が低下してフィラーの剥離を生じる恐れがあるため、好ましくない。なお、フィラー含有量が一定以上になると、塗工面の表面にフィラーに起因する微細な凹凸を生じるようになるが、この表面凹凸による拡散効果も最終的な拡散特性を得るための設計事項とすることが出来る。このように、より多くのフィラーを配合させることができるので、ヘイズも90%程度まで向上させることが可能である。
ここで、フィラーの内、複屈折性の無機針状フィラーの含有量は、全フィラーの合計質量に対して、70質量%以上が好適であり、90質量%以上がより好適である。ここで、無機針状フィラーの割合が全フィラーを基準として70質量%未満では、拡散偏光特性を十分に示すことが困難になる。
本発明の拡散偏光子の厚さは特に限定されないが、5〜100μmであることが好ましく、15〜90μmであることがより好ましく、20〜80μmであることが特に好ましい。厚さが5μm未満では、十分なヘイズや拡散偏光機能を発現できなくなる恐れがあり、100μm超では、材料代が嵩む割に光学特性の更なる向上が期待できず、また製造効率も悪くなるため、好ましくない。
[拡散偏光子の物性(特に偏光特性)]
次に、本発明の拡散偏光子の偏光特性を詳述する。まず、本発明の拡散偏光子は、塗布により製造されるので、複屈折性の無機針状フィラーを略一方向に配向させ易い。更に、フィラーが配されている透明樹脂マトリックスが等方性であるため、当該マトリックス部分で偏光解消が生じない。
そして、針状フィラーが略一方向に配向した結果、当該配向の向きと同一方向に振動する偏光成分(長径方向の屈折率がマトリックス樹脂の屈折率と略同一の場合)又は当該配向の向きと垂直方向に振動する偏光成分(短径方向の屈折率がマトリックス樹脂の屈折率と略同一の場合)を透過させる一方、当該成分と垂直方向に振動する偏光成分(長径方向の屈折率がマトリックス樹脂の屈折率と略同一の場合)又は当該成分と水平方向に振動する偏光成分(短径方向の屈折率がマトリックス樹脂の屈折率と略同一の場合)を拡散させる。この結果、拡散した偏光成分を透過させるような向き・拡散した偏光成分を透過させないような向き、といった具合に、偏光板の向きを変えることにより(加えて、針状フィラーを適宜選択したり、針状フィラーとマトリックス樹脂との組み合わせを変えることにより)、偏光板からの透過光の広さや強度を所望の程度に調整することが可能になる。
[拡散偏光子の製造方法]
本発明の拡散偏光子は、前記透明樹脂成分を含む塗料中に複屈折性の無機針状フィラーを分散させた樹脂組成物を調製し、これを透明基材や離型シート、各種光学素子上に、針状フィラーが一定方向に配向するように塗工した後、溶剤を乾燥除去することにより作製される。
ここで樹脂組成物の調製にあたっては、透明樹脂を溶解しフィラーを分散させるために、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン等の有機溶剤を使用してもよい。また、濡れ性、レベリング性、乾燥性等の塗工適性を向上させるために、上記溶剤の他に、必要に応じて、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の溶剤を添加してもよい。このように、有機溶剤を添加する等して、塗工に適した粘度に設定された樹脂組成物中に無機針状フィラーを混合・分散させる手段を講じているので、(1)樹脂内での無機針状フィラーの分散性を極めて向上させることが可能になると共に、(2)バンドル状の無機針状フィラーを効率的に解すことが可能になる。
また、フィラーの透明樹脂中への分散性を向上するために、予めフィラー表面に油脂類、界面活性剤、シランカップリング剤等の分散性向上剤を作用させ、フィラー表面を改質しておいてもよい。なお、かかる分散性向上剤は、フィラーの表面に付着させる代わりに、フィラー含有塗料に配合することもできる。更に、フィラー含有塗料には、必要に応じて着色染料、蛍光染料、増粘剤、界面活性剤、レベリング剤等を添加することもできる。
フィラーの樹脂組成物中への分散は、通常デイスパー、アジター、ホモジナイザー、ボールミル、アトライター等の各種混合・攪拌装置、分散装置等を用いて行うことができるが、針状フィラーの形状を維持したまま分散するためには、ビーズを使わずに強い剪断力を発生させる装置を使用する方が好ましい。調製した樹脂組成物は、基材に塗工する前にあらかじめ脱泡しておくことが好ましい。
樹脂組成物は、樹脂組成物中の複屈折性の無機針状フィラーの流動配向や剪断配向が強く促進される塗工方式で塗工されることにより、針状フィラーはその長軸が塗工方向にほぼ沿うように配向した拡散偏光子を比較的に容易に製造することができる。具体的な塗工方式としては、リバースコーター、ギャップコーター、コンマコーター、ダイコーター、リップコーター、ワイヤーバーコーター、デイップコーター、マイクログラビアコーター、ロールコーター等が挙げられる。なお、複屈折性の無機針状フィラーの配向の程度は、針状フィラーのサイズや、フィラー含有塗料の粘度、塗工方式、塗工速度等により調整できる。また、拡散偏光子の厚さは、樹脂組成物のWET塗工厚さや、樹脂組成物の固形分濃度等により容易に調整できる。
なお、本発明の拡散偏光子は、このように塗工により作製されるため、透明樹脂には延伸工程で発生するような光学異方性は生じない。すなわち、透明樹脂マトリックス自体には位相差がなく等方性であるため、基本的に偏光を乱すことがない。
本発明では、複屈折性無機針状フィラー含有塗料を透明基材上に直接塗工して拡散偏光子を設けた拡散偏光子積層フィルムを得ることが出来るが、離型フィルムや接着力の低い他の基材や金属、セラミックス等の基材上に塗工・乾燥した後に、これを剥離して単層の拡散偏光子とすることも出来る。更に、これらの拡散偏光子や拡散偏光子積層フィルムは、透過、反射、偏光、屈折及び拡散のいずれかの機能を持つ光学素子と積層することが出来る(複屈折性無機針状フィラー含有塗料を光学素子に直接塗工してもよい)。
ここで、透過機能を示す光学素子としては、透明ガラス板や透明樹脂板が挙げられる。液晶表示装置においては、前者は液晶セルのガラス基板に、後者は導光板に該当する。また、反射機能を示す光学素子としては反射板が、偏光機能を示す光学素子としては吸収型の偏光子や反射型の偏光子が、屈折機能を示す光学素子としてはプリズムシートが、拡散機能を示す光学素子としては等方性の拡散フィルム又は拡散板が挙げられる。
なお、偏光素子には、特定の偏光のみを透過し他の光を吸収する通常の「光吸収型偏光素子」の他、特定の偏光のみを透過し他の光を反射する「光反射型偏光素子」が含まれるものとする。光反射型偏光素子としては、例えば、延伸した際に延伸方向の屈折率が異なる2種類のポリエステル樹脂(PEN及びPEN共重合体)を、押出成形技術により数百層交互に積層し延伸した構成の3M社製「DBEF」や、コレステリック液晶ポリマー層と1/4波長板とを積層してなり、コレステリック液晶ポリマー層側から入射した光を互いに逆向きの2つの円偏光に分離し、一方を透過、他方を反射させ、コレステリック液晶ポリマー層を透過した円偏光を1/4波長板により直線偏光に変換させる構成の日東電工社製「ニポックス」やメルク社製「トランスマックス」等が市販されている。これらはいずれも本発明の拡散偏光子と積層して使用することが出来る。
本発明の拡散偏光子は、以上の透明基材や各種光学素子上に塗工により直接積層することが出来るが、粘着剤や接着剤を介して積層することも可能である。
本発明の拡散偏光子は、製造プロセス上これまで述べたように、フィラー含有塗料を調製し、これを塗工・乾燥することにより、比較的容易に製造することができる。加えて、フィラーの種類、サイズ、配合比の選定、厚さ及び針状フィラーの配向の程度等により、拡散偏光の程度を調整することが出来、液晶表示装置や液晶表示装置用バックライト等の各種光学装置に好適に利用できる。
<発明の効果>
安価な材料を組み合わせて、高額の設備が必要な延伸工程を経ることなく、安価な塗工技術により、容易に製造可能な拡散偏光子を作製することが出来る。また、偏光板等の光学部材上に直接塗工できることで、バックライトの製造工程を簡略化できる。更に、本発明の拡散偏光部材は、偏光だけでなく光拡散性も有するため、既存の拡散フィルムを省略することも出来る。
[拡散偏光子の応用分野]
本発明の拡散偏光子は、液晶表示装置用バックライトに使用することが出来、特に冷陰極管を使った直下型のバックライトの拡散フィルムとして、光源の形状に起因する空間的な輝度のムラを拡散機能により解消して均一化すると共にその拡散偏光機能により輝度向上を図るのに有効である。また、拡散フィルムと反射偏光子を組み合わせ、本発明の拡散偏光子で代替することによる、部材点数の削減や薄型化にも寄与することが出来る。更に、導光板、光反射素子、光拡散素子、プリズム素子、偏光素子、位相差素子、視野角拡大素子から選ばれる光学素子と組み合わせて配置したり、両者を積層することにより、更に両者の機能を高めあったり、単なる組み合わせ以上の機能を発現することが期待される。
次に、本発明に係る実施例及び比較例について説明する。
(実施例1)
透明樹脂マトリックスとして後述するイソシアネート系硬化剤を添加して作製される、硬化皮膜の屈折率が1.50になるアクリルポリオール樹脂を選定し、メチルエチルケトンとトルエンの混合溶剤に全固形分濃度30%で溶解した溶液を調製した。このアクリルポリオール樹脂溶液230質量部に、針状フィラーとしてアラゴナイト系炭酸カルシウム{長径20〜30μm、短径0.5〜1.0μm、屈折率(n,n,n)=(1.681,1.685,1.530)}30質量部を添加し、さらに、希釈溶剤としてトルエンを40質量部添加し、アジターで30分間攪拌して針状フィラーを分散させた。この分散液に、イソシアネート系硬化剤5質量部を添加して十分に混合し、塗料組成物を調製した。
この組成物を、80μm厚のTACフィルム上に、アプリケーターを用いて塗工し、100℃で3分間乾燥し、本実施例に係る拡散偏光子積層フィルムを作製した。形成された拡散偏光子の厚さは19μmであった。
光学顕微鏡で観察したところ、針状フィラーは長軸が塗工方向にほぼ沿うように配向していることが確認された。また、得られた拡散偏光子積層フィルムを白い紙から10cmの間隔をおいて平行に配置し、その上からフィルムにレーザーポインターから光を垂直入射させたところ、針状フィラーの長軸方向と直交する向きに伸びた楕円形状の光像が紙上に投射された(図1参照)。
また、ゴニオフォトメーターを使用して図2に示すように、光源、サンプル台上にセットされた拡散偏光子積層フィルム、拡散偏光子積層フィルムと密接配置した偏光板、その後方でサンプル台を中心に水平方向に回転できる受光器、を同一平面内に配置し、受光器を回転することで拡散と偏光の特性を測定した。拡散偏光子積層フィルムは、針状フィラーの配向する軸方向をMD、これと垂直の軸方向をTDとし、偏光板の偏光透過軸をTM、それと垂直な吸収軸をABとして、そのいずれかの向きを装置の水平方向と一致させた状態で、受光器を水平方向に回転させ、透過率を測定した。その結果を図3に示す。これにより、指向性を持った拡散透過光の偏光状態を立体的にイメージすることが出来る。
図3では、表1に示す、装置内で水平方向に向いている拡散偏光子の2つの軸と、その背後にある偏光板の2つの軸を組み合わせた4通りのグラフが描かれている。
Figure 2008158462
(1)1−MD/TM及び1−TD/AB
図3から分かるように、1−MD/TMと1−TD/ABのグラフは、非常に大きくかつ拡散性が弱い(ピークが狭い)透過率を示している。これは、針状フィラーの配向方向に振動する偏光成分は、拡散偏光子で拡散されずに偏光板に到達し、偏光板をそのまま通過するためである。尚、1−TD/ABは、1−MD/TMと比較するとやや幅広である。これは、針状フィラーの軸方向に偏光する光は拡散され難いが、その中でも針状フィラーの軸と垂直な方向に光が拡散し易いことを示している。
(2)1−TD/TM
図3から分かるように、1−TD/TMのグラフは、小さくかつ拡散性が強い(ピークが幅広)透過率を示している。これは、針状フィラーの配向方向と垂直な方向に振動する偏光成分は、拡散偏光子で左右方向に拡散された状態で偏光板に到達し、偏光板をそのまま通過するためである。
(3)1−MD/AB
図3から分かるように、1−MD/ABのグラフは、小さくかつ拡散性が低い(ピークが狭い)透過率を示している。これは、針状フィラーの配向方向と垂直な方向に振動する偏光成分は、拡散偏光子で上下方向に拡散された状態で偏光板に到達し、偏光板をそのまま通過するためである。
なお、上記(1)は、前記のように針状フィラーの配向方向と同一方向の偏光成分を多く含んでおり、散乱角の小さな領域(約±8°以内)を占める。他方、上記(2)は、針状フィラーの配向方向に垂直な方向の偏光成分を多く含んでおり、前記領域よりも大きな角度範囲に拡散している。なお、これらのことは、全て定性的には図1に示されている。
(実施例2)
実施例1の透明樹脂マトリックスを、環状オレフィンコポリマーであるTOPAS−8007(屈折率1.53)に変更したほかは、実施例1と同条件で塗料組成物を調製し、これを75μm厚の透明基材上に、実施例1と同様の方法で塗工・乾燥した。形成された拡散偏光子の厚さは27μm厚であり、透明基材であるPETフィルムから容易に剥離することが出来た。
実施例2の拡散偏光子のゴニオフォトメーターでの評価結果を図4に示す。図4からも分かるように、実施例1とほぼ同様のグラフが得られた。
図1は、本発明の拡散偏光子、及びこれに細い直線光を垂直入射させた時の透過光の拡散状態を模式的に示す図である。 図2は、実施例でのゴニオフォトメーターを用いた試験のシステム図である。 図3は、実施例1の試験結果を示すチャートである。 図4は、実施例2の試験結果を示すチャートである。

Claims (27)

  1. 等方性透明樹脂マトリックスと、前記等方性樹脂マトリックス内で一定方向に配向して分散している、短径方向の屈折率と長径方向の屈折率とのいずれか一方が前記等方性透明樹脂マトリックスの屈折率と実質的に一致している複屈折性の無機針状フィラーとを含む、拡散偏光子。
  2. 透明樹脂と、短径方向の屈折率と長径方向の屈折率とのいずれか一方が前記透明樹脂マトリックスの屈折率と実質的に一致している複屈折性の無機針状フィラーとを含む塗料を、前記透明樹脂マトリックス内で前記無機フィラーが一定方向に配向して分散するように塗工することにより得られる拡散偏光子。
  3. 透明樹脂と、短径方向の屈折率と長径方向の屈折率とのいずれか一方が前記透明樹脂マトリックスの屈折率と実質的に一致している複屈折性の無機針状フィラーとを含む塗料を、前記透明樹脂マトリックス内で前記無機フィラーが一定方向に配向して分散するように塗工することにより得られる、等方性透明樹脂マトリックス内で無機針状フィラーが一定方向に配向して分散している拡散偏光子。
  4. 前記無機針状フィラーは、長径が2〜50μm、短径が0.1〜5μm、アスペクト比が5以上のものである、請求項1〜3のいずれか一項記載の拡散偏光子。
  5. 前記無機針状フィラーは、その長軸方向の屈折率が前記透明樹脂の屈折率と実質的に一致する、請求項1〜4のいずれか一項記載の拡散偏光子。
  6. 前記無機針状フィラーは、アラゴナイト系炭酸カルシウムである、請求項1〜5のいずれか一項記載の拡散偏光子。
  7. 前記透明樹脂が、溶剤可溶の熱可塑性樹脂である、請求項1〜6のいずれか一項記載の拡散偏光子。
  8. 前記熱可塑性樹脂が、環状ポリオレフィンを主成分とする、請求項7記載の拡散偏光子。
  9. 前記熱可塑性樹脂が、スチレンアクリル共重合体を主成分とする、請求項7記載の拡散偏光子。
  10. 前記熱可塑性樹脂が、粘着剤である、請求項7記載の拡散偏光子。
  11. 前記透明樹脂が、硬化前は溶剤可溶又は無溶剤の熱硬化性樹脂である、請求項1〜6のいずれか一項記載の拡散偏光子。
  12. 前記透明樹脂が、硬化前は溶剤可溶又は無溶剤のUV硬化型樹脂である、請求項1〜6のいずれか一項記載の拡散偏光子。
  13. 前記UV硬化型樹脂が、硬化により粘着剤として機能するものである、請求項12記載の拡散偏光子。
  14. 前記透明樹脂は、その屈折率が1.48〜1.58である、請求項1〜13のいずれか一項記載の拡散偏光子。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項記載の拡散偏光子が透明基材上に積層されている拡散偏光子積層フィルム。
  16. 前記拡散偏光子は、塗工方法により前記透明基材上に直接的に積層されているものである、請求項15記載の拡散偏光子積層フィルム。
  17. 請求項1〜14のいずれか一項記載の拡散偏光子或いは請求項15又は16記載の拡散偏光子積層フィルムが、透過、反射、偏光、屈折及び拡散のいずれかの機能を持つ光学素子上に積層されている光学部材。
  18. 透過機能を示す光学素子が、透明ガラス板、透明樹脂フィルム、透明樹脂板のいずれかである、請求項17記載の光学部材。
  19. 前記透明樹脂板が、導光板である、請求項18記載の光学部材。
  20. 反射機能を示す光学素子が、反射板である、請求項17記載の光学部材。
  21. 偏光機能を示す光学素子が、吸収型の偏光子である、請求項17記載の光学部材。
  22. 偏光機能を示す光学素子が、反射型の偏光子である、請求項17記載の光学部材。
  23. 屈折機能を示す光学素子が、プリズムシートである、請求項17記載の光学部材。
  24. 拡散機能を示す光学素子が、粒子分散型の拡散フィルムである、請求項17記載の光学部材。
  25. 拡散機能を示す光学素子が、拡散要素を含む導光板である、請求項17記載の光学部材。
  26. 前記拡散偏光子は、塗工方法により前記光学素子上に直接的に積層されているものである、請求項17〜25のいずれか一項記載の光学部材。
  27. 請求項1〜14のいずれか一項記載の拡散偏光子或いは請求項15又は16記載の拡散偏光子積層フィルムが前記光学素子上に粘着剤又は接着剤を介して積層されているものである、請求項17〜25のいずれか一項記載の光学部材。
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